(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ストライカと係合して車両ドアを保持するラッチ機構と、駆動源としてのリリース用電動機のリリース駆動によって前記ラッチ機構の前記ストライカとの係合を解除するリリース機構と、を有するドアロック装置と、
前記車両ドアの車内側のグリップに設けられた内部電気的操作部と、
前記内部電気的操作部に対する操作に応じて前記リリース用電動機をリリース駆動する制御部と、
車両の傾斜を検出する傾斜検出部と、
を備え、
前記内部電気的操作部は、前記リリース用電動機のリリース駆動を前記制御部に指示する第1操作要素と、乗員による前記グリップの把持を検出する第2操作要素と、を有し、
前記制御部は、前記第1操作要素からのリリース駆動指示を受け付けた際に、前記傾斜検出部によって検出される車両の傾斜に基づいて前記車両ドアの自重による開放の成否を判定し、判定結果が成判定である場合に、前記第2操作要素によって前記グリップの把持が検出されている場合にのみ前記リリース用電動機をリリース駆動するドアロックシステム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に示すように、4ドアタイプの自動車Vの各サイドドアには、サイドドアを閉鎖位置に保持するためのドアロック装置1と、車外側に設けられる外部機械的操作部のアウトサイドハンドルOH及び外部電気的操作部と、車内側に設けられる内部機械的操作部のインサイドハンドルIH及び内部電気操作部とが配置されている。
【0010】
また、フロント側のサイドドアには、車外からドアロック装置1の後述の施解錠機構をロック状態及びアンロック状態に選択的に切り替え操作するためのキーシリンダKCが配置されている。なお、図示は省略するが、各サイドドアには、車内から施解錠機構をロック状態及びアンロック状態に選択的に切り替え操作するためのロックノブが配置される場合もある。
【0011】
また、運転席から操作可能な場所(例えば運転席近傍の室内又はフロント運転席側のサイドドアの車内側の側面)には、フロント運転席側のサイドドア以外のサイドドアの上記内部電気的操作部の操作を有効又は無効に切り替えるためのキャンセルスイッチSW5と、車内から全てのドアの施解錠機構をロック状態又はアンロック状態に一斉に切り替えるための内部施解錠操作スイッチSW11が設けられる。
【0012】
上記外部電気的操作部は、
図2に示すようにアウトサイドハンドルOHの表面に配置され、又は裏面若しくはその近傍に配置された操作スイッチであって、サイドドアの保持を解除するドアロック装置1の後述のリリース機構をリリース用モータによって動作させるための外部操作スイッチSW1を有する。外部操作スイッチSW1は、特に限定されるものではないが、例えばタッチセンサや近接センサによって構成される。
【0013】
外部操作スイッチSW1は、その操作の有効及び無効が制御装置ECU(Electronic Control Unit)によって電気的制御される。例えば、自動車専用の発信器(又は電子キー)SW6を携帯した正規の使用者(運転者)が自動車Vに対して所定のエリア内に接近し、発信器SW6と車体に配置された車外レシーバR1との間で行われる無線通信でID信号の照合が一致して、正規の使用者が自動車Vに接近したと認証した場合、操作が有効とされる。車外レシーバR1は、車外の予め定めたエリアに存在する発信器SW6の信号を受信可能に構成されている。
【0014】
上記内部電気的操作部は、
図3に示すようにサイドドアの車内側のグリップGに配置された二つの操作スイッチであって、リリース機構をリリース用モータによって動作させるための第1内部操作スイッチSW2と、グリップGが把持されていることを検出するための第2内部操作スイッチSW12とを有する。第1内部操作スイッチSW2及び第2内部操作スイッチSW12は、特に限定されるものではないが、例えばタッチセンサや近接センサあるいは押下スイッチによって構成される。
【0015】
第1内部操作スイッチSW2は、その操作の有効及び無効が制御装置ECU(Electronic Control Unit)によって電気的制御される。例えば、発信器SW6を携帯した正規の使用者(運転者)が自動車Vの車内におり、発信器SW6と車体に配置された車内レシーバR2との間で行われる無線通信でID信号の照合が一致して、正規の使用者が自動車Vの車内にいると認証した場合、操作が有効とされる。車内レシーバR2は、車内の予め定めたエリアに存在する発信器SW6の信号を受信可能に構成されている。第2内部操作スイッチSW12によるグリップGの把持の検出は、第1内部操作スイッチSW2の操作に基づくリリース用モータのリリース駆動の実行に用いられる。
【0016】
グリップGの把持を検出するための第2内部操作スイッチSW12は、好ましくは、サイドドアのインナーパネルIPに面するグリップGの裏面に設けられ、これにより第2内部操作スイッチSW12の操作を使用者に意識させることなくグリップGの把持を検出することができる。なお、第1内部操作スイッチSW2は、グリップGの表面に設けられていてもよいし、グリップGの裏面に設けられていてもよく、操作性を考慮してグリップGの適宜な位置に設けることができる。
【0017】
発信器SW6は、使用者が携帯する外部電気的操作要素でもある無線通信式の携帯操作スイッチSW10に内蔵されるか、または携帯操作スイッチSW10と分離して構成される。携帯操作スイッチSW10は、リリース機構をリリース用モータによって動作させるときに操作されるオープンスイッチ部と、施解錠機構を切り替えるときに操作されるロック・アンロックスイッチ部とを有している。なお、オープンスイッチ部は、サイドドア毎に割り当てられ、ロック・アンロックスイッチ部は、全てのドア共通として使用される。また、オープンスイッチ部、ロック・アンロックスイッチ部の操作は、発信器SW6のID信号を認証しているときに有効となり、認証していないときには無効となる。
【0018】
図4は、ドアロック装置1の外観斜視図、
図5は、ドアロック装置1の一部分解斜視図、
図6は、ドアロック装置1の分解斜視図、
図7は、ドアロック装置1の後面図、
図8〜13は、要部の動作説明図である。なお、以下の説明で使用する方位は、ドアロック装置1をサイドドアに取り付けた状態を指す。
【0019】
ドアロック装置1は、サイドドア内に取り付けられ、車体側のストライカSに係合することによりサイドドアを閉鎖位置に保持するためのラッチ機構を有するラッチユニット2と、サイドドアをロック状態又はアンロック状態に選択的に切り替え可能な機械的要素(レバー、リンク等)により構成される施解錠機構を有する操作ユニット3とを備える。
【0020】
ラッチユニット2は、例えば
図7に示すように、主な要素として、サイドドア内の後端部に複数のボルト(図示省略)により固定されるボディ4と、当該ボディ4内に収容され、車体側に固定されるストライカSと係合可能なラッチ5及び当該ラッチ5に係合可能なラチェット6を含むラッチ機構(符号無し)と、ラチェット6とラッチ5との係合関係を解除させる方向へリリース作動可能なオープンレバー7(例えば、
図6参照)とを有する。
【0021】
ラッチ5は、前後方向を向くラッチ軸8によりボディ4内に枢支されると共に、ラチェット6が係合可能なフルラッチ係合部51及びハーフラッチ係合部52と、ボディ4に設けられたストライカ進入溝41に進入するストライカSと係合可能な係合溝53とを有する。
【0022】
ボディ4のストライカ進入溝41は、
図7に示すように、上下方向の略中央部よりも若干上位に設けられ、車内側が開口して車外方向へ延伸する形状を呈する。なお、
図7に示す符号「X」は、サイドドアの閉鎖時、ストライカSがストライカ進入溝41に対して進入し、ラッチ5の係合溝53に係合する際の進入経路であるストライカ進入線を示す。
【0023】
また、ラッチ5は、サイドドアの閉動作に伴って、ストライカSに係合していないサイドドアの開状態に対応するオープン位置(
図7に示す位置から時計方向へ略90度回転した位置)からスプリング(図示省略)の付勢力に抗して反時計方向へ所定角度回動して、ストライカ進入溝41に
図7において左方からストライカ進入線Xに沿って進入してきたストライカSに係合溝53が僅かに係合する半ドア状態に対応するハーフラッチ位置を通過して、ストライカSに係合溝53が完全に係合する全閉状態に対応するフルラッチ位置(
図7に示す位置)へ回動し、また、サイドドアの開動作によるストライカSのストライカ進入溝41からの退出に伴ってその逆へ回動する。
【0024】
ラチェット6は、ストライカ進入溝41の下方にあって、前後方向を向くラチェット軸9によりボディ4内に枢支されると共に、スプリング(図示省略)により係合方向(
図7において反時計方向で、ラッチ5のフルラッチ係合部51及びハーフラッチ係合部52のいずれかに係合する方向)へ付勢され、フルラッチ係合部51に係合することでサイドドアを全閉状態に保持し、また、ハーフラッチ係合部52に係合することでサイドドアを半ドア状態に保持する。
【0025】
図6に示すように、オープンレバー7は、ボディ4の前面側に、ラチェット6と同軸上で、かつラチェット6と一体的に回動し得るように枢支され、リリース作動(
図6において反時計方向への回動)することによって、ラチェット6とラッチ5との係合関係を解除する。オープンレバー7の車内側へ延伸する端部には、被解除部71が設けられる。
【0026】
次に、操作ユニット3について説明する。
【0027】
図6に示すように、操作ユニット3は、ボディ4の前面を覆うようにボディ4に固定される平面視略L字状の合成樹脂製の第1カバー10と、当該第1カバー10の車内側を向く側面を閉鎖する合成樹脂製の第2カバー11と、当該第2カバー11の略上半部の側面を車内側から閉鎖する合成樹脂製のウォータープルーフサイドカバー12と、第1カバー10と第2カバー11との上部合わせ面を覆うウォータープルーフトップカバー13と、ハウジング内に収容される操作機構(符号無し)とを有する。
【0028】
なお、本説明で使用する「ハウジング内」は、ボディ4の前面に対して略直角な第1カバー10の側面と、当該側面に対向する第2カバー11の側面との間に形成される収容空間を指す。
【0029】
操作機構は、施解錠機構の駆動源としての施解錠用モータ14と、施解錠用モータ14の駆動により正逆回転可能な施解錠用ウォームホイール15と、アウトサイドハンドルOHのドア開操作を有効にするアンロック位置及び無効にするロック位置に移動可能なロックレバー16と、ロックレバー16と共にアンロック位置及びロック位置に移動可能なオープンリンク18と、インサイドハンドルIHに連係されるインサイドレバー19と、キーシリンダKCに連結されるキーレバー20と、アウトサイドハンドルOHに連係されるアウトサイドレバー21と、電動リリース機構の駆動源としてのリリース用モータ22と、リリース用モータ22の駆動により回動可能なリリース用ウォームホイール23と、リリース用ウォームホイール23の回動によりリリース作動(例えば、
図8において反時計方向への回動)する電動リリースレバー24と、施解錠用モータ14、リリース用モータ22及び各種スイッチに電気的に接続される配線が施された配線プレート25と、を含んで構成される。また、第2カバー11とウォータープルーフサイドカバー12との間の収容空間には、サイドドアの車内側に設けられる手動操作用のロックノブに連係されるノブレバー17が設けられる。なお、ロックノブが省略される場合には、ノブレバー17も省略される。
【0030】
本実施形態においける施解錠機構は、駆動源としての施解錠用モータ14、機械的要素の施解錠用ウォームホイール15、ロックレバー16及びオープンリンク18を含んで構成される。
【0031】
また、以下の説明で使用する「アンロック状態」とは、ロックレバー16、ノブレバー17及びオープンリンク18がそれぞれアンロック位置にある状態を指し、また、「ロック状態」とは、ロックレバー16、ノブレバー17及びオープンリンク18がそれぞれロック位置にある状態を指す。なお、施解錠機構の構成は、本実施形態に限定されるものではなく、種々変更可能である。
【0032】
電動リリース機構は、駆動源としてのリリース用モータ22、リリース用ウォームホイール23及び電動リリースレバー24を含んで構成される。
【0033】
施解錠用モータ14は、ハウジング内に収容され、自体のケース(ヨーク)14aが
図7に示すストライカ進入線Xよりも上位にあって、ケース14aに枢支された出力軸14bが下方へ向くように配置される。これにより、ストライカ進入溝41から浸入した雨水が施解錠用モータ14のケース14a内に浸入することを極力防止することができる。
【0034】
配線プレート25は、車載のバッテリ(図示省略)及び制御装置ECUに接続される外部電源の外部コネクタ(図示省略)が接続されるカプラー251を一体形成すると共に、車外側を向く側面には、ハウジング内への電力供給及び各種信号を出力するための配線が施され、施解錠用モータ14のケース14aを車内側から覆うようにしてハウジング内に固定される。配線プレート25の配線は、制御装置ECUにより施解錠用モータ14及びリリース用モータ22が制御されるように、施解錠用モータ14及びリリース用モータ22の端子、並びにカプラー251に接続される外部コネクタにそれぞれ電気的に接続される。なお、
図5は、操作ユニット3の内部構造を明示するため、配線プレート25を省略して示している。
【0035】
図8に示すように、施解錠用ウォームホイール15は、施解錠用モータ14のケース14aよりも下位にある車内外方向を向く軸26によりハウジング内に枢支されると共に、施解錠用モータ14の出力軸14bに止着されたウォーム141に噛合することで、施解錠用モータ14の駆動に基づいて、軸26回りに巻装されるスプリング27(
図6参照)の付勢力に抗して、中立位置(例えば、
図8に示す位置)から時計方向又は反時計方向へ回転し、施解錠用モータ14の回転が停止すると、スプリング27の付勢力により回転位置から再び中立位置に戻る。
【0036】
ノブレバー17は、第2カバー11に設けられた軸111により第2カバー11の側面に枢支されると共に、下方へ延伸する連結アーム部171がボーデンケーブルにより構成される連結部材28を介して手動操作用のロックノブに連結されることにより、ロックノブのアンロック操作及びロック操作に基づいて、例えば、
図8に示すアンロック位置及び当該アンロック位置から反時計方向へ所定角度回動した
図9に示すロック位置に回動する。なお、ロックノブの操作は、後述のようにノブレバー17を介してロックレバー16及びオープンリンク18に伝達される。また、ロックノブを省略する場合には、連結部材28も省略される。
【0037】
ウォータープルーフサイドカバー12は、ノブレバー17を第2カバー11に組み付けた後、第2カバー11の外側面に固定されることにより、ノブレバー17が設置される領域を含む第2カバー11の外側面の一部を閉鎖して、ハウジング内への雨水浸入を防止する。
【0038】
ロックレバー16は、第1カバー10の内側面に設けられた車内方向へ突出した軸101によりハウジング内に枢支されると共に、斜め前下部に形成された歯部161が施解錠用ウォームホイール15に設けられた歯部151に噛合し、上部がキーレバー20に連結され、斜め前上部に形成された連結突部162が第2カバー11に設けられた円弧孔112を通ってノブレバー17の連結孔172に連結される。さらに、ロックレバー16には、回転中心付近から下方へ延伸する案内壁165を有するアーム部164が設けられる。なお、軸101、すなわちロックレバー16の回転中心は、ハウジング内において、ストライカ進入線Xよりも上位になるように配置される。
【0039】
これにより、ロックレバー16は、キーシリンダKCの操作に基づくキーレバー20の回動、ロックノブの操作に基づくノブレバー17の回動、及び施解錠用モータ14の駆動に基づく施解錠用ウォームホイール15の回動により、
図8に示すアンロック位置及び当該アンロック位置から時計方向へ所定角度回動した
図9に示すロック位置に回動可能であって、保持部材29の弾性保持力によってアンロック位置及びロック位置にそれぞれ弾性保持される。なお、施解錠用ウォームホイール15が中立位置にある場合、ロックレバー16の歯部161は、施解錠用ウォームホイール15の歯部151に対して非噛合状態となる構成を採用しているため、ロックノブ及びキーシリンダKCの操作に基づくロックレバー16の回動は、施解錠用ウォームホイール15に伝達されない構成となっている。
【0040】
保持部材29は、トーションスプリングにより構成され、コイル部が第1カバー10の内側面に一体形成された円柱状の支持部102(
図6参照)に支持され、両アーム部がロックレバー16の連結突部162を挟み込むように設置されることにより、ロックレバー16がアンロック位置(又はロック位置)からロック位置(又はアンロック位置)に回動する際、アンロック位置とロック位置との間の略中間位置を境にして、その付勢方向をアンロック方向(又はロック方向)からロック方向(又はアンロック方向)へ転換する。
【0041】
なお、ロックレバー16のアンロック位置及びロック位置への停止は、第1カバー10の内側面に固定されるゴム製のストッパ(図示省略)にロックレバー16の一部が当接することによって行われる。
【0042】
ロックレバー16の上部外周面には、配線プレート25に組み付けられた施解錠状態検出スイッチSW7の検知部が接触するカム面163が設けられる。施解錠状態検出スイッチSW7は、ロックレバー16の回動に伴って検知部がカム面163を相対的に摺接することにより、施解錠機構のアンロック状態/ロック状態に対応する信号を出力する。出力された信号は、配線プレート25の配線を介して制御装置ECUに送信される。
【0043】
オープンリンク18は、下部の回動部181に鼓上の連結孔182を有し、当該連結孔182にアウトサイドレバー21の車内側端部に設けた板状の連結部211が挿入されることにより、アウトサイドレバー21の連結部211に前後方向へ所定角度回動可能に連結されると共に、上部に設けた連結突部183が後述するようにロックレバー16のアーム部164に連結されることによって、ロックレバー16のアンロック位置及びロック位置への移動に連動して、アウトサイドレバー21の連結部211を中心にアンロック位置(
図8に示す位置)及び当該アンロック位置から反時計方向へ所定角度回動したロック位置(
図9に示す位置)に回動する。
【0044】
さらに、オープンリンク18には、上下方向の略中央部にあって、
図8に示すアンロック位置にあるとき、オープンレバー7の被解除部71に対して下方から当接可能な解除部184が設けられる。また、オープンリンク18の回動部181には、トーションスプリング36が設置される。
【0045】
トーションスプリング36は、一端がオープンリンク18、他端がアウトサイドレバー21の連結部211にそれぞれ掛止されることにより、オープンリンク18に対してアウトサイドレバー21の連結部211を中心にアンロック方向(
図8において時計方向)への付勢力を常時付与する。なお、トーションスプリング36の付勢力は、保持部材29のロックレバー16をロック位置に弾性保持する保持力よりも小となるように設定される。
【0046】
オープンリンク18の連結突部183は、ロックレバー16のアーム部164に対して上下方向へ摺動可能で、かつロックレバー16のロック方向(
図8において反時計方向)への回動に対してのみ案内壁165に当接可能な形態でロックレバー16のアーム部164に連結される。
【0047】
これにより、
図8に示すアンロック状態において、ロックレバー16がロック位置へ回動する際には、オープンリンク18は、ロックレバー16の案内壁165がオープンリンク18の連結突部183に対して当接することによりアンロック位置から
図9に示すロック位置へ回動する。また、
図9に示すロック状態において、ロックレバー16がアンロック位置へ回動する際には、オープンリンク18は、案内壁165と連結突部183との互いの当接関係に頼ることなく、トーションスプリング36の付勢力によりロックレバー16の回動に追従してロック位置から
図8に示すアンロック位置に回動する。
【0048】
なお、
図9に示すロック状態においては、ロックレバー16に対してトーションスプリング36のアンロック方向(時計方向)への付勢力が作用しているが、トーションスプリング36の付勢力は、保持部材29がロックレバー16をロック位置に保持する際の弾性保持力よりも小であるため、ロックレバー16及びオープンリンク18は、トーションスプリング36の付勢力によりアンロック位置へ回動することはない。
【0049】
アウトサイドレバー21は、前後方向を向く軸31によりボディ4の前面下部に上下方向へ回動可能に枢支されると共に、車内側の連結部211が前述のようにオープンリンク18に連結され、車外側の端部に設けた連結部212が上下方向の連結部材(図示省略)を介してアウトサイドハンドルOHに連結されることにより、アウトサイドハンドルOHのドア開操作に基づいて、スプリング(図示省略)の付勢力に抗してリリース方向(
図6において反時計方向)へ所定角度回動し、当該回動によりオープンリンク18を上方へリリース作動させる。
【0050】
リリース用モータ22は、ハウジング内にあって、自体のケース(ヨーク)22aがストライカ進入線Xよりも下位にあって、かつケース22aに枢支された出力軸22bが後斜め下方へ向くように配置される。
【0051】
なお、リリース用モータ22は、ストライカ進入線Xよりも下位に配置されるため、ストライカ進入溝41から浸入してきた雨水がリリース用モータ22に付着する虞があるが、リリース用モータ22は、出力軸22bが後斜め下方へ向くように配置されるため、ケース22a内への雨水浸入を最小限に抑えることができる。
【0052】
リリース用ウォームホイール23は、円板状であって、車内外方向を向く軸39によりハウジング内に枢支されると共に、リリース用モータ22のケース22aに枢支された出力軸22bに止着されたウォーム221に噛合し、リリース用モータ22の駆動に基づいて、軸39周りに巻装されるスプリング35(
図6参照)の付勢力に抗して、セット位置(例えば、
図8に示す位置)から時計方向へ所定角度回転し、
図10に示す位置まで回動してリリース用モータ22の回転が停止すると、スプリング35の付勢力により回転した位置から再びセット位置に戻る。また、リリース用ウォームホイール23には、回転中心から外周面までの距離が例えば
図8において反時計回りに漸次大きくなるようにしたインボリュート曲線状のカム面231が設けられる。
【0053】
電動リリースレバー24は、ハウジング内にあって、前後方向の中央部が軸103により枢支されると共に、前方へ延伸し先端部がリリース用ウォームホイール23のカム面231を摺接可能な第1アーム部241と、後方へ延伸し先端部がオープンレバー7の被解除部71に対して下方から当接可能な第2アーム部242とを有している。
【0054】
例えば、
図8に示すように、リリース用ウォームホイール23がセット位置にあるときには、電動リリースレバー24の第1アーム部241の先端部がリリース用ウォームホイール23におけるカム面231の小径部に当接することにより、電動リリースレバー24は、
図8に示すセット位置に保持されている。この状態において、リリース用モータ22の駆動に基づいて、リリース用ウォームホイール23が
図8に示すセット位置から時計方向へ所定角度回動し
図10に示すリリース位置に回動すると、電動リリースレバー24の第1アーム部241の先端部がカム面231を相対的に摺動してカム面231の大径部に変位することにより、電動リリースレバー24は、
図10に示すリリース作動位置に回動し、第2アーム部242の先端部がオープンレバー7の被解除部71に対して下方から当接して、オープンレバー7をリリース作動させ、ラッチ5とラチェット6との係合関係を解除してサイドドアを開くことができる。
【0055】
インサイドレバー19は、ハウジング内にあって、上下方向における中央部の若干下部が電動リリースレバー24と同軸の軸103により枢支されると共に、上方へ延伸して第2カバー11に設けられた円弧状の開口113(
図5参照)から外側に突出する第1アーム部191と、斜め後下方へ延伸する第2アーム部192と、第1アーム部191の上端部に形成され、ノブレバー17の連結アーム部171の下部の一部173に対して当接可能なアンロック作用部193とを有し、第1アーム部191の上部がボーデンケーブル等により構成される連結部材33を介してサイドドアのインサイドハンドルIHに連結されることによって、インサイドハンドルIHのドア開操作に基づいて、軸103周りに巻装されたスプリング34の付勢力に抗して、例えば
図8に示すセット位置から反時計方向へ所定角度回動し、
図12に示すようにリリース作動する。
【0056】
第2アーム部192の先端部には、インサイドレバー19がリリース作動した際、オープンリンク18の回動部181に対して下方から当接可能な当接部192aが形成される。
【0057】
連結部材33は、ハウジング内の上部に配置される施解錠用モータ14のケース14aと、同じく下部に配置されるリリース用モータ22のケース22aとの間を通るようにしてインサイドレバー19の第1アーム部191の上部に連結される。これにより、連結部材33が車内外方向への厚みが大のケース14a、22aに対して車内外方向に重なり合わないため、ハウジングの車内方向への厚みを薄くすることができる。
【0058】
次に、本実施形態に係る制御装置ECUを含む電気回路について説明する。
【0059】
図14に示すように、制御装置ECUは、制御プログラムを記憶しているROMと、CPUのワークエリアとして機能するRAMとともに一体型のワンチップCPUとして構成され、ROMに記憶された制御プログラムにより一連の制御処理を実行する。また、制御装置ECUには、発信器SW6と各レシーバR1、R2との間で行われる無線通信のID信号の照合を行う認証部を含む構成とする。なお、認証部は、制御装置ECUと分離した構成としても良い。
【0060】
制御装置ECUの入力ポートには、各レシーバR1、R2と、各サイドドアの外部操作スイッチSW1と、各サイドドアの第1内部操作スイッチSW2と、各サイドドアの第2内部操作スイッチSW12と、キャンセルスイッチSW5と、施解錠状態検出スイッチSW7と、車速を検出するための車速センサSW9と、内部施解錠操作スイッチSW11と、自動車Vの傾斜を検出するための傾斜センサSW13とがそれぞれ電気的に接続されて各信号が入力される。また、出力ポートには、施解錠用モータ14及びリリース用モータ22がそれぞれ電気的に接続される。
【0061】
キャンセルスイッチSW5は、フロント運転席側のサイドドア以外のサイドドアに設けられる第1内部操作スイッチSW2の操作を有効にするアンセット状態又は無効にするキャンセル状態に切り替えるときに操作される。制御装置ECUは、キャンセルスイッチSW5のアンセット信号を受信することで、第1内部操作スイッチSW2の操作を有効にするアンセット状態に保持し、キャンセルスイッチSW5のキャンセル信号を受信することで、第1内部操作スイッチSW2の操作を無効にするキャンセル状態に保持する。
【0062】
施解錠状態検出スイッチSW7は、施解錠機構の状態を検出するものであって、アンロック状態を検出することでアンロック信号、またロック状態を検出することでロック信号をそれぞれ制御装置ECUに送信する。
【0063】
車速センサSW9は、自動車の停止、走行を検出するものであって、停止又は予め定めた所定の速度以下を検出している場合には停止信号、また所定の速度以上を検出している場合には走行信号をそれぞれ制御装置ECUに送信する。
【0064】
内部施解錠操作スイッチSW11は、車内に設けられ、アンロック操作でアンロック信号、ロック操作でロック信号を制御装置ECUにそれぞれ送信する。制御装置ECUは、アンロック信号を受信した場合には、施解錠機構をアンロック状態に切り替えるべく施解錠用モータ14のアンロック駆動制御を行い、また、ロック信号を受信した場合には、施解錠機構をロック状態に切り替えるべく施解錠用モータ14のロック駆動制御を行う。施解錠用モータ14には例えば自動車に搭載されるバッテリ電源から電力が供給される。
【0065】
傾斜センサSW13は、鉛直軸に対する自動車Vのロール角(前後方向に延びる軸まわりの回転角)及びピッチ角(左右方向に延びる軸まわりの回転角)を検出可能であり、検出したロール角及びピッチ角に応じた信号を制御装置ECUにそれぞれ送信する。傾斜センサSW13は、例えば三軸加速度センサによって構成することができる。衝突検出などの目的で自動車Vに三軸加速度センサが搭載されている場合には、その三軸加速度センサを傾斜センサSW13として用いてもよい。
【0066】
制御装置ECUは、発信器SW6、キャンセルスイッチSW5、施解錠状態検出スイッチSW7、車速センサSW9、及び傾斜センサSW13の各信号を受信することによって、そのときの受信状況に応じて、各サイドドアの外部操作スイッチSW1、及び第1内部操作スイッチSW2、並びに携帯操作スイッチSW10のドア開操作を有効にしたり無効にしたりする切替制御を行うと共に、有効となっている外部操作スイッチSW1、及び第1内部操作スイッチSW2、並びに携帯操作スイッチSW10のドア開操作信号(リリース駆動指示)を受信することで、ドア開操作されたサイドドアのリリース用モータ22のリリース駆動制御を行う。
【0067】
制御装置ECUの切替制御は、
図15に示す通りである。なお、
図15に記載の「発信器SW6」の欄において、「認証(車外)」は、発信器SW6を携帯した使用者が車外の所定のエリア内にあって、車外レシーバR1と発信器SW6との間で行われるID信号の照合結果が一致して、発信器SW6を認証している場合であり、「非認証」は、発信器SW6が車外の所定のエリア及び車内に存在せず、発信器SW6を認証していない場合であり、また、「認証(車内)」は、発信器SW6が車内、すなわち使用者が車内に乗り込んだ状況にあって、車内レシーバR2と発信器SW6との間に行われるID信号の照合結果が一致して、発信器SW6を認証している場合である。
【0068】
発信器SW6の「認証(車外)」状態においては、外部操作スイッチSW1及び携帯操作スイッチSW10並びにフロント運転席側のサイドドアの第1内部操作スイッチSW2の操作は、車速センサSW9が自動車Vの停止を検出していれば、キャンセルスイッチSW5及び施解錠状態検出スイッチSW7の検出状態に関係なく有効とする。一方、キャンセルスイッチSW5のキャンセル操作によりキャンセル状態に保持している場合、フロント助手席側のサイドドア及びリヤサイドドアの第1内部操作スイッチSW2の操作は、車速センサSW9が停止信号を出力していても無効とする。
【0069】
発信器SW6の「非認証」状態においては、キャンセルスイッチSW5の操作によりアンセット状態に保持している場合、各サイドドアの第1内部操作スイッチSW2の操作は、車速センサSW9が停止信号を出力していれば有効とする。これ以外の操作は、全て無効とする。このようにすることによって、正規の使用者が車内にいない場合であっても、同乗者は、第1内部操作スイッチSW2の操作により迅速にサイドドアを開けることができ、同乗者の閉じ込めを防止することができる。なお、セキュリティの観点から、キャンセルスイッチSW5の操作によりアンセット状態に保持している場合の各サイドドアの第1内部操作スイッチSW2の操作も含めた全ての操作を無効としてもよい。
【0070】
発信器SW6の「認証(車内)」状態においては、各サイドドアの外部操作スイッチSW1の操作は、施解錠状態検出スイッチSW7がアンロック状態を検出している場合には有効とするが、ロック状態を検出している場合には無効とする。このようにすることによって、使用者が車内に居る場合、外部者により車外から不意にドアが開かれる虞がない。また、フロント運転席側のサイドドアの第1内部操作スイッチSW2の操作は、キャンセルスイッチSW5及び施解錠状態検出スイッチSW7の検出状態に関係なく有効とするが、フロント助手席側のサイドドア及びリヤサイドドアの第1内部操作スイッチSW2の操作は、施解錠状態検出スイッチSW7がアンロック状態を検出し、キャンセルスイッチSW5の操作によってアンセット状態に保持されていれば有効とし、施解錠状態検出スイッチSW7がロック状態を検出している場合、又はキャンセルスイッチSW5の操作によってキャンセル状態に保持されている場合には無効とする。
【0071】
そして、制御装置ECUは、有効となっている外部操作スイッチSW1及び携帯操作スイッチSW10のドア開操作信号を受け付けた際には、ドア開操作されたサイドドアのリリース用モータ22のリリース駆動を実行する。また、制御装置ECUは、有効となっている第1内部操作スイッチSW2からのドア開操作信号を受け付けた際には、傾斜センサSW13によって検出される自動車Vの傾斜に基づいてドア開操作されたサイドドアの自重による開放の成否、及び第2内部操作スイッチSW12によって検出されるドア開操作されたサイドドアのグリップGの把持の有無を判定し、判定結果に応じてドア開操作されたサイドドアのリリース用モータ22のリリース駆動を実行する。リリース用モータ22には例えば自動車に搭載されるバッテリ電源から電力が供給される。
【0072】
図16及び
図17は自動車Vの傾斜に基づくサイドドアの自重による開放の成否の判定例を示す。
【0073】
図16は、自動車Vが、前後方向に延びる軸まわりに車両の運転席側の側部を下方に向けるようにローリングした場合を示しており、この場合に、フロント運転席側のサイドドア及びリア運転席側のサイドドアには、各サイドドアの自重が開方向に作用する。車両の運転席側の側部が下方に向く方向をローリングの正方向として、制御装置ECUは、傾斜センサSW13によって検出されるロール角θが例えば0°<θの場合に、フロント運転席側のサイドドア及びリア運転席側のサイドドアの自重による開放を成と判定する。また、制御装置ECUは、0°>θの場合に、フロント助手席側のサイドドア及びリア助手席側のサイドドアの自重による開放を成と判定する。
【0074】
図17は、自動車Vが、左右方向に延びる軸まわりに車両の前部を下方に向けるようにピッチングした場合を示しており、この場合に、全てのサイドドアには、各サイドドアの自重が開方向に作用する。車両の前部が下方に向く方向をピッチングの正方向として、制御装置ECUは、傾斜センサSW13によって検出されるピッチ角φが例えば0°<φの場合に、全てのサイドドアの自重による開放を成と判定する。
【0075】
有効となっている第1内部操作スイッチSW2からのドア開操作信号を受け付けた際の制御装置ECUのリリース駆動制御は、
図18に示す通りである。
【0076】
制御装置ECUは、第1内部操作スイッチSW2からのドア開操作信号を受け付けた際に(ステップS1)、傾斜センサSW13によって検出される自動車Vの傾斜に基づいてドア開操作されたサイドドアの自重による開放の成否を判定する(ステップS2)。
【0077】
自重による開放の判定結果が成判定(ステップS2−Yes)である場合に、制御装置ECUは、第2内部操作スイッチSW12の出力信号に基づいてドア開操作されたサイドドアのグリップGが把持されているか否かを判定する(ステップS3)。
【0078】
そして、グリップGが把持されている(ステップS3−Yes)場合に、制御装置ECUは、ドア開操作されたサイドドアのリリース用モータ22のリリース駆動を実行する(ステップS4)。一方、グリップGが把持されていない(ステップS3−No)場合に、制御装置ECUは、ドア開操作されたサイドドアのリリース用モータ22のリリース駆動を実行しない(ステップS5)。
【0079】
自重による開放の判定結果が否判定(ステップS2−No)である場合に、制御装置ECUは、第2内部操作スイッチSW12の出力信号に基づいてグリップGが把持されているか否かを判定することなく、ドア開操作されたサイドドアのリリース用モータ22のリリース駆動を実行する(ステップS6)。
【0080】
このように、ドア開操作されたサイドドアの自重による開放の判定結果が成判定である場合には、グリップGが把持されている場合にのみリリース用モータ22のリリース駆動を実行してサイドドアを開扉可能とすることにより、グリップGを把持している乗員が開方向に作用するサイドドアの自重及び風などの外力を支持でき、サイドドアが不用意に全開状態まで開いてしまうことを回避することができる。
【0081】
好ましくは、制御装置ECUは、第1内部操作スイッチSW2からのドア開操作信号(リリース駆動指示)を所定時間継続して受け付けた際に、リリース駆動指示を確定してリリース用モータ22をリリース駆動する。これにより、第1内部操作スイッチSW2の誤操作によってリリース用モータ22がリリース駆動されることを抑制することができる。
【0082】
次に、ドアロック装置1の主な動作について説明する。
【0083】
なお、以下に説明する状態は、サイドドアが閉鎖状態にあって、制御装置ECUが発信器SW6のID信号を認証し、車速センサSW9が停止信号を出力し、キャンセルスイッチSW5の操作によってアンセット状態に保持され、外部操作スイッチSW1、及び第1内部操作スイッチSW2、並びに携帯操作スイッチSW10の操作が全て有効であることを前提とする。
【0084】
<施解錠機構がアンロック状態にあって、アウトサイドハンドルOHがドア開操作された場合>
図8に示す施解錠機構のアンロック状態において、アウトサイドハンドルOHがドア開操作されると、当該ドア開操作は、図示略の連結部材を介して、アウトサイドレバー21に伝達され、アウトサイドレバー21は、リリース作動する。これにより、アウトサイドレバー21の連結部211に連結されたオープンリンク18は、
図8に示すセット位置から上方へリリース作動し、当該リリース作動により解除部184がオープンレバー7の被解除部71に下方から当接して、オープンレバー7をリリース作動させる。これにより、ラチェット6がラッチ5のフルラッチ係合部51から外れてサイドドアを開くことができる。これにより、施解錠機構がアンロック状態にあれば、外部操作スイッチSW1の操作が有効/無効であるかに係わりなく、アウトサイドハンドルOHの機械的動作によるドア開操作によりサイドドアを開けることができる。
【0085】
<施解錠機構がアンロック状態にあって、インサイドハンドルIHが操作された場合>
図8に示す施解錠機構のアンロック状態において、インサイドハンドルIHがドア開操作されると、当該開操作は、連結部材33を介してインサイドレバー19に伝達される。インサイドレバー19は、電動リリースレバー24と同軸の軸103を中心に反時計方向へ所定角度回動するべくリリース作動し、
図12に示すように、第2アーム部192の当接部192aがオープンリンク18の回動部181に対して下方から当接して、オープンリンク18を上方へリリース作動させる。オープンリンク18は、リリース作動により解除部184がオープンレバー7の被解除部71に下方から当接して、オープンレバー7をリリース方向へ回動させてラッチ機構の係合を解除してサイドドアを開くことができる。
【0086】
<施解錠機構がロック状態にあって、アウトサイドハンドルOHが操作された場合>
図9に示すロック状態において、アウトサイドハンドルOHがドア開操作されると、当該操作はアウトサイドレバー21に伝達されて、オープンリンク18が
図9に示すセット位置から上方へリリース作動する。しかし、オープンリンク18の解除部184は、オープンレバー7の被解除部71の前方を横切るように移動して被解除部91に対して当接しない空振り状態となるため、オープンレバー7をリリース作動させることができず、サイドドアを開けることはできない。
【0087】
<施解錠機構がロック状態にあって、インサイドハンドルIHが操作された場合>
図9に示すロック状態において、インサイドハンドルIHがドア開操作されると、インサイドレバー19は、
図9に示すセット位置からスプリング34の付勢力に抗してリリース作動(
図9において反時計方向への回動)して、
図13に示すように、インサイドレバー19のアンロック作用部193がノブレバー17の一部173に当接することによって、ロックレバー16及びオープンリンク18をロック位置からアンロック位置に移動させる。
【0088】
この場合、オープンリンク18は、インサイドレバー19のリリース作動に伴って、オープンレバー7の被解除部71の前方を横切る空振り状態で上方へ移動するのと相俟って、ロックレバー16と共にアンロック方向へ回動するため、
図13に示すように、オープンリンク18の一部がオープンレバー7の一部に対してオープンレバー7を回動不能な方向から当接するため、オープンリンク18がアンロック位置の手前で一旦停止する。そして、インサイドハンドルIHを一旦非操作位置に戻すと、オープンリンク18は、下方へ移動してオープンリンク18の一部がオープンレバー7の一部から外れることによって、トーションスプリング36の付勢力によりアンロック位置へ移動してアンロック位置に移動する。これにより、施解錠機構は、アンロック状態に完全に切り替わる。この後、再び、インサイドハンドルIHをドア開操作することによって、ラッチ機構の係合を解除してサイドドアを開けることができる。
【0089】
インサイドハンドルIHのドア開操作によって施解錠機構をロック状態からアンロック状態に切り替え可能に構成することにより、例えば自動車Vのバッテリーの電力が欠乏して施解錠用モータ14及びリリース用モータ22を駆動できない場合に、施解錠機構がロック状態にあってもインサイドハンドルIHのドア開操作によってサイドドアを開けることができ、乗員が閉じ込められることを防止することができる。
【0090】
<施解錠機構がアンロック状態又はロック状態にあって、外部操作スイッチSW1又は携帯操作スイッチSW10のオープンスイッチ部が操作された場合>
制御装置ECUは、外部操作スイッチSW1又は携帯操作スイッチSW10のいずれかのドア開操作信号を受信すると、ドア開操作されたドアのリリース用ウォームホイール23をセット位置からリリース方向(例えば
図8において時計方向)に回動させるべくリリース用モータ22をリリース駆動制御する。これにより、電動リリースレバー24は、施解錠機構の状態に係わりなく、リリース用ウォームホイール23のリリース方向への回動に伴って、第1アーム部241の先端部がリリース用ウォームホイール23のカム面231を摺動してセット位置からリリース作動位置(アンロック状態では
図10、ロック状態では
図11にそれぞれ示す位置)に回動し、第2アーム部242の先端部がオープンレバー7の被解除部71に対して下方から当接し、オープンレバー7をリリース作動させる。これにより、ラッチ機構の係合状態を解除して、ドア開操作されたドアを開くことができる。
【0091】
この動作においては、電動リリースレバー24は、施解錠機構の状態とは無関係に、オープンレバー7を直接リリース作動させるものであるから、施解錠機構がロック状態にあっても、外部操作スイッチSW1又は携帯操作スイッチSW10の1回のドア開操作をもって、リリース用モータ22のリリース駆動によりドア開操作されたドアを迅速に開くことができる。
【0092】
<施解錠機構がアンロック状態又はロック状態のいずれかの状態にあって、第1内部操作スイッチSW2が操作された場合>
制御装置ECUは、第1内部操作スイッチSW2のドア開操作信号を受信すると、ドア開操作されたドアのリリース用モータ22をリリース駆動制御する。リリース用モータ22のリリース駆動制御においては、上述したとおり、傾斜センサSW13によって検出される自動車Vの傾斜に基づいてドア開操作されたサイドドアの自重による開放の成否、及び第2内部操作スイッチSW12によって検出されるドア開操作されたサイドドアのグリップGの把持の有無を判定し、サイドドアの自重による開放の判定結果が成判定である場合で且つグリップGが把持されている場合、又はサイドドアの自重による開放の判定結果が否判定である場合にドア開操作されたサイドドアのリリース用モータ22のリリース駆動を実行する。これにより、電動リリースレバー24は、施解錠機構の状態に係わりなくリリース作動し、第1内部操作スイッチSW2の1回のドア開操作をもって、ドア開操作されたドアを開けることができる。
【0093】
<施解錠機構がロック状態のとき、外部操作スイッチSW1又は携帯操作スイッチSW10のドア開操作と、内部施解錠操作スイッチSW11のアンロック操作とが略同時に行われた場合>
制御装置ECUは、外部操作スイッチSW1又は携帯操作スイッチSW10のいずれかのドア開操作信号を受信することで、ドア開操作されたドアのリリース用モータ22をリリース駆動制御すると共に、内部施解錠操作スイッチSW11のアンロック操作信号を受信することで、施解錠用モータ14のアンロック駆動制御を行う。
【0094】
これにより、電動リリースレバー24は、施解錠機構の状態に係わりなく、
図9に示すセット位置からリリース作動する。一方、施解錠機構は、電動リリースレバー24のリリース作動と略同時に、施解錠用モータ14の駆動により、
図9に示すロック状態からアンロック状態への切り替え作動を行う。この結果、
図10に示すように、電動リリースレバー24は、オープンレバー7を直接リリース作動させ、また、施解錠機構はオープンレバー7に当接しないでロック状態からアンロック状態に切り替わる。この場合、電動リリースレバー24のリリース作動と施解錠機構のロック状態からアンロック状態への切り替え作動とが互いに重なり合っても、施解錠機構のオープンリンク18の一部がオープンレバー7に対してオープンレバー7を回動不能な方向から当接して、オープンリンク18がアンロック位置の手前で一旦停止する、所謂パニック現象が発生しないため、外部操作スイッチSW1又は携帯操作スイッチSW10の1回のドア開操作をもってドアを迅速に開くことができ、かつ施解錠機構をアンロック状態に確実に切り替えることができる。
【0095】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、上記実施形態に対して、次のような種々の変形や変更、又はそれらの組み合わせを施すことが可能である。
(1)モータ等を駆動源とするドア開閉装置により、第1内部操作スイッチSW2等の電気的操作要素のドア開操作をもって、ラッチ機構のストライカSとの係合が解除された状態でサイドドアを自動的に開扉させる。
(2)車速センサSW9が停止状態から走行を検出した場合、全てのサイドドアの施解錠機構の施解錠用モータ14をロック駆動制御し、施解錠機構をロック状態に切り替えるようにする。
(3)認証部がID信号を認証していない状態であっても、アンロック状態にあるサイドドアの外部操作スイッチSW1のドア開操作を有効にして、当該ドア開操作をもって、ドアを開けることができるようにする。