(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の実施形態を説明するための、表示装置の一例の機能ブロックを示し、
図2及び
図3は、
図1の表示装置が搭載された車両における撮像部の視野を示す。
【0016】
表示装置1は、車両の周囲を撮像する撮像部2と、撮像部によって撮像された撮像画像を表示する表示部3と、撮像部2及び表示部3の動作を制御する制御部4とを備え、いわゆるセダンタイプの自動車に搭載されている。
【0017】
車両の周囲として、車両の運転席側の車側前方及び車側後方を一組とし、車両の助手席側の車側前方及び車側後方を一組とし、車両の前方及び後方を一組とし、本例では、撮像部2は、運転席側の車側前方及び車側後方の組を撮像する第1撮像部10と、助手席側の車側前方及び車側後方の組を撮像する第2撮像部11と、前方及び後方の組を撮像する第3撮像部12とを含む。
【0018】
運転席側の車側前方及び車側後方の組を撮像する第1撮像部10は、二つのカメラ20,21で構成されている。
図2及び
図3に示すように、カメラ20,21は、車両の運転席側のAピラー(フロントピラー)P1の下部の車外側に設置されており、カメラ20は車側前方に広がる視野20aを撮像し、カメラ21は車側後方に広がる視野21aを撮像する。
【0019】
助手席側の車側前方及び車側後方の組を撮像する第2撮像部11もまた、二つのカメラ22,23で構成されている。
図2及び
図3に示すように、カメラ22,23は、車両の助手席側のAピラー(フロントピラー)P2の下部の車外側に設置されており、カメラ22は車側前方に広がる視野22aを撮像し、カメラ23は車側後方に広がる視野23aを撮像する。
【0020】
前方及び後方の組を撮像する第3撮像部12は、二つのカメラ24,25で構成されている。
図2及び
図3に示すように、カメラ24は、車両のフロントエンドに設置されており、前方に広がる視野24aを撮像し、カメラ25は、車両のバックエンドに設置されており、後方に広がる視野25aを撮像する。
【0021】
なお、カメラの設置位置及び設置個数、並びに各カメラの視野の広がりは図示の例に限られるものではなく適宜変更可能である。例えば、第1撮像部10及び第2撮像部11は、図示の例では車側前方を撮像するカメラ及び車側後方を撮像するカメラの二つのカメラで構成されているが、例えば水平視野角が180°前後ある超広角レンズを用い、車側前方及び車側後方を一つのカメラで撮像するように構成することもできる。
【0022】
表示部3は、運転席側の車側前方及び車側後方の撮像画像を一組として表示し、助手席側の車側前方及び車側後方の撮像画像を一組として表示し、前方及び後方の撮像画像を一組として表示するように構成され、本例では、運転席側の車側前方及び車側後方の撮像画像の組を表示する第1表示部30と、助手席側の車側前方及び車側後方の撮像画像の組を表示する第2表示部31と、前方及び後方の撮像画像の組を表示する第3表示部32とを含む。第1表示部30、第2表示部31、及び第3表示部32は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスで構成されている。
【0023】
撮像部2及び表示部3の動作を制御する制御部4は、CPU(Central Processing Unit)を主体とし、CPUが実行する制御プログラムやCPUの処理結果を保持するROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体を含んで構成されている。そして、制御部4は表示部3に表示させる表示画像を生成する画像処理機能を有し、第1撮像部10のカメラ20,21、第2撮像部11のカメラ22,23、及び第3撮像部12のカメラ24,25によって撮像された撮像画像は制御部4にそれぞれ入力される。
【0024】
そして、制御部4は、第1撮像部10のカメラ20,21から入力された運転席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像を一つの画像に合成し、合成した表示画像を表示部3の第1表示部30に表示させる。また、制御部4は、第2撮像部11のカメラ22,23から入力された助手席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像を一つの画像に合成し、合成した表示画像を表示部3の第2表示部31に表示させる。また、制御部4は、第3撮像部12のカメラ24,25から入力された前方の撮像画像及び後方の撮像画像を一つの画像に合成し、合成した表示画像を表示部3の第3表示部32に表示させる。
【0025】
図4は、表示部3の第1表示部30、第2表示部31、及び第3表示部32の配置例を示す。
【0026】
運転席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像が一つに合成されてなる表示画像が表示される第1表示部30は運転席側のAピラーP1の下部の車内側に設置されている。助手席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像が一つに合成されてなる表示画像が表示される第2表示部31は、第1表示部30と対称に、助手席側のAピラーP2の下部の車内側に設置されている。
【0027】
車側の状況は、通常、第1表示部30及び第2表示部31それぞれの表示画像の確認に加えて直接目視による確認によって運転者に把握される。第1表示部30及び第2表示部31がAピラーP1,P2の下部に設置されていることにより、直接目視による確認の際に、第1表示部30及び第2表示部31それぞれの表示画像が自ずと運転者の視界に入る。これにより、車側の状況把握に要する運転者の視線移動を少なくでき、運転者による的確な状況把握を支援することができる。
【0028】
なお、車側の状況把握に要する運転者の視線移動を少なくするという観点では、第1表示部30はAピラーP1の下部に隣り合う運転席ドアのコーナー部Cに設置され、第2表示部31はAピラーP2の下部に隣り合う助手席ドアのコーナー部Cに設置されていてもよい。
【0029】
また、第1表示部30がAピラーP1の下部に設置され、第2表示部31がAピラーP2の下部に設置される場合に、第1表示部30及び第2表示部31は、
図4に示すように、AピラーP1,P2のフロントガラス側の側縁に沿う外形を有することが好ましい。これにより、運転者のフロントガラスを通した視界が第1表示部30及び第2表示部31によって遮られることが抑制される。
【0030】
前方の撮像画像及び後方の撮像画像が一つに合成されてなる表示画像が表示される第3表示部32は、ダッシュボードDBの車幅方向の略中央部に設置されており、特に、運転席側のAピラーP1の下部と助手席側のAピラーP2の下部との間に挟まれるダッシュボードDBの上部に設置されている。これにより、第1表示部30及び第2表示部31と第3表示部32とが概ね同じ上下方向位置に配置され、第1表示部30、第2表示部31、及び第3表示部32それぞれの表示画像の確認に要する運転者の視線移動を少なくでき、運転者による的確な状況把握を支援することができる。
【0031】
なお、第1表示部30、第2表示部31、及び第3表示部32は、運転者の視点に向けて傾斜し、且つ傾斜角度可変に各所に設置されていることが好ましい。
【0032】
図5は、第1表示部30の画像表示例を示し、
図6は、第3表示部32の画像表示例を示す。
【0033】
第1表示部30には、運転席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像が一つに合成されてなる表示画像が表示され、すなわち、車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像が互いに異なる表示領域に同時に表示される。
図5に示す例では、第1表示部30の表示領域は上半部の表示領域30aと下半部の表示領域30bとに分割されており、上半部の表示領域30aに車側前方の撮像画像Img1aが表示されており、下半分の表示領域30bに車側後方の撮像画像Img2aが表示されている。
【0034】
さらに、表示領域30aには、車側前方の視野20a(
図2及び
図3参照)を模式的に示す画像Img1bがさらに表示され、表示領域30bには、車側後方の視野21a(
図2及び
図3参照)を模式的に示す画像Img2bがさらに表示されている。これらの画像Img1b,Img2bは、画像処理機能を有する制御部4によって表示画像に付加されている。
【0035】
第2表示部31の画像表示の態様は、第1表示部30の上記の画像表示の態様と同じであり、図示は省略するが、第2表示部31の上半部の表示領域には助手席側の車側前方の撮像画像及び車側前方の視野22a(
図2及び
図3参照)を模式的に示す画像が表示され、下半部の表示領域には車側後方の撮像画像及び車側後方の視野23a(
図2及び
図3参照)が表示される。
【0036】
第3表示部32には、前方の撮像画像及び後方の撮像画像が一つに合成されてなる表示画像が表示され、すなわち、前方の撮像画像と後方の撮像画像とが互いに異なる表示領域に同時に表示される。
図6に示す例では、第3表示部32の表示領域は、上半部の表示領域32aと下半部の表示領域32bとに分割されており、上半部の表示領域32aに前方の撮像画像Img5aが表示されており、下半分の表示領域32bに後方の撮像画像Img6aが表示されている。
【0037】
さらに、表示領域32aには、前方の視野24a(
図2及び
図3参照)を模式的に示す画像Img5bがさらに表示され、表示領域32bには、後方の視野25a(
図2及び
図3参照)を模式的に示す画像Img6bがさらに表示されている。これらの画像Img5b,Img6bは、画像処理機能を有する制御部4によって表示画像に付加されている。
【0038】
このように、運転席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像を一組とし、助手席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像を一組とし、前方の撮像画像及び後方の撮像画像を一組として、各組の二つの撮像画像を一つの表示部の互いに異なる表示領域に同時に表示させることにより、運転者は、一つの表示部の表示画像に基づいて、車側前方及び車側後方の状況、又は前方及び後方の状況を同時に把握することができる。これにより、運転者による的確な状況把握を支援することができる。
【0039】
さらに、撮像画像に対応する視野を示す画像を、この撮像画像が表示されている表示領域に併せて表示させることにより、運転者は、一つの表示部の互いに異なる表示領域に同時に表示されている複数の撮像画像のそれぞれが、いずれの方向の撮像画像であるのかを容易に且つ直感的に認識することができる。これにより、運転者による的確な状況把握を一層支援することができる。
【0040】
なお、表示装置1において、表示部それぞれの表示領域の分割比率を可変としてもよい。
【0041】
図7は、表示装置1の変形例の機能ブロックを示し、本変形例では、舵角センサ13によって検出される車両の舵角、及び車速センサ14によって検出される車両の速度が制御部4に入力され、制御部4は、車両の舵角及び速度に基づいて第1表示部30、第2表示部31、第3表示部32それぞれの表示領域の分割比率を変更する。
【0042】
例えば右折時や右車線への進路変更の際に、制御部4は、舵角センサ13によって検出される車両の舵角に基づき、
図8に示すように、第1表示部30において運転席側(右側)の車側前方の撮像画像が表示される表示領域30aと車側後方の撮像画像が表示される表示領域30bとの境界BH1を上方に移動させ、表示領域30bを表示領域30aよりも大きくする。併せて、制御部4は、
図9に示すように、第3表示部32において前方の撮像画像が表示される表示領域32aと後方の撮像画像が表示される表示領域32bとの境界BH2を上方に移動させ、表示領域32bを表示領域32aよりも大きくする。これにより、表示領域30bに表示される車側後方の視野を拡大し、また、表示領域32bに表示される後方の視野を拡大して、運転者による的確な状況把握を一層支援することができる。
【0043】
同様に、例えば左折時や左車線への進路変更の際には、車両の舵角に基づき、第2表示部31において助手席側(左側)の車側前方の撮像画像が表示される表示領域と車側後方の撮像画像が表示される表示領域との境界を上方に移動させ、車側後方の撮像画像が表示される表示領域を相対的に大きくすればよく、併せて、第3表示部32において境界BH2を上方に移動させ、後方の撮像画像が表示される表示領域32bを相対的に大きくすればよい。
【0044】
また、例えば車両の発進の際には、制御部4は、車速センサ14によって検出される車両の速度に基づき、
図9に示した右左折時等の場合とは逆に、第3表示部32において境界BH2を下方に移動させ、前方の撮像画像が表示される表示領域32aを相対的に大きくする。これにより、表示領域32aに表示される前方の視野を拡大して、運転者による的確な状況把握を一層支援することができる。
【0045】
図10は、本発明の実施形態を説明するための、表示装置の他の例の機能ブロックを示し、
図11及び
図12は、
図10の表示装置が搭載された車両における撮像部の視野を示す。
【0046】
表示装置101は、車両の周囲を撮像する撮像部102と、撮像部によって撮像された撮像画像を表示する表示部103と、撮像部102及び表示部103の動作を制御する制御部104とを備え、いわゆるキャブオーバータイプのトラックに搭載されている。
【0047】
撮像部102は、運転席側の車側前方及び車側後方の組を撮像する第1撮像部110と、助手席側の車側前方及び車側後方の組を撮像する第2撮像部111と、前方及び後方の組を撮像する第3撮像部112と、を含む。
【0048】
運転席側の車側前方及び車側後方の組を撮像する第1撮像部110は、二つのカメラ120,121で構成されている。
図11及び
図12に示すように、カメラ120は、車両の運転席側のAピラーP1の下部の車外側に設置され、車側前方に広がる視野120aを撮像し、カメラ121は、車両の運転席側のBピラーP3の下部の車外側に設置され、車側後方に広がる視野121aを撮像する。
【0049】
助手席側の車側前方及び車側後方の組を撮像する第2撮像部111もまた、二つのカメラ122,123で構成されている。
図11及び
図12に示すように、カメラ122は、車両の助手席側のAピラーP2の下部の車外側に設置されており、車側前方に広がる視野122aを撮像し、カメラ123は、車両の助手席側のBピラーP4の下部の車外側に設置されており、車側後方に広がる視野123aを撮像する。
【0050】
前方及び後方の組を撮像する第3撮像部112は、二つのカメラ124,125で構成されている。
図11及び
図12に示すように、カメラ124は、車両のフロントエンドに設置されており、前方に広がる視野124aを撮像し、カメラ125は、車両のバックエンドに設置されており、後方に広がる視野125aを撮像する。
【0051】
表示部103は、運転席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像を一組として表示し、助手席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像を一組として表示し、前方の撮像画像及び後方それぞれの撮像画像を一組として表示するように構成され、本例では、運転席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像の組を表示する第1表示部130と、助手席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像の組並びに前方の撮像画像及び後方の撮像画像の組を表示する第2表示部131とを含む。
【0052】
制御部104は、表示部103に表示させる表示画像を生成する画像処理機能を有し、第1撮像部110のカメラ120,121、第2撮像部111のカメラ122,123、及び第3撮像部112のカメラ124,125によって撮像された撮像画像は制御部104にそれぞれ入力される。
【0053】
制御部104は、第1撮像部110のカメラ120,121から入力された運転席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像を一つの画像に合成し、合成した表示画像を表示部3の第1表示部130に表示させる。また、制御部104は、第2撮像部111のカメラ122,123から入力された助手席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像並びに第3撮像部112のカメラ124,125から入力された前方の撮像画像及び後方の撮像画像を一つの画像に合成し、合成した表示画像を表示部3の第2表示部131に表示させる。
【0054】
図13は、表示部103の第1表示部130及び第2表示部131の配置例を示す。
【0055】
運転席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像が一つに合成されてなる表示画像が表示される第1表示部130は運転席側のAピラーP1の下部の車内側に設置されている。なお、第1表示部130はAピラーP1の下部に隣り合う運転席ドアのコーナー部に設置されていてもよい。第1表示部130がAピラーP1の下部又は運転席ドアのコーナー部Cに設置されていることにより、直接目視による確認の際に、第1表示部130の表示画像が自ずと運転者の視界に入る。これにより、車側の状況把握に要する運転者の視線移動を少なくでき、運転者による的確な状況把握を支援することができる。
【0056】
助手席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像並びに前方の撮像画像及び後方の撮像画像が一つに合成されてなる表示画像が表示される第2表示部131は、ダッシュボードDBの車幅方向の略中央部に設置されており、特に運転席側のAピラーP1の下部と助手席側のAピラーP2の下部との間に挟まれるダッシュボードDBの上部に設置されている。これにより、第1表示部130と第2表示部131とが概ね同じ上下方向位置に配置され、第1表示部130及び第2表示部131それぞれの表示画像の確認に要する運転者の視線移動を少なくでき、運転者による的確な状況把握を支援することができる。
【0057】
さらに、表示装置101が搭載されている車両は比較的車幅が広いトラックであるところ、助手席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像が表示される第2表示部131が、助手席側のAピラーP2の下部よりも運転者に近いダッシュボードDBの上部で且つ車幅方向の略中央部に設置されている。これにより、助手席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像の確認に要する運転者の視線移動を少なくでき、運転者による的確な状況把握を支援することができる。
【0058】
図14は、第1表示部130の画像表示例を示し、
図15は、第2表示部131の画像表示例を示す。
【0059】
第1表示部130には、運転席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像が互いに異なる表示領域に同時に表示され、車側前方の撮像画像Img1aが表示される上半部の表示領域130aには車側前方の視野120a(
図11及び
図12参照)を模式的に示す画像Img1bがさらに表示されており、車側後方の撮像画像Img2aが表示される下半分の表示領域130bには車側後方の視野121a(
図11及び
図12参照)を模式的に示す画像Img2bがさらに表示されている。
【0060】
第2表示部131には、助手席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像並びに前方の撮像画像及び後方の撮像画像が互いに異なる表示領域に同時に表示され、助手席側の車側前方の撮像画像Img3aが表示される左側(助手席側)上半部の表示領域131aには車側前方の視野122a(
図11及び
図12参照)を模式的に示す画像Img3bがさらに表示されており、助手席側の車側後方の撮像画像Img4aが表示される左側下半分の表示領域131bには車側後方の視野123a(
図11及び
図12参照)を模式的に示す画像Img4bがさらに表示されており、前方の撮像画像Img5aが表示される右側上半部の表示領域131cには前方の視野124a(
図11及び
図12参照)を模式的に示す画像Img5bがさらに表示されており、後方の撮像画像Img6aが表示される右側下半分の表示領域131dには後方の視野125a(
図11及び
図12参照)を模式的に示す画像Img6bがさらに表示されている。
【0061】
このように、運転席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像を一組とし、助手席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像を一組とし、前方の撮像画像及び後方の撮像画像を一組として、各組の二つの撮像画像を同じモニタの互いに異なる表示領域に同時に表示させることにより、運転者は、モニタの表示画像に基づいて、例えば車側前方及び車側後方の状況、又は前方及び後方の状況を同時に把握することができる。これにより、運転者による的確な状況把握を支援することができる。
【0062】
図16及び
図17は、表示装置101が搭載された他の車両における撮像部の視野を示す。
【0063】
図16及び
図17に示す例では、表示装置101は、いわゆるキャブオーバータイプのバスに搭載されている。
【0064】
運転席側の車側前方及び車側後方の組を撮像する第1撮像部110の二つのカメラ120,121は、運転席側のAピラーP1の上部の車外側に設置されており、助手席側の車側前方及び車側後方の組を撮像する第2撮像部111の二つのカメラ122,123は、助手席側のAピラーの上部の車外側に設置されている。撮像部102の他の構成は、
図10から
図12に示した例と同じである。
【0065】
また、表示部103及び制御部104は、
図10から
図12に示した例と同じに構成され、制御部104は、第1撮像部110のカメラ120,121から入力された運転席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像を一つの画像に合成し、合成した表示画像を表示部3の第1表示部130に表示させる。また、制御部104は、第2撮像部111のカメラ122,123から入力された助手席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像並びに第3撮像部112のカメラ124,125から入力された前方の撮像画像及び後方の撮像画像を一つの画像に合成し、合成した表示画像を表示部3の第2表示部131に表示させる。
【0066】
第1表示部130の表示態様は
図14に示した例と同じであり、運転席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像が互いに異なる表示領域に同時に表示され、車側前方の撮像画像が表示される表示領域には車側前方の視野120a(
図16及び
図17参照)を模式的に示す画像がさらに表示され、車側後方の撮像画像が表示される表示領域には車側後方の視野121a(
図16及び
図17参照)を模式的に示す画像がさらに表示される。
【0067】
第2表示部131の表示態様は
図15に示した例と同じであり、助手席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像並びに前方の撮像画像及び後方の撮像画像が互いに異なる表示領域に同時に表示され、助手席側の車側前方の撮像画像が表示される表示領域には車側前方の視野122a(
図16及び
図17参照)を模式的に示す画像がさらに表示され、助手席側の車側後方の撮像画像が表示される表示領域には車側後方の視野123a(
図16及び
図17参照)を模式的に示す画像がさらに表示され、前方の撮像画像が表示される表示領域には前方の視野124a(
図16及び
図17参照)を模式的に示す画像がさらに表示され、後方の撮像画像が表示される表示領域には後方の視野125a(
図16及び
図17参照)を模式的に示す画像がさらに表示される。
【0068】
図18及び
図19は、表示部103の第1表示部130及び第2表示部131の配置例をそれぞれ示す。
【0069】
図18に示す第1表示部130及び第2表示部131の配置例は、
図13に示した第1表示部130及び第2表示部131の配置例と同じであり、運転席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像が一つに合成されてなる表示画像が表示される第1表示部130は運転席側のAピラーP1の下部の車内側に設置され、助手席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像並びに前方の撮像画像及び後方の撮像画像が一つに合成されてなる表示画像が表示される第2表示部131は、ダッシュボードDBの車幅方向の略中央部の上部に設置されている。
【0070】
図19に示す例は、第2表示部131が助手席側のAピラーP2の上部に設置されている点で、
図15に示した例と相異なる。助手席側のAピラーP2の上部はダッシュボードDBよりもスペースに余裕があり、第2表示部131を助手席側のAピラーP2の上部に設置することによって第2表示部131の表示領域を拡大できる。第2表示部131には助手席側の車側前方の撮像画像及び車側後方の撮像画像並びに前方の撮像画像及び後方の撮像画像が表示されるところ、第2表示部131の表示領域を拡大することにより、撮像画像それぞれのサイズを拡大して視認性を高めることができる。これにより、運転者による的確な状況把握を支援することができる。
【0071】
なお、表示装置101においても、
図7に示した表示装置1の変形例と同様に、表示部それぞれの表示領域の分割比率を、車両の舵角及び速度に基づいて可変とすることができる。
【0072】
例えば右折時や右車線への進路変更の際には、車両の舵角に基づき、第1表示部130において表示領域130a(
図14参照)と表示領域130b(
図14参照)との境界を上方に移動させ、車側後方の撮像画像が表示される表示領域130bを相対的に大きくすればよく、併せて、
図20に示すように、第2表示部131において表示領域131a及び表示領域131cと表示領域131b及び表示領域131dとの境界BHを上方に移動させ、後方の撮像画像が表示される表示領域131bを前方の撮像画像が表示される表示領域131cよりも大きくすればよい。また、表示領域131a及び表示領域131bと表示領域131c及び表示領域131dとの境界BVを左方に移動させ、後方の撮像画像が表示される表示領域131bをさらに大きくしてもよい。
【0073】
同様に、例えば左折時や左車線への進路変更の際には、車両の舵角に基づき、第2表示部131において境界BHを上方に移動させ、助手席側(左側)の車側後方の撮像画像が表示される表示領域131bを車側前方の撮像画像が表示される表示領域131aよりも大きくし、且つ後方の撮像画像が表示される表示領域131dを前方の撮像画像が表示される表示領域131cよりも大きくすればよい。
【0074】
また、例えば車両の発進の際には、車両の速度に基づき、第2表示部131において境界BHを下方に移動させ、前方の撮像画像が表示される表示領域131cを後方の撮像画像が表示される表示領域131dよりも大きくすればよい。また、境界BVを左方に移動させ、前方の撮像画像が表示される表示領域131cをさらに大きくしてもよい。
【0075】
さらにまた、
図21に示すように、適宜設定される標準の分割比率での境界BHと境界BVとの交点Oを境にして境界BHをBHaとBHbとに区分し、交点Oを境にして境界BVをBVaとBVbとに区分して、これらの境界BHa,BHb,BVa,BVbをそれぞれ単独で移動できるようにしてもよい。例えば、前進時には、
図21に示すように、境界BHa,BHbのうち境界BHbのみを下方に移動させ、境界BVa,BVbのうち境界BVaのみを左方に移動させ、前方の撮像画像が表示される表示領域131cを大きくするようにしてもよい。また、後進時には、境界BHa,BHbのうち境界BHbのみを上方に移動させ、境界BVa,BVbのうち境界BVbのみを左方に移動させ、後方の撮像画像が表示される表示領域131dを大きくするようにしてもよい。