(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のように成形一体化すると、筐体外部からの衝撃が加わった時に、コイルやシールド部材などの内部部材に対し、成形された樹脂を介して直接応力が加わるため破損につながる虞があった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、外部からの衝撃が加わった際の耐衝撃性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るコイルユニットは、対向するコイルとの間でワイヤレスにて電力伝送が行われる電力伝送用コイルと、電力伝送用コイルを封止するモールド樹脂と、を備え、モールド樹脂は、当該モールド樹脂の電力伝送用コイルにより電力伝送が行われる側の表面と電力伝送用コイルとの間に内部空間を有し、内部空間は、電力伝送用コイルとコイルとの対向方向から見て、電力伝送用コイルと重なる部分を有する。
【0008】
本発明によれば、モールド樹脂は、当該モールド樹脂の電力伝送用コイルにより電力伝送が行われる側の表面と電力伝送用コイルとの間に内部空間を有し、内部空間は、電力伝送用コイルとコイルとの対向方向から見て、電力伝送用コイルと重なる部分を有している。そのため、モールド樹脂の電力伝送用コイルにより電力伝送が行われる側の表面に衝撃が加わったときに内部空間が変形することにより、電力伝送用コイルへの直接的な衝撃が緩和される。したがって、外部からの衝撃が加わった際の耐衝撃性を向上させることができる。
【0009】
好ましくは、内部空間は、対向方向から見て、電力伝送用コイル全体を覆う大きさであるとよい。この場合、電力伝送用コイルが存在する範囲に応力の伝達を遮る空間が存在することから、衝撃を緩和することのできる空間が確保され、筐体外部からの衝撃が電力伝送用コイルに直接伝わりにくくすることができる。
【0010】
好ましくは、内部空間は、複数の部分空間を有するとよい。この場合、筐体外部からの衝撃緩和効果を増大することができる。
【0011】
好ましくは、複数の部分空間は、電力伝送用コイルとの距離が異なる複数の上部空間と複数の下部空間をそれぞれ有し、複数の下部空間は、対向方向から見て、複数の上部空間と重ならない部分を有するとよい。この場合、モールド樹脂の電力伝送が行われる側の表面から電力伝送用コイルに至る部分に上部空間あるいは下部空間が存在するため、筐体外部からの衝撃緩和効果を増大することができる。
【0012】
好ましくは、内部空間は、対向方向と直交する方向にモールド樹脂を貫通しているとよい。この場合、内部空間が空気の滞留がなく通気性を持たせた空間となるため、コイルユニットの内部部品に対する冷却効果を向上させることができる。
【0013】
本発明に係るワイヤレス給電装置は、給電コイルユニットを備え、給電コイルユニットは、上記コイルユニットである。本発明によれば、外部からの衝撃が加わった際の耐衝撃性を向上させたワイヤレス給電装置を提供することができる。
【0014】
本発明に係るワイヤレス受電装置は、受電コイルユニットを備え、受電コイルユニットは、上記コイルユニットである。本発明によれば、外部からの衝撃が加わった際の耐衝撃性を向上させたワイヤレス受電装置を提供することができる。
【0015】
本発明に係るワイヤレス電力伝送装置は、給電コイルユニットを有するワイヤレス給電装置と、受電コイルユニットを有するワイヤレス受電装置と、を備え、給電コイルユニットおよび受電コイルユニットの少なくとも一方は、上記コイルユニットである。本発明によれば、外部からの衝撃が加わった際の耐衝撃性を向上させたワイヤレス電力伝送装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、外部からの衝撃が加わった際の耐衝撃性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0019】
まず、
図1を参照して、本発明の実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1の全体構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置を蓄電器とともに示す概略図である。
【0020】
ワイヤレス電力伝送装置S1は、
図1に示されるように、ワイヤレス給電装置100と、ワイヤレス受電装置200と、を有する。ここでは、ワイヤレス電力伝送装置S1を移動体への給電設備に適用した例を用いて説明する。つまり、ワイヤレス給電装置100は地上に設置される給電設備となり、ワイヤレス受電装置200は移動体に搭載される受電設備となる。ワイヤレス受電装置200が適用される移動体としては、二次電池の電力を利用する電気自動車やハイブリッド自動車などを始めとして、工場内搬送装置や産業用ロボット等の産業機器や電動ゴルフカート等の民生機器が挙げられる。なお、本例においては、ワイヤレス電力伝送装置S1を電気自動車への給電設備に適用した例を用いて説明する。
【0021】
ワイヤレス給電装置100は、電源VGと、インバータINVと、給電コイルユニットL1と、を有する。電源VGは、直流電力を後述するインバータINVに供給する。電源VGとしては、直流電力を出力するものであれば特に制限されず、商用交流電源を整流・平滑した直流電源、二次電池、太陽光発電した直流電源、あるいはスイッチングコンバータなどのスイッチング電源装置などが挙げられる。
【0022】
インバータINVは、電源VGから供給される入力直流電力を交流電力に変換する機能を有している。インバータINVとしては、複数のスイッチング素子がブリッジ接続されたスイッチング回路から構成される。このスイッチング回路を構成するスイッチング素子としては、例えばMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor−Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの素子が挙げられる。
【0023】
給電コイルユニットL1は、給電コイルを含んで構成され、インバータINVから供給される交流電力を後述する受電コイルユニットL2にワイヤレスにて送電する給電部として機能する。ワイヤレス電力伝送装置S1を電気自動車への給電設備に適用した場合、給電コイルユニットL1は地中又は地面近傍に配設されることとなる。
図1に示す例においては、給電コイルユニットL1は、給電コイルL11と、磁性シールド材120と、これらを収容する筐体110を含んで構成されている。
【0024】
ワイヤレス受電装置200は、受電コイルユニットL2と、整流器230と、充電器240と、を有する。
【0025】
受電コイルユニットL2は、受電コイルを含んで構成され、給電コイルユニットL1から送電された交流電力をワイヤレスにて受電する受電部として機能する。ワイヤレス電力伝送装置S1を電気自動車への給電設備に適用した場合、受電コイルユニットL2は電気自動車の車両下部に搭載されることとなる。
図1に示す例においては、受電コイルユニットL2は、受電コイルL12と、磁性シールド材220と、これらを収容する筐体210を含んで構成されている。
【0026】
整流器230は、受電コイルユニットL2が受電した交流電力を直流電力に整流する機能を有している。整流器230としては、半波整流回路や全波整流回路などの複数のスイッチング素子がブリッジ接続されたブリッジ型回路と、このブリッジ型回路に並列に接続され、整流された電圧を平滑して直流電圧を生成する平滑コンデンサから構成される。
【0027】
充電器240は、整流器230により整流された直流電力を蓄電器250に対して最適な電流・電圧で充電できるように制御している。蓄電器250は、電力を蓄える機能を有している。蓄電器250としては、例えば二次電池(リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケル水素電池など)や容量素子(電気二重層キャパシタなど)が挙げられ、エネルギー密度が高いという観点から、リチウムイオン電池が好ましい。なお、蓄電器250としてリチウムイオン電池を用いた場合、単一のリチウムイオン電池から構成されていてもよく、複数のリチウムイオン電池が直列又は/及び並列に組み合わされて構成されていてもよい。
【0028】
このような構成を備えることにより、ワイヤレス給電装置100からワイヤレス受電装置200にワイヤレスにて電力が伝送されるワイヤレス電力伝送装置S1が実現される。
【0029】
続いて、上述した給電コイルユニットL1または/および受電コイルユニットL2に適用される本発明の好適な実施形態に係るコイルユニットの構成について詳述する。
【0030】
(第1実施形態)
図2〜
図4を参照して、本発明の第1実施形態に係るコイルユニットL3の構成について説明する。
図2は、本発明の第1実施形態に係るコイルユニットを示す斜視図である。
図3は、本発明の第1実施形態に係るコイルユニットの構成を示す分解斜視図である。
図4は、
図2におけるI−I線に沿うコイルユニットの断面斜視図である。
【0031】
コイルユニットL3は、
図2および
図3に示されるように、ベースプレート300と、磁性シールド材320と、ボビン330と、電力伝送用コイル340と、を有し、これらがモールド樹脂310にて、一体的にモールド成型されている。電力伝送用コイル340の終端部は、モールド樹脂310の外側に引き出されている。モールド樹脂310の四隅の角部には、丸みが付けられている。これは、電気自動車などの移動体が、コイルユニットL3に乗り上げた際にタイヤの損傷を防ぐ効果を持つ。
【0032】
ベースプレート300は、
図3に示されるように、略正方形の平板状の外形を呈している。ベースプレート300は、モールド樹脂310にて一体モールド成型する際に、筐体としての形状を保持する土台としての機能を有する。ベースプレート300の材料としては、銅やアルミニウムなどの金属材料や絶縁性の樹脂などが挙げられる。なお、ベースプレート300が金属材料から構成される場合、ベースプレート300は、電力伝送用コイル340が発生する磁束の外部への不要な漏洩を抑制する遮蔽材としての機能を有することとなる。
【0033】
磁性シールド材320は、磁路の磁気抵抗を減らし、コイル間の磁気的な結合を高める作用を有する。磁性シールド材320は、
図4に示されるように、ベースプレート300の上方に設けられている。具体的には、磁性シールド材320は、略正方形の平板状の外形を呈しており、磁性シールド材320の主面がベースプレート300の主面と対向するように配置されている。また、磁性シールド材320は、
図4に示されるように、ベースプレート300と離間して配置されており、磁性シールド材320とベースプレート300との間に絶縁層として機能するモールド樹脂310が介在している。またさらには、磁性シールド材320の大きさは、電力伝送用コイル340よりも大きく、ベースプレート300よりも小さいと好ましい。つまり、磁性シールド材320の外輪郭は、磁性シールド材320とベースプレート300との対向方向(鉛直方向)から見て、電力伝送用コイル340の外輪郭(引き出し線除く)よりも外側に位置し、ベースプレート300の外輪郭よりも内側に位置することとなる。磁性シールド材320が電力伝送用コイル340よりも大きいと、電力伝送用コイル340が発生する磁束のベースプレート300側への漏洩を抑制するシールド効果を高めることができる。このように構成される磁性シールド材320の材料としては、センダスト、MnZnフェライト、パーマロイなどが挙げられる。磁性シールド材320の透磁率及び電気抵抗は高ければ高いほど好ましく、これらの中では、特にMnZnフェライトが好ましい。
【0034】
ボビン330は、
図3に示されるように、磁性シールド材320の上方に設けられており、電力伝送用コイル340の形状を保持する役割を有する。このボビン330は、中央部に略正方形の孔330aを設けた平板状の外形を呈している。ここで、孔330aは、コイルユニットL3の軽量化に寄与するとともに、後述する電力伝送用コイル340の内周端を外部へ引き出す役割を担っている。ボビン330の材料としては、絶縁性の樹脂が好ましく、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)などが挙げられる。なお、本実施形態では、ボビン330の外形形状は略正方形を呈しているがこれに限られることなく、長方形、多角形、円形、楕円形のいずれの形状を呈していてもよい。
【0035】
電力伝送用コイル340は、
図3に示されるように、ボビン330上に設けられている。つまり、電力伝送が行われる側から、電力伝送用コイル340、ボビン330、磁性シールド材320、ベースプレート300がこの順で配置されることとなる。この電力伝送用コイル340は、コイルユニットL3を給電コイルユニットL1に適用した場合、磁界を発生させて電力をワイヤレスにて送電する給電コイルとして機能することとなり、コイルユニットL3を受電コイルユニットL2に適用した場合、磁界を介してワイヤレスにて電力を受電する受電コイルとして機能することとなる。つまり、電力伝送用コイル340は、対向するコイルとの間でワイヤレスにて電力伝送が行われることとなる。本実施形態では、電力伝送用コイル340は、銅やアルミニウムなどの導線をボビン330の上に平面状に連続して巻回して構成されている。ここで、導線の一方の端部(外周端)は、ボビン330の一方の主面上を通ってモールド樹脂310の側面から引き出されており、導線の他方の端部(内周端)は、ボビン330の孔330aを介してボビン330の他方の主面上を通ってモールド樹脂310の側面から引き出されており、それぞれ導線の端部はモールド樹脂310の同一側面から引き出されている。なお、本実施形態では、電力伝送用コイル340は、導線を巻回したコイルから構成されているがこれに限られることなく、銅やアルミニウムなどの導電性を有する板材をプレスにより打ち抜いて製造される板状のコイルや細板状の導電性材料を曲げてコイル状に形成されたものであってもよい。
【0036】
モールド樹脂310は、
図2に示されるように、電力伝送用コイル340等のコイルユニットL3の内部部品を封止している。具体的には、モールド樹脂310は、ベースプレート300上に形成され、内部に電力伝送用コイル340、ボビン330、磁性シールド材320を収容している。すなわち、ベースプレート300とモールド樹脂310は、電力伝送用コイル340、ボビン330、磁性シールド材320を収容するコイルユニットL3の筐体として機能する。このモールド樹脂310は、
図3に示されるように、電力伝送用コイル340と当該電力伝送用コイル340とワイヤレスにて電力伝送が行われるコイルとの対向方向から見て、ベースプレート300とほぼ同一の外形寸法の略正方形の外形を呈している。モールド樹脂310の材質としては、エポキシ樹脂やウレタン樹脂である熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が挙げられ、熱可塑性樹脂の中でも射出圧の小さいホットメルト樹脂等が適している。本実施形態では、モールド樹脂310は、
図4に示されるように、内部空間315を有している。内部空間315は、モールド樹脂310のベースプレート300側の表面とは反対側であって電力伝送用コイル340により電力伝送が行われる側の表面310bと電力伝送用コイル340との間に配置されている。この内部空間315は、断面視長方形状であって、電力伝送用コイル340と当該電力伝送用コイル340とワイヤレスにて電力伝送が行われるコイルとの対向方向から見て、電力伝送用コイル340と重なる部分を有している。すなわち、内部空間315は、モールド樹脂310の表面310bの面内方向と平行な方向に拡がっており、モールド樹脂310の表面310bの面直方向から見て、電力伝送用コイル340と重なる部分を有している。本実施形態では、内部空間315は、1つの空間から形成され、電力伝送用コイル340と当該電力伝送用コイル340とワイヤレスにて電力伝送が行われるコイルとの対向方向(モールド樹脂310の表面310bの面直方向)から見た外形寸法が電力伝送用コイル340の外形寸法(引き出し線除く)および磁性シールド材320の外形寸法よりも大きくなっている。つまり、内部空間315は、電力伝送用コイル340と当該電力伝送用コイル340とワイヤレスにて電力伝送が行われるコイルとの対向方向(モールド樹脂310の表面310bの面直方向)から見て、電力伝送用コイル340全体を覆う大きさである。また、内部空間315は、モールド樹脂310の強度を確保可能としつつ、モールド樹脂310の撓みを吸収できる厚さから構成されている。このように構成される内部空間315は、モールド樹脂310の撓みにより変形し、外部からモールド樹脂310に加わる衝撃を緩和する役割を担っている。また、内部空間315は、モールド樹脂310の内側に存在し、モールド樹脂310の表面310bと内部空間315との間に、必要な強度が保てるモールド樹脂310の板厚が確保可能となるように構成されている。この内部空間315の成形方法は、モールド樹脂310の成形時に内部空間315となる箇所に中小(なかご)をあらかじめ挿入しておき、離形時に引き抜く方法が挙げられる。但し、内部空間315の成形方法はこれに限られない。
【0037】
以上のように本実施形態に係るコイルユニットL3は、対向するコイルとの間でワイヤレスにて電力伝送が行われる電力伝送用コイル340と、電力伝送用コイル340を封止するモールド樹脂310と、を備え、モールド樹脂310は、当該モールド樹脂310の電力伝送用コイル340により電力伝送が行われる側の表面310bと電力伝送用コイル340との間に内部空間315を有し、内部空間315は、電力伝送用コイル340と当該電力伝送用コイル340とワイヤレスにて電力伝送が行われるコイルとの対向方向から見て、電力伝送用コイル340と重なる部分を有している。そのため、モールド樹脂310の電力伝送用コイル340により電力伝送が行われる側の表面310bに衝撃が加わったときに内部空間315が変形することにより、電力伝送用コイル340への直接的な衝撃が緩和される。したがって、外部からの衝撃が加わった際の耐衝撃性を向上させることができる。
【0038】
また、本実施形態に係るコイルユニットL3においては、内部空間315は、電力伝送用コイル340と当該電力伝送用コイル340とワイヤレスにて電力伝送が行われるコイルとの対向方向から見て、電力伝送用コイル340全体を覆う大きさである。そのため、電力伝送用コイル340が存在する範囲に応力の伝達を遮る空間が存在することから、衝撃を緩和することのできる空間が確保され、筐体外部からの衝撃が電力伝送用コイル340に直接伝わりにくくすることができる。
【0039】
(第2実施形態)
次に、
図5〜
図6を参照して、本発明の第2実施形態に係るコイルユニットL4の構成について説明する。第2実施形態に係るコイルユニットL4は、内部空間315に代えて内部空間350を備えている点において第1実施形態に係るコイルユニットL3と相違する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図5は、本発明の第2実施形態に係るコイルユニットを示す斜視図である。
図6は、
図5におけるII−II線に沿うコイルユニットの断面斜視図である。
【0040】
本実施形態では、内部空間350は、複数の部分空間370を有している。複数の部分空間370は、モールド樹脂310のベースプレート300側の表面とは反対側であって電力伝送用コイル340により電力伝送が行われる側の表面310bと電力伝送用コイル340との間に配置されている。この複数の部分空間370のそれぞれは、電力伝送用コイル340と当該電力伝送用コイル340とワイヤレスにて電力伝送が行われるコイルとの対向方向(モールド樹脂310の表面310bの面直方向)と直交する方向(第1の方向)に沿って延在しており、電力伝送用コイル340と当該電力伝送用コイル340とワイヤレスにて電力伝送が行われるコイルとの対向方向と直交する方向であって、複数の部分空間370の延在方向と直交する方向(第2の方向)に互いに離間して配置されている。つまり、複数の部分空間370の間には、モールド樹脂310が存在することとなる。これにより、モールド樹脂310の強度が高まる効果がある。本実施形態では、17個の部分空間370が第2の方向に等間隔で離間して配置されている。また、複数の部分空間370の一部は、電力伝送用コイル340と当該電力伝送用コイル340とワイヤレスにて電力伝送が行われるコイルとの対向方向から見て、電力伝送用コイル340と重なっている。つまり、本実施形態においても、内部空間350は、電力伝送用コイル340と当該電力伝送用コイル340とワイヤレスにて電力伝送が行われるコイルとの対向方向から見て、電力伝送用コイル340と重なる部分を有している。このように構成される複数の部分空間370は、モールド樹脂310の撓みにより変形し、外部からモールド樹脂310に加わる衝撃を緩和する役割を担っている。なお、ベースプレート300、磁性シールド材320、ボビン330、電力伝送用コイル340の構成は第1実施形態に係るコイルユニットL3と同様のため、説明は省略する。
【0041】
以上のように、本実施形態に係るコイルユニットL4は、内部空間350は、複数の部分空間370を有している。そのため、筐体外部からの衝撃緩和効果を増大することができる。
【0042】
(第3実施形態)
次に、
図7を参照して、本発明の第3実施形態に係るコイルユニットL5の構成について説明する。以下、第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
図7は、本発明の第3実施形態に係るコイルユニットを示す斜視図である。
【0043】
本実施形態では、複数の部分空間370は、電力伝送用コイル340との距離が異なる複数の上部空間380と複数の下部空間380をそれぞれ有している。複数の上部空間380および複数の下部空間381は、モールド樹脂310のベースプレート300側の表面とは反対側であって電力伝送用コイル340により電力伝送が行われる側の表面310bと電力伝送用コイル340との間に配置されている。具体的には、複数の上部空間380は、複数の下部空間381よりも、モールド樹脂310の電力伝送用コイル340により電力伝送が行われる側の表面310b側に配置されている。言い換えれば、複数の上部空間380と電力伝送用コイル340との距離は、複数の下部空間381と電力伝送用コイル340との距離よりも大きくなっている。
【0044】
また、複数の上部空間380のそれぞれは、電力伝送用コイル340と当該電力伝送用コイル340とワイヤレスにて電力伝送が行われるコイルとの対向方向(モールド樹脂310の表面310bの面直方向)と直交する方向(第1の方向)に沿って延在しており、電力伝送用コイル340と当該電力伝送用コイル340とワイヤレスにて電力伝送が行われるコイルとの対向方向と直交する方向であって、複数の部分空間370の延在方向と直交する方向(第2の方向)に互いに離間して配置されている。同様に、複数の下部空間381のそれぞれは、電力伝送用コイル340と当該電力伝送用コイル340とワイヤレスにて電力伝送が行われるコイルとの対向方向(モールド樹脂310の表面310bの面直方向)と直交する方向(第1の方向)に沿って延在しており、電力伝送用コイル340と当該電力伝送用コイル340とワイヤレスにて電力伝送が行われるコイルとの対向方向と直交する方向であって、複数の部分空間370の延在方向と直交する方向(第2の方向)に互いに離間して配置されている。このように構成される複数の下部空間381は、電力伝送用コイル340と当該電力伝送用コイル340とワイヤレスにて電力伝送が行われるコイルとの対向方向から見て、複数の上部空間380と重ならない部分を有している。本実施形態では、複数の上部空間380は、電力伝送用コイル340と当該電力伝送用コイル340とワイヤレスにて電力伝送が行われるコイルとの対向方向から見て、複数の下部空間381の間に存在するモールド樹脂310を覆うように配置されている。つまり、複数の上部空間380および複数の下部空間381は、千鳥状に配置されることとなる。なお、ベースプレート300、磁性シールド材320、ボビン330、電力伝送用コイル340の構成は第2実施形態と同様であるため、第1実施形態に係るコイルユニットL3と同様である。
【0045】
以上のように、本実施形態に係るコイルユニットL5は、複数の部分空間370は、電力伝送用コイル340との距離が異なる複数の上部空間380と複数の下部空間381をそれぞれ有し、複数の下部空間381は、電力伝送用コイル340と当該電力伝送用コイル340とワイヤレスにて電力伝送が行われるコイルとの対向方向から見て、複数の上部空間380と重ならない部分を有している。そのため、モールド樹脂310の電力伝送が行われる側の表面から電力伝送用コイル340に至る部分に上部空間380あるいは下部空間381が存在するため、筐体外部からの衝撃緩和効果を増大することができる。
【0046】
(第4実施形態)
次に、
図8を参照して、本発明の第4実施形態に係るコイルユニットL6の構成について説明する。以下、第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
図8は、本発明の第4実施形態に係るコイルユニットを示す斜視図である。
【0047】
本実施形態では、内部空間350は、電力伝送用コイル340と当該電力伝送用コイル340とワイヤレスにて電力伝送が行われるコイルとの対向方向(モールド樹脂310の表面310bの面直方向)と直交する方向にモールド樹脂310を貫通している。具体的には、複数の部分空間370は、電力伝送用コイル340と当該電力伝送用コイル340とワイヤレスにて電力伝送が行われるコイルとの対向方向にモールド樹脂310を貫通している。より具体的には、複数の部分空間370は、複数の部分空間370の延在方向にモールド樹脂310を貫通している。つまり、複数の部分空間370は、モールド樹脂310の対向する2つの側面の一方の側面から他方の側面に至る空間である。これにより、外部空間から内部空間350ならびに内部空間350から外部空間に空気を通わせることが可能となる。なお、ベースプレート300、磁性シールド材320、ボビン330、電力伝送用コイル340の構成は第2実施形態と同様であるため、第1実施形態に係るコイルユニットL3と同様である。
【0048】
以上のように、本実施形態に係るコイルユニットL6は、内部空間350は、電力伝送用コイル340と当該電力伝送用コイル340とワイヤレスにて電力伝送が行われるコイルとの対向方向と直交する方向にモールド樹脂310を貫通している。そのため、内部空間350が空気の滞留がなく通気性を持たせた空間となるため、コイルユニットL6の内部部品に対する冷却効果を向上させることができる。
【0049】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明したが、本発明は上述の実施形態に限られることなく、様々な変形や変更が可能である。上述の第4実施形態に係るコイルユニットL6における特徴的構成は、第3実施形態に係るコイルユニットL5に適用しても構わない。
図9は、本発明の応用例に係るコイルユニットを示す斜視図である。
図9に示すように、複数の上部空間380と複数の下部空間381は、電力伝送用コイル340と当該電力伝送用コイル340とワイヤレスにて電力伝送が行われるコイルとの対向方向と直交する方向にモールド樹脂310を貫通するように構成しても構わない。