(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0020】
(実施の形態)
[1.搬送車の全体構成]
まず、
図1及び
図2を参照しながら、本発明の実施の形態に係る搬送車100の全体構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る搬送車100の外観を示す斜視図である。
図2は、実施の形態に係る搬送車100の構成を示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、搬送車100は、例えば自動倉庫等においてラック600(後述する
図6参照)の各段に設置された2本のレール160上を走行するシャトル台車である。すなわち、搬送車100は、例えば上位のコンピュータからの指示に基づいて、2本のレール160上を走行して所定の位置まで移動し、当該所定の位置において荷物500(後述する
図6参照)の受け渡しを行う。搬送車100は、本体部150と、本体部150に搭載された移載装置130とを有している。
【0022】
本体部150は、荷物500を搬送するための台車である。本体部150には、荷物500を載置するための荷載置部155が形成されている。本体部150の下端部には、複数の車輪(図示せず)が回転自在に支持されている。また、本体部150には、複数の車輪を駆動するための駆動源(図示せず)が搭載されている。複数の車輪は、駆動源からの駆動力によって、2本のレール160上を転がりながら移動する。
【0023】
移載装置130は、荷載置部155とラック600との間で荷物500を移載するための装置である。なお、移載装置130は、荷物500の引き込み及び押し出しを行うプッシュプル方式により、荷物500を移載する。
【0024】
[2.移載装置の構成]
次に、
図1〜
図4を参照しながら、移載装置130の構成について詳細に説明する。
図3Aは、実施の形態に係る移載装置130を示す平面図である。
図3Bは、実施の形態に係る移載装置130を示す正面図である。
図4は、実施の形態に係る支持機構190を示す平面図である。
【0025】
なお、説明の都合上、
図3A及び
図4では、荷載置部155の図示を省略し、
図3Bでは、荷載置部155を点線によって簡略的に図示している。また、
図4では、ミドルアーム112a,112b及びトップアーム111a,111bの図示を省略してある。
【0026】
図1〜
図4に示すように、移載装置130は、第1のアームユニット110a、第2のアームユニット110b、移動機構200及び制御部180を備えている。
【0027】
第1のアームユニット110aは、ベース部113aと、ベース部113aに取り付けられた、ミドルアーム112a、トップアーム111a(アームの一例)及びガイド部材120aとを有している。第2のアームユニット110bは、ベース部113bと、ベース部113bに取り付けられた、ミドルアーム112b、トップアーム111b(アームの一例)及びガイド部材120bとを有している。
【0028】
ミドルアーム112a,112b及びトップアーム111a,111bの各々は、荷物500の移載方向(Y軸方向)に長尺状に延びている。一対のベース部113a,113bは、荷物500の幅方向(X軸方向)に並んで配置されている。一方のベース部113aは、荷載置部155上に配置された複数の直線レール140に沿って、本体部150に対してX軸方向に移動自在に配置されている。他方のベース部113bは、本体部150に固定されている。
【0029】
第1のアームユニット110aでは、トップアーム111a及びミドルアーム112aによってテレスコピック構造が構成されている。すなわち、モータ等(図示せず)によってミドルアーム112aをベース部113aに対して進出するようにスライドさせると、当該動作に連動してトップアーム111aがミドルアーム112aに対して進出するようにスライドする。これとは反対に、ミドルアーム112aをベース部113aに対して後退させるようにスライドさせると、当該動作に連動してトップアーム111aがミドルアーム112aに対して後退するようにスライドする。
【0030】
第2のアームユニット110bにおいても、第1のアームユニット110aと同様に、トップアーム111b及びミドルアーム112bによってテレスコピック構造が構成されている。トップアーム111b及びミドルアーム112bの各動作は、第1のアームユニット110aと同様であるので、その説明を省略する。
【0031】
このように、一対のトップアーム111a,111bは、荷物500の移載方向に出退自在である。一対のトップアーム111aの長手方向(Y軸方向)の両端部にはそれぞれ、開閉自在な一対のフック102aが配置されている。また、一対のトップアーム111bの長手方向(Y軸方向)の両端部にはそれぞれ、開閉自在な一対のフック102bが配置されている。一対のトップアーム111a,111bは、向かい合う一対のフック102a,102bを荷物500の後端に引っ掛けて後退又は進出することにより、荷物500の引き込み又は押し出しを行うことができる。
【0032】
例えば、
図1において、Y軸のマイナス側を搬送車100の「前方」とし、Y軸のプラス側を搬送車100の「後方」とする。この場合、前方に進出した一対のトップアーム111a,111bの各前端の一対のフック102a,102bは、閉じられる(すなわち、互いに内側に倒れるように回動する)ことにより、一対のトップアーム111a,111bの間の荷物500を引き込むことができる状態となる。その後、一対のトップアーム111a,111bが後方に後退することにより、一対のフック102a,102bに引っ掛けられた荷物500は、荷載置部155上に引き込まれる。
【0033】
一方、荷載置部155上に荷物500が載置されている場合、一対のトップアーム111a,111bの各後端の一対のフック102a,102bが閉じられ、一対のトップアーム111a,111bが前方に進出することにより、後端の一対のフック102a,102bに引っ掛けられた荷物500は、荷載置部155から搬送車100の前方のラック600等に押し出される。
【0034】
移動機構200は、一対のベース部113a,113bの間隔を変更するためのものである。具体的には、移動機構200は、一方のベース部113aを複数の直線レール140に沿ってX軸方向に移動させることにより、一方のベース部113aと、本体部150に固定された他方のベース部113bとの間の距離を変更する。これにより、一対のトップアーム111a,111bの間隔と、一対のガイド部材120a,120bの間隔とが変更される。
【0035】
図3A及び
図3Bに示すように、移動機構200は、X軸方向に延びるネジ軸210と、ネジ軸210を回転させるモータ(図示せず)と、ネジ軸210が回転することによりネジ軸210の軸方向(X軸方向)に沿って移動するナット部220と、ナット部220及びベース部113aの間に配置されたバネ230とを有している。ナット部220がネジ軸210の軸方向に沿って移動した際に、ナット部220の推進力がバネ230を介してベース部113aに伝達されることにより、一対のベース部113a,113bの間隔が変更される。
【0036】
例えば、ネジ軸210を正転(X軸のプラス側から見た場合に時計周りに回転すること)させた際には、ナット部220がベース部113bに近付く方向(X軸のプラス側)に移動することにより、一対のベース部113a,113bの間隔は小さくなる。一方、ネジ軸210を逆転(X軸のプラス側から見た場合に反時計周りに回転すること)させた際には、ナット部220がベース部113bから離れる方向(X軸のマイナス側)に移動することにより、一対のベース部113a,113bの間隔は大きくなる。
【0037】
移動機構200は、さらに、接触検出部300を有している。接触検出部300は、コイルバネであるバネ230の長さの変化量(縮み量又は伸び量)に基づいて、第1のアームユニット110aのトップアーム111aが荷物500に接触したことを検出する。具体的には、第1のアームユニット110aのトップアーム111aが進出した状態で荷物500に接触した際には、バネ230の自然長からの縮み量が閾値を超えるようになる。このとき、接触検出部300が所定の信号を制御部180に送信することにより、制御部180は、トップアーム111aと荷物500とが接触したと判定する。
【0038】
一対のガイド部材120a,120bは、荷載置部155上に引き込まれた荷物500を左右から挟持する(クランプする)ことにより、荷載置部155上において荷物500のX軸方向における位置決めを行う。一対のガイド部材120a,120bは、一対のトップアーム111a,111bよりも下方(Z軸のマイナス側)に配置され、荷物500の移載方向に長尺状に延びている。なお、一対のガイド部材120a,120bの下方には、荷載置部155が配置されている。
【0039】
一対のガイド部材120a,120bは、移動機構200の駆動力によって荷物500を挟持する(すなわち、左右両側からガイドする)。すなわち、一対のガイド部材120a,120bの間隔は、移動機構200によって変更される。具体的には、上述したように、一方のベース部113aが移動機構200からの力を受けて複数の直線レール140に沿ってX軸方向に移動することにより、一方のガイド部材120aが一方のベース部113aとともに本体部150に対して移動する。これにより、一方のガイド部材120aと、他方のベース部113bに固定された他方のガイド部材120bとの間の距離が変更される。
【0040】
図3Aに示すように、平面視において、一対のガイド部材120a,120bの各内面は、一対のトップアーム111a,111bの間に位置している。また、
図4に示すように、一方のガイド部材120aは、可動式のベース部113aに取り付けられ、他方のガイド部材120bは、位置が固定されたベース部113bに取り付けられている。従って、第1のアームユニット110aが移動した場合、平面視において、一対のガイド部材120a,120bの各内面が、一対のトップアーム111a,111bの間に位置した状態を維持しながら、一対のトップアーム111a,111bの間隔と一対のガイド部材120a,120bの間隔とが変更される。
【0041】
具体的には、第1のアームユニット110aが第2のアームユニット110bに近付く方向(X軸のプラス側)に移動した場合、一対のトップアーム111a,111bの間隔と一対のガイド部材120a,120bの間隔とが縮まり、且つ、一対のガイド部材120a,120bの各内面は一対のトップアーム111a,111bの間に位置している。そのため、一対のトップアーム111a,111bの間隔と一対のガイド部材120a,120bの間隔とが縮められた場合には、荷載置部155上の荷物500には、一対のトップアーム111a,111bではなく、一対のガイド部材120a,120bが接触する。これにより、荷物500は、一対のガイド部材120a,120bにより挟持される。なお、
図1及び
図3Bに示すように、一対のガイド部材120a,120bは、一対のトップアーム111a,111bの下方に配置されているので、荷物500の下部を両側から挟持する。その結果、荷物500が荷載置部155上において位置決めされる。
【0042】
図4に示すように、ガイド部材120aは、一対の支持機構190を介してベース部113aに支持されている。また、ガイド部材120bは、一対の支持機構190を介してベース部113bに支持されている。一対の支持機構190は、荷物500の移載方向(すなわち、一対のガイド部材120a,120bの長手方向)に間隔を置いて配置されている。すなわち、本実施の形態では、支持機構190は、荷物500の移載方向に2箇所設けられている。本実施の形態の搬送車100では、支持機構190の構成に特徴がある。支持機構190の構成については後で詳述する。
【0043】
制御部180は、上述した第1のアームユニット110a、第2のアームユニット110b及び移動機構200等の各動作を制御する。制御部180は、例えば、情報の入出力を行うインタフェース、並びに、制御プログラムを実行するためのCPU(Central Processing Unit)及びメモリ等を備えるコンピュータによって実現される。
【0044】
なお、搬送車100の走行制御は、制御部180によって行われてもよく、制御部180とは別体のコンピュータ等によって行われてもよい。すなわち、制御部180は、荷物500の移載の制御のみを行う装置であってもよく、あるいは、搬送車100の全ての動作を制御する装置であってもよい。
【0045】
[3.支持機構の構成]
次に、
図4を参照しながら、支持機構190の構成について詳細に説明する。
【0046】
図4に示すように、支持機構190は、ガイド部材120a(120b)に配置された棒状部材191と、ベース部113a(113b)に配置された受け部192と、ガイド部材120a(120b)とベース部113a(113b)との間に配置された弾性部材193とを有している。
【0047】
棒状部材191は、ガイド部材120a(120b)の外面からベース部113a(113b)に向けて突出し、受け部192及びベース部113a(113b)を貫通している。
【0048】
受け部192は、ベース部113a(113b)からガイド部材120a(120b)の外面に向けて突出している。受け部192は、有底筒状に形成され、穴194を有している。この穴194は、受け部192からベース部113a(113b)まで貫通している。この穴194には、棒状部材191が移動自在に挿入されている。穴194の直径は、棒状部材191の直径よりも大きい。そのため、棒状部材191は、穴194に挿入された状態で、受け部192の軸方向にスライドすることができ、且つ、受け部192の軸方向に対して傾動することができる。
【0049】
弾性部材193は、例えばコイルバネであり、棒状部材191及び受け部192の周囲を覆うように配置されている。弾性部材193は、ガイド部材120a(120b)をベース部113a(113b)から離れる方向に付勢している。
【0050】
図4に示すように、ガイド部材120a,120bに外力が加わっていない状態では、ガイド部材120a,120bはそれぞれ、弾性部材193の付勢力によって、ベース部113a,113bから離隔し且つベース部113a,113bに対して略平行な位置(すなわち、ベース部113a,113bに対する規定位置)に配置されている。
【0051】
後述する
図11Aに示すように、例えばガイド部材120a,120bの長手方向における中央部に外力が加わった状態では、ガイド部材120a,120bはそれぞれ、弾性部材193の付勢力に抗して、ベース部113a,113bに対して近付く方向に(荷物500の幅方向に)平行移動する。これにより、ガイド部材120a,120bはそれぞれ、ベース部113a,113bに近接し且つベース部113a,113bに対して略平行な位置に配置される。なお、ガイド部材120a,120bへの外力の付加が解除された際には、ガイド部材120a,120bはそれぞれ、弾性部材193の付勢力によって規定位置(
図4に示す位置)に復帰する。
【0052】
また、後述する
図12に示すように、例えばガイド部材120a,120bの長手方向における一端部に外力が加わった状態では、ガイド部材120a,120bはそれぞれ、弾性部材193の付勢力に抗して、ベース部113a,113bに対して傾動する。これにより、ガイド部材120a,120bはそれぞれ、ベース部113a,113bに対して斜めに傾いた姿勢に保たれる。
【0053】
このようにガイド部材120a,120bがベース部113a,113bに対して傾動する構造とすることにより、ガイド部材120a,120bの動作不良(いわゆる、こじれ)が生じ始める傾斜角度(すなわち、ベース部113a,113bに対するガイド部材120a,120bの角度)を広げることができ、ガイド部材120a,120bの動作不良が生じない傾斜角度範囲でガイド部材120a,120bをベース部113a,113bに対して傾動させることができる。
【0054】
ガイド部材120a,120bへの外力の付加が解除された際には、ガイド部材120a,120bはそれぞれ、弾性部材193の付勢力によって規定位置(
図4に示す位置)に復帰する。なお、後述する
図12では、説明の都合上、ガイド部材120bがベース部113bに対して傾動した状態を誇張して図示してある。
【0055】
図4に示すように、ガイド部材120aの外面における長手方向の両端部(棒状部材191よりも外側)にはそれぞれ、一対のストッパ121aが配置されている。一対のストッパ121aは、ガイド部材120aの外面からベース部113aに向けて突出している。一対のストッパ121aは、ガイド部材120aがベース部113aに対して傾き過ぎるのを抑制するためのものである。すなわち、ガイド部材120aのベース部113aに対する傾斜角度が所定の傾斜角度となった場合に、一対のストッパ121aの一方がベース部113aに接触する。これにより、ガイド部材120aの所定の傾斜角度(例えば、ガイド部材120aの動作不良が生じ始める傾斜角度)を超える傾動動作が抑制される。
【0056】
同様に、ガイド部材120bの外面における長手方向の両端部(棒状部材191よりも外側)にはそれぞれ、一対のストッパ121bが配置されている。一対のストッパ121bは、ガイド部材120bの外面からベース部113bに向けて突出している。一対のストッパ121bの機能は、上述した一対のストッパ121aの機能と同様であるので、その説明を省略する。
【0057】
さらに、支持機構190に関連して、搬送車100は、クランプ検出部118を備えている。クランプ検出部118は、荷物500が一対のガイド部材120a,120bに挟持された(クランプされた)状態であるか否かを検出するためのものである。クランプ検出部118は、センサ118a,118bを有している。センサ118a,118bは、例えばマイクロフォトセンサである。
【0058】
センサ118aは、第1のアームユニット110aにおいて一対の支持機構190の中間位置に配置され、且つ、ガイド部材120aとベース部113aとの間に配置されている。センサ118bは、第2のアームユニット110bにおいて一対の支持機構190の中間位置に配置され、且つ、ガイド部材120bとベース部113bとの間に配置されている。
【0059】
一対のガイド部材120a,120bが荷物500を挟持した場合、ガイド部材120a,120bはそれぞれ、ベース部113a,113bに対して近付く方向に平行移動する。その結果、ガイド部材120a,120bはそれぞれ、センサ118a,118bの各光軸を遮断する。クランプ検出部118は、センサ118a,118bの各光軸がともに遮断された場合に、荷物500が一対のガイド部材120a,120bに挟持された状態であることを検出する。この場合、制御部180は、クランプ検出部118からの検出信号に基づいて、移動機構200を制御することにより、一対のガイド部材120a,120bの間隔を縮める動作(位置決め動作)を停止させる。
【0060】
なお、センサ118a,118bは、一対の支持機構190の中間位置に配置されているので、後述する
図12に示すように、例えばガイド部材120bがベース部113bに対して傾動した場合であっても、ガイド部材120bはセンサ118bの光軸を遮断しない。クランプ検出部118は、センサ118a,118bの各光軸の少なくとも一方が遮断されていない場合には、荷物500が一対のガイド部材120a,120bに挟持された状態ではないことを検出する。
【0061】
[4.搬送車の動作]
次に、
図5を参照しながら、上述した搬送車100の動作の概要について説明する。
図5は、実施の形態に係る搬送車100の動作の概要を示すフローチャートである。
【0062】
図5に示すように、制御部180は、一対のトップアーム111a,111bを出退させることにより、荷物500が荷載置部155上に引き込まれる(S10)。その後、制御部180は、移動機構200に、一対のガイド部材120a,120bの間隔を縮める動作である位置決め動作を開始させる(S20)。その後、制御部180は、クランプ検出部118が、荷物500が一対のガイド部材120a,120bに挟持された状態であることを検出した場合(S30)、位置決め動作を停止させる(S40)。すなわち、制御部180は、荷物500がクランプされたことを確認した場合、移動機構200に、一対のガイド部材120a,120bの間隔を縮める動作を停止させる。
【0063】
上記の一連の動作により、例えばラック600上に載置されている荷物500は、搬送車100の荷載置部155上に引き込まれ、且つ、荷物500が荷載置部155上において位置決めされる。
【0064】
次に、
図6〜
図11Bを参照しながら、上記の一連の動作の具体例について説明する。
図6〜
図11Aはそれぞれ、実施の形態に係る搬送車100が荷物500を引き込む際の動作を示す第1〜第6の平面図である。
図11Bは、
図11Aの状態における一対のガイド部材120a,120bを示す平面図である。なお、説明の都合上、
図11Bでは、ミドルアーム112a,112b及びトップアーム111a,111bの図示を省略してある。
【0065】
図6〜
図11Bでは、荷物500の正面が移載方向に真っ直ぐ向いた状態で、荷物500をラック600から搬送車100に引き込み、位置決めするまでの一連の動作が図示されている。
【0066】
また、
図6における荷物500の右端の位置(以下、「基準位置」という)は特定されており、搬送車100の制御部180は、例えば上位コンピュータから基準位置を取得し保持している。
【0067】
図6に示すように、搬送車100は、ラック600上の荷物500と対向する位置で停止する。具体的には、搬送車100は、例えば、X軸方向において、第2のアームユニット110bのトップアーム111bが基準位置よりも所定の距離だけ離れる位置で停止する。当該所定の距離とは、例えば、トップアーム111bが前方(
図6において下方)に進出した場合に、荷物500と干渉せず、且つ、トップアーム111bのフック102bを荷物500に引っ掛けることができる距離であり、例えば数cm程度である。このとき、可動式の第1のアームユニット110aは、例えば、第2のアームユニット110bから最も離れた位置で停止している。すなわち、第1のアームユニット110aは、一対のトップアーム111a,111bの間隔が最大となる位置に待機している。
【0068】
なお、荷物500のサイズは、例えば荷物500がラック600に収容された際に、上位コンピュータ等によって記録されており、搬送車100の制御部180は、当該サイズを上位コンピュータ等から取得することができる。そのため、搬送車100は、一対のトップアーム111a,111bの間隔が、荷物500の横幅(X軸方向における幅)よりも少しだけ(例えば数cm)大きい状態で、可動式の第1のアームユニット110aを待機させてもよい。
【0069】
その後、制御部180は、一対のトップアーム111a,111bを前方に進出させる。なお、この時の進出距離は、一対のトップアーム111a,111bの各前端のフック102a,102bが、荷物500の後端(
図6における下端)の位置を越える距離である。
【0070】
その後、
図7に示すように、制御部180は、第1のアームユニット110aを第2のアームユニット110bに近付く方向に移動させることにより、一対のトップアーム111a,111bの間隔を縮める。これにより、第1のアームユニット110aのトップアーム111aは、次第に、荷物500に近付く。
【0071】
その後、
図8に示すように、第1のアームユニット110aのトップアーム111aは、荷物500の左端(
図8における左端)に接触する。このとき、ベース部113aを移動方向に付勢していたバネ230は、トップアーム111aが荷物500に接触したことによる反力を受けて縮む。これにより、接触検出部300は、第1のアームユニット110aのトップアーム111aと荷物500との接触を検出する。制御部180は、接触検出部300からの検出信号に基づいて、移動機構200を制御することにより、第1のアームユニット110aの移動を停止させる。この時点では、
図8に示すように、第1のアームユニット110aのトップアーム111aは、荷物500に接触し、第2のアームユニット110bのトップアーム111bは、荷物500から離れた状態である。
【0072】
その後、
図9に示すように、制御部180は、第1のアームユニット110aを所定の距離だけ第2のアームユニット110bから離れる方向に戻す(移動させる)ことにより、第1のアームユニット110aのトップアーム111aを荷物500から離し、一対のトップアーム111a,111bの各前端の一対のフック102a,102bを閉じさせる。さらに、制御部180は、一対のトップアーム111a,111bを後退させることにより、一対のフック102a,102bに引っ掛けられた荷物500を荷載置部155上に引き込む。
【0073】
具体的には、制御部180は、例えば、荷載置部155の前後方向(Y軸方向)の所定の位置に荷物500が位置するように、一対のトップアーム111a,111bを、初期位置(
図3Aに示す位置)よりも、後ろ側(Y軸のプラス側)まで移動させる。これにより、荷物500は、荷載置部155の前後方向における所定の位置に載置される。
【0074】
なお、第1のアームユニット110aを第2のアームユニット110bから離れる方向に戻す際の所定の距離は、トップアーム111aを後退させた場合に、トップアーム111a前端のフック102aに荷物500を引っ掛けることができる範囲内の距離であり、例えば数cm程度である。このように、一対のトップアーム111a,111bを、荷物500と接触していない状態にしてから後退させることにより、例えば一対のトップアーム111a,111bが荷物500と擦れることによる荷物500の損傷等の不具合が発生しない。
【0075】
上述のように荷載置部155上に荷物500を引き込んだ後に、制御部180は、移動機構200に位置決め動作を開始させる。具体的には、荷載置部155上に引き込まれた直後の荷物500は、一対のガイド部材120a,120bの各々と接触しない位置にある。この状態において、制御部180は、移動機構200を制御することにより、
図10に示すように、第1のアームユニット110aを第2のアームユニット110bに近付く方向に移動させる。これにより、一対のガイド部材120a,120bの間隔が縮められる。
【0076】
その後、第1のアームユニット110aのガイド部材120aは、荷物500に接触する。これにより、第1のアームユニット110aのセンサ118aは、ガイド部材120aがベース部113aに対して近付く方向に平行移動したことを検出する。制御部180は、第1のアームユニット110aをさらに第2のアームユニット110bに近付く方向に移動させる。これにより、ガイド部材120aは、荷物500を押しながら第2のアームユニット110bに近付く方向に移動する。
【0077】
図11A及び
図11Bに示すように、位置決め動作が開始された後に、第2のアームユニット110bに近付く方向に移動していた荷物500は、第2のアームユニット110bのガイド部材120bに接触する。これにより、荷物500は、一対のガイド部材120a,120bによって挟持された状態となる。このとき、第2のアームユニット110bのセンサ118bは、ガイド部材120bがベース部113bに対して近付く方向に平行移動したことを検出する。これにより、クランプ検出部118は、センサ118a及びセンサ118bの両方から検出信号を取得する。この場合、クランプ検出部118は、制御部180に、荷物500が一対のガイド部材120a,120bによって挟持された状態であることを通知する。
【0078】
制御部180は、当該通知を受けた際に、移動機構200に、第1のアームユニット110aの移動を停止させる。これにより、荷物500の位置決め動作が停止する。
【0079】
なお、
図11Bに示す状態では、ガイド部材120aはベース部113aに対して近付く方向に平行移動し、且つ、ガイド部材120bはベース部113bに対して近付く方向に平行移動する。
【0080】
以上の一連の動作により、ラック600に収容されていた荷物500は、搬送車100の荷載置部155上に引き込まれ、且つ、荷載置部155上において一対のガイド部材120a,120bにより位置決めされる。その後、制御部180は、一対のガイド部材120a,120bで荷物500を挟持した状態(クランプ状態)を維持しながら、例えば出庫用コンベア等の目的場所に対向する位置まで搬送車100を移動させる。これにより、荷物500を、一対のトップアーム111a,111bを用いて目的場所に精度良く載置することができる。
【0081】
例えば、制御部180は、目的場所に対向する位置において、一対のガイド部材120a,120bの間隔を広げることにより、荷物500のクランプ状態を解除する。その後、制御部180は、後端の一対のフック102a,102bを閉じて、一対のトップアーム111a,111bを前方に進出させる。これにより、荷物500は、後端の一対のフック102a,102bに引っ掛けられて、搬送車100の前方の目的場所に押し出される。
【0082】
このとき、荷物500は、荷載置部155上において位置決めされているので、押し出される荷物500の右端を、目的場所における基準位置に精度良く合わせることができる。
【0083】
なお、目的場所が搬送車100の後方(
図11Aにおける上方)にある場合には、制御部180は、荷物500のクランプ状態を解除した後に、一対のトップアーム111a,111bの各前端の一対のフック102a,102bを閉じて、一対のトップアーム111a,111bを後方に進出させる。これにより、荷物500は、一対のフック102a,102bに引っ掛けられて、搬送車100の後方の目的場所に押し出される。
【0084】
次に、
図12を参照しながら、荷物500の正面が移載方向に対して斜めを向いた状態で、荷物500をラック600から搬送車100に引き込む場合の搬送車100の動作について説明する。
図12は、荷物500の正面が移載方向に対して斜めを向いた状態で、実施の形態に係る搬送車100が荷物500を引き込む際の動作を示す平面図である。なお、説明の都合上、
図12では、ミドルアーム112a,112b及びトップアーム111a,111bの図示を省略してある。
【0085】
図12に示すように、荷物500の正面が移載方向に対して斜めを向いた状態で、荷物500をラック600から搬送車100に引き込む場合には、荷物500の正面のエッジ部がガイド部材120bの長手方向における一端部に接触する。このとき、ガイド部材120bは、いわゆる梃子のようにベース部113bに対して所定の方向(
図12において反時計方向)に傾動する。このとき、ガイド部材120bの動作不良が生じない傾斜角度範囲で、ガイド部材120bをベース部113bに対して傾動させることができる。
【0086】
その後、荷物500をラック600から搬送車100に引き込んだ際には、荷物500は、荷載置部155上の移載方向における一方側(例えばY軸のマイナス側)に偏った位置に配置されることにより、荷物500がガイド部材120bの長方向における一端部に押し付けられるようになる。このとき、ガイド部材120bは、ベース部113bに対して所定の方向(
図12において反時計方向)に傾動するので、上述と同様に、ガイド部材120bの動作不良が生じない傾斜角度範囲で、ガイド部材120bをベース部113bに対して傾動させることができる。
【0087】
[5.効果]
以上説明したように、本実施の形態に係る搬送車100では、荷物500の正面が移載方向に対して斜めを向いた状態で荷物500を荷載置部155に引き込んだ際に、荷物500がガイド部材120bにぶつかった場合であっても、ガイド部材120bの動作不良が生じない傾斜角度範囲でガイド部材120bをベース部113bに対して傾動させることができる。
【0088】
また、荷物500が荷載置部155上の移載方向における一方側に偏った位置に配置されることにより、荷物500がガイド部材120bの長手方向における一端部に押し付けられた場合であっても、上述と同様に、ガイド部材120bの動作不良が生じない傾斜角度範囲でガイド部材120bをベース部113bに対して傾動させることができる。
【0089】
その結果、荷物500を引き込む際に、ガイド部材120bの動作不良を生じさせることなく、荷物500をスムーズにガイドすることができる。
【0090】
(変形例等)
以上、本発明の搬送車について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態に対して当業者が思い付く変形を施して得られる形態、及び、上記実施の形態における構成要素を任意に組み合わせて実現される別の形態も本発明に含まれる。
【0091】
上記実施の形態では、搬送車100をシャトル台車として適用したが、これに限定されず、例えばスタッカークレーン等に適用してもよい。
【0092】
また、上記実施の形態では、搬送車100は、2本のレール160上を走行するとしたが、これに限定されず、例えばセンサ等で自機の位置を確認しながら路面を走行する無人搬送車であってもよい。
【0093】
また、上記実施の形態では、ガイド部材120a,120bに棒状部材191を配置し、ベース部113a,113bに受け部192(穴194)を配置したが、これとは反対に、ガイド部材120a,120bに受け部192(穴194)を配置し、ベース部113a,113bに棒状部材191を配置してもよい。
【0094】
また、上記実施の形態では、ガイド部材120a,120bにそれぞれストッパ121a,121bを配置したが、ベース部113a,113bにそれぞれストッパ121a,121bを配置してもよい。この場合、ストッパ121a,121bは、ガイド部材120a,120bに向けて突出するようになる。
【0095】
また、上記実施の形態では、支持機構190を荷物500の移載方向に2箇所設けたが、3箇所以上設けてもよい。
【0096】
また、上記実施の形態では、第1のアームユニット110aのみが可動式であるとしたが、第1のアームユニット110a及び第2のアームユニット110bの少なくとも一方が可動式であればよい。
【0097】
また、上記実施の形態では、センサ118a及び118bの種類をフォトセンサとしたが、これに限定されず、例えばガイド部材120a,120bが押された場合にオン又はオフとなる機械式のスイッチ等であってもよい。