特許第6673042号(P6673042)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6673042
(24)【登録日】2020年3月9日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】園芸用結束機
(51)【国際特許分類】
   B65B 13/04 20060101AFI20200316BHJP
   A01G 9/12 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   B65B13/04
   A01G9/12 D
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-119414(P2016-119414)
(22)【出願日】2016年6月15日
(65)【公開番号】特開2017-222404(P2017-222404A)
(43)【公開日】2017年12月21日
【審査請求日】2018年12月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹村 元
(72)【発明者】
【氏名】足立 道明
(72)【発明者】
【氏名】間庭 良浩
【審査官】 蓮井 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−51248(JP,A)
【文献】 特開平7−255957(JP,A)
【文献】 特開2000−381(JP,A)
【文献】 特開平8−175507(JP,A)
【文献】 米国特許第6382289(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 13/04
A01G 9/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
結束機本体と、
前記結束機本体に回動可能に取り付けられ、前記結束機本体からテープを引き出すと共に当該テープにより架け回された被結束物を結束処理するクリンチャアームと、
前記クリンチャアームにより結束処理される前記テープを切断する切断部と、を備え、
前記切断部は、
前記テープを切断する刃と、
前記刃を前記結束機本体の所定位置にロックするロック機構と、を有し、
前記ロック機構は、前記刃を前記結束機本体にロックおよびロック解除する操作部を有し、
前記操作部は、前記結束機本体の前端部に設けられる
ことを特徴とする園芸用結束機。
【請求項2】
記操作部は、前記刃の引き抜き方向とは重ならない位置に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の園芸用結束機。
【請求項3】
前記結束機本体の前部に設けられ、前記テープを案内する案内部を備え、
前記刃は、前記ロック機構により前記案内部にロックされる
ことを特徴とする請求項1に記載の園芸用結束機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、園芸用結束機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、果樹や野菜等の枝やつるを支柱に結束したり、野菜同士や袋同士を束ねたりする際に園芸用結束機が広く利用されている。園芸用結束機では、クリンチャアームの開閉動作によりテープを結束機本体から引き出してクリンチャアームと結束機本体との先端部間にテープを張った状態とし、この状態で結束機本体を前方に押し出して被結束物をテープにより掛け回した後、クリンチャアームを再度閉じることでテープをステープルにより綴じると共に切断刃によりテープを切断する、という一連の工程により結束処理を行っている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ドライバハンドル(結束機本体)の先端部にノッチ刃形状のカッター刃が取り付けられた園芸用結束機が記載されている。一般に、カッター刃は、ドライバハンドルに設けられた板バネと板金との間に挟持されることによりドライバハンドルに保持される。カッター刃の交換時には、ユーザーがラジオペンチ等によりカッター刃をつかんでバネ力以上の力で引くことで、カッター刃をドライバハンドルから引き抜いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−341613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の園芸用結束機等では以下のような問題がある。すなわち、上述したように、切断刃は簡易な手段で結束機本体に保持しているので、結束時に誤って切断刃に茎や支柱が刺さった場合、切断刃が結束機本体から抜けてしまうという問題があった。また、切断刃を板バネと板金との間に挟む構造となっているため、切断刃を正確な位置で保持できない場合がある。この場合、切断位置がずれてしまい、テープの切断を正常に行うことができないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、結束作業時の意図しない切断刃の抜けを防止すると共に、正確な位置で切断刃を保持することが可能な園芸用結束機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る園芸用結束機は、結束機本体と、前記結束機本体に回動可能に取り付けられ、前記結束機本体からテープを引き出すと共に当該テープにより架け回された被結束物を結束処理するクリンチャアームと、前記クリンチャアームにより結束処理される前記テープを切断する切断部と、を備え、前記切断部は、前記テープを切断する刃と、前記刃を前記結束機本体の所定位置にロックするロック機構と、を有し、前記ロック機構は、前記刃を前記結束機本体にロックおよびロック解除する操作部を有し、前記操作部は、前記結束機本体の前端部に設けられるものである。
【0008】
前記ロック機構は、前記刃を前記結束機本体にロックおよびロック解除する操作部を有し、前記操作部は、前記刃の引き抜き方向とは異なる位置に設けられるものである。
【0010】
前記結束機本体の前部に設けられ、前記テープを案内する案内部を備え、前記刃は、前記ロック機構により前記案内部にロックされるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、テープを切断する刃をロック機構により結束機本体の所定位置に固定するので、切断刃の抜けを防止できると共に、切断刃を正確な位置に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施の形態に係る園芸用結束機の構成例を示す斜視図である。
図2】園芸用結束機の構成例を示す正面図である。
図3】園芸用結束機の構成例を示す断面図である。
図4】園芸用結束機におけるテープ引き出し時の状態を示す断面図である。
図5】園芸用結束機におけるテープ切断時の状態を示す断面図である。
図6】本発明の第1の実施の形態に係るテープ切断部の構成例を示す斜視図である。
図7】テープ切断部の構成例を示す断面図である。
図8】リリースボタンの構成例を示す図である。
図9】切断刃の構成例を示す図である。
図10】リリースボタンの押圧状態に応じたロック機構の動作例を示す図である。
図11】リリースボタンを押していない場合のロック機構の動作例を示す図である。
図12】リリースボタンを押した場合のロック機構の動作例を示す図である。
図13】本発明の第2の実施の形態に係るテープ切断部の構成例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
<第1の実施の形態>
[園芸用結束機100の構成例]
図1は第1の実施の形態に係る園芸用結束機100の構成の一例を示す斜視図であり、図2はその正面図であり、図3はその断面図である。図1図3において、紙面の右側を園芸用結束機100の前側とし、紙面の左側を園芸用結束機100の後側とする。
【0015】
図1図3に示すように、手持ち工具としての園芸用結束機100は、クリンチャアーム10と、結束機本体40と、ハンドル12と、テープ引き出し部20と、テープ搬送部42と、テープ切断部50Aと、ステープルマガジン部60と、テープマガジン部80とを備えている。
【0016】
クリンチャアーム10は、その後端部が結束機本体40に回動可能に取り付けられると共に、引っ張りばね16により後方側に付勢されている。ハンドル12は、ユーザーが把持する部位であり、その略中間部がクリンチャアーム10に回動可能に取り付けられ、その前端部が結束機本体40に回動可能に取り付けられている。このような構成により、ハンドル12の開閉動作に伴い、ハンドル12の梃子の原理によりクリンチャアーム10が結束機本体40に対して相対的に開閉動作するようになっている。
【0017】
テープ引き出し部20は、結束機本体40からテープTPを引き出すための機構であり、クリンチャアーム10の先端部に設けられている。テープ引き出し部20は、ロックプレート22と、テープキャッチ24と、テーププレート26とを有している。
【0018】
ロックプレート22は、一端側に設けられた軸部22aを支点として回動可能に構成されると共に、他端側がコイルばね23によりテープキャッチ24側に付勢されている。ロックプレート22は、コイルばね23の付勢により、テープキャッチ24に係合することでテープキャッチ24をロックし、テープキャッチ24をテーププレート26から離間した位置で固定する。
【0019】
テープキャッチ24は、軸部24aを支点として回動可能に設けられると共に、ねじりコイルばね25によりテーププレート26側に付勢されている。テープキャッチ24は、テープの引き出し時にロックプレート22によるロックが解除されると、ねじりコイルばね25の付勢により、先細り形状をなす先端部24bがテーププレート26側に移動する。
【0020】
テーププレート26は、テープキャッチ24に対向するように配設され、その先端部がロックプレート22から結束機本体40側に延出している。テーププレート26は、延出した部位とテープキャッチ24とでテープTPを挟持し、クリンチャアーム10の戻り(開)動作に伴ってテープTPをテープガイド46から上方側に引き出す。
【0021】
テープ搬送部42は、テープホルダ44と、テープガイド46とを有している。テープホルダ44は、テープマガジン部80からテープガイド46までテープを搬送するための経路であり、結束機本体40の長手方向に沿って敷設されている。また、テープホルダ44は、長手方向の一辺側を支点として開閉可能に構成され、テープTPのセット作業が容易に行えるようになっている。テープガイド46は、結束機本体40(テープホルダ44)の前端部に回動可能に設けられ、テープの先端部をテープガイド46から上方側に引き出した状態で保持する。
【0022】
テープ切断部50Aは、テープTPを切断する切断刃51と、切断刃51をロックおよびロック解除するためのロック機構52とを有している。切断刃51は、ロック機構52によりテープガイド46の所定位置に固定されると共に、ロック機構52の解除によりテープガイド46から引き抜くことができるようになっている。なお、テープ切断部50Aの構成や機能については後述する。
【0023】
ステープルマガジン部60は、結束機本体40の上面側に取り付けられ、接着連結されたステープルが装填される。ステープルマガジン部60は、クリンチャアーム10の開閉動作によりステープルを打ち出してテープTPの重なり部分を綴じ処理する。
【0024】
テープマガジン部80は、結束機本体40の後端部に取り付けられ、テープTPが巻き回されたテープロールを収容する。テープマガジン部80は、クリンチャアーム10の開閉動作に基づくテープTPの引き出し動作により正回転し、テープTPをテープ搬送部42に送り出す。
【0025】
[園芸用結束機100の動作例]
次に、本発明に係る園芸用結束機100の結束処理時における動作の一例について説明する。図4は、園芸用結束機100におけるテープTPの引き出し時の状態を示す断面図である。図5は、園芸用結束機100におけるテープTPの切断時の状態を示す断面図である。
【0026】
図1図5を参照すると、ユーザーによりハンドル12が握り込まれると、クリンチャアーム10が結束機本体40に接近する方向に移動(降下)する。これにより、ロックプレート22が結束機本体40側のテープガイド46に当接してロックプレート22が押し上げられることで、ロックプレート22によるテープキャッチ24のロックが解除される。
【0027】
テープキャッチ24のロックが解除されると、テープキャッチ24がテーププレート26側に回動し、テープTPがテープキャッチ24の先端部24bによりテープガイド46に押し付けられる。
【0028】
続けて、ユーザーによりハンドル12の握りが解除されると、クリンチャアーム10が結束機本体40から離れる方向に移動(上昇)する。これに伴い、図4に示すように、テープキャッチ24がテープガイド46からテーププレート26に乗り移り、テーププレート26とテープキャッチ24とでテープTPが挟持された状態でテープガイド46から上方側に引き出される。また、クリンチャアーム10の上昇に伴い、ロックプレート22とテープキャッチ24とが係合状態とされる。
【0029】
続けて、結束機本体40の前方に押し出しにより野菜等の枝や支柱(以下、枝および支柱をまとめて結束物300という)にテープTPが押し付けられてクリンチャアーム10内に結束物300が取り込まれる。
【0030】
続けて、ユーザーによりハンドル12が再度強く握られると、クリンチャアーム10が結束機本体40に接近する方向に移動(降下)し、結束物300にテープTPが掛け回される。
【0031】
クリンチャアーム10の降下に伴い、テープガイド46がテープキャッチ24の対向する傾斜面に沿って移動していき、移動が規制される位置まで到達すると、テープキャッチ24がテーププレート26から離れる方向(前部側)に回動する。これに伴い、テープガイド46も前部側に回動する。
【0032】
テープガイド46の回動に伴い、図5に示すように、切断刃51も回動してその先端側に設けられた歯がテープTPに突き刺さることによりテープTPが切断される。また、クリンチャ30がステープルマガジン本体62を押圧し、ステープルマガジン本体62が後端部を支点として傾動することで、ドライバ78により射出口からステープルが打ち出され、テープTPの重なり部分がステープルによって綴じられる。本実施の形態では、このような一連の工程により、結束物300の結束作業が行われる。
【0033】
[テープ切断部50Aの構成例]
図6はテープ切断部50Aの構成の一例を示す斜視図であり、図7はその断面図である。図6および図7に示すように、テープ切断部50Aは、切断刃51と、ロック機構52とを有している。
【0034】
まず、ロック機構52について説明する。ロック機構52は、切断刃51をテープガイド46の所定位置にロックしたり、切断刃51のロックを解除したりする機構である。ロック機構52は、リリースボタン54と、コイルばね56と、ばね支持部材58とを有している。
【0035】
リリースボタン54は、テープガイド46の前面部であって、切断刃51の引き抜き方向Dとは重ならない位置(ずれた位置)に配置されている(図6図7参照)。図8(A)はリリースボタン54の構成の一例を示す側面図であり、図8(B)はその平面図である。図6図7図8(A)および図8(B)に示すように、リリースボタン54は、円柱体54aと、円柱体54aの後端部(基端部)に一体形成されると共に円柱体54aの直径X1よりも大きい直径X2からなる拡径部54bとを有している。リリースボタン54の円柱体54aはテープガイド46に形成された貫通孔46aから前方側に突出して設けられると共に、リリースボタン54の拡径部54bは貫通孔46aの開口周縁部によって係止される。これにより、リリースボタン54のテープガイド46からの前方への抜けが防止される。なお、リリースボタン54は、操作部の一例に相当している。
【0036】
ばね支持部材58は、コイルばね56を支持するための部材であり、切断刃51の後方側の結束機本体40に取り付けられている。ばね支持部材58は、結束機本体40の左右方向に延びる軸部58aを有している。軸部58aには、コイルばね56が装着されている。
【0037】
コイルばね56は、2個のねじりコイルばねを接続したいわゆるダブルトーションばねにより構成されている。コイルばね56は、リリースボタン54の拡径部54bに当接してリリースボタン54を前方側に付勢し、コイルばね56をテープガイド46から前方側に突出させた状態で弾性的に支持する。なお、本実施の形態では、リリースボタン54の付勢手段として、コイルばね56を用いたが、これに限定されることはなく、板ばねや圧縮ばね等の弾性部材を用いることもできる。
【0038】
次に、切断刃51について説明する。図9は、切断刃51の構成の一例を示している。図9に示すように、切断刃51は、先端部に形成された鋸歯形状の歯51aと、基端部に形成された凹部51bとを有している。凹部51bは、リリースボタン54の形状に対応して略円形状に切り欠かれている。凹部51bの幅Y1は、リリースボタン54の拡径部54bの直径X2と略同一の長さに選定される。凹部51bの幅Y2は、リリースボタン54の円柱体54aの直径X1よりも大きくなるように選定される。
【0039】
[テープ切断部50Aの動作例]
図10(A)はリリースボタン54を押していない場合のロック機構52の状態を示す斜視図であり、図10(B)はリリースボタン54を押した場合のロック機構52の状態を示す斜視図である。図11(A)はリリースボタン54を押していない場合の状態をロック機構52の後方側から見た斜視図であり、図11(B)はその平面図である。図12(A)はロックを解除して切断刃51を引き抜く際の状態をロック機構52の後方側から見た斜視図であり、図12(B)はその平面図である。
【0040】
図10(A)、図11(A)および図11(B)に示すように、リリースボタン54が押されていない状態では、切断刃51の凹部51b内にリリースボタン54の拡径部54bが位置するので、切断刃51の凹部51bがリリースボタン54の拡径部54bに引っ掛かった状態となる(係止される)。これにより、切断刃51がテープガイド46内の最適な位置でロックされる。
【0041】
図10(B)、図12(A)および図12(B)に示すように、ユーザーによりリリースボタン54が押されると、リリースボタン54がコイルばね56の付勢力に抗して後方側に移動する。これにより、切断刃51の凹部51b内に、凹部51bの幅Y2よりも小さい直径X1のリリースボタン54の円柱体54aが位置するので、切断刃51のリリースボタン54によるロックが解除される。この状態で、切断刃51が外側に引っ張られると、切断刃51の凹部51bがリリースボタン54をすり抜けが可能となり、切断刃51の結束機本体40からの引き抜きを行うことができる。
【0042】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、ロック機構52のリリースボタン54をテープガイド46の前面側に設けるので、ユーザーはリリースボタン54を目視しながら切断刃51の交換作業を行うことができる。これにより、切断刃51の交換作業の効率化を図ることができる。また、切断刃51の引き抜き方向Dとはずれた位置にリリースボタン54を設けるので、リリースボタン54を押圧するユーザーの指が切断刃51の引き抜き方向Dに位置することを回避でき、切断刃51がユーザーの指に当たってしまうことを防止できる。
【0043】
また、第1の実施の形態によれば、予め位置決めされたリリースボタン54により切断刃51をロックするので、切断刃51を装着する際の位置決めを確実に行うことができる。また、テープの切断を効率的に行うことができる最適な位置に切断刃51を設置できる。これらにより、テープを正確かつ確実に切断することができる。
【0044】
さらに、第1の実施の形態によれば、リリースボタン54によって切断刃51をロックするので、従来のように板バネや板金で切断刃51を挟んで保持する場合と比べて、切断刃51の意図しない抜けを防止することができる。例えば、結束時に誤って切断刃51に茎や支柱が刺さった場合でも切断刃51の結束機本体40からの抜けを確実に防止することができる。
【0045】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態では、ロック機構52について第1の実施の形態とは異なる構成を採用している。なお、その他の園芸用結束機100の構成や動作は、上記第1の実施の形態と同様であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0046】
図13は、テープ切断部50Bの構成の一例を示している。図13(A)は切断刃51がロック機構52によりロックされている状態を示す図であり、図13(B)は切断刃51のロック機構52によるロックが解除された状態を示す図である。
【0047】
図13(A)および図13(B)に示すように、テープ切断部50Bは、切断刃51と、ロック機構52とを備えている。切断刃51は、先端部に形成された歯51aの他に、側面部のそれぞれに略U字形状に切り欠かれた凹部51c,51dを有している。
【0048】
ロック機構52は、切断刃51のロックおよびロック解除を行うリリースアーム54c,54dを有している。なお、リリースアーム54c,54dは、操作部の一例に相当している。
【0049】
リリースアーム54cは、短辺部と長辺部とを含む略L字形状の棒状部材からなり、その中央部を支点として回動可能に構成されている。リリースアーム54cはコイルばね等の弾性部材55aにより凹部51c側に付勢されており、リリースアーム54cの短辺部が凹部51cに係合している。リリースアーム54cの長辺部の端部は、ユーザーが操作する操作部として機能し、操作し易いようにテープガイド46から突出して設けられている。
【0050】
同様に、リリースアーム54dは、短辺部と長辺部とを含む略L字形状の棒状部材からなり、その中央部を支点として回動可能に構成されている。リリースアーム54dは弾性部材55bにより凹部51d側に付勢されており、リリースアーム54dの短辺部が凹部51dに係合している。リリースアーム54dの長辺部の端部は、ユーザーが操作する操作部として機能し、操作し易いようにテープガイド46から突出して設けられている。
【0051】
次に、切断刃51のロックを解除する際のロック機構52の動作の一例について図13(A)および図13(B)を参照して説明する。
【0052】
図13(A)に示すように、切断刃51の引き抜きを行わない場合、つまり、リリースアーム54c,54dが操作されていない状態では、切断刃51の凹部51c,51dのそれぞれにリリースアーム54c,54dの短辺部が係合するので、切断刃51がテープガイド46内の所定位置でロックされる。
【0053】
図13(B)に示すように、切断刃51の引き抜きを行う場合において、ユーザーによりリリースアーム54c,54dの長辺部が操作されると、リリースアーム54c,54dの短辺部が弾性部材55a,55bの付勢力に抗して外側に回動する。これにより、切断刃51の凹部51c,51dからリリースアーム54c,54dのそれぞれが離間した状態となり、切断刃51のリリースアーム54c,54dによるロックが解除される。その結果、切断刃51の引き抜き作業が可能となる。
【0054】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、第2の実施の形態によっても、ロック機構52のリリースアーム54c,54dをテープガイド46の前面側に設けるので、ユーザーはリリースアーム54c,54dを目視しながら切断刃51の交換作業を行うことができる。これにより、切断刃51の交換作業の効率化を図ることができる。また、切断刃51の引き抜き方向Dとはずれた位置にリリースアーム54c,54dを設けるので、リリースアーム54c,54dを押圧するユーザーの指が切断刃51の引き抜き方向Dに位置することを回避でき、切断刃51がユーザーの指に当たってしまうことを防止できる。
【0055】
また、第2の実施の形態によれば、予め位置決めされたリリースアーム54c,54dにより切断刃51をロックするので、切断刃51を装着する際の位置決めを確実に行うことができる。また、テープの切断を効率的に行うことができる最適な位置に切断刃51を設置できる。これらにより、テープを正確かつ確実に切断することができる。
【0056】
さらに、第2の実施の形態によれば、リリースアーム54c,54dによって切断刃51をロックするので、従来のように板バネや板金で切断刃51を挟んで保持する場合と比べて、切断刃51の意図しない抜けを防止することができる。例えば、結束時に誤って切断刃51に茎や支柱が刺さった場合でも切断刃51の結束機本体40からの抜けを確実に防止することができる。
【0057】
なお、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に記載の範囲には限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能である。例えば、上述した実施の形態では、ロック機構52としてリリースボタン54やリリースアーム54c,54dを採用した例について説明したが、これに限定されることはなく、他の公知技術であるロック機構を採用することもできる。
【符号の説明】
【0058】
10 クリンチャアーム
40 結束機本体
46 テープガイド(案内部)
50A,50B テープ切断部(切断部)
51 切断刃(刃)
52 ロック機構
54 リリースボタン(操作部)
54c,54d リリースアーム(操作部)
300 結束物(被結束物)
TP テープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13