【実施例】
【0097】
以下、実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0098】
クロマトグラフィーによる分離の箇所およびTLCに示されているカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶媒または展開溶媒を示し、割合は体積比を表す。
【0099】
NMRの箇所に示されているカッコ内は測定に使用した溶媒を示す。
【0100】
本明細書中に用いた化合物名は、一般的にIUPACの規則に準じて命名を行なうコンピュータプログラム、Advanced Chemistry Development社のACD/Name(登録商標)を用いるか、または、IUPAC命名法に準じて命名したものである。
【0101】
LC−MS/ELSDは、下記条件:
条件A:{カラム:Waters ACQUITY C
18(粒子径:1.7 x 10
-6 m;カラム長:30 x 2.1 mm I.D.);流速:1.0mL/min;カラム温度:40℃;移動相(A):0.1%ギ酸水溶液;移動相(B):0.1%ギ酸−アセトニトリル溶液;グラジエント(移動相(A):移動相(B)の比率を記載):[0分]95:5;[0.1分]95:5;[1.2分]5:95;[1.4分]5:95;[1.41分]95:5;[1.5分]95:5;検出器:UV(PDA)、ELSD、MS}、または
条件B{カラム:Luna C18(カラム長:250 x 4.6 mm I.D.);流速:1.0mL/min;移動相(A):0.1%トリフルオロ酢酸水溶液;移動相(B):0.1%トリフルオロ酢酸−アセトニトリル溶液;グラジエント(移動相(A):移動相(B)の比率を記載):[0分]90:10;[0.1分]0:100;[20分]0:100;[25分];検出器:UV(PDA)、ELSD、MS}
のいずれかで行った。
【0102】
実施例1:6−(ベンジロキシ)−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オン
6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オン(CAS登録番号:3470−50−6)(24.3g)のアセトン(160mL)溶液に室温で臭化ベンジル(29.4mL)および炭酸カリウム(31.1g)を加え、40℃で3.5時間撹拌した。不溶物をろ去後、濃縮し、tert−ブチルメチルエーテル(MTBE)−ヘキサン(1:4)混合溶媒にて洗浄し、以下の物性値を有する標題化合物(34.5g)を得た。
TLC: Rf 0.38(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)。
【0103】
実施例2:7−(ベンジロキシ)−4−メチル−1,2−ジヒドロナフタレン
実施例1で製造した化合物(34.5g)のテトラヒドロフラン(THF)(300mL)溶液にメチルマグネシウムブロミド(3mol/Lジエチルエーテル溶液、55mL)を0℃で加え、室温で1時間撹拌した。反応液を0℃に冷却し、氷−飽和塩化アンモニウム水溶液にあけ、2mol/L 塩酸を加え室温で3時間撹拌した。酢酸エチルにて抽出し、有機層を水、飽和食塩水にて順次洗浄し、乾燥後濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製し、以下の物性値を有する標題化合物(24.8g)を得た。
TLC: Rf 0.57(ヘキサン:酢酸エチル=15:1)。
【0104】
実施例3:6−(ベンジロキシ)−1−メチル−3,4−ジヒドロナフタレン−2−カルボアルデヒド
オキシ塩化リン(26.7g)に0℃でN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(60mL)を滴下し、20分撹拌した。ここに、実施例2で製造した化合物(24.8g)の塩化メチレン(60mL)溶液をゆっくり滴下し、室温で90分撹拌した。反応液を0℃に冷却し、氷にあけしばらく放置後、ヘキサン−酢酸エチル(1:2)混合溶媒にて抽出した。有機層を水、飽和食塩水にて順次洗浄し、乾燥後濃縮した。得られた固体をMTBEにて洗浄し、以下の物性値を有する標題化合物(19.9g)を得た。
TLC: Rf 0.50(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)。
【0105】
実施例4:6−ヒドロキシ−1−メチル−3,4−ジヒドロナフタレン−2−カルボアルデヒド
チオアニソール(35mL)に0℃でトリフルオロ酢酸(140mL)を加え、ここに実施例3で製造した化合物(9.17g)を少しずつ加え、室温にて4時間撹拌した。反応液を氷にあけ、5mol/L 水酸化ナトリウム水溶液を加えMTBEにて洗浄した。水層に1mol/L 塩酸を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を乾燥後濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→2:1)にて精製し、以下の物性値を有する標題化合物(6.03g)を得た。
TLC: Rf 0.26(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)。
【0106】
実施例5:メチル 1−[(6−ヒドロキシ−1−メチル−3,4−ジヒドロナフタレン−2−イル)メチル]アゼチジン−3−カルボキシラート
窒素雰囲気下、実施例4で製造した化合物(2.60g)、メチル アゼチジン−3−カルボキシラート塩酸塩(3.14g)およびトリエチルアミン(6.29g)のTHF混合物を、0℃で水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(2.92g)にて処理し、得られた混合物を17時間以上かけて室温に戻した。その後、反応溶液に酢酸エチル(300mL)を注ぎ、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水にて順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50−80% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、以下の物性値を有する標題化合物(3.21g)を得た。
1H-NMR (CDCl
3): δ7.10, 6.63, 6.57, 3.70, 3.58, 3.37-3.31, 2.60, 2.25-2.22, 2.07;
MS (M+H): 288。
【0107】
実施例6:メチル 1−{[6−(シクロペンチルオキシ)−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル]メチル}−3−アゼチジンカルボキシラート
【化15】
【0108】
実施例5で製造した化合物(97mg)のDMF溶液(3mL)を、水素化ナトリウム(60%鉱油混合物)(14mg)を用いて処理し、窒素雰囲気下、室温で15分間撹拌した。得られた溶液をブロモシクロペンタン(49mg)で処理し、18時間撹拌した。その後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水および5%塩化リチウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20−80% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、以下の物性値を有する標題化合物(51mg)を得た。
1H-NMR (CDCl
3): δ 7.17, 6.69, 6.65, 4.76-4.73, 3.70, 3.55-3.52, 3.35-3.27, 2.67, 2.26, 2.08, 1.92-1.77, 1.64-1.59;
MS (M+H): 356。
【0109】
実施例7:1−{[6−(シクロペンチルオキシ)−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル]メチル}−3−アゼチジンカルボン酸
【化16】
【0110】
実施例6で製造した化合物(45mg)のメタノール溶液(3mL)を、2N水酸化ナトリウム(0.44mL)で処理し、室温で45分間撹拌した。その後、反応溶液を減圧下濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール:濃アンモニウム水=80:18:2)にて精製し、以下の物性値を有する標題化合物(35mg)を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ 7.14, 6.70, 6.67, 4.80-4.77, 3.40, 3.20-3.18, 2.58, 2.16, 2.01, 1.92-1.86, 1.71-1.65, 1.60-1.55;
MS (M+H): 342。
【0111】
実施例7(1)〜7(3)
実施例5で製造した化合物、およびブロモシクロペンタンの代わりに相当する臭素化化合物を用いて、実施例6→実施例7と同様の目的の操作に付すことにより、以下の実施例化合物を得た。
【0112】
実施例7(1):1−{[6−(シクロヘプチルオキシ)−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル]メチル}−3−アゼチジンカルボン酸
1H-NMR (DMSO-d
6): δ 7.14, 6.69, 6.66, 4.49-4.45, 3.38, 3.18-3.17, 2.58, 2.15, 2.01, 1.96-1.90, 1.70-1.62, 1.57-1.52, 1.47-1.43;
MS (M+H): 370。
【0113】
実施例7(2):1−({1−メチル−6−[(cis−4−メチルシクロヘキシル)オキシ]−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル}メチル)−3−アゼチジンカルボン酸
1H-NMR (CD
3COOD): δ 7.29, 6.78, 6.75, 4.63-4.18, 3.80, 2.71, 2.29, 2.21, 2.03-1.96, 1.63-1.36, 0.94;
MS (M+H): 370。
【0114】
実施例7(3):1−{[6−(3−シクロペンテン−1−イルオキシ)−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル]メチル}−3−アゼチジンカルボン酸
(LC-MS/ELSD):(保持時間:0.77分、条件A);
MS (M+H): 340。
【0115】
実施例8:メチル 1−{[6−(4−フルオロフェノキシ)−1−メチル−3,4−ジヒドロナフタレン−2−イル]メチル}アゼチジン−3−カルボキシラート
窒素雰囲気下、実施例4で製造した化合物(300mg)、シクロヘキサノール(335mg)およびトリフェニルホスフィンのTHF混合液(5mL)を、ジイソプロピルアゾジカルボキシラート(DIAD)(643mg)で処理し、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。その後、反応溶液を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−10% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、以下の物性値を有する標題化合物(253mg)を得た。
1H-NMR (CDCl
3): δ 10.32, 7.46, 6.79, 6.74, 4.33-4.29, 2.71, 2.52-2.50, 2.00-1.98, 1.83-1.80, 1.60-1.51, 1.43-1.38。
【0116】
実施例9:(3R)−1−{[6−(シクロヘキシルオキシ)−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル]メチル}−3−ピロリジンカルボン酸
【化17】
【0117】
実施例8で製造した化合物(60mg)および(R)−ピロリジン−3−カルボン酸(51mg)のメタノール混合溶液(2mL)を、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(28mg)で処理し、得られた混合物を60℃で30分間撹拌した。その後、反応溶液を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール:濃アンモニウム水=80:18:2)にて精製した後、アセトニトリル/水から凍結乾燥し、以下の物性値を有する標題化合物(63mg)を得た。
1H-NMR (CD
3COOD): δ 7.28, 6.77-6.74, 4.36-4.27, 4.15, 3.94-3.30, 2.73, 2.52-2.36, 2.17, 2.00-1.95, 1.80-1.78, 1.57-1.27;
(LC-MS/ELSD):(保持時間:15.10分)。
【0118】
実施例9(1)〜9(3)
実施例4で製造した化合物またはその代わりに相当するアルデヒド誘導体、(R)−ピロリジン−3−カルボン酸の代わりに相当するカルボン酸誘導体、およびブロモシクロペンタンを用いて、実施例8→実施例9と同様の目的の操作に付すことにより、以下の実施例化合物を得た。
【0119】
実施例9(1):(3S)−1−{[6−(シクロヘキシルオキシ)−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル]メチル}−3−ピロリジンカルボン酸
1H-NMR (CD
3COOD): δ 7.28, 6.77, 6.74, 4.35-4.28, 4.15, 3.90-3.32, 2.73, 2.52-2.38, 2.17, 2.01-1.95, 1.80-1.78, 1.57-1.30;
(LC-MS/ELSD):(保持時間:15.14分、条件B)。
【0120】
実施例9(2):1−{[6−(シクロヘキシルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル]メチル}−3−アゼチジンカルボン酸
【化18】
1H-NMR (CD
3COOD): δ 7.00, 6.72, 6.62, 4.61-4.19, 3.99, 3.82, 2.79, 2.31, 1.96, 1.78, 1.58-1.30;
(LC-MS/ELSD):(保持時間:14.33分)。
【0121】
実施例9(3):1−{[6−(シクロヘキシルオキシ)−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル]メチル}−3−メチル−3−ピロリジンカルボン酸
(LC-MS/ELSD):(保持時間:0.82分、条件A);
MS (M+H):382。
【0122】
実施例10:メチル 1−{[6−(4−フルオロフェノキシ)−1−メチル−3,4−ジヒドロナフタレン−2−イル]メチル}アゼチジン−3−カルボキシラート
実施例5で製造した化合物(162mg)および炭酸セシウム(184mg)の混合物を、0.04Mの2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオンのN−メチルピロリジノン(0.71mL)溶液で処理した後、1−フルオロ−4−ヨードベンゼン(139mg)、塩化銅(I)(14mg)で順次処理した。アルゴン雰囲気下、得られた混合物を密封し、120℃で15.5時間撹拌した。その後、反応物を室温まで冷却し、酢酸エチルを注ぎ、濃アンモニア水、水および飽和食塩水にて順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、得られた溶液を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2−6%メタノール/塩化メチレン)にて精製し、以下の物性値を有する標題化合物(68mg)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 7.22, 7.04-6.96, 6.78, 6.73, 3.71, 3.56-3.29, 2.66, 2.28, 2.10;
MS (M+H):382。
【0123】
実施例11:1−{[6−(4−フルオロフェノキシ)−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル]メチル}−3−アゼチジンカルボン酸
【化19】
【0124】
実施例10で製造した化合物(61mg)のメタノール溶液(4mL)を、3M水酸化ナトリウム水溶液(0.373mL)で処理し、室温で35分間撹拌した。その後、反応物を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール:濃アンモニウム水=80:18:2)にて精製し、以下の物性値を有する標題化合物(48mg)を得た。
1H-NMR (CD
3COOD): δ 7.36, 7.12-7.02, 6.82-6.80, 4.64-4.20, 3.81, 2.72, 2.32, 2.23;
(LC-MS/ELSD):(保持時間:14.18分、条件B)。
【0125】
実施例11(1)〜11(3)
実施例5で製造した化合物、および1−フルオロ−4−ヨードベンゼンの代わりに相当するベンゼン誘導体を用いて、実施例10→実施例11と同様の目的の操作に付すことにより、以下の実施例化合物を得た。
【0126】
実施例11(1):1−[(1−メチル−6−フェノキシ−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル)メチル]−3−アゼチジンカルボン酸
1H-NMR (CD
3COOD): δ 7.37-7.33, 7.12, 7.04-7.02, 6.85-6.83, 4.65-4.21, 3.82, 2.72, 2.32, 2.23;
(LC-MS/ELSD):(保持時間:14.09分、条件B)。
【0127】
実施例11(2):1−{[6−(3−フルオロフェノキシ)−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル]メチル}−3−アゼチジンカルボン酸
TLC:Rf 0.51 (n−ブタノール:エタノール:水=4:1:1);
1H-NMR (CD
3OD) δ 7.46-7.30, 6.92-6.69, 4.28-4.11, 3.50-3.37, 2.75, 2.27, 2.24。
【0128】
実施例11(3):1−({1−メチル−6−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル}メチル)−3−アゼチジンカルボン酸
TLC:Rf 0.52 (クロロホルム:メタノール=3:1);
1H-NMR (CD
3OD): δ 7.52, 7.40, 7.20, 6.88, 4.10-3.82, 3.38, 2.78, 2.38-2.20。
【0129】
実施例12:メチル 1−[(メチル−6−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−2−イル)メチル]アゼチジン−3−カルボキシラート
実施例5で製造した化合物(5g)のジクロロメタン(35mL)溶液に、1,1,1−トリフルオロ−N−フェニル−N−(トリフルオロメチルスルホニル)メタンスルホンアミド(6.84g)とジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(3.45mL)を加え、室温で撹拌した。3時間後、原料が残っていたため、1,1,1−トリフルオロ−N−フェニル−N−(トリフルオロメチルスルホニル)メタンスルホンアミド(3.10g)とDIPEA(3.45mL)を加え、室温で1時間撹拌した。ジクロロメタンと水を加えて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→90:10)、下記物性値を有する標題化合物(6.8g)を得た。
1H-NMR (CDCl
3): δ 7.29, 7.08, 7.01, 3.71, 3.59-3.52, 3.41-3.27, 2.73, 2.31, 2.10。
【0130】
実施例13:メチル 1−{[1−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,4−ジヒドロナフタレン−2−イル]メチル}アゼチジン−3−カルボキシラート
実施例12で製造した化合物(2g)のジオキサン(20mL) 溶液にビス(ピナコラト)ジボロン(1.5g)、酢酸カリウム(1.4g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(PdCl
2(dppf)−CH
2Cl
2)(390mg)を加え、80℃で終夜加熱撹拌した。水と酢酸エチルを加えてセライトろ過したろ液を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで粗精製し(ジクロロメタン:メタノール=100:0→90:10)、以下の物性値を有する標題化合物(2.75g)を得た。
1H-NMR (CDCl
3): δ 7.67, 7.58, 7.31, 4.11-4.03, 3.75, 3.74-3.55, 2.74, 2.29, 2.18, 1.35。
【0131】
実施例14:1−({1−メチル−6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル}メチル)−3−アゼチジンカルボン酸
【化20】
【0132】
実施例13で製造した化合物(160mg)のジオキサン(1mL)溶液に2−ブロモベンゾトリフルオライド(75mg)、2Mのリン酸化カリウム(0.4mL)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(tBu
3P)
2)(23mg)を加え、90℃で終夜加熱撹拌した。これを減圧濃縮したものに、THF(1.5mL)、2Nの水酸化ナトリウム(0.7mL)を加え、室温で2時間撹拌した。2Nの塩化水素(1.1mL)を加え減圧濃縮した後、PLCシリカゲルプレートで精製し(クロロホルム:メタノール:水=50:20:1)、以下の物性値を有する標題化合物(52mg)を得た。
TLC:Rf 0.49 (n−ブタノール:エタノール:水=4:1:1);
1H-NMR (CD
3OD):δ 7.76, 7.63, 7.52, 7.40, 7.35, 7.17, 7.09, 4.02-3.93, 3.90-3.78, 3.42-3.36, 2.77, 2.31, 2.24。
【0133】
実施例14(1)〜14(4)
実施例5で製造した化合物、および2−ブロモベンゾトリフルオライドの代わりに相当するハロゲン化環状化合物を用いて、実施例10→実施例11と同様の目的の操作に付すことにより、以下の実施例化合物を得た。
【0134】
実施例14(1):1−[(1−メチル−6−フェニル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル)メチル]−3−アゼチジンカルボン
酸
TLC:Rf 0.23 (n−ブタノール:エタノール:水=4:1:0.2);
1H-NMR (CD3OD): δ7.62, 7.50-7.28, 7.16, 3.57, 3.50-3.18, 2.74, 2.38-2.10。
【0135】
実施例14(2):1−({1−メチル−6−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル}メチル)−3−アゼチジンカルボン
酸
【化21】
TLC:Rf 0.47 (n−ブタノール:エタノール:水=4:1:1);
1H-NMR (CD3OD):δ 7.95-7.89, 7.67-7.63, 7.57-7.54, 7.49, 4.26-4.08, 3.42-3.35, 2.86, 2.32, 2.28。
【0136】
実施例14(3):1−{[1−メチル−6−(2−ピリジニル)−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル]メチル}−3−アゼチジンカルボン酸
【化22】
TLC:Rf 0.32 (n−ブタノール:エタノール:水=4:1:1);
1H-NMR (CD
3OD):δ 8.61-8.57, 7.90-7.86, 7.80, 7.74, 7.48, 7.38-7.32, 4.00-3.92, 3.88-3.79, 3.39-3.37, 2.84, 2.32, 2.24。
【0137】
実施例14(4):1−[(5’−メチル−7’,8’−ジヒドロ−1,2’−ビナフタレン−6’−イル)メチル]−3−アゼチジンカルボン酸
TLC:Rf 0.29 (クロロホルム:メタノール:=5:1);
1H-NMR (CD
3OD):δ 7.94-7.84, 7.56-7.38, 7.31, 7.24, 3.93-3.84, 3.80-3.66, 3.37-3.32, 2.81, 2.34, 2.26。
【0138】
実施例15:エチル 4−(3−メトキシフェニル)−3−メチルブタノアート
1−(3−メトキシフェニル)プロパン−2−オン(CAS登録番号:3027−13−2)(15g)を、THF(1000mL)に溶かし、0℃において水素化ナトリウム(4.4g)を少量ずつ加えた。0℃のまま、15分間撹拌後に、エチル (2−ジエトキシホスホリル)アセタート(24.57g)を加え、室温に昇温して8時間撹拌した。酢酸エチルで希釈後、市水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去した。残渣を酢酸エチル(1000mL)に希釈し、5%パラジウム炭素(100mg)を加え、水素雰囲気下、室温において4時間撹拌した。反応液をセライトでろ過し、溶媒留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、以下の物性値を有する標題化合物(5.7g)を得た。
1H-NMR (CDCl
3): δ 7.19, 6.75, 4.11, 3.80, 2.60, 2.49, 2.38-2.20, 2.18, 1.26, 0.94。
【0139】
実施例16:4−(3−メトキシフェニル)−3−メチルブタン酸
実施例15で製造した化合物(5.7g)をTHF(50mL)に溶かし、2N水酸化ナトリウム水溶液(24mL)を加え、室温において2時間撹拌した。同量の塩酸で中和後溶媒留去し、エタノールで希釈、ろ過することで脱塩することにより、以下の物性値を有する標題化合物(4.7g)を得た。
1H-NMR(CDCl
3):δ 7.18, 6.72, 3.80, 2.62, 2.50, 2.50-2.10, 0.98。
【0140】
実施例17:6−メトキシ−3−メチル−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オン
実施例16で製造した化合物(4.7g)をジクロロメタン(120mL)に溶かし、DMF(10μL)を加えた。0℃においてオキサリルクロライド(2.9g)を滴下した。反応溶液を室温に昇温し、2時間撹拌後、溶媒留去し、4−(3−メトキシフェニル)−3−メチルブタノイル クロライドを得た。この化合物をそのままジクロロメタン(120mL)に溶解し、0℃において塩化アンモニウム(3.74g)を加えた。反応溶液を室温に昇温し、4時間撹拌した。反応溶液を氷水にあけ、有機層を分離した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、以下の物性値を有する標題化合物(3.6g)を得た。
1H-NMR (CDCl
3): δ 8.00, 6.82, 6.69, 3.86, 2.85, 2.75-2.60, 2.40-2.22, 1.12。
【0141】
実施例18:1−(6−メトキシ−3−メチル−3,4−ジヒドロナフタレン−2−イル)エタノン
実施例17で製造した化合物(1g)をメタノール(100mL)に溶解し、0℃において水素化ホウ素ナトリウム(398mg)を加えた。反応溶液を室温へ昇温し、2時間撹拌した後、塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で粗精製し、そのまま次の反応に用いた。粗精製物をDMF(100mL)に溶解し、オキサリルクロライド(2.2g)を加えた。反応溶液を60℃に加熱し、8時間撹拌した。その後反応溶液を氷水に加え、5分間撹拌後、有機層を分離した。有機層は飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1→5:1)で精製し、以下の物性値を有する標題化合物(299mg)を得た。
1H-NMR (CDCl
3): δ 9.57, 7.30-7.24, 6.82-6.78, 3.85, 3.08, 2.65, 0.92。
【0142】
実施例19:6−ヒドロキシ−3−メチル−3,4−ジヒドロナフタレン−2−カルバルデヒド
実施例18で製造した化合物(299mg)をジクロロメタン(100mL)に溶解し、0℃において三臭化ホウ素(815mg)を滴下した。そのまま3時間攪拌した後、反応溶液を氷水に加え、5分間撹拌後、有機層を分離した。有機層は飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し、以下の物性値を有する標題化合物(200mg)を得た。
1H-NMR (CDCl
3): δ 9.57, 7.18, 6.72, 3.08, 2.60, 0.94。
【0143】
実施例20:メチル 1−[(6−ヒドロキシ−3−メチル−3,4−ジヒドロナフタレン−2−イル)メチル]アゼチジン−3−カルボキシラート
実施例19で製造した化合物(200mg)をDMF(40mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.15mL)を加え、メチル アゼチジン−3−カルボキシラート塩酸塩(161mg)を加えた。室温において、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(225mg)を加え、そのまま室温で8時間撹拌した。酢酸エチルで希釈後水洗し、さらに有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒留去した。アミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1→1:1)で精製し、以下の物性値を有する標題化合物(121mg)を得た。
1H-NMR (CDCl
3): δ 6.84, 6.58, 6.21, 3.80-3.22, 3.08, 2.80, 2.50-2.30, 0.90。
【0144】
実施例21:1−{[6−(シクロヘキシルオキシ)−3−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル]メチル}−3−アゼチジンカルボン酸
【化23】
【0145】
実施例20で製造した化合物(30mg)およびシクロヘキサノール(10mg)を用いて、実施例6と同様の目的の操作に付すことにより、以下の物性値を有する標題化合物(7.7mg)を得た。
TLC:Rf 0.22 (クロロホルム:メタノール=3:1);
1H-NMR (CD
3OD): δ 6.96, 6.68, 6.36, 4.28, 4.0-3.80, 3.80-3.60, 3.45-3.10, 2.98, 2.58, 2.38, 1.96, 1.78, 1.62-1.28, 0.92。
【0146】
実施例21(1)〜21(2)
実施例17で製造した化合物の代わりに相当する環状ケトン化合物、メチル アゼチジン−3−カルボキシラート塩酸塩およびシクロヘキサノールを用いて、実施例18→実施例19→実施例20→実施例21と同様の目的の操作に付すことにより、以下の実施例化合物を得た。
【0147】
実施例21(1):1−{[6−(シクロヘキシルオキシ)−1,3−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル]メチル}−3−アゼチジンカルボン酸
1H-NMR (CD
3COOD): δ 7.30, 6.85, 4.60-4.00, 3.95, 3.80, 3.00, 2.50, 2.20, 1.95, 1.80, 1.50, 1.30, 1.85;
MS (M+H): 370。
【0148】
実施例21(2):1−{[6−(シクロヘキシルオキシ)−1,5−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル]メチル}−3−アゼチジンカルボン酸
1H-NMR (CD
3COOD): δ 7.20, 6.79, 4.62, 4.32, 4.19, 3.80, 2.71, 2.29, 2.20, 2.17, 1.94, 1.78, 1.58, 1.40;
MS (M-H): 368。
【0149】
実施例22:メチル 1−{[6−(1H−インドール−1−イル)−1−メチル−3,4−ジヒドロナフタレン−2−イル]メチル}アゼチジン−3−カルボキシラート
実施例12で製造した化合物(89mg)、インドール(60mg)、炭酸セシウム(194mg)および4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(37mg)の混合物の1,4−ジオキサン溶液(1mL)に、アルゴンを5分間吹き込み、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(19mg)で処理し、アルゴンで密封した後、100℃で1日間撹拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、ろ過し、得られたろ液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.5−2% メタノール/酢酸エチル)で精製した。得られた残渣を、酢酸エチル/ヘプタンの溶液に置換することにより、標題化合物(34mg)を得た。得られた化合物は精製することなく、次の反応に用いた。
【0150】
実施例23:1−{[6−(1H−インドール−1−イル)−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル]メチル}−3−アゼチジンカルボン酸
実施例22で製造した化合物(33mg)を用いて、実施例7と同様の目的の操作に付すことにより、以下の物性値を有する標題化合物(22mg)を得た。
1H-NMR (CD
3COOD):δ 7.64-7.56, 7.46-7.43, 7.38, 7.20, 7.12, 6.66, 4.66-4.12, 3.84, 2.87, 2.41, 2.31;
(LC-MS/ELSD):(保持時間:14.65分、条件B)。
【0151】
実施例24:6−ブロモ−7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンおよび5−ブロモ−6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンの混合物
6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(10g)および三臭化テトラブチルアンモニウム(29.7g)の塩化メチレン(250mL)およびメタノール(150mL)の混合溶液を、1.5時間室温で撹拌した。その後、反応溶液をMTBEを用いて希釈し、水および飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、得られたろ液を減圧下濃縮した後、溶液をヘプタンに置換することにより、標題化合物(14.7g)を得た。得られた化合物は精製することなく、次の反応に用いた。
【0152】
実施例25:6−フルオロ−7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンおよび5−フルオロ−6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンの混合物
窒素雰囲気下、実施例24で製造した化合物(6.85g)のTHF溶液に、−78℃で2.5Mのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(12.5mL)を滴下し、−78℃で15分間撹拌した。反応溶液をN−フルオロベンゼンスルホンアミド(9.84g)のTHF溶液(30mL)で処理した後、−78℃で30分間撹拌した。その後、水(20mL)を用いて慎重に処理し、得られた混合物を室温に戻した。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、得られた溶液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10−50% 塩化メチレン/ヘキサン)を用いて精製し、標題化合物(3.98mg)を得た。得られた化合物はさらなる精製を行うことなく、次の反応に用いた。
【0153】
実施例26:7−フルオロ−6−メトキシ−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オンおよび5−フルオロ−6−メトキシ−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オン
実施例25で製造した化合物(3.97g)の氷酢酸(36mL)の混合物に、0℃で三酸化クロム(5.06g)の氷酢酸(36mL)溶液および水(18mL)を滴下し、得られた混合物を15分以上かけて室温に戻した。その後、反応溶液を減圧下濃縮し、得られた混合物を酢酸エチルに注ぎ、水および飽和炭酸水素ナトリウムで順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、得られた溶液を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−20% 酢酸エチル/ヘキサン)を用いて精製し、7−フルオロ−6−メトキシ−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オン(1.11g)を得た。残りの分画は減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン)を用いて精製し、5−フルオロ−6−メトキシ−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オン(851mg)を得た。各標題化合物の物性値は以下の通り。
7−フルオロ−6−メトキシ−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オン;
1H-NMR (CDCl
3):δ 7.72, 6.75, 3.94, 2.91, 2.60, 2.13。
5−フルオロ−6−メトキシ−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オン;
1H-NMR (CDCl
3):δ 7.86, 6.92, 3.95, 2.96, 2.61, 2.13。
【0154】
実施例27:8−フルオロ−7−メトキシ−4−メチル−1,2−ジヒドロナフタレン
実施例26で製造した5−フルオロ−6−メトキシ−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オン(839mg)のTHF溶液に、0℃で3.0Mの臭化メチルマグネシウムのジエチルエーテル(1.44mL)を滴下し、得られた混合物を0℃で30分間撹拌した後、1時間以上かけて室温に戻した。反応溶液をさらなる3.0Mの臭化メチルマグネシウムのジエチルエーテル(1.44mL)で処理し、室温で2時間撹拌した。その後、反応溶液を酢酸エチルおよびシリカで処理し、得られた混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−30% 酢酸エチル/ヘキサン)を用いて精製し、以下の物性値を有する標題化合物(496mg)を得た。
1H-NMR (CDCl
3): δ 7.94, 6.76, 5.76, 3.88, 2.80, 2.25-2.21, 2.02。
【0155】
実施例28:5−フルオロ−6−メトキシ−1−メチル−3,4−ジヒドロナフタレン−2−カルバルデヒド
実施例27で製造した化合物(493mg)のDMF溶液(4mL)に、0℃でオキシ塩化リン(1.28g)を滴下し、得られた混合物を70℃で40分間撹拌した。その後、反応溶液を氷に注ぎ、30分間静置した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を水および5%塩化リチウム溶液で順次洗浄した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、得られた溶液を減圧下濃縮した。水層は一晩静置した後、酢酸エチルで抽出し、有機層は、硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた溶液を上記の各層の残渣と混合して、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−30% 酢酸エチル/ヘキサン)を用いて精製し、以下の物性値を有する標題化合物(270mg)を得た。
1H-NMR (CDCl
3):δ 10.33, 7.31, 6.86, 3.93, 2.79, 2.52-2.48。
【0156】
実施例29:5−フルオロ−6−ヒドロキシ−1−メチル−3,4−ジヒドロナフタレン−2−カルバルデヒド
実施例28で製造した化合物(267mg)を、実施例19と同様の目的の操作に付すことにより、以下の物性値を有する標題化合物(241mg)を得た。得られた化合物は精製を行うことなく、次の反応に用いた。
【0157】
実施例30:6−(シクロヘキシルオキシ)−5−フルオロ−1−メチル−3,4−ジヒドロナフタレン−2−カルバルデヒド
実施例29で製造した化合物(100mg)およびシクロヘキサノール(102mg)を用いて、実施例8と同様の目的の操作に付すことにより、以下の物性値を有する標題化合物(39mg)を得た。
1H-NMR (CDCl
3):δ 10.33, 7.25, 6.87, 4.32, 2.78, 2.51-2.49, 2.00, 1.83, 1.63-1.57, 1.41-1.32。
【0158】
実施例31:1−{[6−(シクロヘキシルオキシ)−5−フルオロ−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル]メチル}−3−アゼチジンカルボン酸
実施例30で製造した化合物(38mg)、アゼチジン−3−カルボン酸(27mg)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(17mg)のメタノール溶液(100mL)を60℃で45分間反応させた。その後、反応溶液を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール:濃アンモニア水=80:18:2)を用いて精製した後、アセトニトリル/水で凍結乾燥させることにより、以下の物性値を有する標題化合物(36mg)を得た。
1H-NMR (CD
3COOD):δ 7.11, 6.90, 4.63-4.20, 3.81, 2.77, 2.32, 2.21, 1.99-1.91, 1.84-1.80, 1.61-1.55, 1.43-1.40;
(LC-MS/ELSD):(保持時間:15.00分、条件B)
【0159】
実施例31(1):1−{[6−(シクロヘキシルオキシ)−7−フルオロ−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル]メチル}−3−アゼチジンカルボン酸
実施例26で製造した7−フルオロ−6−メトキシ−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オン(1.10g)、シクロヘキサノール(154mg)およびアゼチジン−3−カルボン酸(18mg)を用いて、実施例31と同様の目的の操作に付すことにより、以下の物性値を有する標題化合物(31mg)を得た。
1H-NMR (CD
3COOD):δ 7.13, 6.87, 4.67-4.19, 3.81, 2.69, 2.32, 2.19, 1.98-1.95, 1.80, 1.60-1.53, 1.43-1.38;
(LC-MS/ELSD):(保持時間:14.96分、条件B)
【0160】
実施例32:6−ホルミル−5−メチル−7,8−ジヒドロナフタレン−2−イル トリフルオロメタンスルホナート
実施例4で製造した化合物(3.0g)のジクロロメタン(30mL)溶液に、DIPEA(3.2mL)とN,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アニリン(6.3g)を加え、室温で4時間撹拌した。水とジクロロメタンを加えて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→85:15)、以下の物性値を有する標題化合物(4.82g)を得た。
1H-NMR (CDCl
3):δ 10.37, 7.60, 7.19, 7.13, 2.80, 2.59-2.51。
【0161】
実施例33:6−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−5−メチル−7,8−ジヒドロナフタレン−2−イル] トリフルオロメタンスルホナート
実施例32で製造した化合物(2.78g)のトルエン(30mL)溶液にエチレングリコール(2.42mL)とp−トルエンスルホン酸一水和物(83mg)を加え、130℃で5時間加熱撹拌した。1Nの水酸化ナトリウム(45mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮した後、残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→85:15)、以下の物性値を有する標題化合物(2.52g)を得た。
1H-NMR (CDCl
3):δ 7.35, 7.10, 7.04, 5.82, 4.13-3.96, 2.77, 2.32, 2.14。
【0162】
実施例34:2−[6−(シクロヘキシルメチル)−1−メチル−3,4−ジヒドロナフタレン−2−イル]−1,3−ジオキソラン
実施例33で製造した化合物(230mg)をTHF(3mL)とN−メチルピロリドン(NMP)(0.6mL)に溶解し、トリス(2,4−ペンタンジオナト)鉄(III)(Fe(acac)
3)(45mg)と臭化シクロヘキシルメチルマグネシウム(0.5M THF溶液、1.5mL)を加え、室温で撹拌した。30分後、再び臭化シクロヘキシルメチルマグネシウム(0.5M THF溶液、1.5mL)を加え室温で撹拌した。2時間後、Fe(acac)
3(22mg)と臭化シクロヘキシルメチルマグネシウム(0.5M THF溶液、1.5mL)を加え、さらに室温で1時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→90:10)、以下の物性値を有する標題化合物(155mg)を得た。
1H-NMR (CDCl
3):δ 7.46, 7.23, 6.99, 5.85, 4.15-3.94, 2.73, 2.56-2.43, 2.29, 2.14, 1.74-1.47, 1.25-1.11, 1.04-0.84。
【0163】
実施例35:メチル 1−{[6−(シクロヘキシルメチル)−1−メチル−3,4−ジヒドロナフタレン−2−イル]メチル}アゼチジン−3−カルボキシラート
実施例34で製造した化合物(155mg)およびメチル アゼチジン−3−カルボキシラート塩酸塩(83mg)を用いて、実施例20と同様の目的の操作に付すことにより、以下の物性値を有する標題化合物(104mg)を得た。
1H-NMR (CDCl
3):δ 7.19, 6.98, 6.90, 3.71, 3.58-3.51, 3.40-3.25, 2.69, 2.44, 2.28, 2.11, 1.74-1.60, 1.57-1.42, 1.24-1.10, 1.02-0.85。
【0164】
実施例36:1−{[6−(シクロヘキシルメチル)−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル]メチル}−3−アゼチジンカルボン酸
【化24】
【0165】
実施例35で製造した化合物(100mg)を用いて、実施例7と同様の目的の操作に付すことにより、以下の物性値を有する標題化合物(77mg)を得た。
1H-NMR (CD
3OD):δ 7.29, 7.00, 6.94, 4.29-4.12, 3.52-3.30, 2.73, 2.44, 2.33-2.22, 1.79-1.44, 1.32-1.13, 1.05-0.83;
MS (M-H):353。
【0166】
以下に生物学的実験例を示し、これらの実験方法に基づいて、本発明化合物の効果を確認した。
【0167】
生物学的実験例1:[
33P]−S1PのS1P
5(EDG−8)への結合に対する本発明化合物の阻害作用の測定
ヒトS1P
1(EDG−1)またはヒトS1P
5遺伝子をそれぞれ過剰発現させたチャイニーズハムスターオーバリー(CHO)細胞膜画分を用いて、膜各分1mg protein/mLを使用し、96穴アッセイプレート内で反応した。各ウェルにBinding Buffer(50mmol/L、Tris pH7.5、5mmol/L、MgCl
2、0.5%BSA、Complete EDTA free(1 tablet/50mL))で希釈したvehicle(DMSO)溶液または2倍濃度のリガンド溶液100μLとBinding Bufferで希釈した50μLの0.16nmol/L [
33P]−S1P(American Radiolabeled Chemicals社製)を加えた後、膜画分溶液(50μL)を加えて室温で60分反応させた。反応後、96穴UNIFILTERを用いて吸引ろ過し、洗浄バッファー(50mmol/L、Tris pH7.5、0.5% BSA)(150mL)で洗浄した後、60℃で45分間乾燥させた。MicroScint(商品名)20(50μL/well)を加えて、プレートをTopSeal-Aでカバーした後、TopCount(Perkin Elmer社製)で放射活性を計測した。
【0168】
[結果]
本発明化合物は、[
33P]−S1PのS1P
1またはS1P
5への結合に対して、以下の表に示す阻害活性(IC50値)を示した。また、比較化合物Aとして、特許文献1の実施例31(69)に記載の1−{[6−(4−ブチルフェノキシ)−1−メチル−3,4−ジヒドロナフタレン−2−イル]メチル}アゼチジン−3−カルボン酸 塩酸塩を用いた。その結果、比較化合物Aは、S1P
1およびS1P
5受容体作動活性を共に有しているのに対して、本発明化合物は、いずれもS1P
1受容体に対するS1P
5受容体作動活性のバランスを改善させることがわかった。
【0169】
【表1】
【0170】
生物学的実施例2:細胞内cyclic AMP産生濃度をモニターすることによる本発明化合物のS1P受容体アゴニスト活性の評価
ヒトS1P
1(EDG−1)またはヒトS1P
5(EDG−8)遺伝子をそれぞれ過剰発現させたCHO細胞を、10%FBS(ウシ胎児血清)、ペニシリン/ストレプトマイシンおよびジェネティシン(0.25mg/mL)含有のHam’sF12培地(GIBCO BRL社製)で培養した。培養した細胞から培地を除去し、リン酸緩衝生理食塩水で1回洗浄し、Buffer(20mmol/L HEPES、0.1若しくは0.2% BSA、1mmol/L IBMXおよび50μmol/L forskolinを含むHanks’ balanced salt solution)で希釈したvehicle(DMSO)溶液または化合物溶液を、37℃にて30分間処置した。その後、リン酸緩衝生理食塩水で1回洗浄し、cAMP測定キット(GEヘルスケア株式会社)を用いて、細胞の溶解及び溶解液中のcyclic AMP濃度を測定した。
【0171】
[結果]
その結果、本発明化合物は、S1P
1受容体に対する選択的なS1P
5受容体作動活性を有していることが分かった。例えば、実施例21で製造した化合物は、S1P
1受容体に対するEC50値が9991.8nMであったに対し、S1P
5受容体に対するEC50値は0.2nMであった。
【0172】
[製剤例]
製剤例1
以下の各成分を常法により混合した後打錠して、一錠中に10mgの活性成分を含有する錠剤1万錠を得た。
・1−{[6−(シクロヘキシルオキシ)−3−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル]メチル}−3−アゼチジンカルボン酸…100g
・カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤) … 20g
・ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤) … 10g
・微結晶セルロース … 870g
【0173】
製剤例2
以下の各成分を常法により混合した後、除塵フィルターでろ過し、5mlずつアンプルに充填し、オートクレーブで加熱滅菌して、1アンプル中20mgの活性成分を含有するアンプル1万本を得た。
・1−{[6−(シクロヘキシルオキシ)−3−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル]メチル}−3−アゼチジンカルボン酸…200g
・マンニトール … 20g
・蒸留水 … 50L