特許第6673317号(P6673317)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6673317
(24)【登録日】2020年3月9日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】負荷駆動回路
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/687 20060101AFI20200316BHJP
   G05F 1/10 20060101ALI20200316BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   H03K17/687 A
   G05F1/10 R
   B60R16/02 645A
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-227084(P2017-227084)
(22)【出願日】2017年11月27日
(65)【公開番号】特開2019-97124(P2019-97124A)
(43)【公開日】2019年6月20日
【審査請求日】2019年2月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】390001812
【氏名又は名称】アンデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】特許業務法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安田 尚由
(72)【発明者】
【氏名】伏屋 友勝
(72)【発明者】
【氏名】森田 学
【審査官】 及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−204611(JP,A)
【文献】 特開2001−338810(JP,A)
【文献】 特開2011−096605(JP,A)
【文献】 特開2008−155906(JP,A)
【文献】 特開2017−182799(JP,A)
【文献】 特開平06−070375(JP,A)
【文献】 特開2006−238668(JP,A)
【文献】 特開2004−087328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 17/00−17/70
B60R 16/02
G05F 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流負荷である電気負荷(3)の駆動を制御するように構成された負荷駆動回路(1)であって、
前記電気負荷に通流する負荷電流の通流状態を制御するための制御信号を生成し出力する制御部(12)と、
前記制御信号に基づいて前記負荷電流の通流と遮断とを切換制御するスイッチング素子(111)と、
前記負荷電流を検出する電流検出部(112)と、
前記電流検出部によって検出された前記負荷電流を電源電圧に基づいて補正する電流補正部(124)と、
を備え、
前記制御部は、
前記電流補正部によって補正された前記負荷電流に基づいて、前記電気負荷の種別を判定する種別判定部(122)と、
前記種別判定部によって判定された前記種別に基づいて、前記制御信号を生成し出力する制御信号出力部(125)と、
を備えた負荷駆動回路。
【請求項2】
前記種別判定部は、前記電気負荷における、連続的に通流する直流電流である判定用電流の通流中に、前記電流検出部によって検出された前記負荷電流に基づいて、前記種別を判定する、
請求項1に記載の負荷駆動回路。
【請求項3】
前記制御部は、前記負荷電流の経時的推移態様に対応する参照データを前記種別毎に格納するデータ格納部(121)をさらに備え、
前記種別判定部は、前記電流検出部によって検出された前記負荷電流の経時的推移態様と、前記参照データとに基づいて、前記種別を判定する、
請求項1または2に記載の負荷駆動回路。
【請求項4】
前記制御信号は、前記スイッチング素子をPWM制御によりオンオフ駆動するPWM制御信号であり、
前記制御信号出力部は、前記種別判定部によって判定された前記種別に基づいて、前記PWM制御信号におけるデューティ、周波数、および立ち上がり時間のうちの少なくともいずれか1つを設定する、
請求項1〜3のいずれか1つに記載の負荷駆動回路。
【請求項5】
前記スイッチング素子は、直流電源(2)から前記電気負荷への前記負荷電流の通流経路に設置された、
請求項1〜4のいずれか1つに記載の負荷駆動回路。
【請求項6】
前記電気負荷は車載負荷である、
請求項1〜5のいずれか1つに記載の負荷駆動回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気負荷の駆動を制御するように構成された負荷駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の負荷駆動回路として、例えば、特許文献1等に記載されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−270632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のこの種の負荷駆動回路においては、接続される電気負荷に応じて、制御パラメータを個別に設定する必要があった。この点、1つの製品内に、多種多様な電気負荷が搭載される場合があり得る(例えば車両)。この場合、従来は、電気負荷の仕様に応じて、1つの製品内にて、制御パラメータを個別に設定した複数の負荷駆動回路を用意する必要があった。
【0005】
本開示は、上記に例示した事情等に鑑みてなされたものである。すなわち、本開示は、多種多様な電気負荷に対応させることが可能な、汎用的な負荷駆動回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面における負荷駆動回路(1)は、直流負荷である電気負荷(3)の駆動を制御するように構成されている。
この負荷駆動回路は、
前記電気負荷に通流する負荷電流の通流状態を制御するための制御信号を生成し出力する制御部(12)と、
前記制御信号に基づいて前記負荷電流の通流と遮断とを切換制御するスイッチング素子(111)と、
前記負荷電流を検出する電流検出部(112)と、
を備え、
前記制御部は、
前記電流検出部によって検出された前記負荷電流に基づいて、前記電気負荷の種別を判定する種別判定部(122)と、
前記種別判定部によって判定された前記種別に基づいて、前記制御信号を生成し出力する制御信号出力部(125)と、
を備えている。
【0007】
かかる構成においては、前記種別判定部は、前記電流検出部によって検出された前記負荷電流に基づいて、前記電気負荷の前記種別を判定する。前記制御信号出力部は、前記種別判定部によって判定された前記電気負荷の前記種別に基づいて、前記制御信号を生成し出力する。前記スイッチング素子は、前記制御信号に基づいて、前記負荷電流の通流と遮断とを切換制御する。
【0008】
上記の通り、かかる構成においては、前記負荷電流の通流と遮断とを切換制御するための前記制御信号は、前記種別判定部によって判定された前記電気負荷の前記種別に対応して生成され得る。したがって、かかる構成によれば、多種多様な前記電気負荷に対応させることが可能な、汎用的な前記負荷駆動回路を提供することができる。
【0009】
なお、上記および特許請求の範囲の欄における、各手段に付された括弧付きの参照符号は、同手段と後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。よって、本開示の技術的範囲は、上記の参照符号の記載によって、何ら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る負荷駆動回路の概略的な回路構成図である。
図2図1に示されたデータ格納部に格納された参照データの例を示す概略図である。
図3図1に示された負荷駆動回路の動作例を示すフローチャートである。
図4図1に示された負荷駆動回路の動作例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、一つの実施形態に対して適用可能な各種の変形例については、当該実施形態に関する一連の説明の途中に挿入されると当該実施形態の理解が妨げられるおそれがあるため、当該実施形態の説明の後にまとめて記載する。
【0012】
(構成)
図1を参照すると、負荷駆動回路1は、直流電源2と電気負荷3との間に設けられることで、直流負荷である電気負荷3の駆動を制御するように構成されている。電気負荷3は、例えば、ランプ、抵抗、直流モータ、ソレノイド、等である。
【0013】
本実施形態においては、負荷駆動回路1は、不図示の車両に搭載されている。すなわち、負荷駆動回路1は、車載バッテリである直流電源2から、車載の直流負荷である電気負荷3への負荷電流の供給を制御するように構成されている。
【0014】
本実施形態に係る負荷駆動回路1は、いわゆる半導体リレー装置であって、パワーデバイス11と制御部12とを備えている。パワーデバイス11は、いわゆるインテリジェントパワーデバイスであって、スイッチング素子111と電流検出部112とを備えている。
【0015】
スイッチング素子111は、パワーデバイス11の内部に設けられたパワー半導体素子であって、MOSFET等によって構成されている。MOSFETはMetal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistorの略である。スイッチング素子111は、直流電源2から電気負荷3への負荷電流の通流経路に設置されている。すなわち、スイッチング素子111は、制御端子(すなわちゲート等)に入力された制御信号に基づいて、直流電源2から電気負荷3に通流する負荷電流の通流と遮断とを切換制御するように構成されている。
【0016】
電流検出部112は、負荷電流を検出するように設けられている。具体的には、電流検出部112は、負荷電流に対応する電気出力(例えば電圧)を発生するように構成されている。
【0017】
制御部12は、負荷電流の通流状態を制御するための制御信号を生成し出力するように構成されている。具体的には、本実施形態においては、制御信号は、スイッチング素子111をPWM制御によりオンオフ駆動するPWM制御信号である。制御部12は、データ格納部121と、種別判定部122と、電圧検出部123と、電流補正部124と、制御信号出力部125とを有している。
【0018】
データ格納部121は、書き換え可能な不揮発性メモリであって、電源投入中にデータを書き換え可能である一方で、電源遮断後はデータを保持する機能を有している。データ格納部121には、図2に示されているように、電気負荷3に直流電流が連続的に通流した場合の、負荷電流の経時的推移態様に対応する参照データが、電気負荷3の種別毎に格納されている。
【0019】
種別判定部122は、電流検出部112によって検出された負荷電流に基づいて、電気負荷3の種別を判定するように構成されている。本実施形態においては、種別判定部122は、電気負荷3における判定用電流の通流中に電流検出部112によって検出された負荷電流に基づいて、電気負荷3の種別を判定するようになっている。判定用電流は、電気負荷3の種別を判定するために、直流電源2から連続的に通流される直流電流である。具体的には、種別判定部122は、電流検出部112によって検出された負荷電流の経時的推移態様と、上記の参照データとに基づいて、電気負荷3の種別を判定するようになっている。
【0020】
電圧検出部123は、直流電源2の出力電圧すなわち電源電圧を検出するように設けられている。具体的には、電圧検出部123は、電源電圧に対応する電気出力(例えば電源電圧を所定割合で分圧した電圧)を出力するようになっている。
【0021】
電流補正部124は、電流検出部112によって検出された負荷電流を、電源電圧に基づいて補正するように設けられている。すなわち、電流補正部124は、種別判定部122による種別判定に用いる負荷電流を、電源電圧に応じて補正するようになっている。具体的には、電流補正部124は、電源電圧が基準電圧(例えば12V)よりも高い場合に負荷電流値を基準電圧との差圧に応じて低く補正する一方、電源電圧が基準電圧よりも低い場合に負荷電流値を基準電圧との差圧に応じて高く補正するように構成されている。
【0022】
制御信号出力部125は、種別判定部122によって判定された電気負荷3の種別に基づいて、制御信号を生成し出力するように構成されている。すなわち、制御信号出力部125は、PWM制御信号における制御パラメータを、種別判定部122によって判定された電気負荷3の種別に対応して設定するようになっている。この制御パラメータには、デューティ、周波数、および立ち上がり時間のうちの少なくともいずれか1つが含まれている。
【0023】
(動作概要)
以下、本実施形態の構成による動作の概要について、同構成により奏される作用効果とともに、各図面を参照しつつ説明する。
【0024】
(負荷駆動動作)
まず、負荷駆動回路1による、電気負荷3の通常の駆動動作について説明する。
【0025】
制御部12は、外部から受信した指令信号等に基づいて、制御信号をスイッチング素子111に出力する。すなわち、制御部12から出力された制御信号は、スイッチング素子111における制御端子に入力される。すると、スイッチング素子111にて、制御信号に対応したスイッチング動作が実行される。これにより、スイッチング素子111は、制御信号に基づいて、負荷電流の通流と遮断とを切換制御する。
【0026】
(制御パラメータ設定動作)
本実施形態における電気負荷3は、直流電源2からの電力供給を受けて動作する直流負荷であって、PWM制御信号に基づいてPWM駆動される。この点、PWM制御信号における制御パラメータは、電気負荷3の種別に応じて異なり得る。したがって、電気負荷3の種別に対応して、PWM制御信号における制御パラメータを適切に設定する必要がある。
【0027】
本実施形態における電気負荷3は、車載負荷である。車両には、様々な種別の電気負荷3が搭載される。この点、仮に、異なる種別の電気負荷3に対応して、異なる制御パラメータの設定を有する負荷駆動回路1を個別に用意しようとすれば、負荷駆動回路1における開発工数およびバリエーションの増加を招く。
【0028】
そこで、本実施形態においては、種別判定部122は、判定用電流の通流中に電流検出部112によって検出された負荷電流に基づいて、電気負荷3の種別を判定する。すなわち、種別判定部122は、電流補正部124によって補正された負荷電流に基づいて、電気負荷3の種別を判定する。具体的には、種別判定部122は、電流検出部112によって検出された負荷電流を電流補正部124により補正した値の経時的推移態様と、データ格納部121にあらかじめ格納された参照データとを照合することで、電気負荷3の種別を判定する。
【0029】
より詳細に説明すると、種別判定部122は、所定のサンプリング間隔で、判定用電流の通流中における、電流検出部112の出力すなわち負荷電流をサンプリングする。このサンプリング間隔は、電気負荷3の種別に対応した特徴が負荷電流の波形に表れる程度に短い間隔(例えば1ミリ秒)である。
【0030】
種別判定部122は、判定用電流の通流中における負荷電流が定常化するまで、負荷電流のサンプリングを継続する。これにより、負荷電流特性が取得される。負荷電流特性は、判定用電流の通流中における負荷電流の波形上の特徴である。具体的には、負荷電流特性には、突入電流の有無、突入電流の継続時間、定常電流値、通電開始から定常電流に至るまでの時間、等が含まれる。なお、本実施形態においては、負荷電流特性は、電源電圧に応じて補正されたものである。種別判定部122は、取得した負荷電流特性と、データ格納部121に格納された参照データとを照合することで、電気負荷3の種別を判定する。
【0031】
電気負荷3の種別を判定した後は、制御信号出力部125は、種別判定部122によって判定された電気負荷3の種別に対応する制御パラメータを用いて、制御信号を生成し出力する。すなわち、負荷電流の通流と遮断とを切換制御するための制御信号は、種別判定部122によって判定された電気負荷3の種別に対応して生成される。これにより、実際に負荷駆動回路1に電気接続された電気負荷3の種別に適合した、適切な電気負荷3の駆動制御が実行される。
【0032】
図3は、負荷駆動回路1における、制御パラメータ設定処理の一例を示す。なお、図面および明細書中の以下の説明において、「ステップ」を単に「S」と略記する。
【0033】
負荷駆動回路1は、図3に示された制御パラメータ設定処理を、所定タイミングにて実行する。例えば、制御パラメータ設定処理は、車両の出荷検査時に、外部からの操作により強制的に実行される。また、制御パラメータ設定処理は、定期的に実施されてもよいし、特定の条件(例えば車両のイグニッションスイッチON)が成立した時点で実行されてもよい。
【0034】
図3に示された制御パラメータ設定処理が開始されると、まず、S301にて、負荷駆動回路1は、カウンタNをリセットする(すなわちN=0)。次に、S302にて、負荷駆動回路1は、スイッチング素子111をオンして、判定用電流の通流を開始する。続いて、負荷駆動回路1は、負荷電流が定常化するまで、S303〜S307の処理を繰り返し実行する。
【0035】
S303にて、負荷駆動回路1は、カウンタNを1インクリメントする。S304にて、負荷駆動回路1は、負荷電流を検出し、検出値をI(N)として記憶する。S305にて、負荷駆動回路1は、今回の検出値I(N)の前回値I(N−1)からの変化量ΔIを算出する。なお、N=1の場合は、前回値が存在しないので、変化量ΔIは今回の検出値I(1)と同値となる。
【0036】
S306にて、負荷駆動回路1は、今回算出した変化量ΔIの2乗が所定値Kの2乗よりも小さいか否かを判定する。かかる判定は、今回算出した変化量ΔIの絶対値が所定の閾値よりも小さいか否かに相当する。
【0037】
今回算出した変化量ΔIの絶対値が閾値以上である場合(すなわちS306=NO)、負荷電流が定常化していないことは明白であり、負荷電流特性はまだ取得できない。このため、負荷駆動回路1は、処理をS303に戻す。これに対し、今回算出した変化量ΔIの絶対値が閾値よりも小さい場合(すなわちS306=YES)、負荷駆動回路1は、処理をS307に進行させる。
【0038】
S307にて、負荷駆動回路1は、負荷電流が定常化したか否かを判定する。具体的には、負荷駆動回路1は、変化量ΔIの絶対値が閾値よりも小さい状態が、所定回数あるいは所定時間連続したか否かを判定する。
【0039】
負荷電流が定常化していない場合(すなわちS307=NO)、負荷駆動回路1は、処理をS303に戻す。これに対し、負荷電流が定常化した場合(すなわちS307=YES)、負荷駆動回路1は、S308〜S312の処理を実行した後、制御パラメータ設定処理を終了する。
【0040】
S308にて、負荷駆動回路1は、スイッチング素子111をオフして、判定用電流の通流を終了する。S309にて、負荷駆動回路1は、記憶した検出値I(1)〜I(N)に基づいて、負荷電流特性を取得する。S310にて、負荷駆動回路1は、電流補正部124により、負荷電流特性を電源電圧に応じて補正する。
【0041】
S311にて、負荷駆動回路1は、取得した負荷電流特性と、データ格納部121に格納された参照データとを照合することで、電気負荷3の種別を判定する。図4は、電気負荷3がランプである場合の、検出値I(1)〜I(N)のサンプリング結果と、ランプに対応する参照データとを示す。このように、サンプリング間隔を適切に設定することで、電気負荷3の種別判定が良好に行われ得る。S312にて、負荷駆動回路1は、判定した電気負荷3の種別に基づいて、PWM制御信号における制御パラメータを設定する。
【0042】
上記の通り、本実施形態の負荷駆動回路1においては、制御パラメータの設定をあらかじめ車載前に実行しておかなくても、車載状態にて単に一旦起動するだけで、適切な負荷駆動動作を自律的に実行することができる。したがって、かかる構成によれば、多種多様な電気負荷3に対応させることが可能な、汎用的な負荷駆動回路1を提供することができる。
【0043】
(変形例)
本開示は、上記実施形態に記載された具体的例示に限定されるものではない。すなわち、上記実施形態に対しては、適宜変更が可能である。以下、代表的な変形例について説明する。以下の変形例の説明においては、上記実施形態と異なる部分についてのみ説明する。また、上記実施形態と変形例とにおいて、互いに同一または均等である部分には、同一符号が付されている。したがって、以下の変形例の説明において、上記実施形態と同一の符号を有する構成要素に関しては、技術的矛盾または特段の追加説明なき限り、上記実施形態における説明が適宜援用され得る。
【0044】
本開示は、上記実施形態に記載された具体例に限定されない。例えば、負荷駆動回路1のうちの全部または一部は、CPU、ROM、RAM、および書き換え可能な不揮発性メモリ等を備えた車載マイクロコンピュータとして構成されていてもよい。あるいは、負荷駆動回路1のうちの全部または一部は、ゲートアレイ等のASICとして構成されていてもよい。ASICはApplication Specific Integrated Circuitの略である。
【0045】
上記実施形態において、スイッチング素子111と電流検出部112とは、1個の半導体素子であるパワーデバイス11として一体化されていた。しかしながら、本開示は、かかる態様に限定されない。また、電流検出部112による電流検出方法も、周知技術から適宜選択され得る。
【0046】
パワーデバイス11と制御部12とは、1個の半導体素子として一体化されてもよい。
【0047】
データ格納部121は、負荷駆動回路1の外部に設けられたデータベースであってもよい。
【0048】
電圧検出部123および電流補正部124は、制御部12の外部に設けられ得る。
【0049】
電流補正部124による負荷電流値の補正は、S304とS305との間に実行され得る。この場合、S310は、省略される。
【0050】
電流補正部124による、電源電圧に応じた負荷電流値の補正は、省略され得る。
【0051】
上記実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に本開示が限定されることはない。同様に、構成要素等の形状、方向、位置関係等が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に特定の形状、方向、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、方向、位置関係等に本開示が限定されることはない。
【0052】
変形例も、上記の例示に限定されない。また、複数の変形例が、互いに組み合わされ得る。さらに、上記実施形態の全部または一部と、変形例の全部または一部とが、互いに組み合わされ得る。
【符号の説明】
【0053】
1 負荷駆動回路
11 パワーデバイス
111 スイッチング素子
112 電流検出部
12 制御部
121 データ格納部
122 種別判定部
123 電圧検出部
124 電流補正部
125 制御信号出力部
2 直流電源
3 電気負荷
図1
図2
図3
図4