【文献】
CHEMEDA, Y. C. et al. ,Rheological properties of palygorskite-bentonite and sepiolite-bentonite mixed clay suspensions,Appl. Clay Sci. ,NL,Elsevier B.V.,2014年 2月18日,Vol. 90,pp. 165-174
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1種以上のスメクタイト粘土が、ヘクトライト、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、サポナイト、ステベンス石及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項4から6のいずれかに記載の方法。
第四級アルキル−アンモニウム塩が、1〜22個の炭素原子を有する同一又は異なる、直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和アルキル基を含有し、対イオン部分が、塩化物、臭化物、メチルスルフェート、ニトレート、水酸化物、アセテート、ホスフェート及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項4から8のいずれかに記載の方法。
鉱物粘土混合物が、組み合わされた粘土スラリー中の100gの粘土あたり約5〜80mmolの第四級アルキル−アンモニウム塩で処理される、請求項4から10のいずれかに記載の方法。
ステップ(i.1)に続いて水性スラリー(a)並びにステップ(ii.1)に続いて水性スラリー(b)を、少なくとも100メッシュ篩(米国標準メッシュ)を通して選別して、粗い粒子を除去する、請求項4から11のいずれかに記載の方法。
水性スラリー(a)及び水性スラリー(b)は、それぞれのスラリー又はスラリーの混合物を、それを挟んで圧力差が維持される狭い隙間を通して通過させることによって高速流体剪断に付される、請求項4から12のいずれかに記載の方法。
液体有機組成物が、コーティング材料、シーラント、接着剤、石油採掘流体、ガス採掘流体、複合材料、モールディングコンパウンド及び混合鉱物有機化クレイレオロジー添加剤に加えて、1種のみの又は複数の有機溶媒を含有する液体有機組成物からなる群から選択される、請求項16に記載の使用。
混合鉱物有機化クレイレオロジー添加剤が、液体組成物の総重量に基づいて0.1〜10重量%の量で含有される、請求項1から3及び15から17のいずれかに記載の使用。
【背景技術】
【0002】
特に、接着剤、シーラント、コーティング剤及びモールディングコンパウンド並びに非水性ベースの石油採掘流体などの分野では、主に、結合剤、溶媒並びに顔料及び/又は充填剤の濃度の選択によって粘稠度を調整することによって、このような系のレオロジー特性をカスタマイズすることが必要である。しかし、多くの場合には、前記の構成成分を用いる所望の粘稠度への調整は十分ではない。このような場合には、いわゆるレオロジー添加剤(すなわち、レオロジー的添加剤)の添加が必要である。これの効果は、より良好な処理可能性を目的として粘度を低下させること又は本明細書では「増粘」と呼ばれる粘度の増大であり得る。
【0003】
多数の異なる有機又は無機増粘剤が、引用される目的で記載されている。
【0004】
水性系においてよく使用されるものとして、セルロースエーテル、デンプン、天然ハイドロコロイド、合成バイオポリマー、ポリアクリレート増粘剤、ポリエーテル、エーテルウレタン、ポリアクリルアミドなどの疎水性に改変されたポリマーをベースとする会合性増粘剤及びアルカリ活性化アクリレートエマルジョン又は水膨潤性無機増粘剤がある。
【0005】
非水性系用の通常のレオロジー添加剤として、ワックス及びチキソトロピー樹脂などの有機増粘剤に加えて、例えば、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウム又は非晶質シリカ及び層状ケイ酸塩などの無機増粘剤が挙げられる。
【0006】
層状ケイ酸塩の中では、粘土材料が増粘剤として使用されることが多く、これらの中では、当技術分野で有機修飾粘土材料(有機化クレイとしても知られる)が使用されている。有機化クレイは、有機溶媒又はペイント及びワニスのような有機コーティング系のために、及び同様に複合材料において、増粘剤、より詳しくは、チキソトロープとして広く使用されている。それらは、通常、液体有機系の適用特性を改善するため、添加量、すなわち、10重量%以下の量で使用される。このような増粘有機化クレイを含有する液体有機系は、チオキソトロピー又は擬似塑性挙動を示す。これは、有機系の貯蔵安定性を改善する。貯蔵の間の系における脱混合(demixing)、特に、顔料及び充填剤の沈降を防ぐ。有機系を均質に保つ。
【0007】
有機化クレイが使用されるさらなる目的は、液体有機系の垂れ下がり抵抗を増大することである。通常、垂直面に塗布されるペイントは、流れ落ち、下地上に液滴形成を引き起こす傾向がある。ペイントは、特定の限定された膜厚でのみ塗布することができ、その後、流れ落ち始める、又は液下し始める。これは、普通「垂れ下り」と呼ばれる。有機化クレイは、系の粘度を増大することによって垂れ下りを低減できる。粘度の増大は、数秒から数分の時間枠内での系のゲル化と見なされ得る。
【0008】
有機化クレイがこれを行う方法は、大部分は、カードハウス構造(house of cards)構造と呼ばれる。有機化クレイは、プレートレットの形態の、又はニードル様擬層構造の形態の粘土鉱物でできている。静止時粘土プレートレットは、カードハウス構造と同様の形状で自身を正しい位置に置くと思われる。このカードハウス構造は、ゲル化及び抗垂れ下り特性を提供する特定の安定性を有する。しかし、塗布、噴霧などによる適用の際に動かされた場合には、このカードハウス構造は崩壊し、適用の際には低い見かけの粘度しか見られない。適用後、液体に対する強力な外力がない場合には、このカードハウス構造は、数秒から数分内に回復し、低剪断力でゲル化の形の粘度をもたらす。これは、特に粘度が低剪断力、すなわち、レオメータ―の回転部分の低速度でモニタリングされる場合には、レオメータによって測定され得る。それは、有機化クレイが適用の際に液体系の見かけの粘度をあまり増大しないが、強力な低剪断粘度投入により適用後極めて迅速にゲル形成が起こることを意味する。
【0009】
有機化クレイは、通常、無機粘土から作られている。天然粘土は通常、溶剤との相溶性に乏しい。通常、親水性であり、主に水に懸濁可能であり、ほとんどの有機溶媒にはあまり懸濁しない。したがって、粘土鉱物の表面は、疎水性にされなければならない。これは、粘土表面の有機コーティングによって行われる。粘土鉱物は、通常、陰イオン帯電している。最も一般的な方法は、陰イオン粘土を、陽イオン性界面活性剤、すなわち、第四級アンモニウム塩で処理することである。両遊離体は、通常、水中で反応される。第四級アンモニウムは、粘土表面上の陰イオン電荷に向かい、これらの電荷との強力な結合をもたらす。その時点で、粘土表面は疎水性にされ、粘土は、水溶性を失う。このように改変された粘土は、普通、有機溶媒に懸濁可能であるが、水にはあまり懸濁しない。
【0010】
特許文献1及び特許文献2には、第四級アルキル−アンモニウム塩で表面処理され、層状粘土混合物との関連で約50〜95重量%の、セピオライト及び/又はパリゴルスカイトからなる群から選択される粘土鉱物を含み、層状粘土混合物との関連で50重量%未満の少なくとも1種のスメクタイトを含有する粘土の混合物が開示されている。スメクタイト(単数又は複数)は、好ましくは、ヘクトライト、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト(beidelite)、サポナイト、ステベンス石及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。両刊行物とも、そこで製造されるレオロジー剤の製作における、極端に低含量の特定の酸化金属、すなわち、酸化アルミニウム及び/又は酸化鉄を有するホルマイト(hormite)粘土の使用を記載しない。
【0011】
特許文献3には、油井採掘流体へあまり温度依存性ではないレオロジー特性を提供する有機化クレイ添加剤が記載されている。そこで開示される添加剤は、ヘクトライト有機化クレイ組成物及びアタパルジャイト有機化クレイ組成物の相乗的組合せをベースとしている。両粘土が各々、そのうちの一方がアルコキシル化第四級アンモニウム塩でなくてはならない少なくとも2種の異なる第四級アンモニウム塩で処理され、その後そのように処理された粘土が混合された。
【0012】
特許文献4にはまた、油性採掘流体基剤組成物において使用するための、事前に形成された有機物親和性改変アタパルジャイト及び/又はセピオライト粘土の、事前に形成された有機物親和性改変ベントナイト粘土との混合物が記載されている。しかし、特許文献1及び特許文献2とは対照的に、改変ベントナイトとの混合物中の最も好ましい量の改変アタパルジャイト/セピオライトは、極めて少なく、わずか約10重量%の範囲である。
【0013】
先行技術において記載される増粘剤は、それらが使用される系において平均から良好の性能を有すると思われる。しかし、依然として増粘剤を製作する改善された方法を提供する必要がある。このように製造された増粘剤を使用することは、特に、広く使用されるエポキシ樹脂配合物などの特定の適用系において、例えば、コーティング、シーラント及び接着剤において、極めて信頼性のある、大部分は大幅に増大した増粘効果につながるはずである。
【0014】
エポキシ樹脂含有液体組成物の貯蔵形態では、硬化剤は、通常含有されない。通常、使用準備済の配合物を形成するために、適用のほんの直前に、1種以上の硬化剤が、このような液体組成物と混合される、又はその中に混合される。硬化剤を液体エポキシ樹脂含有組成物と混合した後、又はその中に混合した後、エポキシ樹脂と硬化剤の間の硬化反応が起こる。この反応は、普通、発熱性であり、温度の上昇をもたらす。温度の初期上昇は、普通、配合物の粘度の低下を伴う。しかし、後期段階では、硬化が進んだ場合、エポキシ樹脂と硬化剤の間の反応で形成された大きな分子の形成のために、粘度は再度上がり始める。したがって、エポキシ樹脂のその硬化剤との反応の開始後の粘度の初期低下が、使用される増粘剤の極端に高い性能を必要とする。使用準備済の配合物の粘度の初期低下が、望ましくない垂れ下りなどにつながることは、何としても避ける必要がある。言い換えれば、硬化剤不含貯蔵形態へ増粘剤を添加することによる粘度の増大は、ただでさえ優れたものでなくてはならない。
【0015】
要約すると、本発明の発明者らの目的は、増粘剤を製作する改善された方法及び液体エポキシ樹脂配合物におけるそのように製造された増粘剤の使用を提供することであった。本発明者らのさらなる目的は、最先端の技術から公知の構造的に関連する有機化クレイ添加剤と比較して、より高い性能を有する有機化クレイベースのレオロジー添加剤を製造する極めて信頼性のある方法を提供することであった。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の方法による混合鉱物有機化クレイレオロジー添加剤の製作
本発明の1つの主な目的は、第四級アルキル−アンモニウム塩処理鉱物粘土混合物を含む、又はからなる混合鉱物有機化クレイ添加剤を製作する方法を提供することである。方法は、
i.水性ホルマイト粘土スラリー(a)を形成するステップと、
ii.水性スメクタイト粘土スラリー(b)を形成するステップと、
iii.水性ホルマイト粘土スラリー(a)を、水性スメクタイト粘土スラリー(b)と組み合わせて、組み合わされた粘土スラリー(c)を形成するステップと、
iv.組み合わされた粘土スラリー(c)を、1種以上の第四級アルキル−アンモニウム塩で処理するステップと、
v.任意選択で、水性媒体から、このように製造された第四級アルキル−アンモニウム塩処理鉱物粘土混合物を分離するステップと
を特徴とし、
ここで、
水性ホルマイト粘土スラリー(a)は、
(i.1)セピオライト及びパリゴルスカイトの群から選択された1以上のホルマイト粘土の画分を水性媒体中に分散させて、分散物を形成するステップであって、使用されるホルマイト粘土画分は、3.0重量%未満のAl
2O
3、1.0重量%未満のFe
2O
3及び3.5重量%未満のAl
2O
3とFe
2O
3の組合せを含有するステップによって形成され、
水性スメクタイト粘土スラリー(b)は、
(ii.1)1以上のスメクタイト粘土の画分を水性媒体中に分散させて、分散物を形成するステップによって形成され、
組み合わされた粘土スラリー(c)において、ホルマイト粘土含量の重量は、スメクタイト粘土含量の重量を超え、
ステップiiiを実施する前に及び/又はステップiiiを実施した後に、(i.1)及び(ii.1)において形成された分散物を高速流体剪断に付す。
【0023】
第四級アルキル−アンモニウム塩処理鉱物粘土混合物を含む、又はからなる混合鉱物有機化クレイ添加剤を製作する上記の一般的な方法の第1の実施形態では、以下のステップ:
i.水性ホルマイト粘土スラリー(a)を形成するステップと、
ii.水性スメクタイト粘土スラリー(b)を形成するステップと、
iii.水性ホルマイト粘土スラリーを、水性スメクタイト粘土スラリーと組み合わせて、組み合わされた粘土スラリー(c)を形成するステップと、
iv.組み合わされた粘土スラリー(c)を、1種以上の第四級アルキル−アンモニウム塩で処理するステップと、
v.任意選択で、水性媒体から、このように製造された第四級アルキル−アンモニウム塩処理鉱物粘土混合物を分離するステップ
が実施され、
ここで、
水性ホルマイト粘土スラリー(a)は、
(i.1)セピオライト及びパリゴルスカイトの群から選択された1以上のホルマイト粘土の画分を水性媒体、好ましくは、水中に分散させて、分散物を形成するステップであって、使用されたホルマイト粘土画分は、3.0重量%未満のAl
2O
3、1.0重量%未満のFe
2O
3及び3.5重量%未満のAl
2O
3とFe
2O
3の組合せを含有するステップと、
(i.2)任意選択で、(i.1)で形成された分散物を、100メッシュの篩を通して選別して粗い粒子を除去するステップと
(i.3)(i.1)又は(i.2)で形成された分散物を高速流体剪断に付すステップと
によって形成され
水性スメクタイト粘土スラリー(b)は、
(ii.1)1以上のスメクタイト粘土の画分を水性媒体、好ましくは、水中に分散させて分散物を形成するステップと
(ii.2)任意選択で、(i.1)で形成された分散物を、100メッシュの篩を通して選別するステップ及び/又は(ii.1)で形成された分散物若しくは100メッシュの篩を通して選別された分散物を遠心分離機にかけて粗い粒子を除去するステップと
(ii.3)(ii.1)又は(ii.2)で形成された分散物を高速流体剪断に付すステップと
によって形成され、
組み合わされた粘土スラリー(c)において、ホルマイト粘土含量の重量は、スメクタイト粘土含量の重量を超える。
【0024】
分散ステップ(i.1)及び(ii.1)では、粒径低減が達成される。それぞれのスラリー中の粘土の総重量に基づいて、少なくとも90重量%、より好ましくは、少なくとも95重量%の粒子が、100メッシュの篩を通るような粒径分布をもたらすことが特に好ましい。これは、例えば分散ステップ(i.1)及び(ii.1)において溶解デバイス、例えば、コールズ溶解機(Cowles dissolver)を使用することによって適宜達成され得る。用語「メッシュ」とは、本明細書において、米国標準メッシュ体系に一致して使用される。米国標準メッシュ体系によれば、100メッシュ篩は、149μmのメッシュ開き目を有する。
【0025】
任意選択の選別ステップ(i.2)及び(ii.2)における100メッシュの篩の使用は、「少なくとも100メッシュ篩」の使用として理解されるべきである。149μmよりも小さいメッシュ開き目を有するメッシュ篩をさらに使用することは、当然可能である。しかし、100メッシュ篩は、さらなる粒径低減のために使用されるデバイスの損傷を防ぐのに十分である。篩上に残される粒子は、普通、廃棄されるので、100メッシュ篩よりも細かい篩の使用は、収量の不必要な喪失につながり得る。
【0026】
分散ステップ(i.1)及び(ii.1)は、好ましくは、以下のとおりに実施され得る。第1に、それぞれの生粘土画分の粗い磨砕物を調製し、これは、任意の従来の破砕、微粉砕又は磨砕手段によって達成され得る。粗い磨砕物の粒子は、5mm未満、より好ましくは、4mm未満、例えば、2〜3mmのような粒径を有することが好ましいが、必ずしもそうではなく、これは、必要に応じて、適当なメッシュ篩を通して粒子を篩にかけることによって確実にされ得る。続いて、粗く磨砕された粘土材料を、好ましくは、水であり、約45〜約70℃の好ましい、約50〜約65℃のさらにより好ましい、約55〜約60℃の最も好ましい温度を有する水性媒体に加えて、粘土懸濁液、すなわち、粘土スラリーを形成することが好ましい。このようなスラリーの水分含量は、通常、スラリーの総重量に基づいて75〜98重量%、より好ましくは、85〜95重量%の範囲である。得られた懸濁液は、例えば、コールズ(Cowles)ブレードを有する溶解機(すなわち、コールズ溶解機)のような、任意の従来の溶解機によって高剪断下で撹拌されることが好ましい。高剪断撹拌期間は、普通、約30分以上であり、好ましくは、0.5〜2時間の範囲である。得られた懸濁液は、微細粘土粒子を含有し、水、好ましくは、上記の温度範囲の温水でさらに希釈されてもよく、その後、任意選択で、100メッシュ篩を通して選別される。このようなさらに希釈されたスラリーは、通常、スラリーの総重量に基づいて90〜99重量%、より好ましくは、92〜97重量%の範囲である水分含量を有する。
【0027】
それぞれ、ホルマイト粘土画分及びスメクタイト粘土画分中のホルマイト及びスメクタイト粘土の粒径は、この段階では特に重大ではないが、粘土を任意のさらなる均質化、磨砕及び/又は粉砕ステップ及び第四級アルキル−アンモニウム塩を用いる必須の処理に付す前に、100メッシュ篩を通らない粗い粒子を除去するステップ、すなわち、ステップ(i.2)及び(ii.2)を実施することが好ましい。ステップ(i.2)及び(ii.2)を実施することは、粗い粒子を含有しない、したがって、さらなる粒径低減のために使用されるデバイス、すなわち、マントン・ゴーリン(Manton-Gaulin)ミルのようなミルの損傷を避ける分散物につながる。ステップ(i.2.)及び(ii.2)を容易にするために、振動篩を使用することによって、選別、すなわち、ふるいわけを実施できる。
【0028】
ステップ(i.2)及び(ii.2)が実施される場合には、このように製造された微細粘土粒子は、溶解機処理された粘土の総重量の少なくとも90重量%、より好ましくは、少なくとも95重量%が、100メッシュ篩を通過するような粒径分布を有することが好ましい。篩上に保持される固い粒は、好ましくは、溶解機処理された粘土の総重量に基づいて10重量%を超えてはならず、より好ましくは、5重量%を超えてはならない。固い粒は、破棄され、微細に磨砕された100メッシュ篩にかけられた粘土画分のみがさらなる処理に使用される。ほとんどの場合、固い粒の量は、溶解機処理された粘土の総重量に基づいて5重量%未満であり、大部分は、さらに3重量%未満である。
【0029】
本発明の発明者らは、いくつかのホルマイト粘土画分(すなわち、100メッシュ篩を通らなかった部分)の固い粒の解析を実施し、固い粒のAl
2O
3及びFe
2O
3含量は、固い粒の少ない量と相まって、100メッシュ篩を通るホルマイト粘土画分のAl
2O
3及びFe
2O
3含量に大幅に影響を及ぼさないことがわかった。言い換えると、100メッシュ篩を通るホルマイト粘土画分のAl
2O
3及びFe
2O
3含量は、上記のように採掘され、105℃で乾燥されたままの生のホルマイト粘土画分のAl
2O
3及びFe
2O
3含量と大幅には異ならない。
【0030】
採掘され、乾燥されたままの生ホルマイト粘土画分のAl
2O
3及びFe
2O
3含量が、本発明によって必要とされるような範囲内にあることは本発明にとって十分であるが、上記で概略説明されたように処置された後に100メッシュ篩を通るホルマイト粘土画分のAl
2O
3及びFe
2O
3含量も、同範囲内にあることが最も好ましい。100メッシュ篩を通るホルマイト粘土画分のAl
2O
3及びFe
2O
3含量は、わずかな相違はあるものの、選別された懸濁液を105℃の温度で一定重量に乾燥し、その後、粘土をフッ化水素酸及び塩酸による化学的抽出に付す、採掘されたままの生ホルマイト粘土について記載されたものと同一方法で決定され得る。
【0031】
特に、スメクタイト粘土画分の場合には、大きな粒子を分け、廃棄することによって、前記懸濁液中の大きな粒子の量をいっそうさらに低減するために、ステップ(ii.2)の一部として100メッシュ篩を通過した粘土懸濁液をさらなる任意選択の遠心分離機にかけるステップが使用され得る。
【0032】
任意選択で、100メッシュ篩を通過し、及び/又は任意の任意選択の遠心分離機にかけるステップ(単数又は複数)に付された粘土スラリー中の粘土粒子の大きさのさらなる低減が、高速流体剪断方法(ステップ(i.3)及び(ii.3))において実施される。このようなさらなる大きさの低減は、粘土スラリーを、例えば、EP0220346A1に記載されるような高速流体剪断に付すことによって達成されることが好ましい。
【0033】
100メッシュ篩を通過するホルマイト及びスメクタイト粘土スラリーに付される高速流体剪断は、ポンプ圧送可能スラリーを分散物又はコロイドミルに通すことによって達成することが好ましく、これらのデバイスは、当技術分野では「ホモジナイザー」と呼ばれることが多い。「ポンプ圧送性(Pumpability)」は、分散物を水性媒体、好ましくは、ステップ(i.1.)及び(ii.1)で使用されるような水性媒体、最も好ましくは、水でさらに希釈することによって確実にされ得る。分散物及びコロイドミルは、当技術分野で周知であり、「Chemical Engineers Handbook」、R.H.Perry及びC.H.Chilton編、第5版、1973年、McGraw Hill Book Company(New York)の842及び843頁に簡潔に論じられ、特性決定されている。この標準参照研究において指摘されるように、この種のデバイスは、普通、分散及びコロイド操作のために使用される特別なクラスのミルを構成する。このようなミルは、高速流体剪断の原理で動作する。本発明において使用するのに好ましいミルは、それを挟んで圧力差が維持され、本発明に従ってポンプ圧送可能スラリーが通される狭い隙間を含むこと又は規定することを特徴とする。
【0034】
好ましくは、ステップ(i.3)及び(ii.3)において必要とされる高速流体剪断は、高速で、それを挟んで高い圧力差が維持される狭い隙間にスラリーを通すことによって達成される。この種の作用は、例えば、周知のマントン・ゴーリンミルで達成することができ、このデバイスは、「ゴーリン(Gaulin)ホモジナイザー」又は「MGミル」と呼ばれることもある。このようなデバイスの基本操作では、往復容積式ピストン型ポンプに、ポンプ吐出に固定された均質化バルブアセンブリーが提供される。まだ完全に均質化されていないスラリーが高圧及び低速でバルブ領域に入る。バルブで狭いオリフィス(バルブとバルブシートの間の近接した隙間である)を通るときに、その速度が音速に迫るレベルに増大される。これは、低減のための高剪断力を提供し、前記デバイスでは、この高速流がインパクトリングに突き当たり、その方向が変更されるので、これらの力はさらに実行される。これに関連してさらに興味深いものは、カオリン粘土からその後に形成される粘土−水系のレオロジーを改善するためにカオリン粘土を処理するためのマントン−ゴーリン型配置の使用を開示するM.I.Chinらの米国特許第3,348,778号である。該特許は、本目的のために、前記ミルの特定の有用な配置及びその構成のさらなる詳細の開示において興味深い。該特許はまた、開示される種類のミルにおいて提供される隙間を論じており、このような隙間は、わずか25μm〜125μmほどであるが、特定の条件下では、2.5mmほど大きいものであり得るということを適宜観察している。
【0035】
マントン−ゴーリンミルにおけるような隙間配置が利用される場合には、隙間を挟む前記圧力差は、好ましくは、7,000kPa〜56,000kPaの範囲であり、14,000〜35,000kPaがより通常である。機器の仕様に応じて、56,000kPaより高い圧力が容易に使用され得る。
【0036】
前記スラリーは、通常、スラリーの総重量に基づいて、85重量%を超える水、より好ましくは、90重量%を超える水、さらにより好ましくは92重量%を超える水、例えば、92〜97又は98重量%の水を含む。しかし、固体含量は、変わることがあり、示されたレベルを上回ることもあり、適当な場合には、分散剤が存在する。しかし、分散剤の使用は、普通、好ましくない。主な必要条件は、前記の高速流体剪断に付されることが可能であるようにスラリーがポンプ圧送可能であることである。前記の種類のマントン−ゴーリンミルにおけるような狭い隙間を通る通過に加えて、高速流体剪断はまた、固定子及び近接した間隔で配置されたローターをベースとする分散及びコロイドミルであって、2つの前記要素の間で高速回転が維持されるミルの使用によって本発明に従って達成され得る。この場合には、スラリーは、固定子とローターの間の隙間を通って通されることによって高速流体剪断に付される。周知のグリア(Greer)ミルは、この種の構成の一例であり、本発明の実施において1つの手段として利用され得る。前記グリアミルでは、狭い隙間は、動かない固定子と、垂直的に取り囲む固定子内を回転するローターによって規定される。本発明に従って処理されるスラリーは、圧力下でその隙間を通される。
【0037】
高速流体剪断を達成するのに有用なさらなる手段は、Perry及びChiltonの上記の参考文献に論じられている。
【0038】
本発明のステップ(i.3)及び(ii.3)に従う狭い圧力がかけられた隙間を通る粘土スラリーの通過は、ワーリングブレンダー又はコールズ溶解機などの従来のブレード又はディスクタイプのミキサーのみが利用される場合に生じるものとは基本的に異なる結果をもたらす。これは、本発明の方法の分散ステップ(i.1)及び(ii.1)において使用され得るようなコールズ高速溶解機において流体に課せられる剪断機序を、本発明に従う方法のステップ(i.3)及び(ii.3)において使用され得るようなマントン−ゴーリンミルによって課せられるものと比較することによって理解され得る。
【0039】
コールズでは、ブレードの粉砕作用(機械的エネルギー)によって、及び層流から生じるスメアリングによって、高速溶解機剪断が流体に課せられる。2つのうち、スメアリング機序は、より重要であり、分散の効率は、撹拌設計形状(分あたりの回転数、ブレードの大きさ、容器の大きさ及び形状)によって決定される。回旋、乱流は、効率的な混合を作り出すが、最も大幅に混ぜられるポケットは、分散されないままである。逆に、層流パターンは、効率的な混合を提供できないことがあるが、互いに対する層の抵抗は、任意の粒子の塊をばらばらにし、効率的な分散が得られる。さらに、流体が粘性であるほど、ばらばらにすることは、より効率的であり、コールズ溶解機の効率は、粘度が増大するにつれ増大する。
【0040】
対照的に、マントン−ゴーリンミルは、生成物が極めて高圧及び低速で膨張バルブに入ることを可能にする。生成物が、バルブとバルブシートの間の近接した隙間に入るときに、300m/秒ほどへの速度の急速な増大があり、圧力の対応する低下がベルヌーイ効果から生じる。これが気泡の形成を可能にし、これは、バルブシート領域を離れる際に製品速度が低下するときの極端なエネルギーで内破する。これは、衝突による剪断を誘導する衝撃波の生成を促進し、この方法は、キャビテーションとして知られている。コールズ装置の挙動とは対照的に、マントン−ゴーリンミルの効率は、剪断波の急速な消失に起因して粘度が増大するにつれて低下する。
【0041】
通常のコールズ溶解機における剪断ストレスは、およそ2013ダイン/cm
2であるとわかる。これは、4インチ(10.2cm)ブレードを備えた溶解機について1.0g/cm
3の流体密度及びおよそ2000cm/秒の円形リムブレード速度を仮定する。
【0042】
マントン−ゴーリンミルは、剪断機序として層流を使用しないが、層モデルを仮定することで、キャビテーションの際に生じる剪断率と剪断応力に上限を与えることができる。極端な圧力のために、層応力の規模ほどの剪断が生じ得る。
【0043】
これ及びバルブとバルブシートの間の合理的な距離(100μm)を仮定することで、剪断率が、製造業者の仕様書から約2.9x10
6秒
−1と推定され得る。剪断応力は、8.8x10
7ダインcm
−1であるとわかる。
【0044】
前記から、コールズ溶解機とマントン−ゴーリンデバイスの間に少なくとも以下の相違が存在すると結論付けることができる:
1.マントン−ゴーリンミルは、極めて高い粒子速度及び乱流を含むキャビテーションの原理で動作する。コールズ装置は、低剪断率で動作し、効率的な分散が層流から生じる。
2.コールズ分散機の効率は、粘度が増大するにつれて増大し、ゴーリン装置の効率は低下する。
3.ゴーリン装置では、懸濁液中の粘土粒子は、かなり高い剪断応力及び剪断率を受けるが、これらは直接算出に適していない。
【0045】
本発明における高速流体剪断の使用は、前記の特許において論じられるスメクタイト(ステップii.3)について利益を提供するのに重要であるだけでなく、さらにセピオライト及び/又はパリゴルスカイト(ステップi.3)の場合には、このような高速流体剪断は、そうでなければ後者の鉱物中に存在する「束になった」タイプの構造を「束をとく」ように作用する。ホルマイト粘土は、ニードル様構造として存在し、それによって、単一ニードルは、ニードルフェルトを形成する。本文脈において用語「束を解くこと」とは、ニードルフェルトから単一ニードルを個別化することを意味する。
【0046】
本発明の方法のステップiiiでは、ステップi及びiiにおいて調製されるような粘土スラリーを組み合わせる。スラリーを組み合わせる前に、その粘土含量は、10gの各スラリーを130℃で90分間乾燥させ、続いて、室温に冷却することによって決定される。ステップiii.において組み合わされるべき、ステップi.及びii.において形成されるスラリーの量は、得られる組み合わされた粘土スラリー(c)におけるホルマイト粘土とスメクタイト粘土の所望の比に応じて変わる。最小必要条件は、組み合わされた粘土スラリー(c)において、ホルマイト粘土含量が、スメクタイト粘土含量を超えることである。
【0047】
本発明の方法のステップiv、すなわち、組み合わされた粘土スラリー(c)を、1種以上の第四級アルキル−アンモニウム塩を用いて処理することは、好ましくは、室温(すなわち、25℃)を超える温度で実施される。好ましい温度範囲は、40℃〜標準圧力でスラリーの沸点温度、より好ましくは、40〜80℃、さらにより好ましくは、例えば、60℃のような50〜70℃である。
【0048】
好ましくは、1種以上の第四級アルキル−アンモニウム塩は、例えば、スラリーの撹拌のような、組み合わされた粘土スラリー(c)の撹拌下で、組み合わされた粘土スラリー(c)に添加される。
【0049】
組み合わされた粘土スラリー(c)中の100gの粘土との関連で1種以上の第四級アルキル−アンモニウム塩の量は、通常、5mmol〜80mmol、好ましくは、20〜65mmol、より好ましくは、30〜55mmolの範囲である。混合鉱物有機化クレイ添加剤が、高温適用において使用されるように意図される場合には、より好ましい範囲は、100gの粘土混合物あたり5〜50mmol、さらにより好ましくは、10〜35mmolの第四級アルキル−アンモニウム塩である。多数のその他のチオキソトロピー適用のためには、100gの粘土混合物あたり約25〜80mmol、好ましくは、35〜65mmolの範囲の第四級アルキル−アンモニウム塩が使用される。
【0050】
好ましくは、ステップivにおいて形成されたこのように製造された第四級アルキル−アンモニウム塩処理鉱物粘土混合物は、ステップvに記載されるように水性媒体から分離される。分離は、例えば、濾過、遠心分離などのような、周囲の液相から不溶性材料を分離するために通常使用されるすべての従来手段によって達成され得る。最も好ましくは、第四級アルキル−アンモニウム塩処理鉱物粘土混合物は濾去され、好ましくは、真空を適用することによって支援される。得られた混合鉱物有機化クレイ生成物は、乾燥されることが好ましく、これは、最も好ましくは、例えば、40〜80℃の範囲の温度、より好ましくは、例えば、60℃のような50〜70℃でのような高温下で行われる。得られた第四級アルキル−アンモニウム塩処理鉱物粘土混合物中に含有される、通常の、許容される水分の残存量は、第四級アルキル−アンモニウム塩処理鉱物粘土混合物の総重量に基づいて10重量%未満、好ましくは、8重量%未満、さらにより好ましくは6重量%未満、最も好ましくは4重量%未満であり、通常、第四級アルキル−アンモニウム塩処理鉱物粘土混合物の総重量に基づいて1又は2重量%〜6重量%の範囲である。
【0051】
必要に応じて、例えば、より良好な取り扱いのために、固体第四級アルキル−アンモニウム塩処理鉱物粘土混合物粒子は、磨砕、粉砕などによって大きさが低減され得る。
【0052】
本発明の混合鉱物有機化クレイ添加剤を製作する上記の一般方法の第2の実施形態は、ステップ(i.3)及び(ii.3)が省かれる点及びステップ(iii.)に、ステップ(iv.)において組み合わされた粘土スラリー(c)を、1種以上の第四級アルキル−アンモニウム塩を用いて処理する前に、組み合わされた粘土スラリー(c)を高速流体剪断に付すことが続けられる点で第1の実施形態とは異なる。高速流体剪断条件は、上記と同一である。
【0053】
上記の方法ステップのすべては、工業規模の製造に移すことができる。工業規模の製造は、使用される加工デバイスの適応を必要とする。例えば、中でも乾燥及び粉砕目的で、以下の一般方法が、本発明の方法に従って製造される混合鉱物有機化クレイ添加剤の工業規模の製造において使用されるのに適している:乾式粉砕、フラッシュ乾燥、流動層乾燥、真空乾燥、ジェットミル乾燥、ドラム乾燥及びチャンバー乾燥。上記の乾燥方法のいくつかでは、統合粉砕ステップ、例えば、噴霧乾燥が含まれる。統合粉砕方法を有さない乾燥方法が使用されるような場合には、例えば、風力分級ミルを使用することによってさらなる粉砕ステップが実施されなければならない。必要な水分含量を達成するために、乾燥温度は個別に調整され得る。濾過手順は、普通、フィルタープレスで実施される。水性ホルマイト粘土スラリー(a)及び水性スメクタイト粘土スラリー(b)の製作は、周囲温度で実施されることが好ましいが、組み合わされた粘土スラリー(c)の、1種以上の第四級アルキル−アンモニウム塩を用いる処理は、周囲温度を超える温度で実施されることが好ましい。好ましい温度範囲は、40℃〜標準圧力でのスラリーの沸点温度、より好ましくは、40〜80℃、さらにより好ましくは、例えば、60℃のような50〜70℃である。
【0054】
本発明の方法に従って調製されたような混合鉱物有機化クレイレオロジー添加剤
通常の有機化クレイは、1種類の粘土粒子、例えば、ベントナイト又はヘクトライトで作られているが、本発明の混合鉱物有機化クレイレオロジー添加剤は異なっている。それらは、設計によって、いくつかの粘土材料から作られている。それらは、種々の形状の粒子を有する種々の粘土から作られている。種々の形状の粘土は、普通採掘され、別個に精製される。少なくとも、表面を疎水性にするステップで、それらは1つの反応容器中に一緒に詰められる。
【0055】
これらの混合鉱物の独特の形状は、その独特の性能に関与する。プレートレットの形状の、リボンの形状の、及び/又はパイプの形状の粘土の混合によって、生成物粒子は、平行に、均一にプレートレット形状の従来の有機化クレイと同定の密度に積み重ねられることができない。種々の粒子は、互いに近接しない。適用特性に変換されると、これは、混合鉱物有機化クレイレオロジー添加剤中の粒子は、従来の有機化クレイ中の粒子よりも容易に互いに分離され得るということを意味する。これは、より迅速な容易な分散をもたらし、容易に分散可能な従来の有機化クレイよりもいっそう容易である。
【0056】
微視的構造は、従来の有機化クレイと比較してより低い容積密度を示すことによってマクロでみることができる。しかし、ヒュームドシリカと比較して、密度は依然としてかなり高い。ヒュームドシリカと類似の性能をもたらす混合鉱物有機化クレイレオロジー添加剤についてでさえ、そのより高い密度のためにそれらを取り扱うことはより容易である。混合鉱物有機化クレイレオロジー添加剤は、あまり粉立ちせず、バッグ及び倉庫中で少ない空間しか必要としない。
【0057】
上記の「従来の」混合鉱物有機化クレイレオロジー添加剤の例外的な特性に加えて、本発明の方法によって製造されるような混合鉱物有機化クレイレオロジー添加剤は、「従来の」ものと比較していっそう高い増粘効果及び特に高いチキソトロピー化効果を提供する。これは、混合鉱物有機化クレイレオロジー添加剤の製作の方法において使用される特定のホルマイト粘土の選択に特に当てはまる。本明細書において使用されるホルマイト粘土は、以下により詳細に記載されるように、それぞれ、Al
2O
3及びFe
2O
3含量として表されるアルミニウム及び鉄含量が低い。
【0058】
また、本発明の目的は、第四級アルキル−アンモニウム塩処理鉱物粘土混合物を含む、又はからなる混合鉱物有機化クレイ添加剤である。
【0059】
本発明に従う方法において使用されるようなホルマイト粘土
【0060】
ホルマイト粘土は、フィロケイ酸塩の群に属する。本発明の混合鉱物有機化クレイレオロジー添加剤の製作において使用されるべきホルマイト粘土(単数又は複数)は、セピオライト及び/又はパリゴルスカイト(アタパルジャイトとしても知られる)である。
【0061】
2種の言及されたホルマイト粘土のうち、セピオライトは、本発明において使用するために好ましい。セピオライト及びパリゴルスカイトの両方が、組成物の連続二次元四面体シートを含有するが、それらは、連続八面体シートを欠くその他の層状ケイ酸塩とは異なる。セピオライト及びパリゴルスカイトの2つの理想的な構造の間の構造的特徴を含むこれらの鉱物の構造のさらなる詳細は、「Developments in Palygorskite−Sepiolite Research」、Galan and Singer、Elsevier、2011年に見ることができる。
【0062】
両ホルマイト粘土は、極めて類似した理想的な構造を有する。天然では、セピオライト及びパリゴルスカイトは、理想的な構造とは異なるが、そのようなものとして容易に特性決定され得る。最近の文献によれば、セピオライト及びパリゴルスカイト(palygorsiktes)間に組成のずれはないが、対照的に、理想的な構造の間に連続する一連の鉱物が存在する(Galan and Singer、「Developments in Palygorskite−Sepiolite Research」、Elsevier、2011年、49〜51頁、特に、51頁の
図8)。
【0063】
本明細書において使用されるようなセピオライト及びパリゴルスカイトは、同一採掘場所で、又は世界中の異なる採掘場所で採掘され得る生粘土材料である。このような材料は、石英又はドロマイトのようないくつかの不純物を必然的に含有する。用語「セピオライト」及び「パリゴルスカイト」は、本明細書において、好ましくは、生材料中に少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、さらにより好ましくは、少なくとも97重量%、最良には少なくとも99重量%のそれぞれのホルマイト粘土形態を含有する生材料を指すと理解されるべきである。鉱物学では、粉末X線回折パターンは、粉末X線回折パターン中のこれらの不純物の特徴的な反射の存在によって、セピオライト及びパリゴルスカイト中の結晶性不純物を検出するための通常のツールである。そして、石英、クリストバル石、カルサイト(calzite)、ドロマイトなどの不純物を、それらが、セピオライト及びパリゴルスカイトサンプルとは異なる2θ値で粉末X線回折パターンにおいて特徴的な反射を示すので容易に検出できる。
【0064】
Galan及びSingerの上記の科学書では、天然セピオライト及びパリゴルスカイトは、常に、その構造中に変動する量のアルミニウム及び鉄を含有することが記載されている。特に、アルミニウム及び鉄は、セピオライト及びパリゴルスカイトのそれぞれの理想的な構造中のマグネシウム及び/又はケイ素と置き換わり得る。それらの金属の含量は、普通、鉱物学においてその酸化物の形態で、すなわち、それぞれ、酸化アルミニウムAl
2O
3及び酸化鉄Fe
2O
3として表される。
【0065】
Galan and Singer、「Developments in Palygorskite−Sepiolite Research」、Elsevier、2011年において言及されるように、セピオライトの酸化アルミニウム含量は、およそ8.9重量%程度に高い場合があり、パリゴルスカイトについては、最大24.4重量%の範囲のいっそう高いAl
2O
3含量が観察された。
【0066】
Galan and Singer、「Developments in Palygorskite−Sepiolite Research」、Elsevier、2011年において言及されるように、モロッコの中央アトラス産の及びチロル産のセピオライトでは、Fe
2O
3含量は、20重量%程度に高い場合があり、パリゴルスカイトについては、最大14.8重量%であり得る。
【0067】
本発明者らによって、採掘されたままのこのようなセピオライト及びパリゴルスカイト中のAl
2O
3及び/又はFe
2O
3の含量は、本発明に従って製作された混合鉱物有機化クレイのレオロジー挙動に強力に影響を及ぼすことが第一にわかった。本発明の方法において使用されるべき出発材料のこのような選択の衝撃は、当技術分野では、どこにも示唆されていない。
【0068】
Al
2O
3及びFe
2O
3の含量は、本発明の実験の節において詳細に説明されるように、誘導結合プラズマ発光分光分析法(inductively coupled plasma optical emission spectrometry)(ICP−OES)によって決定される。
【0069】
原則として、ホルマイト粘土中のAl
2O
3及びFe
2O
3の含量は、できる限り低く、理想的には、ホルマイト粘土画分の総重量に基づいて0重量%であるべきである。しかし、天然生粘土では、ホルマイト粘土画分の総重量に基づいて0重量%又は0.1重量%の値は、見られることが困難であろう。したがって、最も好ましいより一般的な低い値は、Fe
2O
3について例えば、ホルマイト粘土画分の総重量に基づいて0.15重量%又は0.2重量%、Al
2O
3については、ホルマイト粘土画分の総重量に基づいて0.2重量%又は0.5重量%、Al
2O
3及びFe
2O
3の組み合わされた量については、ホルマイト粘土画分の総重量に基づいて0.35重量%又は0.5重量%であろう。上限として、1以上のホルマイト粘土(i)の画分の総重量に基づいて、Al
2O
3について3重量%未満、Fe
2O
3について1重量%未満、Al
2O
3及びFe
2O
3の組み合わされた量について3.5重量%未満が観察されるはずである。
【0070】
1以上のホルマイト粘土(i)の画分の総重量に基づいて、Al
2O
3の特に好ましい量は、2.6重量%以下であり、いっそうより好ましくは、2.0重量%以下である。
【0071】
1以上のホルマイト粘土(i)の画分の総重量に基づいて、Fe
2O
3の特に好ましい量は、0.7重量%以下であり、いっそうより好ましくは0.6重量%以下である。
【0072】
1以上のホルマイト粘土(i)の画分の総重量に基づいて、Al
2O
3及びFe
2O
3の組み合わされた量の特に好ましい量は、3.3重量%以下であり、いっそうより好ましくは2.6重量%以下である。
【0073】
本明細書において、用語「1以上のホルマイト粘土の画分」は、用語「1以上のホルマイト粘土を含有する、又はからなるホルマイト粘土画分」と同等である。したがって、この1以上のホルマイト粘土の画分は、「1以上のスメクタイト粘土の画分」すなわち「1以上のスメクタイト粘土を含有する、又はからなるスメクタイト粘土画分」とは異なる。
【0074】
用語「1以上のホルマイト粘土」は、広い意味で理解されるべきであり、異なる種類のホルマイト粘土のあり得る存在、すなわち、セピオライト及びパリゴルスカイトの存在を含むが、また、1種類の粘土の異なるバッチのあり得る存在、例えば、異なるセピオライト粘土バッチ又は異なるパリゴルスカイト粘土バッチ又はそれらの混合物も含む。同じことが、用語「1以上のスメクタイト粘土」に当てはまる。
【0075】
用語「異なるバッチ」は、本明細書において、それらのバッチが、異なる採掘場所産である又は1つの採掘場所内の異なる採掘作業場産である可能性を包含する。
【0076】
ホルマイト粘土画分中にホルマイト粘土の異なるバッチが含有される場合には、ホルマイト粘土画分中に含有されるホルマイト粘土の各バッチが、3.0重量%未満のAl
2O
3、1.0重量%未満のFe
2O
3並びに3.5重量%未満のAl
2O
3及びFe
2O
3の組合せを含有するための必要条件を満たすことが最も好ましい。しかしまた、ホルマイト粘土画分が全体として、3.0重量%未満のAl
2O
3、1.0重量%未満のFe
2O
3並びに3.5重量%未満のAl
2O
3及びFe
2O
3の組合せを含有するための必要条件を満たすという条件で、ホルマイト粘土画分中に含有されるホルマイト粘土の1以上のバッチが、この必要条件の外側にある、すなわち、3.0重量%以上のAl
2O
3及び/又は1.0重量%以上のFe
2O
3並びに/又は3.5重量%以上のAl
2O
3及びFe
2O
3の組合せを含有することもあり得る。
【0077】
異なるホルマイト粘土バッチが、1以上のホルマイト粘土の画分中に含有され、それらのバッチのうち1以上が、3.0重量%以上のAl
2O
3及び/又は1.0重量%以上のFe
2O
3並びに/又は3.5重量%以上のAl
2O
3及びFe
2O
3の組合せを含有する場合には、このようなバッチは、好ましくは、5.0重量%未満のAl
2O
3、2.0重量%未満のFe
2O
3並びに6.5重量%未満のAl
2O
3及びFe
2O
3の組合せを含有しなくてはならず、いっそうより好ましくは、このようなバッチは、4.0重量%未満のAl
2O
3、1.5重量%未満のFe
2O
3並びに5.0重量%未満のAl
2O
3及びFe
2O
3の組合せを含有しなくてはならず、最も好ましくは、このようなバッチは、3.5重量%未満のAl
2O
3、1.2重量%未満のFe
2O
3並びに4.0重量%未満のAl
2O
3及びFe
2O
3を含有しなくてはならない。
【0078】
これまでの段落において概説されたように、異なるホルマイト粘土バッチが、1以上のホルマイト粘土の画分中に含有され、それらのバッチのうち1以上が、3.0重量%未満のAl
2O
3、1.0重量%未満のFe
2O
3並びに3.5重量%未満のAl
2O
3及びFe
2O
3の組合せを含有するためのホルマイト粘土画分の必要条件の外側にある場合には、3.0重量%未満のAl
2O
3、1.0重量%未満のFe
2O
3並びに3.5重量%未満のAl
2O
3及びFe
2O
3の組合せを含有するための必要条件を満たす1以上のホルマイト粘土バッチが、ホルマイト粘土画分中に含有され、ホルマイト粘土画分の総重量に基づいて、少なくとも25重量%、より好ましくは、少なくとも30重量、いっそうより好ましくは、少なくとも35重量%、いっそうより好ましくは、少なくとも40重量%、いっそうより好ましくは、少なくとも50重量%、いっそうより好ましくは、少なくとも60重量%、いっそうより好ましくは、少なくとも75重量%、最も好ましくは少なくとも80重量%の最小含量を有することが好ましい。
【0079】
しかし、例えば、特定の適用において例外的に良好な増粘効果に対する必要性がある場合には、ホルマイト粘土画分の総重量に基づいて、3.0重量%未満のAl
2O
3、1.0重量%未満のFe
2O
3並びに3.5重量%未満のAl
2O
3及びFe
2O
3の組合せを含有するためにホルマイト粘土画分の必要とされる範囲の内側のホルマイト粘土バッチのみを使用すること、又は少なくとも多量のこのようなバッチを使用することが必要になり得る。すべてではないホルマイト粘土バッチが、完全ホルマイト粘土画分の必要条件セットを満たす場合には、添加剤の増粘品質をさらに改善するために、完全ホルマイト粘土画分の必要条件に近い、完全ホルマイト粘土画分の必要条件セットの外側のこのようなバッチ、すなわち、この必要条件のほんのわずかに外側であるもののみを使用することが考慮されなければならない。
【0080】
通常、i.水性ホルマイト粘土スラリー(a)を形成することにおいて使用されるべきホルマイト粘土画分(単数又は複数)のサンプルは、本発明内に記載されるように試験される。試験の結果に基づいて、上記の必要条件に合うホルマイト粘土材料が、本発明の製作方法において使用される。
【0081】
ホルマイト粘土画分のAl
2O
3及びFe
2O
3含量の決定
本発明に関連して、ホルマイト粘土画分のAl
2O
3及びFe
2O
3含量を決定する目的で、採掘されたままの生ホルマイト粘土画分は、好ましくは、粒子にされる、最も好ましくは、約2〜3mmの粒径を有する粘土粒子にされる。これは、採掘されたままの生粘土を破砕、微粉砕又は磨砕することによって達成され得る。本発明の実施例の節において詳細に説明されたように、それらの粒子は、一定重量まで105℃でおよそ2〜3時間乾燥され、その後、フッ化水素酸及び塩酸による化学抽出に付される。抽出に、アルミニウム及び鉄の元素標準に対する誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−OES)が続く。アルミニウム及び鉄含量は、それぞれの酸化物Al
2O
3及びFe
2O
3の形態で表され、採掘されたままの、好ましくは、この手順で定義されたような粒子にされ、乾燥された1以上のホルマイト粘土を含むホルマイト粘土画分に基づく。
【0082】
本発明に従う方法において使用されるようなスメクタイト粘土
本明細書において利用されるように、用語「スメクタイト粘土」とは、バーミキュライトを除いて、拡張結晶格子を有する粘土鉱物の一般クラスを指す。これは、モンモリロナイト、バイデル石及びノントロナイトからなる2八面体スメクタイト並びにサポナイト、ヘクトライト及びソーコナイト(sauconite)を含む3八面体スメクタイトを含む。また、例えば、US3,252,757、US3,586,468、US3,666,407、US3,671,190、US3,844,978、US3,844,979、US3,852,405及びUS3,855,147に開示されるような熱水方法によって合成によって調製されたスメクタイト粘土も包含される。
【0083】
好ましくは、スメクタイトは、ヘクトライト、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト(beidelite)、サポナイト、ステベンス石及びそれらの混合物からなる群から選択される天然又は合成粘土鉱物である。特に好ましいスメクタイトとして、サポナイト及びヘクトライトがある。
【0084】
その水性スラリーの形態のホルマイト粘土(単数又は複数)及びスメクタイト粘土(単数又は複数)の混合物
第四級アルキル−アンモニウム塩を用いて処理する前に、1種以上のホルマイト粘土及び1種以上のスメクタイト粘土を、粘土の総重量に基づいて1種以上のホルマイト粘土の重量が、1種以上のスメクタイト粘土の重量を超えるような比で水性スラリーの形態で混合する。各スラリー中に含有される粘土の重量は、それぞれのスラリーの一部(例えば、10ml)を130℃で90分間乾燥することによって決定され得る。乾燥残渣は、乾燥前のスラリーの重量(例えば、10ml)との関連で含有される粘土の量である。
【0085】
含有され得る不純物に関わらず、組み合わされた粘土スラリー中に、ホルマイト及びスメクタイト粘土以外のその他の粘土は含有されないことが最も好ましい。不純物が含有される場合には、その量は、好ましくは、組み合わされた粘土スラリー中の粘土の総重量に基づいて10重量%を、いっそうより好ましくは、5重量%を、いっそう良好には3重量%を超えてはならず、最も好ましくは、量は、1重量%を超えてはならない。
【0086】
好ましくは、組み合わされた粘土スラリー中の1種以上のホルマイト粘土の量は、組み合わされた粘土スラリー中の粘土の総重量に基づいて、50超〜95重量%、いっそうより好ましくは、60〜90重量%、最も好ましくは、75〜85重量%である。
【0087】
好ましくは、組み合わされた粘土スラリー中の1種以上のスメクタイト粘土の量は、組み合わされた粘土スラリー中の粘土の総重量に基づいて、5〜50重量%、いっそうより好ましくは、10〜30重量%、最も好ましくは、15〜25重量%である。
【0088】
両方とも組み合わされた粘土スラリー中の粘土の総重量に基づいて、組み合わされた粘土スラリー中の1種以上のホルマイト粘土の最も好ましい量は、75〜85重量%であるが、1種以上のスメクタイト粘土の量は、15〜25重量%である。
【0089】
上記の重量%範囲は、ホルマイト粘土画分が、例えば、セピオライトのような、1種類のみのホルマイト粘土を含有するか、又は2種類以上のホルマイト粘土を含有するかに関わらず当てはまる。好ましくは、ホルマイト粘土画分は、セピオライト粘土のみを含有する。
【0090】
上記の重量%範囲は、スメクタイト粘土画分が、例えば、サポナイト又はヘクトライトのような、1種類のみのスメクタイト粘土を含有するか、又はサポナイト及びヘクトライトの混合物のような2種類以上のスメクタイト粘土を含有するかに関わらず当てはまる。好ましくは、スメクタイト粘土画分は、サポナイト又はヘクトライト粘土のみを含有する。
【0091】
上記の量は、第四級アルキル−アンモニウム塩を用いて処理する前に理解されるべきである。
【0092】
本発明に従う方法において使用されるような第四級アルキル−アンモニウム塩
組み合わされた粘土スラリー中の粘土を処理するために使用される第四級アルキル−アンモニウム塩は、好ましくは、1〜22個の炭素原子を有する同一又は異なる、直鎖及び/又は分岐鎖、飽和及び/又は不飽和アルキル基及び/又は6〜14個の、好ましくは、6〜10個の炭素原子を有する芳香族基、好ましくは、ベンジル基を含有し、それによって、対イオン部分が、好ましくは、塩化物及び臭化物などのハロゲン化物、メチルスルフェート、スルフェート、ニトレート、水酸化物、アセテート、ホスフェート及びそれらの混合物、最も好ましくは、塩化物、臭化物及びメチルスルフェートからなる群から選択される第四級アルキル−アンモニウム塩を含む。粘土混合物を、1種以上の第四級アンモニウム塩を用いて「処理すること」は、化学的に反応させること並びに物理的及び/又は化学的吸着を包含する。
【0093】
特に好ましい第四級アルキル−アンモニウム塩は、一般式(C
1〜10−アルキル)
n(C
12〜22−アルキル)
m(ベンジル)
pN
+X
−(式中、n+m+p=4及びn=1、2又は3、m=1又は2、p=0又は1及びX
−=ハロゲン化物、スルフェート、ニトレート、水酸化物、アセテート又はホスフェート、好ましくは、塩化物、臭化物又はメチルスルフェート)によって記載できる。特に好ましい第四級アルキル−アンモニウム塩として、塩化ジメチルジ(C
14〜18−アルキル)アンモニウム、塩化メチルベンジルジ(C
14〜18−アルキル)アンモニウム、塩化ジメチルベンジル(C
14〜18−アルキル)アンモニウム及びジ硫酸メチル(2−エチルヘキシル)(C
14〜18−アルキル)アンモニウム、塩化トリメチル(C
14〜18−アルキル)アンモニウム及び好ましい選択の2種以上の混合物がある。上記のC
14〜18アルキル基は、好ましくは、硬化獣脂−アルキル基である。
【0094】
塩化ベンジル−二水素付加獣脂−メチルアンモニウム及び塩化ジメチル−二水素付加獣脂アンモニウム及びそれらの混合物が最も好ましい。両者の混合物が使用される場合には、塩化ベンジル−二水素付加獣脂−メチルアンモニウム及び塩化ジメチル−二水素付加獣脂アンモニウムの総量に基づいて、60、70、75又は80重量%のような50重量%超の量で塩化ベンジル−二水素付加獣脂−メチルアンモニウムを使用することがいっそうより好ましい。
【0095】
組み合わされた粘土スラリー中の粘土は、通常、100gの粘土あたり5〜80mmolの第四級アルキル−アンモニウム塩で処理される。有機化クレイが、乾燥流体中のような高温適用において使用される場合には、限定されるものではないが、それらのより好ましい範囲は、100gの粘土混合物あたり5〜50mmol、いっそうより最適には、10〜35mmolの第四級アルキル−アンモニウム塩である。多数のその他のチオキソトロピー適用のためには、スラリー中の100gの粘土あたり約25〜80mmol、好ましくは、35〜65mmolの範囲の第四級アルキル−アンモニウム塩が使用される。
【0096】
使用される量は、組み合わされた粘土スラリー、すなわち、ホルマイト及びスメクタイト粘土画分を含有するスラリーの陽イオン交換能に対して調整でき、好ましくは、前記粘土スラリーの陽イオン交換能の少なくとも75%でなくてはならない。
【0097】
本発明に従う使用
本発明のさらに別の主目的は、液体組成物における、好ましくは、非水性の、いっそうより好ましくは、少なくとも1種のエポキシ樹脂を含む液体組成物における増粘剤としての、本発明に従う方法によって得られた少なくとも1種の混合鉱物有機化クレイ添加剤の使用である。
【0098】
本発明において使用するためのエポキシ樹脂
本発明に従うエポキシ樹脂は、平均して、分子あたり2つ以上のオキシラン環を含有する。それらは、いわゆる硬化剤(hardeners)(「硬化剤(curing agent)」とも呼ばれる)を用いて、オキシラン環の、オキシラン環に対して反応性である硬化剤の官能基との反応によって硬化され得る。よく使用されるエポキシ樹脂は、反応性フェノール、アルコール、酸及び/又はアミンを、エピクロロヒドリンと反応させることによって形成される。最も一般的には、オキシラン環は、エポキシ樹脂中にグリシジル基の形態で存在する。エピクロロヒドリンの反応によってエポキシ樹脂を形成する反応性塩基実体の数は、ほとんど無制限であり、多数の技術的重要な樹脂をもたらす。さらに、不飽和脂肪族及び脂環式化合物は、例えば、過酢酸を用いてエポキシ化され得る。
【0099】
原則として、前記の方法において得られるエポキシ樹脂のすべては、本発明において使用され得る。
【0100】
好ましくは、本発明において使用されるエポキシ樹脂は、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテルのようなグリシジルエーテル、エポキシドノボラック(novolak)、エポキシドo−クレゾールノボラック(o-cresol novolak)、1,3−プロパン−、1,4−ブタン−又は1,6−ヘキサン−ジグリシジルエーテル及びポリアルキレンオキシドグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルのようなグリシジルエステル、ジグリシジルアニリン又はテトラグリシジルメチレンジアニリンのようなグリシジルアミン、3,4−エポキシシクロヘキシル−エポキシエタン又は3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−シクロヘキサンカルボキシレートのような脂環式エポキシド並びにトリスグリシジルイソシアヌレートのようなグリシジルイソシアヌレートからなる群から選択される。
【0101】
本発明において使用されるエポキシ樹脂は、好ましくは、100〜300gの、特に好ましくは、130〜220gのエポキシド当量を有する。例えば、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテルは、およそ170.2g(分子量:340.4g/mol;2つのオキシラン基;340.4g/2=170.2g)のエポキシド当量を有する。
【0102】
本発明の液体組成物において使用され得るさらなるエポキシ樹脂は、例えば、EP0835910A1、EP2085426A1又はEP1141071A1に記載されている。
【0103】
エポキシ樹脂とともに使用するための硬化剤
本発明の液体組成物を含有するエポキシ樹脂の通常の貯蔵形態は、上記で説明されるように、普通、硬化剤を含有しないが、硬化反応を開始するために使用の直前に、硬化剤が、本発明のこのような液体組成物と、又はその中に混合される。硬化剤を含有するこのような配合物は、「使用準備済」配合物と呼ばれる。
【0104】
関連技術文献において、エポキシ樹脂用の硬化剤は、周知であり、その機能に一致して「エポキシド硬化剤」と呼ばれることが多い(例えば、Kittel、「Lehrbuch der Lacke und Beschichtungen」、第2巻、第2版、1998年、267〜318頁を参照のこと)。
【0105】
エポキシド硬化剤は、通常、二官能性又は多官能性化合物又はポリマーであり、その官能基は、オキシラン基と反応する傾向がある。普通、硬化剤官能基エポキシド反応性基は、エポキシド樹脂オキシラン基との関連で化学量論量で使用される。エポキシド樹脂中のオキシラン環の濃度は、滴定によって決定できる。硬化剤の量は、硬化剤中の活性水素の当量から容易に決定できる。
【0106】
好ましくは、本発明に適しているエポキシド硬化剤は、ジアミン、ポリアミン、ポリアミド及び環状カルボン酸無水物からなる群から選択される。ジアミン、ポリアミン及びポリアミドが特に好ましい。ジアミン及びポリアミンが、エポキシド硬化剤としていっそうより好ましい。
【0107】
特に好ましいジアミン及びポリアミンは、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン又は3,3’,5−トリメチルヘキサメチレンジアミンのような脂肪族ジアミン及び脂肪族ポリアミン;1,2−シクロヘキシルジアミン、イソホロンジアミン及びその異性体の混合物又はm−キシリレンジアミンのような脂環式アミン;メチレンジアニリン又は4,4−ジアミノジフェニルスルホンのような芳香族アミン;マンニッヒ塩基(例えば、ジエチレントリアミン−フェノール−マンニッヒ塩基)又は3,3’,5−トリメチルヘキサメチレンジアミン及びビスフェノールAジグリシジルエーテルからのアミン付加物のような改変アミンの群から選択され得る。
【0108】
ポリアミド種の特に好ましい硬化剤として、ポリアミノアミド及びジシアンジアミドがある。
【0109】
熱硬化性樹脂系において使用されている環状カルボン酸無水物種の硬化剤の通常の代表例として、例えば、無水フタル酸又はヘキサヒドロ無水フタル酸がある。
【0110】
硬化剤中の好ましい活性水素当量は、15〜70g、いっそうより好ましくは、20〜60gであり、例えば、イソホロンジアミンについては、活性水素当量は、42.57g(分子量:170.3g/mol;各2個の活性水素を有する2NH
2基=4個の活性水素;4で除された170.3g=42.57g)である。
【0111】
適した硬化剤の限定されない列挙は、例えば、EP0835910A1に見ることができる。
【0112】
本発明の方法に従って製造された混合鉱物有機化クレイレオロジー添加剤はまた、硬化剤組成物において使用され得る。
【0113】
本発明に従って製造されるような混合鉱物有機化クレイレオロジー添加剤のさらなる適用分野
本発明の方法に従って製造されたような混合鉱物有機化クレイ添加剤は、増粘剤として、より詳しくは、チキソトロピー化剤として使用され得る。
【0114】
本発明の方法に従って製造されたような混合鉱物有機化クレイ添加剤は、通常、さまざまな液体有機組成物において使用される。本文脈において「組成物」とは、本発明の添加剤及び少なくとも1種のさらなる化学実体を含有する配合物である。本文脈において「液体組成物」とは、使用される温度で液体状態であり、本発明の方法に従って製造されたような添加剤を補給した組成物である。好ましくは、液体有機組成物は、40℃未満の温度で液体であり、より好ましくは、それらは、25℃(すなわち、室温)で液体である。「液体有機組成物」は、本発明の方法に従って製造されたような添加剤及び少なくとも1種の有機実態に属するさらなる化学実体を含有する液体組成物である。このような有機実体は、例えば、化合物又はポリマー又はそれらの混合物及び互いとの混合物であってもよい。不溶性成分に加えて、例えば、液体有機組成物中に同様に含有され得る充填剤及び顔料として、本発明の添加剤とは異なる有機実体が、少なくとも50重量%の量で、より好ましくは、60重量%の量で、最も好ましくは、70重量%又はそれ以上の量で含有されることが好ましい。
【0115】
液体有機組成物の例として、コーティング材料、シーラント、接着剤、石油採掘流体、ガス採掘流体、ナノ複合材料のような複合材料及びモールディングコンパウンドなど、又は簡単に、レオロジー添加剤に加えて、1種のみの又は複数の有機溶媒を含有する液体有機組成物がある。
【0116】
このような液体有機組成物は、本発明の方法に従って製造されたような混合鉱物有機化クレイレオロジー添加剤を、液体有機組成物の総重量に基づいて、通常、0.1〜10重量%の、より好ましくは、0.1〜8重量%の、いっそうより好ましくは、0.5〜5重量%の添加量で含有する。
【0117】
従来の有機化クレイの大きな課題は、例えば、コーティング、接着剤及びシーラントなどのエポキシ樹脂含有組成物である。特に低溶媒又はさらに溶媒不含エポキシコーティング組成物は、低濃度プレゲルによって従来の有機化クレイの分散性を最適化する可能性をほとんど示さない。
【0118】
したがって、従来の有機化クレイが失敗する通常の系は、高固形分系、特に、溶媒不含系である。
【0119】
本発明の方法に従って製造されたような混合鉱物有機化クレイレオロジー添加剤の効果は、エポキシ樹脂含有組成物のような問題の系において最も明白であるが、その増粘及びチキソトロピー化効果は、この特定の系に当然制限されない。反対に、本発明の方法に従って製造されたような混合鉱物有機化クレイレオロジー添加剤を使用して達成される増粘効果及びより詳しくは、チキソトロピー化効果は、当然、その他の液体有機系において、又は簡単に有機溶媒においても発生する。
【0120】
したがって、本発明の方法に従って製造されたような有機化クレイ生成物は、エポキシ樹脂含有組成物に加えて、種々の有機ベースの系においてチキソトロープとして使用された場合に、予期しない、高度に望ましい特性を示すとわかった。
【0121】
例えば、不飽和ポリエステル樹脂のゲル化において使用される場合には、本発明に従って製造されるような添加剤は、撹拌され、不飽和ポリエステル樹脂/モノマー溶液中に直接的に分散されることができ、高度に満足なゲル化特性を提供することがわかった。このような不飽和ポリエステル樹脂組成物は、樹脂と架橋反応を起こすことが可能であるモノマー中に不飽和ポリエステル樹脂の溶液を含む。不飽和ポリエステル樹脂組成物に適したモノマーとして、不飽和芳香族化合物があり、これは、1種以上のエチレン性不飽和ラジカル、例えば、ビニルラジカル、置換ビニルラジカル又はアリルラジカル、例えば、スチレン(好ましい)、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、アリルベンゼン及びメチルメタクリレートを含む。
【0122】
このような不飽和ポリエステル樹脂は、先行技術において公知のもののいずれかであり得る。適した例として、ジクロロペンタジエンなどのジエンのポリエステル、並びに多量のオレフィン不飽和、好ましくは、100エステル基あたり10〜75オレフィン基を有するジカルボン酸及びジオールのポリエステルがある。オレフィン不飽和は、カルボン酸に由来することが好ましいが、ジオールも不飽和であり得る。通常のジオールは、エチレングリコール及びプロピレングリコールである。通常の不飽和酸として、マレイン酸、フマル酸及びフタル酸又はこれらの酸の無水物が挙げられる。このようなポリエステル樹脂は、エステル化の従来技術によって作製される。好ましくは、ポリエステル組成物を調製するのに有用な不飽和ポリエステル樹脂は、約400〜10,000(ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される)の重量平均分子量及び好ましくは、樹脂1グラムあたり30〜45mg KOHの範囲の酸価を有する。
【0123】
本発明の方法に従って製造されるような添加剤は、一般に、コーティング、接着剤又はシーラント組成物において、最終組成物が、適用を可能にするが、使用準備済配合物が適用される表面からの材料からの排水又は材料の垂れ下がりを防ぐ流れ曲線を有するような量で使用される。一般に、コーティング組成物は、使用準備済コーティング組成物の総重量に基づいて、0.1〜10重量%、好ましくは、0.1〜8重量%、いっそうより好ましくは0.5〜5重量%の量を含有する。
【0124】
さらに、本発明の方法に従って製造されたようなレオロジー添加剤は、高温採掘流体において利用される場合に驚くべき結果をもたらす。本発明の方法に従って製造されたようなこのような添加剤の使用によって、最大少なくとも230℃の使用温度で安定な高粘度及び高ゲル強度を有する、オイルベースの環境的に良性の採掘流体組成物が提供され得る。このような採掘流体は、低毒性の生分解性オイル媒体及び粘性化剤(viscosifying agent)として本発明の方法に従って製造されたような添加剤を含む。
【0125】
本発明の方法に従って製造されたような添加剤はまた、先行参照特許において示される方法のいずれかによるナノ複合材料の調製において、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアクリルアミドなどといった多種多様な重合可能な樹脂とともに使用され得る。ナノ複合材料などの複合材料において使用される場合には、本発明の添加剤は、引張強度、引張係数及び曲げ弾性率に関してを含めて複合材料の機械的特性及びその他の特性において予期しない改善をもたらし、そのすべては、プラスチック及び類似のものの配合者にとって高度に重大な特性である。
【0126】
本発明を、実施例によって以下に例示するが、これは、本発明の例示と見なされるべきものであって、範囲を定めるものではない。特に断りのない限り、すべての部分及びパーセンテージは、重量によるものである。
【0127】
調製実施例
以下の10種のホルマイト粘土サンプルは、スペインの1つの採掘場所から得られたセピオライトサンプルである。サンプルは、鉱物性不純物について、社内でX線回折法により制御した。セピオライト、パリゴルスカイトの存在は、12.1オングストロームあたりの主要なピーク(110)及びいくつかのより小さい関連するものによって示されている。結晶性不純物の量は、X線回折(XRD)におけるその材料特異的ピークによって検出した。すべてのサンプル中の結晶性石英又はドロマイト不純物の量は、0.2重量%の検出限界よりも低い。
【0128】
Al2O3含量及びFe2O3含量の決定
10gの生粘土サンプル(採掘場所から採掘されたまま)を微細に粒子にし、一定重量まで105℃でおよそ2〜3時間乾燥させた。およそ500mgの乾燥サンプルを、白金るつぼ中に秤量して入れ、1〜2mlの蒸留水を用いて加湿した。注意深く、およそ10mlのHF(40%)を添加し、実験室砂浴上で乾固するまで気化させた。その後、10mlの濃HFを再度添加し、再度乾固するまで気化させた。この手順をもう一度反復した。次いで、20mlの濃HClを添加し、再度気化させた。濃HClを、透明溶液を得るのに必要な程度まで添加した。透明溶液を、蒸留水を用いて100mlのメスフラスコ中にすすぎ入れ、印まで満たした。元素標準に対する誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−OES)によってこの溶液から金属を決定した。Alに使用した波長は、308.215nm、396.152nm、394.401nmであった。Feに使用した波長は、238.204nm、259.939nm、234.349nmであった。わかったアルミニウム含量を、1.889(すなわち(Al
2O
3の分子量)/(Alの分子量))を乗じることによってAl
2O
3含量に変換した。鉄含量を、同一方法であるが1.430を乗じることによって、Fe
2O
3含量に変換した。
【0129】
増粘剤の調製:
調製1:
セピオライト生粘土を、およそ2〜3mmの粗い磨砕物まで粉砕する(1/8’’メッシュ)(ミル:Brown Direct Driven Pulverizer UD32、Spatula厚0.05インチ(1.27mm)、Bico Brown International)。850gの粉砕粘土を、渦を生じるのに十分なほど強い撹拌の下で、5ガロン(18.93リットル)の角形プラスチックバケツ(上部:11.9インチ(30.2cm);底:10.92インチ(27.7cm);全高:13.31インチ(33.8cm))中で、7930gの温水(135°F、すなわち、57℃)に添加する。懸濁液を、溶解機のコールズブレードを用いて1時間、バケツの壁を越えて懸濁液を失わないように可能な限り高速(4100rpm)で撹拌し(コールズ溶解機モデル1−VJ;4インチ(10.2cm)Morehouse Cowles製のCowles Hi Shear Impeller BO 4 AOB)、それによって、この1時間の最初の5分で、15インチ(38.1cm)のへらを、バケツの側面中でバッフルとして作用するように維持し、これは、スラリーがより迅速に増粘するのに役立つ。次いで、1時間のステップの後、さらなる8120gの温水を中に混合する。この懸濁液を100メッシュ篩で選別して、粗い粒子を除去する。懸濁液を2回、4500psi(およそ310バール)のマントン−ゴーリンホモジナイザ−ミルを通る通過に付した。
【0130】
サポナイト生粘土スラリーを同じ方法で調製する。最適な処理可能粘度をもたらすように水の量を調整する。さらに、選別後、粗い粒子をさらに除去するために遠心機に通す。マントン−ゴーリンミルに1回通す。
【0131】
それぞれ、乾燥セピオライト及び乾燥サポナイトベースでを意味する乾燥ベースで、80%セピオライト及び20%サポナイトの比を含有する混合スラリーを調製する。任意の粘土スラリーの10gのサンプルの一般的な乾燥条件は:130℃で90分と、それに続く、乾燥器中での室温への冷却である。混合物を60℃に加熱し、渦が生じるように撹拌する。75重量%の塩化ベンジル−二水素付加獣脂−メチルアンモニウム及び25重量%の塩化ジメチル−二水素付加獣脂アンモニウムの混合物の45mmol/100g粘土を、混合物に添加して、30分間処理する。得られた材料を真空漏斗で濾過する。濾過ケーキを、60℃の送風機オーブン中で、およそ2〜6%の水分の残存に達するように乾燥させる。次いで、0.2mmの篩を備えたプルベリセット(pulverisette)ミルで粉砕する。
【0132】
調製2:
これは、調製1で示されるように行う。サポナイト粘土の代わりに、ヘクトライト粘土を使用する。第四級アンモニウムの量は、49mmol/100g粘土に増大する。
【0133】
適用例
本発明において使用するための液体組成物:
それぞれ、調製1及び2の増粘剤を、6000rpmのDispermat中で、エポキシ樹脂中に5分間混合した。
【0135】
粘度測定
Brookfieldレオメータ、スピンドル3番1rpmで粘度を測定した。樹脂の粘度は異なるので、すべての値は、それらをより容易に比較可能にするために正規化し、例えば、Epon828エポキシ樹脂における調製1には、許容される標的粘度は、113.400mPasであり、1と設定した(正規化された粘度)。Epon828エポキシ樹脂における調製2には、許容される標的粘度は、189.000mPasであり、1と設定した(正規化された粘度)。それぞれ、以下の表1及び2に示されるすべての粘度は、この設定に対する割合であり、一目でより容易に相互比較可能である。
【0136】
1未満の正規化された粘度は、この比較では、許容されると考えられず、1以上の正規化された粘度が許容される。
【0139】
図1及び2は、それぞれ、表1及び2から得た結果を、x軸として正規化された粘度並びにy−軸としてホルマイト画分(i)のAl
2O
3含量及び組み合わされたAl
2O
3+Fe
2O
3含量を有するxy−図として示す。
【0140】
図1及び2からわかるように、本発明の添加剤を製造するために使用されているホルマイト粘土画分中のAl
2O
3及びFe
2O
3量に応じて、エポキシ樹脂含有組成物における増粘効果の提供における本発明の鉱物有機化クレイレオロジー添加剤の有効性の強い相関がある。