(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6673553
(24)【登録日】2020年3月9日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】改良した車両識別システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/00 20120101AFI20200316BHJP
G06Q 10/00 20120101ALI20200316BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20200316BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20200316BHJP
G06K 19/14 20060101ALI20200316BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20200316BHJP
G06K 17/00 20060101ALI20200316BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20200316BHJP
B42D 25/305 20140101ALN20200316BHJP
G09F 3/00 20060101ALN20200316BHJP
B60S 5/00 20060101ALN20200316BHJP
【FI】
G06Q30/00 340
G06Q10/00 300
G06K19/06 037
G06K19/07 230
G06K19/14 050
G06K7/14 017
G06K17/00 022
G06K7/10 100
!B42D25/305 100
!G09F3/00 M
!B60S5/00
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-565235(P2016-565235)
(86)(22)【出願日】2015年5月18日
(65)【公表番号】特表2017-528778(P2017-528778A)
(43)【公表日】2017年9月28日
(86)【国際出願番号】IB2015053656
(87)【国際公開番号】WO2015177713
(87)【国際公開日】20151126
【審査請求日】2018年5月7日
(31)【優先権主張番号】BO2014A000298
(32)【優先日】2014年5月20日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】511275614
【氏名又は名称】イ.カー エッセ.エッレ.エッレ.
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 知之
(74)【代理人】
【識別番号】100121153
【弁理士】
【氏名又は名称】守屋 嘉高
(74)【代理人】
【識別番号】100178445
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 淳二
(74)【代理人】
【識別番号】100188994
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100194892
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 麻美
(74)【代理人】
【識別番号】100207653
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト,ムリアーナ
【審査官】
池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−108076(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02713353(EP,A1)
【文献】
特開2004−341146(JP,A)
【文献】
特開2004−334416(JP,A)
【文献】
特開2005−169633(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0044069(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G06K 7/10
G06K 7/14
G06K 17/00
G06K 19/00
G09F 3/00
B42D 25/305
B60S 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用の際に車両の容易に接近できる位置または目に見える位置に貼り付けられ、車両の外部から容易に確認できて読むことができる少なくとも1つのアクセス可能な識別要素(16)と、前記アクセス可能な識別要素(16)上に複製され、少なくとも1つの固有識別コードを含むアクセス可能なデータコード(15)と、
使用の際に、書類が本物であることを証明するために、前記車両の識別書類に取り外せないように貼り付けられる少なくとも1つの書類識別要素(24)と、少なくとも前記固有識別コードを同様の方法で含む書類識別要素(24)上に複製される書類データコード(25)と、
前記固有識別コードを復号化するために、前記アクセス可能なデータコード(15)または前記書類データコード(25)を光学的に読み取ることができるユーザー端末(40)により、データネットワーク(30)を介して問合せ可能なデータベース(36)に接続される少なくとも1つの遠隔ノード(34)とを備え、前記データベースは、それぞれがその固有識別コードで特定される複数の車両に関するデータを保存することができる車両識別システム。
【請求項2】
使用の際に前記車両の隠れた場所に設けられる少なくとも1つの隠すことのできる識別要素(18)と、ラジオ周波数で作動するRFID部品(19)と、前記固有識別コードを含む、または、当該コードが取り出されることができる記憶データとをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の識別システム。
【請求項3】
前記アクセス可能な識別要素(16)および/または書類識別要素(24)はラジオ周波数で作動するRFID部品(17,26)を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の識別システム。
【請求項4】
隠すことのできる識別要素(18)のRFID部品(19)はUHFで作動し、前記アクセス可能な識別要素(16)および前記書類識別要素(24)のそれぞれのRFID部品(17,26)はHFで作動することを特徴とする請求項2または3に記載の識別システム。
【請求項5】
少なくとも前記固有識別コードを同様の方法で含むスマートカードデータコード(21)が複製されるスマートカード識別要素(20)をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の識別システム。
【請求項6】
前記スマートカード識別要素(20)は、好ましくはHFで作動するRFID部品(22)、および/または接触マイクロチップ(23)をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の識別システム。
【請求項7】
少なくとも1つの固有識別コードを含む光学データおよび/または電子データを伝え、使用の際に車両の容易に接近できる位置または目に見える位置に貼り付けられ、車両の外部から容易に確認できて読むことができる少なくとも1つのアクセス可能な識別要素(16)と、
少なくとも前記固有識別コードを同様の方法で含む光学データおよび/または電子データを伝え、使用の際に、書類が本物であることを証明するために、前記車両の識別書類に取り外せないように貼り付けられる少なくとも1つの書類識別要素(24)とを備え、前記アクセス可能な識別要素(16)および前記書類識別要素(24)は、少なくとも前記固有識別コードを同様の方法で含むデータコード(52)がその上に複製されるパッケージ(50)に結合される車両識別キット。
【請求項8】
使用の際前記車両の隠れた場所に設けられる隠すことのできる識別要素(18)をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の識別キット。
【請求項9】
少なくとも前記固有識別コードを同様の方法で含む光学データおよび/または電子データを伝えるスマートカード識別要素(20)をさらに備えることを特徴とする請求項7または8に記載の識別キット。
【請求項10】
請求項1に記載の識別システムによる車両識別方法において、
車両の外部から容易に確認できて読めるように、車両の容易に接近できる位置または目に見える位置に、少なくとも1つのアクセス可能な識別要素(16)と、前記アクセス可能な識別要素(16)上に複製され、少なくとも1つの固有識別コードを含むアクセス可能なデータコード(15)とを付けるステップと、
書類が本物であることを証明するために、前記車両の識別書類に、少なくとも1つの書類識別要素(24)と、少なくとも前記固有識別コードを同様の方法で含む書類識別要素(24)上に複製される書類データコード(25)とを取り外せないように付けるステップと、
前記アクセス可能なデータコード(15)または前記書類データコード(25)を光学的に読み取り、ユーザー端末(40)を介してその固有識別コードを復号化するステップと、
複数の車両に関し、それぞれがその固有識別コードで特定されるデータを記憶できるデータベース(36)に接続される遠隔ノード(34)に、データネットワーク30を介して前記固有識別コードを送信するステップと、前記データベース(36)内に記憶されたまたは記憶可能なデータであり、前記固有識別コードに関連付けられるデータを処理するステップとを備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して車両識別に関する。
【0002】
車両のガラスまたはシャーシに英数字コードをマーキングする車両識別システムは、しばらくの間知られてきた。ガラスまたはシャーシへのマーキングに基づく識別システムの問題は、ガラスは交換される可能性があり、シャーシへのマーキングは摩耗する可能性があることである。制限された長さの英数字コードには少量の情報しか含めることができない。
【0003】
本願の出願人が開発し、欧州特許EP 2.430.624で述べたようなその他の識別システムは、高周波(3〜30MHzの周波数の短波またはHF)または極超短波(300MHz〜3GHz)で作動するRFID部品を使用し、当該RFID部品には、後で適切な読取機で読むことができるデータが書き込まれ、当該読取機は例えば、公認の修理工場または法執行機関に所有されている。これらの識別システムは、特にガラスまたはシャーシへのマーキングシステムと一体にされると、不正使用に高い耐性がある。
【0004】
本願は、EP 2713353で述べたこの種の識別システムにさらに改良を行って、車両識別システムを偽造することをより難しくし、同時に車両に関連する管理手順を簡略化し、運転経歴および自動車に行われた改修の照合もまた可能にした。この種の改良された識別システムは、ラジオ周波数で作動する複数のRFID部品の使用で構成される。第1のRFID部品は、高速なデータ照合のために、車両の容易に接近可能な位置または目に見える位置に貼り付けられる。別のRFID部品は、自動車登録証またはその他の車両識別書類に貼り付けられる。別のRFID部品は、車両の隠れた場所に置かれ、望まれない識別および部品の改ざんを防ぐ。それ自身のRFID部品を含むことができるスマートカードの使用のための対策もなされている。これらのRFID部品は全て、適切なラジオ周波数読取および書き込み装置により、問合せおよび更新を行うことができる。
【0005】
前述のラジオ周波数読取および書き込み装置の提供は、権限のない人によるデータへのアクセスを防ぐことで、使用の相当な柔軟性および安全性を与える。しかしながら、EP 2713353で述べた識別システムの大規模な配布では、ラジオ周波数読取および書き込み装置を製造し、車両、自動車登録証および/またはスマートカードに設けられたRFID部品に関連する情報にアクセスが必要な業者、法執行機関、保険業者、損害査定人およびその他の人々に分配する必要があることが分かった。このような電子デバイスの毛細管状の分配は、製造コストに関してだけでなく、それらのメンテナンスおよび故障時の交換の必要性に関しても、高価であることが分かった。
【0006】
本発明の目的はしたがって、多数のラジオ周波数読取装置を製造、分配および維持する必要性に対処すると同時に、偽造および不正行為に対する安全性のレベルを下げることなく、普段の問い合わせ作業によって車両を表すデータにアクセスできるようにすることである。
【0007】
本発明の別の目的は、高度機能、例えば本願の出願人がEP 1 550 966で述べたようなイメージデータバンクと一体化するために十分な柔軟性を有するシンプルで安価なシステムを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明のさらなる特徴および利点が、実施例を限定することなく純粋に提供された添付の図面を参照した以下の発明の好適な実施形態の詳細な説明から明らかになる。
【
図1】本発明に係る車両を識別するための改良されたシステムの配置を概略的に示す図である。
【
図2】本発明に係る改良されたシステムによって車両を識別するためのキットを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1を参照すると、本発明の実施形態にしたがって車両を識別するための典型的なシステムが図示されている。車両の識別システム10は、少なくとも1つの固有識別コードが保存されることができ、コードが好ましくは同じ車両に接続された各識別要素と同じであるが車両ごとに異なる、非常に多数の識別要素を備える。これに限られないが、固有識別コードは、車両または所有者のデータが推測または導き出されることができる車両の登録番号またはシャーシ、および、その他のいずれのデータ要素とも異なることが好ましい。
【0010】
第1のアクセス可能な識別要素16が、これは修理目的の要素であるが、使用の際、車両の容易に接近可能な位置、好ましくはガラス要素14の一つに、外部から容易に確認でき、車両の内部に入ることなく読めるように設けられる。光学的に認識可能なデータコード15、例えばアズテックまたはQRコード(登録商標)の名で市場に出回る行列コード等の一次元またはマトリックスバーコード、がアクセス可能な識別要素16で複製される。このデータコード15は少なくとも固有識別コードを複製する。
【0011】
アクセス可能な識別要素16はまた、RFID部品17を組み込んでもよい。RFID部品17は、ラジオ周波数読取/書き込み装置12により近距離で読取および/または書き込みできるように好ましくはHF(高周波数)で送信するが、本願の出願人によって出願された特許出願EP 2713353に開示されているので、その詳細は以下でさらに特定されることはない。RFID部品17は、例えば以下のデータを保存できるだけの十分なメモリを備えてもよい:製造社、型式、エンジン排気量、シャーシ番号、登録番号、最初の登録日、所有者個人データ、税コードまたは所有者が法人である場合にはVAT(付加価値税)登録番号、およびその他のデータ。この場合、RFID部品17の記憶容量は好ましくは8kBである。より少ないメモリのRFID部品17が、アクセス可能な識別要素16のデータコード15にも含まれている固有識別コードを記憶するために使用されてもよい。
【0012】
第2の書類識別要素24は、好ましくは識別要素16と類似したものが提供され、
書類が本物であることを証明するために車両の自動車登録証28また
は同様の書類に取り外せないように貼り付けられる。これは、書類識別要素24が、車両の窃盗行為の際に通常起こる行為である自動車登録証の偽造を不可能または極めて難しくしているからである。書類識別要素24はまた、データコード25を備え、好ましくは一体化されたRFID部品26であり、車両およびその保有者を識別するデータを保存可能なデータ記憶容量は8kBであることが好ましい。この場合も、RFID部品26は、より小さいがデータコード25にも含まれる固有識別コードを保存するのに十分なデータ容量を有することができる。
【0013】
RFID部品19を有し、好ましくはUHF(極超短波)で送受信する隠すことのできる識別要素18が車両と関連付けられてもよい。この隠すことのできる識別要素18は、それぞれアクセス可能な識別要素16および書類識別要素24上に設置されるRFID部品17および26に対するアンテナのサイズおよび送信機電力に依存して、長距離でもラジオ周波数で読取/書き込みすることができる。RFID部品19に対する読取/書き込み距離は約30cmから100cmの間が適当であり、所有者以外の誰も部品の正確な位置が分からないような方法で、所有者が直接車両の隠れた位置に隠すことのできる識別要素18を有利に置くことが可能になる。例えば、隠すことのできる識別要素18は、シートの一つの下やダッシュボードの内側、手荷物置場の中、その他隠れた位置のいずれにも固定することができる。RFID部品19の読取距離がより長いと、その正確な位置が分からなくても部品の内容を車両の外部から読み取ることができる。コストを抑えるために、この第3のRFID部品19は、暗号化されたデータを含むが、好ましくは暗号化プロトコルを全く使用することなく通信するのが好ましい。第3のRFID部品19の容量は、わずか64ビット(または8バイト、8文字に等しい)に制限することができ、例えば、車両のシャーシ番号の下8桁、より好ましくは固有識別コード、それらの重要な部分、固有識別コードまたは車両および/または所有者に関連するその他の重要なデータのハッシュを記憶するのにはこの容量で十分である。
【0014】
識別システムは、通常プラスチックまたはその他の適切な材料で、その上に、アクセス可能な識別要素16および書類識別要素24上にそれぞれ複製されたデータコード15および25に全く類似したデータコード21が複製された基材で構成されるスマートカード20をさらに備える。スマートカード20はまた、近距離で読込および書き込みが可能となるように好ましくはマイクロチップおよびHFアンテナを有するRFID部品22を組み込むことが好ましい。RFID部品22は、例えば、電子パスポートで使用される種類のもの、すなわち、その中に暗号化されたデータを有し、暗号化プロトコルを使用して通信し、8キロバイト以下のデータ記憶容量を備えることが好ましい。この場合はまた、RFID部品22のデータ記憶容量は、少なくともRFID部品に固有識別コードが記憶可能である識別システムの総費用を減らすために、都合よく減少されることができる。
【0015】
スマートカード20は、データそれ自身を保存すると同時に暗号化プロトコルを使用した通信により暗号化されて交換されるデータの交換(読込および/または書き込み)を制御するマイクロプロセッサを有する接触マイクロチップ23を含む。接触マイクロチップ23のデータ記憶容量は、8キロバイト以下が好ましいが、この場合でも少なくとも固有識別コードを記憶するのに少なくとも十分なより小さいデータ記憶容量を提供することができる。
【0016】
ラジオ周波数の読取/書き込み装置12は、マイクロチップ23と同様にRFID部品17、22、および26を常に読み取りできるようにプログラムされる。しかしながら、それは、新しいデータを追加する目的またはスマートカード20、すなわちマイクロチップ23およびRFID部品22に保存されたデータを修正する目的で、読取および書き込み装置12がコンピュータ32に接続されるようにプログラムされることが好ましい。コンピュータ32は、例えばインターネット30などのネットワークを通じて、データベース36と通信する遠隔ノード34に接続される。この接続は、コンピュータ・ネットワークの分野で通常知られている暗号化システム、認証システム、証明システムおよびセキュリティシステムによりなされる。遠隔ノード34は、コンピュータ、コンピュータ・クラスター、組込システム、全ハードウェアまたは全ソフトウェアシステムまたはそれらの組み合わせ、または、ネットワークおよびデータベースに関する分野の当業者に知られているその他のいかなる解決策をもって構成されることができる。
【0017】
データベース36は、各車両に関する複数のデータを含み、各データは、スマートカード20により運ばれ、アクセス可能な識別要素16および書類識別要素24上の固有識別コードによって識別される。各データコード21、15および25は、ビデオカメラを使用したスマートフォン40で起動可能なアプリケーションによって読み取ることができる。スマートフォンは、遠隔ノード34したがってデータベース36と通信するために、周知の方法、例えば、地上波用アンテナ41、無線(WiFi)リンク、その他のいかなる周知の方法、またはインターネット30を使用して通信することができる。この目的のためにプログラム、ルーティン、およびアルゴリズムが知られており、これらはデータコードを読み取る目的およびそのパターンを英数字データおよびインターネット・アドレスに変換する目的で通常スマートフォンにあるビデオカメラを使用するために、スマートフォンのアプリケーションに組み入れられ、遠隔ノード34に組み入れられたデータサーバーに問い合わせをし、データベース36から引き出される固有識別コードで識別された車両に関する重要なデータのスマートフォン40への再送信を含む特定の手順およびプログラムを実行するようプログラムされることができる。
【0018】
本明細書で述べる識別システムの動作モードの一つによれば、車両を特定する必要がある使用者、例えば、自動車業者、修理工場または法執行機関は、スマートフォン40のデータ問合せアプリケーションを起動する。第1ステップでは、アプリケーションがスマートフォン40のビデオカメラを起動し、データコードがフレームに現れるまで待機する。フレームに現れると、データコードの画像を取得し、この画像からそこに組み込まれたデータが復号化される。データコードから抽出されたデータは、少なくとも特定されるべき車両の固有コードを含み、固有識別コードと関連付けられた車両に関するデータマップをただ保持する遠隔ノード34に送られる。
【0019】
例えば使用者名およびパスワードをスマートフォン40で入力することにより遠隔ノード34に予め特定された使用者の種類に依存して、遠隔ノード34は様々なアプリケーションを実行することができる。例えば、使用者が法執行機関であれば、遠隔ノード34は、スマートフォン40に応答して、データベース36から読み出された、車両の保有者、第三者の保険担保の信頼性、および、車両の盗難報告のすべての情報に関するデータを送ることができる。一方、使用者が修理工場であれば、遠隔ノード34からスマートフォン40に送られたデータはサービス履歴に関するものとすることができる。使用者が車両の所有者であれば、遠隔ノード34は、スマートフォンに応答して、保険担保およびサービス期間の間近に迫った満期に関するデータ、牽引車サービス等の有益な連絡先電話番号または住所に関するデータを送ることができる。異なる使用者の区分に有益なその他のデータは、車両の所有権が変わったときのデータ、火災および盗難保険担保のデータ、保険事故の前後の車両画像、および、車両およびその所有者の現状または履歴に関するその他のいかなるデータをも含んでよい。
【0020】
スマートフォン40により読み取られたデータコードから読み出された固有識別コードの送信による車両の識別に応えて、遠隔ノード34はまた、データベース36内のデータを更新する手順を作動させることができる。更新するデータは例えば、保険証券の有効化または更新、同じスマートフォンで撮ったと思われる車両の状況に関する写真またはビデオ映像のアップロード、および、車両の所有権または修理のデータの更新である。
【0021】
車両の識別に関してより確かな確実性を要求する作業、例えば、盗まれた車両の回収を確認する場合や、車両の過去の履歴を調べることを望む購入者に保証を与える場合には、識別要素のRFID部品に含まれるデータをラジオ周波数で読み取ることが可能であり、これには、隠すことのできる識別要素18から識別コードを読み取ること、またはこのコードの一部またはハッシュを読み取ることが含まれる。
【0022】
本発明の別の側面によると、アクセス可能な識別要素16、書類識別要素24、隠すことのできる識別要素18およびスマートカード20は、キットの形で提供することができ、例えば、好ましくは
図2に示すようにプラスチックパッケージに封止されるパッケージ50にまとめられる。データコード52は、少なくとも識別要素16、24およびスマートカード20に関連付けられた固有識別コードを複製しており、パッケージ50の外部から明確に見える位置に貼り付けられる。前述したように、隠すことのできる識別要素18は、RFID部品19のみを備え、固有識別コードの保存バージョンを含むこともできるが、このコードの一部またはハッシュを含むこともでき、これはこの要素で利用できるデータ記憶容量に依存する。識別要素キットパッケージのデータコード52のアプリケーションは、パッケージ50のキットのシンプルな識別、および、データベース36内の新しいデータ記録を作る遠隔ノードによる対応する手順の起動に基づき、業者による販売時の新しい車両登録手順の起動を促す。
【0023】
本発明の本質が保たれれば、実施形態の形および構造の詳細は、発明の範囲から逸脱することなく、記載および説明されたものよりも広範囲に変更されることができる。