(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記故障起因情報は、障害種類、故障パターン、稼働時間、周囲温度、部品温度、経過時間、使用回数、部品ロット、製造保証期間、経過期間、製造ロット、レビジョン、故障環境、発生年月日、設置時間、地域、稼働状況、稼働時間、停止日数のいずれかである、
請求項1記載の予防保守指示装置。
前記所定量判定処理部は、前記所定量以上となっているか否かを判定する処理において、対応する装置の部品の同一の故障起因情報の件数をカウントし、カウントした件数が、前記所定量以上になっているか否かを判定する、
請求項1又は2記載の予防保守指示装置。
前記所定量判定処理部は、前記所定量以上となっているか否かを判定する処理において、前記所定量以上となっているデータの件数をカウントし、カウントした件数が、さらに別の所定量以上になっているか否かを判定する、
請求項1又は2記載の予防保守指示装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本出願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。なお、下記の実施形態は、あくまで例示であり、本発明を限定するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。
【0015】
[実施形態1]
実施形態1に係る予防保守指示システムについて図面を用いて説明する。
図1は、実施形態1に係る予防保守指示システムの構成を模式的に示したブロック図である。
【0016】
予防保守指示システム1は、保守対象装置(図示せず)に障害が発生する前において保守対象装置の予防保守(予防保全)が必要となったときに、保守作業者に対して予防保守を行うように指示するためのシステムである(
図1参照)。ここで、保守対象装置とは、保守対象となる装置であり、例えば、サーバ、監視装置、現金自動預け払い機、複写機等とすることができる。また、予防保守とは、障害発生を未然に防ぐための保守であり、例えば、近い内に障害発生が予想される部品の交換、清掃等が挙げられる。部品には、電子部品、機械部品、ユニット、モジュール等が含まれる。予防保守指示システム1は、主な構成要素として、予防保守指示装置100と、ネットワーク200と、作業者端末300と、を有する。
【0017】
予防保守指示装置100は、保守対象装置(図示せず)の予防保守(予防保全)の必要性を判断(交換部品、交換時期等を判断)し、予防保守が必要となったときに予防保守の指示を通知(作業者端末300に対する通知、又は、予防保守指示装置100での出力)するための装置(ハードウェア)である(
図1参照)。予防保守指示装置100は、複数の装置が組み合わさったシステムであってもよい。予防保守指示装置100は、主な構成要素として、通信部101と、制御部102と、入力部103と、出力部104と、記憶部105と、を有する。
【0018】
通信部101は、ネットワーク200と通信可能に接続する機能部である(
図1参照)。通信部101は、制御部102の制御により、作業者端末300に対するデータの送受信を行う。通信部101は、作業者端末300(その操作者)からデータを取得する取得部として機能するとともに、作業者端末300(その操作者)にデータを通知する通知部として機能する。
【0019】
制御部102は、通信部101、入力部103、出力部104、及び、記憶部105を制御する機能部である(
図1参照)。制御部102は、通信部101を制御して、作業者端末300に対するデータの送受信を行う。制御部102は、入力部103を制御して、入力部103から入力されたデータを取り込む。制御部102は、出力部104を制御して、出力部104にデータを出力させる。制御部102は、記憶部105内に記憶されたデータベース130〜137、139、テーブル138、140等へのデータの書き込みや読み出しを行う。
【0020】
制御部102は、記憶部105内に記憶されたソフトウェアを読み出し、当該ソフトウェアを実行することにより所定の情報処理を行う。制御部102は、記憶部105内に記憶された修理結果累積ツール120、所定量判定ツール121、予防交換部品指示ツール122を実行することにより、それぞれ、修理結果累積処理部110、所定量判定処理部111、予防交換部品指示処理部112を実現する。
【0021】
修理結果累積処理部110は、修理結果情報を累積する処理部である(
図1参照)。修理結果累積処理部110は、取得した保守対象装置(図示せず)の修理結果情報に基づいて、データベース130〜137に対して累積処理(蓄積処理、追加処理、対応付け処理)を行う(
図1参照)。ここで、修理結果情報は、修理したときの装置、部品、故障起因情報(障害種類、故障パターン、稼働時間、周囲温度、部品温度、経過時間、使用回数、部品ロット、製造保証期間、経過期間、製造ロット、REV(revision)、故障環境、発生年月日、設置時間、地域、稼働状況、稼働時間、停止日数等のいずれか)を含む情報である。故障起因情報は、環境、温度、湿度、その他項目毎に異なる。修理結果累積処理部110の詳細な動作(
図13〜
図14参照)は、後述する。
【0022】
所定量判定処理部111は、部品の故障起因情報が所定量以上であるかを判定する処理部である(
図1参照)。所定量判定処理部111は、累積処理された各a〜g判断情報データベース131〜137における対応する装置の部品の各所定量判定処理部111は、所定量以上となっている場合に、対応する装置の部品に係る故障起因情報のデータを、所定量判定テーブル138に追加処理する。ここで、予め設定された所定量は、任意に設定することができるが、故障起因情報が、予め設定された所定量以上となっているか否かを判定する。保守作業者の経験等に基づいて予防保守が必要と考える最低量(条件でも可)とすることができる。また、予め設定された所定量は、異常性を判断するために件数(例えば5件)を含んでいてもよい。所定量判定処理部111の詳細な動作(
図15〜
図20参照)は、後述する。
【0023】
予防交換部品指示処理部112は、予防保守のために交換する部品を指示する処理部である(
図1参照)。予防交換部品指示処理部112は、累積処理された各a〜g判断情報データベース131〜137において、取得した予防交換部品の判定に必要なデータ(故障起因情報に対応する情報)に対応する装置の部品があるか否かを判定する。予防交換部品指示処理部112は、対応する装置の部品がある場合に、取得した予防保守受付情報に含まれた装置について、予防交換部品の判定に必要なデータ(故障起因情報に対応する情報)を要求(作業者端末300に対する通知、又は、予防保守指示装置100での出力)する。予防交換部品指示処理部112は、対応する装置の部品について、取得した予防交換部品の判定に必要なデータが、対応する所定量判定テーブル138の故障起因情報の所定量以上となっている部品(予防交換部品)があるか否かを判定する。予防交換部品指示処理部112は、所定量以上となっている部品がある場合に、対応する装置の部品を交換部品として予防交換判定テーブル140に追加処理する。予防交換部品指示処理部112は、追加処理された予防交換判定テーブル140に基づいて、装置の予防交換部品を含む予防保守指示情報を生成し、生成された予防保守指示情報を通知する。予防交換部品指示処理部112の詳細な動作(
図21〜
図23参照)は、後述する。
【0024】
入力部103は、データを入力するための機能部である(
図1参照)。入力部103には、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、マイク、その他の入力手段を用いることができ、図示しない通信部を介して通信可能に接続された入力部を有する情報端末等を用いてもよい。入力部103に入力されたデータは、制御部102の制御により、制御部102に取り込まれる。入力部103は、予防保守指示装置100の操作者からデータを取得する取得部として機能する。
【0025】
出力部104は、データを出力するための機能部である(
図1参照)。出力部104として、例えば、表示を行うディスプレイ、印刷を行うプリンタ、その他の出力手段を用いることができ、図示しない通信部を介して通信可能に接続された出力部を有する情報端末等を用いてもよい。出力部104は、制御部102の制御により、表示等の出力を行う。出力部104は、予防保守指示装置100の操作者にデータを通知する通知部として機能する。
【0026】
記憶部105は、各種データ、プログラム、ツール120〜122、データベース130〜137、139、テーブル138、140等を記憶する機能部である(
図1参照)。記憶部105として、例えば、ハードディスク装置でも、外部接続されたRAID(Redundant Arrays of Independent Disks)装置等を用いることができ、どの様な不揮発性記憶装置を用いてもよい。なお、データベース130〜137、139、テーブル138、140の詳細は、後述する。ツール120〜122については、以下の通りである。
【0027】
修理結果累積ツール120は、制御部102において修理結果累積処理部110を実現するためのプログラムである(
図1参照)。
【0028】
所定量判定ツール121は、制御部102において所定量判定処理部111を実現するためのプログラムである(
図1参照)。
【0029】
予防交換部品指示ツール122は、制御部102において予防交換部品指示処理部112を実現するためのプログラムである(
図1参照)。
【0030】
ネットワーク200は、予防保守指示装置100と作業者端末300とを通信可能に接続する情報通信網である(
図1参照)。ネットワーク200は、イントラネット、ローカルネットワーク等でもよい。
【0031】
作業者端末300は、作業者が使用する情報端末である(
図1参照)。作業者端末300は、複数台あってもよい。作業者端末300は、通信部301と、制御部302と、入力部303と、出力部304と、記憶部305と、を有する。
【0032】
通信部301は、データを通信(送受信)するための機能部(例えば、インタフェース等)である。通信部301は、ネットワーク200に通信可能に接続されており、ネットワーク200を介して予防保守指示装置100の通信部101と通信可能である。
【0033】
制御部302は、通信部301、入力部303、出力部304及び記憶部305を制御する機能部である(
図1参照)。制御部302は、通信部301でのデータの送受信を制御する。制御部302は、入力部303で入力されたデータを取り込むように制御する。制御部302は、出力するデータを出力部304から出力するように制御する。制御部302は、記憶部305でのデータやファイル等の読み込み、書き込み等を制御する。
【0034】
入力部303は、データを入力するための機能部である(
図1参照)。入力部303には、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、マイク、その他の入力手段を用いることができる。
【0035】
出力部304は、データを出力するための機能部である(
図1参照)。出力部304には、例えば、表示を行うディスプレイ、印刷を行うプリンタ、所定の端末等へ送信を行う送信器(この場合、通信部301を兼ねても可)等の出力手段を用いることができる。
【0036】
記憶部305は、各種データ、ファイル、データベース、プログラム等を記憶する機能部である(
図1参照)。
【0037】
次に、
図1の予防保守指示装置100の記憶部105に記憶されたデータベース130〜137、139、テーブル138、140の詳細について図面を用いて説明する。
【0038】
[修理結果データベース130;
図2]
図2は、実施形態1に係る予防保守指示システムにおける予防保守指示装置で用いられる修理結果データベースの構成を模式的に示した図である。修理結果データベース130は、装置、修理件数、故障部品、故障部品数、故障率、対応する各種の判断、の各項目を対応付けて整理したデータベースである。
【0039】
「装置」の欄には、過去に修理されたことがある保守対象装置(修理対象装置)に係る装置名(名称又は記号)が格納され、例えば、
図2の「装置」の欄には装置A〜Fが格納されている。「修理件数」の欄には、対応する装置で今まで修理が行われた累積件数が格納され、例えば、
図2の装置Aの「修理件数」では350件が格納されている。「故障部品」の欄には、対応する装置の修理で故障と判断された部品に係る部品名(名称又は記号)が格納され、例えば、
図2の装置Aの「故障部品」の欄には部品a〜dが格納されている。「故障部品数」の欄には、対応する装置の故障部品の累積数が格納され、例えば、
図2の装置Aの故障部品aの「故障部品数」の欄には280個が格納されている。「故障率」の欄には、対応する装置の故障部品における故障部品数の、対応する装置の修理件数に対する百分率が格納され、例えば、
図2の装置Aの故障部品aの「故障率」の欄には80%(=280/350×100)が格納されている。「第1〜第7判断」の欄には、対応する装置の故障部品の故障の起因の判断情報(エラーコード、記号等)があるときに当該判断情報が格納され、例えば、
図2の装置Aの故障部品aの故障の起因の判断情報がある「第1判断」、「第3判断」、「第4判断」、「第6判断」、「第7判断」でそれぞれ判断情報a、c、d、f、gが格納され、
図2の装置Aの故障部品aの故障の起因の判断情報がない「第2判断」及び「第5判断」で空欄となっている。
【0040】
修理結果データベース130は、
図1の予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110が、取得した保守対象装置(図示せず)の修理結果情報に基づいて、対応する装置の修理件数の累積処理と、対応する装置の故障部品の故障部品数の累積処理と、対応する装置の故障部品の故障率の演算処理と、を行い、かつ、累積処理されたa〜g判断情報データベース131〜137の故障起因情報と第1〜第7判断情報との対応付け処理を行うことによって更新される。ここでの対応付け処理では、例えば、a判断情報データベース131の故障起因情報(a−1〜5のいずれか)が累積処理された場合、修理結果データベース130の第1判断の欄が空欄であれば、第1判断に対応するa(a判断情報データベース131に相当する記号)が入力される(b〜g判断情報データベース132〜137の対応付け処理でも同様)。なお、a判断情報データベース131の故障起因情報(a−1〜5のすべて)が累積処理されなかった場合、対応付け処理は行われない(b〜g判断情報データベース132〜137の対応付け処理でも同様)。なお、修理結果データベース130において、修理結果情報における装置及び故障部品に対応する装置及び故障部品がない場合は、修理結果情報における装置及び故障部品が新規に追加処理される。
【0041】
[a判断情報データベース131;
図3]
図3は、実施形態1に係る予防保守指示システムにおける予防保守指示装置で用いられるa判断情報データベースの構成を模式的に示した図である。a判断情報データベース131は、装置、部品、障害種類、故障パターン、稼働時間、周囲温度、部品温度の各項目を対応付けて整理したデータベースである。
【0042】
「装置」及び「部品」の欄は、修理結果データベース(
図2の130)の「装置」及び「部品」の欄と同様である。「a−1:障害種類」の欄には、対応する部品が原因で発生した障害の種類に係る情報(例えば、起動障害、稼働障害、入金不良、出金不良等)が格納されている。「a−2:故障パターン」の欄には、対応する部品の故障パターンに係る情報(例えば、IC(Integrated Circuit)部品の場合は動作不良、コンデンサの場合は電解液の破裂、容量抜け、電池の場合は液漏れ、センサの場合は汚れ等)が格納されている。「a−3:稼動時間」の欄には、対応する部品が故障に至るまでに稼動した時間(通電時間)が格納されている。「a−4:周囲温度」の欄には、対応する部品の周囲の温度(使用環境温度)が格納されている。「a−5:部品温度」の欄には、部品の温度(推測温度でも可)が格納されている。
【0043】
a判断情報データベース131は、
図1の予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110が、作業者端末300から取得した保守対象装置の修理結果情報に基づいて、対応する装置の部品に係る故障起因情報(障害種類、故障パターン、稼働時間、周囲温度、部品温度)の累積処理を行うことによって更新される。ここでの累積処理は、互いに対応する新たな「装置」、「部品」、「故障起因情報」の欄を設け、それぞれの欄に、修理結果情報に含まれる装置名、部品名、該当する故障起因情報のデータを入力する(b〜g判断情報データベース132〜137の累積処理でも同様)。また、a判断情報データベース131は、
図1の予防保守指示装置100の所定量判定処理部111が所定量判定処理を行う際に用いられる。
【0044】
[b判断情報データベース132;
図4]
図4は、実施形態1に係る予防保守指示システムにおける予防保守指示装置で用いられるb判断情報データベースの構成を模式的に示した図である。b判断情報データベース132は、装置、部品、故障起因情報(経過時間、使用回数)の各項目を対応付けて整理したデータベースである。
【0045】
「装置」及び「部品」の欄は、修理結果データベース(
図2の130)の「装置」及び「部品」の欄と同様である。「b−1:経過時間」の欄には、対応する装置の部品の製造日又は所定の時間(期間)から故障するまでの経過時間(期間)が格納され、例えば、駆動部や回転部に付着したグリスや潤滑油の粘度の低下までの経過時間、ローラの摩耗や汚れまでの経過時間等が格納されている。「b−2:使用回数」の欄には、対応する装置の部品の使用した回数が格納され、例えば、プリンタ装置の印字回数、ディスク装置の起動回数等が格納されている。
【0046】
b判断情報データベース132は、
図1の予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110が、作業者端末300から取得した保守対象装置の修理結果情報に基づいて、対応する装置に係る機構部品に起因する故障起因情報(経過時間、使用回数)の累積処理を行うことによって更新される。また、b判断情報データベース132は、
図1の予防保守指示装置100の所定量判定処理部111が所定量判定処理を行う際に用いられる。
【0047】
[c判断情報データベース133;
図5]
図5は、実施形態1に係る予防保守指示システムにおける予防保守指示装置で用いられるc判断情報データベースの構成を模式的に示した図である。c判断情報データベース133は、装置、部品、故障起因情報(部品ロット、製造保証期間、経過期間)の各項目を対応付けて整理したデータベースである。
【0048】
「装置」及び「部品」の欄は、修理結果データベース(
図2の130)の「装置」及び「部品」の欄と同様である。「c−1:部品ロット」の欄には、故障した装置の部品の部品ロット(製造ロット)の記号が格納され、
図5では、例えば、故障している部品aの部品ロットとしてA123が格納されている。「c−2:製造保証期間」の欄には、故障した装置の部品の製造日からの保証期間が格納され、
図5では、例えば、部品aの製造保証期間の欄には5年が格納されている。「c−3:経過期間」の欄には、故障した装置の部品が保証期間から何年後に故障したかの経過期間が格納され、
図5では、例えば、部品aの経過期間の欄には5年(保証期間より5年経過して故障)が格納されている。
【0049】
c判断情報データベース133は、
図1の予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110が、作業者端末300から取得した保守対象装置の修理結果情報に基づいて、対応する装置の部品に係る期間に起因する故障起因情報(部品ロット、製造保証期間、経過期間)の累積処理を行うことによって更新される。また、c判断情報データベース133は、
図1の予防保守指示装置100の所定量判定処理部111が所定量判定処理を行う際に用いられる。
【0050】
[d判断情報データベース134;
図6]
図6は、実施形態1に係る予防保守指示システムにおける予防保守指示装置で用いられるd判断情報データベースの構成を模式的に示した図である。d判断情報データベース134は、装置、故障起因情報(製造ロット、レビジョン(REV、バージョン情報))の各項目を対応付けて整理したデータベースである。
【0051】
「装置」の欄は、修理結果データベース(
図2の130)の「装置」の欄と同様である。「d−1:製造ロット」の欄には、故障した装置の製造ロットが格納され、
図6では、例えば、故障した装置Aの製造ロットの欄にはA0911xxxとA1112xxxが格納されている。「d−2:REV」の欄には、故障した装置のREV(装置の製造時の搭載部品や改造情報を管理している回路基板レビジョン)が格納され、
図6では、例えば、故障した装置Aの製造ロットA0911xxxのREVの欄にはA15.が格納されている。
【0052】
d判断情報データベース134は、
図1の予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110が、作業者端末300から取得した保守対象装置の修理結果情報に基づいて、対応する装置に係る故障起因情報(製造ロット、REV)の累積処理を行うことによって更新される。また、d判断情報データベース134は、
図1の予防保守指示装置100の所定量判定処理部111が所定量判定処理を行う際に用いられる。
【0053】
[e判断情報データベース135;
図7]
図7は、実施形態1に係る予防保守指示システムにおける予防保守指示装置で用いられるe判断情報データベースの構成を模式的に示した図である。e判断情報データベース135は、装置、部品、故障起因情報(故障環境)の各項目を対応付けて整理したデータベースである。
【0054】
「装置」及び「部品」の欄は、修理結果データベース(
図2の130)の「装置」及び「部品」の欄と同様である。「e−1:故障環境」の欄には、故障した装置の部品の故障環境(使用環境、場所でも可)の情報が格納され、
図7では、例えば、故障した装置Cの部品kの故障環境の欄には水害(故障した装置は水の浸入で故障)が格納されている。
【0055】
e判断情報データベース135は、
図1の予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110が、作業者端末300から取得した保守対象装置の修理結果情報に基づいて、対応する装置の部品に係る環境に起因する故障起因情報(故障環境)の累積処理を行うことによって更新される。また、e判断情報データベース135は、
図1の予防保守指示装置100の所定量判定処理部111が所定量判定処理を行う際に用いられる。
【0056】
[f判断情報データベース136;
図8]
図8は、実施形態1に係る予防保守指示システムにおける予防保守指示装置で用いられるf判断情報データベースの構成を模式的に示した図である。f判断情報データベース136は、装置、部品、故障起因情報(発生年月日、設置年、地域)の各項目を対応付けて整理したデータベースである。
【0057】
「装置」及び「部品」の欄は、修理結果データベース(
図2の130)の「装置」及び「部品」の欄と同様である。「f−1:発生年月日」の欄には、障害が発生した年月日が格納されている。「f−2:設置年」の欄には、装置が設置され稼動を開始した年が格納され、「f−3:地域」の欄には、障害が発生した地域(障害を対応した拠点でもよい)が格納されている。
【0058】
f判断情報データベース136は、
図1の予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110が、作業者端末300から取得した保守対象装置の修理結果情報に基づいて、対応する装置の部品に係る季節、設置時間、地域に起因する故障起因情報(発生年月日、設置年、地域)の累積処理を行うことによって更新される。また、f判断情報データベース136は、
図1の予防保守指示装置100の所定量判定処理部111が所定量判定処理を行う際に用いられる。
【0059】
[g判断情報データベース137;
図9]
図9は、実施形態1に係る予防保守指示システムにおける予防保守指示装置で用いられるg判断情報データベースの構成を模式的に示した図である。g判断情報データベース137は、装置、部品、故障起因情報(稼働状況、稼働時間、停止日数)の各項目を対応付けて整理したデータベースである。
【0060】
「装置」及び「部品」の欄は、修理結果データベース(
図2の130)の「装置」及び「部品」の欄と同様である。「g−1:稼動状況」の欄には、稼動状況が格納され、例えば、稼動している営業日、使用していない稼動停止が格納される。「g−2:稼動時間」の欄には、営業開始から稼働した時間(例えば、8時間、24時間等)が格納されている。「g−3:停止日数」の欄には、装置が停止した日数、例えば、一週間稼動していない場合は7(日)、一年使用していない場合は365(日)が格納される。
【0061】
g判断情報データベース137は、
図1の予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110が、作業者端末300から取得した保守対象装置の修理結果情報に基づいて、対応する装置の部品に係る連続稼働又は長期停止に起因する故障起因情報(稼働状況、稼働時間、停止日数)の累積処理を行うことによって更新される。また、g判断情報データベース137は、
図1の予防保守指示装置100の所定量判定処理部111が所定量判定処理を行う際に用いられる。
【0062】
[所定量判定テーブル138;
図10]
図10は、実施形態1に係る予防保守指示システムにおける予防保守指示装置で用いられる所定量判定テーブルの構成を模式的に示した図である。所定量判定テーブル138は、装置、部品、a〜g判断情報テーブル131〜137の各故障起因情報(a−1〜5、b−1〜2、c−1〜3、d−1〜2、e−1、f−1〜3、g−1〜3)を対応付けて整理したテーブルである。
【0063】
「装置」の欄は、修理結果データベース(
図2の130)の「装置」の欄と同様である。「部品」の欄には、a〜g判断情報データベース131〜137において、対応する装置の部品に係る故障起因情報が、予め設定された所定量以上となっている部品が格納されている。「a〜g判断情報」の欄には、「部品」の欄の部品に対応するa〜g判断情報データベース131〜137の故障原因情報(a−1〜5、b−1〜2、c−1〜3、d−1〜2、e−1、f−1〜3、g−1〜3のいずれか)の予防保守が必要か否かの判定基準となる所定量が格納されている。例えば、装置Aの部品aに係る「a判断情報」の「a−1:障害種類」の欄には起動障害が格納され、「a−2:故障パターン」の欄には動作不良が格納され、[a−5:部品温度]の欄には40℃以上が格納され、「c判断情報」の「c−1:部品ロット」の欄にはA123が格納され、「c−2:製造保証期間」の欄には5年が格納され、「c−3:経過期間」の欄には5年が格納され、「d判断情報」の「d−1:製造ロット」の欄にはA0911xxxが格納され、「d−2:REV」の欄にはA15.が格納され、「f判断情報」の「f−1:発生月」の欄には4月が格納されている。
【0064】
所定量判定テーブル138は、
図1の予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110が、作業者端末300から取得した保守対象装置の修理結果情報に基づいてa〜g判断情報データベース131〜137を累積処理したときに、故障した装置の部品に係る故障起因情報が、予め設定された所定量以上となった部品が新たに発生した場合に更新(追加)される。また、所定量判定テーブル138は、
図1の予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112が予防交換部品特定処理を行う際に用いられる。
【0065】
[予防保守受付データベース139;
図11]
図11は、実施形態1に係る予防保守指示システムにおける予防保守指示装置で用いられる予防保守受付データベースの構成を模式的に示した図である。予防保守受付データベース139は、予防保守受付された装置の管理番号、装置、ユーザ名の各項目を対応付けて整理したデータベースである。
【0066】
[予防交換判定テーブル140;
図12]
図12は、実施形態1に係る予防保守指示システムにおける予防保守指示装置で用いられる予防交換判定テーブルの構成を模式的に示した図である。予防交換判定テーブル140は、取得した予防保守受付情報と、予防交換部品の判定に必要なデータと、から予防交換すべきと判定された交換部品を格納したテーブルである。例えば、管理番号1230000000の装置Aに係る予防交換部品は部品aとなる。予防交換部品の判定により、管理番号1230000008のA装置のように、部品aと部品bと、交換する部品が複数ある場合もある。
【0067】
実施形態1に係る予防保守指示システムにおける予防保守指示装置の修理結果累積処理部の動作について図面を用いて説明する。
図13〜
図14は、実施形態1に係る予防保守指示システムにおける予防保守指示装置の修理結果累積処理部の動作を模式的に示したフローチャート図である。なお、予防保守指示システムの構成部については
図1〜
図12を参照されたい。
【0068】
まず、予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110は、保守対象装置(図示せず)の修理結果情報(装置、部品、故障起因情報を含む情報)を取得する(
図13のステップA1)。
【0069】
ここで、修理結果情報の取得は、保守作業者が修理結果情報を作業者端末300に入力し、入力された修理結果情報を作業者端末300から予防保守指示装置100に送信することによって修理結果情報を取得してもよく、予防保守指示装置100の入力部103から修理結果情報を入力することによって修理結果情報を取得してもよい。
【0070】
次に、予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110は、取得した保守対象装置(図示せず)の修理結果情報に基づいて、修理結果データベース130に対して、対応する装置の修理件数の累積処理と、対応する装置の故障部品の故障部品数の累積処理と、対応する装置の故障部品の故障率の演算処理と、を行う(
図13のステップA2)
【0071】
次に、予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110は、a〜g判断情報データベース131〜137に対して、取得した修理結果情報における装置の部品に係る各故障起因情報の累積処理(蓄積処理)を開始する(
図13のステップA3)。
【0072】
次に、予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110は、取得した修理結果情報において、a判断情報データベース131の故障起因情報(
図3のa−1〜5)に対応するデータがあるか否かを判断する(
図13のステップA4)。a判断情報データベース131の故障起因情報に対応するデータがない場合(ステップA4のNO)、a判断情報データベース131に対する累積処理を行わずに、ステップA6に進む。
【0073】
a判断情報データベース131の故障起因情報に対応するデータがある場合(ステップA4のYES)、予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110は、a判断情報データベース131に対して、取得した修理結果情報における装置の部品に係る故障起因情報の累積処理を行う(
図13のステップA5)。
【0074】
a判断情報データベース131の故障起因情報に対応するデータがない場合(ステップA4のNO)、又は、ステップA5の後、予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110は、取得した修理結果情報において、b判断情報データベース132の故障起因情報(
図4のb−1〜2)に対応するデータがあるか否かを判断する(
図13のステップA6)。b判断情報データベース132の故障起因情報に対応するデータがない場合(ステップA6のNO)、b判断情報データベース132に対する累積処理を行わずに、ステップA8に進む。
【0075】
b判断情報データベース132の故障起因情報に対応するデータがある場合(ステップA6のYES)、予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110は、b判断情報データベース132に対して、取得した修理結果情報における装置の部品に係る故障起因情報の累積処理を行う(
図13のステップA7)。
【0076】
b判断情報データベース132の故障起因情報に対応するデータがない場合(ステップA6のNO)、又は、ステップA7の後、予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110は、取得した修理結果情報において、c判断情報データベース133の故障起因情報(
図5のc−1〜3)に対応するデータがあるか否かを判断する(
図13のステップA8)。c判断情報データベース133の故障起因情報に対応するデータがない場合(ステップA8のNO)、c判断情報データベース133に対する累積処理を行わずに、ステップA10に進む。
【0077】
c判断情報データベース133の故障起因情報に対応するデータがある場合(ステップA8のYES)、予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110は、c判断情報データベース133に対して、取得した修理結果情報における装置の部品に係る故障起因情報の累積処理を行う(
図13のステップA9)。
【0078】
c判断情報データベース133の故障起因情報に対応するデータがない場合(ステップA8のNO)、又は、ステップA9の後、予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110は、取得した修理結果情報において、d判断情報データベース134の故障起因情報(
図6のd−1〜2)に対応するデータがあるか否かを判断する(
図14のステップA10)。d判断情報データベース134の故障起因情報に対応するデータがない場合(ステップA10のNO)、d判断情報データベース134に対する累積処理を行わずに、ステップA12に進む。
【0079】
d判断情報データベース134の故障起因情報に対応するデータがある場合(ステップA10のYES)、予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110は、d判断情報データベース134に対して、取得した修理結果情報における装置の部品に係る故障起因情報の累積処理を行う(
図14のステップA11)。
【0080】
d判断情報データベース134の故障起因情報に対応するデータがない場合(ステップA10のNO)、又は、ステップA11の後、予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110は、取得した修理結果情報において、e判断情報データベース135の故障起因情報(
図7のe−1)に対応するデータがあるか否かを判断する(
図14のステップA12)。e判断情報データベース135の故障起因情報に対応するデータがない場合(ステップA12のNO)、e判断情報データベース135に対する累積処理を行わずに、ステップA14に進む。
【0081】
e判断情報データベース135の故障起因情報に対応するデータがある場合(ステップA12のYES)、予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110は、e判断情報データベース135に対して、取得した修理結果情報における装置の部品に係る故障起因情報の累積処理を行う(
図14のステップA13)。
【0082】
e判断情報データベース135の故障起因情報に対応するデータがない場合(ステップA12のNO)、又は、ステップA13の後、予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110は、取得した修理結果情報において、f判断情報データベース136の故障起因情報(
図8のf−1〜3)に対応するデータがあるか否かを判断する(
図14のステップA14)。f判断情報データベース136の故障起因情報に対応するデータがない場合(ステップA14のNO)、f判断情報データベース136に対する累積処理を行わずに、ステップA16に進む。
【0083】
f判断情報データベース136の故障起因情報に対応するデータがある場合(ステップA14のYES)、予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110は、f判断情報データベース136に対して、取得した修理結果情報における装置の部品に係る故障起因情報の累積処理を行う(
図14のステップA15)。
【0084】
f判断情報データベース136の故障起因情報に対応するデータがない場合(ステップA14のNO)、又は、ステップA15の後、予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110は、取得した修理結果情報において、g判断情報データベース137の故障起因情報(
図9のg−1〜3)に対応するデータがあるか否かを判断する(
図14のステップA16)。g判断情報データベース137の故障起因情報に対応するデータがない場合(ステップA16のNO)、g判断情報データベース137に対する累積処理を行わずに、ステップA18に進む。
【0085】
g判断情報データベース137の故障起因情報に対応するデータがある場合(ステップA16のYES)、予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110は、g判断情報データベース137に対して、取得した修理結果情報における装置の部品に係る故障起因情報の累積処理を行う(
図14のステップA17)。
【0086】
g判断情報データベース137の故障起因情報に対応するデータがない場合(ステップA16のNO)、又は、ステップA17の後、予防保守指示装置100の修理結果累積処理部110は、累積処理したa〜g判断情報データベース131〜137の故障起因情報と第1〜第7判断情報との対応付け処理を行い(
図14のステップA18)、その後、終了する。
【0087】
実施形態1に係る予防保守指示システムにおける予防保守指示装置の所定量判定処理部の動作について図面を用いて説明する。
図15〜
図20は、実施形態1に係る予防保守指示システムにおける予防保守指示装置の所定量判定処理部の動作を模式的に示したフローチャート図である。なお、予防保守指示システムの構成部については
図1〜
図12を参照されたい。
【0088】
まず、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、修理結果累積処理部110での処理(ステップA1〜A18)が終了すると、a〜g判断情報データベース131〜137の故障起因情報別の所定量判定処理を開始する(
図15のステップB1)。
【0089】
次に、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、a判断情報データベース131の故障起因情報(
図3のa−1〜a−5)毎の所定量判定処理を開始する(
図15のステップB2)。
【0090】
次に、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、a判断情報データベース131において、対応する装置の部品に係る故障起因情報「a−1:障害種類」のデータが、予め設定された所定量以上となっているか否かを判定する(
図15のステップB3)。例えば、a判断情報データベース131において、装置Aの部品aの同一の「a−1:障害種類」(例えば、起動障害)の件数をカウントし、カウントした件数が、所定量(例えば、5件)以上になったか否かを判定する。所定量以上となっていない場合(ステップB3のNO)、所定量判定テーブル138にデータを追加処理することなく、ステップB5に進む。
【0091】
所定量以上となっている場合(ステップB3のYES)、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、対応する装置(例えば、A)の部品(例えば、a)に係る故障起因情報「a−1:障害種類」のデータ(例えば、起動障害)を、所定量判定テーブル138に追加処理する(
図15のステップB4)。
【0092】
ここで、ステップB4での所定量判定テーブル138への追加処理は、所定量判定テーブル138において、ステップB3の判定条件を満たす装置名(例えば、A)、部品名(例えば、a)、故障起因情報「a−1:障害種類」のデータ(例えば、起動障害)が既に格納されている場合はステップB5に進む。格納されていない場合であって、所定量判定テーブル138において、ステップB3の判定条件を満たす装置名(例えば、A)及び部品名(例えば、a)に係る故障起因情報「a−1:障害種類」の空欄があれば、当該空欄にステップB3の判定条件を満たす故障起因情報「a−1:障害種類」のデータ(例えば、起動障害)を入力する。また、格納されていない場合であって、ステップB3の判定条件を満たす装置名(例えば、A)及び部品名(例えば、a)に係る故障起因情報「a−1:障害種類」の空欄がなければ、互いに対応する新たな「装置」、「部品」、「故障起因情報」(a−1〜5、b−1〜2、c−1〜3、d−1〜2、e−1、f−1〜3、g−1〜3)の欄を設け、対応する欄に、ステップB3の判定条件を満たす装置名(例えば、A)、部品名(例えば、a)、故障起因情報「a−1:障害種類」のデータ(例えば、起動障害)を入力する。なお、ステップB4での所定量判定テーブル138への追加処理は、故障起因情報のデータ内容を除いて、ステップB6、B8、B10、B12、B15、B17、B20、B22、B24、B27、B29、B32、B35、B37、B39、B42、B44、B46の追加処理に適用することができる。
【0093】
所定量以上となっていない場合(ステップB3のNO)、又は、ステップB4の後、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、a判断情報データベース131において、対応する装置の部品に係る故障起因情報「a−2:故障パターン」のデータが、予め設定された所定量以上となっているか否かを判定する(ステップB5)。例えば、a判断情報データベース131において、装置Aの部品aの同一の「a−2:故障パターン」(例えば、動作不良)の件数をカウントし、カウントした件数が、所定量(例えば、3件)以上になったか否かを判定する。所定量以上となっていない場合(ステップB5のNO)、所定量判定テーブル138にデータを追加処理することなく、ステップB7に進む。
【0094】
所定量以上となっている場合(ステップB5のYES)、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、対応する装置(例えば、A)の部品(例えば、a)に係る故障起因情報「a−2:故障パターン」のデータ(例えば、動作不良)を、所定量判定テーブル138に追加処理する(
図15のステップB6)。
【0095】
所定量以上となっていない場合(ステップB5のNO)、又は、ステップB6の後、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、a判断情報データベース131において、対応する装置の部品に係る故障起因情報「a−3:稼働時間」のデータが、予め設定された所定量以上となっているか否かを判定する(
図15のステップB7)。例えば、a判断情報データベース131において、装置Aの部品dに係る「a−3:稼働時間」のデータが所定量(例えば8760H;「H」は時間)以上であり、かつ、当該所定量以上の件数が別の所定量(例えば5件)以上になっているか否かを判定する。所定量以上となっていない場合(ステップB7のNO)、所定量判定テーブル138にデータを追加処理することなく、ステップB9に進む。
【0096】
所定量以上となっている場合(ステップB7のYES)、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、対応する装置の部品に係る故障起因情報「a−3:稼働時間」のデータ(例えば、対応する稼働時間のうち最小のデータ、平均値)を、所定量判定テーブル138に追加処理する(
図15のステップB8)。
【0097】
所定量以上となっていない場合(ステップB7のNO)、又は、ステップB8の後、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、a判断情報データベース131において、対応する装置の部品に係る故障起因情報「a−4:周囲温度」のデータが、予め設定された所定量以上となっているか否かを判定する(
図16のステップB9)。所定量以上となっていない場合(ステップB9のNO)、所定量判定テーブル138にデータを追加処理することなく、ステップB11に進む。
【0098】
所定量以上となっている場合(ステップB9のYES)、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、対応する装置の部品に係る故障起因情報「a−4:周囲温度」のデータ(周囲温度の平均値でも可)を、所定量判定テーブル138に追加処理する(
図16のステップB10)。
【0099】
所定量以上となっていない場合(ステップB9のNO)、又は、ステップB10の後、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、a判断情報データベース131において、対応する装置の部品に係る故障起因情報「a−5:部品温度」のデータが、予め設定された所定量以上となっているか否かを判定する(
図16のステップB11)。所定量以上となっていない場合(ステップB11のNO)、所定量判定テーブル138にデータを追加処理することなく、ステップB13に進む。
【0100】
所定量以上となっている場合(ステップB11のYES)、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、対応する装置の部品に係る故障起因情報「a−5:部品温度」のデータ(部品温度の平均値でも可)を、所定量判定テーブル138に追加処理する(
図16のステップB12)。
【0101】
所定量以上となっていない場合(ステップB11のNO)、又は、ステップB12の後、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、b判断情報データベース132の故障起因情報(
図4のb−1〜2)毎の所定量判定処理を開始する(
図16のステップB13)。
【0102】
次に、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、b判断情報データベース132において、対応する装置の部品に係る故障起因情報「b−1:経過時間」のデータが、予め設定された所定量以上となっているか否かを判定する(
図16のステップB14)。所定量以上となっていない場合(ステップB14のNO)、所定量判定テーブル138にデータを追加処理することなく、ステップB16に進む。
【0103】
所定量以上となっている場合(ステップB14のYES)、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、対応する装置の部品に係る故障起因情報「b−1:経過時間」のデータ(経過時間の平均値でも可)を、所定量判定テーブル138に追加処理する(
図16のステップB15)。
【0104】
所定量以上となっていない場合(ステップB14のNO)、又は、ステップB15の後、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、b判断情報データベース132において、対応する装置の部品に係る故障起因情報「b−2:使用回数」のデータが、予め設定された所定量以上となっているか否かを判定する(
図16のステップB16)。所定量以上となっていない場合(ステップB16のNO)、所定量判定テーブル138にデータを追加処理することなく、ステップB18に進む。
【0105】
所定量以上となっている場合(ステップB16のYES)、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、対応する装置の部品に係る故障起因情報「b−2:使用回数」のデータ(使用回数の平均値でも可)を、所定量判定テーブル138に追加処理する(
図16のステップB17)。
【0106】
所定量以上となっていない場合(ステップB16のNO)、又は、ステップB17の後、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、c判断情報データベース133の故障起因情報(
図5のc−1〜3)毎の所定量判定処理を開始する(
図17のステップB18)。
【0107】
次に、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、c判断情報データベース133において、対応する装置の部品に係る故障起因情報「c−1:部品ロット」のデータが、予め設定された所定量以上となっているか否かを判定する(
図17のステップB19)。例えば、故障した装置の部品の同一の製造期間(番号体)の同一の部品ロットのものの数量をカウントし、カウントした数量が所定量(例えば3件)以上となっているか否かを判定する。所定量以上となっていない場合(ステップB19のNO)、所定量判定テーブル138にデータを追加処理することなく、ステップB21に進む。
【0108】
所定量以上となっている場合(ステップB19のYES)、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、対応する装置(例えば、A)の部品(例えば、a)に係る故障起因情報「c−1:部品ロット」のデータ(例えば、A123)を、所定量判定テーブル138に追加処理する(
図17のステップB20)。
【0109】
所定量以上となっていない場合(ステップB19のNO)、又は、ステップB20の後、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、c判断情報データベース133において、対応する装置の部品に係る故障起因情報「c−2:製造保証期間」のデータが、予め設定された所定量以上となっているか否かを判定する(
図17のステップB21)。例えば、故障した装置の部品の製造日からの期間が保証期間以上のものの数量をカウントし、カウントした数量が所定量(例えば3件)以上となっているか否かを判定する。所定量以上となっていない場合(ステップB21のNO)、所定量判定テーブル138にデータを追加処理することなく、ステップB23に進む。
【0110】
所定量以上となっている場合(ステップB21のYES)、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、対応する装置(例えば、A)の部品(例えば、a)に係る故障起因情報「c−2:製造保証期間」のデータ(例えば、5年)を、所定量判定テーブル138に追加処理する(
図17のステップB22)。
【0111】
所定量以上となっていない場合(ステップB21のNO)、又は、ステップB22の後、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、c判断情報データベース133において、対応する装置の部品に係る故障起因情報「c−3:経過期間」のデータが、予め設定された所定量以上となっているか否かを判定する(
図17のステップB23)。例えば、故障した装置の部品の製造保証期間が経過した日からの期間が経過期間以上のものの数量をカウントし、カウントした数量が所定量(例えば3件)以上となっているか否かを判定する。所定量以上となっていない場合(ステップB23のNO)、所定量判定テーブル138にデータを追加処理することなく、ステップB25に進む。
【0112】
所定量以上となっている場合(ステップB23のYES)、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、対応する装置(例えば、A)の部品(例えば、a)に係る故障起因情報「c−3:経過期間」のデータ(例えば、5年、経過期間の平均値でも可)を、所定量判定テーブル138に追加処理する(
図17のステップB24)。
【0113】
所定量以上となっていない場合(ステップB23のNO)、又は、ステップB24の後、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、d判断情報データベース134の故障起因情報(
図6のd−1〜2)毎の所定量判定処理を開始する(
図17のステップB25)。
【0114】
次に、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、d判断情報データベース134において、対応する装置に係る故障起因情報「d−1:製造ロット」のデータが、予め設定された所定量以上となっているか否かを判定する(
図18のステップB26)。例えば、故障した装置の部品の同一の製造期間(番号体)の同一の製造ロットのものの数量をカウントし、カウントした数量が所定量(例えば5件)以上となっているか否かを判定する。所定量以上となっていない場合(ステップB26のNO)、所定量判定テーブル138にデータを追加処理することなく、ステップB28に進む。
【0115】
所定量以上となっている場合(ステップB26のYES)、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、対応する装置(例えば、A)に係る故障起因情報「d−1:製造ロット」のデータ(例えば、A0911xxx)を、所定量判定テーブル138に追加処理する(
図18のステップB27)。
【0116】
所定量以上となっていない場合(ステップB26のNO)、又は、ステップB27の後、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、d判断情報データベース134において、対応する装置に係る故障起因情報「d−2:REV」のデータが、予め設定された所定量以上となっているか否かを判定する(
図18のステップB28)。例えば、故障した装置の部品に係る同一の製造期間(番号体)の同一の製造ロットのものの数量をカウントし、カウントした数量が所定量(例えば5件)以上となっているか否かを判定する。所定量以上となっていない場合(ステップB28のNO)、所定量判定テーブル138にデータを追加処理することなく、ステップB30に進む。
【0117】
所定量以上となっている場合(ステップB28のYES)、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、対応する装置(例えば、A)に係る故障起因情報「d−2:REV」のデータ(例えば、A15.)を、所定量判定テーブル138に追加処理する(
図18のステップB29)。
【0118】
所定量以上となっていない場合(ステップB28のNO)、又は、ステップB29の後、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、e判断情報データベース135の故障起因情報(
図7のe−1)の所定量判定処理を開始する(
図18のステップB30)。
【0119】
次に、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、e判断情報データベース135において、対応する装置の部品に係る故障起因情報「e−1:故障環境」のデータが、予め設定された所定量以上となっているか否かを判定する(
図18のステップB31)。例えば、故障した装置の部品の同一の故障環境(場所でも可)のものの数量をカウントし、カウントした数量が所定量(例えば3件)以上となっているか否かを判定する。所定量以上となっていない場合(ステップB31のNO)、所定量判定テーブル138にデータを追加処理することなく、ステップB33に進む。
【0120】
所定量以上となっている場合(ステップB31のYES)、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、対応する装置の部品に係る故障起因情報「e−1:故障環境」のデータ(例えば、水害)を、所定量判定テーブル138に追加処理する(
図18のステップB32)。
【0121】
所定量以上となっていない場合(ステップB31のNO)、又は、ステップB32の後、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、f判断情報データベース136の故障起因情報(
図8のf−1〜3)毎の所定量判定処理を開始する(
図18のステップB33)。
【0122】
次に、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、f判断情報データベース136において、対応する装置の部品に係る故障起因情報「f−1:発生年月日」のデータが、予め設定された所定量以上となっているか否かを判定する(
図19のステップB34)。例えば、故障した装置の部品の同一の障害発生月のものの数量をカウントし、カウントした数量が所定量(例えば10件)以上となっているか否かを判定する。所定量以上となっていない場合(ステップB34のNO)、所定量判定テーブル138にデータを追加処理することなく、ステップB36に進む。
【0123】
所定量以上となっている場合(ステップB34のYES)、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、対応する装置の部品に係る故障起因情報「f−1:発生年月日」のデータ(例えば、月)を、所定量判定テーブル138に追加処理する(
図19のステップB35)。
【0124】
所定量以上となっていない場合(ステップB34のNO)、又は、ステップB35の後、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、f判断情報データベース136において、対応する装置の部品に係る故障起因情報「f−2:設置年」のデータが、予め設定された所定量以上となっているか否かを判定する(
図19のステップB36)。例えば、故障した装置の部品に係る同一の設置年のものの数量をカウントし、カウントした数量が所定量(例えば10件)以上となっているか否かを判定する。所定量以上となっていない場合(ステップB36のNO)、所定量判定テーブル138にデータを追加処理することなく、ステップB38に進む。
【0125】
所定量以上となっている場合(ステップB36のYES)、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、対応する装置の部品に係る故障起因情報「f−2:設置年」のデータ(例えば、2002年)を、所定量判定テーブル138に追加処理する(
図19のステップB37)。
【0126】
所定量以上となっていない場合(ステップB36のNO)、又は、ステップB37の後、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、f判断情報データベース136において、対応する装置の部品に係る故障起因情報「f−3:地域」のデータが、予め設定された所定量以上となっているか否かを判定する(
図19のステップB38)。例えば、故障した装置の部品の同一の地域のものの数量をカウントし、カウントした数量が所定量(例えば10件)以上となっているか否かを判定する。所定量以上となっていない場合(ステップB38のNO)、所定量判定テーブル138にデータを追加処理することなく、ステップB40に進む。
【0127】
所定量以上となっている場合(ステップB38のYES)、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、対応する装置の部品に係る故障起因情報「f−3:地域」のデータ(例えば、愛知県)を、所定量判定テーブル138に追加処理する(
図19のステップB39)。
【0128】
所定量以上となっていない場合(ステップB38のNO)、又は、ステップB39の後、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、g判断情報データベース137の故障起因情報(
図9のg−1〜3)毎の所定量判定処理を開始する(
図19のステップB40)。
【0129】
次に、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、g判断情報データベース137において、対応する装置の部品に係る故障起因情報「g−1:稼働状況」のデータが、予め設定された所定量以上となっているか否かを判定する(
図19のステップB41)。例えば、故障した装置の部品に係る同一の稼働状況のものの数量をカウントし、カウントした数量が所定量(例えば5件)以上となっているか否かを判定する。所定量以上となっていない場合(ステップB41のNO)、所定量判定テーブル138にデータを追加処理することなく、ステップB43に進む。
【0130】
所定量以上となっている場合(ステップB41のYES)、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、対応する装置の部品に係る故障起因情報「g−1:稼働状況」のデータ(例えば、稼働停止)を、所定量判定テーブル138に追加処理する(
図19のステップB42)。
【0131】
所定量以上となっていない場合(ステップB41のNO)、又は、ステップB42の後、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、g判断情報データベース137において、対応する装置の部品に係る故障起因情報「g−2:稼働時間」のデータが、予め設定された所定量以上となっているか否かを判定する(
図20のステップB43)。所定量以上となっていない場合(ステップB43のNO)、所定量判定テーブル138にデータを追加処理することなく、ステップB45に進む。
【0132】
所定量以上となっている場合(ステップB43のYES)、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、対応する装置の部品に係る故障起因情報「g−2:稼働時間」のデータ(稼働時間の平均値でも可)を、所定量判定テーブル138に追加処理する(
図20のステップB44)。
【0133】
所定量以上となっていない場合(ステップB43のNO)、又は、ステップB44の後、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、g判断情報データベース137において、対応する装置の部品に係る故障起因情報「g−3:停止日数」のデータが、予め設定された所定量以上となっているか否かを判定する(
図20のステップB45)。例えば、故障した装置の部品の停止時間が所定時間(例えば、7日間)以上のものの数量をカウントし、カウントした数量が所定量(例えば10件)以上となっているか否かを判定する。所定量以上となっていない場合(ステップB45のNO)、所定量判定テーブル138にデータを追加処理することなく、終了する。
【0134】
所定量以上となっている場合(ステップB45のYES)、予防保守指示装置100の所定量判定処理部111は、対応する装置の部品に係る故障起因情報「g−3:停止日数」のデータ(停止日数の平均値でも可)を、所定量判定テーブル138に追加処理し(
図20のステップB46)、その後、終了する。
【0135】
実施形態1に係る予防保守指示システムにおける予防保守指示装置の予防交換部品指示処理部の動作について図面を用いて説明する。
図21〜
図23は、実施形態1に係る予防保守指示システムにおける予防保守指示装置の予防交換部品指示処理部の動作を模式的に示したフローチャート図である。なお、予防保守指示システムの構成部については
図1〜
図12を参照されたい。
【0136】
まず、予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112は、保守対象装置(図示せず)の予防保守受付情報を取得する(
図21のステップC1)。
【0137】
ここで、予防保守受付情報は、装置名、ユーザ名を含む。予防保守受付情報の取得は、保守作業者が予防保守受付情報を作業者端末300に入力(例えば、定期巡回保守点検直前に入力)し、入力された予防保守受付情報を作業者端末300から予防保守指示装置100に送信することによって取得してもよく、予防保守指示装置100の入力部103から予防保守受付情報を入力することによって取得してもよく、プログラム及びデータベース(例えば、装置名、ユーザ名、定期巡回スケジュール等を含むデータベース)を用いて定期的(例えば、定期巡回保守点検直前)に予防保守受付情報を取得するようにしてもよい。また、保守対象装置の障害発生時に予防保守受付情報を取得しても構わない。
【0138】
次に、予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112は、取得した予防保守受付情報を予防保守受付データベース139に追加処理する(
図21のステップC2)。
【0139】
次に、予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112は、取得した予防保守受付情報に含まれた装置について、所定量判定テーブル138において対応する装置があるか否かを確認する(
図21のステップC3)。対応する装置がない場合(ステップC3のNO)、予防交換部品の判定を開始しないで終了する。
【0140】
対応する装置がある場合(ステップC3のYES)、予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112は、予防交換部品の判定を開始する(
図21のステップC4)。
【0141】
次に、予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112は、取得した予防保守受付情報に含まれた装置について、予防交換部品の判定に必要なデータ(故障起因情報に対応する情報)を要求する(
図21のステップC5)。
【0142】
ここで、予防交換部品の判定に必要なデータを要求は、予防保守受付情報を作業者端末300から取得した場合は作業者端末300に対して要求(送信、出力、表示等)し、予防保守受付情報を予防保守指示装置100の入力部103から取得した場合は予防保守指示装置100の出力部104を用いて要求(出力、表示等)するようにしてもよい。
【0143】
また、予防交換部品の判定に必要なデータは、所定量判定テーブル138における、対応する装置の故障起因情報(a−1〜5、b−1〜2、c−1〜3、d−1〜2、e−1、f−1〜3、g−1〜3のいずれか)の項目について検査、調査したデータであり、例えば、予防保守受付情報に含まれた装置が装置Aである場合、
図10の所定量判定テーブル138におけるa〜g判断情報データベース131〜137に分類し表記している装置Aの部品a、bの故障起因情報a−1、2、5、c−1〜3、d−1、2、f−1、g−1、3の項目について検査、調査した情報とすることができる。
【0144】
次に、予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112は、予防交換部品の判定に必要なデータを取得する(
図21のステップC6)。
【0145】
ここで、予防交換部品の判定に必要なデータの取得は、予防交換部品の判定に必要なデータの要求に応じて、保守作業者が対応する保守対象装置を検査、調査して予防交換部品の判定に必要なデータを収集し、収集された予防交換部品の判定に必要なデータを作業者端末300に入力し、入力された予防交換部品の判定に必要なデータを作業者端末300から予防保守指示装置100に送信することによって取得してもよく、あるいは、予防保守指示装置100の入力部103から、収集された予防交換部品の判定に必要なデータを入力することによって取得してもよい。
【0146】
次に、予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112は、所定量判定テーブル138において、取得した予防交換部品の判定に必要なデータが、対応する故障起因情報a−1〜5のいずれかに係る所定量以上となっている部品(予防交換部品)があるか否かを判定する(
図21のステップC7)。所定量以上となっている部品がない場合(ステップC7のNO)、ステップC9に進む。
【0147】
所定量以上となっている部品がある場合(ステップC7のYES)、予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112は、対応する装置の部品を交換部品として予防交換判定テーブル140に追加処理する(
図21のステップC8)。
【0148】
所定量以上となっている部品がない場合(ステップC7のNO)、又は、ステップC8の後、予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112は、所定量判定テーブル138において、取得した予防交換部品の判定に必要なデータが、対応する故障起因情報b−1〜2のいずれかに係る所定量以上となっている部品(予防交換部品)があるか否かを判定する(
図21のステップC9)。所定量以上となっている部品がない場合(ステップC9のNO)、ステップC11に進む。
【0149】
所定量以上となっている部品がある場合(ステップC9のYES)、予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112は、対応する装置の部品を交換部品として予防交換判定テーブル140に追加処理する(
図21のステップC10)。
【0150】
ここで、ステップC10での追加処理は、既に追加されている交換部品と異なる交換部品については追加し、同じ交換部品については追加しないように処理することである(ステップC12、14、16、18、20でも同様)。
【0151】
所定量以上となっている部品がない場合(ステップC9のNO)、又は、ステップC10の後、予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112は、所定量判定テーブル138において、取得した予防交換部品の判定に必要なデータが、対応する故障起因情報c−1〜3のいずれかに係る所定量以上となっている部品(予防交換部品)があるか否かを判定する(
図22のステップC11)。所定量以上となっている部品がない場合(ステップC11のNO)、ステップC13に進む。
【0152】
所定量以上となっている部品がある場合(ステップC11のYES)、予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112は、対応する装置の部品を交換部品として予防交換判定テーブル140に追加処理する(
図22のステップC12)。
【0153】
所定量以上となっている部品がない場合(ステップC11のNO)、又は、ステップC12の後、予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112は、所定量判定テーブル138において、取得した予防交換部品の判定に必要なデータが、対応する故障起因情報d−1〜2のいずれかに係る所定量以上となっている部品(予防交換部品)があるか否かを判定する(
図22のステップC13)。所定量以上となっている部品がない場合(ステップC13のNO)、ステップC15に進む。
【0154】
所定量以上となっている部品がある場合(ステップC13のYES)、予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112は、対応する装置の部品を交換部品として予防交換判定テーブル140に追加処理する(
図22のステップC14)。
【0155】
所定量以上となっている部品がない場合(ステップC13のNO)、又は、ステップC14の後、予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112は、所定量判定テーブル138において、取得した予防交換部品の判定に必要なデータが、対応する故障起因情報e−1に係る所定量以上となっている部品(予防交換部品)があるか否かを判定する(
図22のステップC15)。所定量以上となっている部品がない場合(ステップC15のNO)、ステップC17に進む。
【0156】
所定量以上となっている部品がある場合(ステップC15のYES)、予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112は、対応する装置の部品を交換部品として予防交換判定テーブル140に追加処理する(
図22のステップC16)。
【0157】
所定量以上となっている部品がない場合(ステップC15のNO)、又は、ステップC16の後、予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112は、所定量判定テーブル138において、取得した予防交換部品の判定に必要なデータが、対応する故障起因情報f−1〜3のいずれかに係る所定量以上となっている部品(予防交換部品)があるか否かを判定する(
図22のステップC17)。所定量以上となっている部品がない場合(ステップC17のNO)、ステップC19に進む。
【0158】
所定量以上となっている部品がある場合(ステップC17のYES)、予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112は、対応する装置の部品を交換部品として予防交換判定テーブル140に追加処理する(
図22のステップC18)。
【0159】
所定量以上となっている部品がない場合(ステップC17のNO)、又は、ステップC18の後、予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112は、所定量判定テーブル138において、取得した予防交換部品の判定に必要なデータが、対応する故障起因情報g−1〜3のいずれかに係る所定量以上となっている部品(予防交換部品)があるか否かを判定する(
図23のステップC19)。所定量以上となっている部品がない場合(ステップC19のNO)、ステップC21に進む。
【0160】
所定量以上となっている部品がある場合(ステップC19のYES)、予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112は、対応する装置の部品を交換部品として予防交換判定テーブル140に追加処理する(
図23のステップC20)。
【0161】
なお、ここでは、a判断情報に係る故障起因情報(a−1〜5)からg判断情報に係る故障起因情報(g−1〜3)の順に判定しているが、a〜g判断情報に係る故障起因情報に優先順位を付けて判定してもよい。
【0162】
所定量以上となっている部品がない場合(ステップC19のNO)、又は、ステップC20の後、予防保守指示装置100の予防交換部品指示処理部112は、追加処理された予防交換判定テーブル140に基づいて、対応する装置の予防交換部品(複数でも可)を含む予防保守指示情報を生成し、生成された予防保守指示情報を通知し(
図23のステップC21)、その後、終了する。
【0163】
ここで、予防保守指示情報の通知は、予防交換部品の判定に必要なデータを作業者端末300から取得した場合は作業者端末300に対して通知(送信、出力、表示等)し、予防交換部品の判定に必要なデータを予防保守指示装置100の入力部103から取得した場合は予防保守指示装置100の出力部104を用いて通知(出力、表示等)するようにしてもよい。予防保守指示情報を参照して、作業を行うことができる。
【0164】
実施形態1に係る予防保守指示システムにおける予防保守指示装置の予防交換部品指示処理部の個別の部品での具体的な予防保守判定動作について説明する。
【0165】
[温度が寿命や障害発生に影響を与える部品の場合]
障害内容は、温度起因(予め定められた動作温度以上の環境での装置の稼働)による寿命短縮や動作劣化によって発生する障害である。本判定で使用する故障起因情報は、温度、累積稼働時間、及び、予め定めた部品の3つである。保守対象装置の温度が部品毎に設定された温度起因障害を発生する温度以上であり、かつ、累積稼働時間が部品毎に設定された温度起因障害を発生する時間以上であり、かつ、予め定めた部品が含まれているときに、温度起因の障害を起こす予め定めた部品を交換する指示を行う。
【0166】
ここで、温度は、周囲温度から、温度起因の障害を起こす部品(予め定めた部品)の温度を推測する。部品の温度(部品搭載部分の温度)は、容易に測定できる周囲温度を使って、以下の手順で推定する。周囲温度と、稼働時の各部品の基板等の搭載位置の温度と、の対応表を作成し、当該対応表に基づいて、計測されている周囲温度から搭載位置での部品の推定温度(もしくは、実験的に周囲温度から稼働時の各部品毎の搭載温度を求めた過去データから求めた実験式を使って、計測されている周囲温度から搭載位置での部品の推定温度)を出す。温度毎、累積稼働時間毎の各部品の故障起因情報が、予め設定された所定量以上となった場合、その部品(その部品を含む基板でも可)を予防交換する指示を行う。
【0167】
電子部品の所定量であれば、アレニウスモデルが知られており、これは、寿命Tの自然対数値ln(T)が、絶対温度tの逆数1/tに比例する。温度毎の故障発生時間を実験や過去故障データからln(T)と1/tの傾きを最小二乗法を用いて求め、その温度下での経過時間(累積稼働時間)から当該電子デバイスの故障発生率を求めることができる。したがって、予め設定された所定量以上となった部品がある場合は、当該電子部品を交換する予防保守指示(部品交換指示)を行う。
【0168】
[コンデンサの場合]
障害内容は、前記の温度が寿命や障害発生に影響を与える部品の場合と同様であり、さらに、コンデンサの破裂や容量抜け(容量消失)も障害となる。原因は、使用時間(累積動作時間)、コンデンサの温度(温度)である。本判定で使用する故障起因情報は、温度、累積稼働時間、及び、予め定めたコンデンサの3つである。保守対象装置の温度が部品毎に設定された障害を発生する温度以上であり、かつ、累積稼働時間が部品毎に設定された障害を発生する時間以上であり、かつ、予め定めたコンデンサが含まれているときに、組み込まれている部品の予め定めた温度起因の障害を起こす部品を交換する指示を行う。
【0169】
[センサの場合]
障害内容は、動作不良、動作ランプ不点灯である。原因は、例えば、センサ電気回路故障(通電時間や温度によるもの)、光学センサの場合は窓の汚れや曇り(細かい塵埃のある環境とその環境下での経過時間による)である。本判定で使用する故障起因情報は、温度、通電時間(累積稼働時間でも可)、環境、及び、予め定めた部品の4つである。保守対象装置の予め定めたコンデンサが含まれており、かつ、温度が部品毎に設定された障害を発生する温度以上であり、かつ、通電時間が部品毎に設定された障害を発生する時間以上であるときに、予め定めたコンデンサを交換する指示を行う。また、保守対象装置の予め定めたコンデンサが含まれており、かつ、環境が部品毎に設定された障害を発生する環境と一致するときにも、予め定めたコンデンサを交換する指示を行う。
【0170】
[IC部品の場合]
障害内容は、動作不良(IC動作検査機により判断)、動作異常(出力信号が異常等)である。原因は、例えば、導通不良(端子部等接触不良、端子部等腐食、例えば、塩分を含んだ環境とその環境下での経過時間)である。本判定で使用する故障起因情報は、通電時間(累積稼働時間でも可)、環境、及び、予め定めたIC部品の3つである。保守対象装置の通電時間が部品毎に設定された障害を発生する時間以上であり、かつ、予め定めたIC部品が含まれているときに、予め定めたIC部品を交換する指示を行う。また、環境が部品毎に設定された障害を発生する環境と一致し、かつ、予め定めたIC部品が含まれているときにも、予め定めたIC部品を交換する指示を行う。
【0171】
[ROM(Read Only Memory)の場合]
障害内容は、読み出したデータが所定値と異なる場合である。原因は、書き込み、読み出し不良(サージ電流を吸収するコンデンサの劣化等による過電圧、通電時間、稼働開始からの経過時間等)である。本判定で使用する故障起因情報は、温度、累積稼働時間、及び、予め定めたROMの3つである。ROMに係る判定の内容は、コンデンサに係る判定と同様である。保守対象装置の温度が、部品毎に設定された障害を発生する温度以上であり、かつ、累積稼働時間が、部品毎に設定された障害を発生する時間以上であり、かつ、予め定めたROMが含まれているときに、予め定めたROMと、その障害の原因と成ったコンデンサと、を交換する指示を行う。
【0172】
[電気抵抗器の場合]
障害内容は、抵抗値規格値とのずれ、抵抗器外れ、抵抗器脱落である。原因は、接触不良(経年劣化、すなわち、累積稼働時間)、抵抗器外れ又は脱落(受けた振動や衝撃であるが、計測が難しい為、抵抗器外れや脱落の障害を引き起こす所定量以上の振動や衝撃を受ける機会は、累積稼働時間に比例するとし、累積稼働時間とする)、他の電子部品の劣化等(他の電子部品の劣化等による過電圧、ショートによる過電圧が発生し、電気的接続の切れで、通電時間、温度による)である。本判定で使用する故障起因情報は、温度、通電時間(累積稼働時間でも可)、及び、予め定めた電気抵抗器の3つである。保守対象装置の温度が部品毎に設定された障害を発生する温度以上であり、かつ、通電時間が部品毎に設定された障害を発生する時間以上であり、かつ、予め定めた電気抵抗器が含まれているときに、予め定めた電気抵抗器を交換する指示を行う。
【0173】
[バックアップ2次電池の場合]
障害内容は、電池容量低下(放電可能電力量が減る、すなわち、所定電圧値以上の放電時間が減少する)である。原因は、所定の充放電回数超過による劣化や寿命(充放電回数、もしくは、製造時点からの累積稼働時間)、電池の製造不良による寿命の短縮(所定時間放電後の電圧値が所定値以下、ここで、所定値は、劣化が所定時間経過後に、予め定めた性能や規格を下回ると見込まれる値)である。本判定で使用する故障起因情報は、累積稼働時間、所定時間放電後の電圧値、及び、予め定めた2次電池の3つである。保守対象装置の累積稼働時間が部品毎に設定された障害を発生する時間以上であり、かつ、予め定めた2次電池が含まれているときに、予め定めた2次電池を交換する指示を行う。また、所定時間放電後の電圧値が部品毎に設定された予め定めた所定値以下であり、かつ、予め定めた2次電池が含まれているときにも、予め定めた2次電池を交換する指示を行う。
【0174】
[バックアップ1次電池の場合]
障害内容は、出力電圧異常(低下、もしくは、放電状態)である。原因は、時間経過による寿命(製造時点からの経過時間)、バックアップ電池液漏れ(温度と所定温度以上の経過時間)である。本判定で使用する故障起因情報は、製造時期、温度、累積稼働時間、及び、予め定めた部品の4つである。保守対象装置の製造時が部品毎に設定された障害を発生する時点以前であり、かつ、予め定めた1次電池が含まれているときに、予め定めた1次電池を交換する指示を行う。また、温度が部品毎に設定された温度起因障害を発生する温度以上であり、かつ、累積稼働時間が、部品毎に設定された温度起因障害を発生する時間以上であり、かつ、予め定めた1次電池が含まれているときにも、予め定めた1次電池を交換する指示を行う。
【0175】
[機構部品の場合]
障害内容は、動作不良(摩耗やグリス等の潤滑剤切れ、塵埃環境下における摺動部の損傷)、不動作、動作が途中で停止、潤滑剤不良(潤滑剤は、高温の場合、粘度が低下し、周りに広がり、潤滑が必要な部分で潤滑剤量が不足、低温の場合、粘度が上がり、潤滑の効果が減少する)である。原因は、摩耗(累積稼働時間)、グリス等の潤滑剤切れ(累積稼働時間)、塵埃環境下における摺動部の傷(塵埃環境)、ゴム部品の劣化(硬化など)、汚れ付着(塵埃環境、製造後経過時間)、ベルト部品の劣化(硬化、摩擦力低下によるすべり、断裂、ひび割れ、破損、張力不足によるすべり、ベルトはずれ、製造後経過時間)、使用周囲温度である。本判定で使用する故障起因情報は、累積稼働時間、製造後経過時間、温度、環境、及び、予め定めた機構部品の5つである。保守対象装置の累積稼働時間が部品毎に設定された障害を発生する時間以上であり、かつ、予め定めた機構部品が含まれているときに、予め定めた機構部品を交換する指示を行う。また、製造後経過時間が、部品毎に設定された障害を発生する時間以上であり(製造時が、部品毎に設定された障害を発生する時点以前の場合でもよい)、かつ、予め定めた機構部品が含まれているときにも、予め定めた機構部品を交換する指示を行う。また、累積稼働時間が部品毎に設定された障害を発生する時間以上であり、かつ、温度が所定温度範囲外であり、かつ、予め定めた機構部品が含まれているときにも、予め定めた機構部品を交換する指示を行う。さらに、環境が所定以上の塵埃環境であり、かつ、予め定めた機構部品が含まれているときにも、予め定めた機構部品を交換する指示を行う。
【0176】
[製造時点からの経過時間より障害が発生する部品(例えば、保証期間が設定されている部品の場合)]
障害内容は、製造時点からの経過時間により、寿命を迎えたことによる障害、製造後保証期間(構成部品中の部品の保証期間、設計寿命があり、そのユニット中で最も短い寿命期間でもよい)後の障害である。本判定で使用する故障起因情報は、累積稼働時間、寿命時間もしくは製造後保証期間、及び、予め定めた部品の3つである。保守対象装置の製造後経過時間が、部品毎に設定された寿命時間又は製造後保証期間以上であり、かつ、予め定めた部品が含まれているときに、予め定めた部品(当該部品を含むユニット、装置でも可)を交換する指示を行う。
【0177】
[製造ロット不良による障害を起こす部品の場合]
判断情報は、装置情報と製造ロットである。障害は、障害の原因は不明な場合であっても、特定の製造ロットに、他の製造ロットより多く発生する障害である。製造ロットと同様の識別情報として、シリアル番号、回路基板レビジョン(REV、バージョン)、型番等を用いてもよい。製造ロットとは、一時期に製造した、製造方法等を変えず集中して製造した等の、ひとまとまりの製品群である。製造からの経過時間により、障害が多発する経過時間を超えたら、当該部品(当該部品を含むユニット、製品でも可)そのものを予防交換する指示を行う。具体的には、障害が多発する経過時間は、予め得ることはできないので、製造ロット障害の有無や、障害発生時期のデータの収集を行いながら、同じ製造ロットに同一の障害が、所定割合以上となった場合、その製造ロットの障害を発生する部品の交換の指示を行う。本判定で使用する故障起因情報は、製造ロット、障害内容の2つである。同じ製造ロットでの同一の障害の発生が所定割合となったとき、その障害箇所、障害発生部品を予防交換する指示を行う。なお、製造ロット障害も、データ数が所定数以上に成ってから、製造ロット障害有無を判断するのでもよい。また、同一の製造ロットに発生する、障害種類毎に、前記所定割合の値を変えてもよい。
【0178】
[環境により障害を起こす部品の場合]
判断情報は、装置情報と環境情報である。場所等の環境起因の寿命短縮による、予防交換を指示する。環境情報の例は、以下の通りである。
【0179】
・水侵入可能性のある環境。例えば、雨ざらしの場合等
水侵入と水侵入の程度による故障(ショート等の原因)。
水による腐食で故障。
【0180】
・海に近い場所
塩害による腐食で故障。
【0181】
・所定の温度や湿度以上の環境
温度による劣化は前記と同じ。
湿度による障害発生は、前記、水による腐食と同じ。
【0182】
・電圧変動環境(発電機による電力供給)
電圧変動による誤動作等。
【0183】
・所定以上の最大加速度である振動環境下
電気接触部切れや接触不良や稼働部に傷発生による動作不良。
ハードディスクのデータ読み書き不良(読み書きヘッド損傷等)。
【0184】
所定条件(装置情報から、ショート、腐食、による障害が発生する部品、が有るか否かのデータベースを予め用意しておき、当該部品と実装情報、実際は、装置情報のみで、当該部品有無と水侵入や腐食による障害が発生する可能性が分かるので、装置情報とその環境下での経過時間情報)から、装置情報と環境情報が一致し、かつ、その環境下での経過時間が各項目毎予め定めた時間以上であるときに、当該部品(当該部品を含むユニット、装置でも可)を予防交換指示する。
【0185】
本判定で使用する故障起因情報は、装置情報、環境、当該環境下での経過時間の3つである。装置情報と環境情報が一致し、その環境下での経過時間が各項目毎予め定めた時間以上であるときに、当該部品(当該部品を含むユニット、装置でも可)を予防交換する指示を行う。
【0186】
[季節等の時期により障害を発生する部品の場合]
判断情報は、装置情報と、季節もしくは(暦)月情報と、各パラメータでの障害発生率である。これらが所定値以上の相関値となった場合、年間中の時期と発生する障害内容(障害部品)を紐付けて登録しておく。障害内容は、天候、湿度、温度、等、季節要因と相関が有る障害である。装置情報と季節等の時期が一致し、かつ、設置経過時間が所定の時間以上となったときに、その障害部品を予防交換する指示を行う。本判定で使用する故障起因情報は、装置情報、年間中の時期、当該環境下での経過時間の3つである。装置情報と年間中の時期が一致し、かつ、その環境下での経過時間が各項目毎予め定めた時間以上であるときに、当該部品(当該部品を含むユニット、装置でも可)を予防交換する指示を行う。
【0187】
実施形態1によれば、取得した予防交換部品の判定に必要なデータに基づいて予防保守で交換すべき部品を的確に選定することができ、選定された部品を事前に交換することで予防保守後の装置の障害発生率を低減することができる。また、実施形態1によれば、取得した修理結果情報が増えれば、予防保守判定の精度を上げることができる。
【0188】
[実施形態2]
実施形態2に係る予防保守指示装置について図面を用いて説明する。
図24は、実施形態2に係る予防保守指示装置の構成を模式的に示したブロック図である。
図25は、実施形態2に係る予防保守指示装置で用いられる所定量判定テーブルの構成を模式的に示した図である。
【0189】
予防保守指示装置100は、予防保守を指示する装置(ハードウェア)である(
図24参照)。予防保守指示装置100は、取得部106と、通知部107と、記憶部105と、制御部102と、を備える。
【0190】
取得部106は、データを取得する機能部である。取得部106として、例えば、データを入力する入力部、データを受信する通信部とすることができる。取得部106は、制御部102で情報処理されたデータを取得してもよい。
【0191】
通知部107は、データを通知する機能部である。通知部107として、例えば、データを出力する出力部、データを表示する表示部、データを送信する通信部とすることができる。
【0192】
記憶部105は、データを記憶する機能部である。記憶部105は、所定量判定テーブル138を記憶する。所定量判定テーブル138は、過去に修理された装置に係る装置名、装置の修理で故障と判断された部品に係る部品名、及び、部品について予防保守が必要か否かの判定基準となる所定量、を対応付けて格納するテーブルである。
【0193】
制御部102は、取得部106、通知部107及び記憶部105を制御するとともに、所定の情報処理を行う機能部である。制御部102は、予防保守のために交換する部品を指示する予防交換部品指示処理部112を有する。
【0194】
予防交換部品指示処理部112は、取得部106を通じて、保守対象装置(図示せず)に係る装置名を含む予防保守受付情報を取得する処理を行う。予防交換部品指示処理部112は、所定量判定テーブル138において、取得した予防保守受付情報に含まれた装置名に対応する装置名があるか否かを判定する処理を行う。予防交換部品指示処理部112は、対応する装置名があるときに、通知部107を通じて、予防交換部品の判定に必要なデータを要求する処理を行う。予防交換部品指示処理部112は、取得部106を通じて、予防交換部品の判定に必要なデータを取得する処理と、取得した予防交換部品の判定に必要なデータが、取得した予防保守受付情報に含まれた装置名に対応する所定量判定テーブル138における所定量以上である部品があるか否かを判定する処理を行う。予防交換部品指示処理部112は、所定量以上である部品があるときに、通知部107を通じて、対応する装置の部品の交換を指示する予防保守指示情報を通知する処理を行う。
【0195】
実施形態2に係る予防保守指示装置の予防交換部品指示処理部の動作について図面を用いて説明する。
図26は、実施形態2に係る予防保守指示装置の予防交換部品指示処理部の動作を模式的に示したフローチャート図である。なお、予防保守指示装置の構成については、
図24を参照されたい。
【0196】
まず、予防交換部品指示処理部112は、保守対象装置(図示せず)に係る装置名を含む予防保守受付情報を取得する(ステップD1)。
【0197】
次に、予防交換部品指示処理部112は、所定量判定テーブル138において、取得した予防保守受付情報に含まれた装置名に対応する装置名があるか否かを判定する(ステップD2)。対応する装置名がない場合(ステップD2のNO)、終了する。
【0198】
対応する装置名がある場合(ステップD2のYES)、予防交換部品指示処理部112は、保守作業者に対して、予防交換部品の判定に必要なデータを要求する(ステップD3)。
【0199】
次に、予防交換部品指示処理部112は、保守作業者から、予防交換部品の判定に必要なデータを取得する(ステップD4)。
【0200】
次に、予防交換部品指示処理部112は、取得した予防交換部品の判定に必要なデータが、取得した予防保守受付情報に含まれた装置名に対応する前記所定量判定テーブルにおける所定量以上である部品があるか否かを判定する(ステップD5)。所定量以上である部品がない場合(ステップD5のNO)、終了する。
【0201】
所定量以上である部品がある場合(ステップD5のYES)、予防交換部品指示処理部112は、保守作業者に対して、対応する装置の部品の交換を指示する予防保守指示情報を通知し(ステップD6)、その後、終了する。
【0202】
実施形態2によれば、過去に修理された装置のデータに基づく所定量判定テーブル138を用いて部品について予防保守が必要か否かを判定することにより、予防保守で交換すべき部品を的確に選定することができ、予防保守後の装置の障害発生率を低減することができる。
【0203】
(付記)
本発明では、前記第1の視点に係る予防保守指示装置の形態が可能である。
【0204】
前記第1の視点に係る予防保守指示装置において、前記記憶部は、故障した保守対象装置に係る装置名、部品名、故障起因情報を格納することが可能な判断情報データベースを記憶する。前記制御部は、修理結果累積処理部と、所定量判定処理部と、を有する。前記修理結果累積処理部は、保守対象装置を修理したときの装置名、部品名、故障起因情報のデータを含む修理結果情報を取得する処理と、取得した前記修理結果情報において、前記判断情報データベースの故障起因情報に対応するデータがあるか否かを判断する処理と、故障起因情報に対応するデータがあるときに、前記判断情報データベースに対して、取得した前記修理結果情報における装置名、部品名、故障起因情報のデータをそれぞれ装置名、部品名、所定量として累積する処理と、を行う。前記所定量判定処理部は、前記判断情報データベースにおいて、対応する装置の部品に係る故障起因情報のデータが、予め設定された所定量以上となっているか否かを判定する処理と、前記所定量以上となっているときに、対応する装置の部品に係る故障起因情報のデータを、前記所定量判定テーブルに追加処理する処理と、を行う。
【0205】
前記第1の視点に係る予防保守指示装置において、前記故障起因情報は、障害種類、故障パターン、稼働時間、周囲温度、部品温度、経過時間、使用回数、部品ロット、製造保証期間、経過期間、製造ロット、レビジョン、故障環境、発生年月日、設置時間、地域、稼働状況、稼働時間、停止日数のいずれかである。
【0206】
前記第1の視点に係る予防保守指示装置において、前記所定量判定処理部は、前記所定量以上となっているか否かを判定する処理において、対応する装置の部品の同一の故障起因情報の件数をカウントし、カウントした件数が、前記所定量以上になっているか否かを判定する。
【0207】
前記第1の視点に係る予防保守指示装置において、前記所定量判定処理部は、前記所定量以上となっているか否かを判定する処理において、前記所定量以上となっているデータの件数をカウントし、カウントした件数が、さらに別の所定量以上になっているか否かを判定する。
【0208】
前記第1の視点に係る予防保守指示装置において、前記取得部は、データを入力する入力部である。前記通知部は、データを出力する出力部である。前記予防交換部品指示処理部は、前記予防保守受付情報を取得する処理において、前記入力部で入力された予防保守受付情報を取得する。
【0209】
前記第1の視点に係る予防保守指示装置において、前記予防交換部品指示処理部は、前記予防保守受付情報を取得する処理において、プログラム及びデータベースを用いて定期的に予防保守受付情報を取得する。
【0210】
本発明では、前記第2の視点に係る予防保守指示システムの形態が可能である。
【0211】
本発明では、前記第3の視点に係る予防保守指示方法の形態が可能である。
【0212】
本発明では、前記第4の視点に係るプログラムの形態が可能である。
【0213】
なお、上記の特許文献の開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択(必要により不選択)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、本願に記載の数値及び数値範囲については、明記がなくともその任意の中間値、下位数値、及び、小範囲が記載されているものとみなされる。