(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
以下、実施形態にかかる防音装置1について、添付図面を参照して説明する。まず、
図1〜
図5を参照して第1実施形態について説明する。
図4に示すように、防音装置1は、エレベータの巻上機3に冷却風を送風する送風機4に設けられている。
図5に示すように、巻上機3はエレベータの建屋5の機械室7に設置されており、籠8及びカウンターウエイト9が取り付けられたロープ10を巻き上げて、籠8を昇降する。
図1及び4に示すように、送風機4は、ブロワ(駆動機器)11と、ブロワ11を駆動するモータ(駆動機器)13を有し、モータ13はブロワ11のファンを駆動して、ブロワ11の吸込口17(
図1参照)から吸い込んだ空気を送風ダクト15(
図4参照)を介して巻上機3に冷却風を送風する。
図1に示すように、モータ13には、ブロワ11と反対側の端部(以下「後端部」という)13aにモータ13の内部を冷却する冷却孔(図示せず)が形成されている。
【0009】
図1及び
図3に示すように、防音装置1は、ブロワ吸気カバー(カバー)21及びモータカバー(カバー)23と、一対のフレーム25、25と、ボルト27とを備えている。
ボルト27はブロワ吸気カバー21の下端部と一対のフレーム25、25とを連結する。また、ボルト27はモータカバー23の下端部と一対のフレーム25、25とを連結する。
ブロワ吸気カバー21及びモータカバー23は、一例として、略同一形状であり、夫々立方体形状を成していてもよい。ブロワ吸気カバー21及びモータカバー23は、下端が開口している。ブロワ吸気カバー21及びモータカバー23の各内面に、防音材を貼付してもよく、防音材を貼付することで、より効果的に防音効果を奏することができる。防音材としては、例えばスポンジ状の防音シートである。
ブロワ吸気カバー21には、ブロワ11の吸込口17が挿入されるブロワ用開口29(
図3参照)が形成されている。
モータカバー23には、モータ13の後端部13aが挿入されるモータ用開口31(
図3参照)が形成されている。
ブロワ吸気カバー21はブロワ11の吸気孔17を被覆するようにフレーム25に支持され、駆動機器たるブロア11に装着されることなる。
モータカバー23はモータ13の端部13aに設けられた冷却孔を被覆するようにフレーム25に支持され、駆動機器たるモータ13に装着されることなる。
図3及び
図4に示すように、ブロワ吸気カバー21及びモータカバー23には、各正面及び裏面側に取手33が設けてある。尚、
図1では、取手33、後述する吸気ダクト49及びガイド45を固定するボルト・ナット47は省略している。
【0010】
図1及び
図3に示すように、ブロワ吸気カバー21及びモータカバー23の各下端部にはフレーム25との装着部35が形成されている。装着部35は、ブロワ吸気カバー21及びモータカバー23で同じ構成であるから、ブロワ吸気カバー21の装着部35のみを説明し、モータカバー23の装着部35の説明は省略する。
図1及び
図2に示すように、装着部35は、一対のフレーム25、25の位置に対応して、ブロワ吸気カバー21の正面と裏面とに設けてある。装着部35は、水平方向に長い2つの溝37a、37bであり、ブロワ吸気カバー21の下端に形成されている。各溝37a、37bの一端部(フレーム25の端側の端部)にはボルト27の軸27aが係止する係止部41が形成されており、溝37a、37bの他端部には下向きに開口する開口部43が形成されている。係止部41は略半円形状を成している。
装着部35の内側にはフレーム25に載置すると共にフレーム25に対するブロワ吸気カバー21の移動を案内するガイド45がボルト・ナット47(
図2参照)で固定されている。ガイド45はアングル材であり、装着部35に亘って水平方向に長く設けてある。
【0011】
また、
図2及び
図3に示すように、ブロワ吸気カバー21には、吸気ダクト49が取り付けてある。吸気ダクト49はブロワ11の吸込口17(
図1(a)参照)から取り込む空気を案内するものであり、一対のフレーム25、25間に配置されており、下端及び上端が開口されている。
【0012】
図1及び
図3に示すように、一対のフレーム25、25には、長手方向略中央に送風機取付部51が設けてあり、送風機4のブロワ11(
図1(a)参照)側にブロワ吸気カバー21が送風機4のモータ13(
図1(a)参照)側にモータカバー23が配置されている。取付部51に送風機4が取り付けられる。
図1(b)及び
図2(b)に示すように、各フレーム25は、アングル材であり、アングルの一側を下側に向け、他側を互いに対向する側に向けて配置されている。各フレーム25の一側には、所定の位置にボルト27の軸27aを挿通する挿通孔53が形成されている。挿通孔53には、ボルト27の軸27aが螺合するねじ溝が形成されていても良いし、ねじ溝を形成しないで、ボルト27をナットでフレーム25に固定しても良い。
【0013】
次に、
図1を参照して、防音装置1におけるブロワ吸気カバー21とモータカバー23の脱着について説明するが、モータカバー23の脱着はブロワ吸気カバー21の脱着と同じであるから、以下の説明ではブロワ吸気カバー21の脱着について説明する。
ブロワ吸気カバー21が一対のフレーム25、25に固定された状態では、ボルト27はブロワ吸気カバー21の溝37a、37bの係止部41で締め付けられている。
例えば、送風機4の保守点検時等において、ブロワ吸気カバー21をフレーム25、25から外すときには、ボルト27、27を緩め、ブロワ吸気カバー21を矢印Sで示すように水平方向にスライドし、ボルト27、27の位置を各溝37a、37bの係止部41から開口部43側になるように移動する。
これにより、ブロワ吸気カバー21はブロワ用開口29(
図3参照)がブロワ11の吸込口17から外れるので、そのままブロワ吸気カバー21を持ち上げて、緩めたボルト27,27を残したまま一対のフレーム25、25から外す。
【0014】
ブロワ吸気カバー21をフレーム25、25に固定するときには、ブロワ吸気カバー21のブロワ用開口29(
図3参照)が送風ダクト15の吸込口17から離れた位置で、ブロワ吸気カバー21を上からフレーム25、25に配置する。これにより、ガイド45が各フレーム25、25に載置される。このとき、各フレーム25、25に取り付けてあるボルト27、27の軸27aが、溝37a、37bの開口部43に位置するようする。
次に、ブロワ吸気カバー21をフレーム25、25の長手方向中央に向けて矢印Sと反対方向にスライドし、溝37a、37bの開口部43に位置していたボルト27、27の軸27aを係止部41に当接させる。これにより、ブロワ用開口29に送風ダクト15の吸込口17が挿入される。
その後、ボルト27、27を締め付ける。
【0015】
次に、防音装置1の作用効果について説明する。
図1及び
図4に示すように、ブロワ11の吸込口17にブロワ吸気カバー21を被せ、モータ13の後端部13aにモータカバー23を被せているので、ブロワ11及びモータ13等の駆動機器の防音を図ることができる。
図1に示すように、ブロワ吸気カバー21及びモータカバー23には、それぞれ、ボルト27の軸27aが相対的に移動自在な溝37a、37bが形成されていると共に溝37a、37bには、一端部にボルト27の軸27aが係止する係止部41が形成されており、他端部には下方に開口する開口部43が形成されているので、ボルト27を緩めてブロワ吸気カバー21及びモータカバー23を溝37a、37bに沿ってスライドさせるだけで、ボルト27をフレーム25に残したままブロワ吸気カバー21及びモータカバー23を容易に外すことができる。
また、ブロワ吸気カバー21及びモータカバー23を装着するときには、それぞれ、緩めた状態のボルト27の軸27aを各開口部43から溝37a、37bに挿入するようにブロワ吸気カバー21及びモータカバー23のガイド45をそれぞれフレーム25、25に載置し、次に各カバー21、23を水平にスライドして、ボルト27の軸27aを溝37a、37bの係止部41に位置させた後、ボルト27を締め付けるだけで済むから、各カバー21、23を容易に取付けることができる。
このように、本実施形態にかかる防音装置1によれば、ブロワ吸気カバー21及びモータカバー23の脱着時にボルト27を緩めたり締め付けたりするだけで済み、ボルト27を外したり取り付けたりする必要がないので、ブロワ吸気カバー21及びモータカバー23の脱着が容易にできる。
【0016】
ブロワ吸気カバー21及びモータカバー23の各装着部35には、離れた位置に2つの溝37a、37bが形成されており、各溝37a、37bにはボルト27の係止部41や開口部43が設けてあるから、溝37a又は37bが一つだけの場合に比較して、ブロワ吸気カバー21及びモータカバー23を安定した状態で脱着できる。
ブロワ吸気カバー21及びモータカバー23には、ガイド45が設けてあり、ガイド45をフレーム25に仮置きした状態で、フレーム25、25に対してスライドできるから、ブロワ吸気カバー21及びモータカバー23の位置の調整や脱着操作時のスライドがし易い。
【0017】
ブロワ吸気カバー21には、吸気ダクト49が設けてあるので、ブロワ11の吸込口17から吸い込まれる空気の流れをスムーズにでき、防音効果をより高めることができる。
【0018】
(第2実施形態)
以下に本発明の他の実施形態を説明するが、以下に説明する実施形態において、上述した第1実施形態と同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付することによりその部分の詳細な説明を省略し、以下の説明では第1実施形態と主に異なる点を説明する。
図6に第2実施形態にかかる防音装置1を示す。この第2実施形態では、ブロワ吸気カバー21の装着部35には、一方に上述した溝37bが設けてあり、他方には溝37aに代えて長穴55が形成されていることが、第1実施形態と異なっている。
この第2実施形態によれば、ブロワ吸気カバー21を外すときには、溝37b及び長穴55の係止部41からボルト27の軸27aを外す位置にブロワ吸気カバー21をスライドさせてブロワ11の吸込口17(
図1(a)参照)から外した後、
図6に矢印Fで示すように、ボルト27の軸27aを支点として、回転させることで、ブロワ吸気カバー21をフレーム25、25に掛けたまま、ブロワ11の吸込口17側から外し、ブロワ11の吸込口17側を開放することができる。
ブロワ吸気カバー21を装着するときには、ボルト27の軸27aを支点として、ブロワ吸気カバー21を矢印Fと反対方向に回転し、各ガイド45を一対のフレーム25、25に載せ、水平方向にスライドさせてブロワ11の吸込口17に被せた後、ボルト27を締め付ける。
【0019】
この第2実施形態によっても、ブロワ吸気カバー21の脱着時にボルト27を緩めたり締め付けたりするだけで済み、ボルト27を外したり取り付けたりする必要がないので、ブロワ吸気カバー21の脱着が容易にできる。
更に、ブロワ吸気カバー21の脱着時には、ブロワ吸気カバー21をフレーム25、25から取り外さなくて済むので、送風機4(
図1(a)参照)の保守点検時に外したブロワ吸気カバー21の置き場を不要にできる。
【0020】
上述した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、装着部35の溝37a、37bはこれらの2つに限らず、3つ設けても良いし、一つのみであっても良い。
第2実施形態では、ブロワ吸気カバー21を例に説明したが。モータカバー23にも同様に適用しても良い。
ブロワ吸気カバー21及びモータカバー23の形状は、略立方体形状に限らず、直方体や円筒等の他の形状であっても良く、形状は限定されない。
また、一対のフレーム25、25にはブロワ吸気カバー21及びモータカバー23の2つのカバーを設けることに限らず、いずれか一方のカバーのみを設けてもよい。また、カバーは、ブロワやモータに限らず、その他の駆動機器を装着するものであっても良い。
ガイド45はアングル材に限らず、角パイプや板材であっても良いし、ピンを列状に配置しても良い。
【解決手段】 下端が開口して駆動機器に装着されるカバーと、カバーの下端側に設けてカバーを支持する一対のフレームと、フレームとカバーの下端とを連結するボルトとを備え、フレームにはボルトの軸を挿通する挿入孔が形成されており、カバーにはその下端部にボルトの軸が相対的に移動自在な溝が形成されており、溝は一端部に前記ボルトの軸が係止する係止部を有し、溝の他端部には下方に開口する開口部が形成されている。