特許第6673627号(P6673627)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6673627
(24)【登録日】2020年3月9日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】商品販売システム
(51)【国際特許分類】
   A47F 1/10 20060101AFI20200316BHJP
【FI】
   A47F1/10
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-189232(P2019-189232)
(22)【出願日】2019年10月16日
【審査請求日】2019年10月31日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000213493
【氏名又は名称】中野冷機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088720
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞一
(72)【発明者】
【氏名】篠塚 賢一
【審査官】 村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2019/130779(WO,A1)
【文献】 特開2001−331859(JP,A)
【文献】 特開昭50−044000(JP,A)
【文献】 特開平09−106476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 1/00〜 3/14
A47F 10/00〜10/06
G07F 9/00〜11/72
E04H 3/02
E04H 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ショーケース本体の内部に設けられた商品陳列部と、
前記ショーケース本体の一方の側面に設けられ、前記商品陳列部内の商品を取り出し可能な商品取出し部と、
前記ショーケース本体の他方の側面側に設けられ、前記商品陳列部内の商品を購入するために選択する機能と選択した商品の代金支払いを決済する機能とを備えた無人購入制御部と、
前記ショーケース本体内に設けられ、前記無人購入制御部により駆動されて選択された商品を搬送する搬送装置と、
前記ショーケース本体の前記他方の側面側に設けられ、前記搬送装置により搬送された商品を取り出し可能な商品取出し口と、を備えたショーケースを有し、
前記ショーケースが設置され、前記ショーケース本体の前記一方の側面と対向する領域であってレジを備えたセルフ販売領域と、
前記レジに店員がいる昼間時間帯は開放されて客が前記セルフ販売領域に出入りすることを許容するとともに、前記レジに店員がいない夜間時間帯は閉鎖されて客が前記セルフ販売領域に出入りすることを禁止する出入り口と、を有し、
前記ショーケース本体の前記他方の側面は、客が歩行可能な領域であって前記セルフ販売領域以外の領域に面していることを特徴とする商品販売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売する商品が陳列されるショーケースを用いた商品販売システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、24時間営業のスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗が普及している。このような店舗では、客が選択した商品を店員がレジにおいて販売するセルフ販売方式を採用していることが一般的である。しかし、このようなセルフ販売方式によれば、客が少なくなる夜間の時間帯においても店員が勤務している必要があり、店員の確保が大変であるとともに人件費が増大するという問題がある。
【0003】
一方、下記特許文献1、2に記載された自動販売装置が知られている。特許文献1に記載された自動販売装置は、前下がりに傾斜して商品が載置される棚と、棚の最前部に位置する商品取出し手段と、棚の前方に昇降可能に位置する昇降装置とを有し、昇降装置を購入しようとする商品が陳列されている棚の前方に移動させ、商品取出し手段を駆動させることにより商品を昇降装置の上に移動させ、商品が載せられた昇降装置を下降させることにより商品を商品取出し口に移動させている。また、特許文献2に記載された自動販売装置は、前下がりに傾斜した商品陳列棚に陳列されている商品を商品落下機構によりコンベア上に落下させ、落下した商品をコンベアにより商品取出し口まで搬送させている。このような自動販売装置による自動販売方式によれば、24時間営業が可能であるとともに、全ての営業時間中に店員が不要である点において大きなメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭50−44000号公報
【特許文献2】特開平09−106476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2に記載された装置による自動販売方式では、陳列されている商品を客が手に取ってみることができない。このため、客は購入しようとする商品の産地や重量や加工日付等のデータを確認することが難しく、果物や野菜等においては新鮮さを客にアピールして購買意欲を高めることが難しい。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、24時間営業をする場合において、夜間時間帯は、店員の確保が難しく人件費が高くなるという問題を解決できる自動販売方式に切り替えることができ、店員がいる昼間時間帯は内部に陳列されている商品を客が手に取って産地や重量や加工日付等の確認を行うことを容易にして購買意欲を増大させることができるセルフ販売方式に切り替えることができるショーケース及びこのショーケースを用いた商品販売システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る商品販売システムは、ショーケース本体の内部に設けられた商品陳列部と、 前記ショーケース本体の一方の側面に設けられ、前記商品陳列部内の商品を取り出し可能な商品取出し部と、前記ショーケース本体の他方の側面側に設けられ、前記商品陳列部内の商品を購入するために選択する機能と選択した商品の代金支払いを決済する機能とを備えた無人購入制御部と、前記ショーケース本体内に設けられ、前記無人購入制御部により駆動されて選択された商品を搬送する搬送装置と、前記ショーケース本体の前記他方の側面側に設けられ、前記搬送装置により搬送された商品を取り出し可能な商品取出し口と、を備えたショーケースを有し、前記ショーケースが設置され、前記ショーケース本体の前記一方の側面と対向する領域であってレジを備えたセルフ販売領域と、前記レジに店員がいる昼間時間帯は開放されて客が前記セルフ販売領域に出入りすることを許容するとともに、前記レジに店員がいない夜間時間帯は閉鎖されて客が前記セルフ販売領域に出入りすることを禁止する出入り口と、を有し、前記ショーケース本体の前記他方の側面は、客が歩行可能な領域であって前記セルフ販売領域以外の領域に面していることを特徴とする。
【0008】
また、前記無人購入制御部は、使用可能状態と使用不可能状態とに切換可能である。
【0009】
本発明に係る商品販売システムは、請求項1又は2記載のショーケースと、前記ショーケースが設置され、前記一方の側面と対向する領域であってレジを備えたセルフ販売領域と、前記レジに店員がいる昼間時間帯は開放されて客が前記セルフ販売領域に出入りすることを許容するとともに、前記レジに店員がいない夜間時間帯は閉鎖されて客が前記セルフ販売領域に出入りすることを禁止する出入り口と、を有し、前記他方の側面は、客が歩行可能な領域であって前記セルフ販売領域以外の領域に面している。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る商品販売システムは、請求項1又は2記載のショーケースが設置され、ショーケース本体の一方の側面と対向する領域であってレジを備えたセルフ販売領域を有し、レジに店員がいる昼間時間帯は開放されて客がセルフ販売領域に出入りすることを許容するとともに、レジに店員がいない夜間時間帯は閉鎖されて客がセルフ販売領域に出入りすることを禁止する出入り口を有する。このため、レジに店員がいる昼間時間帯には、客は開放されている出入り口からセルフ販領域内に入り、商品陳列部内の商品を商品取出し口から取出し、レジへ持っていってセルフ方式で購入することができる。また、ショーケースの本体の他方の側面は、客が歩行可能な領域であってセルフ販売領域以外の領域に面しており、この他方の側面側に無人購入制御部と商品取出し口とを有するので、客は、セルフ販売領域に入らない位置から無人購入制御部を操作し、購入したい商品を搬送装置によって商品取出し口まで搬送させることができ、レジに店員がいない夜間時間帯であっても商品陳列部内の商品を購入することができる。そして、夜間営業する場合における店員の確保が困難である点、及び、人件費が高くなる点についても解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】商品版売システムの全体構成を示す平面図である。
図2】ショーケースを商品取出し部が設けられているセルフ販売領域側から見た正面図である。
図3】ショーケースを透明板や無人購入制御部が設けられている側から見た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態について、図面に基いて説明する。図1は、本発明の商品販売システムの全体構成を示す平面図である。本発明の商品販売システムにおいては、矩形状の壁1に囲まれた領域がセルフ販売領域2とされている。このセルフ販売領域2には、商品が陳列される複数の商品陳列棚3と、レジ4と、ショーケース5とが設置されている。なお、ショーケース5は、壁1の一部を貫通した状態で設置されている。
【0015】
この商品販売システムにおいては、レジ4に店員がいる昼間時間帯は開放されて客がセルフ販売領域2に出入りすることを許容するとともに、レジ4に店員がいない夜間時間帯は閉鎖されて客がセルフ販売領域2に出入りすることを禁止する出入り口6が設けられている。
【0016】
ショーケース5は、枠状のショーケース本体7を有し、ショーケース本体7の内部には、商品が陳列される商品陳列部8と、客によって選択された商品を搬送する搬送装置9とが設けられている。
【0017】
壁1を貫通した状態で設置されているショーケース本体7の一方の側面は、セルフ販売領域2に対向している。また、ショーケース本体7における壁1の外側に位置している他方の側面は、客が歩行可能な領域であってセルフ販売領域2以外の領域、例えば、歩道等に面している。
【0018】
図2は、ショーケース5をセルフ販売領域2から見た正面図である。ショーケース本体7におけるセルフ販売領域2と対向する一方の側面側には、左右方向にスライド可能な商品取出し部である複数枚のスライド扉10が設けられている。セルフ販売領域2内にいる客は、スライド扉10をスライドさせて開放することにより、その開放部分から商品陳列部8内の商品を取り出すことができる。
【0019】
図3は、壁1を貫通して設置されているショーケース5を壁1の外側から見た正面図である。ショーケース本体7における壁1の外側に位置している他方の側面には、商品陳列部8内の商品を視認可能な透明板11が設けられている。なお、この透明板11に代えて、商品陳列部8に陳列されている商品の写真や絵を表面に表示した商品表示板を使用してもよい。
【0020】
さらに、ショーケース本体7における透明板11が設けられている側面側には、無人購入制御部12と、商品取出し口13とが設けられている。そして、透明板10と商品陳列部8との間に搬送装置9が配置されている。
【0021】
搬送装置9は、ショーケース5内の下側に位置して透明板11の内面に沿って左右方向に移動する走行体15を備えており、この走行体15には上方に延出する支柱16が設けられている。支柱16には、上下方向にスライド駆動されるとともに前後方向に駆動されて商品陳列部8に陳列されている商品をピッキングするピッキング部17が設けられている。なお、走行体15の左右方向への移動は、例えば、走行体15に設けられた車輪を駆動させることにより行うことができ、さらに、左右方向に延出するレール14を設けることによりスムースに移動させることができる。
【0022】
無人購入制御部12は、客が商品陳列部8内の商品を購入するためにその商品を選択する機能や選択した商品の代金の支払いを決済する機能を備えた装置であり、タッチパネルや現金投入口等を備えている。この無人購入制御部12での操作により、搬送装置9が駆動されるようになっている。
【0023】
また、この無人購入制御部12は、使用可能状態と使用不可能状態とに切換可能に設けられている。具体的には、レジ4に店員がいてショーケース5がセルフ販売用として用いられる昼間時間帯の場合には、無人購入制御部12はオフとされて使用不可能状態となっている。一方、レジ4に店員がおらずにショーケース5が自動販売用として用いられる夜間時間帯の場合には、無人購入制御部12はオンとされて使用可能状態となっている。
【0024】
商品取出し口13は、無人購入制御部12の下方に配置されており、搬送装置9により搬送された商品を取り出せる構成とされている。
【0025】
このような構成において、この商品販売システムにおいては、ショーケース5をセルフ販売用として使用する場合と、ショーケース5を自動販売用として使用する場合とに切換えることができる。
【0026】
ショーケース5をセルフ販売用として使用するのは、レジ4に店員がいる昼間時間帯であり、この時間帯は出入り口6が開放されており、客は出入り口6を通ってセルフ販売領域2に出入り可能となっている。そして、客は、スライド扉10を開放して商品陳列部8の商品を取り出し、又は、商品陳列棚3の商品を取り出し、それらの商品をレジ4へ持っていってセルフ方式で購入することができる。
【0027】
一方、ショーケース5を自動販売用として使用するのは、レジ4に店員がいない夜間時間帯であり、この時間帯は出入り口9が閉鎖され、客は出入り口6を通ってセルフ販売領域2に出入りすることが禁止されている。
【0028】
ショーケース5を自動販売用として使用する場合には、客は、無人購入制御部12において、購入する商品を選択する操作、選択した商品の代金支払いの決済操作等を行う。これらの操作が終了することにより、搬送装置9が作動し、選択した商品が搬送装置9により商品取出し口13まで搬送され、客は選択した商品を商品取出し口13から取り出すことができる。
【0029】
このようにして、本発明のショーケース5は、レジ4に店員がいる昼間時間帯においては客が商品陳列部8内の商品を自ら取り出すことができるセルフ販売用のショーケースとして使用することができ、また、レジ4に店員がいない夜間時間帯においては自動販売用のショーケースとして使用することができる。
【0030】
したがって、昼間時間帯においては、客は購入しようとする商品の産地や重量や加工日付等のデータ、その商品の新鮮さを確認することができ、客の購買意欲を促進することができる。
【0031】
一方、夜間時間帯においては、客は、無人購入制御部12を操作することにより、商品陳列部8に陳列されている商品を購入することができる。このため、客が少なくなる夜間において、店員の人件費増大を抑えながら客の購入要望に応えることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 壁
2 セルフ販売領域
3 商品陳列棚
4 レジ
5 ショーケース
6 出入り口
7 ショーケース本体
8 商品陳列部
9 搬送装置
10 スライド扉(商品取出し部)
11 透明板
12 無人購入制御部
13 商品取出し口
14 レール
15 走行体
16 支柱
17 ピッキング部
【要約】
【課題】レジに店員がいる昼間時間帯はセルフ販売用として使用でき、レジに店員がいない夜間時間帯は自動販売用として使用できるショーケースを提供する。
【解決手段】ショーケース本体7の内部に設けられた商品陳列部8と、ショーケース本体7の一方の側面に設けられ、商品陳列部8内の商品を取り出し可能な商品取出し部10と、ショーケース本体7の他方の側面側に設けられ、商品陳列部8内の商品を購入するために選択する機能と選択した商品の代金支払いを決済する機能とを備えた無人購入制御部12と、ショーケース本体7内に設けられ、無人購入制御部12により駆動されて選択された商品を搬送する搬送装置9と、ショーケース本体7の他方の側面側に設けられ、搬送装置9により搬送された商品を取り出し可能な商品取出し口と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3