(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記配線パッド部の内側に配置され、前記配線パッド部、前記第2絶縁膜、前記第1絶縁膜、前記バッファ層を貫通して前記基板の上面を露出させる凹溝をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のアレイ基板。
前記凹パターンの少なくとも一部は、前記複数個の配線ライン部のうち最外郭に配置される配線ライン部の外側に配置されることを特徴とする請求項4に記載のアレイ基板。
前記バッファ層は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸窒化ケイ素から成る群から選択された何れか一つ以上を含んで成ることを特徴とする請求項1、3、4、7、8のいずれか一項に記載のアレイ基板。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の利点及び特徴、これらを達成する方法は、添付する図面と共に詳細に後述する実施形態において明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現されるものであり、本実施形態は、単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範囲によってのみ定義される。
【0021】
素子(elements)または層が、他の素子または層の「上(on)」と指称された場合、他の素子のすぐ上に存在する場合や、間に別の層または別の素子が介在する場合のすべてを含む。明細書全体において、同一の参照符号は同一の構成要素を指称する。
【0022】
第1、第2などが多様な素子や構成要素を叙述するために使用されるが、これらの素子や構成要素は、これらの用語によって限定されないのはいうまでもない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素でありうることは勿論である。
【0023】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態によるアレイ基板の平面図である。
図2は、
図1の「A」を拡大した部分拡大図である。
図3は、
図2のI−I’線に沿って切断した断面図である。
【0025】
図1から
図3を参照すると、本発明の一実施形態によるアレイ基板100は、表示領域DAと、表示領域DAの外側に配置される非表示領域NDAとを含む。
【0026】
表示領域DAは、一方向に延在する複数個のゲート線50、ゲート線50と交差する方向に延在する複数個のデータ線60を含む。また、複数のゲート線50とデータ線60に囲まれた画素領域が定義される。複数のゲート線50とデータ線60により定義された各画素領域には、ゲート線50及びデータ線60と連結された薄膜トランジスタが形成される。
【0027】
図2及び
図3を参照して、表示領域DAについて詳細に説明する。
【0028】
基板10は、板状を有する部材であって、後述する他の構成を支持する役割を果たす。基板10は絶縁基板であって、ガラスまたはプラスチックを含む高分子物質で形成される。例示的な実施形態で、基板10はポリイミド(PI:Polyimide)で形成されるが、これは例示的なものであり、基板10の材質がこれに限定されるものではない。
【0029】
基板10は、硬性(rigid)基板であり得るが、これに限定されず、軟性や可撓性を有する基板でありうる。すなわち、本明細書で、「基板」とは、曲げたり(bending)、折りたたんだり(folding)、丸めたり(rolling)することが可能なフレキシブル基板を含む概念として理解することができる。
【0030】
図2に示すように、基板10は単一層構造を有し得るが、これに限定されるものではない。すなわち、他の例示的な実施形態で、基板10は二つ以上の層が積層された積層構造を有しうる。言い換えれば、基板10は、ベース層とベース層上に配置される保護層とを含みうる。
【0031】
ベース層は絶縁物質で形成される。例示的な実施形態で、ベース層はポリイミド(PI:Polyimide)で形成されるが、ベース層の材質がこれに限定されるものではない。ベース層上には保護層が配置されうる。保護層は有機物質または無機物質から成る。例えば、保護層はポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene terephthalate)及びポリエチレンナフタレート(PEN:Polyethylene naphthalate)から選択された何れか一つ以上を含んで成るが、これは例示的なものであり、保護層の材質がこれに限定されるものではない。
【0032】
基板10上にはバリアー層11が配置される。バリアー層11は基板10からの不純物元素の侵入を防止する役割を果たす。例示的な実施形態で、バリアー層11は、酸化ケイ素(SiO
x)及び窒化ケイ素(SiN
x)から成る群から選択された一つ以上を含んで形成されるが、バリアー層11の材質がこれに限定されるものではない。バリアー層11は、単一膜構造または二つ以上の層が積層された積層構造を有しうる。バリアー層11が二つの層を有する例示的な実施形態で、二つの層は互いに異なる物質で形成される。例えば、第1層は酸化ケイ素から成り、第2層は窒化ケイ素から成る。ただし、これは例示的なものであり、バリアー層11の構造がこれに限定されるものではない。
【0033】
また、他の例示的な実施形態で、バリアー層11は基板10の材質または工程条件によっては省略できる。
【0034】
バリアー層11上には、バリアー層11を覆うバッファ層12が配置される。バッファ層12は、無機物質で形成された無機膜でありうる。例示的な実施形態で、バッファ層12は酸化ケイ素(SiO
x)、窒化ケイ素(SiN
x)、酸化アルミニウム(AlO
x)及び酸窒化ケイ素(SiON)から成る群から選択された一つ以上を含んで形成されるが、バッファ層12の材質がこれに限定されるものではない。また、バッファ層12は、単一膜構造または二つ以上の層が積層された積層構造を有しうる。バッファ層12が二つの層を有する例示的な実施形態で、二つの層は互いに異なる物質で形成されうる。例えば、第1層は酸化ケイ素から成り、第2層は窒化ケイ素から成る。ただし、これは例示的なものであり、バッファ層12の構造がこれに限定されるものではない。
【0035】
半導体層40は、非晶質ケイ素または多結晶ケイ素を含んで成る。例示的な実施形態で、半導体層40は、非晶質ケイ素を塗布してパターニングした後、これを結晶化する方法により形成されるが、半導体層40の形成方法はこれに限定されるものではない。また、本明細書で「半導体層」と指称されるのは、酸化物半導体を含むものと理解ことができる。
【0036】
半導体層40上にはゲート絶縁膜20が形成される。ゲート絶縁膜20は、窒化ケイ素(SiN
x)または酸化ケイ素(SiO
x)を含むが、ゲート絶縁膜20の材質がこれに限定されるものではない。ゲート絶縁膜20は単一膜構造であり得るが、これに限定されるものではなく、互いに物理的な性質の異なる少なくとも二つの絶縁層を含む多層膜構造を有することもできる。
【0037】
ゲート絶縁膜20上には、ゲート線50、ゲート電極51及びゲートパッド55を含むゲート配線が配置される。ゲート配線は、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などのアルミニウム系金属、銀(Ag)や銀合金などの銀系金属、銅(Cu)や銅合金などの銅系金属、モリブデン(Mo)やモリブデン合金などのモリブデン系金属、クロム(Cr)、タンタル(Ta)及びチタニウム(Ti)から成る群から選択された何れか一つ以上の物質を含んで形成されるが、ゲート配線の材質がこれに限定されるものではなく、導電性を有する透明または半透明な物質は、ゲート配線を形成するのに使用されうる。
【0038】
ゲート線50は、前述したように複数個配置され、互いに平行になるように一方向に延在する。
【0039】
ゲート配線上には、ゲート配線を覆う層間絶縁膜30が配置される。層間絶縁膜30は、無機物質で形成された無機膜でありうる。例示的な実施形態で、層間絶縁膜30は、窒化ケイ素(SiN
x)または酸化ケイ素(SiO
x)を含むが、層間絶縁膜30の材質がこれに限定されるものではない。層間絶縁膜30は単一膜構造であり得るが、これに限定されるものではなく、互いに物理的な性質の異なる少なくとも二つの絶縁層を含む多層膜構造を有することもできる。多層膜構造を有する層間絶縁膜30については後述する。
【0040】
層間絶縁膜30上には、ソース電極61、ドレイン電極62及びデータ線60を含むデータ配線が配置される。データ配線はモリブデン、クロム、タンタル及びチタニウムなどの耐火性金属またはこれらの合金で形成されるが、データ配線の材質がこれに限定されるものではなく、導電性を有する物質として透明または半透明な物質は、データ配線を形成するのに使用されうる。
【0041】
データ線60はデータ信号を伝達し、ゲート線50と交差するように配置される。すなわち、例示的な実施形態で、ゲート線50は横方向に延在し、データ線60はこれと交差するように縦方向に延在する。
【0042】
図2では、データ線60及びゲート線50が一直線形状である場合を例示したが、例示的な実施形態で、データ線60及びゲート線50は折曲部を含む場合もある。ただし、これは当業者に自明であり、本発明の範囲が曖昧になることを避けるため、これに関する詳しい説明は省略する。
【0043】
ソース電極61は、データ線60の一部としてデータ線60と同一線上に配置される。ドレイン電極62は、ソース電極61と並列に延在するように形成され得、この場合、ドレイン電極62はデータ線60の一部と並列である。
【0044】
ゲート電極51、ソース電極61、及びドレイン電極62は、半導体層40と共に一つの薄膜トランジスタ(TFT:Thin film transistor)を成す。薄膜トランジスタのチャネル(channel)は、ソース電極61とドレイン電極62との間の半導体層40で形成される。
【0045】
データ配線上には、データ配線及び層間絶縁膜30を覆う平坦化膜70が配置される。平坦化膜70の厚さは、層間絶縁膜30に比べて相対的に厚い場合もある。このような厚さの違いによって、平坦化膜70の上面は、層間絶縁膜30及びソース/ドレイン電極62と接する下面に比べて相対的に平坦である。平坦化膜70は基板10上の段差を緩和するため、例えば、アクリル、ベンゾシクロブテン(BCB:Benzocyclobutene)及びポリイミドから成る群から選択された何れか一つ以上の物質を含むが、これに限定されるものではない。また、平坦化膜70は感光が可能な物質から成る。
【0046】
平坦化膜70には、ドレイン電極62を少なくとも部分的に露出させる第1コンタクトホール71が形成される。具体的には、第1コンタクトホール71は、平坦化膜70を貫通し、ドレイン電極62の上面を少なくとも部分的に露出させる。
【0047】
平坦化膜70及び露出したドレイン電極62上には、第1電極80が配置される。すなわち、第1電極80が、平坦化膜70と、第1コンタクトホール71の側壁と、ドレイン電極62の上面と、を覆うように配置され、これによって、第1電極80とドレイン電極62とが電気的に接続される。例示的な実施形態で、第1電極80はアノード(Anode)電極であり得るが、これに限定されるものではない。第1電極80はITO(Indium Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)などから成るが、第1電極80の材質がこれに限定されるものではない。第1電極80上には画素定義膜、有機層、及び第2電極が配置される。これに関する詳しい説明は後述する。
【0048】
以下では、本発明の一実施形態によるアレイ基板の非表示領域NDAについて説明する。
【0049】
再び
図1を参照すると、表示領域DAの外側に配置される非表示領域NDAには、スキャンドライバ200と、エミッションドライバ300と、スキャンドライバ200、エミッションドライバ300または表示領域DAに連結される複数個の配線パターンと、が配置される。配線パターンは、スキャンドライバ200、エミッションドライバ300または表示領域DAから延在する配線ライン部401と、配線ライン部401の一端部に配置され、一端が配線ライン部401より広い幅を有する配線パッド部402を含みうる。配線パターンの構造に関する詳しい説明は後述する。
【0050】
図4から
図7を参照して、非表示領域NDAについてさらに具体的に説明する。
【0051】
図4は、
図1の「B」を拡大した部分拡大図である。
図5は、
図4のII−II’線に沿って切断した断面図である。
図6は、
図4のIII−III’線に沿って切断した断面図である。
図7は、
図4のIV−IV’線に沿って切断した断面図である。
【0052】
図4から
図7を参照すると、本発明の一実施形態によるアレイ基板の非表示領域NDAは、基板10と、基板10上に配置されるバリアー層11と、バリアー層11上に配置されるバッファ層12と、バッファ層12上に配置される第1絶縁膜25と、第1絶縁膜25上に配置される第2絶縁膜35と、第1絶縁膜25と第2絶縁膜35との間に介在するか、または第2絶縁膜35上に配置され、互いに離隔して基板10の一側に向かって延在するように形成される複数個の配線パターンと、第2絶縁膜35の上面から所定深さで窪んで、基板10の上面を少なくとも部分的に露出させる凹パターンと、第2絶縁膜35上に配置され、上記の凹パターンによって露出される基板10の上面を少なくとも部分的に露出させる有機絶縁膜75と、を含む。
【0053】
基板10、バリアー層11及びバッファ層12に関する説明は、
図1から
図3を参照して説明した内容と実質的に同じであるため、これに関する説明は省略する。
【0054】
バッファ層12上には第1絶縁膜25が配置される。第1絶縁膜25は、無機物質で形成された無機絶縁膜でありうる。第1絶縁膜25は、例えば、窒化ケイ素(SiN
x)または酸化ケイ素(SiO
x)を含んで形成されるが、これは例示的なものであり、第1絶縁膜25の材質がこれに限定されるものではない。
【0055】
例示的な実施形態で、第1絶縁膜25は、表示領域DAのゲート絶縁膜20と実質的に同じ物質で形成される。言い換えれば、非表示領域NDAの第1絶縁膜25は、表示領域DAのゲート絶縁膜20と実質的に同時に形成されうる。ただし、これは例示的なものであり、これに限定されるものではなく、非表示領域NDAの第1絶縁膜25と表示領域DAのゲート絶縁膜20が各々別の構成として独立に形成されることもできる。
【0056】
第1絶縁膜25上には第2絶縁膜35が配置される。第2絶縁膜35は、第1絶縁膜25と同様に、無機物質で形成された無機絶縁膜でありうる。第2絶縁膜35も、第1絶縁膜25と同じように、窒化ケイ素(SiN
x)または酸化ケイ素(SiO
x)を含んで形成される。第1絶縁膜25と第2絶縁膜35とは互いに異なる物質で形成されるが、これに限定されるものではなく、第1絶縁膜25と第2絶縁膜35とは互いに同じ物質で形成されうる。例示的な実施形態で、第2絶縁膜は、表示領域DAの層間絶縁膜と実質的に同じ物質から成る。すなわち、第2絶縁膜は、表示領域DAの層間絶縁膜と実質的に同時に形成されうる。ただし、これは例示的なものであり、これに限定されるものではなく、表示領域DAの層間絶縁膜と非表示領域NDAの第2絶縁膜は独立した別の構成として各々独立に形成されることもできる。
【0057】
第1絶縁膜25または第2絶縁膜35上には、配線パターンが配置される。言い換えれば、配線パターンは第1絶縁膜25上に配置され、第1絶縁膜25と第2絶縁膜35との間に介在するか、または第2絶縁膜35上に配置される。また、例示的な実施形態で、配線パターンの一部は第1絶縁膜25上に形成され、残部は第2絶縁膜35上に形成されうる。
【0058】
配線パターンは、表示領域DA、スキャンドライバ200またはエミッションドライバ300と連結され、信号を伝達するか、または伝達される役割を果たす。このため、配線パターンは、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などのアルミニウム系金属、銀(Ag)や銀合金などの銀系金属、銅(Cu)や銅合金などの銅系金属、モリブデン(Mo)やモリブデン合金などのモリブデン系金属、クロム(Cr)、タンタル(Ta)及びチタニウム(Ti)から成る群から選択された何れか一つ以上の物質を含んで形成されるが、配線パターンの材質がこれに限定されるものではなく、導電性を有する導電体は配線パターンの形成に使用されうる。
【0059】
例示的な実施形態で、配線パターンは配線ライン部401、配線パッド部402、及び配線接続部403を含みうる。
【0060】
配線ライン部401は、表示領域DA、スキャンドライバ200またはエミッションドライバ300と電気的に接続され、表示領域DA、スキャンドライバ200またはエミッションドライバ300から基板10の一側に向かって延在するように形成される。配線ライン部401は、一定間隔離隔するように複数個配置され、各配線ライン部401は一直線に延在するか、少なくとも一つ以上の折曲部を有し、基板10の一側に向かって延在しうる。
【0061】
例示的な実施形態で、配線ライン部401は第1絶縁膜25上に配置される。すなわち、第1絶縁膜25と第2絶縁膜35との間に配線ライン部401が介在する。配線ライン部401は、表示領域DAのゲート配線と同じ物質で形成されうる。言い換えれば、配線ライン部401は、表示領域DAのゲート配線と実質的に同時に形成されうる。ただし、これに限定されるものではなく、非表示領域NDAの配線ライン部401と表示領域DAのゲート配線は各々独立に形成されることもできる。
【0062】
配線ライン部401の一端は、後述する配線パッド部402の一端と部分的に重畳されうる。
【0063】
配線パッド部402の一端は、配線ライン部401の一端と電気的に接続され、配線ライン部401の一端から基板10の一側に向かって延在するように形成される。配線パッド部402は複数個が配置され得、各配線パッド部402は基板10の一側辺に沿って整列して配置される。例示的な実施形態で、延在した配線パッド部402の他端は基板10の一側辺と接するが、これに限定されるものではない。配線パッド部402の一端の幅は、配線ライン部401の幅より相対的に大きい場合もある。配線パッド部402には、基板10の性能検査などを行うための検査装置または印刷回路基板と連結されたフレキシブルプリント回路基板(FPC:Flexible printed circuit)などの外部回路モジュールが連結されるが、配線パッド部402が配線ライン部401に比べて広い幅を有する場合、回路モジュールとの電気的な接触がより容易になる。
【0064】
例示的な実施形態で、配線パッド部402は第2絶縁膜35上に配置される。すなわち、配線パッド部402は配線ライン部401と互いに異なる高さを有するように配置される。言い換えれば、配線パッド部402と配線ライン部401は互いに異なる層に配置される。
【0065】
配線ライン部401と配線パッド部402は電気的に接続される。具体的には、配線ライン部401の一端と配線パッド部402の一端が電気的に接続される。配線ライン部401が第1絶縁膜25上に配置され、配線パッド部402が第2絶縁膜35上に配置される例示的な実施形態で、配線パッド部402と配線ライン部401とは、配線接続部403を介して電気的に接続される。
図5を参照して、配線接続部403について具体的に説明する。
【0066】
図5を参照すると、配線ライン部401上に第2絶縁膜35が配置され、第2絶縁膜35が配線ライン部401を少なくとも部分的に露出させる。すなわち、配線パッド部402が第2絶縁膜35により露出された配線ライン部401上に配置されることによって、配線パッド部402と配線ライン部401が電気的に接続される。
【0067】
複数個の配線パターンと隣接するように、少なくとも一つの凹パターン500が配置される。凹パターン500は、第2絶縁膜35の上面から一定間隔窪んで形成される。第2絶縁膜35の上面から一定間隔窪んで形成される凹パターン500は、基板10の上面を少なくとも部分的に露出させる。言い換えれば、凹パターン500の底面は、少なくとも部分的に基板10の上面を含みうる。
【0068】
すなわち、凹パターン500は、バリアー層11、バッファ層12、第1絶縁膜25、第2絶縁膜35を貫通して、基板10の上面を少なくとも部分的に露出させる。すなわち、例示的な実施形態で、凹パターン500の底面は基板10の上面から成り、凹パターン500の側壁は、バリアー層11、バッファ層12、第1絶縁膜25、および第2絶縁膜35の内側面から成る。ただし、これに限定されるものではなく、第2絶縁膜35と基板10との間に中間層が介在するか、または第2絶縁膜35上にまた別の層が配置される場合、凹パターン500の側壁は、中間層の内側面及び第2絶縁膜35上に配置されるまた別の層の内側面を含んで成る。これに関する詳しい説明は後述する。
【0069】
例示的な実施形態で、少なくとも一つの凹パターン500は、配線ライン部401と隣接するように、または一つの配線ライン部と他の配線ライン部との間に配置される。
【0070】
図4及び
図6では、凹パターン500が配線ライン部401と隣接し、配線ライン部401から一定間隔離隔しているものを例示しているが、これに限定されず、凹パターン500は少なくとも部分的に配線ライン部401と隣接するように形成されうる。
【0071】
このように、基板10上に少なくとも一つ以上の無機絶縁膜を貫通する凹パターン500が形成される場合、アレイ基板の製造工程、検査工程及び運搬工程などにより与えられた衝撃によって発生するクラックの伝播を抑制できる。すなわち、各種衝撃によって発生したクラックは、基板10の無機絶縁膜を介して成長したり、伝播したりする傾向があるが、前述したように無機絶縁膜を除去した凹パターン500を配置する場合、凹パターン500がクラックの進行する経路を遮断し、クラックの伝播を抑制できる。すなわち、非表示領域NDAで発生したクラックが成長して表示領域DAまで到達することを遮断できる。言い換えれば、凹パターン500はクラックストッパ(Crack Stopper)の役割を果たす。
【0072】
第2絶縁膜35上には有機絶縁膜75が配置される。有機絶縁膜75は有機物質から成る。例示的に有機絶縁膜75は、アクリル、ベンゾシクロブテン(BCB:Benzocyclobutene)及びポリイミドから成る群から選択された何れか一つ以上の物質を含むが、これに限定されるものではない。また、有機絶縁膜75は感光が可能な物質から成る。
【0073】
配線ライン部401が形成される領域で、第2絶縁膜35上に配置される有機絶縁膜75は、凹パターン500を少なくとも部分的に露出させる(
図6参照)。すなわち、有機絶縁膜75は、凹パターン500によって露出される基板10の上面を少なくとも部分的に露出させる。言い換えれば、有機絶縁膜75は、凹パターン500によって露出される基板10の上面の全部または一部を露出させる。
【0074】
配線パッド部402が配置される領域で、有機絶縁膜75は、第2絶縁膜35及び第2絶縁膜35上に配置される配線パッド部402の一部を覆う(
図7参照)。すなわち、有機絶縁膜75は、配線パッド部402の一部を露出させる。言い換えれば、有機絶縁膜75は、有機絶縁膜75を貫通して配線パッド部402の上面を少なくとも部分的に露出させるコンタクト部72を含みうる。前述したように、配線パッド部402には、基板10の性能を検査するための各種検査装置または印刷回路基板と連結されたフレキシブルプリント回路基板(FPC:Flexible printed circuit)などが接続される。すなわち、コンタクト部は、配線パッド部402を露出させることによって前述した装置などと配線パッド部402が接続されるように誘導できる。
【0075】
例示的な実施形態で、有機絶縁膜75は、表示領域DAの平坦化膜70と実質的に同じ物質から成る。言い換えれば、有機絶縁膜75は、表示領域DAで平坦化膜70を形成すると共に形成できる。ただし、これは例示的なものであり、これに限定されるものではなく、表示領域DAの平坦化膜70と非表示領域NDAの有機絶縁膜75は各々別の構成として独立に形成されることもできる。
【0076】
以下、本発明の他の実施形態について説明する。以下の実施形態で前述した構成と同じ構成に対しては同じ参照番号を使用し、重複する説明は省略または簡略にする。
【0077】
図8は、
図4の変形例によるアレイ基板の部分拡大図である。
図8を参照すると、本発明の変形例によるアレイ基板は、一つの配線ライン部と隣接する他の配線ライン部との間に複数個の凹パターン507が形成される点が
図4の実施形態と違う点である。
【0078】
一つの配線ライン部と隣接する他の配線ライン部との間には、少なくとも一つ以上の凹パターン507が配置される。
図8は、一つの配線ライン部と隣接する他の配線ライン部の間に3個の凹パターン507が一列に整列して配置されるものを例示しているが、凹パターン507の個数と配列はこれに限定されるものではない。すなわち、凹パターン507は複数個であり得、複数個の凹パターン507は一列に整列するか、または複数個の列と行を有するマトリックス状に配列されうる。これについては後述する。
【0079】
図9は、
図8の変形例によるアレイ基板の部分拡大図である。
図9を参照すると、本発明の変形例によるアレイ基板は、一つの配線ライン部と隣接する他の配線ライン部との間に複数個の凹パターン508が配置され、複数個の凹パターン508が列と行を有するマトリックス状に配列された点が
図8の変形例と違う点である。
【0080】
前述したように、一つの配線ライン部と隣接する他の配線ライン部との間には複数個の凹パターン508が配置される。複数個の凹パターン508は一列に整列されるか、または複数個の列と行を有するマトリックス状に配列される。
図9は、複数個の凹パターン508が3行×2列形態であるものを例示しているが、これは例示的なものであり、凹パターン508の配列がこれに限定されるものではない。すなわち、行数と列数は2以上であり得る。また、
図9は、複数個の凹パターン508が規則的に配列されているものを例示しているが、これに限定されるものではなく、複数個の凹パターン508は不規則的に散開して配置されうる。
【0081】
図10は、
図4の変形例によるアレイ基板の部分拡大図である。
図11は、
図10のV−V’線に沿って切断した断面図である。
図12は、
図10のVI−VI’線に沿って切断した断面図である。
【0082】
図10から
図12を参照すると、
図4の変形例によるアレイ基板は、配線ライン部401の間に配置される凹パターン501が配線パッド部402の間まで延在するように形成される点が
図4の実施形態と違う点である。
【0083】
一つの配線ライン部401と他の配線ライン部401との間に配置される凹パターン501は、一つの配線ライン部と連結された配線パッド部と、他の配線ライン部と連結された配線パッド部との間まで延在しうる。すなわち、互いに隣接する配線ライン部401の間に配置される凹パターン501は、基板10の一側に向かって延在しうる。前述したように、配線パッド部402の幅は、配線ライン部401の幅に比べて相対的に大きい場合もある。これに伴い、配線ライン部401の間に配置される凹パターン501の幅d1に比べて、配線パッド部402の間に配置される凹パターン501の幅d2が相対的に小さい場合もある。ただし、これに限定されるものではなく、配線ライン部401の間に配置される凹パターン501と配線パッド部402との間に配置される凹パターン501の幅は実質的に同じでありうる。
【0084】
図13は、
図11の変形例によるアレイ基板の断面図である。
図14は、
図12の変形例によるアレイ基板の断面図である。
【0085】
図13及び
図14を参照すると、第2絶縁膜35上に配置される有機絶縁膜75が凹パターン501により露出された基板10を覆う点が、
図11及び
図12の実施形態と違う点である。
【0086】
前述したように、第2絶縁膜35上には有機絶縁膜75が配置される。例示的な実施形態で、有機絶縁膜75は、凹パターン501により露出される基板10の上面を完全に覆う。すなわち、有機絶縁膜75は、第2絶縁膜35、凹パターン501の側壁及び凹パターン501の底面を覆う。
図13及び
図14は、有機絶縁膜75が凹パターン501により露出される基板10の上面を完全に覆うことを例示しているが、これに限定されるものではなく、有機絶縁膜75は、凹パターン501により露出される基板10の上面の全部または一部を露出させうる。有機絶縁膜75に配線パッド部402を少なくとも部分的に露出させるコンタクト部72が形成されることについては、先に
図7で説明した内容と実質的に同じであるため、これに関する詳しい説明は省略する。
【0087】
図15は、
図10の変形例によるアレイ基板の部分拡大図である。
図16は、
図15のVII−VII’線に沿って切断した断面図である。
【0088】
図15及び
図16を参照すると、
図10の変形例によるアレイ基板は、配線パッド部402の内側に配置され、配線パッド部402を貫通して基板10の上面を露出させる凹溝502をさらに含む点が
図10と違う点である。
【0089】
配線パッド部402の内側には凹溝502が配置される。具体的には、凹溝502は配線パッド部402の外周の内側に配置される。
【0090】
凹溝502は、配線パッド部402、第2絶縁膜35、第1絶縁膜25、バッファ層12及びバリアー層11を順次に貫通して基板10の上面を露出させる。すなわち、凹溝502の底面は基板10の上面を含み、凹溝502の側壁は配線パッド部402、第2絶縁膜35、第1絶縁膜25、バッファ層12及びバリアー層11の内側面を含みうる。
【0091】
前述したように、第2絶縁膜35及び配線パッド部402の上には有機絶縁膜75が配置される。
図16は、有機絶縁膜75が第2絶縁膜35、配線パッド部402及び凹溝502により露出した基板10の上面を全部露出させることを例示しているが、前述したようにこれに限定されるものではなく、有機絶縁膜75は凹溝502により露出した基板10の上面を少なくとも部分的に覆いうる。配線パッド部402に、配線パッド部402を貫通して基板10の上面を露出させる凹溝502が配置される場合、配線パッド部402に基板10検査装置やFPCなどが接続されたり、接続が解除されたりするときに、配線パッド部402に与えられる衝撃によって発生したクラックが、配線パッド部402または配線パッド部402の下部に配置される無機絶縁膜を介して表示領域DAに伝播することを遮断できる。
【0092】
図17は、
図6の変形例によるアレイ基板の断面図である。
図18は、
図7の変形例によるアレイ基板の断面図である。
【0093】
図17及び
図18を参照すると、
図6及び
図7の変形例によるアレイ基板は、第2絶縁膜35’が第1サブ絶縁膜31及び第2サブ絶縁膜32を含む点が、
図6及び
図7の実施形態と違う点である。
【0094】
前述したように、第2絶縁膜35は単一膜構造であり得るが、これに限定されるものではなく、少なくとも二つの絶縁層を含む多層膜構造を有しうる。説明の便宜上、第1絶縁膜25を覆う絶縁膜を第1サブ絶縁膜31、第1サブ絶縁膜31を覆う絶縁膜を第2サブ絶縁膜32と呼ぶ。
【0095】
第1サブ絶縁膜31と第2サブ絶縁膜32は、無機材質から成る無機絶縁膜でありうる。例えば、第1サブ絶縁膜31と第2サブ絶縁膜32は、酸化ケイ素及び窒化ケイ素から選択された一つ以上を含むが、第1サブ絶縁膜31と第2サブ絶縁膜32の材質がこれに限定されるものではない。第1サブ絶縁膜31と第2サブ絶縁膜32は互いに異なる物質から成る。
【0096】
第2絶縁膜35’が多層膜構造を有することは、表示領域DAの構造に起因する。具体的に図面に示していないが、表示領域DAには薄膜トランジスタと隣接するようにストレージキャパシタが配置される。例示的な実施形態で、ストレージキャパシタはゲート絶縁膜20上に配置される第1ゲートメタル、第1ゲートメタル上に配置される第1サブ絶縁膜31、第1サブ絶縁膜31上に配置される第2サブ絶縁膜32及び第2サブ絶縁膜32上に配置される第2ゲートメタルを含みうる。また、このようなストレージキャパシタに対応して、薄膜トランジスタのソース/ドレイン電極62は第2サブ絶縁膜32上に配置される。ただし、これは例示的なものであり、表示領域DAの具体的な構造がこれに限定されないのは勿論である。
【0097】
図19は、本発明の他の実施形態によるアレイ基板の部分拡大図である。
図20は、
図19のVIII−VIII’線に沿って切断した断面図である。
【0098】
図19及び
図20を参照すると、本発明の他の実施形態によるアレイ基板は、配線ライン部411が基板10の一側に向かって延在するが、ジグザグ状を有する点が
図4の実施形態と違う点である。
【0099】
配線ライン部411は少なくとも一つ以上の折曲部を有しうる。例示的な実施形態で、配線ライン部411はジグザグ状を有し、基板10の一側に向かって延在する。説明の便宜上、基板10の一側に向かう方向を第1方向と定義する。また、第1方向に対する垂直方向を第2方向、第2方向とは反対方向を第3方向と呼ぶ。
【0100】
図19に示すように、第1方向に延在する配線ライン部411は、第2方向に一定間隔延在し、再び第1方向に一定間隔延在した後、第3方向に一定間隔延在し、再度第1方向に延在する。すなわち、第1方向、第2方向、第1方向、第3方向及び第1方向の順に延在する。
【0101】
例示的な実施形態で、第2方向に延在した距離と第3方向に延在した距離とは実質的に同じでありうるが、これに限定されるものではない。
【0102】
言い換えれば、配線ライン部411は、第1方向、第2方向、第1方向、第3方向及び第1方向の順に延在するが、このような順序を少なくとも一回以上繰り返して延在する。
【0103】
前述したように、配線ライン部411が第1方向、第2方向、第1方向、第3方向及び第1方向の順に延在すると、第2方向、第1方向及び第3方向の順に、または第3方向、第1方向及び第2方向の順に延在した配線ライン部411の内側には、一定の空間が区切られる。例示的な実施形態で、凹パターン503は第2方向、第1方向及び第3方向の順に、または第3方向、第1方向及び第2方向の順に延在した配線ライン部411により区切られる空間に配置される。言い換えれば、配線ライン部411は各凹パターン503の外周と隣接するように配置され、各凹パターン503の外周の一部に沿って配置される。すなわち、凹パターン503は、ジグザグ状に延在した各配線ライン部411の間々に配置される。すなわち、凹パターン503は各配線ライン部411の間で少なくとも一つ以上配置される。
【0104】
凹パターン503を基準にしてさらに説明すると、複数個の凹パターン503が列と行を有するマトリックス状に配置され、複数個の列と行を有するマトリックス状の凹パターン503の間々にジグザグ状に延在した配線ライン部411が配置される。
図19は、複数個の凹パターン503が行方向に一直線に沿って整列し、列方向に交錯して整列する場合を例示しているが、凹パターン503の配列がこれに限定されるものではなく、複数個の凹パターン503は行と列方向に一直線に沿って整列するか、行方向に交錯して整列し、列方向に一直線に整列するか、列方向に交錯して整列し、行方向に一直線に沿って整列しうる。
【0105】
また、配線ライン部411は、マトリックス状に配列された凹パターン503の間々に配置され、一つの配線ライン部411と他の配線ライン部411との間には少なくとも一つ以上の凹パターン503が配置される。
【0106】
図21は、本発明の他の実施形態によるアレイ基板の部分拡大図である。
図21を参照すると、本発明の他の実施形態によるアレイ基板は、配線ライン部421がピッチ(pitch)を有する曲線状に延在する点が
図4の実施形態と違う点である。
【0107】
本発明の他の実施形態によるアレイ基板で、配線ライン部421はピッチを有する曲線状に延在する。言い換えれば、配線ライン部421は波のような形状を有しうる。言い換えれば、配線ライン部421はゆるやかな曲線を描きながら、波形状に延在する。
【0108】
配線ライン部421がピッチを有する曲線状に延在する場合、配線ライン部421の両側には谷部とリッジ(ridge)部が形成される。すなわち、各配線ライン部421の一側には谷部とリッジ部が少なくとも一回以上繰り返され、これと対応するように各配線ライン部421の他側にはリッジ部と谷部が少なくとも一回以上繰り返される。
【0109】
凹パターン504は、配線ライン部421の谷部と隣接するように配置される。凹パターン504は、各配線ライン部421の一側及び他側に形成された谷部と隣接するように、少なくとも一つ以上配置される。
図21は、配線ライン部421が谷部と隣接した場合を例示しているが、これに限定されるものではなく、凹パターン504は配線ライン部421の谷部と部分的に接する場合もある。
【0110】
凹パターン504を基準にさらに説明すると、複数個の凹パターン504が列と行を有するマトリックス状に配置され、複数個の列と行を有するマトリックス状の凹パターン504の間々にピッチを有する曲線状に延在した配線ライン部421が配置される。
【0111】
図21は、複数個の凹パターン504が行方向に一直線に沿って整列し、列方向に交錯して整列する場合を例示しているが、凹パターン504の配列がこれに限定されるものではなく、複数個の凹パターン504は行と列方向に一直線に沿って整列するか、または行方向に交錯して整列し、列方向に一直線に整列するか、または列方向に交錯して整列し、行方向に一直線に沿って整列しうる。
【0112】
また、配線ライン部421は、マトリックス状に配列された凹パターン504の間々に配置され得、一つの配線ライン部421と他の配線ライン部421との間には少なくとも一つ以上の凹パターン504が配置される。
【0113】
図22は、本発明の他の実施形態によるアレイ基板の平面図である。
図23は、
図22の「C」を拡大した部分拡大図である。
図24は、
図23のIX−IX’線に沿って切断した断面図である。
図25は、
図22の「D」を拡大した部分拡大図である。
図26は、
図25のX−X’線に沿って切断した断面図である。
【0114】
図22から
図25を参照すると、本発明の他の実施形態によるアレイ基板には、非表示領域NDAにセルIDパターン45及び/または切断線700が形成されている点が
図1の実施形態と違う点である。
【0115】
本発明の他の実施形態によるアレイ基板は、非表示領域NDAにセルIDパターン45及び/または切断線700を含みうる。
【0116】
セルIDパターン45は、非表示領域NDAに配置される。例示的な実施形態でセルIDパターン45は、複数個の配線ライン部401のうち最外郭に配置された配線ライン部401の外側に配置される。すなわち、最外郭に配置される配線ライン部401と隣接するように配置される。セルIDパターン45上にはアレイ基板を識別するための固有番号、各種図形または識別符号などがパターニングされる。すなわち、セルIDパターン45上にパターニングされた固有番号、各種図形または識別符号などによりアレイ基板に対する情報を取得する。
【0117】
図23から
図24を参照して、セルIDパターンについて詳しい説明をする。
【0118】
図23及び
図24は、セルIDパターン45が四角形状を有することを例示している。ただし、セルIDパターン45の形状はこれに限定されるものではなく、セルIDパターン45の形状は円形状であるか、少なくとも部分的に曲線を含む形状でありうる。
【0119】
前述したように、セルIDパターン45上には固有番号、各種図形または識別符号などがパターニングされる。
図23は、セルIDパターン45上に十字架状の図形46がパターニングされた場合を例示しているが、これは例示的なものであり、セルIDパターン45上に形成される各種図形などの形状がこれに限定されるものではない。
【0120】
例示的な実施形態で、セルIDパターン45はバッファ層12上に配置される。ただし、これは例示的なものであり、セルIDパターン45の位置がこれに限定されるものではない。セルIDパターン45がバッファ層12上に配置される場合、セルIDパターン45は、表示領域DAの半導体層40と実質的に同じ物質から成る。すなわち、表示領域DAの半導体層40と同時に非表示領域NDAのセルIDパターン45が形成される。ただし、これは例示的なものであり、これに限定されるものではなく、セルIDパターンは表示領域DAの半導体層40と別に独立に形成されることもできる。
【0121】
セルIDパターン45の外周に沿って、凹パターン505が配置される。凹パターン505は、セルIDパターン45の外周と接するか、または外周と隣接するように配置される。セルIDパターン45が四角形状を有する例示的な実施形態で、凹パターン505はスルーホールを有する四角形状であり得るが、前述したように、セルIDパターン45の形状は限定されず、凹パターン505はセルIDパターン45の外周の形状と対応する形状を有しうる。セルIDパターン45の外周に沿って凹パターン505が配置される場合、アレイ基板の製造工程または運搬工程中に発生したクラックがセルIDパターン45に伝播し、セルIDパターン45に損傷を与えることを防ぐ。
【0122】
本発明の他の実施形態によるアレイ基板の非表示領域NDAには、切断線700が形成される。製品の種類によって、アレイ基板の非表示領域NDAの角部は切断されうる。すなわち、アレイ基板の角の部分が面取り(chamfering)されうる。
【0123】
このため、アレイ基板上には切断線700が形成される。例示的な実施形態で、切断線700は、アレイ基板の非表示領域NDAの両側に斜め方向に延在するように形成される。すなわち、切断線700はアレイ基板を少なくとも部分的に横切る。
【0124】
切断線700とアレイ基板の一側辺が成す角は限定されるものではない。すなわち、適用される製品によって切断線700とアレイ基板の一側辺が成す角は変わりうる。
【0125】
切断過程で発生するクラックを防ぐため、切断線700は第2絶縁膜35の上面から所定間隔で窪む。すなわち、
図26の断面図で示すように、切断線700は第2絶縁膜35上面から窪んで、基板10の上面を露出させる。言い換えれば、切断線700の底面は基板10の上面を含み、切断線700の側壁はバリアー層11、バッファ層12、第1絶縁膜25及び第2絶縁膜35の内側面を含みうる。
【0126】
切断線700と隣接するように凹パターン506が配置される。具体的には凹パターン506は切断線700の他側部と隣接するように配置される。言い換えれば、切断工程によってアレイ基板が切断線700に沿って切断されると、切断線700の一側部は除去され、切断線700の他側部はそのまま維持される。凹パターン506は、切断線700の他側部と隣接するように配置され、少なくとも一つ以上の凹パターン506が散開して配置される。凹パターン506は列と行方向に整列して配置されるが、これに限定されるものではなく、規則的または不規則的に配置されうる。
【0127】
切断工程によって切断線700の一側部が除去されると、切断線700の他側部は衝撃に脆弱になる。この場合、切断線700の他側部に衝撃が与えられると、その衝撃によってクラックが発生し、発生したクラックが成長して表示領域DAまで伝播される。切断線700の他側部と隣接するように少なくとも一つ以上の凹パターン506が配置される場合、凹パターン506はクラックストッパ(Crack stopper)の役割を果たす。すなわち、発生したクラックの伝播が凹パターン506により遮断される。
【0128】
図27は、本発明の一実施形態による有機発光表示装置の断面図である。
【0129】
図27を参照すると、本発明の一実施形態による有機発光表示装置は、表示領域DAと表示領域DAの外側に配置される非表示領域NDAとを有するアレイ基板であって、
非表示領域NDAは、基板10、基板10上に配置されるバリアー層11、バリアー層11上に配置されるバッファ層12、バッファ層12上に配置される第1絶縁膜25、第1絶縁膜25上に配置される第2絶縁膜35、第1絶縁膜25と第2絶縁膜35との間に介在するか、または第2絶縁膜35上に配置され、互いに離隔して基板10の一側に向かって延在するように形成される複数個の配線パターン、第2絶縁膜35の上面から所定深さで窪んで、基板10の上面を少なくとも部分的に露出させる凹パターン及び第2絶縁膜35上に配置され、上記の凹パターンによって露出される基板10の上面を少なくとも部分的に露出させる有機絶縁膜75を備えるアレイ基板並びにアレイ基板上に配置される封止部材を含む。
【0130】
図27は、説明の便宜上、一つの単位画素領域を限定して示すものであり、本発明の一実施形態による有機発光表示装置がこれに限定されるものではないのは勿論である。すなわち、本発明の一実施形態による有機発光表示装置が複数個の単位画素領域を含むことは、前述した本発明のいくつかの実施形態によるアレイ基板で説明した通りである。
【0131】
先に、本発明の一実施形態による有機発光表示装置において、アレイ基板の表示領域DAについて説明する。
【0132】
基板10は、板状を有する部材であって、後述する他の構成を支持する役割を果たす。基板10は絶縁基板であって、ガラスまたはプラスチックを含む高分子物質で形成される。例示的な実施形態で、基板10はポリイミド(PI:Polyimide)で形成されるが、これは例示的なものであり、基板10の材質がこれに限定されるものではない。
【0133】
基板10は、硬性基板であり得るが、これに限定されず、軟性や可撓性を有する基板でありうる。すなわち、本明細書で、「基板」とは、曲げたり(bending)、折りたたんだり(folding)、丸めたり(rolling)することが可能なフレキシブル基板を含む概念として理解することができる。
【0134】
図27に示すように、基板10は単一層構造を有し得るが、これに限定されるものではない。すなわち、他の例示的な実施形態で、基板10は二つ以上の層が積層された積層構造を有しうる。言い換えれば、基板10はベース層とベース層上に配置される保護層とを含みうる。
【0135】
ベース層は絶縁物質で形成される。例示的な実施形態で、ベース層はポリイミド(PI:Polyimide)で形成されるが、ベース層の材質がこれに限定されるものではない。ベース層上には保護層が配置される。保護層は有機物質から成る。例えば、保護層はポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene terephthalate)及びポリエチレンナフタレート(PEN:Polyethylene naphthalate)から選択された何れか一つ以上を含んで成るが、これは例示的なものであり、保護層の材質がこれに限定されるものではない。
【0136】
基板10上にはバリアー層11が配置される。バリアー層11は不純物元素の侵入を防止し、表面を平坦化する役割を果たす。例示的な実施形態で、バリアー層11は酸化ケイ素(SiO
x)または窒化ケイ素(SiN
x)を含んで形成されるが、バリアー層11の材質がこれに限定されるものではない。また、他の例示的な実施形態で、バリアー層11は基板10の材質または工程条件によっては省略できる。
【0137】
バリアー層11上には、バリアー層11を覆うバッファ層12が配置される。バッファ層12は、無機物質で形成された無機膜でありうる。例示的な実施形態で、バッファ層12は酸化ケイ素(SiO
x)、窒化ケイ素(SiN
x)、酸化アルミニウム(AlO
x)及び酸窒化ケイ素(SiON)から成る群から選択された一つ以上を含んで形成されるが、バッファ層12の材質がこれに限定されるものではない。また、バッファ層12は、単一膜構造または二つ以上の層が積層された積層構造を有しうる。バッファ層12が二つの層を有する例示的な実施形態で、二つの層は互いに異なる物質で形成されうる。例えば、第1層は酸化ケイ素から成り、第2層は窒化ケイ素から成る。ただし、これは例示的なものであり、バッファ層12の構造がこれに限定されるものではない。
【0138】
半導体層40は、非晶質ケイ素または多結晶ケイ素を含んで成る。例示的な実施形態では、半導体層40は、非晶質ケイ素を塗布してパターニングした後、これを結晶化する方法により形成されるが、半導体層40の形成方法がこれに限定されるものではない。本明細書で「半導体層」とは酸化物半導体を含むものと理解できるが、これに限定されるものではない。
【0139】
半導体層40上にはゲート絶縁膜20が形成される。ゲート絶縁膜20は、窒化ケイ素(SiN
x)または酸化ケイ素(SiO
x)を含むが、ゲート絶縁膜20の材質がこれに限定されるものではない。ゲート絶縁膜20は単一膜構造であり得るが、これに限定されるものではなく、互いに物理的な性質の異なる少なくとも二つの絶縁層を含む多層膜構造を有しうる。
【0140】
ゲート絶縁膜20上には、ゲート線50、ゲート電極51及びゲートパッド55を含むゲート配線が配置される。ゲート配線は、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などのアルミニウム系金属、銀(Ag)や銀合金などの銀系金属、銅(Cu)や銅合金などの銅系金属、モリブデン(Mo)やモリブデン合金などのモリブデン系金属、クロム(Cr)、タンタル(Ta)及びチタニウム(Ti)から成る群から選択された何れか一つ以上の物質を含んで形成されるが、ゲート配線の材質がこれに限定されるものではなく、導電性を有する透明または半透明な物質は、ゲート配線を形成するのに使用されうる。
【0141】
ゲート線50は、前述したように複数個配置され、互いに平行になるように一方向に延在する。
【0142】
ゲート配線上には、ゲート配線を覆う層間絶縁膜30が配置される。層間絶縁膜30は、無機物質で形成された無機膜でありうる。例示的な実施形態で、層間絶縁膜30は、窒化ケイ素(SiN
x)または酸化ケイ素(SiO
x)を含むが、層間絶縁膜30の材質がこれに限定されるものではない。層間絶縁膜30は単一膜構造であり得るが、これに限定されるものではなく、互いに物理的な性質の異なる少なくとも二つの絶縁層を含む多層膜構造を有しうる。
【0143】
層間絶縁膜30上には、ソース電極61、ドレイン電極62及びデータ線60を含むデータ配線が配置される。データ配線はモリブデン、クロム、タンタル及びチタニウムなどの耐火性金属またはこれらの合金で形成されるが、データ配線の材質がこれに限定されるものではなく、導電性を有する透明または半透明な物質は、データ配線を形成するのに使用されうる。
【0144】
データ線60はデータ信号を伝達し、ゲート線50と交差するように配置される。すなわち、例示的な実施形態で、ゲート線50は横方向に延在し、データ線60はこれと交差するように縦方向に延在する。
【0145】
例示的な実施形態で、データ線60及びゲート線50は折曲部を含む。ただし、これは当業者に自明であり、本発明の範囲が曖昧になることを避けるため、これに関する詳しい説明は省略する。
【0146】
ソース電極61は、データ線60の一部としてデータ線60と同一線上に配置される。ドレイン電極62は、ソース電極61と並列して伸びるように形成され得、この場合、ドレイン電極62はデータ線60の一部と並列する。
【0147】
ゲート電極51、ソース電極61及びドレイン電極62は、半導体層40と共に一つの薄膜トランジスタ(TFT:Thin film transistor)を成す。薄膜トランジスタのチャネル(channel)は、ソース電極61とドレイン電極62との間の半導体層40で形成される。
【0148】
データ配線上にはデータ配線及び層間絶縁膜30を覆う平坦化膜70が配置される。平坦化膜70の厚さは、層間絶縁膜30に比べて相対的に厚い場合もある。このような厚さ差によって、平坦化膜70の上面は、層間絶縁膜30及びソース/ドレイン電極62と接する下面に比べて相対的に平坦である。
【0149】
平坦化膜70にはドレイン電極62を少なくとも部分的に露出させる第1コンタクトホールが形成される。具体的には、第1コンタクトホールは平坦化膜70を貫通し、ドレイン電極62の上面を部分的に露出させる。
【0150】
平坦化膜70及び露出したドレイン電極62上には、第1電極80が配置される。すなわち、第1電極80が、平坦化膜70と、第1コンタクトホールの側壁と、ドレイン電極62の上面と、を覆うように配置され、これによって、第1電極80とドレイン電極62が電気的に接続される。例示的な実施形態で第1電極80はアノード(Anode)電極であり得るが、これに限定されるものではない。第1電極80はITO(Indium Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)などから成るが、第1電極80の材質がこれに限定されるものではない。
【0151】
第1電極80上には画素定義膜90が配置される。画素定義膜は第1電極80を少なくとも部分的に露出させる。画素定義膜90は、ベンゾシクロブテン(BCB:Benzocyclobutene)、ポリイミド(PI:Polyimide)、ポリアミド(PA:polyamide)、アクリル樹脂及びフェノール樹脂などから選択された少なくとも一つの有機物質を含んで成るか、またはシリコン窒化物などのような無機物質を含んで成る。画素定義膜90はまた黒色顔料を含む感光剤から成るが、この場合、画素定義膜90は遮光部材の役割を果たす。
【0152】
画素定義膜90によって露出した第1電極80上には、有機層91が配置される。有機層91は、有機発光表示装置に含まれる有機物質層、すなわち、有機発光層(EML:Organic light emitting layer)、正孔注入層(HIL:Hole injection layer)、正孔輸送層(HTL:Hole transport layer)、電子注入層(EIL:Electron injection layer)、電子輸送層(ETL:Electron transport layer)などを含みうる。有機層91は、上記の有機物質層のうちから選択された一つを含む単一膜構造を有するか二つ以上を含む多層膜構造を有しうる。
【0153】
有機層91上には第2電極92が形成される。第2電極92は、画素定義膜90及び有機層91を覆う。例示的な実施形態で、第2電極92は画素定義膜90及び有機層91を覆う全面電極であり得るが、これに限定されるものではない。また、例示的な実施形態で、第2電極92はカソード(Cathode)電極でありうる。
【0154】
第2電極92は、ITO(Indium Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)などから成るが、第2電極92の材質がこれに限定されるものではない。
【0155】
アレイ基板の非表示領域NDAは、前述した本発明のいくつかの実施形態に対するアレイ基板で説明した内容と実質的に同じであるため、これに関する詳しい説明は省略する。
【0156】
アレイ基板上には封止部材が配置される。本明細書で、封止部材は封止膜803または封止基板800でありうる。
図27は、封止部材が封止基板800の場合を例示しているが、封止部材がこれに限定されるものではない。封止部材が封止膜803の場合については
図28で説明する。例示的な実施形態で、封止基板800は封止材(図示せず)によりアレイ基板と接着されて密封される。
【0157】
封止基板800がアレイ基板と接着されるようにするため、封止材は接着性があるエポキシ接着剤、紫外線硬化接着剤、フリット(frit)及びその等価物の中から選択された少なくとも何れか一つであり得るが、これは例示的なものであり、封止材の材質がこれに限定されるものではない。
【0158】
封止基板800は、前述した封止材によってアレイ基板と接着されて結合する。例示的な実施形態で、封止基板800は、透明グラス、透明プラスチック、透明ポリマー及びその等価物の中から選択された何れか一つで形成されるが、封止基板800の材質がこれに限定されるものではない。
【0159】
アレイ基板と対向する封止基板800の一面には、導電膜801が形成される。このような導電膜801は、有機発光表示装置の外部で発生して封止基板を介して流入する静電気を接地させる役割を果たす。ただし、これに対することは当業者に自明であり、本発明の範囲を曖昧になることを避けるため、これに関する詳しい説明は省略する。
【0160】
図28は、本発明の他の実施形態による有機発光表示装置の断面図である。
【0161】
図28を参照すると、本発明の他の実施形態による有機発光表示装置は、封止部材が封止膜である点が
図28の実施形態と違う点である。
【0162】
前述したように、例示的な実施形態で、封止部材は封止膜803でありうる。封止膜803は、表示領域DAと非表示領域NDAを覆う。例示的な実施形態で、封止膜803は配線ライン部401及び/または配線パッド部402を少なくとも部分的に露出させるが、これに限定されるものではない。
【0163】
封止膜803は有機物質及び/または無機物質から成る。
【0164】
封止膜803を形成するための有機物質は、例えば、エポキシ、アクリレイト及びウレタンアクリレイトであり得るが、これに限定されるものではない。封止膜803を形成するための無機物質は例えば、アルミニウム酸化物またはシリコン酸化物であり得るが、これに限定されるものではない。
【0165】
図28は、封止膜803が単一層構造を有することを例示しているが、封止膜803の構造はこれに限定されず、封止膜803は一つ以上の層が積層された積層構造を有しうる。例示的な実施形態で、封止膜803は有機膜と無機膜が少なくとも一回は交互に積層された構造を有し得るが、これは例示的なものであり、封止膜803の構造がこれに限定されるものではない。
【0166】
以上、添付された図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明のその技術的思想や必須の特徴を変更しない範囲で他の具体的な形態で実施されうることを理解できるであろう。したがって、上記実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。