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特許6673669圧電振動片の製造方法、ウエハ及び圧電振動片
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6673669
(24)【登録日】2020年3月9日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】圧電振動片の製造方法、ウエハ及び圧電振動片
(51)【国際特許分類】
   H03H 3/02 20060101AFI20200316BHJP
【FI】
   H03H3/02 D
   H03H3/02 C
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-216936(P2015-216936)
(22)【出願日】2015年11月4日
(65)【公開番号】特開2017-92569(P2017-92569A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】713005174
【氏名又は名称】エスアイアイ・クリスタルテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100166305
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】市村 直也
【審査官】 橋本 和志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−186231(JP,A)
【文献】 特開昭54−004094(JP,A)
【文献】 特開2007−142995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H3/007−3/10
H03H9/00−9/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電板と、前記圧電板上に形成され、所定の駆動電圧が印加されたときに前記圧電板を振動させる一対の励振電極と、を有する圧電振動片を、圧電材料からなるウエハを利用して製造する圧電振動片の製造方法であって、
前記ウエハに、前記圧電板と、一か所の連結部を介して前記圧電板を支持するフレーム部と、を形成する外形形成工程と、
前記ウエハの主面上および側面上に電極膜をパターニングして、前記圧電板に対して前記一対の励振電極を形成するとともに、前記圧電板から前記連結部を通って前記フレーム部まで延出し、前記一対の励振電極に対してそれぞれ電気的に接続する一対の延出電極を形成する電極形成工程と、
前記連結部を切断して、前記圧電板を個片化する個片化工程と、
を備え、
前記外形形成工程では、前記連結部の側面に、前記ウエハの主面に対して傾斜した面を有し、前記連結部の幅方向の中心から離れるに従い厚みが薄くなる異形部が形成され、
前記電極形成工程では、前記一対の延出電極のうち少なくともいずれか一方の延出電極を前記異形部に形成する、
ことを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項2】
前記外形形成工程では、前記フレーム部から前記圧電板に向かって幅が狭くなるように前記連結部を形成し、
前記異形部は、前記連結部のうち幅が最も狭くなる幅狭部の側面に形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片の製造方法。
【請求項3】
前記電極形成工程では、前記一対の延出電極は双方とも前記異形部に形成され、前記幅狭部の表裏の主面には前記延出電極が形成されない、
ことを特徴とする請求項2に記載の圧電振動片の製造方法。
【請求項4】
圧電板と、前記圧電板上に形成され、所定の駆動電圧が印加されたときに前記圧電板を振動させる一対の励振電極とを有する圧電振動片と、一か所の連結部を介して前記圧電板を支持するフレーム部とを有するウエハであって、
前記連結部は、前記フレーム部から前記圧電板に向かって幅が狭くなり、さらにこの幅が最も狭くなる幅狭部を有し、
前記幅狭部の側面には、前記ウエハの主面に対して傾斜した面を有し、前記連結部の幅方向の中心から離れるに従い厚みが薄くなる異形部が形成され、
前記一対の励振電極に対してそれぞれ電気的に接続する一対の延出電極は、前記異形部に形成され、前記幅狭部の表裏の主面には形成されていない、
ことを特徴とするウエハ。
【請求項5】
圧電板と、前記圧電板上に形成され、所定の駆動電圧が印加されたときに前記圧電板を振動させる一対の励振電極とを有する圧電振動片であって、
前記圧電板の側面に折り曲げによる切断によって形成された切断面からなる一か所の切断部を有し、
前記切断部の外縁は、前記圧電板の表裏の主面と一致する部分と前記切断部の幅方向の中心から離れるに従い厚みが薄くなる異形部の断面の斜面の部分とからなり、
前記切断部の外縁の前記主面と一致する部分には、前記一対の励振電極に対してそれぞれ電気的に接続する延設電極が形成されてなく、
前記圧電板の側面には、前記切断部の外縁の前記斜面に接して前記延設電極が形成されている、
ことを特徴とする圧電振動片。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動片の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話や携帯情報端末機器等の電子機器には、時刻源や制御信号等のタイミング源、リファレンス信号源等に用いられるデバイスとして、水晶等を利用した圧電振動子が用いられる。この種の圧電振動子として、キャビティが形成されたパッケージ内に圧電振動片を気密封止したものが知られている。近年では、電子機器の小型化に伴い、圧電振動子および圧電振動片の小型化への要求が益々高まりつつある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されたように、圧電振動片は、圧電材料からなるウエハを利用して一度に複数製造される。このとき、圧電振動片は、圧電板を支持するフレーム部に対して連結部を介して連結された状態で形成される。ウエハの一方主面上には、圧電板から連結部を通ってフレーム部まで延出する一対の延出電極が各圧電振動片に対応して形成される。圧電振動片は、フレーム部上の延出電極にプローブ等を押し当てる等して周波数を測定される。その後、圧電振動片は、連結部において切断されて、個片化される。
【0004】
ところで、圧電振動片は、その小型化に伴って各部の強度が低下する場合がある。このため、圧電振動片は、個片化時に連結部を介して作用する応力により損傷するおそれがある。したがって、連結部は、容易に切断可能となるように、より幅狭に形成されるのが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−194630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術にあっては、連結部の一方主面上には一対の延出電極が並んで形成されているため、延出電極のパターニングの精度上、一対の延出電極間の短絡を防止しつつ、連結部の幅を狭くするには限界がある。したがって、従来技術の圧電振動片の製造方法にあっては、圧電振動片を小型化しつつ、個片化時に圧電振動片が損傷することを防止するという点で課題がある。
【0007】
そこで本発明は、個片化時に圧電振動片が損傷することを防止できる圧電振動片の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の圧電振動片の製造方法は、圧電板と、前記圧電板上に形成され、所定の駆動電圧が印加されたときに前記圧電板を振動させる一対の励振電極と、を有する圧電振動片を、圧電材料からなるウエハを利用して製造する圧電振動片の製造方法であって、前記ウエハに、前記圧電板と、連結部を介して前記圧電板を支持するフレーム部と、を形成する外形形成工程と、前記ウエハの主面上および側面上に電極膜をパターニングして、前記圧電板に対して前記一対の励振電極を形成するとともに、前記圧電板から前記連結部を通って前記フレーム部まで延出し、前記一対の励振電極に対してそれぞれ電気的に接続する一対の延出電極を形成する電極形成工程と、前記連結部を切断して、前記圧電板を個片化する個片化工程と、を備え、前記電極形成工程では、前記一対の延出電極のうち少なくともいずれか一方の延出電極を、前記連結部の側面上に形成する、ことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、少なくとも一方の延出電極を連結部の側面上に形成するので、一対の延出電極が連結部の主面上において近接した位置に形成されることを防止できる。これにより、一対の延出電極が短絡することを防止しつつ、一対の延出電極が連結部の一方主面上に形成された従来技術と比較して連結部の幅を狭く形成することができる。したがって、連結部を容易に切断することが可能となり、個片化時に圧電振動片が損傷することを防止できる。
【0010】
上記の圧電振動片の製造方法において、前記外形形成工程では、前記連結部の側面に、前記ウエハの主面に対して傾斜した面を有する異形部が形成され、前記電極形成工程では、前記一対の延出電極のうち少なくともいずれか一方の延出電極を前記異形部に形成する、ことが望ましい。
【0011】
水晶等の圧電材料を外形形成工程においてウェットエッチング加工すると、例えば連結部と圧電板との境界部の隅等に、エッチング残りとして、圧電材料の自然結晶面からなる異形部が形成される場合がある。本発明によれば、連結部の側面における異形部に延出電極を形成するので、一対の延出電極が連結部の主面上において近接した位置に形成されることを防止できる。これにより、一対の延出電極が短絡することを防止しつつ、従来技術と比較して連結部の幅を狭く形成することができる。したがって、連結部を容易に切断することが可能となり、個片化時に圧電振動片が損傷することを防止できる。
【0012】
上記の圧電振動片の製造方法において、前記外形形成工程では、前記フレーム部から前記圧電板に向かって幅が狭くなるように前記連結部を形成し、前記電極形成工程では、前記連結部のうち幅が最も狭くなる幅狭部の側面に、前記一対の延出電極のうち少なくともいずれか一方の延出電極を形成する、ことが望ましい。
【0013】
本発明によれば、連結部のうち幅が最も狭くなる幅狭部の側面に延出電極を形成するので、一対の延出電極が近接した位置に形成されることをより確実に防止できる。これにより、一対の延出電極が短絡することを防止しつつ、従来技術と比較して連結部の幅をより狭く形成することができる。したがって、連結部をより容易に切断することが可能となり、個片化時に圧電振動片が損傷することを防止できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、少なくとも一方の延出電極を連結部の側面上に形成するので、一対の延出電極が連結部の主面上において近接した位置に形成されることを防止できる。これにより、一対の延出電極が短絡することを防止しつつ、一対の延出電極が連結部の一方主面上に形成された従来技術と比較して連結部の幅を狭く形成することができる。したがって、連結部を容易に切断することが可能となり、個片化時に圧電振動片が損傷することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る圧電振動子の外観斜視図である。
図2】実施形態に係る圧電振動子の内部構成図である。
図3図2のIII−III線における断面図である。
図4】実施形態に係る圧電振動子の分解斜視図である。
図5】実施形態に係る圧電振動片の平面図である。
図6】実施形態に係る圧電振動片の製造方法を示すフローチャートである。
図7】実施形態に係る圧電振動片の製造方法を説明するための工程図であって、ウエハの部分平面図である。
図8】実施形態に係る圧電振動片の製造方法を説明するための工程図であって、ウエハの部分平面図である。
図9】実施形態に係る圧電振動片の製造方法を説明するための工程図であって、ウエハの連結部を第2支持腕部側から見た斜視図である。
図10】実施形態の第1変形例に係る圧電振動片の製造方法を説明するための工程図であって、ウエハを一方主面側から見た部分平面図である。
図11】実施形態の第2変形例に係る圧電振動片の製造方法を説明するための工程図であって、ウエハを一方主面側から見た部分平面図である。
図12図11に示すウエハの連結部を長手方向から見た断面図である。
図13】実施形態の第3変形例に係る圧電振動片の製造方法を説明するための工程図であって、ウエハを一方主面側から見た部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(圧電振動子)
図1は、実施形態に係る圧電振動子の外観斜視図である。図2は、実施形態に係る圧電振動子の内部構成図である。図3は、図2のIII−III線における断面図である。図4は、実施形態に係る圧電振動子の分解斜視図である。
【0017】
図1から図4に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、内部に気密封止されたキャビティCを有するパッケージ2と、キャビティC内に収容された圧電振動片3と、を備えたセラミックパッケージタイプの表面実装型振動子とされている。
なお、圧電振動子1は、平面視直方体状に形成されており、本実施形態では平面視において圧電振動子1の長手方向を長手方向Lといい、短手方向を幅方向Wといい、これら長手方向Lおよび幅方向Wに対して直交する方向を厚さ方向Tという。
【0018】
図3に示すように、パッケージ2は、パッケージ本体5と、パッケージ本体5に対して接合されるとともに、パッケージ本体5との間にキャビティCを形成する封口板6と、を備えている。
パッケージ本体5は、互いに重ね合わされた状態で接合された第1ベース基板10および第2ベース基板11と、第2ベース基板11上に接合されたシールリング12と、を備えている。
【0019】
図4に示すように、第1ベース基板10および第2ベース基板11の四隅には、平面視1/4円弧状の切欠部15が、両ベース基板10,11の厚さ方向の全体に亘って形成されている。これら第1ベース基板10および第2ベース基板11は、例えばウエハ状のセラミック基板を2枚重ねて接合した後、両セラミック基板を貫通する複数のスルーホールを行列状に形成し、その後、各スルーホールを基準としながら両セラミック基板を格子状に切断することで作製される。その際、スルーホールが4分割されることで、切欠部15となる。
【0020】
なお、第1ベース基板10および第2ベース基板11はセラミックス製としたが、その具体的なセラミックス材料としては、例えばアルミナ製のHTCC(High Temperature Co−Fired Ceramic)や、ガラスセラミックス製のLTCC(Low Temperature Co−Fired Ceramic)等が挙げられる。
【0021】
図3に示すように、第1ベース基板10の上面は、キャビティCの底面に相当する。
第2ベース基板11は、第1ベース基板10に重ねられており、第1ベース基板10に対して焼結などにより結合されている。すなわち、第2ベース基板11は、第1ベース基板10と一体化されている。
【0022】
図4に示すように、第2ベース基板11には、貫通部11aが形成されている。貫通部11aは、四隅が丸みを帯びた平面視長方形状に形成されている。貫通部11aの内側面は、キャビティCの側壁の一部を構成している(図3参照)。貫通部11aの幅方向W両側の内側面には、内方に突出する実装部14A,14Bが設けられている。実装部14A,14Bは、貫通部11aの長手方向Lの略中央に形成されている。
【0023】
シールリング12は、第1ベース基板10および第2ベース基板11の外形よりも一回り小さい導電性の枠状部材であり、第2ベース基板11の上面に接合されている。具体的には、シールリング12は、銀ロウ等のロウ材や半田材等による焼付けによって第2ベース基板11上に接合、あるいは、第2ベース基板11上に形成(例えば、電解メッキや無電解メッキの他、蒸着やスパッタリング等により)された金属接合層に対する溶着等によって接合されている。
【0024】
シールリング12の材料としては、例えばニッケル基合金等が挙げられ、具体的にはコバール、エリンバー、インバー、42−アロイ等から選択すれば良い。特に、シールリング12の材料としては、セラミックス製とされている第1ベース基板10および第2ベース基板11に対して熱膨張係数が近いものを選択することが好ましい。例えば、第1ベース基板10および第2ベース基板11として、熱膨張係数6.8×10-6/℃のアルミナを用いる場合には、シールリング12としては、熱膨張係数5.2×10-6/℃のコバールや、熱膨張係数4.5〜6.5×10-6/℃の42−アロイを用いることが好ましい。
【0025】
図3に示すように、封口板6は、シールリング12上に重ねられた導電性基板であり、シールリング12に対する接合によってパッケージ本体5に対して気密に接合されている。封口板6、シールリング12、第2ベース基板11の貫通部11a、および第1ベース基板10の上面により画成された空間は、気密に封止されたキャビティCとして機能する。
【0026】
封口板6の溶接方法としては、例えばローラ電極を接触させることによるシーム溶接や、レーザー溶接、超音波溶接等が挙げられる。また、封口板6とシールリング12との溶接をより確実なものとするため、互いになじみの良いニッケルや金等の接合層を、少なくとも封口板6の下面と、シールリング12の上面とにそれぞれ形成することが好ましい。
【0027】
図4に示すように、第2ベース基板11の実装部14A,14Bの上面には、圧電振動片3との接続電極である一対の電極パッド20A,20Bが形成されている。また、第1ベース基板10の下面には、一対の外部電極21A,21Bが長手方向Lに間隔をあけて形成されている。電極パッド20A,20Bおよび外部電極21A,21Bは、例えば蒸着やスパッタリング等で形成された単一金属による単層膜、または異なる金属が積層された積層膜であり、不図示の配線を介して互いにそれぞれ導通している。
【0028】
(圧電振動片)
図5は、実施形態に係る圧電振動片の平面図である。
図5に示すように、圧電振動片3は、圧電板30と、圧電板30上に形成された電極41〜48と、を主に備える。なお、圧電振動子1の長手方向L、幅方向Wおよび厚さ方向Tは、圧電振動片3の長手方向、幅方向および厚さ方向と一致している。したがって、以下の説明では、圧電振動片3の長手方向、幅方向および厚さ方向の各方向について、圧電振動子1の長手方向L、幅方向Wおよび厚さ方向Tの各方向と同一の符号を付して説明する。
【0029】
圧電板30は、水晶やタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成されている。圧電板30は、一対の振動腕部(第1振動腕部31および第2振動腕部32)と、基部35と、一対の支持腕部(第1支持腕部33および第2支持腕部34)と、を備えている。圧電板30は、長手方向Lに沿う中心軸Oに対して、厚さ方向Tから見た平面視形状が略対称となるように形成されている。なお、本実施形態では、圧電板30を形成する圧電材料として水晶を例に挙げて説明する。
【0030】
各振動腕部31,32は、長手方向Lに延在するとともに幅方向Wに並んで平行に配置されている。各振動腕部31,32は、基端部を固定端とし、先端部を自由端として振動する。各振動腕部31,32は、基端に位置する本体部31A,32Aと、先端に位置する錘部31B,32Bと、を有している。
【0031】
各振動腕部31,32の本体部31A,32Aは、それぞれ各振動腕部31,32の基端部から長手方向Lに沿って延出している。本体部31A,32Aには、溝部37が形成されている。溝部37は、本体部31A,32Aの両主面上において、厚さ方向Tに凹むとともに、長手方向Lに沿って延在している。溝部37は、各振動腕部31,32の基端部から、本体部31A,32Aの先端に亘って形成されている。
【0032】
各振動腕部31,32の本体部31A,32Aの外表面上には、2系統の励振電極(第1励振電極41および第2励振電極42)が設けられている。各励振電極41,42は、所定の駆動電圧が印加されたときに、各振動腕部31,32を幅方向Wに振動させる。各励振電極41,42は、互いに電気的に絶縁された状態でパターニングされている。
具体的に、第1振動腕部31の溝部37上と、第2振動腕部32の両側面上と、に第1励振電極41が主に形成されている。また、第1振動腕部31の両側面上と、第2振動腕部32の溝部37上と、に第2励振電極42が主に形成されている。
【0033】
各振動腕部31,32の錘部31B,32Bは、それぞれ本体部31A,32Aの先端から長手方向Lに沿って延出している。錘部31B,32Bは、平面視矩形状であって、幅方向Wにおける幅が本体部31A,32Aよりも広くなっている。これにより、各振動腕部31,32の先端の質量および振動時の慣性モーメントを増大させることができるので、錘部31B,32Bを有しない圧電振動片と比較して各振動腕部31,32を短縮することができる。
【0034】
錘部31B,32Bの主面上には、重り金属膜50が形成されている。重り金属膜50は、各振動腕部31,32の先端における質量を増加させ、各振動腕部31,32を短縮したときに、共振周波数の上昇を抑制するために設けられている。本実施形態では、重り金属膜50は、第1励振電極41または第2励振電極42と一体に形成されている。
【0035】
基部35は、各振動腕部31,32の基端部同士を一体に接続している。
各支持腕部33,34は、平面視でL字状に形成され、基部35および各振動腕部31,32(本体部31A,32A)を幅方向Wの外側から取り囲んでいる。具体的に、各支持腕部33,34は、基部35における幅方向Wの両側面から幅方向Wの外側に向けて突設された後、長手方向Lに沿って各振動腕部31,32と平行に延在している。
【0036】
各支持腕部33,34の主面上には、圧電振動片3をパッケージ2に実装する際のマウント部として、マウント電極(第1マウント電極43および第2マウント電極44)がそれぞれ設けられている。具体的に、第1マウント電極43は、第2支持腕部34の先端付近に配置され、第2マウント電極44は、第1支持腕部33の先端付近に配置されている。
【0037】
2系統の励振電極41,42と、2系統のマウント電極43,44とは、2系統の引き回し電極(第1引き回し電極45および第2引き回し電極46)によりそれぞれ導通されている。第1引き回し電極45は、第2支持腕部34から、基部35を経由して各振動腕部31,32に至る経路に形成されている。第2引き回し電極46は、第1支持腕部33から、基部35を経由して各振動腕部31,32に至る経路に形成されている。
各励振電極41,42、各マウント電極43,44および各引き回し電極45,46は、例えば厚さ方向Tから見た平面視形状が一致するように圧電板30の両主面上に形成されている。
【0038】
基部35の主面上には、一対の延出電極(第1延出電極47および第2延出電極48)が設けられている。各延出電極47,48は、各励振電極41,42に対してそれぞれ電気的に接続している。具体的に、第1延出電極47は、基部35の一方主面上において、第1引き回し電極45から基部35における各振動腕部31,32との接続部分とは反対側の端縁に向かって延びた後、基部35の側面上に延びている。第2延出電極48は、基部35の一方主面上において、第2引き回し電極46から基部35における各振動腕部31,32との接続部分とは反対側の端縁に向かって延びた後、基部35の側面上に延びている。第1延出電極47と第2延出電極48とは、互いに電気的に絶縁された状態となっている。
【0039】
図2および図3に示すように、上記のように構成された圧電振動片3は、気密封止されたパッケージ2のキャビティC内に収容されている。圧電振動片3は、各支持腕部33,34が実装部14A,14Bに設けられた2つの電極パッド20A,20Bにそれぞれ導電性接着剤を介して電気的および機械的に接合されている。これにより、圧電振動片3の各振動腕部31,32は、基部35を介して片持ち支持されるとともに、第1マウント電極43が電極パッド20Bに対して電気的に接続され、第2マウント電極44が電極パッド20Aに対して電気的に接続される(図5参照)。
【0040】
なお、各支持腕部33,34を電極パッド20A,20Bに接合する導電性接合材として、導電性接着剤の代わりに金属バンプを使用することも可能である。導電性接着剤と金属バンプの共通点は、接合初期の段階において流動性を持ち、接合後期の段階において固化して接合強度を発現する性質の導電性接合材であるということである。
【0041】
外部電極21A,21Bに所定の電圧が印加されると、図5に示す各励振電極41,42に電流が流れ、各励振電極41,42間に電界が発生する。各振動腕部31,32は、各励振電極41,42間に発生する電界による逆圧電効果によって例えば互いに接近、離間する方向(幅方向W)に所定の共振周波数で振動する。各振動腕部31,32の振動は、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源などとして用いられる。
【0042】
(圧電振動片の製造方法)
次に、本実施形態の圧電振動片3の製造方法について説明する。なお、以下の説明における各構成部品の符号については、図5を参照されたい。
図6は、実施形態に係る圧電振動片の製造方法を示すフローチャートである。図7から図9は、実施形態に係る圧電振動片の製造方法を説明するための工程図であって、図7および図8はウエハを一方主面側から見た部分平面図であり、図9はウエハの連結部を第2支持腕部側から見た斜視図である。なお、図8および図9では、励振電極41,42、マウント電極43,44、引き回し電極45,46および重り金属膜50の図示を省略している。
図6に示すように、本実施形態の圧電振動片3の製造方法は、外形形成工程S10と、電極形成工程S20と、重り金属膜形成工程S30と、周波数調整工程S40と、個片化工程S50と、を有する。
【0043】
(外形形成工程)
まず外形形成工程S10を行う。図7に示すように、外形形成工程S10では、ウエハ60に、複数の圧電板30と、連結部61を介して各圧電板30を支持するフレーム部62と、を形成する。
具体的には、フォトリソグラフィ技術によってウエハ60の両面に、圧電板30、連結部61およびフレーム部62の外形形状に対応する形状のマスク(外形マスク)を形成する。次いで、ウエハ60をウェットエッチング加工する。これにより、外形マスクにマスクされていない領域を選択的に除去して、複数の圧電板30、連結部61およびフレーム部62の外形形状が形成される。このとき、各圧電板30は、幅方向Wに並んで配置され、それぞれ連結部61を介してフレーム部62に連結された状態となっている。また、ウエハ60の外表面のうち、ウェットエッチングにより形成された端面(側面)は、水晶の自然結晶面となっている。
次に、各振動腕部31,32に対してエッチング加工を施し、各振動腕部31,32の両主面に溝部37を形成する。
【0044】
ここで、連結部61は、フレーム部62と、圧電板30の基部35のうち、長手方向Lにおける各振動腕部31,32とは反対側の端縁と、を連結している。連結部61は、長手方向Lに沿ってフレーム部62から圧電板30の基部35に向かって延びている。連結部61の幅方向Wにおける幅は、フレーム部62から圧電板30の基部35に向かって漸次狭くなっている。連結部61と圧電板30との境界部61a(幅狭部)は、基部35の端縁の幅方向Wにおける中央部に設けられている。境界部61aは、連結部61において最も幅方向Wの幅が狭くなっている。境界部61aの幅寸法は、例えば30〜50μm程度となっている。
【0045】
(電極形成工程)
続いて電極形成工程S20を行う。電極形成工程S20は、ウエハ60に電極膜をパターニングして、圧電板30に対して励振電極41,42、マウント電極43,44および引き回し電極45,46を形成するとともに、各圧電板30から連結部61を通ってフレーム部62まで延出する各延出電極47,48を形成する。
具体的には、ウエハ60の主面上および側面上にスパッタリング法や蒸着法などにより電極膜を成膜する。電極膜は、金等の金属の単層膜や、クロム等の金属を下地層とし、金等の金属を上地層とした積層膜などで形成されている。
【0046】
次いで、フォトリソグラフィ技術によって、電極膜の表面に各電極41〜48の外形形状に対応する形状のレジスト材料からなるマスク(電極マスク)を形成する。
次いで、電極膜をエッチング加工し、電極マスクにマスクされていない領域の電極膜を選択的に除去する。これにより、圧電板30に対して励振電極41,42、マウント電極43,44および引き回し電極45,46が形成される。また、図8および図9に示すように、圧電板30から連結部61を通ってフレーム部62に至る領域に、各延出電極47,48が形成される。
【0047】
図8に示すように、第1延出電極47は、ウエハ60の一方主面上に設けられた主面上形成部47Aと、基部35の側面上および連結部61の側面61b上に設けられた側面上形成部47Bと、を含んでいる。主面上形成部47Aは、長手方向Lに沿って延びるとともに、境界部61aよりも幅方向Wにおける第2支持腕部34側において、基部35に形成された部分と、連結部61およびフレーム部62に形成された部分と、に分断されている。主面上形成部47Aのうち基部35に形成された部分は、各振動腕部31,32側の一端部において第1引き回し電極45に接続し、他端部において側面上形成部47Bに接続している。主面上形成部47Aのうち連結部61およびフレーム部62に形成された部分は、各振動腕部31,32側の一端部において側面上形成部47Bに接続し、他端部においてフレーム部62の一方主面上に設けられた矩形状の第1パッド部47aに接続している。図8および図9に示すように、側面上形成部47Bは、幅方向Wにおける中心軸O(図5参照)よりも第2支持腕部34側において、基部35の側面上から、境界部61aの側面上を通って、連結部61の側面61b上に亘って形成されている。
【0048】
図8に示すように、第2延出電極48は、第1延出電極47と絶縁された状態で設けられている。第2延出電極48は、ウエハ60の一方主面上に設けられた主面上形成部48Aと、基部35および連結部61の側面61b上に設けられた側面上形成部48Bと、を含んでいる。主面上形成部48Aは、長手方向Lに沿って延びるとともに、境界部61aよりも幅方向Wにおける第1支持腕部33側において、基部35に形成された部分と、連結部61およびフレーム部62に形成された部分と、に分断されている。主面上形成部48Aのうち基部35に形成された部分は、各振動腕部31,32側の一端部において第2引き回し電極46に接続し、他端部において側面上形成部48Bに接続している。主面上形成部48Aのうち連結部61およびフレーム部62に形成された部分は、各振動腕部31,32側の一端部において側面上形成部48Bに接続し、他端部においてフレーム部62の一方主面上に設けられた矩形状の第2パッド部48aに接続している。側面上形成部47Bは、幅方向Wにおける中心軸O(図5参照)よりも第1支持腕部33側において、基部35の側面上から、境界部61aの側面上を通って、連結部61の側面61b上に亘って形成されている。
【0049】
図8に示すように、各パッド部47a,48aは、各圧電板30各々に対応して設けられ、幅方向Wに交互に並んで設けられている。なお、各パッド部47a,48aの位置は、特に限定されず、幅方向Wにおいて圧電板30と重なる位置に設けられてもよいし、幅方向Wにおいて隣り合う圧電板30同士の間に対応する位置に設けられてもよい。
【0050】
(重り金属膜形成工程)
続いて重り金属膜形成工程S30を行う。重り金属膜形成工程S30では、各振動腕部31,32の錘部31B,32Bの表面に周波数調整用の重り金属膜50を形成する。重り金属膜50は、例えば蒸着等により形成することができる。なお、重り金属膜50は、電極形成工程S20において各電極41〜48と同時に形成されてもよい。
【0051】
(周波数調整工程)
続いて周波数調整工程S40を行う。周波数調整工程S40では、各延出電極47,48間に所定の駆動電圧を印加して、圧電板30の各振動腕部31,32を振動させることにより圧電振動片3(圧電板30)の周波数を調整する。
具体的には、フレーム部62上の各パッド部47a,48aに駆動電圧を印加するための測定器のプローブ等を押し当てる。この状態で、各延出電極47,48を介して各励振電極41,42間に所定の駆動電圧を印加し、各振動腕部31,32を振動させる。このときに測定された周波数と、予め定められた圧電振動片3の目標周波数と、の差に応じて、各振動腕部31,32上の重り金属膜50を部分的に除去する。これにより、各振動腕部31,32の質量が変化するので、各振動腕部31,32の振動の周波数(圧電振動片3の周波数)が変化する。よって、圧電振動片3の周波数の目標周波数に近付けることができる。
【0052】
(個片化工程)
続いて個片化工程S50を行う。個片化工程S50では、連結部61を切断して、圧電板30を個片化する。
具体的には、各圧電板30をフレーム部62に対して折り曲げるようにして、各連結部61を切断する。このとき、連結部61の幅は境界部61aにおいて最も狭くなっているので、連結部61は境界部61aにおいて切断される。
以上により、1枚のウエハ60から、複数の圧電振動片3を一度に複数製造することができる。
【0053】
このように、本実施形態の圧電振動片3の製造方法によれば、延出電極47,48を連結部61の側面61b上に形成するので、一対の延出電極47,48が連結部61の主面上において近接した位置に形成されることを防止できる。これにより、一対の延出電極47,48が短絡することを防止しつつ、一対の延出電極が連結部の一方主面上に形成された従来技術と比較して連結部61の幅を狭く形成することができる。したがって、連結部61を容易に切断することが可能となり、個片化時に圧電振動片3が損傷することを防止できる。
【0054】
また、連結部61のうち幅が最も狭くなる境界部61aの側面に一対の延出電極47,48を形成するので、一対の延出電極47,48が近接した位置に形成されることをより確実に防止できる。これにより、一対の延出電極47,48が短絡することを防止しつつ、従来技術と比較して連結部61の幅をより狭く形成することができる。したがって、連結部61をより容易に切断することが可能となり、個片化時に圧電振動片3が損傷することを防止できる。
【0055】
なお、上記実施形態では、一対の延出電極47,48の両方が連結部61の側面61b上に形成されているが、これに限定されない。
図10は、実施形態の第1変形例に係る圧電振動片の製造方法を説明するための工程図であって、ウエハを一方主面側から見た部分平面図である。
図10に示すように、各延出電極47,48のうちいずれか一方(図示の例では第1延出電極47)がウエハ60の一方主面上のみに形成され、他方(図示の例では第2延出電極48)が連結部61の側面61b上に形成されていてもよい。
【0056】
また、水晶を外形形成工程においてウェットエッチング加工すると、連結部61の側面61bに、エッチング残りとして、圧電材料の自然結晶面からなる異形部が形成される場合がある。以下、連結部61の側面61bに異形部が形成されている場合について説明する。
【0057】
図11は、実施形態の第2変形例に係る圧電振動片の製造方法を説明するための工程図であって、ウエハを一方主面側から見た部分平面図である。図12は、図11に示すウエハの連結部を長手方向から見た断面図である。
例えば、図11および図12に示す例では、異形部63は、連結部61と圧電板30の基部35との境界部61aにおける幅方向W両側の2箇所の隅部に形成されている。異形部63の表面は、ウエハ60の主面に対して傾斜した面となっている。この場合には、電極形成工程S20において、各延出電極47,48を異形部63に形成する。これにより、一対の延出電極47,48が連結部61の主面上において近接した位置に形成されることを防止できる。よって、一対の延出電極47,48が短絡することを防止しつつ、従来技術と比較して連結部61の幅を狭く形成することができる。したがって、連結部61を容易に切断することが可能となり、個片化時に圧電振動片3が損傷することを防止できる。
【0058】
図13は、実施形態の第3変形例に係る圧電振動片の製造方法を説明するための工程図であって、ウエハを一方主面側から見た部分平面図である。
また、図13に示す例では、連結部61が長手方向Lに沿ってフレーム部62から圧電板30の基部35に向かって一定の幅で延びている。異形部63は、連結部61と基部35との境界部61aにおける幅方向W両側の2箇所の隅部、および連結部61とフレーム部62との境界部61cにおける幅方向W両側の2箇所の隅部に形成されている。この場合であっても、電極形成工程S20において、各延出電極47,48を異形部63に形成することで、第2変形例と同様に、一対の延出電極47,48が連結部61の主面上において近接した位置に形成されることを防止できる。よって、一対の延出電極47,48が短絡することを防止しつつ、従来技術と比較して連結部61の幅を狭く形成することができる。したがって、連結部61を容易に切断することが可能となり、個片化時に圧電振動片3が損傷することを防止できる。
【0059】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態において、圧電振動片3は、各支持腕部33,34が各振動腕部31,32の外側に配置された、いわゆるサイドアーム型の振動片であった。しかしながらこれに限定されず、圧電振動片は、例えば1つの支持腕部が一対の振動腕部の間に配置された、いわゆるセンターアーム型の振動片や、支持腕部を備えていない振動片であってもよい。また、各振動腕部に溝部が形成されていない構成であってもよい。
【0060】
また、上記実施形態においては、フレーム部62上において、各圧電板30に対応して形成された第1延出電極47同士、および第2延出電極48同士は、互いに電気的に絶縁された状態でパターニングされているが、これに限定されるものではない。フレーム部62上において、各圧電板30に対応して形成された第1延出電極同士、または第2延出電極同士は、電気的に接続されていてもよい。これにより、周波数調整工程において複数の圧電振動片3の周波数を各別に測定する際に、互いに電気的に接続された一方の延出電極に押し当てる測定器のプローブを、予め設定された所定の位置に維持させることができる。このため、複数の圧電振動片3の周波数を各別に測定する際に、一対のプローブを測定毎に動かす場合と比較して、煩雑な手間がかかることを防止でき、周波数の測定を効率よく行うことが可能となる。
【0061】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0062】
3…圧電振動片 30…圧電板 41…第1励振電極(励振電極) 42…第2励振電極(励振電極) 47…第1延出電極(延出電極) 48…第2延出電極(延出電極) 60…ウエハ 61…連結部 61a…境界部(幅狭部) 61b…連結部の側面 62…フレーム部 63…異形部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13