(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6673740
(24)【登録日】2020年3月9日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】おにぎり成型包装具
(51)【国際特許分類】
A23L 7/10 20160101AFI20200316BHJP
B65D 85/50 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
A23L7/10 G
B65D85/50 140
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-88858(P2016-88858)
(22)【出願日】2016年4月27日
(65)【公開番号】特開2017-195810(P2017-195810A)
(43)【公開日】2017年11月2日
【審査請求日】2019年4月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】712004462
【氏名又は名称】ホーオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068308
【弁理士】
【氏名又は名称】後田 春紀
(72)【発明者】
【氏名】丸山 清音
【審査官】
松原 寛子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−115743(JP,A)
【文献】
特開2005−296380(JP,A)
【文献】
特開2002−104562(JP,A)
【文献】
特開2000−313490(JP,A)
【文献】
実開平7−018591(JP,U)
【文献】
実用新案登録第3164198(JP,Y2)
【文献】
特開2003−312630(JP,A)
【文献】
韓国登録特許第10−0795717(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
B65D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
肉厚Tに形成された一方側収納体と、肉厚Tに形成された他方側収納体を閉止することによりおにぎりを成型包装するおにぎり成型包装具であって、
前記一方側収納体は、一方側底面壁と、該一方側底面壁の周縁から起立して周設された一方側側壁とを有し、
前記他方側収納体は、他方側底面壁と、該の他方側底面壁の周縁から起立して周設された他方側側壁とを有し、
前記一方側収納体と前記他方側収納体とは、長手方向に長い接続片で接続され、
前記一方側収納体の一方側底面壁の中央部付近には、前記接続片に平行で、且つ肉厚t(t<T)の小巾の溝状の一方側底面肉薄部が横方向全長に亘って形成されると共に、該一方側底面肉薄部に接する一方側第2の側壁に、上方の開口端縁側に行くに従い漸次巾が前記接続片方向に拡開するよう形成された、前記一方側底面肉薄部と同肉厚t(t<T)の一方側第1の末広がり肉薄部が連設して形成され、
前記一方側底面肉薄部に接する一方側第3の側壁に、上方の開口端縁側に行くに従い漸次巾が前記接続片方向に拡開するよう形成された、前記一方側底面肉薄部と同肉厚t(t<T)の一方側第2の末広がり肉薄部が連設して形成され、
前記一方側収納体は、前記一方側第1の末広がり肉薄部、一方側底面肉薄部及び一方側第2の末広がり肉薄部を介して外方に向かって折曲自在であり、
前記他方側収納体の他方側底面壁の中央部付近には、前記接続片に平行で、且つ肉厚t(t<T)の小巾の溝状の他方側底面肉薄部が横方向全長に亘って形成されると共に、該他方側底面肉薄部に接する他方側第2の側壁に、上方の開口端縁側に行くに従い漸次巾が前記接続片方向に拡開するよう形成された、前記他方側底面肉薄部と同肉厚t(t<T)の他方側第1の末広がり肉薄部が連設して形成され、
前記他方側底面肉薄部に接する他方側第3の側壁に、上方の開口端縁側に行くに従い漸次巾が前記接続片方向に拡開するよう形成された、前記他方側底面肉薄部と同肉厚t(t<T)の他方側第2の末広がり肉薄部が連設して形成され、
前記他方側収納体は、前記他方側第1の末広がり肉薄部、他方側底面肉薄部及び他方側第2の末広がり肉薄部を介して外方に向かって折曲自在である、
ことを特徴とするおにぎり成型包装具。
【請求項2】
肉厚Tに形成された一方側収納体と、肉厚Tに形成された他方側収納体を閉止することによりおにぎりを成型包装するおにぎり成型包装具であって、
展開時の前記一方側収納体は、略三角形の一方側底面壁と、該一方側底面壁の周縁から起立して周設された一方側側壁とを有し、且つ該一方側側壁の開口縁部は略三角形であり、
展開時の前記他方側収納体は、略三角形の他方側底面壁と、該他方側底面壁の周縁から起立して周設された他方側側壁とを有し、且つ該他方側側壁の開口縁部は略三角形であり、
前記一方側収納体と前記他方側収納体とは、長手方向に長い接続片で接続され、
前記一方側収納体の開口縁部は、一方側第1の辺と一方側第2の辺と一方側第3の辺とを有し、
前記一方側側壁は、前記一方側第1の辺を含む一方側第1の側壁と、前記一方側第2の辺を含む一方側第2の側壁と、前記一方側第3の辺を含む一方側第3の側壁を連設して形成され、
前記一方側収納体の一方側底面壁の中央部付近には、前記接続片に平行で、且つ肉厚t(t<T)の小巾の溝状の一方側底面肉薄部が横方向全長に亘って形成されると共に、該一方側底面肉薄部に接する一方側第2の側壁に、上方の開口端縁側に行くに従い漸次巾が前記接続片方向に拡開するよう形成された、前記一方側底面肉薄部と同肉厚t(t<T)の一方側第1の末広がり肉薄部が連設して形成され、
前記一方側底面肉薄部に接する一方側第3の側壁に、上方の開口端縁側に行くに従い漸次巾が前記接続片方向に拡開するよう形成された、前記一方側底面肉薄部と同肉厚t(t<T)の一方側第2の末広がり肉薄部が連設して形成され、
前記一方側収納体は、前記一方側第1の末広がり肉薄部、一方側底面肉薄部及び一方側第2の末広がり肉薄部を介して外方に向かって折曲自在であり、
前記他方側収納体の開口縁部は、他方側第1の辺と他方側第2の辺と他方側第3の辺とを有し、
前記他方側側壁は、前記他方側第1の辺を含む他方側第1の側壁と、前記他方側第2の辺を含む他方側第2の側壁と、前記他方側第3の辺を含む他方側第3の側壁を連設して形成され、
前記他方側収納体の他方側底面壁の中央部付近には、前記接続片に平行で、且つ肉厚t(t<T)の小巾の溝状の他方側底面肉薄部が横方向全長に亘って形成されると共に、該他方側底面肉薄部に接する他方側第2の側壁に、上方の開口端縁側に行くに従い漸次巾が前記接続片方向に拡開するよう形成された、前記他方側底面肉薄部と同肉厚t(t<T)の他方側第1の末広がり肉薄部が連設して形成され、
前記他方側底面肉薄部に接する他方側第3の側壁に、上方の開口端縁側に行くに従い漸次巾が前記接続片方向に拡開するよう形成された、前記他方側底面肉薄部と同肉厚t(t<T)の他方側第2の末広がり肉薄部が連設して形成され、
前記他方側収納体は、前記他方側第1の末広がり肉薄部、他方側底面肉薄部及び他方側第2の末広がり肉薄部を介して外方に向かって折曲自在である、
ことを特徴とするおにぎり成型包装具。
【請求項3】
前記一方側収納体の一方側側壁の開放端縁分の内周壁面が、前記他方側収納体の他方側側壁の開放端縁分の外周壁面を被うように被冠して密接できるようにした、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のおにぎり成型包装具。
【請求項4】
前記一方側側壁又は他方側側壁に開き止めの為のバンドが、一方側底面又は他方側底面に前記バンドを止める係止部とが、それぞれ設けられている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のおにぎり成型包装具。
【請求項5】
前記一方側収納体の外表面に手で摘まむ第1の摘まみ部と、他方側収納体の外表面に手で摘まむ第2の摘まみ部とが、それぞれ設けられている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のおにぎり成型包装具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おにぎり成型包装具に係り、特に、使い勝手が良好なおにぎり成型包装具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、繰り返し使用できると共に、おにぎりの成型作業をスムーズにおこなうことができ、且つおにぎりを包装したままで冷凍および加熱可能なおにぎり成型包装具がある(例えば、特許文献1参照)。前記特許文献記載のおにぎり成型包装具は、全体が所定硬度のシリコーンゴムで一体成型され、米飯を収納可能な本体の開口に、外向きに蓋が連設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3164198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献記載のおにぎり成型包装具により成型されたおにぎりを食するときには、蓋を開けて、そのままでは食することができないため、おにぎりを食するときは、一旦おにぎり成型包装具からおにぎりを取り出さなければならず、使い勝手が良好でないという問題点があった。
【0005】
本発明は、前記問題点を考慮してなされたおにぎり成型包装具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記問題点を解決するため、下記構成より成るおにぎり成型包装具が提供される。
【0007】
請求項1においては、
肉厚Tに形成された一方側収納体と、肉厚Tに形成された他方側収納体を閉止することによりおにぎりを成型包装するおにぎり成型包装具であって、前記一方側収納体は、一方側底面壁と、該一方側底面壁の周縁から起立して周設された一方側側壁とを有し、前記他方側収納体は、他方側底面壁と、該の他方側底面壁の周縁から起立して周設された他方側側壁とを有し、 前記一方側収納体と前記他方側収納体とは、長手方向に長い接続片で接続され、 前記一方側収納体の一方側底面壁の中央部付近には、前記接続片に平行で、且つ肉厚t(t<T)の小巾の溝状の一方側底面肉薄部が横方向全長に亘って形成されると共に、該一方側底面肉薄部に接する一方側第2の側壁に、上方の開口端縁側に行くに従い漸次巾が前記接続片方向に拡開するよう形成された、前記一方側底面肉薄部と同肉厚t(t<T)の一方側第1の末広がり肉薄部が連設して形成され、前記一方側底面肉薄部に接する一方側第3の側壁に、上方の開口端縁側に行くに従い漸次巾が前記接続片方向に拡開するよう形成された、前記一方側底面肉薄部と同肉厚t(t<T)の一方側第2の末広がり肉薄部が連設して形成され、前記一方側収納体は、前記一方側第1の末広がり肉薄部、一方側底面肉薄部及び一方側第2の末広がり肉薄部を介して外方に向かって折曲自在であり、前記他方側収納体の他方側底面壁の中央部付近には、前記接続片に平行で、且つ肉厚t(t<T)の小巾の溝状の他方側底面肉薄部が横方向全長に亘って形成されると共に、該他方側底面肉薄部に接する他方側第2の側壁に、上方の開口端縁側に行くに従い漸次巾が前記接続片方向に拡開するよう形成された、前記他方側底面肉薄部と同肉厚t(t<T)の他方側第1の末広がり肉薄部が連設して形成され、前記他方側底面肉薄部に接する他方側第3の側壁に、上方の開口端縁側に行くに従い漸次巾が前記接続片方向に拡開するよう形成された、前記他方側底面肉薄部と同肉厚t(t<T)の他方側第2の末広がり肉薄部が連設して形成され、前記他方側収納体は、前記他方側第1の末広がり肉薄部、他方側底面肉薄部及び他方側第2の末広がり肉薄部を介して外方に向かって折曲自在であることを特徴とするおにぎり成型包装具が提供され、
【0008】
請求項2においては、
肉厚Tに形成された一方側収納体と、肉厚Tに形成された他方側収納体を閉止することによりおにぎりを成型包装するおにぎり成型包装具であって、展開時の前記一方側収納体は、略三角形の一方側底面壁と、該一方側底面壁の周縁から起立して周設された一方側側壁とを有し、且つ該一方側側壁の開口縁部は略三角形であり、 展開時の前記他方側収納体は、略三角形の他方側底面壁と、該他方側底面壁の周縁から起立して周設された他方側側壁とを有し、且つ該他方側側壁の開口縁部は略三角形であり、前記一方側収納体と前記他方側収納体とは、長手方向に長い接続片で接続され、前記一方側収納体の開口縁部は、一方側第1の辺と一方側第2の辺と一方側第3の辺とを有し、前記一方側側壁は、前記一方側第1の辺を含む一方側第1の側壁と、前記一方側第2の辺を含む一方側第2の側壁と、前記一方側第3の辺を含む一方側第3の側壁を連設して形成され、前記一方側収納体の一方側底面壁の中央部付近には、前記接続片に平行で、且つ肉厚t(t<T)の小巾の溝状の一方側底面肉薄部が横方向全長に亘って形成されると共に、該一方側底面肉薄部に接する一方側第2の側壁に、上方の開口端縁側に行くに従い漸次巾が前記接続片方向に拡開するよう形成された、前記一方側底面肉薄部と同肉厚t(t<T)の一方側第1の末広がり肉薄部が連設して形成され、前記一方側底面肉薄部に接する一方側第3の側壁に、上方の開口端縁側に行くに従い漸次巾が前記接続片方向に拡開するよう形成された、前記一方側底面肉薄部と同肉厚t(t<T)の一方側第2の末広がり肉薄部が連設して形成され、前記一方側収納体は、前記一方側第1の末広がり肉薄部、一方側底面肉薄部及び一方側第2の末広がり肉薄部を介して外方に向かって折曲自在であり、前記他方側収納体の開口縁部は、他方側第1の辺と他方側第2の辺と他方側第3の辺とを有し、前記他方側側壁は、前記他方側第1の辺を含む他方側第1の側壁と、前記他方側第2の辺を含む他方側第2の側壁と、前記他方側第3の辺を含む他方側第3の側壁を連設して形成され、前記他方側収納体の他方側底面壁の中央部付近には、前記接続片に平行で、且つ肉厚t(t<T)の小巾の溝状の他方側底面肉薄部が横方向全長に亘って形成されると共に、該他方側底面肉薄部に接する他方側第2の側壁に、上方の開口端縁側に行くに従い漸次巾が前記接続片方向に拡開するよう形成された、前記他方側底面肉薄部と同肉厚t(t<T)の他方側第1の末広がり肉薄部が連設して形成され、前記他方側底面肉薄部に接する他方側第3の側壁に、上方の開口端縁側に行くに従い漸次巾が前記接続片方向に拡開するよう形成された、前記他方側底面肉薄部と同肉厚t(t<T)の他方側第2の末広がり肉薄部が連設して形成され、前記他方側収納体は、前記他方側第1の末広がり肉薄部、他方側底面肉薄部及び他方側第2の末広がり肉薄部を介して外方に向かって折曲自在であることを特徴とするおにぎり成型包装具が提供され、
【0009】
請求項3においては、
前記一方側収納体の一方側側壁の開放端縁分の内周壁面が、前記他方側収納体の他方側側壁の開放端縁分の外周壁面を被うように被冠して密接できるようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のおにぎり成型包装具が提供され、
【0010】
請求項4においては、
前記一方側側壁又は他方側側壁に開き止めの為のバンドが、一方側底面又は他方側底面に前記バンドを止める係止部とが、それぞれ設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のおにぎり成型包装具が提供され、
【0011】
請求項5においては、
前記一方側収納体の外表面に手で摘まむ第1の摘まみ部と、他方側収納体の外表面に手で摘まむ第2の摘まみ部とが、それぞれ設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のおにぎり成型包装具が提供される。
【発明の効果】
【0012】
請求項1及び2記載のおにぎり成型包装具によれば、ごはんをおにぎり成型包装具に詰め込むときは、おにぎり包装具の一方側収納体と他方側収納体をそれぞれ開放状態にできるため、広口形状でごはんが詰め込みやすく、また、成型したおにぎりを食するときには、一方側収納体を、一方側第1の末広がり肉薄部、一方側底面肉薄部及び一方側第2の末広がり肉薄部を介して外方に向かって折曲すると共に、他方側収納体を、他方側第1の末広がり肉薄部、他方側底面肉薄部及び他方側第2の末広がり肉薄部を介して外方に向かって折曲すれば、おにぎりが適度に露出し、露出したおにぎりを食することができ、使い勝手が良好なおにぎり成型包装具を得ることができる。
【0013】
請求項3記載のおにぎり成型包装具によれば、前記請求項1及び2記載の発明の効果に加え、一方側収納体が他方側収納体の開口縁部を覆っているため、内部にゴミ等の侵入を防いで、ごはんを衛生的に保持することができる。なお、一方側収納体が他方側収納体の開口縁部を覆う前にあっては、例えば、一方側収納体又は他方側収納体のごはんの上に具材を入れ易く、おにぎりを成型した場合、具材はおにぎりの真ん中に位置することとなり、使用勝手が良好なおにぎり成型包装具を得ることができる。
【0014】
請求項4記載のおにぎり成型包装具によれば、前記請求項1、2又は請求項3記載の発明の効果に加え、一方側側壁又は他方側側壁に開き止めの為のバンドが、一方側底面壁又は他方側底面壁に前記バンドを止める係止部とが、それぞれ設けられているため、バンドを係止部に止めて、一方側収納体と他方側収納体とが離間することを防ぐことができる。
【0015】
請求項5記載のおにぎり成型包装具によれば、前記請求項1、2又は請求項3記載の発明の効果に加え、第1の摘まみ部と第2の摘まみ部を手で摘まんで、おにぎりを容易に露出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1(a)は、本発明おにぎり成型包装具の一実施例を示す平面図、
図1(b)は同正面図、
図1(c)は同右側面図である。
【
図2】本発明おにぎり成型包装具を展開して示す斜視図である。
【
図4】本発明おにぎり成型包装具の一使用形態を示す斜視図である。
【
図5】
図2に示す本発明おにぎり成型包装具の縦断面図である。
【
図6】
図2に示す本発明おにぎり成型包装具の一部を破断して示す横断面図である。
【
図7】本発明おにぎり成型包装具の他の実施例を示す斜視図である。
【
図8】本発明おにぎり成型包装具の更に他の実施例を示す斜視図である。
【実施例】
【0017】
本発明おにぎり成型包装具の一実施例を、図面(
図1乃至
図6)を参照して説明する。
図1に示すHは、肉厚Tに形成された一方側収納体1と、肉厚Tに形成された他方側収納体2を閉止することにより、おにぎり3を成型包装することができるおにぎり成型包装具である(
図2参照)。前記おにぎり成型包装具Hは、好ましくは、例えば、シリコーン樹脂等の柔らかい素材で成型されることが推奨される。
【0018】
前記一方側収納体1は、一方側底面壁4と、該一方側底面壁4の周縁から起立して周設された一方側側壁5とを備えて形成されている。すなわち、本発明おにぎり成型包装具Hの展開時の一方側収納体1は、
図2に示すように、略三角形状の一方側底面壁4と、該一方側底面壁4の周縁から起立して周設された一方側側壁5とを備え、且つ該一方側側壁5の開口縁部は略三角形状をなすと共に、前記一方側収納体1の開口縁部は、一方側第1の辺Aと一方側第2の辺Bと一方側第3の辺Cとを有している。更に、前記一方側側壁5は、前記一方側第1の辺Aを含む一方側第1の側壁51、一方側第2の辺Bを含む一方側第2の側壁52、及び一方側第3の辺Cを含む一方側第3の側壁53とを連設して形成されている。
【0019】
一方、前記他方側収納体2は、他方側底面壁6と、該他方側底面壁6の周縁から起立して周設された一方側側壁7とを備えて形成されている。すなわち、本発明おにぎり成型包装具Hの展開時の他方側収納体2は、
図2に示すように、略三角形状の他方側底面壁6と、該他方側底面壁6の周縁から起立して周設された他方側側壁7とを備え、且つ該他方側側壁7の開口縁部は略三角形状をなすと共に、前記他方側収納体2の開口縁部は、他方側第1の辺aと他方側第2の辺bと一方側第3の辺cとを有している。更に、前記他方側側壁7は、前記他方側第1の辺aを含む他方側第1の側壁71、他方側第2の辺bを含む他方側第2の側壁72、及び他方側第3の辺cを含む他方側第3の側壁73とを連設して形成されている。
【0020】
そして、前記構成より成る一方側収納体1と他方側収納体2とは、各対面する一方側第1の辺Aと他方側第1の辺aに設けられた長手方向に長い接続片8で接続され、該一方側収納体1と他方側収納体2とは、前記接続片8を介して開閉自在に構成されている。
【0021】
また、前記一方側収納体1の肉厚Tに形成された一方側底面壁4の中央部付近には、前記接続片8に平行で、且つ肉厚t(t<T)の小巾の溝状の一方側底面肉薄部10が横方向全長に亘って形成されると共に、該一方側底面肉薄部10に接する一方側第2の側壁52に、上方の開口端縁側に行くに従い漸次巾が前記接続片8方向に拡開するよう形成された、前記一方側底面肉薄部10と同肉厚t(t<T)の一方側第1の末広がり肉薄部14が連設されている(
図5参照。但し、
図5においては、一方側第2の側壁52ではなく、該一方側第2の側壁52とは対称位置にある後述する一方側第3の側壁53が図示されている)。すなわち、前記一方側第1の末広がり肉薄部14は、一方側収納体1の開口縁部の一方側第2の側壁52に形成され、該一方側第1の末広がり肉薄部14が形成された位置の一方側第2の側壁52がその分だけ肉厚t(t<T)となっている。
【0022】
更に、前記一方側底面肉薄部10に接する一方側第3の側壁53に、
図5に示すように、上方の開口端縁側に行くに従い漸次巾が前記接続片8方向に拡開するよう形成された、前記一方側底面肉薄部10と同肉厚t(t<T)の一方側第2の末広がり肉薄部15が連設されている。すなわち、前記一方側第2の末広がり肉薄部15は、一方側収納体1の開口縁部の一方側第2の側壁53に形成され、該一方側第2の末広がり肉薄部15が形成された位置の一方側第2の側壁53がその分だけ肉厚t(t<T)となっている。
【0023】
前記一方側第1の末広がり肉薄部14、一方側底面肉薄部10及び一方側第2の末広がり肉薄部15が、それぞれ肉厚t(t<T)となっているため、前記一方側収納体1は、一方側第1の末広がり肉薄部14、一方側底面肉薄部10及び一方側第2の末広がり肉薄部15を介して外方に向かって折曲自在となっている(
図4参照)。
【0024】
また、前記他方側収納体2の肉厚Tに形成された他方側底面壁6の中央部付近には、接続片8に平行で、且つ肉厚t(t<T)の小巾の溝状の他方側底面肉薄部17が横方向全長に亘って形成されると共に、該他方側底面肉薄部17に接する他方側第2の側壁72に、上方の開口端縁側に行くに従い漸次巾が接続片8方向に拡開するよう形成された、前記他方側底面肉薄部17と同肉厚t(t<T)の他方側第1の末広がり肉薄部18が連設されている(
図5参照。但し、
図5においては、他方側第2の側壁72ではなく、後述する他方側第3の側壁73が図示されているが、該他方側第3の側壁73とは対称となっている)。すなわち、前記他方側第1の末広がり肉薄部18は、他方側収納体2の開口縁部の他方側第2の側壁72に形成され、該他方側第1の末広がり肉薄部18が形成された位置の他方側第2の側壁72がその分だけ肉厚t(t<T)となっている。
【0025】
更に、前記他方側底面肉薄部17に接する他方側第3の側壁73に、
図5に示すように、上方の開口端縁側に行くに従い漸次巾が接続片8方向へ拡開するよう形成された、前記他方側底面肉薄部17と同肉厚t(t<T)の他方側第2の末広がり肉薄部19が連設されている。すなわち、前記他方側第2の末広がり肉薄部19は、他方側収納体2の開口縁部の他方側第2の側壁73に形成され、該他方側第2の末広がり肉薄部19が形成された位置の他方側第2の側壁73がその分だけ肉厚t(t<T)となっている。
【0026】
そして、前記他方側第1の末広がり肉薄部18、他方側底面肉薄部17及び他方側第2の末広がり肉薄部19が,それぞれ肉厚t(t<T)となっているため、前記他方側収納体2は、他方側第1の末広がり肉薄部18、他方側底面肉薄部17及び他方側第2の末広がり肉薄部19を介して外方に向かって折曲自在となっている(
図4参照)。
【0027】
また、前記一方側収納体1の一方側第1の側壁51、一方側第2の側壁52及び一方側第3の側壁53とを連設して形成された一方側側壁5の開放端縁分の内周壁面が、前記他方側収納体2の他方側第1の側壁71、他方側第2の側壁72及び他方側第3の側壁73とを連設して形成された他方側側壁7の開放端縁分の外周壁面を被うように被冠して密接できるよう、該他方側側壁7より外側方向にやや大きく形成されている。
【0028】
前記構成より成る本発明おにぎり成型包装具Hによれば、おにぎりを作るに当り、ごはんをおにぎり成型包装具Hに詰め込むときは、
図2に示すように、おにぎり成型包装具Hの一方側収納体1と他方側収納体2をそれぞれ開放状態にすると広口形状になるため、該一方側収納体1と他方側収納体2に、簡易且つ迅速にごはんを詰め込むことができる。ごはんを詰め込んだ後、前記一方側収納体1又は他方側収納体2のごはんの上に具材を入れても良いし、あるいは、一方側収納体1及び他方側収納体2の両方のごはんの上に具材を入れても良い。これにより、おにぎり3を成型した場合、具材はおにぎり3の真ん中に位置することとなる。前記一方側収納体1と他方側収納体2にごはん詰め込んだ後、シリコーン樹脂のような柔軟な素材で形成された一方側収納体1のごはんと他方側収納体2のごはんが接するように、前記接続片8を介して、前記一方側収納体1が他方側収納体2の開口縁部を覆うように閉止すると共に、前記一方側収納体1の一方側側壁5の開放端縁分の内周壁面が、前記他方側収納体2の他方側第1の側壁71、他方側第2の側壁72及び他方側第3の側壁73とを連設して形成された他方側側壁7の開放端縁分の外周壁面を被うように被冠して密接させ、前記一方側収納体1及び他方側収納体2のごはんを手のひらで押圧しておにぎり3を成型する。
【0029】
そして、前記成型したおにぎり3を食するときには、
図4に示すように、一方側収納体1を、一方側第1の末広がり肉薄部14、一方側底面肉薄部10及び一方側第2の末広がり肉薄部15を介して外方に向かって折曲すると共に、他方側収納体2を、他方側第1の末広がり肉薄部18、他方側底面肉薄部17及び他方側第2の末広がり肉薄部19を介して外方に向かって折曲すれば、おにぎり3の上方部が適度に露出して、露出したおにぎり3を食することができ、使い勝手が良好なおにぎり成型包装具Hを得ることができる。
【0030】
また、
図1(a)・(c)及び
図3に示すように、前記一方側収納体1の一方側側壁5の開放端縁分の内周壁面が、前記他方側収納体2の他方側側壁7の開放端縁分の外周壁面を被うように被冠して密接できるよう構成されているため、内部へのゴミ等の侵入を防いで、ごはんを衛生的に保持することができる。
【0031】
更に、
図2及び
図3に示す31は、一方側収納体1の外表面に設けられた手で摘まむ第1の摘まみ部、また32は、他方側収納体2の外表面に設けられた手で摘まむ第2の摘まみ部である。前記第1の摘まみ部31と第2の摘まみ部32を手で摘まんで、前記前記一方側収納体1と他一方側収納体2とを開放することにより、おにぎり3を容易に露出させることができる。また、
図2及び
図3に示す33は、開放阻止用のバンドで、また34はバンド33を止める係止部で、前記バンド33を係止部34に止めて、一方側収納体1と他方側収納体2とが離間することを防ぐようにしている。なお、前記バンド33は、他方側側壁7に、係止部34は一方側底面4にそれぞれ設けられているが、逆に、バンド33は一方側側壁5に、係止部34は他方側底面6にそれぞれ設けられていても良い。
【0032】
なお、前記おにぎり成型包装具Hは、略三角形状を有しているが、本願発明にあっては、これに限らず、例えば、
図7に示すような略円形状、
図8に示すような略四角形状を有していても、同様に適用できるものである。また、前記した実施例(
図1乃至
図6)と同一部分については、
図7及び
図8に同一番号を付して、その説明を省略する。
【符号の説明】
【0033】
H おにぎり成型包装具
1 一方側収納体
2 他方側収納体
3 おにぎり
4 一方側底面壁
5 一方側側壁
51 一方側側壁を構成する第1の側壁
52 一方側側壁を構成する第2の側壁
53 一方側側壁を構成する第3の側壁
6 他方側底面壁
7 他方側側壁
71 他方側側壁を構成する第1の側壁
72 他方側側壁を構成する第2の側壁
73 他方側側壁を構成する第3の側壁
8 接続片
10 一方側底面肉薄部
14 一方側第1の末広がり肉薄部
15 一方側第2の末広がり肉薄部
17 他方側底面肉薄部
18 他方側第1の末広がり肉薄部
19 他方側第2の末広がり肉薄部