特許第6673844号(P6673844)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6673844
(24)【登録日】2020年3月9日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】容器蓋
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/08 20060101AFI20200316BHJP
   B65D 43/04 20060101ALI20200316BHJP
   B65D 53/02 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   B65D47/08 200
   B65D43/04
   B65D53/02
【請求項の数】21
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-554624(P2016-554624)
(86)(22)【出願日】2015年2月23日
(65)【公表番号】特表2017-511773(P2017-511773A)
(43)【公表日】2017年4月27日
(86)【国際出願番号】US2015017064
(87)【国際公開番号】WO2015134217
(87)【国際公開日】20150911
【審査請求日】2018年2月22日
(31)【優先権主張番号】14/198,800
(32)【優先日】2014年3月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506410110
【氏名又は名称】ヘレン オブ トロイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230101177
【弁護士】
【氏名又は名称】木下 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100180079
【弁理士】
【氏名又は名称】亀卦川 巧
(72)【発明者】
【氏名】リー、アレキサンダー、ツィー・ファン
(72)【発明者】
【氏名】ウィット、ラリー、エス.
(72)【発明者】
【氏名】ラスコウスキー、マイケル、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ヒョクチェ
(72)【発明者】
【氏名】ペンテロヴィッチ、ノア、ザイマン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーノン、ライアン
【審査官】 植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05931357(US,A)
【文献】 実開昭60−080142(JP,U)
【文献】 実開昭61−007743(JP,U)
【文献】 特開昭52−136089(JP,A)
【文献】 特開2001−151257(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 39/00−55/16
B65D 35/44−35/54
F16J 15/06−15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
関連付けられた容器にぴったり合うように形成されたカバーであって、該カバーを貫通する開口部を画定する前記カバーと、
前記カバーに連結され、前記カバーの開口部に配置され、開位置と閉位置の間で可動な枢動蓋と、
前記枢動蓋に該枢動蓋を囲んで連結され、上面と下面を画定する蓋ガスケットとを具え、前記枢動蓋が前記閉位置にある場合前記上面と下面が前記カバーと接している、
容器蓋組立体。
【請求項2】
前記蓋ガスケットが、前記枢動蓋から外側に向かって延びる平らな環状ガスケットである、請求項1の容器蓋組立体。
【請求項3】
前記枢動蓋が前端と後端を具え、前記枢動蓋が前記前端と後端の間に設けられた枢動軸の周りを枢動し、前記枢動蓋が前記前端と比較して後端により近い傾斜部を具え、該傾斜部に下向きの力が加わる場合に前記枢動蓋が前記開位置に向かって枢動するよう形成されている、請求項1の容器蓋組立体。
【請求項4】
前記カバーが前記カバーの開口部を少なくとも部分的に画定する上壁を具え、前記枢動蓋が前記閉位置にある場合に前記傾斜部の上縁が垂直方向において前記上壁よりも高い位置に設けられている、請求項3の容器蓋組立体。
【請求項5】
前記枢動蓋が前端と後端を具え、前記枢動蓋が前記前端と後端の間に設けられた枢動軸の周りを枢動し、前記後端と隣合う前記枢動蓋に下向きの力が加わる場合に前記枢動蓋が前記開位置に向かって枢動するよう形成され、前記枢動蓋が前記閉位置にある場合に前記枢動蓋の後端に沿って配置された前記蓋ガスケットの上面が前記カバーと接し、前記枢動蓋が前記閉位置にある場合に前記枢動蓋の前端に沿って配置された前記蓋ガスケットの下面が前記カバーと接している、請求項1の容器蓋組立体。
【請求項6】
前記枢動蓋が全体として垂直方向に延びるサイド・フランジ、該サイド・フランジ上に第一戻り止め、及び前記サイド・フランジ上に蓋止めを具え、前記枢動蓋が閉位置にある場合に開位置方向への移動に抗するべく前記カバーと協働するように前記第一戻り止めが形成され、閉位置を通り過ぎてさらに閉位置方向に移動しないように前記カバーと協働するように前記蓋止めが形成されている、請求項1の容器蓋組立体。
【請求項7】
前記枢動蓋が前記サイド・フランジ上に前記蓋止め及び第一戻り止めと比較して前記枢動蓋の後端により近く位置するボスを具え、前記ボスが枢動蓋の枢動軸と同軸上に位置し、前記サイド・フランジが切欠きを具え、前記ボスが前記切欠きの片側に配置され、前記蓋止めと第一戻り止めが前記切欠きのもう一方の側に配置されている、請求項6の容器蓋組立体。
【請求項8】
前記枢動蓋が枢動蓋が前記閉位置を通り過ぎてさらに閉位置方向に移動しないように前記カバーと協働するように形成された蓋止めを具えている、請求項1の容器蓋組立体。
【請求項9】
前記枢動蓋が前記開位置にある場合に前記枢動蓋が前記カバーから滑らせて取外されることが可能な、請求項1の容器蓋組立体。
【請求項10】
関連付けられた容器にぴったり合うように形成されたカバーであって、該カバーを貫通する開口部を画定する前記カバーと、
前記カバーと取外し可能に連結され、前記カバーの開口部に配置され、開位置と閉位置の間で可動な枢動蓋とを具え、該枢動蓋が前記開位置にある場合に前記枢動蓋が前記カバーから滑らせて取外されることが可能で、
前記カバーが周側壁、及び該周側壁から内側に向かって延びるストップ・エレメントを具え、前記枢動蓋が前記開位置にある場合に前記枢動蓋が前記開位置を通り過ぎて開位置方向に移動しないように前記枢動蓋が前記ストップ・エレメントと接している、容器蓋組立体。
【請求項11】
前記カバーと前記枢動蓋が、前記枢動蓋が前記閉位置にある場合に前記カバーから前記枢動蓋を取外すことができないように形成されている、請求項10の容器蓋組立体。
【請求項12】
前記カバーと前記枢動蓋が、前記枢動蓋が前記開位置以外のいずれの位置にある場合でも前記カバーから前記枢動蓋を取外すことができないように形成されている、請求項10の容器蓋組立体。
【請求項13】
前記枢動蓋が前記閉位置から開位置まで枢動する場合に前記枢動蓋が第一線から第二線までx°枢動し、前記枢動蓋を前記第二線と同じ方向、すなわち平行な方向に移動させた場合に前記枢動蓋が前記カバーから滑らせて取外されることが可能な、請求項10の容器蓋組立体。
【請求項14】
前記カバーが周側壁、及び該周側壁から内側に向かって延びるU字型ガイド壁を具え、前記枢動蓋が前記U字型ガイド壁に受入れられ、取外されることも可能なボスを具え、前記枢動蓋を第二線と同じ方向、すなわち平行な方向に引っ張った場合に前記枢動蓋が前記U字型ガイド壁から取外されるように前記U字型ガイド壁が方向付けられている、請求項13の容器蓋組立体。
【請求項15】
前記カバーが、枢動蓋がカバーに対して回転することができる一方で、カバーに対して前記第二線と一致する又は平行な方向以外の方向に直進移動ができないように前記ボスと協働する第二戻り止めを具えている、請求項14の容器蓋組立体。
【請求項16】
前記カバーが前記周側壁から内側に向かって延びるU字型ガイド壁を具え、前記枢動蓋が前記U字型ガイド壁に受入れられ、取外されることも可能なボスを具え、前記ストップ・エレメントが前記U字型ガイド壁の2つの直線部と平行な接触面を画定する、請求項1の容器蓋組立体。
【請求項17】
前記カバーが前記周側壁から内側に向かって延びるキャッチ・エレメントを具え、前記枢動蓋が前記閉位置にある場合に前記枢動蓋の前記開位置方向への移動を妨げるべく前記キャッチ・エレメントにキャッチされ、該キャッチ・エレメントと協働する第一戻り止めを前記枢動蓋が具えている、請求項1の容器蓋組立体。
【請求項18】
前記カバーが前記周側壁から内側に向かって延びる移動限界面を具え、前記枢動蓋が前記閉位置を通り過ぎてさらに閉位置方向に移動しないように前記移動限界面と協働する蓋止めを前記枢動蓋が具えている、請求項1の容器蓋組立体。
【請求項19】
前記キャッチ・エレメントがキャッチ面と前記移動限界面を具え、前記第一戻り止めが前記キャッチ面と係合する細長突出部である、請求項1の容器蓋組立体。
【請求項20】
関連付けられた容器にぴったり合うように形成されたカバーであって、該カバーを貫通する開口部を少なくとも部分的に画定する周側壁を具えている前記カバーと、
前記カバーに連結され、前記カバーの開口部に配置され、枢動軸の周りを枢動可能な枢動蓋と
前記枢動蓋に該枢動蓋を囲んで連結され、前記枢動蓋が閉位置にある場合に前記枢動軸の両側においてカバーに対してシールを施す蓋ガスケットとを具えている、容器蓋組立体。
【請求項21】
前記カバーの前端に沿う前記周側壁が前記周側壁の上縁に向かって外側に曲がっており、前記カバーが前記カバーの上壁から下に向かって垂れ下がっていて前記カバーの開口部の後ろの境界を画定する内壁を具え、前記内壁が前記カバーの後端に向かって下方、且つ後方向きに曲がっている、請求項2の容器蓋組立体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
食物及び他の品目を収容するために使われる容器は、容器に収容される食物の質と鮮度を維持するべく、容器を密閉する密封可能な蓋を具える。多くの異なるタイプの密封可能な蓋がある。いくつかの容器は、容器を密閉するためにスナップフィット又はフリクションフィット蓋を具える。これらの蓋の容器への固定は難しい場合がある。他の蓋では、容器に蓋を保持するために容器に係合し、蓋と容器の密閉を保つラッチを具えるものもある。時々これらのラッチは操作が難しい場合がある。また、容器から注がれる食物を入れる容器に、容易に開けることができて、且つこのような容器を適切に密閉できる蓋を設計することは困難な場合がある。
【発明の概要】
【0002】
前述を考慮し、本発明の容器蓋組立体はカバー、カバーに連結された枢動蓋、及び枢動蓋に枢動蓋を囲んで連結された蓋ガスケットを具える。カバーは関連付けられた容器にぴったり合うように形成され、カバーを貫通する開口部を画定する。枢動蓋はカバーの開口部に配置される。枢動蓋は開位置と閉位置の間で可動である。蓋ガスケットは上面と下面を画定する。枢動蓋が閉位置にあるとき、蓋ガスケットの上面と下面はカバーと接する。
【0003】
他の例の容器蓋組立体は、カバーとカバーに連結された枢動蓋を具える。カバーは関連付けられた容器にぴったり合うように形成され、カバーを貫通する開口部を画定する。枢動蓋はカバーと取外し可能に連結され、カバーの開口部に配置される。枢動蓋は開位置と閉位置の間で可動である。枢動蓋が開位置にある場合、枢動蓋を滑らせてカバーから取外すことができる。
【0004】
他の例の容器蓋組立体は、カバー、カバーに連結された枢動蓋、及び枢動蓋に枢動蓋を囲んで連結された蓋ガスケットを具える。カバーは関連付けられた容器とぴったり合うように形成され、カバーを貫通する開口部を少なくとも部分的に画定する周壁を具える。枢動蓋はカバーに連結され、カバーの開口部に配置され、枢動軸の周りを枢動することができる。枢動蓋が閉位置にあるとき、蓋ガスケットは枢動蓋と連結し、枢動軸の両側においてカバーに対してシールを施す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は容器の上開口部を覆うのに適した容器蓋組立体の斜視図。
【0006】
図2図2は容器から取外された状態の図1に示される容器蓋組立体の斜視図。
【0007】
図3図3図1に示される容器蓋組立体のカバーの斜視図。
【0008】
図4図4は開位置の枢動蓋を伴う図1に示される容器蓋組立体の断面図。
【0009】
図5図5は枢動蓋に連結されたガスケットを伴う図1に示される容器蓋組立体の枢動蓋の斜視図。
【0010】
図6図6図5に類似しているが、枢動蓋にガスケットが取付けられていない枢動蓋の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は容器12と容器蓋組立体14を具える容器組立体10を示す。図2を参照して、容器12は底壁16と、底壁16から上方に延びている容器側壁18を具え、それらは中に品目が収容され得る区画22を画定する。容器12はまた上開口部20も具え、容器蓋組立体14は容器側壁18と接し、上開口部20を覆う。
【0012】
図3は容器蓋組立体14のカバー30(図1)を示す。カバー30は容器12の上開口部20(図2)を少なくとも部分的に覆うために容器12にぴったり合うように形成される。カバーガスケット32はカバー30と容器12の側壁18(図2)の間を密閉するべくカバーを囲む。
【0013】
カバー30はカバー30を貫通する開口部36を少なくとも部分的に画定する周側壁34を具える。カバー30はまた、前端38及び後端40と称するものを具える。用語「前」と「後」は、示された図面、及び容器組立体10がどのように使用され得るかについての理解を容易にするために用いられる。しかしながら、これらの方向を示す用語は、特にそのように宣言されない限り、容器蓋組立体14を特定の構成に限定するものではない。
【0014】
図4においてよりはっきり分かるように、周側壁34は全体として垂直に方向付けられている。周側壁34は平面視で長円(obround)であるが、周側壁34の形は、容器蓋組立体14が取付けられる容器12の上開口部20の形に基づいて変えてもよい。周側壁34は内面44と外面46を画定する。周側壁34はカバー30を囲み、示された実施例では切れ目がない。カバー30はまた、上縁48及び下縁52を具える。図4においてよりはっきり分かるように、カバー30の前端38に沿う周側壁34は、周側壁34の上縁48に向かって外側に曲がっている。カバー30の前端38の領域の周側壁34は、容器組立体10から内容物を注ぐ際に役立つ。例えば、容器組立体10がシリアルを収容している場合、前端38に沿う周側壁34の外側に向かってカーブした領域によって、カバー30の開口部36を介して、容器12からシリアルを容易に注ぐことができる。
【0015】
カバー30はまた、周側壁34を囲み周側壁34から外側に向かって延びるフランジ54を具える。フランジ54の形状はカバー30の形状に基づいて変化し得る。例えば、カバー30の前端38のフランジ54の形状は、カバー30の後端40のフランジ54の形状とは異なる。フランジ54はカバー30に連結されているカバーガスケット32を覆う。図4においてよりはっきり分かるように、周側壁34はまた、カバー30へのカバーガスケット32の取付けを容易にすべく穴56を具えてもよい。カバーガスケット32は、カバーガスケット32をカバー30と連結するために、穴56に受入れられる一体に形成されたつまみ58を具える。カバーガスケット32はまた、上方に角度付けされたフィン60を具える。フィン60が上方に角度付けされていることによって、カバー30を容器12に向かって下方向に押す場合、容器12へのカバー30の取付けが容易になる。容器蓋組立体14が容器12の上に置かれている場合、フランジ54は容器12と接触してもよい。
【0016】
カバー30はまた、周側壁34と比較して全体として水平に設けられた上壁62を具える。上壁62はまた、カバー30の開口部36を少なくとも部分的に画定する。上壁62は後端40に沿う周側壁34から前方に向かって延びる。全体として垂直な内壁64は、上壁62から下方向に向かって延びており、カバー30の開口部36の後側の境界を画定する。内壁64は、以下により詳述される後部密閉面66を画定すべく、カバー30の後端40に向かって下方、且つ後方向きに曲がっている。
【0017】
カバー30はまた、容器蓋組立体14の枢動蓋68と協働する構成要素を具える。これらの構成要素は図3においては、カバー30の片側に示される。図3では視認できないが、示された実施例では、以下に記載されるそれぞれの要素はまた、カバー30の反対側にもある。図3で視認できないそれぞれの構成要素は、カバー30の反対側に配置され、カバー30の前端38及び後端40に対して、その相対する構成要素と同じ側に位置する。
【0018】
カバー30はガイド壁70(図3ではその1つのみ視認できる。)を具える。示された実施例では、各ガイド壁70はU字型であり、周側壁34の内面44から内側に向かって延びている。各U字型ガイド壁70は、湾曲部72、下直線部74、及び上直線部76を具える。カバー30はまた、戻り止め78(図3ではその1つのみ視認できる。)を具える。各戻り止め78はそれぞれ、各U字型ガイド壁70の湾曲部72から一定の半径分オフセットされている。
【0019】
カバー30はまた、ストップ・エレメント82(図3ではその1つのみ視認できる。)を具える。各ストップ・エレメント82は周側壁34の内面44から内側に向かって延びる。各ストップ・エレメント82はU字型ガイド壁70の直線部74及び76と全体として平行な接触面84を画定する。各ストップ・エレメント82は、それぞれのU字型ガイド壁70、及びそれぞれの戻り止め78より後ろに設けられる。各ストップ・エレメント82上の接触面84は垂直方向において戻り止め78より下に設けられる。
【0020】
カバー30はまた、キャッチ・エレメント86(図3ではその1つのみ視認できる。)を具える。各キャッチ・エレメント86は周側壁34の内面44から内側に向かって延びる。各キャッチ・エレメント86はU字型ガイド壁70と戻り止め78より前に設けられる。戻り止め78とU字型ガイド壁70はキャッチ・エレメント86とストップ・エレメント82の間に設けられる。各キャッチ・エレメント86は下端90のキャッチ面88、及び上端94の移動限界面92を画定する。各U字型ガイド壁70、戻り止め78、ストップ・エレメント82、及びキャッチ・エレメント86は、カバー30と連結された枢動蓋68と協働し、カバー30の開口部36に配置される。
【0021】
容器蓋組立体14はカバー30、カバー30に連結されカバー30の開口部に配置された枢動蓋68、及び枢動蓋68に連結された蓋ガスケット100を具える。枢動蓋68は図4で示される開位置と図1で示される閉位置の間で可動である。枢動蓋68が閉位置と図4で示される開位置の間に位置する場合、容器蓋組立体14は、中身が容器12から注がれ得るため、「開」である。図5を参照して、示された実施例における枢動蓋68は、前端110と後端112を含む1つのプラスチック片として形成される。枢動蓋68は、前端110と後端112の間に設けられた枢動軸114の周りを枢動する。
【0022】
枢動蓋68は、枢動蓋68が閉位置にある場合(図1参照。)に、少なくとも実質的にカバー30の開口部36を覆う、頂壁120を具える。図5を参照して、頂壁120は、全体として平らで、平面上にあり、水平方向に向けられている下部122を具える。頂壁120はまた、下部122より後方に設けられた傾斜部124を具える。傾斜部124は、傾斜部124の上縁126を画定するために、下部122から上方、且つ後方に向かって角度付けされている。傾斜部124の上縁126は、枢動蓋68が図1及び2に示されるような閉位置にある場合に、垂直方向において上壁62より高い位置に設けられる。これにより操作者は、枢動蓋68を開くためにどこを押すべきかについての視覚的表示を与えられる。示された実施例において、傾斜部124は、前端110と比較して後端112により近く、枢動蓋68は、傾斜部124に下方向の力が加わる場合に、(図4に示されるように)開位置に向かって枢動するように形成される。
【0023】
枢動蓋68はまた、枢動蓋68を囲む上辺(upper ridge)130と下辺(lower ridge)132を具える。上辺130と下辺132はチャネル134を画定し、蓋ガスケット100はこのチャネル134に受入れられる。示された実施例では、下辺132は枢動蓋68への蓋ガスケット100の取付けを容易にするために、切欠き136を具える。図5及び6では視認できないが、もう1つの切欠き136が、枢動蓋68の前端110及び後端112に対して同様の位置で枢動蓋68の反対側に設けられてもよい。蓋ガスケット100は、枢動蓋68と蓋ガスケット100の取付けを容易にするために、切欠き136に受入れられるバンプ138を具える。バンプ138において、以下により詳述される蓋ガスケット100の厚みは厚くなっている。
【0024】
枢動蓋68はまた、枢動蓋68の両側にサイド・フランジ150を具える。図5及び6では一方のサイド・フランジ150の1部分しか視認できないが、しかし、それぞれのサイド・フランジ150の構造は同じである。そのため、反対側のサイド・フランジ150が同じ構造であるとの理解のもと、片方のサイド・フランジ150のみを詳述する。
【0025】
サイド・フランジ150は下辺132から下に向かって延び、全体として垂直に向けられている。サイド・フランジ150は切欠き156によって隔てられた前部152と後部154を具える。前部152は後部154より可撓性があり、内側に向かって曲がってカバー30のキャッチ・エレメント86と協働するように設計されている。図4を参照して、サイド・フランジ150の後部154は、内側に向かって延び、且つ後部154を剛性にする支柱158を具える。
【0026】
再び図5及び6を参照して、枢動蓋68は、前部152の下端164の近くに、戻り止めとして機能する細長突出部162を具える。細長突出部162は、チャネル134及びチャネル134に受入れられた蓋ガスケット100に対して全体として平行な方向に延びる。細長突出部162は、閉位置において枢動蓋68を保持するために、キャッチ・エレメント86のキャッチ面88と協働する。枢動蓋68が閉位置にある場合、細長突出部162はキャッチ面88と接する。(図4に示された)開位置から閉位置に移動する場合、細長突出部162がキャッチ・エレメント86に乗り上げて、キャッチ面88と係合すると前部152は後ろ外側方向に向かって曲がり、それまでは、細長突出部162はキャッチ・エレメント86に沿って移動し、前部152は内側に向かって曲がる。
【0027】
枢動蓋68はまた、前部152の外面166から外側に向かって延びる蓋止め170を具える。蓋止め170は全体としてブロック形状であり、接触面172を画定する。接触面172は蓋止め170の下側にあり、水平面に対して角度付けされている。蓋止め170は、枢動蓋68が図1に示される閉位置を通り過ぎてさらに閉位置方向に回転しないように、カバー30と協働するように形成される。枢動蓋68が閉位置にある場合、蓋止め170の接触面172はキャッチ・エレメント86の上端94で移動限界面92と接する。この接触により、枢動蓋68は閉位置を通り過ぎてさらに閉位置方向に回転することができない。
【0028】
枢動蓋68はまた、サイド・フランジ150上に、蓋止め170及び細長突出部162と比較して枢動蓋68の後端112により近く位置する、戻り止めとして機能するボス180を具える。示された実施例において、ボス180はサイド・フランジ150の後部154の上に配置されている。上述したとおり、サイド・フランジ150は切欠き156を具え、ボス180は切欠き156の片側に配置され、 戻り止めとして機能する蓋止め170及び細長突出部162は切欠き156のもう一方の側に配置される。ボス180は枢動蓋68の枢動軸114と同軸上にある。各ボス180は、カバー30の各U字型ガイド壁70に受入れられることも、そこから取外されることも可能である。ボス180によって画定される開口部182がガイド壁70の内側に設けられた戻り止め78を受入れている場合、ボス180はU字型ガイド壁70に対して適切に位置合わせされている。
【0029】
枢動蓋68は、滑らせてカバー30から取外され得る。枢動蓋68を滑らせてカバー30から取外すためには、枢動蓋68を図4に示される開位置に向かって動かす。枢動蓋68が図1に示される閉位置にある場合に、カバー30から枢動蓋68を取外すことができないようにカバー30と枢動蓋68は形成される。枢動蓋68が図4に示される開位置以外のいずれの位置にある場合でも、カバー30から枢動蓋68を取外すことができないようにカバー30と枢動蓋68が形成されてもよい。図4を参照して、枢動蓋68は、閉位置(図1参照。)から図4に示される開位置まで枢動する場合、第一線184から第二線186までx度枢動する。枢動蓋68を第二線186と同じ方向、すなわち平行な方向に動かすと(矢印190参照。)、枢動蓋68を滑らせてカバー30から取外すことができる。
【0030】
枢動蓋68を第二線186と同じ方向、すなわち平行な方向に引っ張ったときに、枢動蓋68を各U字型ガイド壁70から取外せるように、カバー30のU字型ガイド壁70は方向付けられている。枢動蓋68が開位置にある場合の頂壁120の下部122がある平面と平行な矢印190と直線部74、76が平行になるように、U字型ガイド壁70を位置合わせする。これによりカバー30から枢動蓋68を容易に取外すことができる。しかしながら、枢動蓋68が図4で示される開位置以外の位置にある場合、同じ方向に枢動蓋68を引っ張っても、ボス180がU字型ガイド壁70の下直線部74に接するため、カバー30から枢動蓋68を取外すことはできない。
【0031】
枢動蓋68をカバー30から取外した後、図4に示された方法と同様の方法で枢動蓋68の向きを合わせ、カバー30に対して矢印190とは反対の直進方向に枢動蓋68を動かすことによって、操作者は枢動蓋68を元の位置に戻すことができる。枢動蓋68はカバー30と連結されており、枢動蓋68はカバー30に対して枢動軸114の周りを回転することができる一方で、枢動蓋68がカバー30に対して直進移動ができないように、カバー30の戻り止め78は、枢動蓋68のボス180と協働する。
【0032】
蓋ガスケット100は枢動蓋68に連結される。蓋ガスケット100は全体として環状であり、枢動蓋68に形成されたチャネル134の形に従う。蓋ガスケット100は上面192と下面194を画定する。枢動蓋68が閉位置にある場合、上面192と下面194の両方がカバー30と接する。枢動蓋68が閉位置にある場合、枢動蓋68の後端112に沿って配置された蓋ガスケット100の上面192は、カバー30と接する。特に、後端112に沿って配置された蓋ガスケット100の上面192は、カバー30の開口部36の後ろの境界を画定する内壁64の後部密閉面66と接する。枢動蓋68が閉位置にある場合、枢動蓋68の前端110に沿って配置された蓋ガスケット100の下面194はカバー30と接する。蓋ガスケット100の下面194は、周側壁34が上縁48に向かって外側に曲がっているカバー30の前端38に沿う周側壁34の内面44と接する。蓋ガスケット100はまた、下面194と上面192を相互に連結する周縁196具える。枢動蓋68が閉位置にある場合、蓋ガスケット100の周縁196は、カバー30の前端38と内壁64の間の周側壁34の内面44と接する。このように、枢動蓋68が閉位置にある場合、蓋ガスケット100は、枢動蓋68とカバー30の間の密閉シールとして機能し得る。
【0033】
蓋ガスケット100は図面においては平たいガスケットとして示される。蓋ガスケット100は他の構成、例えば、圧縮可能な中空シール、又は発泡タイプガスケットであってもよい。枢動蓋68が閉位置にある場合、このような蓋ガスケット100は枢動軸114の両側のカバー30に対してシールを施す。
【0034】
容器蓋組立体を具える容器組立体についてこれまで詳細に説明してきた。前記の詳細な説明を読み、理解することで、改良及び改変が想起されるであろう。しかしながら、本発明は、上述した実施例に限定されるものではない。本発明は、むしろ、添付の請求項、及びその均等物によって広く定められるものである。上記の開示、その他の特徴及び機能、すなわち、それらの改変又は変更が望ましく結びつけられて、他の異なる多くのシステム、すなわち、応用例になり得るということが理解されるであろう。また、現時点では思いつかない、若しくは想定外の様々な代替、修正、変更、又は改良が当業者によって後になされるであろうが、それもまた、添付の請求項に含まれることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6