特許第6673851号(P6673851)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6673851ユーザーの頭部においてフィットしうると共に画像を生成するディスプレイ装置用の眼鏡レンズ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6673851
(24)【登録日】2020年3月9日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】ユーザーの頭部においてフィットしうると共に画像を生成するディスプレイ装置用の眼鏡レンズ
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20200316BHJP
   G02C 11/00 20060101ALI20200316BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   G02B27/02 Z
   G02C11/00
   H04N5/64 511A
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-562899(P2016-562899)
(86)(22)【出願日】2015年4月16日
(65)【公表番号】特表2017-514176(P2017-514176A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】EP2015058276
(87)【国際公開番号】WO2015158831
(87)【国際公開日】20151022
【審査請求日】2018年4月16日
(31)【優先権主張番号】102014207495.9
(32)【優先日】2014年4月17日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516087698
【氏名又は名称】トーツ・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】TOOZ TECHNOLOGIES GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147500
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 雅啓
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179914
【弁理士】
【氏名又は名称】光永 和宏
(74)【代理人】
【識別番号】100179936
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 明日香
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ、ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】ドプシャル、ハンス−ユルゲン
【審査官】 外山 未琴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−156600(JP,A)
【文献】 特開2002−090687(JP,A)
【文献】 特開2009−151043(JP,A)
【文献】 特開2013−083686(JP,A)
【文献】 特開2003−337298(JP,A)
【文献】 特開2013−200555(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01−27/02
H04N 5/64
H04N 13/344
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの頭部においてフィットしうると共に画像を生成するディスプレイ装置(1)用の眼鏡レンズであって、
前記眼鏡レンズ(3)は、前面(18)と、後面(15)と、結合入射セクション(11)と、前記結合入射セクション(11)から離隔した結合出射セクション(13)と、前記結合入射セクション(11)を介して前記眼鏡レンズ(3)内に結合された前記生成済みの画像のピクセルの光束(9)を、前記眼鏡レンズ(3)内において、前記光束(9)が前記眼鏡レンズ(3)から外に結合される前記結合出射セクション(13)まで、ガイドするのに適した光ガイドチャネル(12)と
を有する眼鏡レンズにおいて、
前記眼鏡レンズ(3)は、いくつかのシェルを有するように構築され、且つ、外側シェル(19)と、前記外側シェル(19)に結合された内側シェル(22)とを有し、
前記内側シェル(22)とは対向していない前記外側シェル(19)の第1面(20)は、前記眼鏡レンズ(3)の前記前面(18)を形成し、且つ、前記外側シェル(19)とは対向していない前記内側シェル(22)の第1面(23)は、前記眼鏡レンズ(3)の前記後面(15)を形成しており、
前記外側シェル(19)は、前記結合入射セクション(11)と、前記光ガイドチャネル(12)と、前記結合出射セクション(13)と、を有し、
前記内側シェル(22)は、前記外側シェル(19)に向かって対向している前記内側シェル(22)の第2面(24)から、前記後面(15)の方向において、延在すると共に、その内部において、前記光ガイドチャネル(12)が着座する、開口部(27)を有し、
前記結合出射セクション(13)は、前記開口部(27)に隣接した状態において位置しており、これには、前記結合出射セクション(13)によって結合出射された前記光束(9)が、前記内側シェル(22)の前記第2面(24)を介して前記内側シェル(22)に進入し、前記内側シェル(22)を通過し、且つ、前記後面(15)を介して前記内側シェル(22)を離脱するという結果が伴っている、
ことを特徴とする眼鏡レンズ。
【請求項2】
前記開口部は、前記内側シェル(22)の前記第2面(24)から前記内側シェル(22)の前記第1面(23)まで延在していることを特徴とする請求項1に記載の眼鏡レンズ。
【請求項3】
前記後面(15)は、不良視力の矯正が実現されるように選択された曲がりを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の眼鏡レンズ。
【請求項4】
前記内側シェル(22)及び前記外側シェル(19)は、同一の材料から形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
【請求項5】
前記内側シェル(22)は、前記外側シェル(19)に対してフラットに結合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
【請求項6】
前記結合出射セクション(13)は、互いに隣接して構成されたいくつかの反射性偏向表面(14)を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
【請求項7】
前記結合出射セクション(13)は、前記外側シェル(19)に埋め込まれて形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
【請求項8】
前記光ガイドチャネル(12)は、前記光束(9)を2つの反対側の境界表面(25、26)上における反射を通じてガイドすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
【請求項9】
前記光ガイドチャネル(12)の前記境界表面のうちの1つ(25)は、前記外側シェル(19)の前記第1面(20)の1つのセクションによって形成されることを特徴とする請求項8に記載の眼鏡レンズ。
【請求項10】
前記外側シェル(19)の前記第1面(20)とは対向していない前記光ガイドチャネル(12)の前記境界表面(26)は、結像特性を有するように形成されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の眼鏡レンズ。
【請求項11】
前記光ガイドチャネル(12)は、前記内側シェル(22)に向かって対向している前記外側シェル(19)の第2面(21)に対して突出していることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
【請求項12】
前記開口部(27)は、平面的に見た際に、U字の形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
【請求項13】
ディスプレイ装置であって、
ユーザーの頭部においてフィットしうるホルダ(2)と、
前記ホルダ(2)に固定され、画像を生成する、画像生成モジュール(5)と、
前記ホルダ(2)に固定された結像光学系(7)であって、請求項1〜12のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ(3)を有し、且つ、前記ホルダ(2)が前記ユーザーの前記頭部においてフィットした際に、前記ユーザーが、仮想画像として知覚しうるように、前記生成された画像を結像する結像光学系(7)と
を有する装置。
【請求項14】
前記結像光学系(7)は、前記外側シェル(19)に直接的に結合された、又は前記外側シェル(19)と共に一体として形成された、光学要素(8)を有する請求項13に記載のディスプレイ装置。
【請求項15】
前記外側シェル(19)は、上方から見て、前記光学要素(8)と共に、L字の形状を形成している請求項14に記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0001】
本発明は、ユーザーの頭部においてフィットしうると共に画像を生成するディスプレイ装置用の眼鏡レンズに関し、眼鏡レンズは、前面と、後面と、結合入射セクションと、結合入射セクションから離隔した結合出射セクションと、光ガイドチャネルと、を有し、光ガイドチャネルは、眼鏡レンズの結合入射セクションを介して眼鏡レンズ内に結合された生成済みの画像のピクセルの光束を、眼鏡レンズ内において、光束が眼鏡レンズから外に結合出射される結合出射セクションまで、ガイドするのに適している。
【0002】
可能な限り小さい厚さを有するこのような眼鏡レンズを製造可能であることが望ましく、この場合には、同時に、ディスプレイ装置内において眼鏡レンズを使用した際に、画像の良好な結像が保証される必要がある。
【0003】
従って、これにより、本発明の目的は、小さな厚さ及び良好な結像特性を有するべく製造されうるように、冒頭において命名されたタイプの眼鏡レンズを開発するというものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、眼鏡レンズが、いくつかのシェルを有するように構築され、且つ、外側シェルと、外側シェルに結合された内側シェルと、を有し、内側シェルとは対向していない外側シェルの第1面が、眼鏡レンズの前面を形成し、且つ、外側シェルとは対向していない内側シェルの第1面が、眼鏡レンズの後面を形成しており、外側シェルは、結合入射セクションと、光ガイドチャネルと、結合出射セクションと、を有し、内側シェルは、外側シェルに向かって対向している内側シェルの第2面から、後面の方向において、延在すると共に、その内部において光ガイドチャネルが着座する、開口部を有しており、結合出射セクションは、開口部に隣接した状態において位置しており、これには、結合出射セクションによって結合出射された光束が、内側シェルの第2面を介して内側シェルに進入し、内側シェルを通過し、且つ、後面を介して内側シェルを離脱するという点において、冒頭において命名されたタイプの眼鏡レンズにおいて、実現される。
【0005】
開口部との組合せにおけるこの2シェル構造により、眼鏡レンズの厚さを可能な限り小さく維持することができる。同時に、外側シェルの一部分である光ガイドチャネルは、望ましい良好な結像特性が保証されうるように、形成することができる。
【0006】
具体的には、開口部は、内側シェルの第2面から内側シェルの第1面まで延在することができる。従って、開口部は、内側シェルの全体厚さにわたって延在しており、且つ、貫通開口部と呼称することもできる。
【0007】
開口部は、内側シェルの平面図において観察された際に、内側シェルのエリアにより、すべての面上において縁取りされることが可能であり、或いは、少なくとも1つの面上において開放した状態にあってもよい。具体的には、開口部は、内側シェルの平面図において観察された際に、U字の形状に形成することができる。
【0008】
開口部が内側シェルの厚さ全体にわたって延在しないことも更に可能である。従って、このケースにおいては、第2面から内側シェル内に延在する対応した凹部が存在している。凹部の深さは、具体的には、凹部内において位置する光ガイドチャネルが、凹部の基部との接触状態とならないように選択され、これには、空隙が依然として存在しているという結果が伴っている。但し、空隙が存在しておらず、且つ、光ガイドチャネルが凹部の基部との接触状態にあることもできる。
【0009】
本発明による眼鏡レンズにおいては、前面及び/又は後面は、湾曲した状態において形成することができる。具体的には、後面は、不良視力の矯正が実現されるように選択された曲がりを有することができる。これは、光束が、内側シェルの後面を介して眼鏡レンズを離脱するように結合出射されるのに伴って、結合出射された光束についての不良視力の望ましい矯正が更に存在するという利点をもたらす。
【0010】
従って、本発明による眼鏡レンズによれば、光束のガイド及び結合出射は、外側シェルによる望ましい結像との関係において最適化させることができる。これとは独立的に、不良視力の望ましい矯正は、内側シェルにより、最適化させることができる。従って、本発明による眼鏡レンズによれば、互いに独立的に、一方においては、結像特性を外側シェルを介して設計及び設定することが可能であり、且つ、他方においては、不良視力特性の矯正を内側シェルを介して設計及び設定することができる。
【0011】
具体的には、内側及び外側シェルは、同一の材料から形成されている。
【0012】
更には、内側シェルは、外側シェルに対してフラットな状態で結合させることができる(例えば、光学セメント又は光学接着剤により、糊付け又はセメント結合される)。
【0013】
好ましくは、互いに対向している内側及び外側シェルの各面は、互いに相補的になるように形成されている。
【0014】
具体的には、互いに対向しているこれらの面は、球面状に湾曲させることができる。
【0015】
更には、外側及び/又は内側も、球面状に湾曲させることができる。
【0016】
結合出射セクションは、互いに隣接した状態において構成されたいくつかの反射性偏向表面を有することができる。又、反射性偏向表面は、反射性ファセットと呼称することもできる。これらは、ほとんど100%の反射率を有することが可能であり、且つ、この場合には、ミラー表面と呼称することができる。又、これらは、更に小さな反射率を有することも可能であり、且つ、従って、部分的に透明になるように形成することもできる。
【0017】
反射性偏向表面は、それぞれのケースにおいて、フラットな又は湾曲した状態において形成することができる。更には、偏向表面は、純粋なビーム偏向に加えて結像特性をも有するフレネル方式により、湾曲した反射表面を再生することができる。
【0018】
結合出射セクションは、外側シェル内において埋め込むことができる。具体的には、結合出射セクションは、眼鏡レンズの前面が、滑らかで連続的な表面となるように、形成することができる。
【0019】
光ガイドチャネルは、光束が、ガイドのために、その上部において反射される互いに反対側に位置した2つの境界表面を有することができる。
【0020】
具体的には、光ガイドチャネルの境界表面のうちの1つは、外側シェルの第1面の1つのセクションによって形成することができる。
【0021】
更には、外側シェルの第1面とは対向していない光ガイドチャネルの境界表面は、結像特性を有するように、形成することができる。
【0022】
境界表面上における反射は、全内部反射により、発生しうる。但し、境界表面のうちの少なくとも1つ(又は、両方)が、反射被覆又は部分的反射被覆を有することもできる。具体的には、被覆は、金属製被覆であってもよい。更には、被覆は、第1偏光状態を有する光束を反射し、且つ、第1偏光状態に直交する偏光状態を有する光束を透過させるように、形成することもできる。更には、反射被覆は、干渉層系として形成することができる。
【0023】
更には、光ガイドチャネルは、内側シェルと対向している外側シェルの第2面との関係において突出することができる。
【0024】
結合入射セクションは、眼鏡レンズのエッジエリア内において形成することが可能であり、且つ、結合出射セクションは、眼鏡レンズの中央エリア内において形成することができる。
【0025】
内側シェル及び外側シェルは、それぞれのケースにおいて、一体として形成することができる。但し、内側シェル及び/又は外側シェルは、いくつかの部分として形成することもできる。
【0026】
具体的には、外側シェルは、いくつかのシェルを有するように形成することができる。これは、例えば、少なくとも2つの部分的なシェルを有することができる。同一の内容は、内側シェルに対しても適用される。
【0027】
外側シェルが、いくつかのシェルを有するように形成されている場合には、結合出射セクションは、外側シェルの2つの部分的シェルの間において位置することができる。部分的シェルのうちの少なくとも1つは、例えば、PC薄膜などの薄膜として形成することができる。薄膜は、固有の安定性を有することが可能であり、これには、重力を例外として、更なる力の作用を伴うことなしに、その形状が保持されるという結果が伴っている。但し、薄膜は、固有の安定性を有していなくてもよい。具体的には、薄膜は、曲がりやすくなるように形成することができる。
【0028】
又、眼鏡レンズの前面を形成している外側の部分的シェルは、カバーシェルとして形成することもできる。
【0029】
外側シェルの部分的シェルの材料は、同一であってもよく、或いは、異なっていてもよい。同一の内容は、内側シェルの部分的シェルの材料に対しても適用される。又、外側シェル及び内側シェルのすべての部分的シェルは、同一の材料から形成することも可能であり、或いは、異なる材料から形成することもできる。
【0030】
内側シェルとは対向していないと共に眼鏡レンズの前面を形成している外側シェルの第1面は、被覆及び/又は反射防止被覆を有することができる。例えば、反射防止被覆及び/又は硬質被覆を第1面上において形成することができる。又、眼鏡レンズの分野において一般的に使用されている更なる被覆を提供することもできる。
【0031】
本発明による眼鏡レンズは、光ガイドチャネルが、外側シェル内においてのみ位置するように、形成することができる。但し、光ガイドチャネルが、内側シェル内のエリアを少なくとも部分的に通過することも可能である。具体的には、光ガイドチャネルの一部分は、内側シェルの開口部に隣接した内側シェルのエリア内において位置しうる。
【0032】
更には、部分的反射性被覆又は反射性被覆を有するエリアは、開口部に隣接した状態において形成することも可能であり、これには、部分的反射性被覆又は反射性被覆上において反射された光束の部分が、内側シェル内においてガイドされ、且つ、次いで、結合出射セクションに入射するという結果が伴っている。又、このケースにおいては、光ガイドチャネルの一部分は、内側シェル内に位置している。部分的反射性被覆又は反射性被覆は、具体的には、外側シェルと内側シェルとの間において提供することができる。従って、部分的反射性被覆又は反射性被覆は、内側シェルの第2面上において、且つ/又は、内側シェルに対向している外側シェルの第2面上において、形成することができる。
【0033】
更には、ディスプレイ装置が、ユーザーの頭部においてフィットしうるホルダと、画像を生成する、ホルダに固定された画像生成モジュールと、上述の請求項のうちの1項に記載の眼鏡レンズを有し、且つ、ホルダがユーザーの頭部においてフィットされた際に、ユーザーが仮想画像として知覚しうるように、生成された画像を結像する、ホルダに固定された結像光学系と、を有するように、提供される。
【0034】
結像光学系は、唯一の光学要素として眼鏡レンズを有することができる。但し、結合光学系が、眼鏡レンズに加えて、少なくとも1つの更なる光学要素を有することも可能である。具体的には、外側シェルは、少なくとも1つの更なる光学要素と共に、一体として形成することができる。或いは、この代わりに、外側シェルは、少なくとも1つの更なる光学要素に(例えば、セメント結合又は接合を通じて)結合することも可能である。更には、少なくとも1つの更なる光学要素は、外側シェルから離隔させることもできる。
【0035】
外側シェルは、平面図において、少なくとも1つの光学要素と共に、L字形状を有することができる。従って、少なくとも1つの更なる光学要素は、従来のテンプルステムの方向において延在することができる。具体的には、これは、テンプルステムの一部分であってもよい。
【0036】
少なくとも1つの光学要素は、ディスプレイ装置のユーザーのために可能な限り誤りのない生成された画像の結像を生成するべく最適化されうる(透過及び/又は反射状態における)1つ又は複数の結像光学表面を有することができる。
【0037】
少なくとも1つの更なる光学要素は、例えば、眼鏡レンズと画像生成モジュールとの間において構成されたコリメーション光学系であってもよく、これには、画像生成モジュールからの光束が、コリメートされた光束として眼鏡レンズ内に結合されうるという結果が伴っている。
【0038】
更には、ディスプレイ装置は、画像生成モジュールを作動させる制御ユニットを有することもできる。
【0039】
画像生成モジュールは、具体的には、例えば、LCDモジュール、LCoSモジュール、OLEDモジュール、又は傾動ミラーマトリックスなどの二次元結像システムを有することができる。結像系は、例えば、行と列において構成されうる複数のピクセルを有することができる。結像系は、自己発光型であってもよく、或いは、そうでなくてもよい。
【0040】
画像生成モジュールは、具体的には、モノクロ又はマルチカラー画像を生成するように、形成することができる。
【0041】
本発明によるディスプレイ装置は、その動作のために必要とされる、当業者には既知の更なる要素を有することができる。
【0042】
上述された特徴及び以下において更に説明される特徴は、本発明の範囲を逸脱することなしに、記述されている組合せにおいてのみならず、その他の組合せにおいても、或いは、単独でも、使用されうることを理解されたい。
【0043】
以下、一例として添付図面を参照し、本発明について更に詳細に説明するが、これらの添付図面も、本発明にとって不可欠の特徴を開示している。添付図面は、以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明によるディスプレイ装置の一実施形態の概略斜視図である。
図2】画像生成モジュールの概略図を含む第1眼鏡レンズ3の拡大部分断面図である。
図3図1及び図2による実施形態の第1眼鏡レンズ3の斜視図である。
図4図3による第1眼鏡レンズ3の分解斜視図である。
図5】上方からの図3による第1眼鏡レンズ3の図である。
図6図3からの第1眼鏡レンズ3の断面図である。
図7】本発明による眼鏡レンズ3の更なる実施形態の斜視図である。
図8図7による本発明による眼鏡レンズ3の分解斜視図である。
図9図7からの本発明による眼鏡レンズ3の上方からの図である。
図10図7による本発明による眼鏡レンズ3の断面図である。
図11】本発明による眼鏡レンズ3の更なる実施形態の斜視図である。
図12図11による本発明による眼鏡レンズ3の断面図である。
図13図3による本発明による眼鏡レンズの変形例の分解斜視図である。
図14図2による拡大部分断面図である。
図15】第1眼鏡レンズ3の更なる実施形態の図14による拡大部分断面図である。
図16図15の結合出射エリア13の拡大詳細図である。
図17】第1眼鏡レンズ3の更なる実施形態の図2による拡大部分断面図である。
図18】本発明による第1眼鏡レンズ3の変形例の図17による拡大部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1に示されている実施形態においては、本発明によるディスプレイ装置1は、ユーザーの頭部においてフィットしうると共に、例えば、従来の眼鏡フレームの方式によって形成されうるホルダ2と、ホルダ2に固定された第1及び第2眼鏡レンズ3、4と、を有する。眼鏡レンズ3、4を有するホルダ2は、例えば、スポーツ眼鏡、サングラス、及び/又は不良視力を矯正する眼鏡として形成することが可能であり、この場合には、後述するように、仮想画像を第1眼鏡レンズ3を介してユーザーの視野内に反射することができる。
【0046】
これを目的として、ディスプレイ装置1は、画像生成モジュール5を有しており、これは、図1において概略的に示されているように、ホルダ2の右手側テンプルステムのエリア内において構成することができる。画像生成モジュール5は、例えば、行及び列において構成された複数のピクセルを有する、例えば、OLED、LCD、又はLCoSチップ、或いは、傾動ミラーマトリックスなどの二次元画像生成要素6(図2)を有することができる。
【0047】
眼鏡レンズ3及び4、特に、第1眼鏡レンズ3についてのみ、一例として、本発明によるディスプレイ装置1に伴って説明することとする。眼鏡レンズ3、4、又は少なくとも第1眼鏡レンズ3は、それぞれのケースにおいて、本発明による眼鏡レンズ3、4として、又は本発明による光学要素として、個々に形成される。又、本発明による光学要素は、ここで記述されているディスプレイ装置1に伴うものとは異なる別の環境において使用することもできる。従って、光学要素は、眼鏡レンズとして形成された際に、当然のことながら、第2眼鏡レンズ4として形成することもできる。
【0048】
図2の拡大概略部分断面図からわかるように、ディスプレイ装置1は、画像生成要素6すなわち結像系6と第1眼鏡レンズ3との間において構成された光学要素8を含む結像光学系7を有する。更には、第1眼鏡レンズ3自体も、結像光学系7の一部として機能している。
【0049】
光束9が、結像系6のそれぞれのピクセルから発生しうる。望ましい画像は、画像生成モジュール5の一部分であってもよい制御ユニット10により、結像系6のピクセルを相応して作動させることにより、生成することができる。図2においては、光ビームのビーム経路が、光束9を表すべく、描かれており、従って、以下においては、光ビーム9とも呼称することとする。
【0050】
結像系6から出現した光ビーム9は、光学要素8を通過し、且つ、結合入射セクション11(ここでは、第1眼鏡レンズ3の端部面)を介して第1眼鏡レンズ3に進入し、且つ、この内部において、光ガイドチャネル12に沿って、結合出射セクション13までガイドされている。結合出射セクション13は、光ビーム9の反射が第1眼鏡レンズ3の後面15の方向において発生する互いに隣接した状態において構成されたいくつかの反射性偏向表面14(反射性ファセットとも呼称されうる)を有しており、これには、光ビーム9が後面15を介して第1眼鏡レンズ3を離脱するという結果が伴っている。
【0051】
従って、ユーザーが、意図されているように、頭部において本発明によるディスプレイ装置1を装用している際に、ユーザーは、結合出射セクション13を観察した際に、結像系6によって生成された画像を仮想画像として知覚することができる。ここで記述されている実施形態においては、ユーザーは、前方視野の視野方向Gとの関係において約40°だけ右に向かって観察しなければならない。図2においては、わかりやすさを目的として、ユーザーの眼の回転の中心16と、結像光学系7のアイボックス17又は射出瞳17と、が描かれている。アイボックス17は、ディスプレイ装置1によって提供されると共に、ユーザーの眼がその内部において運動可能であり、且つ、ユーザーが、生成された画像を仮想画像として常にずっと観察しうるエリアである。
【0052】
記述されている実施形態においては、結合入射は、第1眼鏡レンズ3の端部面を介して実行されており、従って、結合入射セクション11は、第1眼鏡レンズ3の端部面上において形成されているが、第1眼鏡レンズの後面15を介して結合入射を実行することも可能である。
【0053】
図2の概略図において示されているように、第1眼鏡レンズ3の後面15と前面18は、いずれも、湾曲した状態において形成されている。
【0054】
更には、第1眼鏡レンズ3は、具体的に図2図6の図からわかるように、2つのシェルを有するように形成されており、且つ、第1面20及び第2面21を有する外側シェル19と、第1面23及び第2面24を有する内側シェル22と、を有する。
【0055】
外側シェル19の第1面20は、第1眼鏡レンズ3の前面18を形成しており、且つ、内側シェル22の第1面23は、第1眼鏡レンズ3の後面15を形成している。互いに対向している外側シェル18の第2面21及び内側シェル22の第2面24は、相補的な曲がりを有しており、これには、図2及び図3に示されているように、これらが互いにフラットに結合されうるという結果が伴っている。
【0056】
外側シェル19は、結合入射セクション11と、光ガイドチャネル12と、結合出射セクション13と、を有する。光ガイドチャネル12は、結合入射セクション11から結合出射セクション13までの光ビーム9の望ましいガイドが発生するように、形成されている。これは、例えば、z方向において反対側に位置した光ガイドチャネル12の境界表面25及び26上における全内部反射により、発生しうる。当然のことながら、光ビーム9の望ましい反射を実現する反射性被覆を境界表面25上において且つ/又は境界表面26上において形成することも可能である。反射性被覆の反射率は、例えば、可能な限り大きいもの(約100%)であってもよく、或いは、これよりも小さなものであってもよい。従って、反射性被覆は、ミラー層として形成することも可能であり、或いは、部分的反射性層として形成することもできる。
【0057】
ここで記述されている実施形態においては、境界表面25は、外側シェル19の第1面20の一部分であり、且つ、従って、前面18の一部分である。対照的に、境界表面26は、外側シェルの第2面21の一部分ではなく、むしろ、別個に形成された境界表面であり、これは、光のガイドに加えて、例えば、結像誤りを低減するべく、光学的結像特性を提供することもできる。従って、光ガイドチャネル12は、外側シェル19の第2面21との関係において突出しており、且つ、従って、外側シェル19よりもz方向において大きな厚さを有する。
【0058】
但し、全体的に薄い第1眼鏡レンズ3を提供しうるように、内側シェル22は、開口部27を有しており、これは、内側シェル22の第2面24から内側シェル22の第1面23の方向において延在している。ここで記述されている実施形態の例においては、開口部は、内側シェル22の全体厚さ(z方向における全体範囲)にわたって延在している。開口部27の寸法は、組み立てられた状態において、光ガイドチャネル12が、その内部において着座し、且つ、結合出射セクション13が、開口部27に隣接した状態において、且つ、従って、内側シェル22の第2面24の前面において、位置するようなものになっている。
【0059】
内側シェル22の第1面23の曲がりは、不良視力の望ましい矯正が実現されるように選択することができることから、この構成は、有利には、例えば、不良視力の矯正を伴う第1眼鏡レンズの場合に、使用することができる。この結果、ユーザーは、仮想画像を内側シェル22の矯正表面又は第1面23を介して知覚することから、これは、このような第1眼鏡レンズ3を有するディスプレイ装置1のユーザーが、同様に鮮やかな方式により、仮想画像を知覚しうることをも自動的にもたらす。換言すれば、光束9の結合出射は、光束9が、内側シェル22の方向において反射され、内側シェル22の第2面24を介して内側シェル22に進入し、これを通過し、且つ、第1面23を介して内側シェル22を離脱するように、結合出射セクション13の反射性ファセット14上における反射により、発生している。
【0060】
従って、本発明による眼鏡レンズ3によれば、内側シェル22を通じて、不良視力の矯正のための要件を実現することが可能であり、且つ、外側シェル19を通じて、仮想画像の生成のための要件を実現することができる。従って、内側シェル22は、矯正レンズ22と呼称することも可能であり、外側シェル19は、データレンズ19と呼称することもできる。従って、不良視力の矯正と仮想画像の結像との間の機能の分離が存在しており、これには、結像用の外側シェル19と不良視力の矯正用の内側シェル22を互いに独立的に最適化させることができるという結果が伴っている。又、ユーザーに対して個別に適合されたディスプレイ装置1を提供できるように、個々のユーザーに対して個別に適合された内側シェル22と組み合わせることのみが必要とされている外側シェル19を仮想画像の結像のために提供することもできる。
【0061】
ここで記述されている実施形態においては、外側シェル19の2つの面20、21は、球面状に湾曲しており、且つ、外側シェル19の第1面20は、94mmという曲率半径を有し、且つ、外側シェル19の第2面21は、92mmという曲率半径を有している。従って、外側シェルの厚さは、2mmである。光ガイドチャネル12のみが、相対的に大きな厚さを有しており、これは、例えば、4mm以上であってもよい。
【0062】
内側シェル22の第2面24は、球面状に湾曲しており、且つ、外側シェル19の第2面21の半径に対応した曲率半径を有している。ここで、これは、従って、92mmの半径である。内側シェル22の第1面23は、球面状に湾曲しており、且つ、ユーザーの不良視力を矯正するために必要とされる曲率半径(例えば、PMMAを内側シェル22用の材料として使用する際には、150mm)を有している。又、当然のことながら、内側シェルの第1面23は、非球面状に湾曲させることもできる。外側シェル19の材料は、好ましくは、内側シェル22の材料と同一である。内側シェル22の厚さは、実質的に、内側シェル22の第2面24の半径と内側シェル22の第1面23の半径との間の差に依存しており、且つ、ここで記述されている例においては、約3mmである。
【0063】
上述のように、内側及び外側シェル22及び19の材料は、好ましくは、同一であり、これには、これらが同一の屈折率を有するという結果が伴っている。内側シェル22及び外側シェル19は、好ましくは、全体表面にわたって接着されており、その結果、コンパクトな第1眼鏡レンズ3が生成され、この場合に、開口部27のみが光ガイドチャネル12の周辺に到達している。
【0064】
ここで記述されている実施形態の第1眼鏡レンズ3は、+2ジオプトリの矯正を提供している。
【0065】
2シェル構造については、図5による上方からの図及び図6の断面図において、認識することが同様に容易である。特に図6において示されているように、反射性ファセット14が、第1眼鏡レンズ3の前面18上において形成されている。具体的には、反射性ファセット14は、透明な材料(図示されていない)によって充填されており、これには、連続的な滑らかな前面18が存在するという結果が伴っている。好ましくは、外側シェル19の残りの部分が形成されているものと同一の材料が、充填用の材料として使用されている。
【0066】
又、図示されてはいない変形例においては、反射性偏向表面14は、前面18から離隔させることが可能であり、且つ、従って、外側シェル19に埋め込まれた状態で形成することができる。
【0067】
この光ガイドチャネル12の記述されている設計においては、仮想画像の結像との関係において最適化された境界表面26に起因し、周辺部の視野の歪が存在している。但し、光ガイドチャネル12は、通常の視野の周辺部の外に位置していることから、この歪は、ユーザーにとって邪魔にはならない。
【0068】
図7図10による本発明による眼鏡レンズの更なる実施形態においては、−2ジオプトリの矯正が提供されている。この実施形態においては、外側シェル19は、図1図6との関連において記述されている実施形態の外側シェル19と同一である。内側シェル22のみが、望ましい不良視野の矯正を実現するべく、相応して適合されている。従って、同一の要素が同一の参照符号によって参照されており、従って、図1図6に関係する説明を参照されたい。
【0069】
上述の実施形態においては、開口部27は、それぞれのケースにおいて、内側シェル22の全体厚さにわたって延在している。又、従って、開口セクションは、打ち抜かれていると言うこともできる。従って、横方向において開口した貫通開口部が存在している。但し、開口部27が、内側シェル22の全体厚さにわたって延在しておらず、むしろ、内側シェル22の第2面24から始まって内側シェル22内の既定の深さまで延在することも可能である。このケースにおいては、開口部27の深さは、好ましくは、図12において具体的に示されているように、組み立てられた状態において、空隙29が、光ガイドチャネル12の境界表面26と開口部27の基部28との間において存在するように、選択される。このような開口部27が形成されている図11及び図12に示されている実施形態においては、内側シェル22は、−4ジオプトリの矯正が提供されるように設計されている。反射性被覆が境界表面26上において形成される場合には、空隙29を提供することも可能であり、或いは、これを省略することもできる。
【0070】
図13には、本発明による眼鏡レンズ3の図4に示されている実施形態の変形例が、図4による図により、示されている。
【0071】
図4に示されている実施形態とは対照的に、図13による眼鏡レンズにおいては、開口部27は、内側シェル22のセクション30によって横方向において縁取りされた貫通開口部として形成されている。このケースにおいては、当然のことながら、光ガイドチャネル12が、相応して適合されている。従って、結合入射は、もはや、眼鏡レンズ3の端部面を介して発生するのではなく、むしろ、後面15を介して背後から発生する。
【0072】
又、当然のことながら、開口部27は、(x方向において観察された場合に)下方あるいは上方において開口するように形成することもできる。又、これは、結合出射セクション13を位置決めするべき場所にも実質的に依存している。当然のことながら、下方且つ横方向において、或いは、上方且つ横方向において、開口した開口部27も可能である。
【0073】
図14には、図2による拡大部分断面図が示されており、結像系6から出現する更なる光ビーム9’が描かれている。この図からわかるように、光ビーム9’は、外側シェル19に進入し、且つ、次いで、結合出射セクション13に入射する前に、開口部27に隣接したエリア内において内側シェル22を通過している。従って、光ガイドチャネル12は、内側シェル22を通じて部分的に延在することもできる。これは、すべての記述されている実施形態に対して適用される。但し、光ガイドチャネル12は、外側シェル19内においてのみ延在するように形成することもできる。
【0074】
図15には、図14におけると同一の方式により、本発明によるディスプレイ装置の更なる実施形態が示されている。この実施形態においては、内側シェル22内において延在している光ガイドチャネル12の部分的エリアの寸法は、図14による実施形態のケースにおけるものよりも大きい。これは、部分的反射被覆31が、外側及び内側シェル19、22(図16)の間の開口部に隣接したエリア内において形成されるという点において実現されており、これには、光ビーム9’の一部分が、外側シェル19内に透過されるのではなく、むしろ、内側シェル22の第2面23に反射されるという結果が伴っている。この反射された光ビーム9’’は、結合出射セクション13に向かって第2面23上において(例えば、全内部反射により、或いは、適切に提供された反射性被覆又は部分的反射性被覆により)反射されており、これには、望ましい結合出射が、結合出射セクション13を介して実現されうるという結果が伴っている。この結果、結合出射セクション13の横方向の範囲を拡大することができる。このタイプの結合出射セクション13の拡大は、図16からの拡大詳細図において容易に認識することができる。同様の方式により、部分的反射性被覆31上における光ビーム9’の分割も、明瞭な可視状態にある。
【0075】
図17には、図2におけると同一の方式により、本発明によるディスプレイ装置の変形例が示されている。この変形例においては、光学要素8が外側シェル19に結合されている。この結合は、例えば、外側シェル19の結合入射セクション11、即ち、端部面11を介したセメント結合又は接合を通じて実行することができる。図を簡単にするべく、光学要素8は、まっすぐな境界表面を有するように示されている。但し、境界表面は、光束9の通過及び反射のエリア内において湾曲した状態において形成することが可能であり、且つ、結像特性を提供することができる。又、図を簡単にするべく、画像生成モジュール5は、光学要素8に対して横方向において隣接した状態において示されている。但し、これは、光学要素8との関係において、上方又は下方において、或いは、任意のその他の位置において、位置決めすることもできる。又、光学要素8は、チューブと呼称することもできる。図17からの図においてわかるように、光学要素8及び外側シェル19は、これらがL字の形状を形成するように、互いに結合されている。従って、光学要素8は、外側シェル19から離れるように、テンプルステムの方式によって延在している。光学要素8は、テンプルステム(図示されていない)の、又は頭部における結像光学系の装用のための別のホルダの、一部分であってもよい。
【0076】
図18には、図17からの実施形態の変形例が示されている。この変形例においては、外側シェル19は、光学要素8と共に、一体として形成されている。これは、例えば、射出成形によって製造することができる。
【0077】
本発明によるディスプレイ装置1においては、ユーザーの視野内への仮想画像の反射は、第1眼鏡レンズ3を介して発生している。当然のことながら、第2眼鏡レンズ4を介した反射も可能である。更には、ディスプレイ装置1は、情報項目又は仮想画像が両方の眼鏡レンズ3、4を介して反射されるように、形成することもできる。反射は、三次元画像の印象が結果的に得られるように、発生しうる。但し、これは、必須ではない。
【0078】
眼鏡レンズ3、4は、(特に、視力不良を矯正するべく)ゼロの屈折力又はゼロとは異なる屈折力を有することができる。図に示されているように、眼鏡レンズ3の前面11と後面12は、いずれも、湾曲した状態において形成されている。具体的には、前面11は、球面状に湾曲させることができる。眼鏡レンズがゼロとは異なる屈折力を有している場合には、不良視力を矯正するべく、原則的に、適切な矯正を実現するために後面15の曲がりが適切に選択される。後面15は、球面状の形態から逸脱した曲がりを有することができる。
【0079】
ホルダ2は、眼鏡タイプのホルダとして形成する必要はない。ディスプレイ装置がユーザーの頭部においてフィットしうるか又は装用されうる任意のその他のタイプのホルダも可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図16
図17
図18