(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記持ち出し忘れ検知部が持ち出し忘れを検知したとき、前記報知部が、前記位置検知部により検知された前記所定エリア内にある子機の位置を報知することを特徴とする請求項3に記載の忘れ物防止装置。
前記所定エリア外にユーザが進出しようとするときに、前記報知部が、前記位置検知部により検知された前記所定エリア内にある子機の位置を報知することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の忘れ物防止装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を、
図1〜
図5に基づいて説明する。
図1は、本発明の忘れ物防止装置の一実施形態を示すブロック図である。
図1に示す忘れ物防止装置1は、車両に搭載されている。同図に示すように、忘れ物防止装置1は、親機2と、マイクロコンピュータ(以下、マイコン)3と、記憶部としてのメモリ4と、表示装置5と、照明部としての照明装置6と、を備えている。
【0015】
親機2は、無線通信を行う周知の通信機から構成され、子機7と無線通信を行う。子機7には、識別情報(ID)が記憶されている。子機7は、家の鍵や、財布などの車両へ持ち込みたい又は車両から持ち出したい物(以下、持込/持出物)8に取り付けられている。子機7は、
図2に示すように、シール状に形成して、持込/持出物8に張り付けることにより取り付けてもよいし、
図3に示すように、タグ状又はキーホルダ状に形成して、持込/持出物に取り付けてもよい。
【0016】
マイコン3は、CPU、ROM、RAMなどを内蔵して構成しており、忘れ物防止装置1全体の制御を司る。
【0017】
メモリ4には、
図4及び
図5に示すように、ユーザによって予め登録された持込/持出物8のリストが記憶されている。このリストには、ユーザによって予め登録された持込/持出物8に取り付けられた識別情報(ID)に持込/持出物8の名前などの各種情報が紐付けられて記憶されている。本実施形態では、
図4及び
図5に示すように、車両に持ち込みたい持込物のリストと、車両から持ち出したい持出物のリストと、を別々に登録できるようにしている。また、本実施形態では、スノーボードや買い物といった目的毎に別々にリストを登録できるようにしている。
【0018】
表示装置5は、例えば車両のインストルメントパネル内のメータに取り付けられた液晶ディスプレイなどから構成され、マイコン3によって制御される。
【0019】
照明装置6は、例えば車両のルーフに取り付けられ、LEDなどの指向性を持った光源と、光源の向きを駆動する駆動部(何れも図示せず)と、を有し、マイコン3によって制御される。照明装置6は、駆動部によって光源の向きを駆動することにより、照明位置を変えることができる。
【0020】
次に、上述した構成の忘れ物防止装置1の動作について
図6及び
図7のフローチャートを参照して以下説明する。
【0021】
マイコン3は、ユーザの所定エリアである車両の室内(以下、車室内)内への進入を検知すると、
図6に示す持込処理を開始する。マイコン3は、例えば、ユーザが運転席に着座して、着座スイッチがオンしたとき、ユーザがシートベルトを装着して、ベルトスイッチがオンしたとき、又は、イグニッションスイッチがオフからオンに切り替わったときに、ユーザの車室内への進入を検知するようにしてもよい。
【0022】
上記持込処理において、マイコン3は、表示装置5を制御して、「目的を入力してください」と表示させる(ステップS1)。これに応じてユーザが図示しない入力部を操作して目的(例えば、スノーボードか買い物か)を入力すると(ステップS2でY)、マイコン3は、親機2を制御して子機7との通信を開始させ、子機7のIDを取得する(ステップS3)。
【0023】
次に、上記ステップS3における動作の詳細について説明する。ステップS3において、例えば、マイコン3は、IDの送信を要求する送信信号を送信する。子機7は、送信信号を受信すると、自身のIDを含んだ返信信号を送信する。マイコン3は、この返信信号を受信することにより、車室内にある子機7のIDを取得する。上記送信信号を電波に乗せて送信する場合は、子機7は、その電波を電力に変換して電源供給を受けるものであってもよい。勿論、子機7は、内蔵バッテリから電源供給を受けるものであってもよい。
【0024】
また、ステップS3において、マイコン3は、送信信号を送信していたが、これに限らず、定期的に受信タイミング信号を送信するようにしてもよい。子機7は、この受信タイミング信号の受信に合わせて、自身のIDを含んだ信号を定期的に送信する。
【0025】
次に、マイコン3は、持ち込み忘れ検知部として機能し、ステップS3で取得したIDとステップS2で入力された目的に対応する持込リストとを比較して、持ち込み忘れを検知する(ステップS4)。ここで、ステップS2で入力された目的がスノーボードであれば、マイコン3は、ステップS3で取得したIDと、スノーボード用持込リスト(
図4)と、を比較する。また、ステップS2で入力された目的が買い物であれば、マイコン3は、ステップS3で取得したIDと、買い物用持込リスト(
図4)と、を比較する。
【0026】
ステップS4において、マイコン3は、持込リストに記載されたIDがステップS3で取得できない、即ち、持込リストに記載されたIDの子機7が車室内にないと判定した場合、持ち込み忘れがあると判定する。このとき、マイコン3は、持込リストに記載された全てのIDの子機7について車室内にあるか否かを判定する。一方、マイコン3は、持込リストに記載された全てのIDがステップS3で取得できる、即ち、持込リストに記載されたIDの子機7が車室内に全てあると判定した場合、持ち込み忘れがないと判定する。
【0027】
マイコン3は、ステップS4で持ち込み忘れ検知を行った結果、持ち込み忘れがあると判定された場合(ステップS5でY)、報知部として機能し、その旨を報知して(ステップS6)、持込処理を終了する。上記ステップS6において、マイコン3は、例えば、表示装置5にIDを取得できなかった持込物の名前を一覧にして表示して、持ち込み忘れを報知する。
【0028】
一方、マイコン3は、持ち込み忘れがないと判定された場合(ステップS5でN)、直ちに持込処理を終了する。なお、マイコン3は、持ち込み忘れがないと判定された場合(ステップS5でN)、持ち込み忘れがないことを報知して、持込処理を終了するようにしてもよい。
【0029】
また、マイコン3は、ユーザが車室外への進出しようとする(=ユーザは車室内にまだいるが、これから車室外に進出しようとしている状態)のを検知すると、
図7に示す持出処理を開始する。マイコン3は、例えば、ユーザがシートベルトの装着を解除したときや、イグニッションスイッチがオンからオフに切り替わったとき、ユーザが車室外へ進出しようとしていることを検知する。また、マイコン3は、ナビゲーション装置により目的地に着いたことを検知したとき、ユーザが車室外へ進出しようとしていることを検知してもよい。
【0030】
持出処理において、マイコン3は、持込処理のステップS2で入力された目的に対応する持出リストを表示装置5に表示する(ステップS11)。ここで、ステップS2で入力された目的がスノーボードであれば、マイコン3は、スノーボード用持出リストの持出物の名前をリストにして表示装置5に表示する。また、ステップS2で入力された目的が買い物であれば、マイコン3は、買い物用持出リストの持出物の名前をリストにして表示装置5に表示する。
【0031】
ユーザは、表示されたリストのうち、手元に見当たらない持出物があれば、図示しない入力部を操作して、表示されたリストの中から見当たらない持出物を選択する。マイコン3は、ユーザにより持出物の選択が行われると(ステップS12でY)、位置検知部として働き、選択された持出物に取り付けられた子機7の位置を検出する(ステップS13)。
【0032】
ステップS13の子機7の位置検出は、親機2と子機7との通信を用いた周知の方法で行えばよい。例えば、親機2から送信した電波の子機7での反射波に基づいて位置を検出することができる。また、親機2からレーザを出力して子機7での反射に基づいて位置を検出するようにしてもよい。また、親機2にアンテナを2つ設け、2つのアンテナが受信した子機7からの信号の受信時間差に基づいて位置を検出することもできる。
【0033】
その後、マイコン3は、照明装置6の駆動部を制御して、光源をステップS13で検出した位置に向けて、その位置を照明することにより、子機7の位置を報知する(ステップS14)。その後、マイコン3は、ユーザが車室外に進出していない間は(ステップS15でN)、ステップS12に戻る。一方、マイコン3は、ユーザが車室外に進出すると(ステップS15でY)、持出処理を終了する。マイコン3は、例えば、ユーザがドアを開けてドアスイッチがオンになったときや、ユーザがドアをロックしてロックスイッチがオンになったときに、ユーザが車室外に進出したことを検知する。
【0034】
上述した第1実施形態によれば、マイコン3が、子機7及び親機2間の無線通信に基づいて、物の車室内外への忘れ物を防止するための報知を行っている。これにより、車室内外への忘れ物を防止することができる。
【0035】
上述した第1実施形態によれば、マイコン3は、車室内にユーザが進入したときに、親機2及び子機7間の通信をした結果、持込リストの子機7が車室内にないと判定した場合、持ち込み忘れを検知し、その旨を報知している(
図6の持込処理)。これにより、持込リストにある子機7が取り付けられた物を車室内に持ち込み忘れることを防止することができる。
【0036】
また、上述した第1実施形態によれば、マイコン3は、車室外にユーザが進出しようとするときに、車室内にある子機7の位置を検知して、その位置を報知している(
図7の持出処理)。これにより、子機7が取り付けられた持出物をユーザが探す必要がなくなる。
【0037】
また、上述した第1実施形態によれば、マイコン3は、子機7の位置を照明装置6によって照らすことにより、子機7の位置を報知している。これにより、車室内が暗くても簡単にユーザが子機7を見つけ出すことができる。また、シートの下や鞄の中に子機7が入り込んでいたとしても、シートや鞄を照らすことにより、子機7がシートの下や鞄の中にあることをユーザに分かりやすく伝えることができる。
【0038】
なお、上述した第1実施形態によれば、マイコン3は、子機7の位置を検知して、その位置を照明装置6によって照らすだけであったが、これに限ったものではない。マイコン3は、親機2と子機7との間に遮蔽物(シートや鞄など)があるか否かを判定するようにしてもよい。マイコン3は、例えば、親機2と子機7との位置検出を行った結果、距離が近いにも関わらず、子機7からの電波が弱いときに遮蔽物があると判定することができる。そして、マイコン3は、遮蔽物の有無に応じて照明装置6の発光状態を変えて、ユーザに遮蔽物の有無を報知できるようにする。例えば、マイコン3は、遮蔽物があるときは照明装置6を白で発光させ、遮蔽物がないときは照明装置を赤で発光させる。これにより、子機7がシートの下や鞄の中にあることをより一層、ユーザに分かりやすく伝えることができる。
【0039】
上述した第1実施形態によれば、マイコン3は、持込リストに記載されたIDがステップS3で取得できない場合、持ち込み忘れがあると判定していたが、これに限ったものではない。マイコン3は、ステップS3で子機7のIDを取得すると共に、その子機7の位置を検知する。そして、マイコン3は、持込リストに記載されたIDがステップS3で取得できたとしても、子機7の位置が車室外であれば、持ち込み忘れがあると判定するようにしてもよい。
【0040】
上述した第1実施形態によれば、メモリ4に予め持出リストを記憶させていたが、これに限ったものではない。予め持出リストを記憶させていなくてもよい。この場合、マイコン3は、親機2と子機7との通信により、車室内にある全ての子機7に取り付けられた持出物を持出リストに記載して、自動的に作成するようにしてもよい。
【0041】
また、上述した第1実施形態によれば、ユーザに目的を入力させ(
図6のステップS1、S2)、入力された目的に対応したリストを用いて、持ち出し/持ち忘れの報知を行っていたが、これに限ったものではない。忘れ物防止装置1をナビゲーション装置と連動させて、ナビゲーション装置に入力された目的地に応じたリストを用いてもよい。
【0042】
また、上述した第1実施形態によれば、ユーザの車室内への進入を検知すると、持込処理を開始していたが、これに限ったものではない。例えば、マイコン3は、図示しないマイクからユーザの「忘れ物教えて」などの忘れ物の報知要求を示す発話情報を入力したとき、持込処理を開始するようにしてもよい。
【0043】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、ユーザが車室内にいるときに持出処理を行っているため、持ち出し忘れの有無を検知していない。第2実施形態では、車室外に持ち出せるスマートフォンなどの携帯端末と、忘れ物防止装置と、を連携させて、持ち出し忘れの有無を検知及び報知する。
【0044】
第2実施形態における忘れ物防止装置の動作について
図8のフローチャートを参照して以下説明する。マイコン3は、ユーザが車室外へ進出したことを検知すると、
図8に示す持出処理を開始する。持出処理においてマイコン3は、親機2を制御して子機7との通信を開始させ、子機7のIDを取得する(ステップS21)。
【0045】
次に、マイコン3は、持ち出し忘れ検知部として機能し、ステップS21で取得したIDとステップS2で入力された目的に対応する持出リストとを比較して、持ち出し忘れを検知する(ステップS22)。ここで、ステップS2で入力された目的がスノーボードであれば、マイコン3は、ステップS21で取得したIDと、スノーボード用持出リスト(
図5)と、を比較する。また、ステップS2で入力された目的が買い物であれば、マイコン3は、ステップS21で取得したIDと、買い物用持出リスト(
図5)と、を比較する。
【0046】
ステップS22において、マイコン3は、位置検知部として働き、持出リストに記載されたIDの子機7の位置を検出する。そして、マイコン3は、持出リストに記載されたIDが付された子機7の位置が車室内であると判定した場合、持ち出し忘れがあると判定する。一方、マイコン3は、持出リストに記載されたIDが付された全ての子機7の位置が車室外であると判定した場合、持ち出し忘れがないと判定する。
【0047】
マイコン3は、ステップS22で持ち出し忘れ検知を行った結果、持ち出し忘れがないと判定された場合(ステップS23でN)、直ちに持出処理を終了する。なお、マイコン3は、持ち出し忘れがないと判定された場合(ステップS23でN)、携帯端末に持ち出し忘れがないことを表示して、持出処理を終了するようにしてもよい。これに対して、マイコン3は、持ち出し忘れがあると判定された場合(ステップS23でY)、報知部として機能し、その旨を報知する(ステップS24)。
【0048】
ステップS24においては、マイコン3は、例えば、ユーザと共に車室外に持ち出された図示しない携帯端末と通信を行い、携帯端末の表示画面に、
図9に示すような持出リストを表示して、持出物の有無を表示する。
図9に示す例では、ステップS22で持ち出し忘れ検知を行った結果、車室内にあると判定された子機7の持出物については、持ち出していないとして「なし」が表示されている。一方、車室外にあると判定された子機7の持出物については、持ち出されているとして「あり」が表示されている。
【0049】
ユーザは、携帯端末に表示されたリストのうち「なし」と表示されている持出物があれば、図示しない入力部を操作して、「なし」と表示されている持出物を選択する。携帯端末はこの選択情報を忘れ物防止装置1に送信する。マイコン3は、ユーザにより持出物の選択が行われると(ステップS25でY)、照明装置6の駆動部を制御して、光源をステップS22で検出した子機7の位置に向けて、その位置を照明することにより、子機7の位置を報知する(ステップS26)。その後、マイコン3は、ステップS21に戻る。これに対して、マイコン3は、一定時間以上経過してもユーザによる持ち出し物の選択が行われなければ(ステップS25でN)、再びステップS21に戻る。
【0050】
上述した第2実施形態によれば、マイコン3は、車室外にユーザが進出したときに、親機2及び子機7間の通信に基づいてメモリ4に記憶されたIDの子機7が車室内にあると判定した場合、持ち出し忘れを検知する。そして、マイコン3は、携帯端末を用いて持ち出し忘れを報知する。これにより、持出リストにある子機7が取り付けられた物を車室外に持ち出し忘れることを防止することができる。
【0051】
上述した第2実施形態によれば、持ち出し忘れを検知したとき、マイコン3が、車室内にある子機7の位置を報知する。これにより、子機7が取り付けられた持出物をユーザが探す必要がなくなる。
【0052】
なお、上述した第2実施形態によれば、持ち出し忘れを検知したとき携帯端末に持出リストを表示して、持出物の有無を表示させていたがこれに限ったものではない。例えば、持ち出し忘れを検知したとき、車両に設置されたスピーカを用いて警報音を鳴らすようにしてもよい。その時、同時に車内にある持出物を照明で照らすようにしてもよい。
【0053】
また、第1及び第2実施形態によれば、マイコン3は、車室内にある持出物に取り付けられた子機7の位置を報知していたが、これに限ったものではない。電波干渉や車室内の環境によって子機7の位置を検知できないことがある。そこで、第1実施形態においては、子機7の位置が検出できない場合は、位置を報知せずに、持出リストを表示するだけでもよい。また、第2実施形態においては、子機7の位置が検出できない場合は、位置を報知せずに、持ち出し忘れだけを報知するようにしてもよい。
【0054】
また、上述した第1及び第2実施形態によれば、照明装置6を用いた、持出物の位置を報知していたが、これに限ったものではない。位置を報知できればよく、子機7から音を出させて持出物の位置を報知するようにしてもよい。
【0055】
また、所定エリアとしては、車室に限ったものではなく、例えば、店舗や倉庫などのエリアを所定エリアとすれば、商品の物品管理にも用いることができる。
【0056】
また、上述した第1及び第2実施形態によれば、マイコン3が持込処理及び持出処理を実行していたが、これに限ったものではない。マイコン3は、持込処理及び持出処理の何れか一方のみを実行するようにしてもよい。
【0057】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。