(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6673928
(24)【登録日】2020年3月9日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】ディフレクションローラ、ディフレクションローラの使用、ディフレクションローラを含むタイヤ構築マシーン
(51)【国際特許分類】
B29D 30/30 20060101AFI20200316BHJP
F16C 13/00 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
B29D30/30
F16C13/00 Z
【請求項の数】20
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-545741(P2017-545741)
(86)(22)【出願日】2016年3月18日
(65)【公表番号】特表2018-513032(P2018-513032A)
(43)【公表日】2018年5月24日
(86)【国際出願番号】NL2016050193
(87)【国際公開番号】WO2016167643
(87)【国際公開日】20161020
【審査請求日】2019年1月28日
(31)【優先権主張番号】2014655
(32)【優先日】2015年4月17日
(33)【優先権主張国】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】595090635
【氏名又は名称】ヴェーエムイー ホーランド ベー. ヴェー.
【氏名又は名称原語表記】VMI HOLLAND B. V.
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】ゲラルドゥス ヨハネス カタリーナ ヴァン ラール
【審査官】
市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】
独国特許出願公開第102010055168(DE,A1)
【文献】
米国特許第01616363(US,A)
【文献】
特開昭52−117977(JP,A)
【文献】
特開2013−132906(JP,A)
【文献】
実開平02−079333(JP,U)
【文献】
特開2000−280345(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D30/00−30/72
F16C13/00−15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴムタイヤ部品をガイドする又はディフレクトするためのディフレクションローラにおいて、前記ディフレクションローラは、前記ディフレクションローラの回転軸を定めるシャフトと、前記回転軸に同心的である周方向ブラシ面を形成すべく、前記シャフトの周りに周方向に分散され且つ前記回転軸に対して半径方向外方に直交して延在している複数のブリッスルとを含んでおり、前記ディフレクションローラは、前記回転軸に平行な軸方向へ、前記複数のブリッスルに隣接して延在し、そして前記軸方向へ前記周方向ブラシ面を結合するために、夫々、前記周方向ブラシ面の第1の端部及び第2の端部において、前記周方向ブラシ面の外側で半径方向に突出する、第1の境界要素と、第2の境界要素とを更に含んでいるディフレクションローラ。
【請求項2】
前記ブリッスルは、前記回転軸に平行な軸方向へ前記ゴムタイヤ部品を能動的に操向しない略中立な向きに延在する請求項1に記載のディフレクションローラ。
【請求項3】
前記ディフレクションローラは、前記シャフトに対して前記複数のブリッスルを保持すると共にその位置決めを行うためのブリッスルホルダーを含んでおり、前記複数のブリッスルは、前記ブリッスルホルダーに直交して実装される請求項1又は2に記載のディフレクションローラ。
【請求項4】
前記複数のブリッスルの前記ブリッスルは可撓性がある、請求項1−3の何れか一つに記載のディフレクションローラ。
【請求項5】
前記複数のブリッスルの前記ブリッスルは弾力性がある、請求項1−4の何れか一つに記載のディフレクションローラ。
【請求項6】
前記周方向ブラシ面は、直線円筒状で又は前記軸方向へ一定の直径を有している、請求項1−5の何れか一つに記載のディフレクションローラ。
【請求項7】
前記複数のブリッスルのすべてのブリッスルは、同じ長さを有している、請求項1−6の何れか一つに記載のディフレクションローラ。
【請求項8】
前記第1の境界要素と前記第2の境界要素は、前記周方向ブラシ面に対して、自立した向きに、前記周方向ブラシ面の外側で半径方向に突出する、夫々、第1の境界面と、第2の境界面とを含んでいる、請求項1−7の何れか一つに記載のディフレクションローラ。
【請求項9】
前記第1の境界面と、前記第2の境界面は、前記周方向ブラシ面に対して周方向に又は同心的に延在している、請求項8に記載のディフレクションローラ。
【請求項10】
前記第1の境界要素及び前記第2の境界要素は、夫々、前記第1の境界面を形成する第1のデスクと、前記第2の境界面を形成する第2のデスクとを含み、各デスクは、前記周方向ブラシ面に対して及び半径方向にその外側で延在している周方向エッジを有している、請求項8又は9に記載のディフレクションローラ。
【請求項11】
前記第1の境界要素と前記第2の境界要素は、前記ディフレクションローラがガイド又はディフレクトすべく配置されている、前記ゴムタイヤ部品の厚さに少なくとも等しい距離に渡って、前記周方向ブラシ面の半径方向外側に突出している、請求項1−10の何れか一つに記載のディフレクションローラ。
【請求項12】
前記第1の境界要素及び前記第2の境界要素は、少なくとも10ミリメータ、好ましくは、少なくとも20ミリメータ、もしくは、少なくとも30ミリメータに渡って、前記周方向ブラシ面の外側に半径方向へ突出している、請求項1−11の何れか一つに記載のディフレクションローラ。
【請求項13】
前記第1の境界要素及び前記第2の境界要素は、前記シャフトに実装されている、請求項1−12の何れか一つに記載のディフレクションローラ。
【請求項14】
前記ディフレクションローラは、前記シャフトに対して前記複数のブリッスルを保持すると共にその位置決めを行うためのブリッスルホルダーを含んでおり、前記複数のブリッスルは、前記ブリッスルホルダーに直交して実装されており、前記ブリッスルホルダーは、前記シャフトの半径方向外側で又はそこから離隔したある位置において実装され、更に前記第1の境界要素と前記第2の境界要素の間で延在している請求項13に記載のディフレクションローラ。
【請求項15】
前記シャフトは、中空シャフト又はチューブである、請求項1−14の何れか一つに記載のディフレクションローラ。
【請求項16】
請求項1に記載された前記ディフレクションローラを含むタイヤ構築マシーン。
【請求項17】
前記タイヤ構築マシーンは、フェステューナを含み、前記フェステューナは、複数の前記ディフレクションローラを含んでいる、請求項16に記載のタイヤ構築マシーン。
【請求項18】
前記タイヤ構築マシーンは、ダンサーローラアセンブリを含み、前記ディフレクションローラは、前記ダンサーローラアセンブリのダンサーローラである、請求項16に記載のタイヤ構築マシーン。
【請求項19】
前記ダンサーローラアセンブリはガイドを含み、前記ディフレクションローラは、ダンシング方向へ前記ガイドに沿って滑動自在であり、前記ディフレクションローラは、前記回転軸に垂直に且つ前記ダンシング方向に垂直に延在する傾動軸の回りで傾動自在である、請求項18に記載のタイヤ構築マシーン。
【請求項20】
ゴムタイヤ部品を、前記第1の境界要素と前記第2の境界要素との間の前記周方向ブラシ面上に含みつつ、第1の搬送方向から前記第1の搬送方向とは相違する第2の搬送方向へ、前記ゴムタイヤ部品をガイド又はディフレクトするための、請求項16−19の何れか一つに記載のタイヤ構築マシーンにおける、請求項1に記載のディフレクションローラの使用。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、ゴムタイヤ部品、特に強化コードを含むゴムタイヤ部品をガイドする及び/又は偏向するためのディフレクションローラに関する。本発明は、種々のタイヤ構築マシーンにおけるディフレクションローラの使用、及びディフレクションローラを含むタイヤ構築マシーンに更に関する。
【0002】
公知のディフレクションローラは、例えば、中間フェストゥーナを経由して、あるポイント又はステーションから他のポイント又はステーションへ、ゴムタイヤ部品をガイドすべく、種々のタイヤ構築応用において使用されている。公知のディフレクションローラは、タイヤ部品に接触すると共にそれをガイドするための、中実な周面を含んでいる。タイヤ構築の分野における公知のディフレクションローラに対する応用は、フェストゥーナにおけるディフレクションローラの使用であり、ここでディフレクションローラ間の距離は、フェストゥーナの容量を増加させるか、又は減少させるべく、変化できる。連続的な長さのゴムタイヤ部品がフェストゥーナ内へ供給され、そして吐出側においてフェストゥーナから出る前に、複数のディフレクションローラの間でジグザグ動作する。各ディフレクションローラにおいて、タイヤ部品は、ディフレクションローラの周面のかなりの部分に接触し、ディフレクションローラの中心に対する、タイヤ部品のなんらかのミスアライメントを訂正することを困難にする可能性があり、タイヤ部品のゴムと周面との間の比較的高い摩擦力となる。タイヤ部品は、それが究極的にディフレクションローラの側に渡って、接触するか又は移動する場合、深刻に変形する可能性がある。
【0003】
タイヤ部品がディフレクションローラに対して、センタリングされて保持されていることを確かにするために、公知のディフレクションローラの周面は、しばしばクラウニング処理される。クラウンの頂部における増加した周方向の長さは、ディフレクションローラに対してタイヤ部品を自動的にセンタリングする。しかしながら、クラウンの頂部における増加した周方向の長さは、それがタイヤ部品の不均一な延伸を引き起こすという、不利な点を有し、これは、特に、コード強化済タイヤ部品にとって、コード強化済タイヤ部品の長さにおける永続的なウエービングを引き起こす。
【0004】
本発明の目的は、ディフレクションローラと、種々のタイヤ構築マシーンにおけるディフレクションローラの使用と、更にディフレクションローラを含む
タイヤ構築マシーンを提供することであり、ここで公知のディフレクションローラの上述した欠点が、少なくとも部分的に解決できる。
【発明の概要】
【0005】
第1の態様に従えば、本発明は、ゴムタイヤ部品をガイドする及び/又は偏向するためのディフレクションローラを提供し、ここでディフレクションローラは、このディフレクションローラの回転軸を定めるシャフトと、この回転軸に同心的である周方向ブラシ面を形成すべく、シャフトの回りに周方向に分散され且つ回転軸に対して半径方向外方に直交して又は略直交して延在し、又は中立の向きに(例えば、各ブリッスルは、回転軸に対して直角で延在している平面内に延在している)延在している複数のブリッスルとを含んでおり、ディフレクションローラは、回転軸に平行な軸方向へ複数のブリッスルに隣接して延在し、そして軸方向へ周方向ブラシ面を結合するために、夫々、周方向ブラシ面の第1の端部及び第2の端部において周方向ブラシ面の外側で半径方向に突出する、第1の境界要素と、第2の境界要素とを更に含んでいる。
【0006】
DE102010055168A1は、ペーパシートを平坦化するためのディフレクションローラを開示している。この目的のために、公知のディフレクションローラは、軸方向に沿ってセクションに分割されているブリッスルを具備している。中心のセクションは、軸方向へ傾きを有さないブリッスルを具備しており、一方ディフレクションローラの軸方向外端の方に向いているセクション内のブリッスルは、増加する外方への配向された傾きを有している。その結果、ペーパシート上へブリッスルによって作用する横方向の力は、夫々の軸方向外方端に向けて増加する。DE102010055168A1は、通常ブリッスルに対して材料の経路の相対的な変位が存在しないことを明確に指摘している。DE102010055168A1によれば、何らかのそのような動きは、材料の光学的な及び/又は機械的な諸性質へのネガティブなインパクトを有するであろう。しかしながら、同じディフレクションローラに関すると思われる、DE102010053397A1は、−中立の中心セクションが欠落している場合−ディフレクションローラ上のオブジェクトが、制御不能に軸方向外方に引かれることを認めている。
【0007】
当業者は、タイヤ部品をガイドする及び/又は偏向するために、DE102010055168A1のディフレクションローラを用いることを考察しないであろう。
第1に、タイヤ部品は、軸方向に延伸を通常要求しない。第2に、タイヤ部品が中心を外して軸方向に移動するであろう場合、それらは制御不能に外方に押し込まれ、潜在的に非常に危険で且つ望ましくない状況である。フランジが、中実の周面と組み合わされて、US1,616,363Aに開示されているけれども、タイヤ部品が、制御不能に完全に且つフランジのエッジに渡って簡単に押し込まれ、タイヤ部品にかなりの延伸、変形及びダメージとなるので、それらのフランジをDE102010055168A1のディフレクションローラの外方への向きのブリッスルに組み合わせることは、極めて賢明ではない。
【0008】
本発明に係る境界要素についてのブリッスルの直交する配向は、上述した問題点を解決することが注目される。それらの直交する配向に基因して、ブリッスルは、軸方向へタイヤ部品に対しておおよそ中立である。複数のブリッスルが、周方向ブラシ面の周りでゴムタイヤ部品を共同して支持することができ、一方ブリッスルは、ディフレクションローラの軸方向へのゴムタイヤ部品の動きを個別に可能にできる。特に、個別のブリッスルは、軸方向への周方向ブラシ面とゴムタイヤ部品との間の摩擦を著しく減少又は除去すらできる。一旦ゴムタイヤ部品が境界要素の一つに接触するようになると、この一つの境界要素は、最小の反作用で、ゴムタイヤ部品の軸方向の動きを停止させる及び/又は反転させることができ、それによってゴムタイヤ部品が夫々の境界要素間の周方向ブラシ面の上に含まれたままであることを、確かにする。かくして、ディフレクションローラは、周方向ブラシ面とゴムタイヤ部品との間のかなりの摩擦を引き起こすことなしで、効果的にミスアライメントを訂正できる。ゴムタイヤ部品又はその埋設された強化コードにおいて、不均一な延伸及び/又は変形を潜在的に引き起こそうとすればそれもできる、従来技術におけるような、クラウニング処理された断面プロファイルを生成するための必要性は存在しない。
【0009】
かくして、本発明は、タイヤ部品がローラ上でセンタリングされるべきであるという多くの従来技術の教示から完全にはなれて、そしてその代わりに、軸方向へのタイヤ部品の動きを考慮し、その動きは、境界要素と中立的に配向されたブリッスルとの慎重に選択された組み合わせに基因して、容易に訂正することができる。
【0010】
ある実施の形態において、ブリッスルは、回転軸に平行な軸方向へゴムタイヤ部品を能動的に操向しない略中立な向きに延在している。DE102010055168A1とは相違して、複数のブリッスルの中立的な配向は、任意の軸方向へタイヤ部品を制御不能に押し込まない。従って、中立的に配向されたブリッスルは、それらがタイヤ部品の軸方向の動きを成功裏に停止又は反転するための境界要素と組み合わせて、使用することができるように、任意のかなりの横方向の力をタイヤ部品上に作用しない。
【0011】
ある実施の形態において、ディフレクションローラは、シャフトに対して複数のブリッスルを保持すると共にその位置決めを行うためのブリッスルホルダーを含んでおり、ここで複数のブリッスルは、ブリッスルホルダーに直交して又は略直交して実装されている。かくして、このブリッスルホルダーは、シャフトに対してある特定の構成において複数のブリッスルを保持できる。
【0012】
ある実施の形態において、複数のブリッスルのブリッスルは、可撓性があり、弾力性があり、又は弾性的に可撓性がある。それ故、各ブリッスルがゴムタイヤ部品にもはや接触しなくなると、元の撓曲されない状態へ戻りつつ、各ブリッスルがゴムタイヤ部品に接触している間は、各ブリッスルは軸方向へタイヤ部品と共に移動又は撓曲できる。
【0013】
ある実施の形態において、周方向ブラシ面は直線円筒状で及び/又は軸方向へ一定又は略一定の直径を有している。ゴムタイヤ部品を整列させ続ける必要性がないため、クラウニング処理されたブラシ面を備えたディフレクションローラを提供する必要はない。クラウニングの不在によって、ゴムタイヤ部品そして特にゴムタイヤ部品に埋設された補強コードの不均一な延伸を減少させることができる。その結果は、より均一で且つ波形が少ないゴムタイヤ部品であることができる。
【0014】
ある実施の形態において、複数のブリッスルのすべてのブリッスルは、同じ又は略同じ長さを有している。かくして、すべてのブリッスルは、同じやり方で実装することができ、そして周方向ブラシ面を形成すべく、ディフレクションローラの周囲に分散できる。
【0015】
ある実施の形態において、第1の境界要素及び第2の境界要素は、周方向ブラシ面に対して、自立又は略自立した向きに、周方向ブラシ面の外側で半径方向に突出する、夫々、第1の境界面と第2の境界面とを含んでいる。第1の境界面及び第2の境界面は、ゴムタイヤ部品がディフレクションローラのエッジに渡って移動することを防止することによって、周方向ブラシ面上にゴムタイヤ部品を含ませることができる。
【0016】
ある実施の形態において、第1の境界面と第2の境界面とは、周方向ブラシ面に対して周方向に及び/又は同心的に延在している。それ故、第1の境界面と第2の境界面は、周方向ブラシ面に円周に沿って任意の位置において、ゴムタイヤ部品を含ませることができる。
【0017】
ある実施の形態において、第1の境界要素及び第2の境界要素は、夫々、第1の境界面を形成する第1のデスクと、第2の境界面を形成する第2のデスクとを含み、各デスクは、周方向ブラシ面に対して及びその外側で半径方向へ延在している周方向エッジを有している。周方向エッジは、ゴムタイヤ部品がディフレクションローラのエッジに渡って移動することを防止できる。
【0018】
ある実施の形態において、第1の境界要素及び第2の境界要素は、ディフレクションローラがガイド及び/又は偏向すべく配置されている、ゴムタイヤ部品の厚さに少なくとも等しい距離に渡って、周方向ブラシ面の半径方向外側で、突出している。好ましくは、第1の境界要素及び第2の境界要素は、少なくとも10ミリメータ、好ましくは、少なくとも20ミリメータ、最も好ましくは、少なくとも30ミリメータに渡って、周方向ブラシ面の外側で半径方向に突出している。
【0019】
ある実施の形態において、第1の境界要素及び第2の境界要素は、シャフトに実装されている。かくして、第1の境界要素及び第2の境界要素は、シャフト上に支持され且つそれに対して高い信頼性で位置決めされる。
【0020】
ある実施の形態において、ブリッスルホルダーは、シャフトの半径方向外側で又はそこから離隔したある距離において、実装され、そして第1の境界要素及び第2の境界要素の間で延在している。それ故、このブリッスルホルダーは、ブリッスルホルダーを経由して、シャフトに間接的に実装できる。特に、ブリッスルホルダーがシャフトから半径方向に離隔している場合には、ブリッスルそれら自体は、所与の外径において周方向ブラシ面をなお更に形成しつつ、それらがシャフトから始まっていた場合、それらが有さなければならないであろう長さと同じでなければならない訳ではない。ブリッスルの長さを減少することによって、ディフレクションローラの周囲に高信頼性で及び/又は安定的に支持する能力を改善できる。
【0021】
ある実施の形態において、シャフトは、中空シャフト又はチューブである。この中空シャフト又はチューブは、外側シャフト、例えば、タイヤ構築マシーンのシャフトに実装できる。
【0022】
第2の態様に従うと、本発明は、上述したディフレクションローラを含むタイヤ構築マシーンを提供する。タイヤ構築マシーンにおけるディフレクションローラの一体化又は実施は、それが上流で、下流で、更にタイヤ構築マシーンにおいて、ゴムタイヤ部品の変形及び/又は不均一な延伸を減少できるので、特に有益である。
【0023】
その第1の実施の形態において、タイヤ構築マシーンは、フェステューナを含み、ここでフェステューナは、複数のディフレクションローラを含んでいる。特に、フェステューナの容量が増加又は減少する時の状況において、ゴムタイヤ部品は、このゴムタイヤ部品が位置ずれして潜在的に移動させようとすれば、それもできる、種々の力を受ける可能性がある。フェステューナにおける複数のディフレクションローラの使用は、複数のディフレクションローラが、ゴムタイヤ部品又はゴムタイヤ部品に埋設された強化コードの永続的な延伸及び/又は変形を引き起こさずに、ゴムタイヤ部品の位置ずれ移動を自動的に訂正することができるので、特に有益になることができる。特に、ゴムタイヤ部品の縦方向への強化コードの不均一な延伸の結果としての、ウエービングの発生が減少又は防止できる。
【0024】
その第2の実施の形態において、タイヤ構築マシーンはダンサーローラアセンブリを含み、ここでディフレクションローラは、ダンサーローラアセンブリのダンサーローラである。ダンサーローラは、例えば、ゴムタイヤ部品の長さが、切断テーブル上に供給され、そしてより小さな片に切断される、切断ステーションにおいて、間歇プロセスを調整すべく、ゴムタイヤ部品の供給速度における急峻な変化が要求される、ステーションの丁度上流でのタイヤ構築応用において、典型的に使用されている。ダンサーローラとしてその機能におけるディフレクションローラは、それを下流に供給する前に、固定ローラ間のループ内においてゴムタイヤ部品の長さを簡単に蓄積すべく、一組の固定ローラに対して急激に移動できる。急激な動きは、ディフレクションローラに対してゴムタイヤ部品の位置ずれ移動を引き起こす可能性があり、それは、ゴムタイヤ部品の深刻な変形及び/又は不均一な延伸なしで、ディフレクションローラによって訂正できる。
【0025】
好ましくは、ダンサーローラアセンブリはガイドを含み、ここでディフレクションローラは、ダンシング方向へガイドに沿って滑動自在であり、ディフレクションローラは、回転軸に垂直に且つダンシング方向に垂直に延在する、傾動軸の回りで傾動自在である。ディフレクションローラの傾動は、ダンシング方向へのディフレクションローラの上下の動きの間、ゴムタイヤ部品における非対称性、傾動、ワーピング、及び/又は不均一なテンションを補償することができる。
【0026】
第3の態様に従うと、本発明は、ゴムタイヤ部品を第1の境界要素と第2の境界要素との間の周方向ブラシ面上に含みつつ、第1の搬送方向からこの第1の搬送方向とは相違する第2の搬送方向へ、ゴムタイヤ部品をガイドする及び/又は偏向するための、上述したタイヤ構築マシーンの一つにおける、上述したディフレクションローラの使用を提供する。ゴムタイヤ部品を境界要素間に含ませることによって、ゴムタイヤ部品が、ディフレクションローラのエッジに渡って移動することが防止できる。以前に言及したように、ゴムタイヤ部品に深刻な変形及び/又は不均一な延伸を課するディフレクションローラなしで、訂正が遂行できる。
【0027】
明細書において記載され且つ示される様々な態様及び特徴は、可能なところではどこでも、個別に適用できる。これらの個別の態様、特に添付された従属請求項に記載された態様及び特徴は、分割特許出願の主題になることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明は、添付された概略図において示される例示的な実施の形態に基づいて明瞭になるであろう。
【
図1】
図1は、本発明に係るディフレクションローラの等角図を示しており;
【
図2】
図2は、
図1におけるラインII−IIに係るディフレクションローラの断面を示しており;
【
図3】
図3は、
図2におけるラインIII−IIIに係るディフレクションローラの断面を示しており;
【
図4】
図4は、
図1に係る複数のディフレクションローラを備えた、第1のタイヤ構築マシーン、特に、フェストゥーンナーを示しており;
【
図5】
図5は、第2のタイヤ構築マシーン、特に、
図1に係る複数のディフレクションローラを備えた、ダンサーローラアセンブリを示しており;
【
図6A】
図6Aは、
図5に係るダンサーローラアセンブリ内のディフレクションローラの動作における2個の工程を示しており;
【
図6B】
図6Bは、
図5に係るダンサーローラアセンブリ内のディフレクションローラの動作における2個の工程を示している。
【0029】
図1、2及び3は、本発明に係るディフレクションプーリ又はディフレクションローラ1を示している。このディフレクションローラ1は、ゴムタイヤ部品9をガイド及び/又は偏向するための種々のタイヤ構築マシーンにおいて、適用、実施又は使用できる。
図4は、フェストゥーンナー81において、
図1−3に係る複数のディフレクションローラ1の例示的な使用を示している。
図5は、ダンサーローラアセンブリ85における、ディフレクションローラ1の代替的な例示的な使用を示している。
【0030】
ゴムタイヤ部品9は、上流のステーション、例えば、押出機、又はストレージリールから供給される略連続的なストリップのような要素である。ゴムタイヤ部品9は、
図2に断面において示されている。この例示的な実施の形態において、ゴムタイヤ部品9は、ゴム材料90の本体と、ゴム材料90の本体において埋設された、複数の強化コード91とを含んでいる。ゴム材料90の本体は、より詳しくこれ以降記載されるであろうやり方で、ディフレクションローラ1に向けて面すると共に、それに接触する主面92を有している。
【0031】
図1−3に示すように、ディフレクションローラ1は、このディフレクションローラ1の回転軸Sと、この回転軸Sに平行なそれに整列して又はそれに沿った軸方向と、及び半径方向Rとを定めている、中心の車軸又はシャフト2を含んでいる。本発明の文脈において、「半径方向に」は、回転軸Sに厳密に直交することを意味することを意図するものではなく、中心、この場合、回転軸Sから外方に又はそれから離隔して、放射状に延在するとして解釈されるべきである。シャフト2は、タイヤ構築マシーン(図示せず)のシャフト上に回転可能に実装されるべきディフレクションローラ1を考慮するために、中空又はチューブである。又は、シャフト2は、タイヤ構築マシーンに向けて突出してもよく、このタイヤ構築マシーンは、シャフト2を回転可能に受けるための適切なリセプタクル(図示せず)を具備している。
【0032】
ディフレクションローラ1は、回転軸Sの周りに周方向へ均一に分散される、複数のブリッスル3を具備している。複数のブリッスル3のすべては、半径方向Rへその遠位又は自由端が、その上にゴムタイヤ部品9を支持するための、周方向ブラシ面4を共に形成するように、同じ又は略同じ長さを有する。この周方向ブラシ面4は、第1の直径D1において、回転軸Sに同心的に延在している。
図2および3に断面において示されるように、ディフレクションローラ1は、シャフト2に対して、複数のブリッスル3を保持すると共に位置決めするためのブリッスルホルダー5を具備している。複数のブリッスル3の各ブリッスル3は、ブリッスルホルダー5に近接した、ブリッスル3の少なくとも半径方向内方部が、回転軸Sに直交又は略直交して延在するように、ブリッスルホルダー5への回転軸Sに対して直交して実装されている。ブリッスル3には、回転軸に対して、中立の向きが与えられる、例えば、各ブリッスル3は、回転軸に対して直角である、平面内に延在している。好ましくは、曲げられていない又は撓曲されていない状態において、各ブリッスル3は、回転軸Sに対して、直交又は略直交する半径方向Rへ外方に延在する。本実施の形態におけるブリッスル3は、中立的に直交的に外方へ延在し、そして直交方向に対して、特定の斜め配向又はオフセットが与えられない。かくして、ブリッスル3は、軸方向Aへそれを能動的に操向することなく、タイヤ部品9を受動的に支持するために配置されているだけである。
【0033】
複数のブリッスル3のブリッスル3は、第1の直径D1において、又はその近傍で、安定したやり方で、周方向ブラシ面4の周りで、ゴムタイヤ部品9を、共同して支持するために、半径方向Rへ充分に強く又は充分に堅い。しかしながら、複数のブリッスル3の各ブリッスル3は、ゴムタイヤ部品9が、ディフレクションローラ1に対して、軸方向Aへ変位するか、又は位置ずれする場合に、軸方向Aへゴムタイヤ部品9と共に個別に且つ少なくとも部分的に移動すべく、軸方向Aへ充分可撓性がある。それ自体、ブリッスル3は、ゴムタイヤ部品9が、ディフレクションローラ1に対して軸方向Aへ位置ずれして移動し始める場合に、軸方向Aへゴムタイヤ部品9と周方向ブラシ面4との間の摩擦量を引き起こさない又は著しく減少させる。ブリッスル3は、曲げ又は撓曲を引き起こす力が除去されるとすぐに、それらはそれらの可撓性の範囲内で通常の使用において曲がり又は撓曲し、そして曲げられていない又は撓曲していない状態に戻るような意味合いで、弾性的に可撓的である。実際、これは、ブリッスル3がゴムタイヤ部品9の主面92に接触している限り、軸方向Aへゴムタイヤ部品9と共に移動することになり、しかしながらその接触が終わるとすぐに、各ブリッスル3は、直ちに及び/又は個別にその夫々の曲げられていない又は撓曲していない状態に戻ることになる、ことを意味している。
【0034】
図1−3に示すように、ディフレクションローラ1は、軸方向Aへ周方向ブラシ面4を結合又は取り囲む、第1の境界要素6と、第2の境界要素7とを更に含んでいる。周方向ブラシ面4は、第1の境界要素6と第2の境界要素7との間に、軸方向Aへ延在している。
図2に最もよく示されているように、第1の境界要素6は、軸方向Aへ複数のブリッスル3に隣接して延在し、さらに周方向ブラシ面4の外側のある位置に、半径方向Rへ半径方向外側に延在している。第1の境界要素6は、シャフト2に又はシャフト2に対して、同心的に実装されている、デスク状の、デスクのような本体、又はデスク60を具備している。このデスク60は、それに対して同心的に延在し且つ第2の直径D2において、周方向ブラシ面4の外側で半径方向に突出する、第1の周方向エッジ61を有している。このデスク60は、周方向ブラシ面4の第1の端部において軸方向Aへゴムタイヤ部品9に対向した第1の境界面62を形成している。第1の境界面62は、半径方向Rへタイヤ部品9の厚さに少なくとも等しい距離に渡って、周方向ブラシ面4に対して垂直方向に直立している。本例において、デスク60は、その厚さ以上に面取りされている。
【0035】
第2の境界要素7は、回転軸Sに垂直な鏡映平面において、第1の境界要素6に鏡映−対称である。それ自体、第2の境界要素7は、第1の端部及び第1の境界要素6に対して、軸方向Aへ周方向ブラシ面4の第2の端部において、シャフト2に又はそれに対して同心的に実装される、デスク70も含んでいる。第2の境界要素7のデスク70は、第2の周方向エッジ71及び周方向ブラシ面4の第2の端部において、軸方向Aへゴムタイヤ部品9に対向した第2の境界面72を同様に有している。
【0036】
第1の境界要素6及び第2の境界要素7は、突出距離Xに渡って第1の直径D1から第2の直径D2へ、周方向ブラシ面4の外側で半径方向に突出している。この突出距離Xは、ディフレクションローラ1が、ガイド及び/又は偏向すべく配置されている、ゴムタイヤ部品9の厚さに少なくとも等しい。本例における突出距離Xは、約30ミリメータである。
【0037】
図2に示すように、ブリッスルホルダー5は、シャフト2の外側又はそこから離隔した半径方向Rへのある位置において実装され、そして第1の境界要素6と第2の境界要素7との間に延在している。かくして、ブリッスル3は、シャフト2から必ずしも始まらなくてはならないわけでないが、シャフト2からの半径方向におけるある距離において、ブリッスルホルダー5上に支持できるか、又はそれに実装でき、それによってそれらの夫々のベースと周方向ブラシ面4との間の半径方向Rへのブリッスル3の長さを減少させる。
【0038】
上述したディフレクションローラ1の動作は、
図1、2及び3を参照して、今や記載されるであろう。
【0039】
前に記載したように、
図1、2及び3に示すようなブリッスル3は、軸方向Aへのゴムタイヤ部品9の動きに抗して、かなりの抵抗量を、個別に発生させない。個別のブリッスル3の弾性的な可撓性の結果、周方向ブラシ面4とゴムタイヤ部品9との間の減少した摩擦は、ゴムタイヤ部品9の質又はコンシステンシーへの重大な影響なしで、軸方向Aへディフレクションローラ1に対して、ゴムタイヤ部品9に位置ずれ移動をすることを可能にしている。特に、境界要素6、7は、ゴムタイヤ部品9が境界要素6、7の一つの境界面62、72にぶつかる又は当接し始めるとすぐに、軸方向Aへゴムタイヤ部品9の動きを単に停止及び/又は反転することによって、ゴムタイヤ部品9のミスアライメントの訂正を考慮している。
【0040】
また、周方向ブラシ面4とゴムタイヤ部品9との間の摩擦が最小のために、ゴムタイヤ部品9上で、1個の境界要素6、7によって作用されるような反作用だけが、軸方向Aへゴムタイヤ部品9の動きを停止させるのに、及び/又は反転するのに、充分である。軸方向Aへゴムタイヤ部品9の位置ずれ移動を起こしている間、ブリッスル3は、ゴムタイヤ部品9に個別に接触し、そして究極的に個別的にそれとの接触が開放され、このことは、ゴムタイヤ部品9の連続的な長さが反対の軸方向Aへ位置ずれ移動をし始めた場合、ブリッスル3を、ゴムタイヤ部品9との新しくされた接触に備えた、曲げられていない又は撓曲されていない状態に戻らせることを可能にする。
【0041】
図4は、フェストゥーンナー81における、複数の上述したディフレクションローラ1の使用を示している。このフェストゥーンナー81は、上方の支持部材83と、下方の支持部材84とを支持するための自立コラム82を含んでいる。
図1、2及び3に係る複数のディフレクションローラ1は、上方の支持部材83と下方の支持部材84におけるディフレクションローラ1の間で交互にジグザグ動作する、ゴムタイヤ部品9のためのガイド経路Pを形成すべく、支持部材83、84の各々に実装されている。支持部材83、84は、フェストゥーンナー81の容量を夫々減少及び増加すべく、コラム82に沿って、垂直方向へ互いに前後に往復動するよう配置されている。ディフレクションローラ1の各々において、ゴムタイヤ部品9は、第1の搬送方向から反対の第2の搬送方向への回転軸Sに対して、少なくとも180度に渡って、各ディフレクションローラ1の周方向ブラシ面4の周りで、偏向される。かくして、ゴムタイヤ部品9の主面92は、周方向ブラシ面4の少なくとも半周に接触している。
【0042】
特に、フェストゥーンナーの容量が、増加又は減少する場合の状況において、ゴムタイヤ部品9は、ゴムタイヤ部品9を潜在的にアラインメントから外れて移動させようとすればできる、種々の力を受けている。フェストゥーンナー81における、複数のディフレクションローラ1の使用は、複数のディフレクションローラ1が、重大な摩擦なしで、従ってゴムタイヤ部品9又はゴムタイヤ部品9に埋設されている強化コード91の永続的な引き伸ばし及び/又は変形を引き起こすことなく、ゴムタイヤ部品9の位置ずれした任意の移動を自動的に訂正できるので、特に有益である。特に、ゴムタイヤ部品9の縦方向への強化コード91の不均一な延伸の結果としてのウエービングの発生は、減少又は防止できる。
【0043】
図5は、ダンサーローラアセンブリ85及びこのダンサーローラアセンブリ85におけるダンサーローラとして、上述したディフレクションローラ1の使用を示している。ダンサーローラは、例えば、ゴムタイヤ部品9の長さが切断テーブル上に供給され、そしてより小さな片に分割される、切断ステーションにおいて、ゴムタイヤ部品9の供給速度における急峻な変化が、断続プロセスを調整すべく要求される、ステーションのまさに上流でタイヤ構築応用において典型的に使用される。ダンサーローラとしてのその機能におけるディフレクションローラ1は、垂直に延在するガイド88、89に実装され、そして一組の固定ローラ86、87に対して、ガイド88、89に沿って上下のダンシング方向Eへ急激に動き、それを下流に供給する前に、固定ローラ86、87間のループL内にゴムタイヤ部品9の長さを簡単に蓄積すべく、配置されている。ディフレクションローラ1において、ゴムタイヤ部品9は、第1の搬送方向から反対の第2の搬送方向へ、回転軸Sに対して少なくとも180度の角度に渡って、ディフレクションローラ1の周方向ブラシ面4の周りに偏向される。かくして、ゴムタイヤ部品9の主面92は、周方向ブラシ面4の少なくとも半周に接触する。急速な動きは、減少した摩擦のために、ディフレクションローラ1に対して、ゴムタイヤ部品9の位置ずれした移動を引き起こす可能性があるが、それはディフレクションローラ1によって、ゴムタイヤ部品9の重大な変形及び/又は延伸なしで訂正できる。
【0044】
従来のダンサーローラは、上下のダンシング方向Eへ、移動自在のみである。
図6A及び6Bは、本発明に係るディフレクションローラ1の可能な構成を示しており、それは従来のダンサーローラとは反対に、ダンシング方向Eへの上下の動きに加えて、傾き軸Tの回りに傾動自在である。この傾き軸Tは、回転軸Sに直交し且つディフレクションローラ1のダンシング方向Eに垂直に延在している。傾き軸Tの回りでディフレクションローラ1を傾けることによって、ゴムタイヤ部品9における非対称性、傾動、ワーピング及び/又は非均一なテンションは、ディフレクションローラ1において補償できる。
【0045】
図6A及び6Bに概略的に示されるように、ディフレクションローラ1のシャフト2は、一組の凹状/凸状滑動自在及び/又は回転ベアリング98、99を経由して、ガイド88、89に傾動可能なやり方で、実装されている。ベアリング98、99の凹部は、ガイド88、89に沿ってダンシング方向Eへ、上下に滑動自在になるように、ガイド88、89に実装される。ベアリング98、99の凸部は、回転軸Sの回りで、ベアリング98、99の凸部に対してシャフト2の回転を許容すべく、更なる回転ベアリングを経由して、シャフト2に実装されている。ベアリング98、99の凹部は、傾き軸Tに対して同心的な形状を有し、一方ベアリング98、99の凸部は、傾き軸Tの回りで、傾動自在となるように凹部内で滑動自在に配置又は受けられている。その結果、ディフレクションローラ1は、中立の又は水平な位置に対して、約0度から15度の傾動範囲内で、傾き軸Tの回りで回転自在又は傾動自在である。ディフレクションローラ1は、ゴムタイヤ部品9と共に自動的に傾き、かくして非対称性、傾動、ワーピング及び/又は非均一なテンションがゴムタイヤ部品9において生ずる場合、ゴムタイヤ部品9に効果的に追従する。傾動自在なディフレクションローラ1を有することによって、ディフレクションローラ1の側の動いているゴムタイヤ部品9のリスクは、減少できる。
【0046】
上述した記載は、好ましい実施の形態の動作を説明すべく、包含されており、そして本発明の範囲を限定することを、意味しないことが理解されるべきである。上記の論議から、本発明の範囲によって更に包含されるであろう多くの変形例が、当業者によって明らかになるであろう。