(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6673945
(24)【登録日】2020年3月9日
(45)【発行日】2020年4月1日
(54)【発明の名称】回転するコネクタ付きの注射器アダプタ
(51)【国際特許分類】
A61J 1/20 20060101AFI20200323BHJP
A61M 39/10 20060101ALI20200323BHJP
【FI】
A61J1/20 314Z
A61M39/10 120
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-564600(P2017-564600)
(86)(22)【出願日】2016年6月10日
(65)【公表番号】特表2018-517511(P2018-517511A)
(43)【公表日】2018年7月5日
(86)【国際出願番号】US2016036899
(87)【国際公開番号】WO2016201232
(87)【国際公開日】20161215
【審査請求日】2018年1月17日
(31)【優先権主張番号】62/174,783
(32)【優先日】2015年6月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514221366
【氏名又は名称】ベクトン ディキンソン アンド カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャヨン キム
(72)【発明者】
【氏名】ローリー サンダース
(72)【発明者】
【氏名】ヤン イェブメネンコ
【審査官】
胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2015/0126974(US,A1)
【文献】
特表2013−529478(JP,A)
【文献】
特開2001−190658(JP,A)
【文献】
特表2015−525629(JP,A)
【文献】
特表2015−535472(JP,A)
【文献】
特開2013−066748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/20
A61M 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部及び第2の端部を有し、内部空間を画定するハウジングであって、前記ハウジングから半径方向外方に延在し、かつ、前記ハウジングの周りに円周方向に延在する保持用リングを備えるハウジングと、
前記ハウジングの内部空間内に受け入れられ、前記ハウジング内で移送可能であり、且つ膜体を備えるシール配列と、
ハウジングの第1の端部に隣接して配置され、且つ注射器バレルに接続されるべく構成されたコネクタ本体であって、ロック用突起を備え、前記コネクタ本体の前記ロック用突起は、前記コネクタ本体を前記ハウジングに固定するべく、前記ハウジングの保持用リングと協働し、前記コネクタ本体は、前記ハウジングに対して軸方向に固定された状態で、前記ハウジングに対して第1及び第2の方向に回転可能であり、前記ロック用突起が、前記コネクタ本体の前記ハウジングに対する軸方向移動を制限するべく、前記保持用リングに係合するコネクタ本体と、
前記コネクタ本体に固定されたカニューレと、を備え、
前記シール配列は、前記カニューレを通る相手方コネクタへの密封された流体の移送を提供するべく協働するように構成されていることを特徴とする注射器アダプタであって、
前記注射器アダプタは、前記コネクタ本体が前記ハウジングに対して相対的に回転するのを許容することによって、偶発的な接続解除を防止しつつ、前記注射器アダプタに対する注射器バレルの意図的な接続及び接続解除を可能にするものである、注射器アダプタ。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記保持用リングに隣接する凹部を画定し、前記ハウジングの前記凹部は、前記ロック用突起を受け入れることを特徴とする請求項1に記載の注射器アダプタ。
【請求項3】
前記ロック用突起及び前記保持用リングは、それぞれ、傾斜面を画定し、前記ロック用突起の傾斜面は、前記ロック用突起の前記保持用リングへの接続中に、前記保持用リングの傾斜面と係合して、前記ロック用突起を半径方向外方に付勢するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の注射器アダプタ。
【請求項4】
前記コネクタ本体は、軸方向に延在するスカートを備え、前記コネクタ本体の前記スカートは、前記ハウジングの前記第1の端部を受け入れ、且つ、前記コネクタ本体の前記スカートは、開口を画定し、前記ロック用突起は、前記スカートから半径方向内方に延在し、そして、前記コネクタ本体の前記開口に隣接して配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の注射器アダプタ。
【請求項5】
前記コネクタ本体は、ユーザによって係合されるべく構成された把持配列を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の注射器アダプタ。
【請求項6】
前記コネクタ本体は、前記ハウジングとは異なる色であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の注射器アダプタ。
【請求項7】
前記コネクタ本体は、複数のロック用突起を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の注射器アダプタ。
【請求項8】
前記カニューレは、前記ハウジング内に全体的に配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の注射器アダプタ。
【請求項9】
前記コネクタ本体は、雌型ルアーコネクタであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の注射器アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本出願は、2015年6月12日に出願された米国仮特許出願第62/174,783号、発明の名称「回転するコネクタ付きの注射器アダプタ」の優先権を主張し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、注射器アダプタ、より詳しくは、注射器アダプタ用の回転するコネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
薬剤師や看護師などの医療従事者は、薬剤の調製、薬剤投与、及び同様の取り扱い中に大気中に逃げる可能性のある薬剤又は溶媒に繰り返して曝露すると、急性及び長期の健康リスクを受ける可能性がある。この問題は、細胞毒素、抗ウイルス薬、抗生物質、及び放射性医薬品が関係している場合には、特に重大である。これらの薬物に曝露することによって直面する健康上のリスクには、がんの発生、生殖上の問題、遺伝的状況、及び他の重大な懸念が含まれ得る。他の危険な領域は、ウイルス感染に関するサンプルなどのサンプル採取であるかもしれない。輸液を行うとき、輸液バッグ又は他の輸液容器の中の輸液に、薬物又は他の医療物質を注入することがしばしば必要である。これは、しばしば、問題の医療用流体で満たされている注射器の針を用いて、輸液バッグ又は輸液ラインの注入ポートの隔壁又は他の流体障壁を貫通することによって行われる。しかしながら、これより前においてさえ、薬液をバイアルから注射器に移し、次に、注射器から第2の容器に移すことが必要な場合がある。これらのステップの各々において、スタッフは、汚染によって医療用流体に曝される可能性がある。このような汚染は、気化した医療用流体又は空気中のエアロゾルであるかもしれない。汚染は、スタッフを彼らの肺を介して汚染させるか、あるいは、皮膚に凝縮し、その後スタッフの皮膚に浸透する気化した医療用流体又は空気中のエアロゾルによって汚染させる可能性がある。いくつかの薬剤は保護手袋に浸透し、それによってスタッフを汚染させることも知られている。
【0004】
このような汚染への曝露は、上述のように、長期的には、スタッフの血液中すなわち人体内に、薬剤の高濃度化を生じさせる可能性がある。例えば、バイアル、注射器、輸液システムなどの容器間での多くの移送ステップのせいでの、容器、例えばバイアルに針を実際に挿入したりそれから引抜いたりする間の汚染への危険性は、阻止されるのが必要であると理解されていた。閉鎖システム(方式)の移送装置(CSTD)が、薬剤が薬剤の移送中に移送装置内に封じ込められることを保証するために、開発されている。
【0005】
一般に、CSTDは、注射器への接続のための注射器アダプタと、バイアル、第2の注射器、又は患者の循環系への流体アクセスを提供する導管への接続のためのアダプタとを含んでいる。1つの配列によれば、医療従事者は、注射器をそれぞれのアダプタの接続を介してバイアルに取付け、薬剤を再構成し、複合物を注射器内に吸引し、アダプタの接続を解除し、次いで、注射器を流体導管にそれぞれのアダプタを介して、患者に投与するためのIVライン又は注射器のような患者送達装置に取り付けることによって、粉末又は凍結乾燥化合物を生理食塩水又は他の再構成溶剤で再構成することができる。
【0006】
CSTDに使用され得るアダプタの1つのタイプは、第2のコネクタの構成要素の対応する雌型又は雄型のルアーロック要素に結合されるべく配列されている、雄型又は雌型のルアーロック要素を有する第1のコネクタを有している。一態様によれば、第2のコネクタの構成要素は、IVライン(IV line)又は注射器などの患者送達装置であってもよい。これにより、ルアーロック要素は、対応するルアーロック要素にねじ込まれたり、それからねじり外されたりすることができる。流体通路の断絶を招く可能性のある、構成要素の偶発的な又は意図しないねじり緩みを防止することが望ましい。このような断絶は、患者及び/又は断絶された医療用コネクタの近傍の他の人にとって、重大な汚染リスクを引き起こすことがある。有害な医療用化合物の投与における安全性の問題は、専門機関及び同様に政府機関によって、極めて重要なことであるとして分類されているものの一つである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、コネクタの確実な接続を容易にし、コネクタの不用意な又は偶発的な断絶を回避することによって、第1のコネクタと第2のコネクタとの間の流体移送を可能にするアダプタを提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様によれば、注射器アダプタは、第1の端部及び第2の端部を有し、且つ内部空間を画定するハウジングと、ハウジングの内部空間内に受け入れられる膜体を含むシール配列であって、ハウジング内で移動可能であるシール配列と、ハウジングの第1の端部に隣接して配置され、注射器バレルに接続されるように構成されているコネクタ本体と、を含んでいる。シール配列は膜体を含んでいる。コネクタ本体は、コネクタ本体をハウジングに固定するべく、ハウジングの保持用リングと協働するロック用突起を含んでいる。コネクタ本体は、ハウジングに対して第1及び第2の方向に回転可能である。ロック用突起は、ハウジングに対するコネクタ本体の軸方向移動を制限するために、保持用リングに係合する。注射器アダプタはまた、コネクタ本体に固定されたカニューレを含み、シール配列が、カニューレを通しての相手方コネクタへの密封された流体の移送を提供するべくカニューレと協働するように構成されている。
【0009】
ハウジングは、保持用リングに隣接する凹部を画定してもよく、ハウジングの凹部は、ロック用突起を受け入れる。ロック用突起及び保持用リングは、傾斜面をそれぞれ形成してもよく、ロック用突起の傾斜面が保持用リングの傾斜面に係合して、ロック用突起を保持用リングに接続する間にロック用突起を半径方向外方に付勢するように構成されている。保持用リングは、ハウジングの半径方向外方に延在してもよく、保持用リングは、ハウジングの周りで周方向に延在している。コネクタ本体は、軸方向に延在するスカートを含み、コネクタ本体のスカートがハウジングの第1の端部を受け取り、コネクタ本体のスカートが開口を画定している。ロック用突起は、スカートから半径方向内方に延び、コネクタ本体の開口に隣接して配置されてもよい。
【0010】
コネクタ本体は、ユーザによって係合されるように構成された把持配列を含むことができる。コネクタ本体は、ハウジングとは異なる色であってもよい。コネクタ本体は、複数のロック用突起を含むことができる。カニューレは、ハウジング内に完全に配置されてもよい。コネクタ本体は、雌型ルアーコネクタであってもよい。
【0011】
さらなる態様によれば、注射器アダプタは、第1の端部及び第2の端部を有し、そして内部空間を画定しているハウジング、ハウジングの内部空間内に受入れられるシール配列、及びハウジングの第1の端部に隣接して配置され、注射器バレルに接続されるべく構成されているコネクタ本体、を含んでいる。コネクタ本体は、ハウジングに固定され、ハウジングに対して第1及び第2の方向に回転可能である。コネクタ本体は、ハウジングに対して軸方向に固定されている。注射器アダプタはさらに、コネクタ本体に固定されたカニューレを含み、シール配列が、カニューレを通して相手方コネクタに流体の密封された移送を提供するべくカニューレと協働するように構成されている。
【0012】
コネクタ本体はロック用突起を含み、且つハウジングは保持用リングを含むことができ、ここで、ハウジングに対するコネクタ本体の軸方向移動を制限するために、ロック用突起が保持用リングに係合する。ハウジングは、保持用リングに隣接する凹部を画定することができ、ハウジングの凹部はロック用突起を受け入れる。ロック用突起及び保持用リングは、それぞれ傾斜面を画定してもよく、ロック用突起の傾斜面は、ロック用突起の保持用リングへの接続の間に、ロック用突起を半径方向外方に付勢するべく、保持用リングの傾斜面に係合するように構成されている。保持用リングは、ハウジングから半径方向外方に延在することができる。保持用リングは、ハウジングの周りに円周方向に延在することができる。コネクタ本体は、複数のロック用突起を含んでいてもよい。
【0013】
コネクタ本体は、軸方向に延在するスカートを含んでもよく、コネクタ本体のスカートがハウジングの第1の端部を受け入れる。コネクタ本体は開口を画定することができ、ロック用突起はスカートから半径方向内方に延び、コネクタ本体の開口に隣接して配置される。コネクタ本体は、ハウジングとは異なる色であってもよい。
カニューレは、ハウジング内に全体的に配置されてもよい。シール配列は、ハウジング内で移動可能であり、シール配列は膜体を含んでいる。コネクタ本体は、ユーザによって係合されるべく構成された把持配列を含むことができる。コネクタ本体は、雌型ルアーコネクタであってもよい。
【0014】
本発明のこれら及び他の特徴並びに特性のみならず、構造及び部品の組み合わせの関連する要素の動作及び機能の方法、及び製造の経済性は、全てが本明細書の一部を形成する、添付の図面を参照しての以下の説明及び添付の請求項を考慮するとより明らかになり、ここで、同様の参照符号は様々な図において対応する部品を示している。しかしながら、図面は例示及び説明のみの目的のためのものであり、本発明の限定を画定するものではないことが明確に理解されるべきである。本明細書及び請求項で使用されるとき、(「a」、「an」及び「the」の)単数形は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の一態様による注射器アダプタ及び患者コネクタアセンブリの正面図である。
【
図2】
図2は、本発明の一態様による注射器アダプタの斜視図である。
【
図9】
図9は、
図6に示される線9−9に沿った断面図である。
【
図14】
図14は、本発明の1つの態様による
図2の注射器アダプタのコネクタ本体の底面図である。
【
図15】
図15は、本発明の第2の態様によるコネクタ本体の正面図である。
【
図16】
図16は、本発明の第3の態様によるコネクタ本体の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図は、一般に、本開示のシステム及び方法の好ましく且つ非限定的な態様を示している。説明は、装置の様々な態様を提示しているが、開示を限定するものとして解釈されるべきではない。さらに、本開示の態様の修正、概念及び適用は、当業者によって、本明細書における図解及び説明に包含されるものとして解釈されるべきであるが、限定されるものではない。
【0017】
さらに、以下の説明のために、用語「端部」、「上方」、「下方」、「右側」、「左側」、「垂直」、「水平」、「頂上」、「底」、「側部」、「長手方向」及びそれらの派生語は、図面に示されているように、本開示に関連するものとする。「近位の」という用語は、装置の中心又は中心領域に向かう方向を指す。「遠位の」という用語は、装置の中心領域から遠ざかって延在する外向き方向を指す。しかしながら、本開示は、明示的に反対に特定されている場合を除いて、様々な代替の変形及びステップの順序を取ることができることを理解されたい。添付の図面に示され、以下の明細書に記載された特定の装置及びプロセスは、本開示の単なる例示的な態様であることも理解されるべきである。したがって、本明細書に開示される態様に関連する特定の寸法及び他の物理的特性は、限定的であるとみなされるべきではない。本開示の理解を容易にする目的で、添付の図面及び説明は、その構造の様々な態様、動作の構成及び方法、及び多くの利点が理解され且つ評価され得るその開示の好ましい態様を図解している。
【0018】
図1を参照するに、システム10の一態様は、注射器アダプタ12及び患者コネクタ14を含んでいる。注射器アダプタ12は、患者コネクタ14を受け入れ、そしてそれとの密封された接続を形成するように構成されている。注射器アダプタ12は、注射器アダプタ12に接続された注射器(図示せず)から患者コネクタ14に接続された患者ライン(図示せず)に、流体を移送するために利用され得る。注射器アダプタ12はまた、限定はしないが、バイアルアダプタ、IVバッグスパイク(IV bag spike)、及びIVラインを含む閉鎖システムの移送装置の他の構成要素と関連して利用され得る。
【0019】
図2乃至
図14を参照するに、注射器アダプタ12は、ハウジング20、コネクタ本体22、シール配列24、及びカニューレ26を含んでいる。ハウジング20は、第1の端部28及び第2の端部30を有し、シール配列24を収容する内部空間32を画定している。コネクタ本体22は、注射器バレルのような容器に固定されるように構成されている。特に、コネクタ本体22は、他の適切なコネクタ配列が利用されてもよいが、注射器バレルの雄型ルアーコネクタと嵌合するように構成された雌型ルアーコネクタ34を含んでいる。コネクタ本体22は、ハウジング20の第1の端部28に隣接して配置され、そしてハウジング20に固定されている。より具体的には、コネクタ本体22は、ハウジング20の第1の端部28を受け入れる軸方向に延在するスカート36を含んでいる。コネクタ本体22は、スカート36から半径方向内方に延在する複数のロック用突起38を含んでいる。コネクタ本体22のロック用突起38は、ハウジング20の第1の端部28に隣接したハウジング20から半径方向外方に延在する保持用リング40と協働する。ハウジング20の保持用リング40は、ハウジング20の周りに円周方向に延在している。コネクタ本体22はまた、注射器アダプタ12を掴むための把持面及び視覚的な表示を提供するべく構成された把持配列42を含んでいる。把持配列42は、二対の楕円形凹部として示されているが、他の適切な把持配列が利用されてもよい。さらに、コネクタ本体22は、ハウジング20とは異なる色、又はコネクタ本体22がハウジング20から分離しているという他の視覚表示を有していてもよい。
【0020】
コネクタ本体22にハウジング20を組み付けると、コネクタ本体22のロック用突起38が、保持用リング40の下方にハウジング20によって画定されている凹部44内に受け入れられる。コネクタ本体22のロック用突起38は、ハウジング20の保持用リング40と係合して、ハウジング20の第2の端部30からハウジング20の第1の端部28にまで延びる方向において、ハウジング20に対するコネクタ本体22の軸方向移動を制限する。さらに、コネクタ本体22のスカート36は、ハウジング20の半径方向に延在するフランジ46に当接して、ハウジング20の第1の端部28からハウジング20の第2の端部にまで延在する方向におけるハウジング20に対するコネクタ本体22の軸方向移動を制限する。しかしながら、コネクタ本体22は、ハウジング20の長手方向軸の回りの両方の回転方向において、ハウジング20に対して回転可能である。
【0021】
なお、
図2乃至
図14を参照するに、コネクタ本体22は、1つ以上のロック用突起38が設けられてもよいが、4つのロック用突起38を含んでいる。コネクタ本体22のスカート36はまた、ロック用突起38の各々に隣接する複数の開口48を画定している。コネクタ本体22のロック用突起38及びハウジング20の保持用リング40はそれぞれ、ハウジング20へのコネクタ本体22の組立を容易にするための傾斜面52、54を含んでいる。
図13に示されるように、コネクタ本体22がハウジング20の第1の端部28上に移動されると、ロック用突起38の傾斜面52が保持用リング40の傾斜面54に係合して、コネクタ本体22のロック用突起38を半径方向外方に付勢する。ハウジング20上へのコネクタ本体22の継続的な移動は、ロック用突起38が保持用リング40の上を完全に摺動してコネクタ本体22のスカート36がその非付勢位置に戻るのを生じさせる。上述したように、組み立て後は、コネクタ本体22のロック用突起38は、保持用リング40の下方のハウジング20の凹部44によって受け入れられている。
【0022】
図9、
図10、
図13及び
図14を参照するに、コネクタ本体22は、
雌型ルアーコネクタ34がカニューレ26と流体連通する状態でカニューレ26を受け入れている。カニューレ26は、ハウジング20の内部空間32内に受け入れられ、ハウジング20によって全体的に囲まれている。シール配列24は、ハウジング20の内部空間32内に配置され、ハウジング20の第1の端部28と第2の端部30との間で移動可能である。シール配列24は、膜体60及びコレット62を含み、カニューレ26を通って相手方コネクタ内への流体の密封された移送を提供するように、患者コネクタ14のような相手方コネクタと協働するべく構成されている。使用時において、コレット62は、患者コネクタ14上の膜体64と係合する膜体60と共に患者コネクタ14を受け入れる。コレット62は、患者コネクタ14の一部分を受け取り、コレット62をハウジング20の第1の端部28に向かって移動させ、コレット62を患者コネクタ14に固定し、そして、カニューレ26がシール配列24の膜体60と患者コネクタ14の膜体64とを穿刺するのを生じさせる。シール配列24は、注射器アダプタ12及び患者コネクタ14の膜体が流体移送中に係合されることを保証し、且つ、流体が移送されていないときにはカニューレ26を隔離することによって、注射器などの第1の容器からIVバッグなどの第2の容器への流体の密封されて、閉鎖された移送を可能にしている。さらに、上述したように、コレット62は、注射器アダプタ12が相手方コネクタから外れて流体移送中に移送されている流体の漏れを生じさせることがないように、使用中は相手方コネクタに固定されている。特定のシール配列が示されているが、注射器アダプタ12は、他の適切なシール配列に関連して利用されてもよい。
【0023】
再び、
図2乃至
図14を参照するに、注射器アダプタ12の使用中、注射器(図示せず)は、コネクタ本体22を掴むことによってコネクタ本体22の雌型ルアーコネクタ34に接続され、注射器を雌型ルアーコネクタ34に固定している間、ハウジング20に対するコネクタ本体22の回転運動を拘束している。コネクタ本体22は、把持配列42を用いて拘束されてもよい。注射器は、ハウジング20に対するコネクタ本体22の回転運動を拘束すべくコネクタ本体22を把持し、且つ、注射器を雌型ルアーコネクタ34から取り外すことにより、同様に取り外される。従って、注射器アダプタ12は、コネクタ本体22がハウジング20に対して相対的に回転するのを許容することによって、偶発的な接続解除を防止しつつ、注射器アダプタ12に対する注射器の意図的な接続及び接続解除を可能にしている。例えば、注射器アダプタ12が患者コネクタ14を介してIVラインに接続されている場合、コネクタ本体22にトルクを与え、誤って注射器又は他の容器をコネクタ本体22から接続解除するIVラインの動きが、コネクタ本体22に伝達されない。
【0024】
図15及び16を参照するに、把持配列42のさらなる態様が示されている。把持配列42は、コネクタ本体22のスカート36によって画定された球形凹部70であってもよい(
図15)し、コネクタ本体22のスカート36から半径方向外方に延在する複数のほぼ矩形の突出部72(
図16)であってもよい。上述したように、把持の人間工学を改善するために他の適切な把持配列42を設けることができ、そして、コネクタ本体22がハウジング20から分離され、ハウジング20に対して回転し得、注射器を雌型ルアーコネクタ34に着脱するためのコネクタ本体22の把持を必要とすることを補強するために、種々の色や質感が利用されてもよい。把持配列42は、異なる数、形状、及びサイズを有してもよく、また、把持配列42にロゴ又は他のブランドを利用してもよい。
【0025】
本発明が、現在最も実用的で好ましい態様であると現在考えられているものに基づいての説明を目的として詳細に説明されたが、かかる詳細はその目的のみのためであり、本発明は、その開示された態様に限定されず、それどころか、添付の請求項の趣旨及び範囲内にある修正及び均等な配列をカバーすることが意図されていることを理解されたい。例えば、本発明は、可能な限り、任意の態様の1つ又は複数の特徴が任意の他の態様の1つ又は複数の特徴と組み合わされ得ることを企図していることが理解されるべきである。