(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6673958
(24)【登録日】2020年3月9日
(45)【発行日】2020年4月1日
(54)【発明の名称】フォグロボット・ネットワークにおいて資源を動的かつセマンティックに発見するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06F 9/50 20060101AFI20200323BHJP
【FI】
G06F9/50 150C
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-42541(P2018-42541)
(22)【出願日】2018年3月9日
(65)【公開番号】特開2018-190392(P2018-190392A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2018年5月8日
(31)【優先権主張番号】201721015117
(32)【優先日】2017年4月28日
(33)【優先権主張国】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】510337621
【氏名又は名称】タタ コンサルタンシー サービシズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TATA Consultancy Services Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ソウナック、デイ
(72)【発明者】
【氏名】アリジット、ムケールジェー
(72)【発明者】
【氏名】アブヒジャン、バタチャルヤ
(72)【発明者】
【氏名】アルパン、パル
【審査官】
漆原 孝治
(56)【参考文献】
【文献】
山口 新平,要求オントロジーに基づくロボットサービス連携の実現,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,2017年 3月21日,第106巻,第618号,pp.17-20
【文献】
企業ネットを変える 2017年注目の新技術,日経コミュニケーション,日本,日経BP社,2017年 1月 1日,第636号,pp.26-29
【文献】
森田 武史,ストリーム推論とROSに基づく総合知能アプリケーション開発ツールPRINTEPS,電子情報通信学会技術研究報告,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2015年12月10日,第115巻,第375号,pp.55-60
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ実施方法(200)であって、
フォグロボット・ネットワーク内の複数の資源による任務関連データを捕捉すること(202);
前記複数の資源に関連する資源データをリアルタイムで捕捉すること(204);
(a)前記捕捉した任務関連データに基づき、1つ又は複数の実施すべきタスクの状況を特定すること、及び(b)前記捕捉した任務関連データに基づき、1つ又は複数の実施すべきタスクを受信すること、のうち少なくとも1つを実施すること(206);
前記捕捉した資源データ及び前記特定した1つ又は複数のタスクから、タスク関連データを特定することであって、前記タスク関連データは、前記タスク、及び前記タスクの実行に必要な資源データのそれぞれに関連するサブタスク・セットを含む、特定すること(208);
前記フォグロボット・ネットワーク内のフォグ層に実装した、前記複数の資源の1つ又は複数における前記タスク関連データ、前記1つ又は複数のタスク、及び前記捕捉した資源データのオントロジベースのセマンティック知識リポジトリをリアルタイムで更新すること(210);
前記セマンティック知識リポジトリに基づき、前記複数の資源のうち1つ又は複数を利用可能資源として動的にリアルタイムで発見すること(212);
計算に適した資源データを有する前記フォグロボット・ネットワークにおいて利用可能な資源のうち少なくとも1つの資源に対するランタイム計算の負担軽減を促進するため、前記1つ又は複数の資源を動的に発見することを含み、
更に、
動的に発見した利用可能な前記資源に基づき、前記複数の資源の1つ又は複数に前記1つ又は複数のタスクをリアルタイムで割り当てること;
ランタイムの間に発生したタスクを特定すること;
利用可能な前記資源の実際的なビューに基づき、前記タスクを動的再度割り当てること;を含む
ことを特徴とするプロセッサ実施方法。
【請求項2】
前記資源データは、前記複数の資源に関連する静的機能及びランタイム機能を含む
請求項1に記載のプロセッサ実施方法。
【請求項3】
前記オントロジベースのセマンティック知識リポジトリは、ピアツーピア・ネットワーク・パラダイムに基づく
請求項1に記載のプロセッサ実施方法。
【請求項4】
前記オントロジは、ウェブ・オントロジ言語(OWL)で記述され、前記セマンティック知識リポジトリは、リソース・ディスクリプション・フレームワーク(RDF)ベースのタプル・データ・ストアである
請求項1に記載のプロセッサ実施方法。
【請求項5】
オントロジベースのセマンティック知識リポジトリをリアルタイムで更新する前記ステップは、オントロジベースのセマンティック知識リポジトリを生成するステップに先行する
請求項1に記載のプロセッサ実施方法。
【請求項6】
前記1つ又は複数の実施すべきタスクの状況を特定するか又は前記1つ又は複数の実施すべきタスクを受信する前記ステップは、前記セマンティック知識リポジトリに更に基づく
請求項5に記載のプロセッサ実施方法。
【請求項7】
前記複数の資源のうち1つ又は複数を、利用可能資源として動的にリアルタイムで発見する前記ステップは、前記セマンティック知識リポジトリと前記複数の資源のうち1つ又は複数との間でセマンティック知識を交換することを含む
請求項1に記載のプロセッサ実施方法。
【請求項8】
1つ又は複数のハードウェア・プロセッサ(104)に動作可能に結合され、指示を保存するように構成した1つ又は複数のデータ保存デバイス(102)を備えるシステム(100)であって、
前記指示は、前記1つ又は複数のハードウェア・プロセッサが、
フォグロボット・ネットワーク内の複数の資源による任務関連データを捕捉すること;
前記複数の資源に関連する資源データをリアルタイムで捕捉すること;
(a)前記捕捉した任務関連データに基づき、1つ又は複数の実施すべきタスクの状況を特定すること、及び(b)前記捕捉した任務関連データに基づき、1つ又は複数の実施すべきタスクを受信すること、のうち少なくとも1つを実施すること;
前記捕捉した資源データ及び前記1つ又は複数のタスクから、タスク関連データを特定することであって、前記タスク関連データは、前記タスク、及び前記タスクの実行に必要な資源データのそれぞれに関連するサブタスク・セットを含む、特定すること;
前記フォグロボット・ネットワーク内のフォグ層に実装した、前記複数の資源の1つ又は複数における前記タスク関連データ、前記1つ又は複数のタスク及び前記捕捉した資源データのオントロジベースのセマンティック知識リポジトリをリアルタイムで更新すること;
前記セマンティック知識リポジトリに基づき、前記複数の資源のうち1つ又は複数を利用可能資源として動的にリアルタイムで発見すること;
計算に適した資源データを有する前記フォグロボット・ネットワークにおいて利用可能な資源のうち少なくとも1つの資源に対するランタイム計算の負担軽減を促進するため、前記1つ又は複数の資源を動的に発見することを含み、
更に、
動的に発見した利用可能な前記資源に基づき、前記複数の資源の1つ又は複数に前記1つ又は複数のタスクをリアルタイムで割り当てること;
ランタイムの間に発生したタスクを特定すること;
利用可能な前記資源の実際的なビューに基づき、前記タスクを動的再度割り当てること;を実行するように構成されている
ことを特徴とするシステム。
【請求項9】
前記タスク関連データ、前記1つ又は複数のタスク及び前記捕捉した資源データの前記オントロジベースのセマンティック知識リポジトリは、ウェブ・オントロジ言語(OWL)及びリソース・ディスクリプション・フレームワーク(RDF)ベースのタプル・データ・ストアである
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ又は複数のハードウェア・プロセッサは、前記オントロジベースのセマンティック知識リポジトリを生成するように更に構成されている
請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ又は複数のハードウェア・プロセッサは、前記セマンティック知識リポジトリに基づき、前記1つ又は複数の実施すべきタスクの状況を特定するか又は前記1つ又は複数の実施すべきタスクを受信するように更に構成されている
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記1つ又は複数のハードウェア・プロセッサは、前記セマンティック知識リポジトリと前記複数の資源のうち1つ又は複数との間でセマンティック知識を交換するように更に構成されている
請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
コンピュータ可読プログラムを備えた非一時的コンピュータ可読媒体を備えるコンピュータ・プログラム製品であって、
前記コンピュータ可読プログラムをコンピューティング・デバイス上で実行すると、前記コンピューティング・デバイスは、
フォグロボット・ネットワーク内の複数の資源による任務関連データを捕捉すること;
前記複数の資源に関連する資源データをリアルタイムで捕捉すること;
(a)前記捕捉した任務関連データに基づき、1つ又は複数の実施すべきタスクの状況を特定すること、及び(b)前記捕捉した任務関連データに基づき、1つ又は複数の実施すべきタスクを受信すること、のうち少なくとも1つを実施すること;
前記捕捉した資源データ及び前記特定した1つ又は複数のタスクから、タスク関連データを特定することであって、前記タスク関連データは、前記タスク、及び前記タスクの実行に必要な資源データのそれぞれに関連するサブタスク・セットを含む、特定すること;
前記フォグロボット・ネットワーク内のフォグ層に実装した、前記複数の資源の1つ又は複数における前記タスク関連データ、前記1つ又は複数のタスク及び前記捕捉した資源データのオントロジベースのセマンティック知識リポジトリをリアルタイムで更新すること;
前記セマンティック知識リポジトリに基づき、前記複数の資源のうち1つ又は複数を利用可能資源として動的にリアルタイムで発見すること;
計算に適した資源データを有する前記フォグロボット・ネットワークにおいて利用可能な資源のうち少なくとも1つの資源に対するランタイム計算の負担軽減を促進するため、前記1つ又は複数の資源を動的に発見することを含み、
更に、
動的に発見した利用可能な前記資源に基づき、前記複数の資源の1つ又は複数に前記1つ又は複数のタスクをリアルタイムで割り当てること;
ランタイムの間に発生したタスクを特定すること;
利用可能な前記資源の実際的なビューに基づき、前記タスクを動的再度割り当てること;をもたらす
ことを特徴とするコンピュータ・プログラム製品。
【請求項14】
前記コンピュータ可読プログラムにより、前記コンピューティング・デバイスは、前記動的に発見した利用可能資源に基づき、前記複数の資源のうち1つ又は複数に前記1つ又は複数のタスクをリアルタイムで割り当てることを更にもたらす
請求項13に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本特許出願は、2017年4月28日出願のインド特許出願第201721015117号からの優先権を主張する。上記出願の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書の実施形態は、一般に、フォグロボット・ネットワークに関し、より詳細には、フォグロボット・ネットワークにおいて資源を動的かつセマンティックに発見するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
人間を中心とする交換から、モノのインターネット(Internet of Things)にインターネットが移行していることで、通信モデル及びデータ交換パターンに関するいくつかの課題が提起されている。計算モデルとしてのエッジ/フォグ・コンピューティングの出現は、関与するデバイスが本質的に混成していることに関係して、複雑さを更に加えている。いくつかの分野では、デバイスは、規格の計算・通信デバイスから、ゲートウェイ/スイッチ並びにロボット/ドローン及び他の種類の自律的な実体まで及ぶことがある。災害管理、倉庫の自動化、監視等のようなシナリオでは、危険性の高いところで人の介入を最小化するために、ロボット/ドローン/AGV/UAVの使用が着々と増加しつつある。最適なデータ交換及び更なる処理は、そのようなシナリオ、特に、バックエンドのクラウド・インフラストラクチャの利用可能性を保証することができない屋外の災害場所では、所望される特徴である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施形態は、本発明者等が認識している、従来のシステムにおける上述の技術的課題の1つ又は複数に対する解決策として技術的改良点を提示するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、プロセッサ実施方法を提供し、この方法は、フォグロボット・ネットワーク内の複数の資源による任務関連データを捕捉すること;複数の資源に関連する資源データをリアルタイムで捕捉すること;(a)捕捉した任務関連データに基づき、1つ又は複数の実施すべきタスクの状況を特定すること、及び(b)捕捉した任務関連データに基づき、1つ又は複数の実施すべきタスクを受信すること、のうち少なくとも1つを実施すること;捕捉した資源データ及び特定した1つ又は複数のタスクから、タスク関連データを特定することであって、タスク関連データは、タスク、及びタスクの実行に必要な資源データのそれぞれに関連するサブタスク・セットを含む、特定すること;複数の資源の1つ又は複数におけるタスク関連データ、1つ又は複数のタスク、及び捕捉した資源データのオントロジベースのセマンティック知識リポジトリをリアルタイムで更新すること;並びにセマンティック知識リポジトリに基づき、複数の資源のうち1つ又は複数を利用可能資源として動的にリアルタイムで発見することを含む。
【0006】
別の態様では、1つ又は複数のプロセッサに動作可能に結合され、指示を保存するように構成した1つ又は複数のデータ保存デバイスを備えるシステムを提供し、指示は、1つ又は複数のプロセッサが、フォグロボット・ネットワーク内の複数の資源による任務関連データを捕捉すること;複数の資源に関連する資源データをリアルタイムで捕捉すること;(a)捕捉した任務関連データに基づき、1つ又は複数の実施すべきタスクの状況を特定すること、及び(b)捕捉した任務関連データに基づき、1つ又は複数の実施すべきタスクを受信すること、のうち少なくとも1つを実施すること;捕捉した資源データ及び1つ又は複数のタスクから、タスク関連データを特定することであって、タスク関連データは、タスク、及びタスクの実行に必要な資源データのそれぞれに関連するサブタスク・セットを含む、特定すること;複数の資源の1つ又は複数におけるタスク関連データ、1つ又は複数のタスク、及び捕捉した資源データのオントロジベースのセマンティック知識リポジトリをリアルタイムで更新すること;並びにセマンティック知識リポジトリに基づき、複数の資源のうち1つ又は複数を利用可能資源として動的にリアルタイムで発見することを実行するように構成されている。
【0007】
更に別の態様では、コンピュータ可読プログラムを中で具体化する非一時的コンピュータ可読媒体を備えるコンピュータ・プログラム製品を提供し、コンピュータ可読プログラムをコンピューティング・デバイス上で実行すると、コンピューティング・デバイスは、フォグロボット・ネットワーク内の複数の資源による任務関連データを捕捉すること;複数の資源に関連する資源データをリアルタイムで捕捉すること;(a)捕捉した任務関連データに基づき、1つ又は複数の実施すべきタスクの状況を特定すること、及び(b)捕捉した任務関連データに基づき、1つ又は複数の実施すべきタスクを受信すること、のうち少なくとも1つを実施すること;捕捉した資源データ及び1つ又は複数のタスクから、タスク関連データを特定することであって、タスク関連データは、タスク、及びタスクの実行に必要な資源データのそれぞれに関連するサブタスク・セットを含む、特定すること;複数の資源の1つ又は複数におけるタスク関連データ、1つ又は複数のタスク、及び捕捉した資源データのオントロジベースのセマンティック知識リポジトリをリアルタイムで更新すること;並びにセマンティック知識リポジトリに基づき、複数の資源のうち1つ又は複数を利用可能資源として動的にリアルタイムで発見することをもたらす。
【0008】
本開示の一実施形態では、資源データは、複数の資源に関連する静的機能及びランタイム機能を含む。
【0009】
本開示の一実施形態では、オントロジベースのセマンティック知識リポジトリは、ピアツーピア・ネットワーク・パラダイムに基づく。
【0010】
本開示の一実施形態では、タスク関連データ、1つ又は複数のタスク及び捕捉した資源データのオントロジベースのセマンティック知識リポジトリは、ウェブ・オントロジ言語(OWL)及びリソース・ディスクリプション・フレームワーク(RDF)ベースのタプル・データ・ストアである。
【0011】
本開示の一実施形態では、1つ又は複数のハードウェア・プロセッサは、オントロジベースのセマンティック知識リポジトリを生成するように更に構成されている。
【0012】
本開示の一実施形態では、1つ又は複数のハードウェア・プロセッサは、セマンティック知識リポジトリに基づき、1つ又は複数の実施すべきタスクの状況を特定するか又は1つ又は複数の実施すべきタスクを受信するように更に構成されている。
【0013】
本開示の一実施形態では、1つ又は複数のハードウェア・プロセッサは、セマンティック知識リポジトリと複数の資源のうち1つ又は複数との間でセマンティック知識を交換するように更に構成されている。
【0014】
本開示の一実施形態では、1つ又は複数のハードウェア・プロセッサは、動的に発見した利用可能資源に基づき、複数の資源のうち1つ又は複数に1つ又は複数のタスクをリアルタイムで割り当てるように更に構成されている。
【0015】
上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、例示的かつ説明的なものにすぎず、本開示の実施形態に対する制限ではない。
【0016】
本明細書の実施形態は、図面を参照する以下の詳細な説明からより良好に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】クラウドの不在下におけるフォグロボット・ネットワークの例示的な説明図
【
図2】本開示の実施形態による、フォグロボット・ネットワークにおいて資源を動的かつセマンティックに発見するシステムの例示的ブロック図
【
図3A】本開示の実施形態による、フォグロボット・ネットワークにおいて資源を動的かつセマンティックに発見するコンピュータ実施方法を示す例示的流れ図
【
図3B】本開示の実施形態による、フォグロボット・ネットワークにおいて資源を動的かつセマンティックに発見するコンピュータ実施方法を示す例示的流れ図
【
図4】本開示の一実施形態による、フォグ層に実装したオントロジベースのセマンティック知識リポジトリの分散構造の概略図
【
図5】本開示の実施形態による、資源を動的に発見する例示的オントロジの図であり、資源は、捕捉され、セマンティック知識リポジトリ内に保存されている。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書のあらゆるブロック図は、本発明の主題の原理を具体化する例示的システムの概念図を表す。同様に、あらゆるフロー・チャート、流れ図、状態遷移図、擬似コード等は、コンピュータ可読媒体において実質的に表すことができる様々な工程を表し、これらの工程は、コンピューティング・デバイス又はプロセッサが明示的に図示されているか否かにかかわらず、コンピューティング・デバイス又はプロセッサによってそのように実行できる。
【0019】
添付の図面を参照しながら例示的実施形態を説明する。図面において、参照番号の最も左の桁(複数可)は、その参照番号が最初に出現する図を特定する。好都合である場合は常に、同じ又は同様の部品を指すために、図面全体を通じて同じ参照番号を使用する。開示する原理の例及び特徴を本明細書で説明するが、開示する実施形態の趣旨及び範囲から逸脱することなく、修正形態、適合形態及び他の実装形態が可能である。以下の詳細な説明は、例と見なされるにすぎず、真の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示すことを意図する。
【0020】
詳細な説明を示す前に、以下の説明の全ては、説明する特定の実装形態にかかわらず、本質的に、制限的ではなく例示的である。
【0021】
従来利用可能な協働ロボットは、主に、クラウドベースの知識を中心とする構成に基づき、1体のロボットが収集した知識は、クラウドベースの知識リポジトリ内に保存し、他のロボットと共有する。しかし、そのようなシステムは2つの欠点:(i)クラウドの導入により往復レイテンシが増大するため、知識の共有がリアルタイムではない、及び(ii)クラウドへの接続が一定であるという仮定は、実際のシナリオには当てはまらない場合があること、を有する。接続を保証することができず、妥当な時間内で人が介入することなくタスクを完了しなければならない屋外緊急事態において、こうした欠点は、従来のシステムの効果を制限するものである。例えば、捜索及び救助作業のためにロボット及びドローン等の資源チームを災害区域で展開し、このチームのタスクが、人の介入を一切伴わずに、障害物、身動きの取れない人、火事、可燃物等の他の危険を特定し、マッピングし、標示することであるというシナリオを考えてみよう。資源は、複雑なアルゴリズムの計算及びデータ保存を伴うタスクを実施する必要がある。本開示のシステム及び方法は、そのようなシナリオに対処するものであり、クラウドへの依存を最小にする又はクラウドに依存せずに、タスクを協働的に実施することができ、したがって、中央コーディネータに対する依存を伴わない。本開示のシステム及び方法は、リアルタイム・センサ・データ及び利用可能な資源の機能に対する分析に基づいて、タスクに優先順位を付け、タスクを資源に分配することによって行う。本開示の文脈における資源の機能とは、計算力、メモリ、保存領域、機械的機能、ノード位置、計算及び通信中の消費電流、合計バッテリ容量、CPUコア数及びCPU動作周波数等を指し、以下、資源データと呼ぶ。本開示のシステム及び方法は、近隣で利用可能なルータ、ゲートウェイ、基地局等のフォグ・デバイスの活用によるエッジ・コンピューティングも利用し、したがって、より多様な労働力を混成資源に追加する。
【0022】
図1は、クラウドの不在下におけるフォグロボット・ネットワークの例示的な図を示す。以下、資源と呼ぶフォグロボット・ネットワークのメンバーは、観測データ、タスク又は行動計画及び機能情報のようなリアルタイム情報を交換する必要がある。フォグロボット・ネットワークにおけるそのような通信は、関与する資源が混成するために複雑になる。更に、フォグロボット・ネットワークにおけるロボット−ドローン−フォグ・デバイスの協働は、双方向通信を必要とし、このことは、難問である。
【0023】
本開示のシステム及び方法は、実際のリソース・ディスクリプション・フレームワーク(RDF)モデルを提供し、オントロジに基づき、フォグロボット・ネットワークの混成資源の間でセマンティック知識を交換する。次に、同様の参照文字が図面全体を通じて一貫して対応する特徴を示す図面、より詳細には
図2から
図5を参照すると、好ましい実施形態を示しており、これらの実施形態を、以下の例示的システム及び方法の背景において説明する。
【0024】
図2は、本開示の一実施形態による、フォグロボット・ネットワークにおいて資源を動的かつセマンティックに発見するシステム100の例示的ブロック図を示す。一実施形態では、システム100は、1つ若しくは複数のプロセッサ104、通信インターフェース・デバイス(複数可)又は入出力(I/O)インターフェース(複数可)106、及び1つ若しくは複数のプロセッサ104に動作可能に結合された1つ若しくは複数のデータ保存デバイス又はメモリ102を含む。ハードウェア・プロセッサである1つ又は複数のプロセッサ104は、1つ若しくは複数のマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、中央処理ユニット、状態機械、グラフィックス制御器、論理回路、及び/又は動作指示に基づき信号を操作する任意のデバイスとして実装することができる。プロセッサ(複数可)は、他の機能の中でも特に、メモリ内に保存したコンピュータ可読命令を取り出し、実行するように構成されている。一実施形態では、システム100は、ラップトップ・コンピュータ、ノートブック、ハンドヘルド・デバイス、ワークステーション、汎用コンピュータ、サーバ、ネットワーク・クラウド等、様々なコンピューティング・システム内に実装することができる。
【0025】
I/Oインターフェース・デバイス(複数可)106は、様々なソフトウェア・インターフェース及びハードウェア・インターフェース、例えば、ウェブ・インターフェース、グラフィカル・ユーザ・インターフェース等を含むことができ、多種多様なネットワークN/W及びプロトコル・タイプ内で多数の通信を促進することができ、これらには、例えばLAN、ケーブル等の有線ネットワーク、及びWLAN、セルラー又は衛星等のワイヤレス・ネットワークを含む。一実施形態では、I/Oインターフェース・デバイス(複数可)は、いくつかのデバイスを互いに接続するか又は別のサーバに接続する1つ又は複数のポートを含むことができる。
【0026】
メモリ102は、当技術分野で公知の任意のコンピュータ可読媒体を含むことができ、これらには、例えば、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)及びダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)等の揮発性メモリ、並びに/又は読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブルROM、フラッシュ・メモリ、ハードディスク、光ディスク及び磁気テープ等の不揮発性メモリを含む。一実施形態では、システム100の1つ又は複数のモジュール(図示せず)をメモリ102内に保存することができる。
【0027】
図3A及び
図3Bは、本開示の実施形態による、フォグロボット・ネットワークにおいて資源を動的かつセマンティックに発見するコンピュータ実施方法200を示す例示的流れ図を示す。一実施形態では、システム100は、1つ又は複数のプロセッサ104に動作可能に結合された1つ又は複数のデータ保存デバイス又はメモリ102を備え、1つ又は複数のプロセッサ104によって方法200のステップを実行するように構成した指示を保存するように構成されている。
【0028】
本開示は、特に、クラウド・インフラストラクチャは利用可能ではないが、ゲートウェイ、ルータ、スイッチ等のフォグ及びエッジ資源が、任務に関して展開される協働フォグロボット・ネットワークにおいて利用可能であるというシナリオに対処するものである。本開示の実施形態によれば、1つ又は複数のプロセッサ104は、ステップ202で、フォグロボット・ネットワーク内の複数の資源による任務関連データを捕捉するように構成する。任務関連データには、画像データ、センサ・データ等、フォグロボット・ネットワークを構成する混成デバイスが捕捉したデータを含むことができる。
【0029】
一実施形態では、1つ又は複数のプロセッサ104は、ステップ204で、複数の資源に関連する資源データをリアルタイムで捕捉するように構成する。上記で述べた資源データとは、複数の資源のそれぞれに関連する計算力、メモリ、保存領域、機械的機能、ノード位置、計算及び通信中の消費電流、合計バッテリ容量、CPUコア数及びCPU動作周波数等を含むことができる。したがって、本開示によれば、資源データは、複数の資源に関連する静的機能及びランタイム機能を含む。例えば、あるロボットの資源データは、そのロボットに関連する運搬機能を50Kgとして含むことができる。ゲートウェイの別の例示的資源データは、そのメモリを2GBとして含むことができる。
【0030】
一実施形態では、1つ又は複数のプロセッサ104は、ステップ206で、捕捉した任務関連データに基づき1つ又は複数の実施すべきタスクの状況を特定すること又は1つ又は複数のタスクを受信すること、のうち少なくとも1つを実施するように構成する。例えば、タスクは、障害物、身動きの取れない人、火事、可燃物等の他の危険を特定すること、マッピングすること、及び標示することを含むことができる。タスクのそれぞれは、サブタスクも含むことができる。タスクは、システム100によって受信するか又はシステム100によって状況を特定することができる。例えば、事前に定義した閾値を超える値を有する感知温度の形態で任務関連データを捕捉すると、関連する高温区域からロボットを遠ざけることを示すタスクを特定することができるか、又は消火タスクの開始に関係するタスクを導き出すことができる。一実施形態では、ステップ206は、セマンティック知識リポジトリ内に含まれる知識に基づく。
【0031】
一実施形態では、1つ又は複数のプロセッサ104は、ステップ208で、捕捉した資源データ及び1つ又は複数のタスクからタスク関連データを特定するように構成する。1つ又は複数のタスクは、複数の資源の1つ又は複数に関連する資源データにマッピングされる。したがって、一実施形態では、タスク関連データは、タスク、及びタスクの実行に必要な資源データのそれぞれに関連するサブタスク・セットを含むことができる。タスク関連データの特定は、保存領域及び計算の両方の点で資源を有効に使用することを保証する。
【0032】
本開示によれば、フォグロボット・ネットワーク内の混成された複数の資源の間で通信が途切れることがないように、あらゆる交換は、機械解釈可能な共通の形式である必要がある。ロボット(又はドローン)等の資源内の各センサは、それ自体の規格形式に従うデータを発行する。データを理解、解析、処理して、このデータからあらゆる意味を得るためには、特定のコード・モジュールが必要である。更に、センサ種又はデータ形式を変更すると、基礎をなすコードの記録をもたらす。したがって、本開示の方法は、規格のセマンティック図式のデータ構造、即ち、オントロジを表す。例えばマップ併合のようなタスクに関しても同様に、ロボット及びドローン等の資源は、フォグ・ノードにカメラ観察情報を送信し、フォグ・ノードは、そのような画像(又は映像)データを保存するのに十分なメモリ、及びそれらの画像データに対し効率的なマップ併合アルゴリズムを稼働させるのに十分な処理能力を有する必要があり得る。そのようなタスクを実施する資源を特定するために、複数の資源のそれぞれに対し利用可能な計算及び/又は保存機能は、既知である必要がある。混成資源セットは、様々な機能を有することができる。本開示は、混成資源間の通信のためのリソース・ディスクリプション・フレームワーク(RDF)を実装する。
【0033】
RDFは、典型的には、規格のオントロジを遵守する。ロボットのタスク及び行動、並びにロボット運動機能のためのオントロジを生成する取組みがなされてきた。しかし、従来公知のオントロジは、資源の全ての機能を捕捉するものではなく、特にランタイムの間の検討中のフォグ・デバイス及びロボット等の資源、及び特に計算力、利用可能なメモリ等の機能は捕捉しない。
【0034】
一実施形態では、1つ又は複数のプロセッサ104は、オントロジベースのセマンティック知識リポジトリを生成するように構成し、オントロジは、ウェブ・オントロジ言語(OWL)で記述され、セマンティック知識リポジトリは、リソース・ディスクリプション・フレームワーク(RDF)ベースのタプル・データ・ストアである。本開示のオントロジベースのセマンティック知識リポジトリは、ピアツーピア・ネットワーク・パラダイムに基づく。
図4は、本開示の一実施形態による、オントロジベースのセマンティック知識リポジトリの分散構造の概略図を示し、このセマンティック知識リポジトリは、フォグ層に実装される。セマンティック知識リポジトリは、図示のような分散構造で実装することができるが、別の実施形態では、複数の資源のそれぞれで受信した資源データに基づく、対応可能な資源又は中央タスク導入器として、特定した単一資源内に集中的に実装することもできる。更に、セマンティック知識リポジトリがクラウド層ではなく、フォグ層にあることで、場合によって不在又は断続的であることがあるクラウド接続に対する依存を防ぐ。
【0035】
一実施形態では、1つ又は複数のプロセッサ104は、ステップ210で、タスク関連データ、1つ又は複数のタスク、及び捕捉した資源データのオントロジベースのセマンティック知識リポジトリをリアルタイムで更新するように構成する。セマンティック知識リポジトリは、上記で説明したように、複数の資源の1つ又は複数に実装することができる。本開示によれば、セマンティック知識リポジトリと、複数の資源の1つ又は複数との間のセマンティック知識のリアルタイム交換は、フォグロボット・ネットワークの動作のインテリジェントな自動化を促進する。
【0036】
一実施形態では、1つ又は複数のプロセッサ104は、ステップ212で、セマンティック知識リポジトリと複数の資源の1つ又は複数との間のセマンティック知識のリアルタイム交換に基づき、複数の資源の1つ又は複数を、利用可能な資源として動的にリアルタイムで発見するように構成する。資源データ内に含まれる多数の種類の情報のうち、フォグロボット・ネットワーク混成資源の間で交換することができるセンサ観測データに関係する情報、部分マップ・データ、タスク詳細及び計画等、並びに機能情報は、特に重要なものである。一般に、運搬機能、移動機能、検知機能等の静的機能は、複合タスクの最初に記録され、次に、資源の機能のそれぞれに応じて、単一の小さいタスクを資源に割り当てる。しかし、災害区域における捜索及び救助、又は交戦地帯の偵察のようなシナリオでは、タスクは、動的に突然生じることがあるため、フォグロボット・ネットワークの1つ又は複数の資源に最初に割り当てたタスクは、長時間有効ではなく、変更する必要がある場合がある。例えば、火事区域における捜索及び救助任務を仮定されたい。そこには、2体のロボット(ロボットA及びロボットB)がおり、それぞれが100kgの運搬機能を有するとする。最初、これらのロボットは、最初の負荷、各50kgの消化シリンダを伴って開始した。ここで、任務の間、ロボットAは、救助を待っている60kgの人を発見し、ロボットBは、80kgの別の人を発見する。例えば、中央タスク割当て器が、各ロボットが50kgの負荷を運搬しているという受信情報のみを有する場合、観念的には、2人の人を救助するという新たに発生したタスクは、シリンダ及び人の重量がロボットの運搬能力を超えるために、ロボットのいずれにも割り当てられることはない。したがって、2人の人は、救助されないままである。しかし、ロボットのいずれかがその目的地に到達し、当該人物に接触する前に既にシリンダを手放している可能性があり得る。この情報が中央タスク導入器に伝達された場合、更新情報は、「ロボットAは、時刻T1において50kgの運搬能力を有する」という古い情報の代わりに、「ロボットAは、時刻T1において100kgの運搬能力を有する」ことを表示することができる。当該人物に接触した時間スタンプがT2であり、T2>T1である場合、本開示による資源のリアルタイムでの動的発見は、時間T2において、ロボットAが、救助を待っている人の一方を救助することを促進する。したがって、利用可能な資源のリアルタイム・シナリオにより資源を動的に発見し、セマンティック知識リポジトリを更新することは、遂行の強化及び資源の管理を促進し、これにより、ランタイム計算の負担軽減を更に促進することができる。保存領域、メモリ、処理能力、バッテリ容量、及び計算に適した資源データを有するフォグロボット・ネットワークにおいて、資源に対する計算の負担を軽減することができる。
【0037】
本開示によれば、セマンティック知識リポジトリのオントロジ構造により、資源データの一部として捕捉したランタイム機能の保存が可能になる。
図5は、本開示の実施形態による、資源を動的に発見する例示的オントロジの図を示し、資源は、捕捉され、セマンティック知識リポジトリ内に保存される。例示的オントロジ図において、タスク(行動)オントロジを左側に示し、資源(モノ)及び資源データ(構成要素)オントロジを右側に示す。例えば、FN1は、「フォグ・ノード」(包括的な概念又はクラスである「モノ」下のデバイス)のインスタンスであり、各フォグ・ノードは、そのフォグ・ノードに関連する概念又はクラスである「保存領域」、「メモリ」及び「プロセッサ」を有することができる。これらの概念のそれぞれは、2つの特性、即ち、「has合計初期値」及び「has利用可能値」を有することができる。例えば、FN1_メモリは、FN1に関連する「メモリ」のインスタンスであり、2GBの「合計初期値」及び1GBの「利用可能値」を有する。このことは、フォグ・ノードFN1が、2GBのサイズの合計ランタイム・メモリを有し、時刻T(又は現在時刻T)において、1GBの利用可能ランタイム・メモリを有することを意味する。したがって、フォグ・ノードFN1は、1GBのメモリ以下のランタイム・メモリを必要とするあらゆる計算の実施に利用することができる。本開示のオントロジ構造は、あらゆる種類のフォグロボット・ネットワーク・デバイスを向上させ、これらに適合させることができる。タスク関連データは考慮するだけであるので、タプル・サイズを最適化し、これにより、資源間の通信をより容易にする。また、オントロジ構造において混成資源から受信した情報のセマンティック表現は、一連の長い情報の解釈を簡略化する。更に、オントロジベースのセマンティック知識リポジトリの動的更新は、利用可能資源の実際的なビューをもたらす。
【0038】
一実施形態では、1つ又は複数のプロセッサ104は、ステップ214で、動的に発見した利用可能資源に基づき、複数の資源の1つ又は複数にタスクの1つ又は複数をリアルタイムで割り当てるように構成する。セマンティック知識リポジトリのリアルタイム更新により、フォグロボット・ネットワークに配備する必要があり得る様々なタスクで利用可能資源を効果的に使用することが保証される。システム100は、タスクの割当ての他に、ランタイムの間に発生することがあるタスクを特定することもできる。利用可能資源の実際的なビューに基づき、タスクを動的に再度割り当て、利用可能資源をより効率的に利用し、より良好にタスクを管理することができる。システム100は、タスクを割り当てるために資源を特定する他に、フォグロボット・ネットワークの効率的な動作に必要なタスクを特定することもできる。例えば、ランタイム中、ドローンのバッテリ容量が使用範囲を超えて消耗した場合、システム100は、通知又は警告の形態で、バッテリ交換を示すタスクを特定することができる。
【0039】
したがって、本開示のシステム及び方法は、制約環境(クラウド・インフラストラクチャ及びクラウドベースの知識ストアが利用可能ではない環境)で動作するフォグロボット・ネットワークにおいて、混成資源及びランタイム資源データを動的に発見する手段を提供する。オントロジベースのセマンティック知識リポジトリにより、資源が捕捉、保存し、資源に関連するランタイム機能を、フォグ層内で一斉送信することが可能になる。この枠組はセマンティック技術に基づくので、混成資源は、(i)混成資源の間で(RDF/OWLのような)機械理解可能形式で情報を交換することができ、(ii)基礎となるオントロジを用いて、(資源の前にある場面/物体/問題に対する意味の理解のような)捕捉データの状況を理解することができ、(iii)クラウドに依存しない完全自律フォグロボット・ネットワーク・システムにおいて、タスク割当てのような判断(タスクを実施しないという判断を含む)を協働的かつインテリジェントに下すことができる。
【0040】
本明細書は、当業者が本開示の実施形態を製作し、使用することが可能になるように主題を説明するものである。本明細書で定義する主題の実施形態の範囲は、当業者が想到する他の修正形態を含むことができる。そのような他の修正形態は、特許請求の範囲の文言とは異ならない同様の要素を有する場合、又は特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない等価要素を含む場合、範囲内にあることを意図する。
【0041】
本明細書で定義する主題の実施形態の範囲は、当業者が想到する他の修正形態を含むことができる。そのような他の修正形態は、特許請求の範囲の文言とは異ならない同様の要素を有する場合、又は特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない等価要素を含む場合、範囲内にあることを意図する。
【0042】
しかし、保護の範囲は、特許請求の範囲のメッセージを有するプログラム及び更にはコンピュータ可読手段まで拡大され、そのようなコンピュータ可読手段は、プログラムをサーバ又はモバイル・デバイス又は任意の適切なプログラム可能デバイス上で稼働させると、方法の1つ又は複数のステップを実施する、プログラム・コード手段を含む。ハードウェア・デバイスは、プログラム可能なあらゆる種類のデバイスとすることができ、例えば、サーバ若しくはパーソナル・コンピュータ等のようなあらゆる種類のコンピュータ、又はそれらの組合せを含む。デバイスは、例えばハードウェア手段であってもよい手段も含むことができ、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又はハードウェア手段とソフトウェア手段との組合せ、例えば、ASIC及びFPGA、又は少なくとも1つのマイクロプロセッサ、及びソフトウェア・モジュールが中に位置する少なくとも1つのメモリのようなものである。したがって、手段は、ハードウェア手段及びソフトウェア手段の両方を含むことができる。本明細書で説明する方法の実施形態は、ハードウェア及びソフトウェア内に実装することができる。デバイスは、ソフトウェア手段も含むことができる。代替的に、本開示の実施形態は、例えば複数のCPUを使用して様々なハードウェア・デバイス上に実装することができる。
【0043】
本明細書の実施形態は、ハードウェア要素及びソフトウェア要素を備えることができる。ソフトウェア内に実装する実施形態は、限定はしないが、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む。本開示のシステムを構成し、本明細書で記載する様々なモジュールによって実施する機能は、他のモジュール又は他のモジュールの組合せにおいて実施することができる。この説明の目的で、コンピュータ使用可能媒体又はコンピュータ可読媒体は、あらゆる装置とすることができ、こうした装置は、指示実行システム、装置又はデバイスが使用するか又はこれらに関連するプログラムを備え、保存し、通信し、伝搬するか又は転送することができる。本明細書に記載の様々なモジュールは、ソフトウェア・モジュール及び/又はハードウェア・モジュールとして実装することができ、あらゆる種類の非一時的コンピュータ可読媒体又は他の記憶デバイス内に保存することができる。非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの非限定例には、CD、DVD、ブルーレイ、フラッシュ・メモリ及びハード・ディスク・ドライブを含む。
【0044】
更に、工程ステップ、方法ステップ、技法等は、連続的な順番で記載することができ、そのような工程、方法及び技法は、交互の順番で作用するように構成することができる。言い換えれば、記載することができるステップのあらゆるシーケンス又は順番は、必ずしも、ステップをその順番で実施するという要件を示すものではない。本明細書に記載の工程ステップは、あらゆる実際的な順番で実施することができる。更に、いくつかのステップは、同時に実施することができる。
【0045】
例示するステップは、図示の例示的実施形態を説明するために示し、進行中の技術開発により、特定の機能を実施する様式が変更されることは予期されるはずである。こうした例は、例示のために本明細書で提示するものであり、限定するものではない。更に、機能的な基本構成要素の境界は、説明の便宜上、本明細書において任意に定義されている。特定の機能及び機能関係が適切に実施されるかぎり、代替的な境界を定義することができる。代替形態(本明細書に記載するものの等価物、拡張形態、変形形態、変形体等を含む)は、本明細書に含まれる教示に基づき、当業者には明らかであろう。そのような代替形態は、開示する実施形態の趣旨及び範囲内にある。また、語「備える」、「有する」、「含有する」及び「含む」並びに他の同様の形態は、意味が同等であり、これらの語のいずれか1つに続く1つ若しくは複数の項目がそのような1つ若しくは複数の項目の網羅的なリストではないという点で無制限であることを意図する、又は列挙した1つ若しくは複数の項目のみに限定されないことを意味する。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する単数形「1つの(a、an及びthe)」は、文脈が別段に明確に規定しない限り、複数の言及を含むことにも留意されたい。
【0046】
本開示及び例は、例と見なされるにすぎず、開示する実施形態の真の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示すことを意図する。