(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6674045
(24)【登録日】2020年3月9日
(45)【発行日】2020年4月1日
(54)【発明の名称】汚染物質の排出が1ppmより低い触媒式無炎燃焼装置及び燃焼方法
(51)【国際特許分類】
F23D 14/18 20060101AFI20200323BHJP
【FI】
F23D14/18 E
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-554030(P2018-554030)
(86)(22)【出願日】2017年4月6日
(65)【公表番号】特表2019-511696(P2019-511696A)
(43)【公表日】2019年4月25日
(86)【国際出願番号】CN2017079511
(87)【国際公開番号】WO2017177853
(87)【国際公開日】20171019
【審査請求日】2018年12月5日
(31)【優先権主張番号】201610231516.6
(32)【優先日】2016年4月14日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503190796
【氏名又は名称】中国科学院大▲連▼化学物理研究所
【氏名又は名称原語表記】DALIAN INSTITUTE OF CHEMICAL PHYSICS,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】李為臻
(72)【発明者】
【氏名】陳志強
(72)【発明者】
【氏名】張景才
(72)【発明者】
【氏名】呉春田
(72)【発明者】
【氏名】張涛
【審査官】
吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭59−122807(JP,A)
【文献】
特開昭58−045405(JP,A)
【文献】
特開平09−033007(JP,A)
【文献】
国際公開第98/12476(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23D 14/02
F23D 14/12−14/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染物質の排出が1ppmより低い触媒式無炎燃焼装置であって、
上端が開口し下端が密閉する中空円筒体を含み、
中空円筒体の下部又は底端に少なくとも1つの助燃性ガス入口(1)及び少なくとも1つの燃料入口(2)が設けられ、
助燃性ガス入口(1)及び燃料入口(2)の上方であって、中空円筒体の中下部にガス予混合器(3)が設けられ、
ガス予混合器(3)の上方に燃焼板(5)が設けられ、
中空円筒体の底端と燃焼板(5)との間に隙間が残され、ガス予混合室(4)が形成され、
ガス予混合器(3)はガス予混合室(4)内に配置され、
燃焼板(5)の上方に点火装置(6)が設けられ、
中空円筒体の上開口端にガス偏向器(7)が設けられ、
ガス偏向器(7)は上下両端が開口する中空筒状チューブであり、
中空筒状チューブの下開口端は中空円筒体の上開口端に密閉するように接続され、
ガス偏向器(7)の上方に無炎燃焼室(8)が設けられ、
無炎燃焼室(8)は下端が開口し上端が密閉する中空容器であり、
ガス偏向器(7)の上開口端は無炎燃焼室(8)の下開口端に対向するように設置され、
即ちガス偏向器(7)の上開口端は、無炎燃焼室(8)の下開口端の下方に位置し、同一の平面内に位置し、又は無炎燃焼室(8)の下開口端から無炎燃焼室(8)内へ伸び込み、
無炎燃焼室(8)内の中上部に触媒(9)が充填される、
ことを特徴とする触媒式無炎燃焼装置。
【請求項2】
ガス予混合器(3)は、シート状、棒状、ハニカム状の1種又は2種以上の形状を有する1つ以上のデバイスであり、ガス予混合室(4)の内壁に固定するように接続され、
前記デバイスの内部又はデバイスの間に隙間が残され、予混合室(4)内のガスを助燃性ガス入口(1)及び燃料入口(2)から燃焼板(5)へ流動させ、
同時にガス予混合器(3)は、更にその内部の一部の領域において助燃性ガス及び燃料ガスのジェット方向を変更することができ、乱流を形成してガスを予混合室(4)内に均一に混合させ、
燃焼板(5)は板状構造であり、その上方に予混合ガスの通過が許可され、板体の上下面を貫通する貫通孔が設けられ、
貫通孔は円形、四角形、スリットにおける1種又は2種以上の形状を有し、
貫通孔の直径又はスリットの幅は0.01〜10mmであり、
燃焼板の厚さは0.1〜1000mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の触媒式無炎燃焼装置。
【請求項3】
点火装置(6)は燃焼板(5)を通過した予混合ガスを着火させ、
前記点火装置は点火針及び/又は電熱線であり、
ガス予混合器(3)及び燃焼板(5)はいずれも中空円筒体の内壁面に固定するように接続され、
触媒(9)は無炎燃焼室(8)内に配置され、無炎燃焼室(8)内壁におけるブラケットにより保持して固定され、
触媒は一部又は全ての無炎燃焼室を充填し、ガス偏向器(7)の出口を介して無炎燃焼室(8)に完全に入るガスと十分に接触する、
ことを特徴とする請求項1に記載の触媒式無炎燃焼装置。
【請求項4】
ガス偏向器(7)の下開口端はガス予混合室(4)の上開口端に接続され、
ガス偏向器(7)の上開口端の出口とする面積はガス予混合室(4)の出口とする上開口端の面積より大きく、それに等しく、又はそれより小さく、
ガス偏向器(7)の出口は円形と四角形とにおける1種又は2種以上の形状であり、
ガス偏向器(7)の出口は1つ又は2つ以上の貫通孔であり、
ガス偏向器(7)の出口方向は無炎燃焼室(8)の入口とする下開口端に対向するように設置され、
ガス偏向器(7)の出口サイズは任意の方向においても無炎燃焼室(8)の入口サイズより小さく、
ガス偏向器(7)の出口及び無炎燃焼室(8)の入口は気流方向における任意の平面に沿って投影され、
ガス偏向器(7)の出口の投影は無炎燃焼室(8)の入口の投影領域内に位置し、
入口気流方向に垂直である断面積であって無炎燃焼室(8)の入口の断面積は、出口気流方向に垂直である断面積であって偏向器7の出口の断面積の1.01〜20倍であり、
ガス偏向器(7)の出口は無炎燃焼室(8)の入口内に伸び込み、それに面一であり、又は一定の距離を離れ、
離れた距離はガス偏向器(7)の出口から流れ出したガスが無炎燃焼室(8)の入口に完全に入ることを保証する必要があり、
ガス偏向器(7)の出口断面は平面又は非平面であり、
無炎燃焼室(8)は一端が開口するチャンバーであり、
チャンバーは半球形又は任意の形状である一端のみが開口する中空チャンバーであり、
無炎燃焼室(8)の入口とする下開口端は円形と四角形とにおける1種又は2種以上の形状であり、
無炎燃焼室(8)の入口は1つ又は2つ以上の貫通孔であり、
開口部の任意の方向の口径サイズはいずれもガス偏向器(7)の出口の同じ方向におけるサイズより大きく、即ち無炎燃焼室(8)の入口の気流方向に沿う投影はガス偏向器(7)の出口の該方向における投影を完全に被覆することができ、
無炎燃焼室(8)の入口断面は平面又は非平面である、
ことを特徴とする請求項1に記載の触媒式無炎燃焼装置。
【請求項5】
更にガス収集室(11)を含み、
ガス収集室(11)は排気口(12)が設けられた中空容器であり、
ガス収集室(11)は無炎燃焼室(8)の下開口端をその中空の収容チャンバー内部に包囲する、ことを特徴とする請求項1に記載の触媒式無炎燃焼装置。
【請求項6】
更に固定ブラケット(10)を含み、
固定ブラケット(10)は無炎燃焼室(8)をガス偏向器(7)の出口付近の位置に固定し、
固定ブラケット(10)は、ガス収集室(11)又はガス偏向器(7)又はガス予混合室(4)の位置する中空容器に固定するように接続され、
ことを特徴とする請求項1又は5に記載の触媒式無炎燃焼装置。
【請求項7】
ガス収集室(11)の下端に開口が設けられ、
開口の周辺はガス偏向器(7)又はガス予混合室(4)の位置する中空容器の外壁面に密閉するように接続され、
無炎燃焼室(8)はガス収集室(11)内に位置し、
ガス収集室(11)の内壁面と無炎燃焼室(8)の外壁面との間に隙間が残され、
該隙間の断面積はガス偏向器(7)の出口断面積の1倍以上であり、
燃焼後の排ガスを収集し、排気口(12)から排出させ、
排気口(12)はガス収集室(11)の任意の位置に取り付けられ、又はガス収集室(11)の2つ以上の複数の位置に2つ以上の複数の排気口を取り付け、
排気口の断面積の和は、出口気流方向に垂直である断面積であってガス偏向器(7)の出口断面積の1倍以上である、
ことを特徴とする請求項5に記載の触媒式無炎燃焼装置。
【請求項8】
無炎燃焼室(8)内、無炎燃焼室(8)の外壁面、ガス収集室(11)内、ガス収集室(11)の外壁面における1つ又は2つ以上の位置において熱交換装置を取り付け、
前記熱交換装置はシェル式、フィン式又はプレート式熱交換器における1種又は2種以上である、
ことを特徴とする請求項5に記載の触媒式無炎燃焼装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の触媒式無炎燃焼装置を起動するための方法であって、
それぞれ燃料入口(2)及び助燃性ガス入口(1)を経てガス予混合室(4)内に入る燃焼ガスと助燃性ガスとを予混合させた後の過剰空気係数を1.01〜2.5に制御し、
予混合ガスの線速度を、安定した火炎を維持するように適切な範囲に調整し、
点火装置(6)を起動して点火した後、無炎燃焼室(8)及びその中に充填された触媒(9)が赤熱又は600摂氏度以上になるまで加熱することと、
予混合ガスの線速度が吹き消え速度以上になるまで増加させ、炎を消火し、
同時に予混合ガスを無炎燃焼室(8)及び無炎燃焼室(8)の中に充填された触媒(9)において無炎燃焼させ、
気流が燃焼室の底部に到着した後に戻し、大部分の熱を持ち去り、
高温排ガスはガス収集室(11)を経て収まり、
熱交換器により熱交換した後、排気口(12)から排出し、燃焼生成物は二酸化炭素及び/又は水蒸気であり、有害物質である一酸化炭素(CO)、炭化水素化合物(HC)及び窒素酸化物(NOx)の排出濃度はそれぞれ1ppmより低いことと、を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
助燃性ガス入口(1)に通じたガスは空気、酸素ガス以外の酸素含有量1〜99.9vol%の酸素含有ガスの混合物であり、
燃料入口(2)に通じたガスは気体燃料、霧状液体燃料、及び空気、窒素ガスの不燃性ガスにおける1種又は2種以上を最終濃度0.1〜99.9vol%に希釈した上記気体燃料と霧状液体燃料における1種又は2種以上であり、
気体燃料は天然ガス、ガス、液化石油ガスにおける1種又は2種以上であり、
霧状液体燃料はガソリン、ディーゼル油、灯油、アルコール、メタノールにおける1種又は2種以上であり、
触媒(9)に多孔質耐火性材料及び金属酸化物の活性成分を含有し、
前記多孔質耐火性材料は繊維状、繊維、ハニカム状における1種又は2種以上のセラミック、石英、スピネル、炭化ケイ素及びステンレス鋼における1種又は2種以上であり、
前記金属酸化物の活性成分は酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ランタン、酸化チタン、酸化鉄、酸化マンガン、酸化ケイ素、酸化ナトリウム、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化白金、酸化パラジウム、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化銀における1種又は2種以上であり、
前記金属酸化物の活性成分の質量パーセントは0.1%〜85%である、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は燃料燃焼装置及び燃焼方法に関し、特に窒素酸化物の排出が極めて低い燃料無炎燃焼装置及び燃焼方法に関している。
【背景技術】
【0002】
近年、大気汚染は我が国の主な環境問題の一つとなった。大気汚染物は、主に様々な化石燃料の燃焼に由来する。石炭及び燃油に比べると、天然ガスの燃焼過程に生成する粉塵、二酸化硫黄等の汚染物は顕著に低下し、よりクリーンな燃料ではあるが、一酸化炭素(CO)、炭化水素化合物(HC)及び窒素酸化物(NOx)の排出量は依然として同じレベルである。北京市を例にすると、従来のガスボイラにいずれも従来の燃焼器が配置され、関連部門のサンプル調査の結果によると、そのうち85%以上のガスボイラのNOx値は150ミリグラム/立方メートル以上である。深刻な大気汚染予防状況に直面し、我が国の環境保護法令のこれらの汚染物の排出基準に対する要求も高くなり、例えば2015年、「北京市ボイラ大気汚染の汚染物質の排出基準」(DB11/139−2015)が導入され、2017年4月1日までに、北京地域において新設されたガスボイラの窒素酸化物の排出濃度が30ミリグラム/立方メートル以下に低下し、従来のガスボイラが80ミリグラム/立方メートル以下に低下することが要求されている。現在、一般的には改善された燃焼技術を用いて汚染物の生成を減少させ、又は排ガス浄化技術により生成された汚染物を除去する。CO及びHCは、空気と燃料との比率を増加させ、希薄燃焼を形成することによって大幅に低減することができ、排ガスに酸化触媒を添加することによって酸化消除を実現することもできる。ところが、現在、低NOx排出の燃焼技術は依然として排出法令の要求を満たすことができず、尿素の添加又はアンモニア触媒作用により還元脱硝装置を選択する必要があり、コストが高く、被覆率が低く、大規模の分布式又は小型の燃焼器は依然として燃焼技術において突破口を模索する必要がある。
【0003】
燃焼は可視炎の有無に応じて、火炎燃焼及び無炎燃焼に分けられる。火炎燃焼は、実質的には燃焼ガスのフリーラジカルに関与する下で発生する酸化反応であり、このような燃焼方式は天然的にこの2つの問題を有する:1)不完全な燃焼はホルムアルデヒド、一酸化炭素(CO)等の有毒有害ガスを生成し、燃料利用率が低く、2)高温酸素富化の条件下で燃焼は大量のサーマルタイプNOxの生成を引き起こす。火炎燃焼技術は、主に従来の拡散燃焼技術、段階的燃焼技術(又は濃淡燃焼技術とも呼ばれる)、煙道ガス再循環技術、希薄燃焼予混合燃焼技術等を含んでいる。従来の拡散燃焼は明らかな火炎面が生成され、温度が高すぎ、大量のNOxが生成され、温度勾配が大きく、燃焼が不均一であり、不完全燃焼の生成物が多く、段階的燃焼は燃料レベル及び空気レベルに分けられ、温度が低い濃火炎面が形成され、NOxの生成を低下させ、温度勾配が小さく、不完全燃焼の生成物が少なく、煙道ガス再循環は外部の煙道ガス又は内部の煙道ガスを燃焼領域に再進入させ、煙道ガスを用いて吸熱し、酸素の濃度を低減し、燃焼速度及び炉内の温度を低減し、それによりNOxの生成を低下させるが、過剰な煙道ガスは煙道ガスの排出熱損失を増加させ、希薄燃焼予混合燃焼は大量の空気及び少量の燃焼ガスを燃焼前に分子レベルにおいて完全に混合させ、旋回燃焼プロセスを整理し、火炎温度が相対的に低く、NOxの生成量が小さく、酸素ガスが十分で燃料と酸素ガスとが均一に混合するため、炭素ガス及びCOの生成量が小さいが、煙道ガスの排出熱損失及びファンのエネルギー消費が大きすぎるという問題が存在する。無炎燃焼は触媒燃焼技術及び高温空気燃焼技術を含んでいる。触媒燃焼は燃焼器入口部に触媒を添加し、燃料分子と酸化剤分子とを触媒表面において反応させ、一般的には高濃度燃焼ガスの燃焼熱取得ではなく、燃料点火濃度より低い状況下の可燃物の燃焼浄化プロセスに用いられ、高温空気燃焼は予熱空気により反応物を自己点火の温度より高くし、燃焼反応は広い領域に拡散し、局所高温領域がなく、そのためNOxの排出が低い。
【0004】
現在、触媒燃焼器は一般的には順流式構造を用い、即ち燃料ガス及び助燃性ガスが触媒層を流れる時に触媒燃焼反応が発生し、その後、触媒層を流れた後に戻らず、高温空気燃焼技術に用いられる無炎燃焼器も全て順流式構造を用い、高温予混合ガスは広い中空の燃焼室内で自己点火し、燃焼後にガスは順流に排出される。このような順流式構造は、ガス分子の横方向拡散がガス予混合の度合い及びガス流速に制限され、燃焼生成物には依然として高濃度の様々な汚染物が存在することを常に引き起こす。
【0005】
現在、異なるパワーの燃焼器は、一般的にはそのうちの1種の技術を利用し、窒素削減効果が限られ、日益しに厳しくなる環境保護基準の要求を満たすことができず、常にCO排出の増加及び熱効率の低下に伴う。
【0006】
発明の詳細な説明
本発明の目的は汚染物質の排出が極めて低い触媒式無炎燃焼装置及び燃焼方法を提供し、様々な燃焼ガス又は気化燃料のキロワット及びメガワットレベルのパワーでの触媒式無炎燃焼を実現し、燃焼効率が高く、汚染物質の排出濃度が1ppm以下まで低下させることである。
【0007】
上記目的を実現するために,本発明は以下の技術的解決手段を用いる:
本発明に記載の触媒式無炎燃焼装置は、上端が開口し下端が密閉する中空円筒体を含み、中空円筒体の下部又は底端に少なくとも1つの助燃性ガス入口及び少なくとも1つの燃料入口が設けられ、助燃性ガス入口及び燃料入口の上方であって、中空円筒体の中下部にガス予混合器が設けられ、ガス予混合器の上方に燃焼板が設けられ、中空円筒体の底端と燃焼板との間に隙間が残され、ガス予混合室が形成され、ガス予混合器はガス予混合室内に配置され、燃焼板の上方に点火装置が設けられ、中空円筒体の上開口端にガス偏向器が設けられ、ガス偏向器は上下両端が開口する中空筒状チューブであり、中空筒状チューブの下開口端は中空円筒体の上開口端に密閉するように接続され、ガス偏向器の上方に無炎燃焼室が設けられ、無炎燃焼室は下端が開口し上端が密閉する中空容器であり、ガス偏向器の上開口端は無炎燃焼室の下開口端に対向するように設置され、即ちガス偏向器の上開口端は無炎燃焼室の下開口端の下方に配置され、下開口端と同一の平面内に位置し、又は無炎燃焼室の下開口端から無炎燃焼室内へ伸び込み、無炎燃焼室内の中上部に触媒が充填され、ガス予混合器は1つ以上のガス予混合室の内壁に固定するように接続されたシート状、棒状、ハニカム状又は他の形状のデバイスにおける1種又は2種以上であり、前記デバイスの内部又はデバイスの間に隙間が残され、予混合室内のガスを助燃性ガス入口及び燃料入口から燃焼板へ流動させ、同時にガス予混合器は、更にその内部の一部の領域において助燃性ガス及び燃料ガスのジェット方向を変更し、乱流を形成することができ、ガスを予混合室内に均一に混合させ、燃焼板は板状構造であり、その上方に予混合ガスの通過が許可され、板体の上下面を貫通する気孔又は貫通孔が設けられ、気孔又は貫通孔は円形、四角形、スリット又は他の不規則な形状における1種又は2種以上であり、貫通孔の直径又はスリットの幅は0.01〜10mmであり、燃焼板の厚さは0.1〜1000mmであり、点火装置は燃焼板を通過した予混合ガスを着火させることができ、前記点火装置は点火針及び/又は電熱線であってもよく、ガス予混合器及び燃焼板はいずれも中空円筒体の内壁面に固定するように接続され、触媒は無炎燃焼室内に配置され、無炎燃焼室の内壁におけるブラケットにより保持して固定され、触媒は一部又は全ての無炎燃焼室を充填することができ、ガス偏向器の出口を経て無炎燃焼室に完全に入るガスと十分に接触することができ、ガス偏向器の下開口端はガス予混合室の上開口端に接続され、ガス偏向器の上開口端の出口とする面積はガス予混合室の出口とする上開口端の面積より大きくてもよく、それに等してもよく、又はそれより小さくてもよく、ガス偏向器の出口は円形、四角形又は他の形状における1種又は2種以上であってもよく、ガス偏向器の出口は1つ又は2つ以上の貫通孔であってもよく、ガス偏向器の出口方向は無炎燃焼室の入口とする下開口端に対向するように設置され、ガス偏向器の出口サイズは任意の方向においても無炎燃焼室の入口サイズより小さく、ガス偏向器の出口及び無炎燃焼室の入口は気流方向における任意の平面に沿って投影され、ガス偏向器の出口の投影は無炎燃焼室の入口の投影領域内に位置し、無炎燃焼室の入口横断面積(入口気流方向に垂直である断面積)は偏向器7の出口横断面積(出口気流方向に垂直である断面積)の1.01〜20倍であり、ガス偏向器の出口は無炎燃焼室の入口内に伸び込んでもよく、それに面一であってもよく、又は一定の距離を離れてもよく、離れた距離はガス偏向器の出口から流れ出したガスが無炎燃焼室の入口に完全に入ることを保証する必要があり、ガス偏向器の出口断面は平面又は非平面であってもよく、無炎燃焼室は一端が開口するチャンバーであり、チャンバーは半球形又は任意の形状である一端のみが開口する中空チャンバーであってもよく、無炎燃焼室の入口とする下開口端は円形又は他の形状における1種又は2種以上であってもよく、無炎燃焼室の入口は1つ又は2つ以上の貫通孔であってもよく、開口部の任意の方向の口径サイズはいずれもガス偏向器の出口の同じ方向におけるサイズより大きく、即ち無炎燃焼室の入口の気流方向に沿う投影はガス偏向器の出口の該方向における投影を完全に被覆することができ、無炎燃焼室の入口断面は平面又は非平面であってもよく、更にガス収集室を含み、ガス収集室は中空容器であり、その上方に排気口が設けられ、ガス収集室は無炎燃焼室の下開口端をその中空の収容チャンバー内部に包囲し、更に固定ブラケットを含み、固定ブラケットは無炎燃焼室をガス偏向器の出口付近の位置に固定し、固定ブラケットはガス収集室又はガス偏向器又はガス予混合室の位置する中空容器に固定するように接続されてもよく、ガス収集室の下端に開口が設けられ、開口の周辺はガス偏向器又はガス予混合室の位置する中空容器の外壁面に密閉するように接続され、無炎燃焼室はガス収集室内に位置し、ガス収集室の内壁面と無炎燃焼室の外壁面との間に隙間が残され、該隙間の断面積はガス偏向器の出口断面積の1倍以上であり、燃焼後の排ガスを収集し、排気口から排出することができ、排気口はガス収集室の任意の位置に取り付けられてもよく、ガス収集室の2つ以上の複数の位置に2つ以上の複数の排気口を取り付けてもよく、排気口の断面積の和はガス偏向器の出口横断面積(出口気流方向に垂直である断面積)の1倍以上であり、無炎燃焼室内、無炎燃焼室の外壁面、ガス収集室内、ガス収集室の外壁面における1つ又は2つ以上の位置に熱交換装置を取り付けることができ、前記熱交換装置はシェル式、フィン式又はプレート式熱交換器等における1種又は2種以上であってもよい。
【0008】
本発明に記載の燃焼方法は、それぞれ燃料入口及び助燃性ガス入口を経てガス予混合室内に通じた燃焼ガスと助燃性ガスとを予混合させた後の空気係数を1.01〜2.5に制御し、当業者の既知する使用燃料の焼き戻し線速度及び
吹き消え速度に基づき、予混合ガスの線速度が焼き戻し線速度と
吹き消え速度との間に介在するように調節し、点火装置を起動して点火した後、無炎燃焼室及びその中に充填された触媒が赤熱又は600度以上になるまで加熱することと、予混合ガスの線速度が
吹き消え速度以上になるまで増加し、炎を消火し、同時に予混合ガスを無炎燃焼室及びその中に充填された触媒において無炎燃焼させ、気流が燃焼室の底部に到着した後に戻し、大部分の熱を持ち去り、高温排ガスはガス収集室を経て集まり、熱交換器により熱交換した後、排気口から排出し、燃焼生成物は二酸化炭素及び/又は水蒸気であり、有害物質である一酸化炭素(CO)、炭化水素化合物(HC)及び窒素酸化物(NOx)の排出濃度はそれぞれ1ppmより低く、助燃性ガス入口に通じたガスは空気、酸素ガス及び他の空気以外の酸素含有量1〜99.9vol%の酸素含有ガスの混合物であり、燃料入口に通じたガスは気体燃料、霧状液体燃料、及び空気、窒素ガス等不燃性ガスにおける1種又は2種以上を最終濃度0.1〜99.9vol%に希釈した上記気体燃料と霧状液体燃料における1種又は2種以上であり、気体燃料は天然ガス、液化石油ガス等における1種又は2種以上であり、霧状液体燃料はガソリン、ディーゼル油等における1種又は2種以上であり、触媒に多孔質耐火性材料及び金属酸化物の活性成分を含有し、前記多孔質耐火性材料は繊維状、繊維、ハニカム状又は他の通気性形状における1種又は2種以上のセラミック、石英、スピネル、炭化ケイ素及びステンレス鋼等における1種又は2種以上であってもよく、前記金属酸化物の活性成分は酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ランタン、酸化チタン、酸化鉄、酸化マンガン、酸化ケイ素、酸化ナトリウム、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化白金、酸化パラジウム、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化銀等における1種又は2種以上であってもよく、前記金属酸化物の活性成分の質量パーセントは0.1%〜85%であってもよい。
【0009】
本発明の期待効果は以下のとおりである:
本発明は汚染物質の排出が極めて低い触媒式無炎燃焼装置を起動する方法を説明し、最初にローパワー炎燃焼で無炎燃焼室及びその中に充填された触媒を加熱することと、その後に流速を増加させ、ハイパワー触媒式無炎燃焼に切り替えることを含む。
【0010】
本発明により開示された触媒式無炎燃焼装置は様々な気体及び霧状液体等の非固体燃料燃焼の熱取得プロセスに適用可能であり、前記燃焼方法に基づき、キロワット及びメガワットレベルのパワー下で触媒式無炎燃焼を行うことができ、有益な効果として、燃料が完全に燃焼し、燃焼の効率が高く、燃焼排ガスにおける炭化水素化合物、一酸化炭素及び窒素酸化物の排出量は全て1ppmより低く、高効率、省エネルギー、環境に優しく、安全的で、構造が簡単であり、安定性に優れる等の特徴を有している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は本発明の実施例による触媒式無炎燃焼装置の模式図である。図面符号: 助燃性ガス入口(1),燃料入口(2),ガス予混合器(3),ガス予混合室(4),燃焼板(5),点火装置(6),ガス偏向器(7),無炎燃焼室(8),触媒(9),固定ブラケット(10),ガス収集室(11)及び排気口(12)。当図におけるシングル破線矢印は空気の流れ方向を表し、シングル実線矢印は燃焼ガスの流れ方向を表し、ダブル破線矢印は予混合ガスの流れ方向を表し、ダブル実線矢印は煙道ガスの流れ方向を表す。
【
図2】
図2は本発明の実施例による熱交換器を有する触媒式無炎燃焼装置の模式図である。図面符号: 助燃性ガス入口(1),燃料入口(2),ガス予混合器(3),ガス予混合室(4),燃焼板(5),点火装置(6),ガス偏向器(7),無炎燃焼室(8),触媒(9),固定ブラケット(10),ガス収集室(11)及び排気口(12),フィン式熱交換器(13),伝熱流体入口(14),伝熱流体出口(15)。当図におけるシングル破線矢印は空気の流れ方向を表し、シングル実線矢印は燃焼ガスの流れ方向を表し、ダブル破線矢印は予混合ガスの流れ方向を表し、ダブル実線矢印は煙道ガスの流れ方向を表す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下は発明の実施例を詳細に説明し、前記実施例の実例は図面に示す。以下、添付図面を参照し説明するものが好ましい実施形態のみであり、本発明を限定するものではない。
【0013】
以下は
図1及び
図2を合わせ、本発明にかかる触媒式無炎燃焼装置の実施例を具体的に説明する。
【0014】
実施例1は、
図1に示すように、触媒式無炎燃焼装置であって、上端が開口し下端が密閉する中空円筒体を含み、円筒体の底端に助燃性ガス入口1及び燃料入口2が設けられ、助燃性ガス入口1及び燃料入口2の上方であって、円筒体の中下部にガス予混合器3が設けられ、ガス予混合器3の上方に燃焼板5が設けられ、円筒体の底端と燃焼板5との間に隙間が残され、ガス予混合室4が形成され、ガス予混合器3はガス予混合室4内に配置され、燃焼板5の上方に点火装置6が設けられ、円筒体の上開口端にガス偏向器7が設けられ、ガス偏向器7は上下両端が開口する中空円筒状チューブであり、円筒状チューブの下開口端は中空円筒体の上開口端に密閉するように接続され、ガス偏向器7の上方に無炎燃焼室8が設けられ、無炎燃焼室8は下端が開口し上端が密閉する中空円筒形容器であり、ガス偏向器7の上開口端は無炎燃焼室8の下開口端に対向するように設置され、ガス偏向器7の上開口端は無炎燃焼室8の下開口端から無炎燃焼室8内へ伸び込み、無炎燃焼室8内の中上部に触媒9が充填され、無炎燃焼室8は固定ブラケット10によりガス収集室11の位置する中空容器に固定するように接続され、ガス収集室11は中空容器であり、その上方に排気口12が設けられ、ガス収集室11は無炎燃焼室8の下開口端をその中空の収容チャンバー内部に包囲する。
【0015】
好ましいことに、中空円筒体の直径は100mmであり、助燃性ガス入口1から空気が入り、燃料入口2から天然ガスが入り、ガス予混合器3はメッシュ数200メッシュのコーディエライトセラミックであり、厚さは25.4mmであり、ガスを予混合室4内に均一に混合させ、燃焼板5はメッシュ数400メッシュのコーディエライトセラミックであり、燃焼板の厚さは25.4mmであり、点火装置6は燃焼板5を通過した予混合ガスを着火させることができ、ガス偏向器7の出口は円形であり、ガス偏向器7の出口方向は無炎燃焼室8の入口に対向するように設置され、ガス偏向器7の出口直径は60mmであり、無炎燃焼室8の入口の横断面積は偏向器7の出口の横断面積の1.8倍であり、偏向器7の出口は無炎燃焼室8の入口内へ10mm伸び込み、ガス偏向器7の出口断面は平面であり、無炎燃焼室8は一端が開口する円筒形中空チャンバーであり、深さは60mmであり、無炎燃焼室8の入口は直径80mmの円形であり、触媒9は無炎燃焼室8内に配置され、無炎燃焼室8の内壁におけるブラケットにより保持して固定され、触媒は70%の無炎燃焼室容積を充填し、ガス偏向器7の出口を経て無炎燃焼室8に完全に入るガスと十分に接触することができ、触媒9に多孔質セラミック材料及び質量パーセント40%の金属酸化物の活性成分を含有し、固定ブラケット10は無炎燃焼室8を偏向器7の出口付近の位置に固定し、ガス収集室11又は偏向器又は予混合室等の他の部分に接続されてもよく、ガス収集室11は燃焼後の排ガスを収集し、排気口12から排出することができ、排気口12はガス収集室11の頂部に取り付けることができ、排気口の断面積はガス偏向器7の出口の横断面積の2倍である。
【0016】
有利なことに、助燃性ガスは助燃性ガス入口1から入った後に燃料ガスの燃料入口2から入った後の気流と互いに対流させるようにし、それにより助燃性ガス及び燃料気流のプレミキサ3を経た後の予混合室4における混合効果を増加させ、燃焼板5の気孔は1mmであり、点火装置6は点火針であり、導流口7は無炎燃焼室8へ15mm伸び込み、導流口7と無炎燃焼室8との隙間の間の面積は導流口7の断面積の2.2倍であり、ガス収集室と無炎燃焼室8との隙間の間の面積は導流口7の断面積の2.5倍である。
【0017】
実施例2は、
図2に示すように、熱交換器を有する触媒式無炎燃焼装置であって、上端が開口し下端が密閉する中空円筒体を含み、円筒体の底端に助燃性ガス入口1及び燃料入口2が設けられ、助燃性ガス入口1及び燃料入口2の上方であって、円筒体の中下部にガス予混合器3が設けられ、ガス予混合器3の上方に燃焼板5が設けられ、円筒体の底端と燃焼板5との間に隙間が残され、ガス予混合室4が形成され、ガス予混合器3はガス予混合室4内に配置され、燃焼板5の上方に点火装置6が設けられ、円筒体の上開口端にガス偏向器7が設けられ、ガス偏向器7は上下両端が開口する中空円筒状チューブであり、円筒状チューブの下開口端は中空円筒体の上開口端に密閉するように接続され、ガス偏向器7の上方に無炎燃焼室8が設けられ、無炎燃焼室8は下端が開口し上端が密閉する中空半球形容器であり、ガス偏向器7の上開口端は無炎燃焼室8の下開口端に対向するように設置され、ガス偏向器7の上開口端は無炎燃焼室8の下開口端から無炎燃焼室8内へ伸び込み、無炎燃焼室8内の中上部に触媒9が充填され、無炎燃焼室8は固定ブラケット10によりガス収集室11の位置する中空容器に固定するように接続され、ガス収集室11は中空容器であり、その上方に排気口12が設けられ、ガス収集室11は無炎燃焼室8の下開口端をその中空の収容チャンバー内部に包囲し、ガス収集室11内の無炎燃焼室8の上方及びガス収集室11の外壁面にフィン式熱交換装置が取り付けられ、水を伝熱流体として利用し、水が伝熱流体入口14から入り、フィン式熱交換器により熱交換した後に伝熱流体出口15から流れ出すようになる。
【0018】
好ましいことは、中空円筒体の直径は80mmであり、助燃性ガス入口1から空気が入り、燃料入口2から天然ガスが入り、ガス予混合器3はメッシュ数200メッシュのコーディエライトセラミックであり、厚さは12mmであり、ガスを予混合室4内に均一に混合させ、燃焼板5はメッシュ数300メッシュのコーディエライトセラミックであり、燃焼板の厚さは20mmであり、点火装置6は燃焼板5を通過した予混合ガスを着火させることができ、ガス偏向器7の出口は円形であり、ガス偏向器7の出口方向は無炎燃焼室8の入口に対向するように設置され、ガス偏向器7の出口直径は50mmであり、無炎燃焼室8の入口の横断面積は偏向器7の出口の横断面積の1.5倍であり、偏向器7の出口は無炎燃焼室8の入口内へ5mm伸び込み、ガス偏向器7の出口断面は平面であり、無炎燃焼室8は一端が開口する半球形中空チャンバーであり、深さは40mmであり、無炎燃焼室8の入口は直径70mmの円形であり、触媒9は無炎燃焼室8内に配置され、無炎燃焼室8の内壁におけるブラケットにより保持して固定され、触媒は60%の無炎燃焼室容積を充填し、ガス偏向器7の出口を経て無炎燃焼室8に完全に入るガスに十分に接触することができ、触媒9に多孔質セラミック材料及び質量パーセント30%の属酸化物の活性成分を含有し、固定ブラケット10は無炎燃焼室8を偏向器7の出口付近の位置に固定し、ガス収集室11又は偏向器又は予混合室等の他の部分に接続可能であり、ガス収集室11は燃焼後の排ガスを収集し、フィン式熱交換器13を流れ、伝熱流体入口14及び出口15を出入りする伝熱流体により熱交換した後、排気口12から排出することができ、排気口12はガス収集室11の頂部に取り付けられてもよく、排気口の断面積はガス偏向器7の出口の横断面積の2倍である。
【0019】
実施例3は、定格熱パワーが20KWであるキロワットレベルの天然ガス触媒式無炎燃焼装置であって、
図2に示す構造を利用し、中空円筒体の直径は70mmであり、助燃性ガス入口1は内径40mmのステンレス鋼管であり、助燃性ガスは連続可変送風機により供給された風量を調整可能な空気であり、燃焼ガス入口2は内径9mmのステンレス鋼管であり、燃焼ガスは電磁弁により制御された流量を調整可能な天然ガス(メタン)であり、ガス予混合器3はメッシュ数200メッシュのコーディエライトセラミックであり、厚さは12mmであり、ガスを予混合室4内に均一に混合させ、燃焼板5はメッシュ数300メッシュのコーディエライトセラミックであり、燃焼板の厚さは20mmであり、予混合室4は内径65mmのステンレス鋼管であり、ガス偏向器7は予混合室4の内壁に接続された円環であり、上への傾斜角度は75度であり、出口直径は50mmであり、偏向器7の出口は無炎燃焼室8の入口内へ5mm伸び込み、ガス偏向器7の出口断面は平面であり、無炎燃焼室8は一端が開口する半球形中空チャンバーであり、深さは40mmであり、無炎燃焼室8の入口は直径70mmの円形であり、触媒9は無炎燃焼室8内に配置され、無炎燃焼室8の内壁におけるブラケットにより保持して固定され、触媒は60%の無炎燃焼室容積を充填し、ガス偏向器7の出口を経て無炎燃焼室8に完全に入るガスと十分に接触することができ、触媒9に多孔質セラミック材料及び質量パーセント30%の金属酸化物の活性成分を含有し、熱交換器13はガス収集室11の上半部に配置され、伝熱流体は水であり、排気口は内径70mmのステンレス鋼管である。
【0020】
以下の操作方法を利用し、点火時にメタン流速を7L/minとし、空気を80L/minとし、即ち空気係数が1.20であり、線速度を0.5m/sとし、熱パワーを約4.6KWとするように制御し、このローパワー炎燃焼の状況下で、CO、HC及びNOxの排出値は全て0であり(検出器の分解能は1ppmである)、20s燃焼した後、燃焼室及び触媒は赤熱に達することができ、この時に空気係数を1.20に保持し、1分間内でメタン流速を30L/minに増加させ、空気を345L/minに増加させ、即ち線速度が2.0m/sであり、熱パワーは20KWに達し、この流量増加の過程及び達成後、CO、HC及びNOxの排出値は全て0であり(検出器の分解能は1ppmである)、3時間燃焼を継続し、CO、HC及びNOxの排出値は常時0である。該実施例にかかる定格パワー20KWのキロワットレベルの天然ガス触媒式無炎燃焼装置及び上記使用方法を利用し、実現可能な有益な効果は、燃料が完全に燃焼し、熱交換の効率が95%以上大きくなり、汚染物であるCO、HC及びNOxの排出値が0である(1ppmより低い)ことである。
【0021】
実施例4は、定格熱パワーが80KWであるキロワットレベルの天然ガス触媒式無炎燃焼装置であって、
図2に示す構造を利用し、中空円筒体の直径は150mmであり、助燃性ガス入口1は内径100mmのステンレス鋼管であり、助燃性ガスは連続可変送風機により供給された風量を調整可能な空気であり、燃焼ガス入口2は内径30mmのステンレス鋼管であり、燃焼ガスは電磁弁により制御された流量を調整可能な天然ガス(メタン)であり、ガス予混合器3はメッシュ数200メッシュのコーディエライトセラミックであり、厚さは25.4mmであり、ガスを予混合室4内に均一に混合させ、燃焼板5はメッシュ数300メッシュのコーディエライトセラミックであり、燃焼板の厚さは40mmであり、予混合室4は内径150mmのステンレス鋼管であり、ガス偏向器7は予混合室4の内壁に接続された円環であり、上への傾斜角度は75度であり、出口直径は100mmであり、偏向器7の出口は無炎燃焼室8の入口内へ20mm伸び込み、ガス偏向器7の出口断面は平面であり、無炎燃焼室8は一端が開口する半球形中空チャンバーであり、深さは60mmであり、無炎燃焼室8の入口は直径160mmの円形であり、触媒9は無炎燃焼室8内に配置され、無炎燃焼室8の内壁におけるブラケットにより保持して固定され、触媒は70%の無炎燃焼室容積を充填し、ガス偏向器7の出口を経て無炎燃焼室8に完全に入るガスと十分に接触することができ、触媒9に多孔質セラミック材料及び質量パーセント50%の金属酸化物の活性成分を含有し、熱交換器13はガス収集室11の上半部に配置され、伝熱流体は水であり、排気口は内径120mmのステンレス鋼管である。
【0022】
以下の操作方法を利用し、点火時にメタン流速を14L/minとし、空気を160L/minとし、即ち空気係数が1.20であり、線速度を0.35m/sとし、熱パワーを約9.3KWとするように制御し、このローパワー炎燃焼の状況下で、CO、HC及びNOxの排出値は全て0であり(検出器の分解能は1ppmである)、15s燃焼した後、燃焼室及び触媒は赤熱に達することができ、この時に空気係数を1.20に保持し、1分間内でメタン流速を120L/minに増加させ、空気を1380L/minに増加させ、即ち線速度が3.2m/sであり、熱パワーは80KWに達し、この流量増加の過程及び達成後、CO、HC及びNOxの排出値は全て0であり(検出器の分解能は1ppmである)、2時間燃焼を継続し、CO、HC及びNOxの排出値は常時0である。該実施例にかかる定格パワー80KWのキロワットレベルの天然ガス触媒式無炎燃焼装置及び上記使用方法を利用し、実現可能な有益な効果は、燃料が完全に燃焼し、熱交換の効率が95%以上大きくなり、汚染物であるCO、HC及びNOxの排出値が0である(1ppmより低い)ことである。
【0023】
実施例5は、定格熱パワーが1.2メガワットであるメガワットレベルの天然ガス触媒式無炎燃焼装置であって、15セットの実施例4に記載の単一80キロワットの触媒式無炎燃焼器を共同で組み合わせてなる。
【0024】
実施例6は、定格熱パワーが2.1メガワットであるメガワットレベルの天然ガス触媒式無炎燃焼装置であって、
図2に示す構造を利用し、中空円筒体の直径は400mmであり、助燃性ガス入口1は内径200mmのステンレス鋼管であり、助燃性ガスは連続可変送風機により供給された風量を調整可能な空気であり、燃焼ガス入口2は内径60mmのステンレス鋼管であり、燃焼ガスは電磁弁により制御された流量を調整可能な天然ガス(メタン)であり、ガス予混合器3はメッシュ数200メッシュのコーディエライトセラミックであり、厚さは50mmであり、ガスを予混合室4内に均一に混合させ、燃焼板5はメッシュ数400メッシュのコーディエライトセラミックであり、燃焼板の厚さは60mmであり、予混合室4は内径400mmのステンレス鋼管であり、ガス偏向器7は予混合室4の内壁に接続された円環であり、上への傾斜角度は75度であり、出口直径は350mmであり、偏向器7の出口は無炎燃焼室8の入口内へ100mm伸び込み、ガス偏向器7の出口断面は平面であり、無炎燃焼室8は一端が開口する半球形中空チャンバーであり、深さは360mmであり、無炎燃焼室8の入口は直径550mmの円形であり、触媒9は于無炎燃焼室8内に配置され、無炎燃焼室8の内壁におけるブラケットにより保持して固定され、触媒は60%の無炎燃焼室容積を充填し、ガス偏向器7の出口を経て無炎燃焼室8に完全に入るガスと十分に接触することができ、触媒9に多孔質セラミック材料及び質量パーセント50%の金属酸化物の活性成分を含有し、熱交換器13はガス収集室11の上半部に配置され、伝熱流体は水であり、排気口は内径240mmのステンレス鋼管である。本発明の記述において、用語の「長さ」「幅さ」「厚さ」「上」「下」「トップ」「ボトム」「内」「外」「時計回り」などで指示する方向または位置関係は、添付図面に示した方向または位置関係に基づくものであり、単に本発明を説明するためのものであり、該当する装置または部品について特定の方向性を持つか、特定の方向に構築・操作すべきことを指示または暗示するものではないので、本発明を限定するものとして理解されるべきではない。
【0025】
本説明書において、添付された図面を参照しながら、本発明にかかる解釈的な実施例を詳細に開示するが、本発明は正確な実施例に限定されるものではなく、本発明において当業者であれば、添付された特許請求の範囲及びその等価物により定義された本発明の範囲を逸脱することなく、様々な変更及び修正を実現することができることが理解すべきである。