特許第6674051号(P6674051)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6674051基地局装置及び端末装置とQoS制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6674051
(24)【登録日】2020年3月9日
(45)【発行日】2020年4月1日
(54)【発明の名称】基地局装置及び端末装置とQoS制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/02 20090101AFI20200323BHJP
   H04W 28/24 20090101ALI20200323BHJP
   H04W 36/14 20090101ALI20200323BHJP
【FI】
   H04W28/02
   H04W28/24
   H04W36/14
【請求項の数】13
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2018-561530(P2018-561530)
(86)(22)【出願日】2017年3月6日
(65)【公表番号】特表2019-517223(P2019-517223A)
(43)【公表日】2019年6月20日
(86)【国際出願番号】KR2017002367
(87)【国際公開番号】WO2018052172
(87)【国際公開日】20180322
【審査請求日】2018年11月22日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0119450
(32)【優先日】2016年9月19日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514005836
【氏名又は名称】エスケー テレコム カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SK TELECOM CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、サン スゥ
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヨン ハン
【審査官】 三枝 保裕
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−517144(JP,A)
【文献】 特表2013−535157(JP,A)
【文献】 特表2015−515768(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に伝送するためのダウンリンクパケットに対して、サービスフローを決定する決定部;
サービスフロー別に既に定義されたQoS(Quality of Service)パラメータのうち、上記決定したサービスフローに定義されている特定QoSパラメータを確認する確認部
上記ダウンリンクパケット伝送時、上記特定QoSパラメータを適用して、上記端末へのダウンリンクパケットをサービスフロー別に決定される特定QoSで伝送する伝送部 上記サービスフローによる特定ダウンリンクパケットのヘッダに上記特定QoSパラメータを識別可能にするQoS制御情報を含ませることにより、上記端末が上記QoS制御情報に基づいて、上記サービスフローのアップリンクパケット伝送時、上記特定QoSで伝送できるようにする制御情報伝達部を含むことを特徴とする基地局装置。
【請求項2】
上記特定ダウンリンクパケットは、
上記サービスフローが開始される場合のダウンリンクパケット、及び、上記サービスフローが維持される間に上記サービスフローのQoSパラメータが変更される場合のダウンリンクパケットのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項に記載の基地局装置。
【請求項3】
上記端末が上記基地局装置とは異なるQoS制御ポリシーを支援する異なるネットワークにハンドオーバーする場合、
上記特定QoSパラメータを上記異なるQoS制御ポリシーに従ったQoSパラメータに変換するためのQoS変換情報を上記端末に提供する連動制御部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項4】
上記異なるQoS制御ポリシーは、
ベアラ(Bearer)別に相異なるQoSレベルを保証する、ベアラ単位のQoS制御ポリシーであることを特徴とする請求項に記載の基地局装置。
【請求項5】
上記QoS変換情報は、
各サービスフローをベアラにマッチングさせるサービスフロー別のマッチングルール、上記サービスフロー別のマッチングルールの優先順位、ベアラ別に既に定義されたQoSパラメータを含むことを特徴とする請求項に記載の基地局装置。
【請求項6】
上記サービスフロー別のマッチングルールの優先順位は、
上記各サービスフローが有するQoSレベルを基準として定められることを特徴とする請求項に記載の基地局装置。
【請求項7】
上記連動制御部は、
上記サービスフローの連続性が要求される場合にのみ、上記QoS変換情報を提供することを特徴とする請求項に記載の基地局装置。
【請求項8】
基地局から受信されるダウンリンクパケットのうち、特定ダウンリンクパケットのヘッダからQoS制御情報を獲得する獲得部;
上記特定ダウンリンクパケットのサービスフローに上記QoS制御情報から確認される特定QoSパラメータをマッピングさせるQoS制御部;及び、
上記サービスフローのアップリンクパケット伝送時、上記特定QoSパラメータを適用して、上記アップリンクパケットをサービスフローに定義された特定QoSで伝送する伝送部;を含むことを特徴とする端末装置。
【請求項9】
上記QoS制御部は、
上記基地局とは異なるQoS制御ポリシーを支援する異なるネットワークにハンドオーバーする場合、上記基地局から提供されるQoS変換情報に基づいて上記特定QoSパラメータを上記異なるQoS制御ポリシーに従ったQoSパラメータに変換することを特徴とする請求項に記載の端末装置。
【請求項10】
上記QoS変換情報は、
各サービスフローをベアラにマッチングさせるサービスフロー別のマッチングルール、上記サービスフロー別のマッチングルールの優先順位、ベアラ別に既に定義されたQoSパラメータを含み、
上記QoS制御部は、
上記QoS変換情報に基づいて、サービスフロー別のマッチングルールのうち、優先順位が最も高いマッチングルールから優先順位が低くなる順序に従って上記サービスフローと一致するマッチングルールを検索し、
上記サービスフローを上記検索されたマッチングルールのベアラにマッチングさせて、上記特定QoSパラメータを上記マッチングさせたベアラに定義されているQoSパラメータに変換することを特徴とする請求項に記載の端末装置。
【請求項11】
QoS制御方法において、
基地局装置が、端末に伝送するためのダウンリンクパケットに対してサービスフローを決定する決定段階;
上記基地局装置が、サービスフロー別に既に定義されたQoSパラメータのうち、上記決定したサービスフローにマッピングされた特定QoSパラメータを確認する確認段階
上記基地局装置が、上記ダウンリンクパケット伝送時、上記特定QoSパラメータを適用して、上記端末へのダウンリンクパケットをサービスフロー別に決定される特定QoSで伝送する伝送段階
上記基地局装置が、上記サービスフローによる特定ダウンリンクパケットのヘッダに上記特定QoSパラメータを識別可能にするQoS制御情報を含ませることにより、上記端末が上記QoS制御情報に基づいて、上記サービスフローのアップリンクパケット伝送時、上記特定QoSで伝送できるようにする段階を含むことを特徴とするQoS制御方法。
【請求項12】
上記基地局装置が、上記端末が上記基地局装置とは異なるQoS制御ポリシーを支援する異なるネットワークにハンドオーバーすることを確認する場合、
上記特定QoSパラメータを上記異なるQoS制御ポリシーに従ったQoSパラメータに変換するためのQoS変換情報を上記端末に提供するQoS変換情報段階をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載のQoS制御方法。
【請求項13】
QoS制御方法において、
端末装置が、基地局から受信されるダウンリンクパケットのうち、特定ダウンリンクパケットのヘッダからQoS制御情報を獲得する獲得段階;
上記端末装置が、上記特定ダウンリンクパケットのサービスフローに上記QoS制御情報に基づいて確認される特定QoSパラメータをマッピングさせるQoSマッピング段階;及び、
上記端末装置が、上記サービスフローのアップリンクパケット伝送時、上記特定QoSパラメータを適用して、上記アップリンクパケットをサービスフローに定義された特定QoSで伝送する伝送段階;を含むことを特徴とするQoS制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信サービスのパケット伝送時、QoSレベルを異にして伝送するQoS制御技術に関するものである。
【0002】
より詳しくは、本発明は、既存のベアラ単位のQoS制御方式に対比して複雑度が高くなることなく、サービスフロー単位のQoS制御を可能にする技術に関するものである。
【背景技術】
【0003】
移動通信システムでは、端末(ユーザー)が利用する通信サービスのメディア類型によってQoS(Quality of Service)レベルを異にし、通信サービスのパケット伝送時、メディア類型に合うQoSレベルを保証して伝送するQoS制御を提供している。
【0004】
これに関連して、LTEネットワークで提供するQoS制御方式は、EPS Bearer(以下、ベアラ)単位のQoS制御方式である。
【0005】
LTEネットワークでは、端末(ユーザー)が通信サービスを利用するために、データ伝送のためのEPS Bearer即ちベアラを生成することになる。
【0006】
このようなベアラは、端末と基地局との間を連結する無線区間、及び、基地局とS−GWとP−GWとの間を連結する有線区間を経て、端末とP−GWとの間に生成されるトンネル(無線区間+有線区間)と言える。
【0007】
ユーザー(端末)のデータは、このトンネル即ちベアラを通してIP基盤のパケット形態で伝送され、パケット伝送によるトラフィックの流れをサービスフロー(Service Flow)と言う。
【0008】
以前は、端末(ユーザー)に提供していた通信サービスの種類が比較的限定的であったため、いくつかの種類の通信サービスをまとめて“ベアラ”という論理的単位でQoSを適用するベアラ単位のQoS制御方式を使用した。
【0009】
したがって、既存のベアラ単位のQoS制御方式は、ベアラ別にQoSレベル(QoSパラメータ)を定義してベアラ単位でQoSを保証(適用)するため、一つのベアラを通して伝送されるサービスフローであれば全て同一のQoS(ベアラのQoSレベル)が適用されて伝送される。
【0010】
結局、既存のベアラ単位のQoS制御方式は、QoS制御の複雑度を低減できるとの長所があるが、一つのベアラに属したサービスフローに対して差等的なQoSを適用することができないという限界がある。
【0011】
このような限界は、通信サービスの種類が比較的限定的であった以前の状況では大きな問題にならなかったが、多様な種類の通信サービスが急速に開発/登場している現在または今後の状況(例:5G)では必ず改善しなければならない問題である。
【0012】
よって、本発明では、既存のベアラ単位のQoS制御方式に対比して複雑度が高くなることなく、より差等的なQoS適用が可能なサービスフロー単位のQoS制御を実現しようとする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明で達成しようとする目的は、既存のベアラ単位のQoS制御方式に対比して複雑度が高くなることなく、より差等的なQoS適用が可能なサービスフロー単位のQoS制御を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施例によれば、基地局装置は、端末に伝送するためのダウンリンクパケットに対して、サービスフローを決定する決定部;サービスフロー別に既に定義されたQoS(Quality of Service)パラメータのうち、上記決定したサービスフローに定義されている特定QoSパラメータを確認する確認部;及び、上記ダウンリンクパケット伝送時、上記特定QoSパラメータを適用して、上記端末へのダウンリンクパケットをサービスフロー別に決定される特定QoSで伝送する伝送部;を含む。
【0015】
具体的には、上記サービスフローによる特定ダウンリンクパケットのヘッダに上記特定QoSパラメータを識別可能にするQoS制御情報を含ませて、上記端末が上記QoS制御情報に基づいて、上記サービスフローのアップリンクパケット伝送時、上記特定QoSで伝送できるようにする制御情報伝達部をさらに含むことができる。
【0016】
具体的には、上記特定ダウンリンクパケットは、上記サービスフローが開始される場合のダウンリンクパケット、及び、上記サービスフローが維持される間に上記サービスフローのQoSパラメータが変更される場合のダウンリンクパケットのうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0017】
具体的には、上記端末が上記基地局装置とは異なるQoS制御ポリシーを支援する異なるネットワークにハンドオーバーする場合、上記特定QoSパラメータを上記異なるQoS制御ポリシーに従ったQoSパラメータに変換するためのQoS変換情報を上記端末に提供する連動制御部をさらに含むことができる。
【0018】
具体的には、上記異なるQoS制御ポリシーは、ベアラ(Bearer)別に相異なるQoSレベルを保証する、ベアラ単位のQoS制御ポリシーであり得る。
【0019】
具体的には、上記サービスフロー別のマッチングルールの優先順位は、上記各サービスフローが有するQoSレベルを基準として定められることができる。
【0020】
具体的には、上記連動制御部は、上記サービスフローの連続性が要求される場合にのみ、上記QoS変換情報を提供することができる。
【0021】
本発明の一実施例によれば、端末装置は、基地局から受信されるダウンリンクパケットのうち、特定ダウンリンクパケットのヘッダからQoS制御情報を獲得する獲得部;上記特定ダウンリンクパケットのサービスフローに上記QoS制御情報から確認される特定QoSパラメータをマッピングさせるQoS制御部;及び、上記サービスフローのアップリンクパケット伝送時、上記特定QoSパラメータを適用して、上記アップリンクパケットをサービスフローに定義された特定QoSで伝送する伝送部;を含む。
【0022】
具体的には、上記QoS制御部は、上記基地局とは異なるQoS制御ポリシーを支援する異なるネットワークにハンドオーバーする場合、上記基地局から提供されるQoS変換情報に基づいて上記特定QoSパラメータを上記異なるQoS制御ポリシーに従ったQoSパラメータに変換することができる。
【0023】
具体的には、上記QoS変換情報は、各サービスフローをベアラにマッチングさせるサービスフロー別のマッチングルール、上記サービスフロー別のマッチングルールの優先順位、ベアラ別に既に定義されたQoSパラメータを含むことができる。
【0024】
具体的には、上記QoS制御部は、上記QoS変換情報に基づいて、サービスフロー別のマッチングルールのうち、優先順位が最も高いマッチングルールから優先順位が低くなる順序に従って上記サービスフローと一致するマッチングルールを検索し、上記サービスフローを上記検索されたマッチングルールのベアラにマッチングさせて、上記特定QoSパラメータを上記マッチングさせたベアラに定義されているQoSパラメータに変換することができる。
【0025】
本発明の一実施例によるQoS制御方法は、基地局装置が、端末に伝送するためのダウンリンクパケットに対してサービスフローを決定する決定段階;上記基地局装置が、サービスフロー別に既に定義されたQoSパラメータのうち、上記決定したサービスフローにマッピングされた特定QoSパラメータを確認する確認段階;及び、上記基地局装置が、上記ダウンリンクパケット伝送時、上記特定QoSパラメータを適用して、上記端末へのダウンリンクパケットをサービスフロー別に決定される特定QoSで伝送する伝送段階;を含む。
【0026】
具体的には、上記基地局装置が、上記サービスフローによる特定ダウンリンクパケットのヘッダに上記特定QoSパラメータを識別可能にするQoS制御情報を含ませて、上記端末が上記QoS制御情報に基づいて、上記サービスフローのアップリンクパケット伝送時、上記特定QoSで伝送できるようにする段階をさらに含むことができる。
【0027】
具体的には、上記基地局装置が、上記端末が上記基地局装置とは異なるQoS制御ポリシーを支援する異なるネットワークにハンドオーバーすることを確認する場合、上記特定QoSパラメータを上記異なるQoS制御ポリシーに従ったQoSパラメータに変換するためのQoS変換情報を上記端末に提供するQoS変換情報段階をさらに含むことができる。
【0028】
本発明の一実施例によるQoS制御方法は、端末装置が、基地局から受信されるダウンリンクパケットのうち、特定ダウンリンクパケットのヘッダからQoS制御情報を獲得する獲得段階;上記端末装置が、上記特定ダウンリンクパケットのサービスフローに上記QoS制御情報に基づいて確認される特定QoSパラメータをマッピングさせるQoSマッピング段階;及び、上記端末装置が、上記サービスフローのアップリンクパケット伝送時、上記特定QoSパラメータを適用して、上記アップリンクパケットをサービスフローに定義された特定QoSで伝送する伝送段階;を含む。
【発明の効果】
【0029】
よって、本発明の基地局装置及び端末装置と、QoS制御方法によれば、既存のベアラ単位のQoS制御方式に対比して複雑度が高くなることなく、サービスフロー単位のQoS制御を可能にすることにより、通信サービス別により差等的なQoS即ちサービス品質を適用する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】既存のベアラ単位のQoS制御方式を示した例示図である。
図2】本発明の一実施例によるサービスフロー単位のQoS制御方式を示した例示図である。
図3】本発明の一実施例によるQoS制御方法(サービスフロー単位のQoS制御)を基地局の観点で説明する制御流れ図である。
図4】本発明の一実施例によるQoS制御方法(サービスフロー単位のQoS制御)を端末の観点で説明する制御流れ図である。
図5】本発明の一実施例によるQoS制御方法(ハンドオーバー前/後のシステム間のQoS制御方式の連動)を基地局の観点で説明する制御流れ図である。
図6】本発明の一実施例によるQoS制御方法(ハンドオーバー前/後のシステム間のQoS制御方式の連動)を端末の観点で説明する制御流れ図である。
図7】本発明の一実施例による基地局装置の構成を示したブロック図である。
図8】本発明の一実施例による端末装置の構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して本発明について説明する。
【0032】
先ず、本発明に関する具体的な説明に先立って、本発明で提案するサービスフロー単位のQoS制御方式により達成される機能(効果)を説明すると、次の通りである。
【0033】
本発明によって達成される効果は、別途のシグナリングなしにサービスフロー単位のQoS制御に必要な情報(QoS制御情報)を端末に知らせる点、Piggyback形態でQoS制御情報を伝達してパケット検査効率を高める点、ハンドオーバー前/後のシステム間のQoS制御方式の連動を可能にして、ハンドオーバー時の端末の通信サービスの途切れを最小化する点、また、ハンドオーバー前/後のシステム間のQoS制御方式の連動を通信サービスの敏感度によって選択的に反映する点等がある。
【0034】
以下では、本発明で提案するサービスフロー単位のQoS制御方式を実現する装置及び/又は構成について説明し、その過程で達成される上述の効果をより具体的に説明する。
【0035】
一方、図1を参照して既存のベアラ単位のQoS制御方式を説明する。
【0036】
既存のベアラ単位のQoS制御方式は、いくつかの種類の通信サービスをまとめてEPS Bearer即ちベアラという論理的単位でQoSを適用(補正)する方式である。
【0037】
よって、以前は、図1に示されているように、ベアラ単位のQoS制御方式を使用するために、端末(ユーザー)には利用しようとする通信サービスで要求されるQoSを保証するベアラ、例えばBearer1、2が生成される。
【0038】
このとき、Bearer1、2それぞれは、Default Bearerでもよく、Dedicated Bearerでもよい。
【0039】
そして、図1に示されているように、端末が利用する通信サービス1のサービスフロー1、通信サービス2のサービスフロー2が一つのベアラ(Bearer1)に属し、端末が利用する通信サービス3のサービスフロー3、通信サービス4のサービスフロー4が一つのベアラ(Bearer2)に属すると仮定する。
【0040】
この場合、Bearer1を通して伝送されるサービスフロー1、2にはいずれも同一のQoS即ちBearer1のQoSレベル(QoSパラメータA)が適用され、Bearer2を通して伝送されるサービスフロー3、4にはいずれも同一のQoS即ちBearer2のQoSレベル(QoSパラメータB)が適用される。
【0041】
結局、既存のベアラ単位のQoS制御方式は、ベアラという論理的単位でQoSを適用するため、QoS制御の複雑度を低減できるという長所があるが、一つのベアラに属したサービスフローに対して差等的なQoSを適用することができないという限界がある。
【0042】
よって、本発明では、図2に示されているように、サービスフロー単位のQoS制御を実現して、通信サービス別により差等的なQoS即ちサービス品質を適用しようとする。
【0043】
ところで、サービスフロー単位のQoS制御を実現することになれば、既存のベアラ単位のQoS制御方式に対比してQoS制御の複雑度が高くなる。
【0044】
よって、本発明では、既存のベアラ単位のQoS制御方式に対比して複雑度が高くなることなく、通信サービス別に差等的なQoS適用を可能にするサービスフロー単位のQoS制御方式を提案する。
【0045】
図3を参照して、本発明のQoS制御方法(サービスフロー単位のQoS制御)を基地局の観点で説明する。
【0046】
ついては、説明の便宜のために、本発明のQoS制御方法を基地局装置100の動作方法に代えて言及しながら説明する。
【0047】
本発明のQoS制御方法、即ち基地局装置100の動作方法は、端末200に伝送するためのダウンリンクパケットに対して、サービスフローを決定する。
【0048】
即ち、基地局装置100の動作方法は、ネットワーク(図示せず)から端末200に伝送するためのダウンリンクパケットが受信されると(S100)、ダウンリンクパケットのヘッダから確認される5−tuple即ちSource IP、Destination IP、Source Port、Destination Port、ProtocolIDに基づいてサービスフローを決定する(S110)。
【0049】
以下では、説明の便宜のために、当該ダウンリンクパケットのサービスフローを、サービスフロー1として決定した場合と仮定して説明する。
【0050】
基地局装置100の動作方法は、サービスフロー別に既に定義されたQoS(Quality of Service)パラメータのうち、当該ダウンリンクパケットのサービスフロー1に定義されている特定QoSパラメータを確認する(S120)。
【0051】
以下では、説明の便宜上、サービスフロー1に定義されている特定QoSパラメータを、QoSパラメータ1と称して説明する。
【0052】
このとき、基地局装置100の動作方法は、当該ダウンリンクパケットがQoS制御情報を含ませるべき特定ダウンリンクパケットであるかを確認する(S130)。
【0053】
例えば、基地局装置100の動作方法は、当該ダウンリンクパケットが、端末200が通信サービス1を利用し始めて端末200に対するサービスフロー1が開始される時点のダウンリンクパケットであるか、端末200に対するサービスフロー1が維持される間にサービスフロー1のQoSパラメータ1が変更される場合の変更時点のダウンリンクパケットであれば、QoS制御情報を含ませるべき特定ダウンリンクパケットであると確認することができる。
【0054】
基地局装置100の動作方法は、S130段階で当該ダウンリンクパケットが特定ダウンリンクパケットではないと確認されれば、ダウンリンクパケット伝送時、QoSパラメータ1を適用して、端末200へのダウンリンクパケットをサービスフロー1に定義された特定QoSで伝送する。
【0055】
一方、基地局装置100の動作方法は、S130段階で当該ダウンリンクパケットが特定ダウンリンクパケットとして確認されれば、当該ダウンリンクパケットのヘッダ、より具体的にはL2ヘッダにQoS制御情報を含ませ(S135)、ダウンリンクパケット伝送時、QoSパラメータ1を適用して、端末200へのダウンリンクパケットをサービスフロー1に定義された特定QoSで伝送する。
【0056】
即ち、基地局装置100の動作方法は、ダウンリンクパケット伝送時、該当パケットのサービスフローに定義されているQoSパラメータ(QoSレベル)を適用して伝送することにより、サービスフロー単位でQoSレベルを保証して伝送するのである。
【0057】
図2に示されているように、端末200が通信サービス1、2、3、4を利用することにより、端末200に対するサービスフロー1、2、3、4が発生すると仮定する。
【0058】
この場合、本発明の基地局装置100は、通信サービス1のパケット伝送時、該当パケットのサービスフロー1に定義されたQoSパラメータ1(QoSレベル1)を適用して伝送し、通信サービス2のパケット伝送時、該当パケットのサービスフロー2に定義されたQoSパラメータ2(QoSレベル2)を適用して伝送し、通信サービス3のパケット伝送時、該当パケットのサービスフロー3に定義されたQoSパラメータ3(QoSレベル3)を適用して伝送し、通信サービス4のパケット伝送時、該当パケットのサービスフロー4に定義されたQoSパラメータ4(QoSレベル4)を適用して伝送することにより、サービスフロー単位でQoSレベルを保証して伝送することができる。
【0059】
この時、本発明の基地局装置100は、ダウンリンクトラフィックにサービスフロー単位のQoS制御を行いながら、別途の制御メッセージ(別途のシグナリング)を使用せず、サービスフロー単位のQoS制御に必要な情報(QoS制御情報)を端末に知らせることができる。
【0060】
以下では、図4を参照して、本発明のQoS制御方法(サービスフロー単位のQoS制御)を端末の観点で説明する。
【0061】
説明の便宜のために、本発明のQoS制御方法を端末装置200の動作方法に代えて言及して説明する。
【0062】
本発明のQoS制御方法、即ち端末装置200の動作方法は、基地局100からダウンリンクパケットを受信すると(S200)、ダウンリンクパケットのヘッダ、より具体的には、L2ヘッダで識別情報が記録されるフィールドを確認し、識別情報があれば、識別情報を見てQoSパラメータを含んでいる特定ダウンリンクパケットであるかを識別する(S210)。
【0063】
端末装置200の動作方法は、当該受信されたダウンリンクパケットがQoSパラメータを含んでいる特定ダウンリンクパケットであると識別されれば(S210 Yes)、該当ダウンリンクパケットのヘッダ(L2ヘッダ)からQoS制御情報を獲得することができる(S220)。
【0064】
よって、端末装置200の動作方法は、当該受信された特定ダウンリンクパケットのサービスフローに、先に獲得したQoS制御情報から確認される特定QoSパラメータをマッピングさせる(S230)。
【0065】
より具体的に説明すれば、端末装置200の動作方法は、当該受信された特定ダウンリンクパケットのヘッダから確認される5−tuple即ちSource IP、Destination IP、Source Port、Destination Port、Protocol IDに基づいて、特定ダウンリンクパケットのサービスフローを確認することができる。
【0066】
上述の例示のように、基地局100がサービスフロー1として決定し、サービスフロー1に定義されたQoSパラメータ1を識別可能にするQoS制御情報を特定ダウンリンクパケットのヘッダに含ませて伝送した場合と仮定する。
【0067】
この場合であれば、端末装置200の動作方法は、特定ダウンリンクパケットのヘッダから確認される5−tupleに基づいて、サービスフロー1を確認する。
【0068】
よって、端末装置200の動作方法は、特定ダウンリンクパケットのサービスフロー1に、先に獲得したQoS制御情報から確認されるQoSパラメータ1をマッピングさせる。
【0069】
この時、端末装置200の動作方法は、サービスフロー1を決定する根拠になる5−tuple(Source IP、Destination IP、Source Port、Destination Port、Protocol ID)にQoSパラメータ1をマッピングさせることにより、サービスフロー1にQoSパラメータ1をマッピングさせたサービスフロー及びQoSパラメータマッピング情報を保存することができる。
【0070】
そして、端末装置200の動作方法は、当該受信したダウンリンクパケットを処理する(S240)。
【0071】
勿論、端末装置200の動作方法は、S210段階で当該受信されたダウンリンクパケットが特定パケットではないと識別されれば、S220、S230段階なしに、当該受信したダウンリンクパケットを処理する(S240)。
【0072】
このような端末装置200の動作方法は、以後、サービスフロー1のアップリンクパケット伝送時、先にサービスフロー1にマッピングさせたQoSパラメータ1を適用して、アップリンクパケットをサービスフロー1に定義された特定QoSで伝送する(S250)。
【0073】
即ち、端末装置200の動作方法は、アップリンクパケット伝送時、伝送対象であるアップリンクパケットのヘッダから確認される5−tupleに基づいてサービスフローを確認する。
【0074】
例えば、端末装置200の動作方法は、サービスフロー1として確認されれば、当該アップリンクパケット伝送時、先にサービスフロー1にマッピングさせたQoSパラメータ1を適用して伝送することにより、サービスフロー1のアップリンクパケットをサービスフロー1に定義された特定QoSで伝送することができる。
【0075】
よって、図2に示されているように、端末装置200が通信サービス1、2、3、4を利用することによって、端末装置200に対するサービスフロー1、2、3、4が発生すると仮定する。
【0076】
この場合、本発明の端末装置200は、通信サービス1のパケット伝送時、該当パケットのサービスフロー1に定義されたQoSパラメータ1(QoSレベル1)を適用して伝送し、通信サービス2のパケット伝送時、該当パケットのサービスフロー2に定義されたQoSパラメータ2(QoSレベル2)を適用して伝送し、通信サービス3のパケット伝送時、該当パケットのサービスフロー3に定義されたQoSパラメータ3(QoSレベル3)を適用して伝送し、通信サービス4のパケット伝送時、該当パケットのサービスフロー4に定義されたQoSパラメータ4(QoSレベル4)を適用して伝送することにより、サービスフロー単位でQoSレベルを保証して伝送することができる。
【0077】
この時、端末装置200の動作方法は、別途のシグナリングなしに、ダウンリンクパケットのヘッダからサービスフロー単位のQoS制御に必要な情報(QoS制御情報)を獲得して知ることができ、これに基づいて、パケット伝送時、サービスフロー単位でQoSレベルを保証して伝送することができる。
【0078】
以上、図3及び図4を参照した説明から分かるように、本発明のサービスフロー単位のQoS制御方式によれば、ダウンリンクトラフィックにサービスフロー単位のQoS制御を行い、QoS制御情報をダウンリンクトラフィックの特定パケットのヘッダに入れるPiggy back形態で端末に伝達すると、端末がこれを基にアップリンクトラフィックにダウンリンクトラフィックと同一のサービスフロー単位のQoS制御を遂行する。
【0079】
以下では、図5を参照して、本発明のQoS制御方法(ハンドオーバー前/後のシステム間のQoS制御方式の連動)を基地局の観点で説明する。
【0080】
ついては、説明の便宜のために、本発明のQoS制御方法を基地局装置100の動作方法に代えて言及して説明する。
【0081】
基地局装置100の動作方法は、端末200が基地局装置100とは異なるQoS制御ポリシー、即ちベアラ単位のQoS制御ポリシー(制御方式)を支援するLTEネットワークにハンドオーバーする場合(S150)、端末200が利用する通信サービスのサービスタイプを確認する。
【0082】
基地局装置100の動作方法は、端末200が利用する通信サービスのサービスタイプがVoIP、ビデオ通話などのようにSession Continuity保証が重要なタイプならば、サービスフローの連続性が要求されることと判断する(S160 Yes)。
【0083】
基地局装置100の動作方法は、端末200に対するサービスフローの連続性が要求される場合(S160 Yes)、サービスフローのQoSパラメータをベアラ単位のQoS制御方式に従ったQoSパラメータに変換するためのQoS変換情報を端末200に提供する。
【0084】
例えば、基地局装置100は、ネットワーク(図示せず)との連動を通して端末200がハンドオーバーするターゲットセルを選択し、ハンドオーバーに必要なポリシー及び命令(以下、ハンドオーバー情報)を端末200に提供することにより、端末200をしてハンドオーバー情報に基づいて現在セル(基地局装置100)からターゲットセルへのハンドオーバーを行わせるようにする。
【0085】
この時、基地局装置100の動作方法は、端末200にハンドオーバー情報が提供されるとき、QoS変換情報を共に提供し、以後、既存のように端末200とのセッションを解除する(S180)。
【0086】
一方、基地局装置100の動作方法は、端末200に対するサービスフローの連続性が要求されない場合(S160 No)、QoS変換情報を端末200に提供しない。
【0087】
例えば、基地局装置100の動作方法は、既存のように端末200にハンドオーバー情報を提供し、以後、端末200とのセッションを解除する(S170)。
【0088】
このようにすれば、基地局装置100の動作方法は、端末200がベアラ単位のQoS制御方式を支援するLTEネットワークにハンドオーバーする場合、端末200に対するサービスフローの連続性の要求有無、即ち通信サービスの敏感度によって選択的にQoS変換情報を提供することにより、不要な追加処理プロセスによる負荷増加を予防することができる。
【0089】
即ち、基地局装置100の動作方法は、ハンドオーバー前/後のシステム間のQoS制御方式の連動を可能にして、ハンドオーバー時の端末の通信サービスの途切れを最小化し、ハンドオーバー前/後のシステム間のQoS制御方式の連動を通信サービスの敏感度(サービスフローの連続性の要求有無)によって選択的に反映することができる。
【0090】
以下では、図6を参照して、本発明のQoS制御方法(ハンドオーバー前/後のシステム間のQoS制御方式の連動)を端末の観点で説明する。
【0091】
ついては、説明の便宜のために、本発明のQoS制御方法を端末装置200の動作方法に代えて言及して説明する。
【0092】
端末装置200の動作方法は、ハンドオーバーの必要条件を満たしてハンドオーバーされる場合(S260)、基地局100からハンドオーバー情報を受信する(S270)。
【0093】
この時、端末装置200の動作方法は、ハンドオーバー情報と共にQoS変換情報を受信した場合であれば、QoSパラメータ変換が必要と判断する(S280 Yes)。
【0094】
先に説明したように、QoS変換情報は、各サービスフローをベアラにマッチングさせるサービスフロー別のマッチングルール、上記サービスフロー別のマッチングルールの優先順位、ベアラ別に定義されるQoSパラメータを含む。
【0095】
サービスフロー別のマッチングルールの優先順位は、各サービスフローが有するQoSレベルを基準として決まる。
【0096】
具体的には、サービスフロー別のマッチングルールにおいて、特定サービスフローのマッチングルールは、上記特定サービスフローよりも低いQoSレベルを有するサービスフローのマッチングルールに対比して、同一または高い優先順位に決まることになる。
【0097】
例えば、サービスフロー別のマッチングルールのうち、サービスフロー1をベアラにマッチングさせるサービスフロー1のマッチングルールは、サービスフロー1よりも低いQoSレベルを有するサービスフローのマッチングルールに対比して、同一または高い優先順位に決まるのである。
【0098】
これは、言い換えれば、サービスフロー別のマッチングルールの優先順位は、最も高いQoSレベルのサービスフローからQoSレベルが低くなるサービスフローの順序に従って、優先順位が低くなることを意味する。
【0099】
また、サービスフロー別のマッチングルールそれぞれは、該当サービスフローと一致するマッチングルールが検索されることができるように検索因子を含み、この検索因子は、サービスフローの決定の根拠となる5−tuple(Source IP、Destination IP、Source Port、Destination Port、Protocol ID)として定義されることができる。
【0100】
よって、QoSパラメータ変換過程をより具体的に説明すると、次の通りである。
【0101】
先ず、端末装置200の動作方法は、QoS変換情報に基づいて、先に保存しているサービスフロー及びQoSパラメータマッピング情報のサービスフローに対して、サービスフロー別のマッチングルールのうち優先順位が最も高いマッチングルールから優先順位が低くなる順序に従ってサービスフロー(検索因子)が一致するマッチングルールを検索する(S290)。
【0102】
サービスフロー1及びQoSパラメータ1のマッピング情報を例として挙げれば、端末装置200の動作方法は、サービスフロー1(Source IP、Destination IP、Source Port、Destination Port、Protocol ID)と、サービスフロー別のマッチングルールのうち優先順位が最も高いマッチングルール2(表2参照)の検索因子(Source IP、Destination IP、Source Port、Destination Port、Protocol ID)とを比較して、一致するか否かを確認する。もし一致すれば、端末装置200の動作方法は、マッチングルール2をサービスフロー1と一致するマッチングルールとして決定する。
【0103】
もし一致しなければ、端末装置200の動作方法は、サービスフロー1(Source IP、Destination IP、Source Port、Destination Port、Protocol ID)と、サービスフロー別のマッチングルールのうちマッチングルール2の次に優先順位が高いマッチングルール3(表2参照)の検索因子(Source IP、Destination IP、Source Port、Destination Port、Protocol ID)とを比較して、一致するか否かを確認する。
【0104】
このように、端末装置200の動作方法は、利用中の通信サービスのサービスフローに対して、サービスフロー別のマッチングルールのうち優先順位が最も高いマッチングルールから優先順位が低くなる順序に従ってサービスフロー(検索因子)が一致するマッチングルールを検索する。
【0105】
このようにすると、端末装置200の動作方法は、QoSパラメータ変換時、優先順位が最も高い、言い換えれば最も高いQoSレベルのサービスフローに対するマッチングルールから一致するか否かを確認して検索することができるため、QoSパラメータ変換速度及び性能を高めることができる。
【0106】
以下では、説明の便宜のために、マッチングルール2をサービスフロー1と一致するマッチングルールとして決定した場合と仮定する。
【0107】
この場合、端末装置200の動作方法は、サービスフロー1を上記検索されたマッチングルール2によるベアラ(例:ベアラ1)にマッチングさせ(S300)、サービスフロー1のQoSパラメータ1を上記マッチングさせたベアラ(例:ベアラ1)に定義されているQoSパラメータ(例:QoSパラメータA)に変換する(S310)。
【0108】
もし、端末装置200の動作方法は、サービスフロー別のマッチングルールのうちサービスフロー1と一致するマッチングルールを検索することができなかった場合であれば、サービスフロー1(通信サービス1)をDefault Bearerにマッチングさせることができる。
【0109】
このように、端末装置200の動作方法は、ハンドオーバーを行う過程中、QoS変換情報を利用して自身が保有(マッピング/保存)しているサービスフロー単位のQoS制御方式のQoSパラメータ(例:QoSパラメータ1)をベアラ単位のQoS制御方式のQoSパラメータ(例:QoSパラメータA)に変換することができる。
【0110】
勿論、端末装置200の動作方法は、QoSパラメータ変換とは別に、基地局100とのセッション解除、ターゲットセルへのハンドオーバー遂行など、全般的なハンドオーバー遂行を進める(S320)。
【0111】
このようにすると、端末装置200の動作方法は、ターゲットセルへのハンドオーバー以後は、既存のベアラ単位のQoS制御方式に従って、アップリンクパケット伝送時、サービスフロー(通信サービス)がマッピングされたベアラ単位でQoSレベルを保証して伝送することができる(S320)。
【0112】
一方、端末装置200の動作方法は、QoSパラメータの変換が必要ではないと判断されれば(S280 No)、基地局100とのセッション解除、ターゲットセルへのハンドオーバー遂行など、全般的なハンドオーバー遂行を進める(S285)。
【0113】
以上、説明したように、本発明は、サービスフロー単位のQoS制御を行いながら、別途のシグナリングなしにサービスフロー単位のQoS制御に必要な情報(QoS制御情報)を端末に知らせる効果、Piggyback形態でQoS制御情報を伝達してパケット検査効率を高める効果、ハンドオーバー前/後のシステム間のQoS制御方式の連動を可能にしてハンドオーバー時の端末の通信サービスの途切れを最小化する効果、また、ハンドオーバー前/後のシステム間のQoS制御方式の連動を通信サービスの敏感度によって選択的に反映する効果を有する。
【0114】
以下では、本発明で提案するサービスフロー単位のQoS制御方式を実現する装置、即ち基地局装置と端末装置について具体的に説明する。
【0115】
先ず、図7を参照して、本発明の望ましい実施例による基地局装置の構成を説明する。
【0116】
図7に示されているように、本発明の基地局装置100は、端末に伝送するためのダウンリンクパケットに対して、サービスフローを決定する決定部110と、サービスフロー別に既に定義されたQoSパラメータのうち上記決定したサービスフローに定義された特定QoSパラメータを確認する確認部120と、上記ダウンリンクパケット伝送時、上記特定QoSパラメータを適用して、上記端末へのダウンリンクパケットをサービスフローに定義された特定QoSで伝送する伝送部150とを含む。
【0117】
以下では、説明の便宜のために、端末を図2の端末装置200と称して説明する。
【0118】
決定部110は、端末200に伝送するためのダウンリンクパケットに対して、サービスフローを決定する。
【0119】
即ち、決定部110は、ネットワーク(図示せず)から端末200に伝送するためのダウンリンクパケットが伝達されると、ダウンリンクパケットのヘッダから確認される情報に基づいてダウンリンクパケットのサービスフローを決定する。
【0120】
この時、ダウンリンクパケットは、QoS制御のために、5−tuple Ruleが適用されたIP基盤のパケット形態を有する。
【0121】
したがって、決定部110は、ダウンリンクパケットのヘッダから確認される5−tuple、即ちSource IP、Destination IP、Source Port、Destination Port、Protocol IDに基づいて、サービスフローを決定することができる。
【0122】
以下では、説明の便宜のために、当該ダウンリンクパケットのサービスフローを、サービスフロー1として決定した場合と仮定して説明する。
【0123】
確認部120は、サービスフロー別に既に定義されたQoSパラメータのうち、当該決定されたサービスフローに定義された特定QoSパラメータを確認する。
【0124】
例えば、確認部120は、サービスフロー別に既に定義されたQoSパラメータのうち、サービスフロー1に定義された特定QoSパラメータを確認する。
【0125】
この時、確認部120は、サービスフロー別に既に定義されたQoSパラメータを保有し、保有したサービスフロー別のQoSパラメータからサービスフロー1に定義された特定QoSパラメータを検索して確認することもできる。
【0126】
または、確認部120は、サービスフロー別のQoSパラメータを保有せず、端末200が通信サービス1(サービスフロー1)を利用するためのセッションを連結する過程で別途のネットワーク装備(例:P−GWなど)からサービスフロー1に定義された特定QoSパラメータを獲得して確認することもできる。
【0127】
QoSパラメータは、次の表1のような情報のうちの一つ以上として定義されることができる。
【0128】
【表1】
【0129】
以下では、説明の便宜上、サービスフロー1に定義された特定QoSパラメータを、QoSパラメータ1と称して説明する。
【0130】
伝送部150は、ダウンリンクパケット伝送時、確認部120で確認した特定QoSパラメータ(例:QoSパラメータ1)を適用して、端末200へのダウンリンクパケットをサービスフロー1に定義された特定QoSで伝送する。
【0131】
即ち、伝送部150は、ダウンリンクパケット伝送時、該当パケットのサービスフローに定義されたQoSパラメータ(QoSレベル)を適用して伝送することにより、サービスフロー単位でQoSレベルを保証して伝送する。
【0132】
以上では、本発明のサービスフロー単位のQoS制御方式を、ダウンリンクトラフィックを基準として説明した。
【0133】
アップリンクトラフィックに対して本発明のサービスフロー単位のQoS制御方式を適用するためには、サービスフロー単位のQoS制御に必要な情報(QoS制御情報)を端末に知らせる過程が必要である。
【0134】
ところで、この過程で別途の制御メッセージを使用するならば、新しいサービスフローが発生する度に制御メッセージを送受信しなければならないため、既存のベアラ単位のQoS制御方式に対比してQoS制御の複雑度が高くなる。
【0135】
よって、本発明では、別途の制御メッセージ(別途のシグナリング)を使用しなくも、サービスフロー単位のQoS制御に必要な情報(QoS制御情報)を端末に知らせる方案を提案する。
【0136】
具体的には、図7に示されているように、本発明の基地局装置100は、制御情報伝達部130をさらに含む。
【0137】
制御情報伝達部130は、サービスフローによる特定ダウンリンクパケットのヘッダに特定QoSパラメータを識別可能にするQos制御情報を含ませて、端末200がQoS制御情報に基づいてサービスフローのアップリンクパケットを伝送する時、特定QoSで伝送することができるようにする。
【0138】
即ち、制御情報伝達部130は、サービスフロー例えばサービスフロー1によるダウンリンクパケットのうち特定ダウンリンクパケットのヘッダに、QoS制御情報を含ませることにより、QoS制御情報を端末200に知らせる。
【0139】
この時、QoS制御情報は、QoSパラメータを含んでいるパケットであるか否かを識別する識別情報と、サービスフロー(例:サービスフロー1)に定義されている特定QoSパラメータ(例:QoSパラメータ1)を含む。
【0140】
そして、上述の特定ダウンリンクパケットは、サービスフローが開始される場合のダウンリンクパケット、及び、サービスフローが維持される間に、サービスフローのQoSパラメータが変更される場合のダウンリンクパケットのうちの少なくとも一つを意味する。
【0141】
例えば、制御情報伝達部130は、端末200が通信サービス1を利用し始めて端末200に対するサービスフロー1が開始される時点の特定ダウンリンクパケットのヘッダに、QoS制御情報を含ませることができる。
【0142】
または、制御情報伝達部130は、端末200が通信サービス1の利用を持続して端末200に対するサービスフロー1が維持される間に、サービスフロー1のQoSパラメータ1が変更される場合の変更時点の特定ダウンリンクパケットのヘッダに、QoS制御情報を含ませることができる。
【0143】
ここで、QoS制御情報を含ませるヘッダは、パケットの構造上、受信時に最も先に処理されるヘッダであることが望ましく、例えばL(Layer)2ヘッダであり得る。
このようにすると、特定ダウンリンクパケットを受信する端末200では、特定ダウンリンクパケットのヘッダから、サービスフロー単位のQoS制御に必要な情報(QoS制御情報)が分かるため、これに基づいてアップリンクパケットを伝送する時、サービスフロー単位でQoSレベルを保証して伝送することができる。
【0144】
このように、本発明では、別途の制御メッセージ(別途のシグナリング)を使用せず、サービスフロー単位のQoS制御に必要な情報(QoS制御情報)を端末に知らせることができる。
【0145】
一方、本発明のサービスフロー単位のQoS制御方式を実現する基地局装置100は、異なるQoS制御ポリシー、例えば既存のベアラ単位のQoS制御方式を支援するLTEネットワークと重畳する領域に位置することがあり、この場合、端末200がLTEネットワークにハンドオーバーされることもある。
【0146】
この場合、ハンドオーバー前/後のシステム間のQoS制御方式が互いに異なるため、ハンドオーバー後のシステムで端末200に対して通信サービスを途切れなしに提供しながらQoS制御を提供することが不可能になり得る。
【0147】
よって、本発明では、端末が既存のベアラ単位のQoS制御方式を支援するネットワークにハンドオーバーされる場合を考慮して、ハンドオーバー前/後のシステム間のQoS制御方式の連動を可能にする方案を提案する。
【0148】
具体的には、図7に示されているように、本発明の基地局装置100は、連動制御部140をさらに含む。
【0149】
連動制御部140は、端末200が基地局装置100とは異なるQoS制御ポリシーを支援する異なるネットワークにハンドオーバーする場合、上記特定QoSパラメータを上記異なるQoS制御ポリシーに従ったQoSパラメータに変換するためのQoS変換情報を端末200に提供する。
【0150】
即ち、連動制御部140は、端末200が基地局装置100とは異なるQoS制御ポリシー即ちベアラ単位のQoS制御ポリシー(方式)を支援するLTEネットワークにハンドオーバーする場合、サービスフロー1のQoSパラメータ1をベアラ単位のQoS制御方式に従ったQoSパラメータに変換するためのQoS変換情報を端末200に提供するのである。
【0151】
より具体的に説明すれば、端末200がハンドオーバーの必要条件を満たし、基地局装置100が端末200のハンドオーバーの必要を決定すれば、基地局装置100はネットワーク(図示せず)との連動を通して端末200がハンドオーバーするターゲットセルを選択し、ハンドオーバーに必要なポリシー及び命令(以下、ハンドオーバー情報)を端末200に提供することにより、端末200をしてハンドオーバー情報に基づいて現在セル(基地局装置100)からターゲットセルへのハンドオーバーを行わせるようにする。
【0152】
この時、連動制御部140は、端末200がベアラ単位のQoS制御方式を支援するLTEネットワークにハンドオーバーする場合であれば、端末200にハンドオーバー情報が提供される時、QoS変換情報を共に提供する。
【0153】
ここで、QoS変換情報は、各サービスフローをベアラにマッチングさせるサービスフロー別のマッチングルール、上記サービスフロー別のマッチングルールの優先順位、ベアラ別に定義されるQoSパラメータを含む。
【0154】
そして、サービスフロー別のマッチングルールの優先順位は、各サービスフローが有するQoSレベルを基準として決まる。
【0155】
このように、QoSレベルを基準としてサービスフロー別のマッチングルールの優先順位を決める理由は、後述する本発明の端末装置に関する説明で具体的に言及する。
【0156】
このようにすれば、端末200では、ハンドオーバー情報を受信し、これに基づいて現在セル(基地局装置100)からターゲットセルへのハンドオーバーを行う過程中、QoS変換情報を利用して自身が保有(マッピング/保存)しているサービスフロー単位のQoS制御方式のQoSパラメータをベアラ単位のQoS制御方式のQoSパラメータに変換することができる。
【0157】
よって、本発明では、端末がサービスフロー単位のQoS制御方式のシステムからベアラ単位のQoS制御方式のシステムにハンドオーバーされる場合、サービスフロー単位のQoSパラメータをベアラ単位のQoSパラメータに変換(マッチング)することができる情報を端末に伝達して、ハンドオーバー時の端末の通信サービスの途切れを最小化することができる。
【0158】
ここで、端末200がハンドオーバーを行う過程中にQoSパラメータを変換する場合、QoSパラメータを変換しない場合と比較するとき、処理プロセスが追加されるのであり、このような追加処理プロセスは端末200の立場ではハンドオーバー時に小さな量ではあるが負荷増加として作用する。
【0159】
一方、端末200がインターネット検索や電子メールの閲覧などのようにSession Continuity保証が重要ではない通信サービスのみ利用しているならば、端末200がベアラ単位のQoS制御方式を支援するLTEネットワークにハンドオーバーする場合、通信サービスが多少途切れてもユーザーの体感には大きい影響がないはずである。
【0160】
したがって、このような状況で端末200がハンドオーバーを行う過程中にQoSパラメータを変換することは、むしろ不要な場合もある。
【0161】
よって、連動制御部140は、端末200がベアラ単位のQoS制御方式を支援するLTEネットワークにハンドオーバーする場合、端末200に対するサービスフローの連続性が要求される場合にだけQoS変換情報を提供することもできる。
【0162】
この時、連続性が要求されるサービスフローは、事前に定義することによって変わることができ、例えばVoIP、ビデオ通話などのようにSession Continuity保証が重要な通信サービスのサービスフローとして定義することができる。
【0163】
このようにすると、連動制御部140は、端末200がベアラ単位のQoS制御方式を支援するLTEネットワークにハンドオーバーする場合、端末200に対するサービスフローの連続性の要求有無、即ち通信サービスの敏感度によって選択的にQoS変換情報を提供することにより、不要な追加処理プロセスによる負荷増加を予防することができる。
【0164】
以上で説明したように、本発明による基地局装置100は、別途のシグナリングなしにサービスフロー単位のQoS制御に必要な情報(QoS制御情報)を端末に知らせる機能、ハンドオーバー前/後のシステム間のQoS制御方式の連動を可能にしながら、これを通信サービスの敏感度によって選択的に反映する機能を有するサービスフロー単位のQoS制御方式を実現することにより、既存のベアラ単位のQoS制御方式に対比して複雑度が高くなることなく、通信サービス別により差等的なQoS即ちサービス品質を適用することができる。
【0165】
以下では、図8を参照して、本発明の望ましい実施例による端末装置の構成を説明する。
【0166】
図4に示されているように、本発明の端末装置200は、基地局から受信されるダウンリンクパケットのうち、特定ダウンリンクパケットのヘッダからQoS制御情報を獲得する獲得部210と、上記特定ダウンリンクパケットのサービスフローに上記QoS制御情報から確認される特定QoSパラメータをマッピングさせるQoS制御部220と、上記サービスフローのアップリンクパケット伝送時、上記特定QoSパラメータを適用して、上記アップリンクパケットをサービスフローに定義された特定QoSで伝送する伝送部230とを含む。
【0167】
以下では、説明の便宜のために、基地局を図2の基地局装置100と称し、通信サービス1の利用によるサービスフロー1を基準として説明する。
【0168】
獲得部210は、基地局100から受信されるダウンリンクパケットのうち、特定ダウンリンクパケットのヘッダからQoS制御情報を獲得する。
【0169】
上述のように、QoS制御情報は、QoSパラメータを含んでいるパケットであるか否かを識別する識別情報と、サービスフロー(例:サービスフロー1)に定義されている特定QoSパラメータ(例:QoSパラメータ1)を含む。
【0170】
よって、獲得部210は、基地局100からダウンリンクパケットを受信すれば、ダウンリンクパケットのヘッダ、より具体的にはL2ヘッダで識別情報が記録されるフィールドを確認し、識別情報があれば、識別情報を見て当該受信されたダウンリンクパケットがQoSパラメータを含んでいる特定ダウンリンクパケットであるかを識別する。
【0171】
獲得部210は、当該受信されたダウンリンクパケットが特定ダウンリンクパケットであると識別されれば、該当ダウンリンクパケットのヘッダ、より具体的にはL2ヘッダからQoS制御情報を獲得することができる。
【0172】
QoS制御部220は、特定ダウンリンクパケットのサービスフローに、先に獲得したQoS
【0173】
より具体的に説明すれば、先に獲得部210がQoS制御情報を獲得した場合、QoS制御部220は、特定ダウンリンクパケットのパケットのヘッダから確認される5−tupleに基づいて特定ダウンリンクパケットのサービスフローを確認することができる。
【0174】
上述の例示のように、基地局100がサービスフロー1として決定し、サービスフロー1に定義されたQoSパラメータ1を識別可能にするQos制御情報を特定ダウンリンクパケットのヘッダに含ませて伝送したと仮定する。
【0175】
この場合、QoS制御部220は、特定ダウンリンクパケットのヘッダから確認される5−tupleに基づいてサービスフロー1を確認する。
【0176】
よって、QoS制御部220は、特定ダウンリンクパケットのサービスフロー1に、先に獲得したQoS制御情報から確認されるQoSパラメータ1をマッピングさせる。
【0177】
この時、QoS制御部220は、サービスフロー1を決定する根拠となる5−tuple(Source IP、Destination IP、Source Port、Destination Port、Protocol ID)にQoSパラメータ1をマッピングさせることにより、サービスフロー1にQoSパラメータ1をマッピングさせたサービスフロー及びQoSパラメータマッピング情報を保存することができる。
【0178】
ここで、端末装置200に対するサービスフロー1が開始される時点の特定ダウンリンクパケットのヘッダからQoS制御情報を獲得して、サービスフロー1にQoSパラメータ1をマッピングさせる場合であれば、新しいサービスフロー及びQoSパラメータマッピング情報を新規保存する場合である。
【0179】
その反面、端末装置200に対するサービスフロー1が維持される間に、サービスフロー1のQoSパラメータ1が変更される時点の特定ダウンリンクパケットのヘッダからQoS制御情報を獲得して、サービスフロー1にQoSパラメータ1をマッピングさせる場合であれば、既に保存されたサービスフロー及びQoSパラメータマッピング情報を更新保存する場合である。
【0180】
伝送部230は、サービスフロー1のアップリンクパケット伝送時、先にサービスフロー1にマッピングさせた特定QoSパラメータを適用して、アップリンクパケットをサービスフロー1に定義された特定QoSで伝送する。
【0181】
即ち、伝送部230は、伝送対象であるアップリンクパケットのヘッダから確認される5−tupleに基づいてサービスフロー1と確認されれば、該当アップリンクパケット伝送時、先にサービスフロー1にマッピングさせたQoSパラメータ1を適用して伝送することにより、サービスフロー1のアップリンクパケットをサービスフロー1に定義されたQoSで伝送することができる。
【0182】
このように、本発明の端末装置200は、別途のシグナリングなしにダウンリンクパケットのヘッダからサービスフロー単位のQoS制御に必要な情報(QoS制御情報)を獲得して知ることができ、これに基づいてパケットを伝送する時、サービスフロー単位でQoSレベルを保証して伝送することができる。
【0183】
さらに、端末装置200が基地局100から既存のベアラ単位のQoS制御方式を支援するネットワークにハンドオーバーされる場合、ハンドオーバー前/後のシステム間のQoS制御方式の連動に関連して端末装置200が動作する構成を説明すると、次の通りである。
【0184】
端末装置200、特にQoS制御部220は、基地局100とは異なるQoS制御ポリシーを支援する異なるネットワークにハンドオーバーする場合、基地局100から提供されるQoS変換情報に基づいて上記特定QoSパラメータを上記異なるQoS制御ポリシーに従ったQoSパラメータに変換する。
【0185】
より具体的に説明すれば、端末装置200がハンドオーバーの必要条件を満たし、基地局100が端末装置200のハンドオーバーの必要を決定すれば、基地局100はネットワーク(図示せず)との連動を通して端末装置200がハンドオーバーするターゲットセルを選択し、ハンドオーバーに必要なポリシー及び命令(以下、ハンドオーバー情報)を端末200に提供することにより、端末装置200をしてハンドオーバー情報に基づいて現在セル(基地局100)からターゲットセルへのハンドオーバーを行わせるようにする。
【0186】
この時、基地局100は端末装置200がベアラ単位のQoS制御方式を支援するLTEネットワークにハンドオーバーする場合であれば、端末装置200にハンドオーバー情報が提供される時、QoS変換情報を共に提供する。
【0187】
よって、端末装置200のQoS制御部220は、基地局100とは異なるQoS制御ポリシー、即ちベアラ単位のQoS制御ポリシー(制御方式)を支援するLTEネットワークにハンドオーバーする場合、基地局100からQoS変換情報の提供を受けて受信する。
【0188】
以後、QoS制御部220は、QoS変換情報に基づいて、特定QoSパラメータ(例:サービスフロー1のQoSパラメータ1)をベアラ単位のQoS制御方式に従ったQoSパラメータに変換する。
【0189】
先に説明したように、QoS変換情報は、各サービスフローをベアラにマッチングさせるサービスフロー別のマッチングルール、上記サービスフロー別のマッチングルールの優先順位、ベアラ別に定義されるQoSパラメータを含む。
【0190】
サービスフロー別のマッチングルールの優先順位は、各サービスフローが有するQoSレベルを基準として決まる。
【0191】
具体的には、サービスフロー別のマッチングルールにおいて、特定サービスフローのマッチングルールは、上記特定サービスフローよりも低いQoSレベルを有するサービスフローのマッチングルールに対比して、同一または高い優先順位に決まることになる。
【0192】
例えば、サービスフロー別のマッチングルールのうちサービスフロー1をベアラにマッチングさせるサービスフロー1のマッチングルールは、サービスフロー1よりも低いQoSレベルを有するサービスフローのマッチングルールに対比して、同一または高い優先順位に決まるのである。
【0193】
これは、言い換えれば、サービスフロー別のマッチングルールの優先順位は、最も高いQoSレベルのサービスフローからQoSレベルが低くなるサービスフローの順序に従って、優先順位が低くなることを意味する。
【0194】
また、サービスフロー別のマッチングルールそれぞれは、該当サービスフローと一致するマッチングルールが検索されることができるように検索因子を含み、この検索因子は、サービスフローの決定の根拠となる5−tuple、即ちSource IP、Destination IP、Source Port、Destination Port、Protocol IDとして定義されることができる。
【0195】
このようなQoS変換情報は、次の表2及び表3のように定義されることができる。
【0196】
【表2】
【0197】
【表3】
【0198】
表1は、サービスフロー別のマッチングルールと各マッチングルールの優先順位を示しており、表2は、ベアラ別に定義されるQoSパラメータ(ベアラContext、タイプ)を示している。
【0199】
よって、QoSパラメータ変換過程をより具体的に説明すると、次の通りである。
【0200】
先ず、QoS制御部220は、QoS変換情報に基づいて、先に保存しているサービスフロー及びQoSパラメータのマッピング情報のサービスフローに対して、サービスフロー別のマッチングルールのうち優先順位が最も高いマッチングルールから優先順位が低くなる順序に従って、サービスフロー(検索因子)が一致するマッチングルールを検索する。
【0201】
サービスフロー1及びQoSパラメータ1のマッピング情報を例として挙げると、QoS制御部220は、サービスフロー1(Source IP、Destination IP、Source Port、Destination Port、Protocol ID)と、サービスフロー別のマッチングルールのうち優先順位が最も高いマッチングルール2の検索因子(Source IP、Destination IP、Source Port、Destination Port、Protocol ID)とを比較して一致するか否かを確認する。もし一致すれば、端末装置200の動作方法は、マッチングルール2をサービスフロー1と一致するマッチングルールとして決定する。
【0202】
もし一致しなければ、QoS制御部220は、サービスフロー1(Source IP、Destination IP、Source Port、Destination Port、Protocol ID)と、サービスフロー別のマッチングルールのうちマッチングルール2の次に優先順位が高いマッチングルール3の検索因子(Source IP、Destination IP、Source Port、Destination Port、Protocol ID)とを比較して一致するか否かを確認する。
【0203】
このように、QoS制御部220は、利用中の通信サービスのサービスフローに対して、サービスフロー別のマッチングルールのうち優先順位が最も高いマッチングルールから優先順位が低くなる順序に従ってサービスフロー(検索因子)が一致するマッチングルールを検索する。
【0204】
このようにすると、端末装置200は、QoSパラメータ変換時、優先順位が最も高い、言い換えれば最も高いQoSレベルのサービスフローに対するマッチングルールから一致するか否かを確認して検索することができるため、QoSパラメータ変換速度及び性能を高めることができる。
【0205】
以下では、説明の便宜のために、マッチングルール2をサービスフロー1と一致するマッチングルールとして決定した場合と仮定する。
【0206】
この場合、QoS制御部220は、サービスフロー1を上記検索されたマッチングルール2によるベアラ(例:ベアラ1)にマッチングさせ、サービスフロー1のQoSパラメータ1を上記マッチングさせたベアラ(例:ベアラ1)に定義されているQoSパラメータ(例:QoSパラメータA)に変換する。
【0207】
もし、QoS制御部220は、サービスフロー別のマッチングルールからサービスフロー1と一致するマッチングルールを検索できなかった場合であれば、サービスフロー1(通信サービス1)をDefault Bearerにマッチングさせることができる。
【0208】
このように、本発明の端末装置200は、ハンドオーバーを行う過程中、QoS変換情報を利用して自身が保有(マッピング/保存)しているサービスフロー単位のQoS制御方式のQoSパラメータ(例:QoSパラメータ1)をベアラ単位のQoS制御方式のQoSパラメータ(例:QoSパラメータA)に変換することができる。
【0209】
このようにすると、端末装置200は、ターゲットセルへのハンドオーバー以後は、既存のベアラ単位のQoS制御方式に従って、アップリンクパケット伝送時、サービスフロー(通信サービス)がマッピングされたベアラ単位でQoSレベルを保証して伝送することができる。
【0210】
以上で説明したように、本発明による端末装置200は、別途のシグナリングなしにサービスフロー単位のQoS制御に必要な情報(QoS制御情報)を獲得(認知)する機能、ハンドオーバー前/後のシステム間のQoS制御方式の連動を可能にしながら、これを通信サービスの敏感度によって選択的に反映する機能を有するサービスフロー単位のQoS制御方式を実現することにより、既存のベアラ単位のQoS制御方式に対比して複雑度が高くなることなく、通信サービス別により差等的なQoS即ちサービス品質を適用することができる。
【0211】
一方、本明細書で説明する機能的な動作と主題の具現物は、デジタル電子回路で具現されるか、本明細書で開示する構造及びその構造的な等価物を含むコンピュータソフトウェア、ファームウェアあるいはハードウェアで具現されるか、これらのうち一つ以上の結合で具現されることができる。本明細書で説明する主題の具現物は、一つ以上のコンピュータプログラム製品、すなわち、処理システムの動作を制御するために或いはこれによる実行のために有形のプログラム保存媒体上にエンコードされたコンピュータプログラム命令に関する一つ以上のモジュールとして具現されることができる。
【0212】
コンピュータで読み取り可能な媒体は、機械で読み取り可能な保存装置、機械で読み取り可能な保存基板、メモリ装置、機械で読み取り可能な電波型信号に影響を及ぼす物質の組成物或いはこれらのうち一つ以上の組み合わせであり得る。
【0213】
本明細書で“システム”や“装置”とは、例えばプログラマブルプロセッサ、コンピュータあるいは多重プロセッサやコンピュータを含んでデータを処理するためのあらゆる機構、装置及び機械を包括する。処理システムは、ハードウェアに付け加えて、例えばプロセッサファームウェアを構成するコード、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステムあるいはこれらのうち一つ以上の組み合わせなど、要請時コンピュータプログラムに対する実行環境を形成するコードを含むことができる。
【0214】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプトあるいはコードとしても知られている)は、コンパイル又は解釈された言語やアプリオリあるいは手続き型言語を含むプログラミング言語の如何なる形態でも作成されることができ、独立型プログラムやモジュール、コンポーネント、サブルーティンあるいはコンピュータ環境での使用に適した他のユニットを含み如何なる形態でも展開されることができる。コンピュータプログラムは、ファイルシステムのファイルに必ずしも対応するものではない。プログラムは、要請されたプログラムに提供される単一ファイル内に、あるいは多重の相互作用するファイル(例えば、一つ以上のモジュール、下位プログラムあるいはコードの一部を保存するファイル)内に、あるいは他のプログラムやデータを保有するファイルの一部(例えば、マークアップ言語文書内に保存される一つ以上のスクリプト)内に保存されることができる。コンピュータプログラムは、一つのサイトに位置するか複数のサイトにわたり分散して通信ネットワークにより相互接続された多重コンピュータや一つのコンピュータ上で実行されるように展開されることができる。
【0215】
一方、コンピュータプログラム命令語とデータの保存に適したコンピュータで読み取り可能な媒体は、例えば、EPROM、EEPROM及びフラッシュメモリ装置のような半導体メモリ装置、例えば、内部ハードディスクや外付型ディスクのような磁気ディスク、磁気光学ディスク及びCD−ROMとDVD−ROMディスクを含みあらゆる形態の非揮発性メモリ、媒体及びメモリ装置を含むことができる。プロセッサとメモリは、特殊目的の論理回路によって補充されるか、それに統合されることができる。
【0216】
本明細書で説明した主題の具現物は、例えばデータサーバーのようなバックエンドコンポーネントを含むか、例えばアプリケーションサーバーのようなミドルウェアコンポーネントを含むか、例えばユーザーが本明細書で説明した主題の具現物と相互作用可能なウェブブラウザやグラフィックユーザーインターフェースを有するクライアントコンピュータのようなフロントエンドコンポーネントあるいはそのようなバックエンド、ミドルウェアあるいはフロントエンドコンポーネントの一つ以上のあらゆる組み合わせを含む演算システムで具現されることもできる。システムのコンポーネントは、例えば通信ネットワークのようなデジタルデータ通信の如何なる形態や媒体によっても相互接続可能である。
【0217】
本明細書は多数の特定の具現物の詳細事項を含むが、これらは如何なる発明や請求可能なものの範囲に対しても制限的なものとして理解されてはならず、むしろ特定の発明の特定の実施形態の特有の特徴に関する説明として理解されなければならない。同様に、個別的な実施形態の文脈で本明細書に記述されている特定の特徴は、単一実施形態で組み合わせて具現されることもできる。反対に、単一実施形態の文脈で記述した多様な特徴も個別的にあるいは如何なる適切な下位組み合わせでも複数の実施形態で具現可能である。さらに、特徴が特定の組み合わせで動作できるが、一つ以上の特徴は一部の場合にその組み合わせから排除されることができ、その請求された組み合わせは下位組み合わせや下位組み合わせの変形物に変更されることができる。
【0218】
また、本明細書では特定の手順で図面に動作を描写しているが、これは、望ましい結果を得るために図示されたその特定の手順や順序通りにそのような動作を行うべきであるとか、全ての図示された動作が行われなければならないと理解されてはならない。特定の場合、マルチタスキングと並列プロセッシングが有利であり得る。また、上述の実施形態の多様なシステムコンポーネントの分離は、かかる分離をあらゆる実施形態で要求することと理解されてはならず、説明したプログラムコンポーネントとシステムは一般的に単一のソフトウェア製品として共に統合されるか多重ソフトウェア製品にパッケージされることができるという点を理解しなければならない。
【0219】
このように、本明細書は、その提示された具体的な用語に本発明を制限しようとする意図ではない。従って、上述の例を参照して本発明を詳しく説明したが、当業者であれば本発明の範囲を逸脱しない範囲で本例に対する改造、変更及び変形を加えることができる。本発明の範囲は、上記詳細な説明よりは後述の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲そしてその等価概念から導き出される全ての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれることと解釈されなければならない。
図1
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