(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車輪を有する鶏ケージ積載枠内に昇降台を昇降自在に設け、鶏ケージ積載枠開口から積み込んだ鶏ケージを下側から順次段済みし、段済み状態を鶏ケージ積載枠上部で保持した状態で渡り板を介してトラック荷台に移送する鶏ケージリフターにおいて、鶏ケージ積載枠は正面側を鶏ケージの積み込み口、その反対の背面側を排出口とし、昇降台の昇降板は鶏ケージの底面中央に左右を残して当接して鶏ケージを載置するものであり、排出口下部位置に、鶏ケージ積載枠の左右側から回転して水平に突出し鶏ケージの底面左右側を保持する保持板を水平に突出する部分に対して回転軸に結合する根本部が屈折してなるように設け、この保持板相互は水平に突出した状態では前記昇降板の通過を許容する相互間隔で設け、また、保持板は水平に突出した状態から上方に跳ね上がるように回転し、跳ね上がり状態では鶏ケージの通過を許容するものであり、さらに、鶏ケージ積載枠を形成する支柱で、前記保持板より上の位置に、張出部の形成により鶏ケージを鶏ケージ積載枠の中央によせる位置調整装置を設けたことを特徴とする鶏ケージリフター。
【背景技術】
【0002】
鶏は死亡すると血が凝固することから養鶏場から食肉加工場へ鶏を運搬する際には、養鶏場にて、鶏が眠っている夜間に3〜4羽を鶏ケージに捕獲し、捕獲した鶏ケージを段積みし、段積みの鶏ケージを地面に並置した敷設レール上を押して養鶏場から運搬トラックまで搬送し、運搬トラックの荷台に鶏ケージを例えば、9段重ねで3列17行積みして、生きたまま食肉加工場へ運搬するようにしている。
【0003】
そのため、夜間中に運搬トラックへの積載作業及び食肉加工場までの運搬を行われなければならないことから、積載作業を短時間に行わなければならないことや、騒音の発生を極力抑えなければならない等の課題があった。
【0004】
下記特許文献は出願人が先に出願し、特許を取得したもので、運搬トラックの荷台18(
図16参照)に備え付けて運搬し、パワーゲート22を利用して3段積みの鶏ケージを短時間に運搬トラックの荷台18に9段積みに積載させると共に、エンジンの動力源を使用し、油圧ポンプ制御ができる鶏ケージリフターである。
【特許文献1】特許第3439720号公報
【0005】
図13〜
図16に示すように、鶏ケージリフター1は、下枠3、側枠を形成する支柱4、上枠5から構成される鶏ケージ積載枠6に、油圧シリンダー10、シリンダーロッド12、シリンダーブロック14、スプロケット15、チェーン49、昇降台16からなる昇降機構17を設けたものである。図中7は外側柱、9は内側柱である。
【0006】
前記昇降台16は昇降板50を装備しており、
図16に示すように、鶏ケージ積載枠6の下枠3の最下位置(一点鎖線位置)からトラック荷台位置(実線位置)まで昇降でき、3段積みされた鶏ケージ41を鶏ケージ積載枠6内に沿って持ち上げるようになっている。
【0007】
また、前記鶏ケージ積載枠6の上枠5上方に水平位置から起立位置まで回転可能な鶏ケージストッパー39を側枠4に固定しており、
図16の破線で示す中央部にフランジ40を有する直方体の容器からなる鶏ケージ41の上昇により、前記鶏ケージストッパー39は、鶏ケージ41のフランジ40に接触し水平位置から起立位置まで回転され、鶏ケージ41のフランジ40が外れることによりバネ作用で水平位置に戻り、鶏ケージストッパー39にフランジ40が載るようになっている。
【0008】
使用法は、運搬トラックにより鶏ケージリフター1が鶏ケージ積載場所まで運搬されると、鶏ケージリフター1をパワーゲート22上に鶏ケージリフター1を移載させ、渡り板32を介してトラック荷台18と連絡させる。
【0009】
積載準備が完了したら、3段積みの鶏ケージ41を順次搬送パイプ(図示せず)に載せて押送して鶏ケージリフター1の鶏ケージ積載枠6内の昇降板50に積載させる。
【0010】
昇降板50に鶏ケージ41を積載させたら、昇降台16が内側柱9をガイドレールとして上昇する。昇降台16に固定された昇降板50は示すトラック荷台位置(
図16の実線位置)まで上昇される。
【0011】
この上昇途中に、側枠4内側の鶏ケージ上昇通路に突出する鶏ケージストッパー39が鶏ケージ41のフランジ40に接触して上方に回転されるので、鶏ケージ41は鶏ケージストッパー39に邪魔されることなく上昇し、昇降板50が
図16の実線位置では鶏ケージ41は昇降板50に保持されており、昇降板50が下降すると、鶏ケージ41が昇降板50と共に下降しつつ、すぐに鶏ケージ41のフランジ40が前記鶏ケージストッパー39に係合してその位置で保持され、昇降板50のみが最下位置(
図16の一点鎖線位置)まで下降する。
【0012】
これにより、鶏ケージ41の次の積載準備が整い、前述と同様に鶏ケージ41の積載、上昇、保持、下降のサイクルを合計3回繰り返し、順次、9個の鶏ケージ41を積み重ね、
図16の実線で示す状態に昇降板50を保持して9段積みの鶏ケージ41は渡り板32を経てトラック荷台18に移送する。
【0013】
トラック荷台18には、運転席側からパワーゲート22側へ9段積みの鶏ケージ41を3列17行積みにする。
【0014】
鶏ケージ41の運搬トラックへの移載が完了したら、パワーゲート22をトラック荷台18高さまで上昇させ、鶏ケージリフター1の車輪2を利用して鶏ケージリフター1をトラック側へ押し込む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
前記特許文献1の鶏ケージリフターは、渡り板32は鶏ケージ積載枠6の左側面に設けられており、9段積みの鶏ケージ41は渡り板32を経てトラック荷台18に移送するのに、鶏ケージ41を鶏ケージリフター1に積み込む方向とは約90°変更した方向に移送するものである。このような方向転換は作業効率が悪いものとなる。
【0016】
また、鶏ケージストッパー39は鶏ケージ41のフランジ40を保持するものであり、このようなフランジ付きの鶏ケージを使用する場合のみ使えるものである。
【0017】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、鶏ケージは積み込み側からその反対側へと排出してトラック荷台に移送できるので使い勝手がよく、しかも上昇保持のためのフランジ幅が十分にない形状の鶏ケージでもこれを安定して保持できる鶏ケージリフターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、車輪を有する鶏ケージ積載枠内に昇降台を昇降自在に設け、鶏ケージ積載枠開口から積み込んだ鶏ケージを下側から順次段済みし、段済み状態を鶏ケージ積載枠上部で保持した状態で渡り板を介してトラック荷台に移送する鶏ケージリフターにおいて、鶏ケージ積載枠は正面側を鶏ケージの積み込み口、その反対の背面側を排出口とし、昇降台の昇降板は鶏ケージの底面中央に左右を残して当接して鶏ケージを載置するものであり、排出口下部位置に、鶏ケージ積載枠の左右側から回転して水平に突出し鶏ケージの底面左右側を保持する保持板を
水平に突出する部分に対して回転軸に結合する根本部が屈折してなるように設け、この保持板相互は水平に突出した状態では前記昇降板の通過を許容する相互間隔で設け、
また、保持板は水平に突出した状態から上方に跳ね上がるように回転し、跳ね上がり状態では鶏ケージの通過を許容するものであり、さらに、鶏ケージ積載枠を形成する支柱で、前記保持板より上の位置に、張出部の形成により鶏ケージを鶏ケージ積載枠の中央によせる位置調整装置を設けたことを要旨とするものである。
【0019】
請求項1記載の本発明によれば、鶏ケージは鶏ケージ積載枠は正面側から積み込んで、内部で段積みし、これを背面側から排出口してトラック荷台に移送することができ、トラックを鶏舎の入口に横付けしてその間に鶏ケージリフターを設置することで効率良く積み込み作業を行うことができる。
【0020】
また、鶏ケージを段積するため、昇降台で上昇させた鶏ケージを保持板で保持するのに鶏ケージの底面左右側を保持するので、保持のためのフランジ幅が十分にない形状の鶏ケージでもこれを安定して保持することができる。
【0021】
さらに、鶏ケージは昇降台で上昇させて保持板相互間を通過させ、通過後に水平に突出した状態として鶏ケージの底面左右側を保持することができる。
【0022】
また、保持板は本
体部が屈折している分だけ回転軸による回転中心が下方にずれてすべて水平に突出するものに比べて回転半径を小さくすることができ、その結果、昇降台での上昇のためのシリンダーストロークが少なくなり、作業時間を短縮することができる。
【0023】
さらに、昇降台に載せる鶏ケージの位置が多少ずれたとしても位置調整装置で適正位置に調整でき、昇降台と保持板とでの鶏ケージの底部の取り合い、および、鶏ケージの段積を良好なものとすることができる。
【0024】
請求項
2記載の本発明は、鶏ケージ積載枠の背面には、支柱間に軸支して上方に回動自在となっている渡り板を支柱に沿って上下動可能に設けることを要旨とするものである。
【0025】
請求項
2記載の本発明によれば、鶏ケージを積み込む現場は凹凸がある砂利の地面ではトラック荷台床面高さは場所により違いがあるが、渡り板を支柱に沿って上下動可能に設けることでトラック荷台の高さに合わせることができる。
【0026】
請求項
3記載の本発明は、渡り板は中子式又は折り畳み式の伸縮するものとしたことを要旨とするものである。
【0027】
請求項
3記載の本発明によれば、トラック荷台と鶏ケージリフター間の距離が離れていても渡り板を伸ばして届くようにすることができる。
【0028】
また、一番最後の鶏ケージを積み込む際に渡り板が鶏ケージの下敷きとなり、トラックを移動することができなくなり、このため、渡り板なしの状態で鶏ケージを押し込んでいたが、トラックとの隙間に鶏ケージが落ちてしまい、鶏ケージがくずれ危険作業となった。渡り板を伸縮式にすることで荷台の端の鶏ケージから逃げた位置に渡り板を置くことができ、スムーズに積込みができるようになった。
【発明の効果】
【0029】
以上述べたように本発明の鶏ケージリフターは、鶏ケージは積み込み側からその反対側へと排出してトラック荷台に移送できるので使い勝手がよく、しかも上昇保持のためのフランジ幅が十分にない形状の鶏ケージでもこれを安定して保持できるものである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の鶏ケージリフターの要部の斜視図、
図3は同上側面図、
図4は全体の正面図で、前記従来例を示す
図13〜
図16と同一構成要素には同一参照符号を付したものである。
【0032】
本発明の鶏ケージリフター1も前記従来例と同じく、運搬トラックの荷台18に載置して運搬し、倉庫前に設置するものである。
【0033】
鶏ケージリフター1は、鶏ケージ積載枠6の側部で、前後左右にショックアブソーバ付きの車輪2とシリンダーによるアウトリガー8を備え、また、鶏ケージ積載枠6内に昇降板50を装備した昇降台16を設けた。
【0034】
昇降台16は昇降板50に鶏ケージ41の底面中央に左右を残して当接してこの鶏ケージ41を載置するものである。
【0035】
前記昇降台16は図示は省略するが、トラックのPTOに接続された油圧ポンプ(図示せず)により作動される油圧シリンダー、該油圧シリンダーのシリンダーロッド先端に固定されたシリンダーブロック、該シリンダーブロックに軸支された左右一対のスプロケット、一端を油圧シリンダー本体に他端を昇降台16に固定されて前記スプロケットに掛け渡されたチェーンからなる昇降機構により昇降される。(
図15参照)
【0036】
図15にも示すように、油圧シリンダー10本体の上部にはチェーン固定枠を固定して該チェーン固定枠に一対のチェーン49の一端を固定し、他端を昇降台16に固定すると共に、該シリンダーブロック14に軸支された左右一対のスプロケット15にチェーン49が掛け渡されるので、シリンダーロッド12の伸縮により一対のスプロケット15に噛み合いながら回転し一対のチェーン49を介して昇降台16が昇降する。
【0037】
このように、シリンダーブロック14が内側枠4に固定されると共にスプロケット15に噛み合うチェーン49が昇降台16に固定されているので、シリンダーロッド12の伸縮により内側枠9が昇降すると共にチェーン49が回転することから、昇降台16は内側枠9及びチェーン49によりシリンダーロッド12の移動距離の2倍移動することになる。
【0038】
前記昇降台16は鶏ケージ積載枠6の下枠3の最下位置(一点鎖線位置)からトラック荷台位置(実線位置)まで昇降でき、段積みされた鶏ケージ41を鶏ケージ積載枠6内に沿って持ち上げるようになっている。
【0039】
前記鶏ケージ積載枠6は、矩形の下枠3、該下枠3の四隅から立設された側枠を形成する支柱4、該支柱4同士をトラック荷台高さ位置で連結する上枠5から構成され、
図4に示す正面側を鶏ケージの積み込み口11とし、
図5に示すようにその反対の背面側の上部を排出口23とした。
【0040】
また、前記鶏ケージ積載枠6の背面には、
図5に示すように、長方形の板材からなり、上枠5の下方に支柱4間に設けた軸32aを中心に上方に回動自在となっている渡り板32を排出口23の下端に合わせて設けた。
【0041】
図中25は支柱4に設けた閂状のロックピンで、不使用時の渡り板32を垂直状体で固定する。
【0042】
図2、
図6は本発明の他の実施例を示すもので、前記支柱4間に軸支して上方に回動自在となっている渡り板32はこれを支柱4に沿って上下動可能に設けることした。
【0043】
この上下動する機構としては種々考えられるが、一例として支柱4に沿って上下方向にレール33を取付け、このレール33を走行するブラケット35を渡り板32を軸支する梁34の左右両端に取付けた。
【0044】
さらに上下動させるためにハンドル36aを有する昇降装置36を前記梁34に結合させる。
【0045】
このようにして、ハンドル36aを手動で回転させれば、昇降装置36が梁34を押し上げ、または、押し下げてレール33を渡り板32が上下動する。
【0046】
また、渡り板32は中子式又は折り畳み式の伸縮するものとした。図示の例は中子式で、中子37を本体から引き出せるようにした。
【0047】
前記梁34には近接センサー38を取付け、これを渡り板32の昇降とともに昇降するようにする。該近接センサー38の信号で鶏ケージリフター1の昇降板50の中間停止位置を認識し、停止させる。
【0048】
この近接センサー38に反応させるためのドック26は昇降板50のアームに取付けられる。
【0049】
前記鶏ケージ積載枠6の背面の下側や、左右側面には矩形の枠体と該枠体の上下辺を連結する縦桟とを設けるが、
図4に示すように、これらは扉枠24として着脱できるようにすることもできる。
【0050】
また、前記鶏ケージ積載枠6の排出口23の下部位置に、鶏ケージ積載枠6の左右側から回転して水平に突出し鶏ケージ41の底面左右側を保持する保持板13を支柱4に設け、水平に突出する状態では、この相対する保持板13の相互は前記昇降台16の昇降板50通過を許容する間隔で設けた。
【0051】
保持板13は電動モーターを駆動源とする回転軸19の駆動により水平に突出した状態から上方に跳ね上がるように回転し、跳ね上がり状態では鶏ケージ41の通過を許容する相互間隔で設けられる。
【0052】
また、
図8に示すように、保持板13は、水平に突出する水平部分13aに対して回転軸19に結合する根本部13bが屈折してなるクランク状形状とした。
【0053】
本発明は後述のように、保持板13は水平に突出する状態で鶏ケージ41の底部を受けるが、そのため、
図8のアの寸法を広くしなければならない。回転軸19に対して保持板13の全部が直線状の場合Aはアの寸法が広くなった分、回転半径が大きくなる。
【0054】
これに対してBのようにクランク状形状とすることで、アの寸法は同じでも回転半径を小さくすることができ、その分シリンダーの昇降ストロークが少なくなり、作業時間を短縮することができる。
【0055】
また、鶏ケージ積載枠6を形成する支柱4で、前記保持板13より上の位置に、張出部20の形成により鶏ケージ41を鶏ケージ積載枠6の中央によせる位置調整装置21を設けた。
【0056】
張出部20は支柱4に鶏ケージ積載枠6の内側に略コ字状の枠状の出っ張りを設けたものであり、これが上昇する鶏ケージ41の脇に触れることで鶏ケージ41を中央位置に押し出すものであり、4本の支柱4に左右対向して設けることにより、狭隘部を形成し、該狭隘部を通過させて鶏ケージ41を適正中央位置の置くように修正するものである。
【0057】
張出部20の下側は鶏ケージ41の上端が当接し易いようにテーパー20aとした。
【0058】
前記本発明の鶏ケージリフター1の制御機構としては、
図9に示すように制御回路27を有し、昇降板50の上限センサー28、中間センサー29、下限センサー30、鶏ケージ確認センサー31および手動・自動の運転切替えスイッチ42を設けてこれらを制御回路27に接続した。
【0059】
図11に示すように、上限センサー28、中間センサー29、下限センサー30は、昇降板50の移動位置に設ける近接スイッチで、これには磁力または光電スイッチの使用が可能である。
【0060】
鶏ケージ確認センサー31は、昇降台50に鶏ケージ41が置かれてことを検知するセンサーで、これはソレノイドによるリミットスイッチであり、昇降板50に鶏ケージ41を載せた時に閉じる開閉蓋51を形成し、この開閉蓋51が閉じた時に鶏ケージ確認センサー31が作動するものである。図中52は開閉蓋51を付勢するスプリングである。
【0061】
制御回路27は油圧発生装置43に接続する油圧コントローラー44に接続される。
【0062】
また、油圧コントローラー44は油圧回路45を介して昇降機構47の油圧シリンダー46を駆動する。
【0063】
前記手動・自動の運転切替えスイッチ42は本発明の鶏ケージリフター1を手動運転するか、自動運転するかを切替えるもので、前記油圧コントローラー44には
図10に示すような、「上」「中」「下」の押しボタンスッチを有する手動運転スイッチ48を接続した。
【0064】
次に、本発明の鶏ケージリフター1の使用の仕方について説明する。運搬トラックにより鶏ケージリフター1が鶏ケージ積載場所まで運搬されると、運搬トラックより降ろし、鶏ケージリフター1の車輪2を利用してパワーゲート上に鶏ケージリフター1を移載させ、アウトリガー8を伸ばして、車輪2を浮かし、設置する。(
図5)
【0065】
渡り板32を横に張り出させ、鶏ケージリフター1が渡り板32を介してトラック荷台と連絡される。
【0066】
この場合、渡り板32は昇降装置36のハンドル36aの操作により上下動できれば、凹凸がある砂利の地面でトラック荷台床面高さは場所により違いがあってもトラック荷台の高さに合わせることができる。
【0067】
次に、積みの鶏ケージ41の搬送方向に応じて扉枠24を取り付けるが、正面側から鶏ケージ41を搬入する場合は、扉枠24を背面側に取り付ける。
【0068】
扉枠24を背面側に固定したら、搬送パイプ(図示せず)を嵌合して5段積みの鶏ケージ41を搬送パイプ(図示せず)により搬入できるようにし、その時、昇降板50が上昇位置にあれば、最下位置まで下降させて鶏ケージ積載準備が完了する。
【0069】
積載準備が完了したら、5段積みの鶏ケージ41を順次搬送パイプ(図示せず)に載せて押送して鶏ケージリフター1の鶏ケージ積載枠6内の昇降板50に積載させる。
【0070】
昇降板50に鶏ケージ41を積載させたら昇降台16が上昇する。昇降台16に固定された昇降板50は、トラック荷台位置まで上昇される。
【0071】
この上昇途中に、支柱4内側の保持板13は水平の突出状態から垂直になるように上方に回転され、鶏ケージ41は保持板13に邪魔されることなく上昇し、保持板13を完全に通過したならば、水平の突出状態に戻す。
【0072】
鶏ケージ41は昇降板50に保持されており、昇降板50を下降させると、鶏ケージ41が昇降板50と共に下降しつつ、保持板13は鶏ケージ41の底面左右側を保持する。
【0073】
そのまま昇降板50を下降させ、次の5段積みの鶏ケージ41を同様に積み込んで上昇させ、先の鶏ケージ41の下に付け、全10段として同様に保持板13で保持させる。
【0074】
これら段積みの鶏ケージ41は渡り板32を介してトラック荷台と移送する。
【0075】
なお、鶏ケージ41は支柱14間の位置調整装置21同士の間を通過する際に、張出部20に触れて、昇降板50上で適正位置になるように押され、その結果、上下の段積みもずれることなく行うことができる。
【0076】
また、5段積み鶏ケージ41を2回積上げて10段にしてトラック荷台に引込む入口側は5段が入れるように開口高を高くした。このため、5段の鶏ケージ位置より鶏ケージストッパー39は高い位置に取付けられる。
【0077】
この場合、鶏ケージストッパー39上の10段のカゴを荷台内に引込もうとすると、荷台床面より鶏ケージストッパー39の高さが高く引込むことができない。そこで昇降板50を荷台床面高さで停止させ、荷台内にカゴを引込むようにした。
【0078】
本発明の鶏ケージリフター1は手動運転と自動運転の切り替えが可能である。まず、手動運転の場合について説明すると、手動・自動の運転切替えスイッチ42により手動運転に切替え、「上」「中」「下」の押しボタンスッチを有する手動運転スイッチ48を用いて操作を行う。
【0079】
(1)5段積みの鶏ケージ41を鶏ケージリフター1の鶏ケージ積載枠6の昇降板50に積載させ、「上」のボタンを押して上限まで押し上げる。「下」のボタンを押して下限まで下げる。鶏ケージ41は鶏ケージストッパー39で保持される。
(2)鶏ケージリフター1にさらに5段積みの鶏ケージ41を投入する。「中」のボタンを押す。鶏ケージ41は10段重なった状態で渡り板32の位置で停止する。鶏ケージ4110段をトラック荷台に引込む。
(3)「下」のボタンを押して昇降板50を下限まで下げる。
(4)(1)の動作にもどる。
(5)以下、(1)〜(3)の手順を繰り返す。
【0080】
次に、自動運転の場合は手動・自動の運転切替えスイッチ42により手動運転に切替える。
(1)(1)5段積みの鶏ケージ41を鶏ケージリフター1の鶏ケージ積載枠6の昇降板50に積載させると、鶏ケージ確認センサー31が作動し、昇降板50が上限位置まで上がり、下限位置まで下がる。上限センサー28、下限センサー30が検知する。鶏ケージ41は鶏ケージストッパー39で保持される。
(2)さらに、5段積みの鶏ケージ41を投入すると、昇降板50が中間位置まで上がり停止する。
(3)トラック荷台に鶏ケージ41を引込む。鶏ケージ41が昇降板50にないことを確認する。
(4)昇降板50を下限位置まで下げる。昇降板50は下位置で停止する。
(5)(1)の動作にもどる。
(6)(1)〜(4)の手順を繰り返す。
【課題】車輪を有する鶏ケージ積載枠内に昇降台を昇降自在に設け、鶏ケージ積載枠開口から積み込んだ鶏ケージを下側から順次段済みし、段済み状態を鶏ケージ積載枠上部で保持した状態で渡り板を介してトラック荷台に移送する鶏ケージリフターにおいて、鶏ケージの積み込み側からその反対側へと排出してトラック荷台に移送できるので使い勝手がよく、しかも上昇保持のためのフランジ幅が十分にない形状の鶏ケージでもこれを安定して保持できる鶏ケージリフターを提供する。
【解決手段】鶏ケージ積載枠6は正面側を鶏ケージの積み込み口11、その反対の背面側を排出口とし、昇降台16の昇降板50は鶏ケージの底面中央に左右を残して当接して鶏ケージを載置するものであり、排出口下部位置に、鶏ケージ積載枠6の左右側から回転して水平に突出し鶏ケージの底面左右側を保持する保持板を設け、この保持板相互は前記昇降台16の通過を許容する相互間隔で設けた。