(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6674067
(24)【登録日】2020年3月9日
(45)【発行日】2020年4月1日
(54)【発明の名称】ファイル関連付け処理装置、ファイル関連付け方法及びファイル関連付けプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/17 20190101AFI20200323BHJP
【FI】
G06F16/17 200
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-200352(P2019-200352)
(22)【出願日】2019年11月3日
【審査請求日】2019年12月5日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591280197
【氏名又は名称】株式会社構造計画研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100126468
【弁理士】
【氏名又は名称】田久保 泰夫
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 壮
(72)【発明者】
【氏名】坂本 陸
【審査官】
後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−187400(JP,A)
【文献】
特開2014−074952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハッシュ値を書き込める形式であるファイルのハッシュ値を算出する算出部と、
算出した前記ハッシュ値を前記ファイルと異なるファイルに書き込む書込部と、
前記ハッシュ値が書き込まれた前記異なるファイルから前記ハッシュ値を取得する取得部と、
を備え、
ハッシュ値を書き込める形式である一のファイルから前記取得部により取得されたハッシュ値と、ハッシュ値を書き込める形式である他のファイルから前記算出部により算出したハッシュ値とを照合し、
前記一のファイルの前記ハッシュ値と、前記他のファイルの前記ハッシュ値とが一致した場合に、前記一のファイルと前記他のファイルとを関連付ける
ことを特徴とするファイル関連付け処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のファイル関連付け処理装置において、
前記一のファイルと前記他のファイルとをアイコンで表示し、関連付けて表示する表示処理部を有する
ことを特徴とするファイル関連付け処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のファイル関連付け処理装置において、
前記ファイルの形式は、IFC(Industry Foundation Classes)又はST−Bridge形式である
ことを特徴とするファイル関連付け処理装置。
【請求項4】
コンピュータで実行されるファイル関連付け方法であって、
ハッシュ値を書き込める形式であるファイルのハッシュ値を算出する算出工程と、
算出した前記ハッシュ値を前記ファイルと異なるファイルに書き込む書込工程と、
前記ハッシュ値が書き込まれた前記ファイルから前記ハッシュ値を取得する取得工程と、
ハッシュ値を書き込める形式である一のファイルから前記取得部により取得されたハッシュ値と、ハッシュ値を書き込める形式である他のファイルから前記算出部により算出したハッシュ値とを照合する工程と、
前記一のファイルの前記ハッシュ値と、前記他のファイルの前記ハッシュ値とが一致した場合に、前記一のファイルと前記他のファイルとを関連付ける工程と
を備えることを特徴とするファイル関連付け方法。
【請求項5】
請求項4に記載のファイル関連付け方法において、
前記一のファイルと前記他のファイルとをアイコンで表示し、関連付けて表示する表示工程を有する
ことを特徴とするファイル関連付け方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のファイル関連付け方法において、
前記ファイルの形式は、IFC(Industry Foundation Classes)又はST−Bridge形式である
ことを特徴とするファイル関連付け方法。
【請求項7】
ハッシュ値を書き込める形式であるファイルのハッシュ値を算出する算出工程と、
算出した前記ハッシュ値を前記ファイルと異なるファイルに書き込む書込工程と、
前記ハッシュ値が書き込まれた前記ファイルから前記ハッシュ値を取得する取得工程と、
ハッシュ値を書き込める形式である一のファイルから前記取得部により取得されたハッシュ値と、ハッシュ値を書き込める形式である他のファイルから前記算出部により算出したハッシュ値とを照合する工程と、
前記一のファイルの前記ハッシュ値と、前記他のファイルの前記ハッシュ値とが一致した場合に、前記一のファイルと前記他のファイルとを関連付ける工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするファイル関連付けプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のファイル関連付けプログラムにおいて、
前記一のファイルと前記他のファイルとをアイコンで表示し、関連付けて表示する表示工程を有する
ことを特徴とするファイル関連付けプログラム。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のファイル関連付けプログラムにおいて、
前記ファイルの形式は、IFC(Industry Foundation Classes)又はST−Bridge形式である
ことを特徴とするファイル関連付けプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハッシュ値を書き込める形式であるファイル、特にIFC(Industry Foundation Classes)又はST−Bridge形式のファイルを管理するファイル関連付け処理装置、ファイル関連付け方法及びファイル関連付けプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、BIM(Building Information Modeling)を利用することで、建築に関する作業やデータ管理の効率化が図られている。BIMでは、建物情報を電子データ化して3Dモデルとして扱い、その3Dモデルに建物の諸情報を関連付けて管理される(特許文献1参照)。
【0003】
BIMに関するデータの標準フォーマットとして、国際的な団体であるbuilding SMARTが定めるIFCや、一般社団法人buildingSMART Japanが定めるST−Bridgeがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018−88065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
BIMでは、上記の標準フォーマットでデータが作成されるが、各データファイルの更新履歴の管理については、通常は、ファイルに関して、データベースを構築して管理する必要があり、管理が煩雑になる。
【0006】
本発明は、上記の課題を考慮してなされたものであって、ファイル間の関係性を追跡することができるファイル関連付け処理装置、ファイル関連付け方法、ファイル関連付けプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るファイル関連付け処理装置は、ハッシュ値を書き込める形式であるファイルのハッシュ値を算出する算出部と、算出した前記ハッシュ値を前記ファイルと異なるファイルに書き込む書込部と、前記ハッシュ値が書き込まれた前記ファイルから前記ハッシュ値を取得する取得部と、を備え、ハッシュ値を書き込める形式である一のファイルから前記取得部により取得されたハッシュ値と、ハッシュ値を書き込める形式である他のファイルから前記算出部により算出したハッシュ値とを照合し、前記一のファイルの前記ハッシュ値と、前記他のファイルの前記ハッシュ値とが一致した場合に、前記一のファイルと前記他のファイルとを関連付けることを特徴とする。
【0008】
前記ファイル関連付け処理装置において、前記一のファイルと前記他のファイルとをアイコンで表示し、関連付けて表示する表示処理部を有することを特徴とするファイル関連付け処理装置。
【0009】
前記ファイル関連付け処理装置において、前記ファイルの形式は、IFC(Industry Foundation Classes)又はST−Bridge形式であることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るファイル関連付け方法は、
コンピュータで実行されるファイル関連付け方法であって、ハッシュ値を書き込める形式であるファイルのハッシュ値を算出する算出工程と、算出した前記ハッシュ値を前記ファイルと異なるファイルに書き込む書込工程と、前記ハッシュ値が書き込まれた前記ファイルから前記ハッシュ値を取得する取得工程と、ハッシュ値を書き込める形式である一のファイルから前記取得部により取得されたハッシュ値と、ハッシュ値を書き込める形式である他のファイルから前記算出部により算出したハッシュ値とを照合する工程と、前記一のファイルの前記ハッシュ値と、前記他のファイルの前記ハッシュ値とが一致した場合に、前記一のファイルと前記他のファイルとを関連付ける工程とを備えることを特徴とする。
【0011】
前記ファイル関連付け方法において、前記一のファイルと前記他のファイルとをアイコンで表示し、関連付けて表示する表示工程を有することを特徴とする。
【0012】
前記ファイル関連付け方法において、前記ファイルの形式は、IFC(Industry Foundation Classes)又はST−Bridge形式であることを特徴とする。
【0013】
本発明に係るファイル関連付けプログラムは、ハッシュ値を書き込める形式であるファイルのハッシュ値を算出する算出工程と、算出した前記ハッシュ値を前記ファイルと異なるファイルに書き込む書込工程と、前記ハッシュ値が書き込まれた前記ファイルから前記ハッシュ値を取得する取得工程と、ハッシュ値を書き込める形式である一のファイルから前記取得部により取得されたハッシュ値と、ハッシュ値を書き込める形式である他のファイルから前記算出部により算出したハッシュ値とを照合する工程と、前記一のファイルの前記ハッシュ値と、前記他のファイルの前記ハッシュ値とが一致した場合に、前記一のファイルと前記他のファイルとを関連付ける工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0014】
前記ファイル関連付けプログラムにおいて、前記一のファイルと前記他のファイルとをアイコンで表示し、関連付けて表示する表示工程を有することを特徴とする。
【0015】
前記ファイル関連付けプログラムにおいて、前記ファイルの形式は、IFC(Industry Foundation Classes)又はST−Bridge形式であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明のファイル関連付け処理装置、ファイル関連付け方法、ファイル関連付けプログラムでは、ハッシュ値を利用してファイルを管理することにより、ファイルの保存時に外部のデータベース等に履歴を記録することなくファイル間の関係性を追跡することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係るファイル関連付け処理装置の説明図である。
【
図2】
図2Aは、ファイルの説明図であり、
図2Bは、記憶部に記憶されたファイルの説明図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るファイル関連付け処理装置のpre-hash値の書込処理の説明図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るファイル関連付け処理装置のファイルの関連付け処理の説明図である。
【
図5】
図5Aは、記憶部に記憶されたファイルの説明図であり、
図5Bは、ファイルのpre-hash及びself-hashの説明図である。
【
図7】関連付けられたファイルをアイコンで表示した説明図である。
【
図8】ファイル関連付け処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェアの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<ファイル関連付け処理装置10の構成>
以下に、本発明の実施形態に係るファイル関連付け処理装置10、ファイル関連付け方法及びファイル関連付けプログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」という)について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るファイル関連付け処理装置10の説明図であり、
図2Aは、ファイル30の説明図であり、
図2Bは、記憶部22に記憶されたファイル30の説明図である。
【0019】
ファイル関連付け処理装置10は、制御部12、入力部14、算出部16、書込部18、取得部20、記憶部22、表示処理部24及び表示部26を備え、これらがバス28を介して相互に接続される。また、ファイル関連付け処理装置10は、公衆回線60を介して、端末50と接続している。
【0020】
制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって構成される。制御部12では、ファイル関連付け処理装置10内の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM(Random Access Memory)上にロードされ、実行される。制御部12は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0021】
入力部14は、IFC又はST−Bridge形式のファイル30を入力する機能を有する。以下、ファイル30はIFC又はST−Bridge形式であることとする。算出部16は、ファイル30のハッシュ値を算出する機能を有する。ハッシュ値を算出するハッシュ関数としては、例えば、md5(message digest algorithm 5)である。書込部18は、ハッシュ値をファイルに書き込む機能を有する。ここで、ファイル30は、ハッシュ値を書き込むため領域である書込領域32を有し、ハッシュ値は、書込領域32に書き込まれる(
図2A参照)。取得部20は、ファイル30に書き込まれたハッシュ値を取得する機能を有する。記憶部22は、ファイル30を記憶するための記憶部である。
図2Bでは、ファイル30として、ファイル30a〜30nが記憶されている。表示処理部24は、ハッシュ値が書き込まれたファイル30(一のファイル)から取得されたハッシュ値と、ファイル30(他のファイル)から算出されたハッシュ値とを照合し、照合した場合に一のファイルと他のファイルとを関連付ける機能を有する。また、表示処理部24は、関連付けられたファイル30をアイコンで表示する機能を有する。
【0022】
端末50は、通信機能を有する端末である。公衆回線60は、インターネット等で構成される公衆回線である。
【0023】
<ファイル関連付け処理装置10の動作の説明>
次に、ファイル関連付け処理装置10の動作について、図を用いて説明する。
図3は、本発明の実施形態に係るファイル関連付け処理装置10のpre-hash値の書込処理の説明図であり、
図4は、本発明の実施形態に係るファイル関連付け処理装置10のファイルの関連付け処理の説明図であり、
図5Aは、記憶部22に記憶されたファイル30の説明図であり、
図5Bは、ファイル30のpre-hash及びself-hashの説明図であり、
図6A〜
図6Eは、関連付けられたファイル30の説明図であり、
図7は、関連付けられたファイル30を表示部26にアイコンで表示した説明図である。なお、
図6A〜
図6Eにおいて、ファイル30内はハッシュ値を示し、後述する括弧無しがself-hash値、括弧有りがpre-hash値を示す。また、ファイル30内のself-hash値は、理解のために記載したものであって、ファイル30に記憶されているものではない。
【0024】
まず、ファイル関連付け処理装置10によるpre-hash値の書込処理について、説明する。入力部14からファイル30が入力される(ステップS1)。入力されたファイル30のハッシュ値(self-hash (以下「sh値」という))が算出部16で算出される(ステップS2)。
【0025】
次に、入力されたファイル30は、入力された際のファイル30のファイル名とは異なるファイル名に変更され、書込部18によって、ファイル30のsh値がpre-hash値(以下「ph値」という)として、ファイル30の書込領域32に書き込まれ、入力されたファイル30とは別のファイル30として保存される(ステップS3)。例えば、ファイル30bに基づいたph値の書込は、ファイル30bのファイル名が異なるファイル名であるファイル30cに変更され、ファイル30cの書込領域32に、書込部18によって、ファイル30bのsh値がph値として書き込まれ、ファイル30bとは別ファイルであるファイル30cとして保存される。
【0026】
次に、ファイル関連付け処理装置10によるファイルの関連付け処理について説明する。算出部16によって、記憶部22に記憶されているファイル30のsh値を算出する(ステップS11)。ここで、記憶部22には、ファイル30として、ファイル30a〜30nが記憶されているとする。
【0027】
取得部20によって、記憶部22に記憶されているファイル30のph値を取得する(ステップS12)。
【0028】
ファイル30a〜30nのph値及びsh値は、
図5Bに示したハッシュ値であったとする。具体的には、ファイル30aのsh値は、Haであるが、ph値は書き込まれていないとする。また、ファイル30bのsh値はHb、ph値は書き込まれていないとする。以下、ファイル30c〜ファイル30nのsh値、ph値は
図5Bに示されるとおりである。
【0029】
表示処理部24は、各ファイル30のsh値、ph値に基づいて、関連付けをする(ステップS13)。具体的には、ファイル30aのsh値はHaあるが、ph値は書き込まれていないので、他のファイル30とは関連付けられない(
図6A参照)。
【0030】
ファイル30bのsh値はHb、ph値は書き込まれてはなく、ファイル30cのsh値はHc、ph値はHbである。ファイル30bのsh値及びファイル30cのph値はいずれもHbであって、ハッシュ値が一致する。従って、表示処理部24はファイル30bとファイル30cとを関連付ける(
図6B参照)。
【0031】
ファイル30dのsh値はHd、ph値は書き込まれてはなく、ファイル30eのsh値はHe、ph値はHdであり、ファイル30fのsh値はHf、ph値はHdである。ファイル30dのsh値、ファイル30eのph値及びファイル30fのph値はいずれもHdであって、ハッシュ値が一致する。従って、表示処理部24はファイル30dとファイル30e、ファイル30dとファイル30fとを関連付ける(
図6C参照)。
【0032】
ファイル30gのsh値はHg、ph値は書き込まれてはなく、ファイル30hのsh値はHh、ph値はHgであり、ファイル30iのsh値はHi、ph値はHhである。ファイル30gのsh値及びファイル30hのph値はいずれもHgであって、ハッシュ値が一致する。また、ファイル30hのsh値及びファイル30iのph値はいずれもHhであって、ハッシュ値が一致する。従って、表示処理部24はファイル30gとファイル30h、ファイル30hとファイル30iとを関連付ける(
図6D参照)。
【0033】
ファイル30jのsh値はHj、ph値は書き込まれてはなく、ファイル30kのsh値はHk、ph値はHjであり、ファイル30lのsh値はHl、ph値はHkであり、ファイル30mのsh値はHm、ph値はHjであり、ファイル30nのsh値はHn、ph値はHmである。ファイル30jのsh値及びファイル30kのph値はいずれもHjであって、ハッシュ値が一致する。また、ファイル30kのsh値及びファイル30lのph値はいずれもHkであって、ハッシュ値が一致する。従って、表示処理部24はファイル30jとファイル30k、ファイル30kとファイル30lとを関連付ける。さらに、ファイル30jのsh値及びファイル30mのph値はいずれもHjであって、ハッシュ値が一致する。また、ファイル30mのsh値及びファイル30nのph値はいずれもHmであって、ハッシュ値が一致する。従って、表示処理部24はファイル30jとファイル30m、ファイル30mとファイル30nとを関連付ける(
図6E参照)。
【0034】
表示処理部24は、関連付けられたファイル30を表示部26にアイコンで表示する(ステップS14)。例えば、
図6Eで関連付けられたファイル30は、
図7のようなアイコンで表示される。
【0035】
また、上記のファイル30は、記憶部22に記憶されていたが、端末50に記憶されていてもよい。かかる場合には、表示処理部24によって関連付けられる対象を端末50に記憶されているファイル30とすることができる。
【0036】
ファイル関連付け処理装置10は、ハッシュ値を書き込める形式であるファイル30のハッシュ値を算出する算出部16と、算出した前記ハッシュ値を前記ファイル30と異なるファイルに書き込む書込部18と、前記ハッシュ値が書き込まれた前記異なるファイル30から前記ハッシュ値を取得する取得部20と、を備え、ハッシュ値を書き込める形式である一のファイル30から前記取得部20により取得されたハッシュ値と、ハッシュ値を書き込める形式である他のファイル30から前記算出部16により算出したハッシュ値とを照合し、前記一のファイル30の前記ハッシュ値と、前記他のファイル30の前記ハッシュ値とが一致した場合に、前記一のファイル30と前記他のファイル30とを関連付ける。
【0037】
ファイル関連付け処理装置10によれば、ハッシュ値を利用してファイル30を管理することにより、ファイル30の保存時に外部のデータベース等に履歴を記録することなくファイル30間の関係性を追跡することができる。
【0038】
また、ファイル関連付け処理装置において、前記一のファイル30と前記他のファイル30とをアイコンで表示し、関連付けて表示する表示処理部24を有する。
【0039】
また、ファイル関連付け方法は、ハッシュ値を書き込める形式であるファイル30のハッシュ値を算出する算出工程と、算出した前記ハッシュ値を前記ファイル30と異なるファイルに書き込む書込工程と、前記ハッシュ値が書き込まれた前記ファイルと異なるファイル30から前記ハッシュ値を取得する取得工程と、ハッシュ値を書き込める形式であるファイル30から前記取得部により取得されたハッシュ値と、ハッシュ値を書き込める形式である他のファイル30から前記算出部により算出したハッシュ値とを照合する工程と、前記一のファイル30の前記ハッシュ値と、前記他のファイル30の前記ハッシュ値とが一致した場合に、前記一のファイル30と前記他のファイル30とを関連付ける工程とを備える。
【0040】
<プログラムに係る実施形態の説明>
上述したファイル関連付け処理装置10は、例えば、
図8に示すような構成のコンピュータ100によって実現される。
図8は、ファイル関連付け処理装置の機能を実現するコンピュータ100の一例を示すハードウェアの説明図である。コンピュータ100は、CPU110、RAM120、ROM130、補助記憶部140、ネットワークインターフェイス(NW I/F)150、入力部160、出力部170及び記憶媒体インターフェイス(記憶媒体I/F)180を備える。これらの各部は、バス190によって接続される。
【0041】
CPU110は、ROM130又は補助記憶部140に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部を制御する。ROM130には、コンピュータ100の起動時にCPU110によって実行されるBIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムや、コンピュータ100のハードウェアに依存するプログラム等が記憶される。
【0042】
補助記憶部140は、大容量記憶部である。補助記憶部140には、CPU110によって実行されるプログラム、及び、前記プログラムによって使用されるデータ等が記憶されている。
【0043】
ネットワークインターフェイス150は、公衆回線60を介して、コンピュータ100が端末50と接続するためのネットワークインターフェースである。
【0044】
入力部160は、キーボード、マウス等の入力デバイスである。入力デバイスとしては、タッチパネル、カメラ、マイク等が含まれてもよい。
【0045】
出力部170は、ディスプレイ等の表示部である。また、出力部170には、スピーカが含まれてもよい。
【0046】
記憶媒体インターフェイス180は、記録媒体に記憶されたプログラム又はデータを読み取り、RAM120を介してCPU110に提供する。記録媒体としては、例えば、DVD、DVD−RAM、Blu−ray(登録商標)Disk等の光学記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、MO等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体等である。
【0047】
コンピュータ100がファイル関連付け処理装置10として機能する場合、CPU110は、補助記憶部140からプログラムを読み取り、RAM120上にロードされたプログラムを実行することにより、ファイル関連付け処理装置10の機能を実現する。また、CPU110は、記憶媒体インターフェイス180を介して、記録媒体からプログラムを読み取り、RAM120上にロードされたプログラムを実行することにより、ファイル関連付け処理装置10の機能を実現してもよい。
【0048】
なお、コンピュータ100は、ファイル関連付け処理装置10の機能を実行するための構成の一例を示したものであり、コンピュータ100を構成要素以外のハードウェアを排除するものではない。また、これらの構成を全て備える必要もない。例えば、補助記憶部140、記憶媒体インターフェイス180を備えない構成であってもよい。
【0049】
ファイル関連付けプログラムは、ハッシュ値を書き込める形式であるファイル30のハッシュ値を算出する算出工程と、算出した前記ハッシュ値を前記ファイル30と異なるファイルに書き込む書込工程と、前記ハッシュ値が書き込まれた前記ファイルと異なるファイル30から前記ハッシュ値を取得する取得工程と、ハッシュ値を書き込める形式であるファイル30から前記取得部により取得されたハッシュ値と、ハッシュ値を書き込める形式である他のファイル30から前記算出部により算出したハッシュ値とを照合する工程と、前記一のファイル30の前記ハッシュ値と、前記他のファイル30の前記ハッシュ値とが一致した場合に、前記一のファイル30と前記他のファイル30とを関連付ける工程と、をコンピュータ100に実行させる。
【0050】
なお、本発明は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0051】
例えば、上述の実施形態で、ファイル30の形式は、IFC又はST−Bridge形式であったが、ハッシュ値を書き込む形式のファイルであれば、これらの形式に限定されるものではない。
【0052】
また、上述の実施形態では、ハッシュ関数として、md5を用いていたが、ハッシュ値を算出できれば、これら限定されるものではない。例えば、sha(Secure Hash Algorithm)シリーズのハッシュ関数でもよい。
【符号の説明】
【0053】
10…ファイル関連付け処理装置
12…制御部
14…入力部
16…算出部
18…書込部
20…取得部
22…記憶部
24…表示処理部
26…表示部
28、190…バス
30…ファイル
32…書込領域
50…端末
60…公衆回線
100…コンピュータ
110…CPU
120…RAM
130…ROM
140…補助記憶部
150…ネットワークインターフェイス
160…入力部
170…出力部
180…記憶媒体インターフェイス
【要約】
【課題】ファイル間の関係性を追跡することができるファイル関連付け処理装置、ファイル関連付け方法、ファイル関連付けプログラムを提供する。
【解決手段】 ファイル関連付け処理装置10は、ハッシュ値を書き込める形式であるファイル30のハッシュ値を算出する算出部16と、前記ハッシュ値を前記ファイル30とは異なるファイル30に書き込む書込部18と、前記ハッシュ値が書き込まれた前記ファイル30から前記ハッシュ値を取得する取得部20と、を備え、一のファイル30から前記取得部20により取得されたハッシュ値と、他のファイル30から前記算出部16により算出したハッシュ値とを照合し、前記一のファイル30の前記ハッシュ値と、前記他のファイル30の前記ハッシュ値とが一致した場合に、前記一のファイル30と前記他のファイル30とを関連付ける。
【選択図】
図1