【文献】
タニタが「呼気」に進出、脂肪燃焼を可視化,日経デジタルヘルス,2015年 7月31日,URL,https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/article/EVENT/20150729/429904/?ST=health
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
図1には本実施形態に係る減量支援装置10が示されている。減量支援装置10は取得部12、演算部14及び出力部16を含んでいる。取得部12は演算部14及び測定部18に接続され、演算部14は取得部12、出力部16及び記憶部20に接続され、出力部16は演算部14及び記憶部20に接続されている。
【0010】
取得部12は、利用者の体から排出されたケトン体を測定する測定部18から、測定された測定ケトン体濃度を取得する。記憶部20は、少なくとも、人体から排出されたケトン体の濃度と人体の脂肪消費速度との関係を規定する第1情報(本実施形態では後述するa−F関係情報52)を予め記憶している。
【0011】
演算部14は、記憶部20に記憶された第1情報、取得部12によって取得された測定ケトン体濃度及び設定された利用者の減量目標に基づいて、利用者の減量目標の達成見込みの判定、及び、利用者の減量目標の達成の目安となる所定の物理量の演算の少なくとも一方を行う。出力部16は、演算部14による利用者の減量目標の達成見込みの判定結果又は前記所定の物理量の演算結果を、利用者の減量目標の達成を支援する支援情報として出力する。
【0012】
なお、減量支援装置10は、
図1に実線で示すように測定部18を含まない構成であってもよいし、
図1に一点鎖線で示すように測定部18を含む構成であってもよい。また、減量支援装置10は、
図1に実線で示すように記憶部20を含まない構成であってもよいし、
図1に二点鎖線で示すように記憶部20を含む構成であってもよい。また、ケトン体は、アセト酢酸、3−ヒドロキシ酪酸(β−ヒドロキシ酪酸)、アセトンの総称であり、ケトン体濃度の測定は、これらのうちの少なくとも1つを測定することで実現できる。以下では、ケトン体濃度の一例として呼気中のアセトン濃度を測定する態様を説明する。
【0013】
次に
図2,3を参照し、減量支援装置10の一例としての据置型減量支援装置66を説明する。据置型減量支援装置66は、利用者の身体情報を測定する機能を備えた装置に、減量支援装置10としての機能を組み込んだ装置であり、例えば家庭や病院、スポーツジム等に設置される。身体情報は、利用者の体格(例えば体重等)及び体組成(少なくとも体脂肪(率又は量))を含み、例えば皮下脂肪、内臓脂肪、筋肉量、体水分等の少なくとも1つを更に含んでいてもよい。
【0014】
図2に示すように、据置型減量支援装置66は、装置本体68と、装置本体68から分離可能で装置本体68(の後述するI/F(InterFace)ユニット68C)とケーブル70を介して電気的に接続された測定ユニット72と、を含んでいる。装置本体68は、平板状の基部68Aと、基部68Aの一端部付近に立設された柱部68Bと、柱部68Bの先端部に取り付けられたI/Fユニット68Cと、を含んでいる。
【0015】
基部68Aには、身体情報を測定する身体情報測定部74(
図3参照)が内蔵され、基部68Aの上面には、身体情報測定部74の一部である複数の電極74Aが露出している。I/Fユニット68Cには、表示部76と、携帯型減量支援装置24の入力部32と同様の構成の入力部78が各々設けられている。また測定ユニット72には、アセトン測定センサ80(
図3参照)を含み、後述する携帯型減量支援装置24のアセトン濃度測定部28と同様の構成のアセトン濃度測定部82が設けられている。
【0016】
図3に示すように、据置型減量支援装置66は、CPU(Central Processing Unit)84、メモリ86、不揮発性の記憶部88、前述の身体情報測定部74、表示部76、入力部78、アセトン測定センサ80及び利用者検知部90を含み、これらはバス89を介して互いに接続されている。表示部76は、例えば液晶パネル等で構成される。表示部76には、例えば各種設定画面や、
図1に示す出力部16が出力する情報、すなわち、支援情報等が表示される。
【0017】
利用者検知部90は据置型減量支援装置66を利用中の利用者を検知する。据置型減量支援装置66が、例えばスポーツジム等のように様々な利用者に利用される施設に設置される場合、利用者検知部90は、例えば現在の利用者が所持しているICカード又はICタグから利用者IDを取得する等により、現在の利用者を検知することができる。なお、据置型減量支援装置66が、例えば家庭等のように利用者が限られる環境で使用される場合には、利用者検知部90は、例えば個々の利用者に対応するボタンの中から現在の利用者に対応するボタンを利用者に選択させる等により、現在の利用者を検知することができる。
【0018】
記憶部88は、減量支援プログラム48、利用者情報テーブル50、アセトン濃度a−脂肪消費速度F関係情報52(以下、a−F関係情報52という)、第1の達成見込み判定テーブル54、脂肪消費速度の目標増速値Δfp−糖質摂取減少率ΔS関係情報58(以下、Δfp−ΔS関係情報58という)、栄養素摂取量テーブル62及びレシピ情報テーブル64を記憶しており、
図1に示す記憶部20の一例である。CPU84は、減量支援プログラム48を記憶部88からメモリ86に読み出して実行することで、
図1に示す取得部12、演算部14及び出力部16として各々機能する。
【0019】
利用者情報テーブル50は、据置型減量支援装置66を利用する個々の利用者の情報が、個々の利用者の利用者IDと対応付けて登録されている。利用者情報テーブル50に記憶されている個々の利用者の情報には、利用者の年齢、性別、身長等の属性情報、据置型減量支援装置66によって過去に測定された身体情報、利用者が設定した減量目標を表す減量目標情報、据置型減量支援装置66によって過去に出力された支援情報の各情報が含まれる。
【0020】
a−F関係情報52は、アセトン濃度測定部82によって測定される利用者のアセトン濃度a[ppb]と、利用者の脂肪消費速度F[g/24h]と、の関係を表す情報である。a−F関係情報52が表すアセトン濃度aと脂肪消費速度Fとの関係の一例を
図6に示す。アセトン濃度aと脂肪消費速度Fとには正の相関が有ることが知られており、例えば、アセトン濃度a及び脂肪消費速度Fを多数の治験者について測定し、アセトン濃度aと脂肪消費速度Fとの関係を直線又は曲線で近似することで、
図6に示すような関係を得ることができる。
【0021】
なお、
図6にはアセトン濃度aと脂肪消費速度Fとの関係を直線で近似した例を示しているが、n次式(n≧2)などの多項式によって曲線で近似してもよいし、アセトン濃度の逆数(1/a)と脂肪消費速度Fとの関係を近似してもよい。a−F関係情報52は、直線又は曲線で近似したアセトン濃度aと脂肪消費速度Fとの関係を、テーブルの形式で規定する情報であってもよいし、関数の形式で規定する情報であってもよく、その他の形式で規定する情報であってもよい。
【0022】
また、本実施形態では、アセトン濃度a及び脂肪消費速度Fを多数の治験者について測定するにあたり、治験者の状態を空腹時かつ安静時に揃えることで、a−F関係情報52を、空腹時かつ安静時のアセトン濃度aと脂肪消費速度Fとの関係を規定する情報としている。しかし、これに限定されるものではなく、治験者の互いに異なる複数種の状態別にアセトン濃度a及び脂肪消費速度Fを測定し、複数の状態別にアセトン濃度aと脂肪消費速度Fとの関係を求め、複数の状態別にa−F関係情報52を記憶しておき、a−F関係情報52を参照する際は、そのときの利用者の状態に近い状態に対応するa−F関係情報52を参照するようにしてもよい。
【0023】
第1の達成見込み判定テーブル54は、
図7(A)に示すように、利用者の減量目標情報に含まれる目標日付(減量完了の目標とする日付)YMDまでの日数と、測定したアセトン濃度aに基づいて予測した達成予想日数(現在の脂肪消費速度Fから、減量目標設定時点からの利用者の脂肪減少量が目標脂肪減少量ΔBp[g]に達すると予測される日数)Dと、の差(日数差ΔD)を複数の数値範囲に分け、日数差ΔDの各数値範囲毎に、利用者の減量目標の達成見込みを表す情報が対応付けて登録されている。
【0024】
Δfp−ΔS関係情報58は、利用者の減量目標が設定された時点からの利用者の脂肪減少量を、目標日付YMDまでに、利用者の減量目標情報に含まれる目標脂肪減少量ΔBpに到達させるための脂肪消費速度f[g/h]の増速値(脂肪消費速度の目標増速値Δfp[g/h])と、脂肪消費速度fを脂肪消費速度の目標増速値Δfpだけ増加させるために必要な糖質摂取減少率ΔS[g/24h]と、の関係を表す情報である。Δfp−ΔS関係情報58が表す脂肪消費速度の目標増速値Δfpと糖質摂取減少率ΔSとの関係の一例を
図8に示す。脂肪消費速度の目標増速値Δfpと糖質摂取減少率ΔSとの関係についても、前述したアセトン濃度aと脂肪消費速度Fとの関係と同様に、例えば、多数の治験者について測定したデータから統計処理によって得ることができる。
【0025】
なお、
図8には脂肪消費速度の目標増速値Δfpと糖質摂取減少率ΔSとの関係を曲線で近似した例を示しており、この曲線近似には、例えばn次式(n≧2)などの多項式を用いることができるが、上記関係を直線で近似してもよい。Δfp−ΔS関係情報58は、曲線又は直線で近似した脂肪消費速度の目標増速値Δfpと糖質摂取減少率ΔSとの関係を、テーブルの形式で規定する情報であってもよいし、関数の形式で規定する情報であってもよく、その他の形式で規定する情報であってもよい。
【0026】
また、本実施形態では、多数の治験者についての測定にあたり、治験者の状態を空腹時かつ安静時に揃えることで、Δfp−ΔS関係情報58を、空腹時かつ安静時の脂肪消費速度の目標増速値Δfpと糖質摂取減少率ΔSとの関係を規定する情報としている。しかし、これに限定されるものではなく、治験者の互いに異なる複数種の状態別に測定を行い、複数の状態別に脂肪消費速度の目標増速値Δfpと糖質摂取減少率ΔSとの関係を求め、複数の状態別にΔfp−ΔS関係情報58を記憶しておき、Δfp−ΔS関係情報58を参照する際は、そのときの利用者の状態に対応するΔfp−ΔS関係情報58を参照するようにしてもよい。
【0027】
栄養素摂取量テーブル62は、
図9に示すように、1食当たりの糖質摂取量の目標値(目標糖質摂取量sp[g/食])と、その他の所定の栄養素(
図9では、一例としてたんぱく質、脂質、ビタミン及びミネラル)の目標摂取量h,j,k,m[g/食]との関係を、目標糖質摂取量s
p別、かつ、体組成情報別(
図9では、一例として筋肉量G、脂肪量B及び基礎代謝量R)別に各々規定したテーブルである。栄養素摂取量テーブル62で規定している所定の栄養素の目標摂取量は、例えば「日本人の食事摂取基準」(一例として、厚生労働省、” 日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要”、[online]、[平成27年12月11日検索]、インターネット<URL:http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf>を参照)に基づいて算出することができる。また、たんぱく質及び脂質については、上記の摂取基準から算出される摂取量を目標糖質摂取量spに応じて調整し、ビタミン及びミネラルについては、上記の摂取基準から算出される摂取量をそのまま用いてもよい。
【0028】
なお、
図9は、栄養素摂取量テーブル62のうちの一部、すなわち、目標糖質摂取量s
pがs1〜s2の数値範囲内の場合の所定の栄養素の目標摂取量h,j,k,mを示しており、栄養素摂取量テーブル62は、目標糖質摂取量s
pが別の数値範囲内の場合の所定の栄養素の目標摂取量h,j,k,mが登録されたテーブルも含んでいる。また、
図9は、一例として筋肉量G、脂肪量B及び基礎代謝量Rを3個の数値範囲に各々分けて、目標糖質摂取量s
pと所定の栄養素の目標摂取量h,j,k,mとの関係を各々規定しているが、数値範囲の数は2以下でも4以上でもよい。同様に、目標糖質摂取量s
pの数値範囲の数も適宜選択可能である。
【0029】
また、栄養素摂取量テーブル62を性別及び年齢層毎に記憶しておき、栄養素摂取量テーブル62を参照する際は、利用者の性別及び年齢層に対応する栄養素摂取量テーブル62を参照するようにしてもよい。また、目標糖質摂取量s
pに応じた所定の栄養素の目標摂取量を求めることは、上記の栄養素摂取量テーブル62を用いることに限られるものではない。例えば、糖質制限食を実施したい場合や、利用者が菜食主義である等のように、望ましいPFCバランスは利用者によって相違していることがあるので、個々の利用者の望ましいPFCバランスに基づいて、目標糖質摂取量s
pに応じた所定の栄養素の目標摂取量を演算するようにしてもよい。
【0030】
レシピ情報テーブル64は、複数の料理の各々のレシピを表すレシピ情報が登録されている。個々の料理のレシピ情報は、対応する料理を食べた場合の各栄養素の摂取量を表す情報と、料理に必要な食材の分量を表す情報と、を含んでいる。
【0031】
上述したように、据置型減量支援装置66は、
図1に示す測定部18(の一例であるアセトン濃度測定部82)及び記憶部20(の一例である記憶部42)を含んだ構成の減量支援装置10の一例である。
【0032】
次に
図4,5を参照し、減量支援装置10の他の例としての携帯型減量支援装置24を説明する。携帯型減量支援装置24は、個々の利用者が容易に携帯できるように小型軽量とされた装置であり、
図4に示すように、携帯型減量支援装置24の筐体26には、アセトン濃度測定部28、表示部30及び入力部32が設けられている。
【0033】
アセトン濃度測定部28は、筐体26に形成された吹き込み口34と、筐体26内の吹き込み口34に対応する部位に配置されたアセトン測定センサ36(
図5参照)と、を含んでいる。利用者が吹き込み口34に呼気を吹き込むと、利用者の呼気が吹き込み口34を通過してアセトン測定センサ36に吹き掛けられることで、利用者の呼気中のアセトン濃度がアセトン測定センサ36によって測定される。なお、吹き込み口34は、呼気を収集し易くするために、口で咥えることが可能なマウスピース型の形状でもよいし、マスク型の形状でもよい。アセトン濃度測定部28は
図1に示す測定部18の一例である。
【0034】
表示部30は据置型減量支援装置66の表示部76と同様の構成である。入力部32は複数の操作ボタンを含んでおり、
図4には3個の操作ボタン32A〜32Cが設けられた例を示す。一例として、操作ボタン32Aは携帯型減量支援装置24の電源のオンオフ及び各種画面で決定操作を行うためのボタンとして機能させることができ、操作ボタン32Bは各種画面で情報を入力するためのボタンとして機能させることができ、操作ボタン32Cは過去に表示部30に表示された情報の再表示等を指示するためのボタンとして機能されることができる。なお、入力部32を、表示部30に重畳配置されたタッチパネルで構成し、表示部30に表示された画面に直接タッチすることで各種の操作
を可能としてもよい。
【0035】
図5に示すように、携帯型減量支援装置24は、CPU(Central Processing Unit)
38、メモリ40、不揮発性の記憶部42、前述のアセトン測定センサ36、表示部30及び入力部32を含み、これらはバス46を介して互いに接続されている。
【0036】
記憶部42は、据置型減量支援装置66の記憶部88に記憶されている減量支援プログラム48、利用者情報テーブル50、a−F関係情報52、第1の達成見込み判定テーブル54、Δfp−ΔS関係情報58、栄養素摂取量テーブル62及びレシピ情報テーブル64に加えて、第2の達成見込み判定テーブル56と、アセトン濃度差Δa−糖質摂取減少率ΔS関係情報60(以下、Δa−ΔS関係情報60という)と、を記憶しており、
図1に示す記憶部20の一例である。CPU38は、減量支援プログラム48を記憶部42からメモリ40に読み出して実行することで、
図1に示す取得部12、演算部14及び出力部16として各々機能する。
【0037】
第2の達成見込み判定テーブル56は、
図7(B)に示すように、減量目標設定時点からの利用者の脂肪減少量を、目標日付YMDまでに目標脂肪減少量ΔBpに到達させるための目標アセトン濃度apと、測定したアセトン濃度aと、の差(アセトン濃度差Δa[ppb])を複数の数値範囲に分け、アセトン濃度差Δaの各数値範囲毎に、利用者の減量目標の達成見込みが表す情報が対応付けて登録されている。
【0038】
Δa−ΔS関係情報60は、利用者の減量目標設定時点からの利用者の脂肪減少量を、目標日付YMDまでに目標脂肪減少量ΔBpに到達させるためのアセトン濃度差Δaと、アセトン濃度aをアセトン濃度差Δaだけ増加させるために必要な糖質摂取減少率ΔSと、の関係を表す情報である。Δa−ΔS関係情報60が表すアセトン濃度差Δaと糖質摂取減少率ΔSとの関係の一例を
図10に示す。アセトン濃度差Δaと糖質摂取減少率ΔSとの関係についても、前述したアセトン濃度aと脂肪消費速度Fとの関係と同様に、例えば、多数の治験者について測定したデータから統計処理によって得ることができる。
【0039】
なお、
図10にはアセトン濃度差Δaと糖質摂取減少率ΔSとの関係を曲線で近似した例を示しており、この曲線近似には、例えばn次式(n≧2)などの多項式を用いることができるが、上記関係を直線で近似してもよい。Δa−ΔS関係情報60は、曲線又は直線で近似したアセトン濃度差Δaと糖質摂取減少率ΔSとの関係を、テーブルの形式で規定する情報であってもよいし、関数の形式で規定する情報であってもよく、その他の形式で規定する情報であってもよい。
【0040】
また、本実施形態では、多数の治験者についての測定にあたり、治験者の状態を空腹時かつ安静時に揃えることで、Δa−ΔS関係情報60を、空腹時かつ安静時のアセトン濃度差Δaと糖質摂取減少率ΔSとの関係を規定する情報としている。しかし、これに限定されるものではなく、治験者の互いに異なる複数種の状態別に測定を行い、複数の状態別にアセトン濃度差Δaと糖質摂取減少率ΔSとの関係を求め、複数の状態別にΔa−ΔS関係情報60を記憶しておき、Δa−ΔS関係情報60を参照する際は、そのときの利用者の状態に対応するΔa−ΔS関係情報60を参照するようにしてもよい。
【0041】
上述のように、携帯型減量支援装置24も、
図1に示す測定部18(の一例であるアセトン濃度測定部28)及び記憶部20(の一例である記憶部42)を含んだ構成の減量支援装置10の一例である。
【0042】
次に、本実施形態の作用として、
図11を参照し、減量支援装置10(据置型減量支援装置66又は携帯型減量支援装置24)で行われる減量支援処理について説明する。なお、減量支援処理は、利用者が減量支援装置10に対してアセトン濃度の測定(或いは支援情報の出力)を指示したことを契機として、CPU84又はCPU38によって減量支援プログラム48が実行されることで行われる。
【0043】
減量支援処理のステップ100において、取得部12は、減量目標を設定するか否かを判定する。例えば取得部12は、利用者情報テーブル50を参照し、減量支援装置10を現在利用している利用者(以下、現利用者という)の減量目標情報が登録されているかを確認する。現利用者の減量目標情報が利用者情報テーブル50に未登録の場合は、減量目標を設定すると判定する。また、例えば取得部12は、現日付が、利用者情報テーブル50に登録されている現利用者の減量目標情報に含まれる目標日付YMDより後の日付である場合も、減量目標を設定すると判定する。
【0044】
更に、例えば取得部12は、現日付が、利用者情報テーブル50に登録されている現利用者の減量目標情報に含まれる目標日付YMD以前の日付である場合は、例えば表示部76又は表示部30に所定のメッセージを表示させる等により、現利用者に対して減量目標を設定するか否かの選択を要請し、現利用者が入力部78又は入力部32を介して入力した選択結果に基づいて、減量目標を設定するか否かを判定する。
【0045】
ステップ100の判定が肯定された場合はステップ102へ移行し、ステップ102において、取得部12は、例えば表示部76又は表示部30に所定のメッセージを表示させる等により、現利用者に対して減量目標の設定を要請し、現利用者が入力部78又は入力部32を介して入力した減量目標を減量目標情報として利用者情報テーブル50に登録する減量目標設定処理を行う。
【0046】
なお、減量目標情報には目標脂肪減少量ΔBpと、目標期間(現時点(減量目標設定時点)からの現利用者の脂肪減少量が目標脂肪減少量ΔBpに達するまでの目標期間)Tpと、が含まれる。目標脂肪減少量ΔBpは、利用者に入力させるようにしてもよいし、利用者の現在の体重及び体脂肪率が既知であれば、利用者に目標体重及び目標体脂肪率を入力させ、入力された目標体重及び目標体脂肪率と、利用者の現在の体重及び体脂肪率と、から演算してもよい。また、利用者に目標体重のみ入力させ、利用者の体重を入力された目標体重まで減少させるための目標脂肪減少量ΔBpを推定演算してもよい。
【0047】
また、本実施形態では目標脂肪減少量ΔBpとして0よりも大きい値が設定されることを主に説明しているが、例えば現在の体組成の維持などを目的として、目標脂肪減少量ΔBp=0を設定することも可能である。
【0048】
次のステップ104において、演算部14は、現日付から、ステップ102で設定された目標期間Tpだけ後の日付である目標日付YMDを演算し、演算した目標日付YMDを現利用者の減量目標情報に追加登録する。
【0049】
ステップ106において、取得部12は、現利用者の体組成情報を含む身体情報が取得可能か否か判定する。この判定は、減量支援装置10が据置型減量支援装置66であれば肯定される。また、減量支援装置10が携帯型減量支援装置24であっても、体組成計等による現利用者の体組成の計測結果を含む身体情報が、例えば現利用者により入力部32を介して入力されたり、体組成計との通信によって体組成計から取得できる場合には、ステップ106の判定は肯定される。
【0050】
ステップ106の判定が肯定された場合はステップ108へ移行し、ステップ108において、取得部12は、現利用者の身体情報を取得する。例えば、減量支援装置10が据置型減量支援装置66である場合、取得部12は、例えば表示部76に所定のメッセージを表示させる等により、現利用者に対して身体情報の計測を要請し、現利用者が電極74Aに足を合わせて基部68A上に立った状態で、体組成情報を含む現利用者の身体情報を身体情報測定部74によって測定させ、身体情報測定部74によって測定された身体情報を取得する。
【0051】
また、減量支援装置10が据置型減量支援装置66であり、身体情報測定部74によって過去の所定期間以内に測定された現利用者の身体情報が利用者情報テーブル50に登録されている場合、取得部12は、利用者情報テーブル50から該当する身体情報を読み出すことで取得する。また、減量支援装置10が携帯型減量支援装置24である場合、取得部12は、身体情報を現利用者により入力させるか、体組成計との通信によって身体情報を取得する。
【0052】
次のステップ110において、演算部14は、ステップ108で取得部12が取得した身体情報に基づいて、現利用者の現在の脂肪量B[g]を演算する。そして演算部14は、演算した現在脂肪量Bを現利用者の目標設定時点脂肪量Bref[g]として利用者情報テーブル50に登録し、ステップ118へ移行する。また、減量支援装置10が携帯型減量支援装置24であり、現利用者の身体情報を取得できない場合は、ステップ106
の判定が否定され、ステップ108,110をスキップしてステップ118へ移行する。
【0053】
一方、ステップ100の判定が否定された場合、すなわち、現利用者の減量目標情報は以前に設定済みで、現利用者は減量中である(減量目標設定時点から時間が経過している)場合はステップ112へ移行し、ステップ112において、取得部12は、前述したステップ106と同様に、現利用者の身体情報を取得可能か否か判定する。ステップ112の判定が肯定された場合はステップ114へ移行し、ステップ114において、取得部12は、前述したステップ108と同様に、現利用者の身体情報を取得する。
【0054】
次のステップ116において、演算部14は、ステップ114で取得部12が取得した身体情報に基づいて、現利用者の現在脂肪量B[g]を演算し、演算した現在脂肪量Bを利用者情報テーブル50に登録し、ステップ118へ移行する。
【0055】
ステップ118において、減量支援装置10は第1の支援情報演算・出力処理を行う。また、ステップ112の判定が否定された場合はステップ120へ移行し、ステップ120において、減量支援装置10は第2の支援情報演算・出力処理を行う。このように、本実施形態では、減量目標の設定時、及び、減量目標設定時点から時間が経過しており、かつ身体情報を取得できる場合は第1の支援情報演算・出力処理を行い、減量目標設定時点から時間が経過しており、かつ身体情報を取得できない場合は第2の支援情報演算・出力処理を行う。
【0056】
次に
図12を参照し、第1の支援情報演算・出力処理を説明する。第1の支援情報演算・出力処理のステップ130において、取得部12は、例えば表示部76又は表示部30に所定のメッセージを表示させる等により、現利用者に対して測定部18への呼気の吹きかけを要請し、現利用者の呼気中のアセトン濃度aを測定部18によって測定させ、測定部18によって測定されたアセトン濃度aを取得する。
【0057】
次のステップ132において、演算部14は、a−F関係情報52に基づき、ステップ130で取得したアセトン濃度aに対応する脂肪消費速度Fを演算する。ステップ134において、演算部14は、ステップ132で演算した脂肪消費速度F[g/24h]を24で除算することで脂肪消費速度f[g/h]に換算する。
【0058】
ステップ136において、出力部16は、ステップ132で演算した現利用者の脂肪消費速度Fを、現利用者の現在の体脂肪燃焼度に置き換え、ステップ130で取得したアセトン濃度aと共に表示部76又は表示部30に表示する。体脂肪燃焼度及びアセトン濃度aの表示の一例を
図14に示す。
図14に示す例では、炎の画像を現在の体脂肪燃焼度に応じた数だけ表示することで、現在の体脂肪燃焼度を表しており、現在の体脂肪燃焼度を利用者に直感的に把握させることができる。
【0059】
ステップ138において、演算部14は、現時点が現利用者の減量目標設定時点か否か(前述のステップ100の判定が肯定されたか否か)判定する。ステップ138の判定が肯定された場合はステップ140へ移行し、ステップ140において、演算部14は、減量目標設定時点からの現利用者の脂肪減少量が目標脂肪減少量ΔBpに達するために、減少させるべき現利用者の脂肪の残量を表す脂肪目標減少量残量Bx[g]として、今回設定された目標脂肪減少量ΔBpをそのまま設定し、ステップ144へ移行する。また、ステップ138の判定が否定された場合はステップ142へ移行し、ステップ142において、演算部14は、脂肪目標減少量残量Bxとして、目標設定時点脂肪量Brefと現在脂肪量Bの差を、目標脂肪減少量ΔBpから減じた値を設定し(次式も参照)、ステップ144へ移行する。
Bx←ΔBp−(Bref−B)
【0060】
ステップ144において、演算部14は、現利用者の脂肪消費速度が現在の脂肪消費速度Fのまま維持された場合に、現時点から、減量目標設定時点からの現利用者の脂肪減少量が目標脂肪減少量ΔBpに達する時点迄の日数を表す達成予想日数Dとして、脂肪目標減少量残量Bxを脂肪消費速度Fで除算した値を設定する(次式も参照)。
D←Bx/F
また、ステップ146において、演算部14は、日数差ΔDとして、ステップ144で演算した達成予想日数Dから、目標日付YMDまでの残日数を減算した値を設定する(次式も参照)。
ΔD←D−目標日付YMDまでの残日数
そして、ステップ148において、演算部14は、第1の達成見込み判定テーブル54から、ステップ146で演算した日数差ΔDに対応する目標達成見込みの判定結果を取得する。
【0061】
次のステップ150において、演算部14は、減量目標設定時点からの現利用者の脂肪減少量が目標日付YMDまでに目標脂肪減少量ΔBpに達するために必要な脂肪消費速度を表す目標脂肪消費速度fp[g/h]として、脂肪目標減少量残量Bxを目標日付YMDまでの残時間で除算した値を設定する(次式も参照)。
fp←Bx/目標日付YMDまでの残時間
次のステップ152において、演算部14は、減量目標設定時点からの現利用者の脂肪減少量が目標日付YMDまでに目標脂肪減少量ΔBpに達するために必要な脂肪消費速度の加速量を表す脂肪消費速度の目標増速値Δfpとして、ステップ150で演算した←目標脂肪消費速度fpから脂肪消費速度fを減算した値を設定する(次式も参照)。
Δfp←fp−f
【0062】
ステップ154において、出力部16は、ステップ134で演算した脂肪消費速度f、ステップ148で取得した目標達成見込みの判定結果、ステップ144で演算した達成予想日数D、ステップ146で演算した日数差ΔD、及び、ステップ152で演算した脂肪消費速度の目標増速値Δfpを表示部76又は表示部30に表示する。上記各情報の表示の一例を
図15に示す。上記各情報を表示することで、設定した減量目標がどの程度の見込みで達成されそうか、現在の脂肪消費速度fでは脂肪減少量が目標脂肪減少量ΔBpに達するタイミングが減量目標に対してどの程度相違しているか、目標期間Tp内に目標脂肪減少量ΔBpだけ脂肪を減少させるためには脂肪消費速度fをどの程度変化させる必要があるか、等を利用者に把握させることができる。
【0063】
次のステップ156において、取得部12は、先に説明したステップ108又はステップ114で取得した現利用者の身体情報が有るか否か判定する。ステップ156の判定が肯定された場合はステップ158へ移行し、ステップ158において、取得部12は、先のステップ108又はステップ114で取得した現利用者の身体情報を読み出す。次のステップ160において、演算部14は、ステップ158で読み出した身体情報に基づいて、現利用者の基礎代謝量Rを演算し、ステップ164へ移行する。
【0064】
また、ステップ156の判定が否定された場合はステップ162へ移行し、ステップ162において、取得部12は、予め記憶部88又は記憶部42に記憶された基礎代謝量Rのデフォルト値を読み出し、ステップ164へ移行する。なお、基礎代謝量Rのデフォルト値として、性別及び年齢層毎に基礎代謝量Rの代表値を記憶しておき、現利用者の性別及び年齢が既知であれば、現利用者の性別及び年齢に対応する基礎代謝量Rの代表値を読み出すようにしてもよい。
【0065】
ステップ164において、演算部14は、ステップ160又はステップ162で得られた基礎代謝量Rに基づき、生活活動量として標準値を用い、基礎代謝量Rと生活活動量とを乗算することで、現利用者が現状の体組成を維持する場合の摂取エネルギー量E
0[kcal/24h]を演算する。次のステップ166において、演算部14は、ステップ164で演算した摂取エネルギー量E
0に基づいて、現利用者が現状の体組成を維持する場合の糖質摂取量S
0[g/24h]を演算する。なお、糖質摂取量S
0は、例えば前出の「日本人の食事摂取基準」に基づいて摂取エネルギー量E
0から演算できる。また、望ましいPFCバランスが利用者によって相違している場合があることを考慮し、現利用者の望ましいPFCバランスに基づいて、摂取エネルギー量E
0に対応する糖質摂取量S
0を演算してもよい。
【0066】
ステップ168において、演算部14は、Δfp−ΔS関係情報58に基づいて、先のステップ152で演算した脂肪消費速度の目標増速値Δfpに対応する糖質摂取減少率ΔS[%]を演算する。また、ステップ170において、演算部14は、ステップ166で演算した糖質摂取量S
0にステップ170で演算した糖質摂取減少率ΔSを乗ずることで目標糖質摂取量Sp[g/24h]を演算する(次式も参照)。
Sp←S
0−ΔS
但し、上記で演算した目標糖質摂取量Spが糖質摂取量の下限値未満となった場合は、目標糖質摂取量Spを下限値に設定する。糖質摂取量の下限値は、例えば「日本人の食事摂取基準」等で提示されている値を用いてもよいし、個々の利用者の体格、性別、年齢層、生活活動量の少なくとも1つに応じて変更してもよい。
【0067】
ステップ172において、出力部16は、ステップ170で演算した目標糖質摂取量Spを、所定の食品に換算した場合の所定の食品の数量を求め、目標糖質摂取量Sp及び所定の食品に換算した数量を表示部76又は表示部30に表示する。目標糖質摂取量Sp及び食品換算数量の表示の一例を
図16に示す。目標糖質摂取量Sp及び食品換算数量を表示することで、目標期間Tp内に目標脂肪減少量ΔBpだけ脂肪を減少させるための糖質摂取量を利用者に直感的に把握させることができる。
【0068】
次のステップ174において、演算部14は、レシピ情報の表示が指示されたか否か判定する。
図16に示すように、目標糖質摂取量Sp及び食品換算数量の表示画面には、レシピ情報の表示を指示するためのボタン92が表示される。ステップ174の判定は、ボタン92が利用者によって選択された場合に肯定される。
【0069】
ステップ174の判定が肯定された場合はステップ176へ移行し、ステップ176において、演算部14は、目標糖質摂取量Spを3で除算することで1食当たりの目標糖質摂取量sp[g/食]に換算する。次のステップ178において、演算部14は、1食当たりの目標糖質摂取量sp及び現利用者の体組成情報(例えば筋肉量G、脂肪量B及び基礎代謝量R)に基づいて、1食当たりの目標糖質摂取量spに対応する所定の他の栄養素の1食当たりの目標摂取量(例えばたんぱく質、脂質、ビタミン及びミネラルの目標摂取量h,j,k,m[g/食])を栄養素摂取量テーブル62から取得する。なお、現利用者の体組成情報が取得できない場合は体組成情報として標準値を用いればよい。
【0070】
次のステップ180において、演算部14は、レシピ情報テーブル64に登録された複数の料理のレシピ情報の中から、糖質を含む各栄養素の摂取量が目標摂取量に近似しているレシピ情報を選択する。また、演算部14は、選択したレシピ情報に含まれる料理に必要な食材の分量を、各栄養素の目標摂取量に応じて調整(増減)する(例えば、主食に相当する食材の分量を目標糖質摂取量spに応じて調整する)ことで、レシピ情報が表す料理を食べた場合の各栄養素の摂取量を、各栄養素の目標摂取量を基準とする所定範囲内に調整する。
【0071】
ステップ182において、出力部16は、ステップ180で選択・調整したレシピ情報を表示部76又は表示部30に表示する。レシピ情報の表示の一例を
図17に示す。レシピ情報を表示することで、目標期間Tp内に目標脂肪減少量ΔBpだけ脂肪を減少させるための具体的な料理の一例と、この料理を食べた場合の各栄養素の摂取量を利用者に把握させることができる。
【0072】
また、
図17に示すように、レシピ情報の表示画面には、食材の分量の表示を指示するためのボタン94が表示される。ボタン94が利用者によって選択されることで、食材の分量の表示が指示された場合、出力部16は、一例として
図18(A)〜(C)に示すように、レシピ情報の表示画面に表示した料理に必要な食材の分量を表示部76又は表示部30に表示する。なお、
図18(A)〜(C)に示す食材の分量は、糖質等の栄養素の摂取量が互いに相違しており、具体的には、糖質等の栄養素の摂取量に応じて「ごはん」「鶏もも肉」「大豆」の各食材の分量が相違している。このように、食材の分量を表示することで、レシピ情報の表示画面に表示した料理に必要な食材の分量を利用者に把握させることができる。
【0073】
なお、ステップ174の判定が否定された場合はステップ178〜ステップ182をスキップしてステップ184へ移行する。ステップ184において、演算部14は、先のステップ150で演算した目標脂肪消費速度fpに24を乗ずることで、1日当たりの目標脂肪消費速度Fp[g/24h]に換算する。次のステップ186において、演算部14は、a−F関係情報52に基づいて、目標脂肪消費速度Fpに対応する目標アセトン濃度ap[ppb]を演算する。
【0074】
そして、ステップ188において、出力部16は、ステップ186で演算した目標アセトン濃度apを表示部76又は表示部30に表示する。目標アセトン濃度apの表示の一例を
図19に示す。目標アセトン濃度apを表示することで、目標期間Tp内に目標脂肪減少量ΔBpだけ脂肪を減少させるための目安となるアセトン濃度aを利用者に把握させることができる。
【0075】
ステップ190において、演算部14は、ステップ186で演算した目標アセトン濃度ap及びステップ184で演算した目標脂肪消費速度Fpを、現在の日付と対応付けて利用者情報テーブル50に登録し、第1の支援情報演算・出力処理(減量支援処理)を終了する。
【0076】
次に
図13を参照し、第2の支援情報演算・出力処理について、第1の支援情報演算・出力処理と異なる部分を主に説明する。なお、
図13では、第2の支援情報演算・出力処理のうち、第1の支援情報演算・出力処理と同一の処理には同一の符号を付している。
【0077】
第2の支援情報演算・出力処理のステップ130〜ステップ136は、第1の支援情報演算・出力処理の同ステップと同じである。次のステップ200において、取得部12は、現利用者の目標アセトン濃度ap及び目標脂肪消費速度Fpを利用者情報テーブル50から読み込む。第2の支援情報演算・出力処理は、減量目標設定時点から時間が経過しており、かつ現利用者の身体情報を取得できない場合(例えば、減量支援装置10が携帯型減量支援装置24である場合)に実行されるので、ステップ200で取得される現利用者の目標アセトン濃度ap及び目標脂肪消費速度Fpは減量目標設定時点で演算された値である。
【0078】
次のステップ202において、演算部14は、ステップ200で取得した目標アセトン濃度apから、ステップ130で取得したアセトン濃度aを減算した値をアセトン濃度差Δaに設定する (次式も参照)。
Δa←ap−a
また、ステップ204において、演算部14は、ステップ202で演算したアセトン濃度差Δaに対応する減量達成見込みの判定結果を第2の達成見込み判定テーブル56から取得する。
【0079】
次のステップ206において、演算部14は、ステップ200で取得した目標脂肪消費速度Fpと、ステップ132で演算した脂肪消費速度Fと、の差に対応する日数差ΔDを演算する。身体情報を取得できない場合、現利用者の現在脂肪量Bが未知であるので、脂肪目標減少量残量Bxも未知であり、第1の支援情報演算・出力処理で説明したように、脂肪目標減少量残量Bxから達成予想日数Dを演算して日数差ΔDを演算することはできない。
【0080】
このため、第2の支援情報演算・出力処理では、一例として
図20に一点鎖線で示すように、減量目標設定時点から現時点迄の間、現利用者の脂肪消費速度が、ステップ132で演算した脂肪消費速度Fのまま維持されたと仮定する(一点鎖線で示す脂肪量Bの変化が脂肪消費速度Fに対応する一定の傾きと仮定する)。そして、仮定した脂肪量Bの推移を示す線(一点鎖線)と、減量目標設定時点からの現利用者の脂肪減少量が目標脂肪減少量ΔBpに達する線(
図20で破線で示す)と、の交点の時間軸上の位置(達成予想日付)を求める。
【0081】
現利用者の脂肪消費速度が減量目標設定時点から目標脂肪消費速度Fpのまま維持された場合(この場合の脂肪量Bの推移を
図20に二点鎖線で示す)には、現利用者の脂肪減少量は目標日付YMDに目標脂肪減少量ΔBpに達することは既知であるので、上記で求めた達成予想日付と目標日付YMDとの差を日数差ΔDとして演算することができる。
【0082】
なお、身体情報を取得できない場合の日数差ΔDの演算手順は上記に限られるものではない。身体情報を取得できない場合であっても、アセトン濃度aから脂肪消費速度Fは演算することができ、減量目標設定時点での脂肪消費速度Fも既知である。このため、一方の座標軸を時間t、他方の座標軸を脂肪消費速度Fにとった2次元座標上に、現時点を含む互いに異なるタイミングで得られた複数の脂肪消費速度Fの演算結果をプロットし、脂肪消費速度Fの推移を曲線(直線でもよい)で近似する。この近似で得られた関数を積分(面積を算出)すれば、減量目標設定時点から現時点までの脂肪消費量が推定できるので、この脂肪消費量の推定値から現在脂肪量Bの推定を演算し、後は第1の支援情報演算・出力処理と同じ演算手順で日数差ΔDを演算することも可能である。
【0083】
次のステップ208において、演算部14は、目標日付YMDにステップ206で演算した日数差ΔDを加算することで達成予想日数Dを演算する。ステップ210において、演算部14は、ステップ200で取得した目標脂肪消費速度Fpからステップ132で演算した脂肪消費速度Fを減算した値を脂肪消費速度の目標増速値ΔFpに設定する(次式も参照)。
ΔFp←Fp−F
【0084】
ステップ212において、演算部14は、ステップ210で演算した脂肪消費速度の目標増速値ΔFpを時間当たりの脂肪消費速度の目標増速値Δfpに換算する。上記処理により、脂肪消費速度f、目標達成見込みの判定結果、達成予想日数D、日数差ΔD及び脂肪消費速度の目標増速値Δfpが得られ、次のステップ154では、第2の支援情報演算・出力処理と同様に、これらの情報が出力部16によって表示部76又は表示部30に表示される。
【0085】
また、第2の支援情報演算・出力処理は、第1の支援情報演算・出力処理で説明した168に代えて、次に説明するステップ214の処理を行うことで糖質摂取減少率ΔSを演算する。すなわち、ステップ214において、演算部14は、Δa−ΔS関係情報60に基づいて、先のステップ202で演算したアセトン濃度差Δaに対応する糖質摂取減少率ΔSを演算する。
【0086】
なお、第2の支援情報演算・出力処理における次のステップ170以降の処理は、ステップ184〜ステップ190の処理を行わない点以外は、第1の支援情報演算・出力処理と同じであるので説明を省略する。
【0087】
以上説明したように、本実施形態では、取得部12が利用者のアセトン濃度aを取得し、演算部14が、記憶部20に記憶された、アセトン濃度aと脂肪消費速度Fとの関係を規定するa−F関係情報52、取得部12によって取得されたアセトン濃度a、及び、利用者の減量目標に基づいて、減量目標の達成見込みの判定、及び、減量目標の達成の目安となる所定の物理量の演算の少なくとも一方を行い、出力部16が、演算部14による減量目標の達成見込みの判定又は所定の物理量の演算の結果を、減量目標の達成を支援する支援情報として出力するので、利用者の減量目標の達成を支援する情報を利用者に提供することができる。
【0088】
また、本実施形態では、演算部14が、a−F関係情報52に基づいてアセトン濃度aに対応する利用者の脂肪消費速度Fを演算し、演算した脂肪消費速度Fに基づき、減量目標設定時点からの利用者の脂肪減少量が目標脂肪減少量ΔBpに達すると予想される達成予想日数Dを演算し、出力部16が達成予想日数Dを出力するので、現在の脂肪消費速度Fを維持した場合に利用者の脂肪減少量が目標脂肪減少量ΔBpに達する時期を利用者に把握させることができる。
【0089】
また、本実施形態では、演算部14が、達成予想日数Dと目標日付YMDとの日数差ΔDに基づいて減量目標の達成見込みを判定し、出力部16が減量目標の達成見込みを出力するので、現在の脂肪消費速度Fを維持した場合に減量目標が達成される見込みを利用者に把握させることができる。
【0090】
また、本実施形態では、演算部14が、a−F関係情報52、アセトン濃度a及び減量目標に基づいて、減量目標設定時点からの利用者の脂肪減少量を目標日付YMDまでに目標脂肪減少量ΔBpに到達させるための目標アセトン濃度apを演算し、演算した目標アセトン濃度apとアセトン濃度aとの偏差(アセトン濃度差Δa)に基づいて減量目標の達成見込みを判定し、出力部16が減量目標の達成見込みを出力するので、利用者の身体情報を取得できない場合にも、現在の脂肪消費速度Fを維持したときに減量目標が達成される見込みを利用者に把握させることができる。
【0091】
更に、本実施形態では、演算部14が、a−F関係情報52に基づいて目標アセトン濃度apに対応する目標脂肪消費速度Fpを演算すると共に、a−F関係情報52に基づいてアセトン濃度aに対応する脂肪消費速度Fを演算し、目標アセトン濃度apと脂肪消費速度Fとの差に基づき、減量目標設定時点からの利用者の脂肪減少量が目標脂肪減少量ΔBpに達すると予想される達成予想日数Dを演算し、出力部16が達成予想日数Dを出力するので、利用者の身体情報を取得できない場合にも、現在の脂肪消費速度Fを維持したときに利用者の脂肪減少量が目標脂肪減少量ΔBpに達する時期を利用者に把握させることができる。
【0092】
また、本実施形態では、演算部14が、a−F関係情報52に基づいてアセトン濃度aに対応する脂肪消費速度Fを演算し、演算した脂肪消費速度Fに基づいて、減量目標設定時点からの利用者の脂肪減少量を目標日付YMDまでに目標脂肪減少量ΔBpに到達させるための脂肪消費速度の目標増速値Δfpを演算し、出力部16が脂肪消費速度の目標増速値Δfpを出力するので、減量目標を達成するためには脂肪消費速度Fをどの程度増速する必要があるのかを利用者に把握させることができる。
【0093】
また、本実施形態では、取得部12が、利用者の身体情報を取得可能な場合に利用者の身体情報を取得し、演算部14が、減量目標設定時点から時間が経過し、かつ取得部12によって利用者の身体情報が取得された場合に、利用者の身体情報に基づいて、減量目標設定時点からの利用者の脂肪減少量を目標日付YMDまでに目標脂肪減少量ΔBpに到達させるための目標脂肪消費速度fpを演算し、目標脂肪消費速度fpと脂肪消費速度fとの差を脂肪消費速度の目標増速値Δfpとして演算するので、利用者の身体情報を用いることで脂肪消費速度の目標増速値Δfpの演算精度が向上する。
【0094】
また、本実施形態では、演算部14が、減量目標設定時点から時間が経過し、かつ取得部12によって利用者の身体情報が取得されない場合に、減量目標に基づいて演算した、減量目標の設定時点からの利用者の脂肪減少量を目標日付YMDまでに目標脂肪減少量ΔBpに到達させるための減量目標設定時点での目標脂肪消費速度Fpと、脂肪消費速度Fと、の差を脂肪消費速度の目標増速値ΔFpとして演算するので、利用者の身体情報を取得できない場合にも、脂肪消費速度の目標増速値ΔFpを演算することができる。
【0095】
更に、本実施形態では、演算部14が、脂肪消費速度の目標増速値ΔFpに基づき、減量目標設定時点からの利用者の脂肪減少量を目標日付YMDまでに目標脂肪減少量ΔBpに到達させるための目標アセトン濃度apを演算し、出力部16が目標アセトン濃度apを出力するので、利用者の脂肪減少量を目標日付YMDまでに目標脂肪減少量ΔBpに到達させるために、減量中の利用者が目安とすることができる情報(目標アセトン濃度ap)を利用者に提供することができる。
【0096】
また、本実施形態では、演算部14が、記憶部20に予め記憶された脂肪消費速度の目標増速値Δfpと糖質摂取減少率ΔSとの関係を規定するΔfp−ΔS関係情報58に基づいて、脂肪消費速度の目標増速値Δfpに対応する糖質摂取減少率ΔSを演算し、糖質摂取減少率ΔSに基づき、減量目標設定時点からの利用者の脂肪減少量を目標日付YMDまでに目標脂肪減少量ΔBpに到達させるための目標糖質摂取量Spを演算し、出力部16が目標糖質摂取量Spを出力するので、減量目標を達成するための目標糖質摂取量を利用者に把握させることができる。
【0097】
また、本実施形態では、取得部12が、利用者の体格及び体組成を含む身体情報を取得可能な場合に利用者の身体情報を取得し、演算部14が、取得部12によって利用者の身体情報が取得された場合に、利用者の身体情報に基づいて利用者の基礎代謝量Rを演算し、利用者の基礎代謝量R及び生活活動量から利用者の体組成が維持される糖質摂取量S
0を演算し、演算した糖質摂取量S
0に基づいて目標糖質摂取量Spを演算するので、利用者の身体情報を用いることで目標糖質摂取量Spの演算精度が向上する。
【0098】
また、本実施形態では、演算部14が、a−F関係情報52、アセトン濃度a及び減量目標に基づいて、減量目標を達成するための減量目標設定時点での目標アセトン濃度apを演算し、目標アセトン濃度apとアセトン濃度aの差(アセトン濃度差Δa)を演算し、記憶部20に予め記憶されたアセトン濃度差Δaと糖質摂取減少率ΔSとの関係を規定するΔa−ΔS関係情報60に基づいて、アセトン濃度差Δaに対応する糖質摂取減少率ΔSを演算し、演算した糖質摂取減少率ΔSに基づき、減量目標を達成するための利用者の目標糖質摂取量Spを演算するので、利用者の身体情報を取得できない場合にも、目標糖質摂取量Spを演算することができる。
【0099】
更に、本実施形態では、出力部16が、演算部14によって演算された目標糖質摂取量Spを所定の食品の摂取量に換算して表す食品摂取量情報を出力するので、減量目標を達成するための利用者の目標糖質摂取量Spを利用者に直感的に把握させることができる。
【0100】
また、本実施形態では、演算部14が、目標糖質摂取量Spに基づいて、利用者の糖質以外の所定の栄養素の摂取量の目標値を演算し、出力部16が、演算部14によって演算された目標糖質摂取量Sp及び所定の栄養素の摂取量の目標値に対応するレシピを表すレシピ情報を出力するので、減量目標を達成するための具体的な料理を利用者に把握させることができる。
【0101】
なお、上記では、利用者の身体情報が取得できない場合に、利用者の基礎代謝量Rとしてデフォルト値を用いる態様を説明したが、これに限定されるものではなく、利用者の身体情報のうち取得できない情報として所定値を用いて利用者の基礎代謝量Rを演算するようにしてもよいし、本来は基礎代謝量Rから演算する糖質摂取量S
0として所定値を用いるようにしてもよい。
【0102】
また、レシピ情報の表示に際し、利用者のスクロール指示に応じて異なる料理のレシピへ表示を切り替えるようにしてもよい。
【0103】
また、上記では減量支援装置10が測定部18を含む構成を説明したが、減量支援装置10を、測定部18を含まない構成とすることも可能である。具体的には、測定部18が設けられた測定機器(一例としては、測定部18が設けられた体組成計など)と通信可能な装置、例えばスマートフォンやサーバ等の装置によって減量支援プログラム48を実行させることで、前記装置を減量支援装置10として機能させ、前記測定機器から測定ケトン体濃度を取得し、減量目標の達成を支援する支援情報を演算・出力する処理を行わせることも可能である。また、スマートフォン等の携帯型の機器であれば、測定部18を搭載すると共に代謝評価プログラム48を実行させることで、測定部18を含む構成の代謝評価装置10の一例として機能させることも可能である。
【0104】
更に、上記ではケトン体の濃度として呼気中のアセトン濃度aを測定する態様を説明したが、これに限定されるものではなく、利用者の皮膚、尿、唾液及び汗等の少なくとも1つへ排出されたケトン体の濃度を測定してもよい。
【0105】
また、上記では本発明に係る減量支援プログラムの一例である減量支援プログラム48が記憶部42,88に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、本発明に係る減量支援プログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。