(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記送信制御ルールは、キーワードを条件として電子メールの送信を制御するためのルールであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0017】
情報処理装置100と、1又は複数のユーザ端末110と、1又は複数の管理者端末120と、1又は複数の監査者端末130とは、ローカルエリアネットワークを介して接続される構成となっている。また情報処理装置100は、外部ネットワーク140に接続可能な構成となっている。
【0018】
情報処理装置100は、ユーザ端末110から送信された電子メールに対して、管理者端末120で入力された設定に基づき、電子メールごとに送信、保留、削除(送信拒否)の判定を行ない、電子メールが保留された場合、監査端末130に通知を行ない監査者に目視確認を促す。
【0019】
また、情報処理装置100は、監査者端末130から保留メールに対する送信または削除の指示を受け取り、電子メールを送信または削除する。
【0020】
ユーザ端末110は、電子メールを情報処理装置100に送る。
【0021】
管理者端末120は、電子メールの送信制御に関する設定を情報処理装置100に指示する。
【0022】
監査者端末130は、保留された電子メールの送信または削除を情報処理装置100に指示する。
【0023】
以下、
図2を用いて、
図1に示した情報処理装置100、ユーザ端末110、管理者端末120、監査者端末130に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
【0024】
図2は、
図1に示した情報処理装置100、ユーザ端末110、管理者端末120、監査者端末130に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0025】
図2に示すように、情報処理装置101では、システムバス200を介してCPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、記憶装置204、入力コントローラ205、音声入力コントローラ206、ビデオコントローラ207、メモリコントローラ208、よび通信I/Fコントローラ209が接続される。
【0026】
CPU201は、システムバス200に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0027】
ROM202あるいは記憶装置204は、CPU201が実行する制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やOS(Operating System)や、本情報処理方法を実現するためのコンピュータ読み取り実行可能なプログラムおよび必要な各種データ(データテーブルを含む)を保持している。
【0028】
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは記憶装置204からRAM203にロードし、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現する。
【0029】
入力コントローラ205は、キーボード/タッチパネル210などの入力装置からの入力を制御する。入力装置はこれに限ったものでなく、マウスやマルチタッチスクリーンなどの、複数の指でタッチされた位置を検出することが可能なタッチパネルであってもよい。
【0030】
ユーザがタッチパネルに表示されたアイコンやカーソルやボタンに合わせて押下(指等でタッチ)することにより、各種の指示を行うことができる。
【0031】
この入力装置を用いて各種通信装置で利用可能な通信宛先に対する宛先を入力するようになっている。
【0032】
音声入力コントローラ206は、マイク211からの入力を制御する。マイク211から入力された音声を音声認識することが可能となっている。
【0033】
ビデオコントローラ207は、ディスプレイ212などの外部出力装置への表示を制御する。ディスプレイは本体と一体になったノート型パソコンのディスプレイも含まれるものとする。なお、外部出力装置はディスプレイに限ったものははく、例えばプロジェクタであってもよい。また、前述のタッチ操作により受け付け可能な装置については、キーボード/タッチパネル210からの入力を受け付けることも可能となる。
【0034】
なおビデオコントローラ207は、表示制御を行うためのビデオメモリ(VRAM)を制御することが可能で、ビデオメモリ領域としてRAM203の一部を利用することもできるし、別途専用のビデオメモリを設けることも可能である。
【0035】
本発明では、ユーザが情報処理装置を通常する場合の表示に用いられる第1のビデオメモリ領域と、所定の画面が表示される場合に、第1のビデオメモリ領域の表示内容に重ねての表示に用いられる第2のビデオメモリ領域を有している。ビデオメモリ領域は2つに限ったものではなく、情報処理装置の資源が許す限り複数有することが可能なものとする。
【0036】
メモリコントローラ208は、外部メモリ213へのアクセスを制御する。外部メモリとしては、ブートプログラム、各種アプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、および各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク)、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等を利用可能である。
【0037】
通信I/Fコントローラ209、ネットワーク214を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信やISDNなどの電話回線、および携帯電話の3G回線を用いた通信が可能である。
【0038】
なお、記憶装置204は情報を永続的に記憶するための媒体であって、その形態をハードディスク等の記憶装置に限定するものではない。例えば、SSD(Solid State Drive)などの媒体であってもよい。
【0039】
また本実施形態における通信端末で行われる各種処理時の一時的なメモリエリアとしても利用可能である。
【0040】
次に、
図3のフローチャートを参照して、第1の実施形態において、ユーザ端末110から電子メールが送信された際に情報処理装置100が実行する処理について説明する。
【0041】
ステップS301において検査処理部101は、ユーザ端末110から送信依頼された電子メールを取得する。
【0042】
ステップS302において検査処理部101は、設定保存領域(
図6)の検査ルールテーブル601(
図10)を参照して、ステップS301で取得した電子メールが削除条件に合致するかを判定する。
【0043】
電子メールが、動作が「削除」である検査ルール(送信制御ルール)に合致すればステップS303に処理を移し、動作が「削除」であるいずれのルールにも合致しなければステップS304に処理を移す。
【0044】
ステップS303において検査処理部101は、ステップS301で取得した電子メールの送信を中止する。
【0045】
ステップS304において検査処理部101は、設定保存領域の検査ルールテーブル601を参照して、ステップS301で取得した電子メールが保留条件に合致するかを判定する。電子メールが、動作が「保留」であるルールに合致すればステップS305に処理を移し、動作が「保留」であるいずれのルールにも合致しなければステップS306に処理を移す。
【0046】
ステップS305において検査処理部101は、保留された電子メールに対応する監査者を特定し、対応する監査者端末120に監査依頼通知を送信する。監査者の特定方法は、例えば電子メールの送信者毎に監査者を対応付けたデータに基づいて特定する等の方法が考えられるが、本発明においてはいずれの方法であっても良い。
【0047】
ステップS306において検査処理部101は、削除条件にも保留条件にも合致しないと判定された電子メールを送信する。
【0048】
ステップS307において検査処理部101は、メール保存領域105(
図5)のメールテーブル501(
図9)に電子メールを保存する。また、メール保存領域105の送信状態テーブル502(
図8)に送信状態(削除、送出、保留)を保存する。
【0049】
保留状態の電子メールに対しては、監査依頼通知を受け取った監査者が監査者端末130において、電子メールの内容を目視確認した後、送出か削除を指示する。監査処理部108は、監査者の指示に応じて、電子メールを送信または削除した後、送信状態テーブル502の送信状態を更新する。
図8に送信状態テーブル502の具体例を示す。
【0050】
図8に示す通り、送信状態テーブル502は、当該電子メールの監査者を示す「監査者」、当該電子メールの送信状態(送出、削除、保留など)を示す「状態」、当該電子メールが送信指示された時刻を示す「時刻」、当該電子メールが合致したルールの識別情報を示す「検査ルールID」、当該電子メールの識別情報を示す「メールID」等の項目の情報から構成される。
【0051】
例えば、ID:1で識別されるデータは、メールID:1の電子メールの監査者は「kagawa」であり、送信状態は「送出」、送信指示された時刻は「2016年4月23日10時」、合致した検査ルールIDは「2」であることを示している。
図9にメールテーブル501の具体例を示す。
【0052】
図9に示す通り、メールデータテーブル501は、当該電子メールの本文を示す「本文」、当該電子メールの送信元を示す「from」、当該電子メールの送信先を示す「to」、当該電子メールが送信指示された時刻を示す「送信時刻」等の項目の情報から構成される。
図10に検査ルールテーブル601の具体例を示す。
【0053】
図10に示す通り、検査ルールテーブル601には、電子メールの送信先を示す「宛先」や電子メール(本文や添付ファイル、件名など)に含まれる文字列を示す「キーワード」といった条件と、当該条件に合致した電子メールの送信制御内容を示す「動作」とが対応付けて登録されている。
【0054】
例えば、ID:1で特定される検査ルールは、「社外秘」という文字列が含まれる電子メールは、送信せずに「削除」することを意味している。
【0055】
次にメール検査処理の具体例として、
図17に示す電子メール1701に対して
図3に示す処理が実施された場合について説明する。
【0056】
ステップS301において検査処理部101は、ユーザ端末110から送信依頼された電子メール1701を取得する。
【0057】
ステップS302において検査処理部101は、検査ルールテーブル601を参照して、電子メール1701が、「動作」項目に「削除」が登録されている検査ルールの条件に合致するか判定する。すなわち、検査ルールテーブル601に登録された検査ルールのうちID:1で特定される検査ルールの条件(キーワード:社外秘)に合致するかを判定する。
【0058】
電子メール1701は本文に「社外秘」を含まないので、動作が「削除」であるルールに合致しないため、ステップS304に処理を移す。
【0059】
ステップS304において検査処理部101は、設定保存領域の検査ルールテーブル601を参照して、電子メール1701が、「動作」項目に「保留」が登録されている検査ルールの条件に合致するか判定する。すなわち、検査ルールテーブル601に登録された検査ルールのうちID:2で特定される検査ルールの条件(キーワード:成分表)に合致するかを判定する。
【0060】
電子メール1701は本文にキーワード「成分表」(1702)を含んでいるため、動作が「保留」である1001ルールに合致するので、ステップS305に処理を移す。
【0061】
ステップS305において検査処理部101は、電子メール1701に対応する監査者を特定し、対応する監査者端末120に監査依頼通知を送信する。
【0062】
ステップS307において検査処理部101は、電子メール1701をメールテーブル501の電子メール904として保存し、送信状態804を送信状態テーブル502に保存する。
(メール集計処理フロー)
【0063】
次に、
図4のフローチャートを参照して、第1の実施形態において、情報処理装置100が、監査者端末からの指示の結果により、電子メールが送信または削除された場合に実行されるメールの集計処理について説明する。すなわち、送信が保留され、監査者から送信または削除の指示がなされた電子メールについて、集計する処理である。
【0064】
ステップS401においてメール集計処理部106は、メール保存領域102(
図5)のメールテーブル501(
図9)から、処理対象である電子メールを取得する。
【0065】
ステップS402においてメール集計処理部106は、ステップS401で取得した電子メールの送信状態を、メール保存領域102の送信状態テーブル502から取得する。
【0066】
ステップS403においてメール集計処理部106は、設定保存領域103の検査ルールテーブル601から、ステップS402で取得した送信状態に対応する検査ルールを取得する。
【0067】
ステップS404においてメール集計処理部106は、メール統計保存領域107(
図7)のメール統計テーブル701(
図11)において、ステップS401で取得した送信状態の状態と検査ルールに対して、メールの数を1加算する。
【0068】
ステップS405においてメール集計処理部106は、ステップS401で取得した電子メールの本文に対し形態素解析を行ない単語を取得する。本実施形態においては、異なりの単語を取得し、同じ単語は含まれないものとするが、取得した単語全てを用いるように構成してもよい。
【0069】
また、本実施形態においては本文のみを対象とするが、題名や添付ファイルの内容を含めるように構成してもよい。
【0070】
ステップS406においてメール集計処理部106は、ステップS405で取得した単語に対し、ステップS409までの繰り返し処理を開始する。
【0071】
ステップS407においてメール集計処理部106は、単語が特徴として有効であるか否かを判定する。特徴として有効であると判定した場合、ステップS408からの処理を実施する。特徴として有効でないと判定した場合、ステップS409に処理を移す。
【0072】
本実施形態においては、単語が名詞の場合に特徴として有効とし、それ以外の単語は無効であると判定する。
【0073】
ステップS408においてメール集計処理部106は、メール統計保存領域107の単語統計テーブル702(
図12)において、検査ルールと送信状態と有効であると判定された単語の組み合わせに対して、メールの数を1加算する。
【0074】
ステップS409においてメール集計処理部106は、次の単語がある場合、ステップS406からの処理を実施する。次の単語がない場合、処理を終了する。
【0075】
本実施形態において、メールの集計処理はメールの送信と同期して実行するように構成しているが、定期的にまとめて処理を行なうように構成しても構わない。
【0076】
次にメール集計処理の具体例として、
図9の電子メール901に対して
図4に示す処理が実施された場合について説明する。
【0077】
ステップS401においてメール集計処理部106は、メール保存領域102のメールテーブル501から、処理対象である電子メール901(ID=1)を取得する。
【0078】
ステップS402においてメール集計処理部106は、メール保存領域102の送信状態テーブル502から電子メール901(ID=1)に対応する送信状態801(メールID=1)を取得する。
【0079】
ステップS403においてメール集計処理部106は、設定保存領域103の検査ルールテーブル601から、ステップS401で取得した送信状態801(検査ルールID=2)に対応する検査ルール1001(ID=2)を取得する。
【0080】
ステップS404においてメール集計処理部106は、メール統計保存領域107(
図7)のメール統計テーブル701(
図11)において、ステップS401で取得した送信状態801の状態「送出」と検査ルール1001(ID=2)の組1101に対して、メールの数を1加算する。
【0081】
ステップS405においてメール集計処理部106は、ステップS402で取得した電子メール901の本文を取得し形態素解析を用いて単語を取得する。
図13に電子メール901から取得した単語の一覧を示す。
【0082】
ステップS406においてメール集計処理部106は、ステップS405で取得した単語1301「ご」に対し、ステップS409までの繰り返し処理を開始する。
【0083】
ステップS407においてメール集計処理部106は、単語1301の品詞が「接頭辞」であり、特徴として有効ではないと判定し、ステップS409に処理を移す。
【0084】
ステップS409においてメール集計処理部106は、次の単語1302「質問」があるので、ステップS406からの処理を実施する。
【0085】
ステップS406においてメール集計処理部106は、ステップS405で取得した単語1302「質問」に対し、ステップS409までの繰り返し処理を開始する。
【0086】
ステップS407においてメール集計処理部106は、単語1302の品詞が「名詞」であり、特徴として有効であると判定し、ステップS408に処理を移す。
【0087】
ステップS408においてメール集計処理部106は、単語統計テーブル702(
図12)において、検査ルール1001(ID=2)と状態「送出」と単語1302「質問」の組み合わせ1201に対して1加算する。
【0088】
以下、全ての単語に同様の処理を繰り返し、処理を終了する。
【0089】
図11にメール統計テーブル701の具体例を示す。
図11に示すメール統計テーブルのデータは、ステップS404において登録されるデータである。
【0090】
検査ルールIDと削除・送出された電子メール数とが対応付けて登録されている。例えば、検査ルールID:2に示す検査ルールにより送信が保留された電子メールについて、その後に監査者により削除された電子メール(送信が許可されなかった電子メール)は4通であり、監査者により送出された電子メールは20通であることを示している。
【0091】
図12に単語統計テーブル702の具体例を示す。
図12に示す単語統計テーブル702のデータは、ステップS408において登録されるデータである。
【0092】
検査ルールIDと、単語と、削除・送出された電子メール数とが対応付けて登録されている。例えば、検査ルールID:2に示す検査ルールにより送信が保留された電子メールのうち本文等に「製造」という文字列が含まれている電子メール(合計19通)については、そのうちの3通が監査者により削除され、16通が監査者により送出されたことを示している。
【0093】
次に、
図14のフローチャートを参照して、本実施形態の情報処理装置100が、監査者端末130に表示される、監査者が電子メールを目視確認する際の画面を生成する処理について説明する。
【0094】
本フローチャートの処理により、監査者は自分が目視確認を依頼されている電子メールの一覧を得ることができ、一覧に表示されている電子メールのうち任意の電子メールを選択することで、当該電子メールに対し目視確認する画面を表示することを指示することができる。一覧画面等については詳細な説明は省略する。
【0095】
ステップS1401において監査処理部108は、メールテーブル501から監査者が指定した保留メールを取得する。なお、監査者が指定した保留メールとは、不図示の保留メール一覧画面から監査者により選択された電子メールである。
【0096】
ステップS1402において監査処理部108は、ステップS1401で取得した保留メールに対し、メール集計処理と同じ対象(本文、添付ファイル、件名など)を形態素解析して、電子メールを構成する単語を取得する。本実施形態の説明においては、電子メールの本文を対象として形態素解析し、電子メールを構成する単語を取得する。
【0097】
ステップS1403において監査処理部108は、ステップS1402で取得した単語に対し、ステップS1408までの繰り返し処理を開始する。
【0098】
ステップS1404において監査処理部108は、単語が特徴として有効であるか否かをメール集計処理と同様の基準で判定する。特徴として有効であると判定した場合、ステップS1405からの処理を実施する。特徴として有効でないと判定した場合、ステップS1408に処理を移す。
【0099】
ステップS1405において監査処理部108は、メール統計テーブル701および単語統計テーブル702を用いて、処理対象のメールに合致した検査ルールと単語から状態「削除」に対する特徴量(単語の安危度合いを示す特徴量)を算出を算出する。
【0100】
特徴量は、分類された文書集合に対し、単語が文書集合をどれくらい特徴付けているかを数値化した指標である。
【0101】
特徴量は、情報量やtf・idf等の考え方に基づいた様々な方法があるが、本実施形態においては、説明を簡易にするため
図15に示す算出式を用いる。状態「削除」に対する特徴量は、特定の検査ルールにより保留された電子メールのうち、削除状態のメールと送出状態(削除以外の状態)のメールの出現確率の差により求める。
【0102】
ステップS1406において監査処理部108は、ステップS1405で算出した状態「削除」の特徴量から単語の安危を判定する。安危判定基準を
図16に示す。dは監査者によって設定される規定値である。新規単語は検査ルールにより保留されたメールの集合において新規に出現した単語を示す。
【0103】
ステップS1407において監査処理部108は、ステップS1406で判定した安危情報と単語及び特徴量を関連付けて安危リスト(
図19)に追加する。
【0104】
ステップS1408において監査処理部108は、次の単語がある場合、ステップS1403からの処理を実施する。次の単語がない場合、ステップS1409に処理を移す。
【0105】
ステップS1409において監査処理部108は、安危リストを用いて処理対象の電子メールの監査画面を表示する。監査画面の本文表示において、危険な単語および安全な単語に対し、それぞれ異なる強調表現を行なう。
(具体例)
【0106】
次に監査画面表示処理の具体例として、保留メール904に対して
図14に示す処理が実施された場合(監査者により、監査処理を行うメールとして保留メール904が選択された場合)について説明する。
【0107】
ステップS1401において監査処理部108は、メールテーブル501から保留メール904を取得する。
【0108】
ステップS1402において監査処理部108は、ステップS1401で取得した保留メール904の本文を取得し形態素解析を用いて、
図18に示した本文を構成する単語を取得する。
【0109】
ステップS1403において監査処理部108は、ステップS1402で取得した単語1801「製造」に対し、ステップS1408までの繰り返し処理を開始する。
【0110】
ステップS1404において監査処理部108は、単語1801は名詞であるので、有効な単語と判断し、ステップS1405からの処理を実施する。
【0111】
ステップS1405において監査処理部108は、メール統計テーブル701および単語統計テーブル702を用いて、電子メール904に合致した検査ルール(検査ルールID=2)と単語1801「製造」から状態「削除」に対する特徴量を算出する。
【0112】
メール統計テーブル701より、検査ルールID=2により保留された電子メールの削除数=4、送出数=20を得る。単語統計テーブル702から、検査ルールID=2および単語1801「製造」の組み(1202)を参照して単語1801の削除メールでの出現数=3と送出メールでの出現数=16を得る。そして、検査ルールID:2により保留された電子メールにおける「製造」の文字列の特徴量として、以下の値を得る。
特徴量(削除,製造)
=出現確率(削除,製造)− 出現確率(送出,製造)
=3/4 − 16/20
=0.75 − 0.80
=−0.05
【0113】
ステップS1406において監査処理部108は、ステップS1405で算出した状態「削除」の特徴量から単語の安危を、
図16の安危判定基準を参照して判定する。本実施形態の説明においてはd=0.25とする。特徴量=−0.05はいずれの基準も満たさないので、対応する安危情報はない。
【0114】
ステップS1407において監査処理部108は、ステップS1406で判定した安危情報(なし)と単語1801「製造」および特徴量(−0.05)を関連付けて安危リストに追加する。安危リストの例を
図19に示す。
【0115】
ステップS1408において監査処理部108は、次の単語1802「部」があるので、ステップS1403からの処理を実施する。
【0116】
以下、全ての単語に対して同様の処理を繰り返して
図19の安危リストを得て、ステップS1409に処理を移す。
【0117】
ステップS1409において監査処理部108は、
図19の安危リストを用いて監査画面を表示する。安全な単語として「部」と、危険な単語として「表」「YYY」「工場」「指示」と、新規の単語「伊藤」を強調表示する。また検査ルールに含まれるキーワード「成分表」も強調表示する。監査画面の例を
図20に示す。
【0118】
結果として、安全と強調された単語「部」に対し、単語「表」「YYY」「工場」「指示」と、危険と強調された箇所が多く、一瞥して危険である可能性が高いことがわかる。また危険と強調された単語から工場への指示であることが想起されるため全文を読む前に判断を下すことが可能となる。
【0119】
監査画面2001において、監査者が送出ボタン2002または削除ボタン2003のいずれかを押下することで、監査処理部108に電子メールに対する判断を伝える。
【0120】
監査処理部108は、送出または削除の指示を受けると送信状態テーブル502において対応するメールの状態を更新する。また、送出が指示された場合は、電子メールを外部ネットワークに送信する。
【0121】
監査画面においてdの値を動的に変更できるように構成してもよい。
【0122】
以上のように、例えば「成分表」という文字列が含まれているために送信が保留された電子メールについても、監査者による監査の結果、送信が許可される電子メールもあれば、許可されない電子メールもある。検査ルール毎に、送信が許可された電子メールに含まれる文字列(単語)、許可されなかった電子メールに含まれる文字列を集計することで、検査ルール毎に、当該検査ルールに合致した電子メールに含まれる各単語の安危情報を集計することができる。
【0123】
そして、監査対象の電子メールについて、集計結果に基づく情報を監査画面において監査者に提示することで、監査者は当該電子メールの安全性を一瞥して把握することが可能となる。その結果、効率的でありかつ判定に揺れのない監査が可能となる。
<第2の実施形態>
次に第2の実施形態について説明する。
【0124】
第2の実施形態は、全ての電子メールを一旦保留して必ず目視確認を行なうようなケースを想定している。
【0125】
第1の実施形態においては、検査ルール毎に単語の安危情報を集計したが、第2の実施形態のいては、送信先ドメイン毎に単語の安危情報を集計する。また、送信先ドメインに対して送信した実績が多い単語は安全と判定し、送信した実績が少ない単語は危険と判定する。
【0126】
第2の実施形態において、情報処理装置100が、監査者端末からの指示またはメール検査処理の結果により、電子メールが送信または削除された場合に実行されるメールの集計処理の一例を
図21のフローチャートに示す。
【0127】
ステップS2101においてメール集計処理部106は、メール保存領域102のメールテーブル501から、処理対象となる電子メールを取得する。
【0128】
ステップS2102においてメール集計処理部106は、ステップS2101で取得した電子メールに対応する送信状態を、メール保存領域102の送信状態テーブル502から取得する。
【0129】
ステップS2103においてメール集計処理部106は、ステップS2101で取得した電子メールから送信先のドメインを取得する。
【0130】
ステップS2104においてメール集計処理部106は、ステップS2103で取得した送信先ドメインに対し、ステップS2106までの繰り返し処理を開始する。
【0131】
ステップS2105においてメール集計処理部106は、メール統計保存領域107のメール統計テーブル701において、ステップS2101で取得した送信状態の状態と送信先ドメインに対して、メールの数を1加算する。
【0132】
ステップS2106においてメール集計処理部106は、次の送信先ドメインがある場合、ステップS2104からの処理を実施する。次の送信先ドメインがない場合、ステップS2107に処理を移す。
【0133】
ステップS2107においてメール集計処理部106は、第1の実施形態と同様に、ステップS2102で取得した電子メールの本文に対して形態素解析を行ない、単語を取得する。
【0134】
ステップS2108においてメール集計処理部106は、ステップS2107で取得した単語に対し、ステップS2114までの繰り返し処理を開始する。
【0135】
ステップS2109においてメール集計処理部106は、単語が特徴として有効であるか否かを判定する。特徴として有効であると判定した場合、ステップS2110からの処理を実施する。特徴として有効でないと判定した場合、ステップS2114に処理を移す。
【0136】
ステップS2110においてメール集計処理部106は、メール統計保存領域107の単語統計テーブル702において、全メール(空の送信先ドメインで表現する)と状態と単語の組み合わせに対して、メールの数を1加算する。
【0137】
ステップS2111においてメール集計処理部106は、ステップS2103で取得した送信先ドメインに対し、ステップS2113までの繰り返し処理を開始する。
【0138】
ステップS2112においてメール集計処理部106は、メール統計保存領域107の単語統計テーブル702において、送信先ドメインと状態と単語の組み合わせに対して、メールの数を1加算する。
【0139】
ステップS2113においてメール集計処理部106は、次の送信先ドメインがある場合、ステップS2111からの処理を実施する。次の送信先ドメインがない場合、ステップS2114に処理を移す。
【0140】
ステップS2114においてメール集計処理部106は、次の単語がある場合、ステップS2108からの処理を実施する。次の単語がない場合、処理を終了する。
【0141】
結果として、
図22に示すメール統計テーブルと
図23に示す単語統計テーブルを得る。
【0142】
本実施形態の説明において、メールの集計処理はメールの送信と同期して実行するように構成しているが、定期的にまとめて処理を行なうように構成しても構わない。
(監査画面表示処理)
【0143】
監査画面表示処理は第1の実施形態とほぼ同じであるが、ステップS1405における特徴量算出およびステップSS1406における安危判定の方法が異なる。
【0144】
第2の実施形態のステップS1405において監査処理部108は、メール統計テーブル701および単語統計テーブル702を用いて、送出先ドメインと単語から特徴量を算出する。特徴量算出式の一例を
図24に示す。送出先ドメインが複数ある場合は、各ドメインに対する特徴量のうち、絶対値が最大となる特徴量を用いる。
【0145】
また、第2の実施形態では、特徴量の算出に送出メールの数のみを用いたが、削除メールの数を含めた算出式を用いてもよい。
【0146】
第2の実施形態のステップS1406において監査処理部108は、ステップS1405で算出した特徴量から単語の安危を判定する。安危判定基準を
図25に示す。
【0147】
以上のように構成すると、送信先ドメインに対して過去に送信したことがない内容に関する単語が危険な単語として強調されるようになる。また、過去に送信した内容に関する単語は安全な単語として強調されるようになる。
【0148】
また、監査画面で選択された送信先のドメインに対して、動的に特徴量および安危判定を求めるように構成してもよい。
【0149】
以上のように、本発明によれば、電子メールの目視確認において、注意すべき単語(危険な単語)、安全な単語を提示することで、キーワードによるフィルタリングのメリットである基準の明確さを維持しつつ、効率的に判定作業を行なうことができる。また、注意すべき単語、安全な単語は、全ての監査者の判定に基づくので、他の監査者の着目した箇所(単語)を参考とすることができ、監査者による判定の揺れを少なくする効果が期待できる。
【0150】
また、本発明におけるプログラムは、
図3、
図4、
図14、
図21の処理をコンピュータに実行させるプログラムである。なお、本発明におけるプログラムは、
図3、
図4、
図14、
図21の各処理ごとのプログラムであってもよい。
【0151】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し、実行することによっても本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0152】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0153】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることが出来る。
【0154】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0155】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0156】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、ひとつの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0157】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。