(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
踏切の手前の軌道上に配置された検出区間内における列車の在線・非在線に応じて列車検出状態と列車不検出状態との間で即時的に切り替わる第1の切替手段を備えた第1の列車検出手段と、
前記検出区間内またはその近傍に設けられた地上子により前記踏切に接近する列車を非接触的に感知して列車検出状態と列車不検出状態との間で切り替わり、列車不検出状態から列車検出状態へ切り替わった際には少なくとも予め設定された切替猶予時間に亘って列車検出状態を保持する第2の切替手段を備えた第2の列車検出手段と、
列車検出状態と列車不検出状態との間で切り替わり、前記第1の切替手段と前記第2の切替手段との少なくともいずれか一方が列車検出状態の場合には、列車検出状態を保持する第3の切替手段を備えた第3の列車検出手段と、
前記踏切の手前の一定位置に設置され、前記第1及び第2の列車検出手段を有する制御子箱と、
前記踏切付近に設置され、前記第3の切替手段が格納された踏切器具箱と、
前記踏切に設けられ前記第3の切替手段が列車検出状態の時に稼動する保安設備と、を備えた踏切保安装置の、前記第2の列車検出手段の動作を監視するバックアップ動作監視装置であって、
同バックアップ動作監視装置は、前記踏切器具箱に設置されており、
前記第3の切替手段の切替状態に応じた信号が入力される入力部と、同入力部に入力された信号に基いて前記第2の列車検出手段が正常か否かを判定する判定部と、同判定部の判定に応じた出力を行う出力部とを備えると共に、前記第3の切替手段の列車検出状態に対応する信号の入力時から列車不検出状態に対応する信号の入力時までの列車連続検出時間を計時しており、前記判定部は、計時された前記列車連続検出時間が前記切替猶予時間以上の場合、前記第2の列車検出手段が正常であると判定することを特徴とするバックアップ動作監視装置。
【背景技術】
【0002】
踏切道は、鉄道と道路とが交差する箇所であり、双方の通行者が安全に通行できるように、警報機、遮断機等の保安設備を備えた踏切保安装置が設けられる。踏切保安装置においては、列車接近時に交差部を遮断し、警報鳴動することにより安全を確保する。そのため、列車が踏切道に接近していることを的確に検知することが重要となる。
【0003】
列車の検知手法に、列車の車軸がレールを短絡することを利用して検知する軌道回路が広く用いられる。踏切における列車検知は、短区間の軌道回路(踏切制御子)を踏切の進入方と進出方に離散的に設けて、列車の接近と通過を検知する方法が用いられる。
【0004】
しかしながら、軌道回路は、レール頭頂面の発錆や降灰または落葉等に起因して車軸によるレール短絡が阻害された場合に列車を検知できないという問題が存在する。特に、短区間の軌道回路(踏切制御子)はこの問題の影響を受けやすい。そこで、踏切制御子によって列車が検知できない場合に踏切が無遮断・無警報となることを防ぐために、列車の保安装置である自動列車停止装置(Automatic Train Stop:ATS)の車上搭載装置からの搬送波を検知することにより列車検知を行う、踏切バックアップ装置が用いられている。このような踏切バックアップ装置に関し各種発明がなされてきた。
【0005】
図7は、従来の踏切保安装置の第一の例を示す図である。
【0006】
図7(b)に示すように、踏切保安装置100は、ケーブル130を介して相互に接続された踏切器具箱110、制御子箱120を備える。
【0007】
踏切器具箱110は、踏切(
図7(a)参照)付近に設置され、電源111、故障検知受信器112及びリレー113が格納される。一方、制御子箱120は、踏切の手前の一定位置に設置され、踏切制御子122、故障検知送信器の機能を有するBU(Back Up)装置(「踏切バックアップ装置」と同義)123を有する。BU装置123は、これら踏切制御子122、BU装置123に発生した故障を検知し、故障を検知した旨を示す故障情報をBU装置(故障検知受信器)112に送信する。
【0008】
踏切制御子122は、当該踏切制御子122が設置された区間の車軸によるレール短絡を検知することより列車を検知する機器である。一方、BU装置123は、踏切制御子122の近傍のレール間に設置された地上子により列車のATS車上子が発する搬送波を受信することで列車を検知する機器である。踏切制御子122が列車検知状態となるのはレールが短絡している間であるのに対して、BU装置123はATS車上子の搬送波を受信してから一定時間継続して列車検知状態となることを特徴とする。そして、リレー113は、踏切制御子122またはBU装置123が列車検知状態になった場合に、踏切に遮断・鳴動動作をさせる。
【0009】
初期のBU装置は、故障時に無反応となり、列車検知機能を失う構造であった。そのため、BU装置が故障した状態で踏切制御子が短絡不良となる場合に無遮断となる問題が存在した。その追加的な対策として、BU装置と踏切制御子との列車検知状態を比較することにより故障検知を行う故障検出器が開発された。
【0010】
BU装置123は、踏切制御子122とBU装置123の列車検知状態を比較し、一方の装置が列車を検知後、一定時間以内に他方の装置が列車を検知できなかった場合に、いずれか一方の装置が故障であると判定し、BU故障検知受信器112に対して故障情報を送信する。BU装置123から故障情報を受信したBU装置112は、集中監視装置等の外部装置に故障情報を出力する。これにより、第一の例に係る踏切保安装置100では、踏切制御子122やBU装置123の故障を検知すべく構成している(例えば、特許文献1参照。)。
【0011】
図8は、従来の踏切保安装置の第二の例を示す図である。
【0012】
図8(b)に示すように、踏切保安装置200は、ケーブル230を介して相互に接続された踏切器具箱210、制御子箱220を備える。
【0013】
踏切器具箱210は、踏切(
図8(a)参照)付近に設置され、電源211、制御子用リレー212、BU装置用リレー213及びこれら制御子用リレー212、BU装置用リレー213の状態の不一致を検出する不一致検出器214が格納される。一方、制御子箱220は、踏切の手前の一定位置に設置され、踏切制御子221、BU装置222を有する。
【0014】
踏切制御子221は、当該踏切制御子221が設置された区間に列車が進入すると列車検知状態になり、列車が区間を進出すると列車非検知状態になることで列車を検知する機器である。BU装置222は、レール間に設置された地上子で列車搭載の車上子を検知すると列車検知状態になり、当該BU装置222に設定された時間(例えば10秒)列車検知状態を維持し、その後列車非検知状態に戻ることで列車を検知する機器である。踏切制御子221の列車検知に対応するリレー212と、BU装置222の列車検知に対応するリレー213のいずれかが列車検知状態となった場合、踏切に遮断・鳴動動作をさせる。
【0015】
不一致検出器214は、前記のリレー212とリレー213の状態を比較し、一方の装置が列車を検知後、一定時間以内に他方の装置が列車を検知できなかった場合に、いずれか一方の装置が故障であると判定し、集中監視装置等の外部装置に故障情報を出力する。これにより、第二の例に係る踏切保安装置200では、制御子221やBU装置222の故障を検知する。
【0016】
その他、例えば特許文献2には、踏切バックアップ装置の内部回路の自己診断機能によって、踏切バックアップ装置自身の故障の判断を実現する技術が開示されている。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明はバックアップ動作監視装置を提供するものであり、具体的には、列車検知状態を取り込む入力部と、列車検知状態に基づき故障を判定する判定部と、判定部の判定に基づく出力部を備える装置であって、判定部は前記列車検知状態が列車検知に遷移してより所定の監視時間の計時を行い、列車検知があらかじめ設定した判定時間以上継続する場合を前記踏切バックアップ装置が正常であると判定することを特徴とするものである。
【0033】
付言すれば、踏切の手前に配置され、列車を検出する踏切制御子と、踏切制御子による列車の検出動作をバックアップする踏切バックアップ装置と、踏切制御子及び前記踏切バックアップ装置のいずれかによって列車が検出された場合に状態が切り替えられるリレーと、を備えた踏切保安装置に設けられ、リレーの状態が切り替えられた時間が所定の判定時間以上である場合には踏切バックアップ装置は正常であると判定し、リレーの状態が切り替えられた時間が所定の判定時間未満である場合には、踏切バックアップ装置は故障していると判定するものである。
【0034】
また、本実施形態に係るバックアップ動作監視装置について、更に別の表現をするならば、踏切の手前の軌道上に配置された検出区間内における列車の在線・非在線に応じて列車検出状態と列車不検出状態との間で即時的に切り替わる第1の切替手段を備えた第1の列車検出手段と、前記検出区間内またはその近傍に設けられた地上子により前記踏切に接近する列車を非接触的に感知して列車検出状態と列車不検出状態との間で切り替わり、列車不検出状態から列車検出状態へ切り替わった際には少なくとも予め設定された切替猶予時間に亘って列車検出状態を保持する第2の切替手段を備えた第2の列車検出手段と、列車検出状態と列車不検出状態との間で切り替わり、前記第1の切替手段と前記第2の切替手段との少なくともいずれか一方が列車検出状態の場合には、列車検出状態を保持する第3の切替手段を備えた第3の列車検出手段と、前記踏切に設けられ前記第3の切替手段が列車検出状態の時に稼動する保安設備と、を備えた踏切保安装置の、前記第2の列車検出手段の動作を監視するバックアップ動作監視装置であって、前記第3の切替手段の切替状態に応じた信号が入力される入力部と、同入力部に入力された信号に基いて前記第2の列車検出手段が正常か否かを判定する判定部と、同判定部の判定に応じた出力を行う出力部とを備えると共に、前記第3の切替手段の列車検出状態に対応する信号の入力時から列車不検出状態に対応する信号の入力時までの列車連続検出時間を計時しており、前記判定部は、計時された前記列車連続検出時間が前記切替猶予時間以上の場合、前記第2の列車検出手段が正常であると判定することを特徴とするバックアップ動作監視装置であるとも言える。
【0035】
ここで第1の列車検出手段は、例えば前述の軌道回路により構成された踏切制御子と解することができ、また、第1の切替手段は、軌道回路内に介設され、後述の第3の列車検出手段の一部を構成する所定のリレーと解することができる。
【0036】
また、第2の列車検出手段は、例えば前述のATS車上子からの搬送波を受信して列車の接近を検知する列車検知システム(BU装置)と解することができ、また、第2の切替手段は、この非接触的に列車を検知するシステム内に設けられ、後述の第3の列車検出手段の一部を構成する所定の時素リレーと解することができる。
【0037】
第2の切替手段は、列車不検出状態から列車検出状態へ切り替わった際には少なくとも予め設定された切替猶予時間に亘って列車検出状態を保持する。この切替猶予時間は10秒程度とすることができ、第2の列車検出手段として採用した時素リレーの切り替わり時間の精度を加味して10±3秒(7〜13秒)程度の誤差範囲が許容される。
【0038】
第3の列車検出手段は、列車検出状態と列車不検出状態との間でそれぞれ切り替わる第1の切替手段や第2の切替手段の状況に応じ、例えば踏切に付設された警報機や遮断機等の保安設備を稼動させるシステムと解することができ、第3の切替手段は、この稼動システム内で保安設備稼動のトリガーとして機能するリレー(検知リレー)と解することができる。
【0039】
具体的には、第3の切替手段は、第1の切替手段と第2の切替手段との少なくともいずれか一方が列車検出状態の場合には、列車検出状態を保持する。
【0040】
なお、上述の第1〜第3の列車検出手段の一部や第1〜第3の切替手段は、主にフェールセーフ性の観点から単機能部品としての信号用リレー(継電器)が好適であるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、ソリッドステートリレーであったり、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)やマイコン等に組み込まれたプログラム上に再現される電子的なリレー処理であってもよい。
【0041】
そして本発明は、これら第1〜第3の列車検出手段や保安設備等を備えた踏切保安装置において、第2の列車検出手段が第1の列車検出手段のバックアップ装置として動作しているか否かを監視するバックアップ動作監視装置を提供するものであると言える。
【0042】
特徴的には、第3の切替手段の切替状態に応じた信号、すなわち、第3の切替手段が列車検出状態又は列車不検出状態であることを示す信号が入力される入力部と、同入力部に入力された信号に基いて第2の列車検出手段が正常か否かを判定する判定部と、同判定部の判定に応じた出力を行う出力部とを備えると共に、前記第3の切替手段の列車検出状態に対応する信号の入力時から列車不検出状態に対応する信号の入力時までの列車連続検出時間を計時しており、前記判定部は、計時された前記列車連続検出時間が前記切替猶予時間以上の場合、前記第2の列車検出手段が正常であると判定することとしている。
【0043】
従って、踏切器具箱と制御子箱との間に、バックアップ動作監視装置の為の新たな配線を敷設する必要なく、踏切器具箱内にバックアップ動作監視装置を設けるのみで第2の列車検出手段、すなわち踏切バックアップ装置のバックアップ動作を監視することができる。
【0044】
なお、バックアップ動作監視装置も前述の第1〜第3の列車検出手段等と同様に、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)やマイコン等、踏切の設置環境において求められる信頼性に応じた機器を用いることにより実現することができる。
【0045】
すなわち本実施形態に係るバックアップ動作監視装置によれば、簡易な構成で且つ低コストに踏切バックアップ装置の故障の可能性を検知することができる。
【0046】
また、本実施形態に係るバックアップ動作監視装置では、判定部は、監視時間経過まで判定を猶予し、監視時間経過時に列車検知状態の列車検知継続時間が前記判定時間を一度も超過しない場合を踏切バックアップ装置の故障と判定することで、軌道回路のあおりによる誤検知を回避することとしても良い。
【0047】
すなわち、バックアップ動作監視装置は前記第3の切替手段の列車検出状態に対応する信号の入力時から、前記切替猶予時間よりも長い一定時間経過するまでの監視時間を更に計時すると共に、前記判定部は、同監視時間の経過後に前記第2の列車検出手段が正常か否かの判定を行うものであり、前記監視時間内に計時された前記列車連続検出時間のうち前記切替猶予時間以上の列車連続検出時間が存在した場合、前記第2の列車検出手段が正常であると判定することを特徴としても良い。
【0048】
軌道回路に列車が進入進出すると、その前後であおりと呼ばれる一時的な短絡不良が発生する場合があり、この現象をバックアップ動作監視装置が検知すると、第2の列車検出手段が故障であると誤判断する可能性がある、また、あおり対策として踏切の警報状態を取り込む方法も考えられるが、続行列車や踏切部での列車すれ違いなどでは警報状態が持続するため故障を識別できないという制約がある。
【0049】
一方、本実施形態に係るバックアップ動作監視装置では、上述の構成とすることにより、軌道回路等の導通如何により第1の切替手段の状態が列車検出状態と列車不検出状態との間で短時間に幾度も切替が行われた(あおりが起こった・バタついた)としても、軌道回路のあおりの影響や続行列車等の列車運行上の制約を受けることなく、監視時間内に切替猶予時間以上の列車連続検出時間が存在すれば、総合的に判断して第2の列車検出手段が正常である旨の結果を導き出すことができる。
【0050】
また、入力部は、踏切の始動点制御子および踏切バックアップ装置に対応する検知リレーごと、すなわち、第1〜第3の列車検出手段を1ユニットとした場合、このユニット毎に第3の切替手段からの列車検知状態を取り込み、各ユニット毎に判定部を備えることとしても良い。
【0051】
これは、単線において往路及び復路用として踏切を挟んで両側に1ユニットずつ第1〜第3の列車検出手段を設けたり、複線の場合は更に多くユニットを設けた場合が想定される。
【0052】
このような構成とすることにより、単線における続行運転等に影響されず前記踏切バックアップ装置の故障を判定できる。
【0053】
また、判定部は、前記踏切バックアップ装置が正常であると判定した場合には、当該踏切を通過する列車が検知対象区間を通過可能と推定される時間より定める抑止時間の間、あらたな故障判定の開始を抑止するようにして、列車進出時の軌道回路のあおりによる故障検知の誤動作を回避可能としても良い。
【0054】
すなわち、判定部は、前記第2の列車検出手段が正常であると判定した場合、前記列車を構成する車両の全てが前記検出区間を通過すると推定される予め定められた抑止時間の間、前記入力部に入力される信号に拘わらず新たな判定を行わないこととしても良い。
【0055】
このような構成とすることにより、列車進出時の軌道回路のあおりによる故障検知の誤動作を回避でき、第2の列車検出手段が正常であるにも拘わらず、第2の列車検出手段が異常である旨(正常でない旨)の信号が送出されることを防止することができる。
【0056】
また、入力部は、列車検知状態の第一入力と、第一入力と相補性を持つ第二入力より構成され、判定部は第一入力と第二入力の状態が不一致であることを照査してBU故障判定の条件とし、第一入力と第二入力が一致する場合を入力の故障と判定する自己診断機能を有することとしても良い。
【0057】
すなわち、入力部は、前記第3の切替手段の切替状態に応じた信号が入力される第1の入力部と、同第1の入力部と相補性を有する信号が入力される第2の入力部とを備え、前記判定部は、前記第1の入力部に入力された信号と、前記第2の入力部に入力された信号とが不一致である場合には、前記第2の列車検出手段が正常か否かの判定を行い、一致する場合には入力系統の故障と判定することとしても良い。
【0058】
第2の入力部に入力される信号は、第1の入力部に入力される信号と相補性を有する信号としているが、これは例えば、リレーのa接点とb接点との関係の如く、一方が列車検出状態に応じた信号であれば、他方は列車不検出状態に応じた信号が入力されるようにすれば良い。
【0059】
このような構成とすることにより、第1の入力部に入力された信号と、前記第2の入力部に入力された信号とが不一致でない(一致する)場合には、第2の列車検出手段の故障判定以前に、バックアップ動作監視装置自身の特に入力系統における故障が疑われる状態であり、バックアップ動作監視装置に自己診断機能を持たせることができると共に、バックアップ動作監視装置が故障している状態で第2の列車検出手段の故障判定が行われてしまうことを防止できる。
【0060】
また、本実施形態に係るバックアップ動作監視装置では、入力部は、判定部が前記バックアップ装置を故障と判定した場合に出力部が出力するBU故障出力を取り込むBU故障検知フィードバック入力を備え、判定部は前記フィードバック入力とBU故障判定が不一致となる場合を出力の故障と判定する自己診断機能を有することとしても良い。
【0061】
フィードバックされた信号が出力された信号とが不一致である場合には、前述と同様、第2の列車検出手段の故障判定以前に、バックアップ動作監視装置自身の特に出力系統における故障が疑われる状態であり、バックアップ動作監視装置に自己診断機能を持たせることができると共に、バックアップ動作監視装置が故障している状態で第2の列車検出手段の故障判定が行われてしまうことを防止できる。
【0062】
また、判定部は、列車検知状態の入力が輸送障害時に想定される停車時間(以下、障害時停車時間という。)を超過して列車検知を継続する場合を、軌道回路の不正落下とする自己診断機能を有することとしても良い。
【0063】
例えば、何らかの障害時に軌道回路を構成する検出区間内に列車が停車する場合があるが、この場合であっても障害復旧が完了すればやがて列車は動きだし、第1の列車検出手段における第1の切替手段は列車不検出状態となるはずである。
【0064】
しかしながら、障害復旧に通常要する時間を超えて第3の切替手段が列車検出状態を保持している場合には、第1の列車検出手段の不具合、例えば軌道回路の不正落下が疑われることとなる。
【0065】
すなわち、このような構成を備えることにより、第2の列車検出手段の不具合のみならず、第1の列車検出手段の不具合をも監視することができる。
【0066】
また、本実施形態に係る踏切保安装置では、上述した構成を備えるバックアップ動作監視装置を有することとしたため、より信頼性の高い踏切保安装置を提供することができる。
【0067】
以下、本実施形態に係るバックアップ動作監視装置及び同バックアップ動作監視装置を備える踏切保安装置について、図面を参照しながら更に説明する。
【0068】
まず、
図1を参照しつつ、本実施形態に係る踏切保安装置の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る踏切バックアップ動作監視装置を備えた踏切保安装置の構成例を示す説明図である。
【0069】
図1(b)に示すように、本実施形態に係るバックアップ動作監視装置13を備えた踏切保安装置1は、ケーブル30を介して相互に接続された踏切器具箱10、制御子箱20を備える。
【0070】
踏切器具箱10は、踏切(
図1(a)参照)付近に設置され、電源11、第3の切替手段として機能する検知リレー12、及び検知リレー12の状態を解析するバックアップ動作監視装置13が格納される。
【0071】
一方、制御子箱20は、踏切の手前の一定位置に設置され、直列に接続された第1の列車検出手段として機能する踏切制御子21と、第2の列車検出手段として機能するBU装置(踏切バックアップ装置)22とを有する。
【0072】
踏切制御子21は、第1の切替手段として機能する踏切制御子リレー21aを備えており、踏切制御子21が設置された軌道上の所定区間(検出区間)に列車が進入すると軌条間が短絡し踏切制御子リレー21aがOFF状態(列車検出状態)になり、列車が区間を進出すると踏切制御子リレー21aがON状態(列車不検出状態)になることで列車を検知する機器である。すなわち、踏切制御子リレー21aは、検出区間内における列車の在線・非在線に応じて列車検出状態と列車不検出状態との間で即時的に切り替わる。
【0073】
一方、BU装置22は、踏切制御子21による列車検知をバックアップする装置であって、第2の切替手段として機能するBUリレー22aを備えており、レール間に設置された地上子上を列車が通過すると、列車からのATS波を受信してBUリレー22aがON状態(列車検出状態)になり、当該BU装置22やBUリレー22aに設定された切替猶予時間(例えば10秒)ON状態を維持し、その後OFF状態(列車不検出状態)に戻ることで列車を検知する機器である。すなわち、BUリレー22aは、地上子により列車を非接触的に感知して列車検出状態と列車不検出状態との間で切り替わり、列車不検出状態から列車検出状態へ切り替わった際には少なくとも予め設定された切替猶予時間に亘って列車検出状態を保持する。
【0074】
そして、検知リレー12は、前述の踏切制御子リレー21aやBUリレー22aと共に第3の列車検出手段としての統合検出回路部12aを構成するものであり、定常時にはON状態(列車不検出状態)であり、踏切制御子リレー21aがOFF状態になった場合又はBUリレー22aがON状態になった場合にOFF状態(列車検出状態)になり、警報機、遮断機等を作動させる。また踏切制御子リレー21aがON状態となり且つBUリレー22aがOFF状態になるとON状態になる。すなわち、検知リレー12の開閉状態(OFF・ON状態)は、踏切制御子21及びBU装置22のいずれかによって列車が検出された場合に切り替えられる。
【0075】
すなわち、踏切制御子21(第1の列車検出手段)に備えられた踏切制御子リレー21a(第1の切替手段)と、BU装置22(第2の列車検出手段)に備えられたBUリレー22a(第2の切替手段)とを踏切の手前の一定位置に設置された制御子箱20内に格納する一方、検知リレー12(第3の切替手段)を踏切付近に設置された踏切器具箱10内に格納し、制御子箱20と踏切器具箱10との間に敷設したケーブル30により踏切制御子リレー21aとBUリレー22aと検知リレー12とを直列に接続して統合検出回路部12a(第3の列車検出手段)を構築している。
【0076】
なお、
図1では、踏切あたりの線路が1本の単線区間で、踏切制御子21及びBU装置22が1箇所に設置された場合を図示しているが、現実的には、踏切道を挟んで逆側においても制御子及びBU装置の両装置が同様に設置されているものとする。また、踏切あたりの線路数が複数の複線区間においても、制御子及びBU装置の両装置が同様に設置されているものとする。本実施形態では理解を容易とするために、線路は単線線路であり、1ユニットのみを代表して説明して、その他のユニットについては図示を省略している。
【0077】
バックアップ動作監視装置13は、検知リレー12の状態に基いて、BU装置22や踏切制御子21、バックアップ動作監視装置13自身の故障を検知する装置である。次に、このバックアップ動作監視装置13の内部構成について説明する。
【0078】
図2は、バックアップ動作監視装置13の構成及び内部処理を模式的に示した説明図である。すなわち、
図2は本発明の理解に供すべく概念的な記載を含むものであって、必ずしも以下に説明する各部を機械や電気的な回路によって物理的に実現する必要はなく、プログラム等の実行によって実現されるよう構成しても良いのは言うまでもない。
【0079】
図2に示すようにバックアップ動作監視装置13は、入力部40と判定部41と出力部42とを備えている。
【0080】
入力部40は、例えば検知リレー12、すなわち第3の切替手段から得られる列車の検知状態をバックアップ動作監視装置13内に入力するための部位である。
【0081】
具体的には、入力部40には第1入力部43及び第2入力部44とが備えられており、第3の切替手段の列車検出状態に対応する信号がそれぞれ入力される。
【0082】
また、第2入力部44にはインバータ45を介して信号が入力されるよう構成している。従って、第1入力部43に入力される信号と相補的な信号が第2入力部に入力される。なお、本実施形態においてこのインバータ45は、検知リレー12に備えられている端子のうち、第1入力部43に接続した端子と相補的な端子に第2入力部44を接続することで実現している。
【0083】
また、入力部40には、判定部41によりBU装置22(第2の列車検出手段)が正常ではないと判断した際に出力部42から出力されるBU故障出力信号やBU装置22が正常であることを示す信号(以下、総称してBU状態信号ともいう。)をフィードバックさせて再度バックアップ動作監視装置13に入力させるBU状態フィードバック入力部46を備えている。このBU状態フィードバック入力部46に入力されたBU状態信号のフィードバック信号は、判定部41における自己診断に供される。
【0084】
判定部41は、列車検知状態に基づき故障を判定する部位であり、入力部に入力された信号に基いて前記第2の列車検出手段が正常か否かの判定を行う。
【0085】
また本実施形態において判定部41には計時部41aが備えられており、検知リレー12の列車検出状態に対応する信号の入力時から列車不検出状態に対応する信号の入力時までの列車連続検出時間や、検知リレー12の列車検出状態に対応する信号の入力時から、切替猶予時間(例えば7〜13秒、本実施形態では7秒。)よりも長い一定時間(例えば20〜40秒、本実施形態では20秒。)経過するまでの監視時間等を計時している。
【0086】
さらに判定部41には、入力照査部47と、BU故障判定部48と、不正落下判定部49と、出力照査部50が備えられている。
【0087】
入力照査部47は、入力部40の第1入力部43及び第2入力部44に入力された信号を比較し、第1入力部43に入力された信号と第2入力部44に入力された信号とが不一致であるか否かの判定を行う。
【0088】
BU故障判定部48は、入力部40より入力照査部47を介して入力された検知リレー12の切替状態に応じた信号に基いて、BU装置22が正常か否かを判定する。
【0089】
不正落下判定部49は、列車連続検出時間と予め設定された障害時停車時間とを比較し、列車連続検出時間が障害時停車時間よりも大きいか否か、すなわち、障害時停車時間を超過して踏切制御子21が列車検知を継続しているか否かにより、第1の列車検出手段としての踏切制御子21が正常であるか否かの判断を行う部位である。
【0090】
出力照査部50は、入力部40のBU状態フィードバック入力部46を介して入力されたBU状態信号のフィードバック信号と、BU故障判定部48における判定とを比較して双方が矛盾した場合、バックアップ動作監視装置13自体が異常であるとの判断を行う部位である。
【0091】
BU故障判定部48においてBU装置22が正常と判断されBU状態出力部52に対して正常である旨の信号の送出を指示しているにも拘わらず異常である旨のフィードバック信号(BU故障出力信号)があった場合や、その逆にBU装置22が正常でないと判断されBU状態出力部52に対して異常である旨の信号の送出を指示しているにも拘わらず正常である旨のフィードバック信号があった場合にバックアップ動作監視装置13自体が異常であるとの判断を行う。
【0092】
出力部42は、判定部41の判定に応じて出力を行う部位である。この判定部41を介してバックアップ動作監視装置13より出力された信号は、踏切器具箱10内に設けられている図示しない電送装置を介して、列車の運行状況等を集中的に管理する所定の施設に設置されている管理装置に送信される。そして、この施設内の監視員等により、管理装置の表示手段や報知手段を介して認識されることで、踏切保安装置1に発生した故障などの事象に対し、必要に応じて対応が行われることとなる。
【0093】
出力部42は、自己診断異常出力部51と、BU状態出力部52と、不正落下出力部53とを備えている。
【0094】
自己診断異常出力部51は、前述の出力照査部50においてBU状態信号のフィードバック信号とBU故障判定部48における判定とを比較して双方が矛盾すると判断(バックアップ動作監視装置13の特に出力系に異常があると判断)された場合や、第1の入力部に入力された信号と、前記第2の入力部に入力された信号とが不一致であると判断(バックアップ動作監視装置13の特に入力系に異常があると判断)された場合、出力系異常信号や入力系異常信号を送信する。
【0095】
BU状態出力部52は、BU故障判定部48においてBU装置22が正常でないと判断された際にBU故障信号を送信したり、BU装置22が正常であることを示す信号を送信する部位である。
【0096】
不正落下出力部53は、不正落下判定部49において列車連続検出時間が障害時停車時間よりも大きいと判断された際に不正落下信号を出力する部位である。
【0097】
そして、これら出力系異常信号や入力系異常信号、BU故障信号、不正落下信号が出力部42から出力されることにより、踏切制御子21やBU装置22、またバックアップ動作監視装置13自体の故障が認知され、速やかな故障対応等がなされることとなる。
【0098】
次に、バックアップ動作監視装置13の内部処理について、
図3〜
図6を参照しながら説明する。なお、本実施形態に係るバックアップ動作監視装置13はプログラマブルロジックコントローラ(PLC)を利用して形成しており、前述の入力部40の一部や出力部42の一部はこのPLCに設けられた端子等によって実現し、また、入力部40の一部や判定部41や出力部42の一部は時素リレーまたはPLC内の記憶領域内に記述されたプログラム等によって実現している。
【0099】
図3は本実施形態に係るバックアップ動作監視装置13内で行われるメイン処理を示したフローである。バックアップ動作監視装置13はまず、BU装置22が正常であるか否かの過去に行われた判定結果を初期化する処理を行う(ステップS10)。
【0100】
次にバックアップ動作監視装置13は、入力部40より入力された検知リレー12(第3の切替手段)の切替状態に応じた信号に基づき、列車の検出状態を取得する(ステップS11)。
【0101】
次にバックアップ動作監視装置13は、得られた列車の検出状態に基づき、列車検出状態か否かの判断を行う(ステップS12)。
【0102】
ここで列車検出状態ではない(列車不検出状態)と判断された場合(ステップS12:No)は、処理を再びステップS11へ戻す。一方、列車検出状態であると判断された場合(ステップS12:Yes)は、処理をステップS13へ移す。
【0103】
ステップS13においてバックアップ動作監視装置13は、監視時間の計時を開始する。
【0104】
次にバックアップ動作監視装置13は、入力部40より入力された検知リレー12(第3の切替手段)の切替状態に応じた信号に基づき、列車の検出状態を取得する(ステップS14)。
【0105】
次にバックアップ動作監視装置13は、検知リレー12の列車検出状態に対応する信号の入力時から列車不検出状態に対応する信号の入力時までの列車連続検出時間の算出を行う(ステップS15)。
【0106】
次いでバックアップ動作監視装置13は、列車連続検出時間が切替猶予時間(本実施形態では7秒)以上であるか否かについて判断を行う(ステップS16)。
【0107】
ここで列車連続検出時間が切替猶予時間以上ではないと判断された場合(ステップS16:No)は、処理をステップS18へ移す。一方、列車連続検出時間が切替猶予時間以上であると判断された場合(ステップS16:Yes)は、処理をステップS17へ移す。
【0108】
ステップS17においてバックアップ動作監視装置13は、BU正常フラグをON状態とする。
【0109】
次にバックアップ動作監視装置13は、監視時間が予め定められた時間(本実施形態では20秒)を経過したか否かについて判断を行う(ステップS18)。
【0110】
ここで監視時間が予め定められた時間を経過していないと判断された場合(ステップS18:No)は、処理をステップS14へ戻す。一方、監視時間が予め定められた時間を経過したと判断された場合(ステップS18:Yes)は、処理をステップS19へ移す。
【0111】
ステップS19においてバックアップ動作監視装置13は、BU正常フラグがONであるか否かについて判断を行う。
【0112】
ここでBU正常フラグがONであると判断された場合(ステップS19:Yes)は、処理をステップS21へ移す。一方BU正常フラグがONではないと判断された場合(ステップS19:No)は、処理をステップS20へ移す。
【0113】
ステップS20においてバックアップ動作監視装置13は、BU故障判定を行う。バックアップ動作監視装置13ではこのBU故障判定が行われることにより、前述した出力部42のBU状態出力部52よりBU故障信号が送出される。
【0114】
次にバックアップ動作監視装置13は、抑止時間の計時を開始する(ステップS21)。
【0115】
次にバックアップ動作監視装置13は、抑止時間が予め設定された時間(本実施形態では20秒)経過したか否かについて判断を行う(ステップS22)。
【0116】
ここで抑止時間が予め定められた時間を経過していないと判断された場合(ステップS22:No)は、抑止時間が予め定められた時間を経過するまで、本ステップS22の処理をループする。一方、抑止時間が予め定められた時間を経過したと判断された場合(ステップS22:Yes)は、処理をステップS10へ戻し、再び初期化してバックアップ動作の監視を再開する。
【0117】
次に、本実施形態に係るバックアップ動作監視装置13内で行われる自己診断処理について
図4〜
図6を参照しながら説明する。本実施形態に係るバックアップ動作監視装置13では、入力異常診断処理や不正落下診断処理、出力異常診断処理が行われる。これらの処理は、上述したメイン処理を行いつつ、所定のタイミングで割り込み実行される。
【0118】
図4は入力異常診断処理のフローである。入力異常診断処理においてバックアップ動作監視装置13は、まず、第1入力部43及び第2入力部44より入力された信号を取得する(ステップS30)。
【0119】
次に、バックアップ動作監視装置13は、第1入力部43に入力された信号と第2入力部に入力された信号とが一致するか否かについて判断を行う(ステップS31)。
【0120】
ここで、第1入力部43に入力された信号と第2入力部に入力された信号とが一致しないと判断された場合(ステップS31:No)は、入力異常診断処理を終了する。一方、第1入力部43に入力された信号と第2入力部に入力された信号とが一致すると判断された場合(ステップS31:Yes)は、入力系に異常ありとの判定が行われる(ステップS32)。この入力異常判定が行われると、前述の出力部42の自己診断異常出力部51より入力系異常信号が出力される。
【0121】
次に、不正落下診断処理について説明する。
図5は不正落下診断処理のフローである。不正落下診断処理においてバックアップ動作監視装置13は、まず、列車連続検出時間の算出を行う(ステップS40)。
【0122】
次に、バックアップ動作監視装置13は、列車連続検出時間が障害時停車時間(本実施形態では180分)以上か否かについて判断を行う(ステップS41)。
【0123】
ここで、列車連続検出時間が障害時停車時間以上でないと判断された場合(ステップS41:No)は、不正落下診断処理を終了する。一方、列車連続検出時間が障害時停車時間以上であると判断された場合(ステップS41:Yes)は、軌道回路の不正落下であるとの判定が行われる(ステップS32)。この不正落下判定が行われると、前述の出力部42の不正落下出力部53より不正落下信号が出力される。
【0124】
次に、出力異常診断処理について説明する。
図6は出力異常診断処理のフローである。入力異常診断処理においてバックアップ動作監視装置13は、まず、BU状態フィードバック入力部46を介して入力されるフィードバック信号と、前述のメインフローの処理のステップS20によりBU故障判定部48においてなされたBU故障判定結果とを取得する(ステップS50)。
【0125】
次に、バックアップ動作監視装置13は、フィードバック信号とBU故障判定結果との双方が矛盾するか否か(等しくないか否か)について判断を行う(ステップS51)。
【0126】
ここで、フィードバック信号とBU故障判定結果との双方が矛盾しないと判断された場合(ステップS51:No)は、出力異常診断処理を終了する。一方、フィードバック信号とBU故障判定結果との双方が矛盾すると判断された場合(ステップS51:Yes)は、出力系に異常ありとの判定が行われる(ステップS52)。この出力異常判定が行われると、前述の出力部42の自己診断異常出力部51より出力系異常信号が出力される。
【0127】
上述してきたように、本実施形態に係るバックアップ動作監視装置13によれば、列車検知状態を取り込む入力部(例えば、入力部40)と、列車の検知状態に基づき故障を判定する判定部(例えば、判定部41)と、判定部の判定に基づく出力部(例えば、出力部42)を備える装置であって、判定部は前記列車検知状態が列車検知に遷移してより所定の監視時間の計時を行い、列車検知があらかじめ設定した判定時間以上継続する場合を前記踏切バックアップ装置が正常であると判定することとしたため、踏切器具箱と制御子箱との間にケーブルの追加敷設が必要なく比較的安価に、列車検知部の定時間動作監視により踏切バックアップ装置の動作監視を実現可能なバックアップ動作監視装置を提供することができる。
【0128】
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。