【実施例】
【0032】
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[原液の調製]
表1は、実施例および比較例のクラッキング製剤に用いた各原液100質量%の各成分の含有量(質量%)を示したものである。表1に示した各成分および含有量により、原液1〜14を調製した。
【0033】
【表1】
【0034】
表1に示した各成分として、以下のものを用いた。
[消泡剤]
エマルジョン型消泡剤(商品名:SM 5571 EMULSION、東レ・ダウコーニング株式会社製、消泡成分(有効成分)としてオクタメチルシクロテトラシロキサン35質量%含有(揮発分含))
油型消泡剤A(商品名:SH200C-100CS、東レ・ダウコーニング株式会社製、メチルポリシロキサン)
油型消泡剤B(商品名:SH200C-10000CS、東レ・ダウコーニング株式会社製、メチルポリシロキサン)
油型消泡剤C(商品名:KF-96-100CS、信越化学工業株式会社製、メチルポリシロキサン)
油型消泡剤D(商品名:KF-96-10000CS、信越化学工業株式会社製、メチルポリシロキサン)
[水溶性高分子]
高粘度ヒドロキシエチルセルロース(商品名:HEC-SE900、ダイセル化学工業株式会社製、1%水溶液で4000-5500mPa・s)
低粘度ヒドロキシエチルセルロース(商品名:HEC-SE550、ダイセル化学工業株式会社製、2%水溶液で1000-2000mPa・s)
ポリエチレンオキサイド(商品名:PEO-18P、住友精化株式会社)
[油性成分]
デカメチルシクロペンタシロキサン(商品名:SH 245 Fluid、東レ・ダウコーニング株式会社製)
ミリスチン酸イソプロピル(商品名:IPM-R、高級アルコール工業株式会社製)
メチルポリシロキサン(商品名:SH200C 5CS、東レ・ダウコーニング株式会社製、メチルポリシロキサン)
[界面活性剤]
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(商品名:ソフタゾリン CL-R、川研ファインケミカル株式会社)
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(EMALEX HC-100、日本エマルジョン株式会社製)
[滑剤]
ビーズポリマー(商品名:ジュリマーMB-1、東亜合成株式会社、ポリアクリル酸アルキルメタクリル酸メチルを主成分とする真球状のビーズポリマー)
[ジオール]
プロピレングリコール
ブチレングリコール
1,2−ペンタンジオール(商品名:HYDROLITE-5、シムライズ株式会社製)
[防腐剤]
フェノキシエタノール(商品名:ハイソルブEPH、東邦化学工業株式会社製)
【0035】
[評価方法]
実施例および比較例のクラッキング製剤を、下記に示す方法および基準を用いて評価した。
[破泡音の継続時間]
室温(25℃)で保存したクラッキング製剤約0.2gを手のひらの上に吐出し、他方の手のひらを載せて上から軽く抑えて破泡状態が終了し、破泡音を生じなくなるまでの時間を測定した。
また、破泡音の継続時間を評価する際にあわせて、エタノールを含むクラッキング製剤の比較例1を基準として、破泡音の大きさ、破泡感、泡立ちおよびべたつきを数値化した。
3名の専門家の評価点の平均点を用いて、下記の各基準に基づいて、クラッキング製剤の破泡音の大きさ、破泡感、泡立ちおよびべたつきを評価した。なお、「破泡感」とは、クラッキング製剤の破泡に起因するパチパチした感触(パチパチ感)の強さの程度をいい、パチパチ感がはっきり明確に感じられることを破泡感が強いといい、破泡感が強いほど破泡感が良好である。
[破泡音の大きさ]
(1)数値化の基準(評価点)
5:比較例1よりもかなり大きい。
4:比較例1よりもやや大きい。
3:比較例1と同程度。
2:比較例1よりもやや小さい。
1:比較例1よりもかなり小さい。
(2)評価
◎:平均点3.5以上
〇:平均点2.5以上3.5未満
×:平均点2.5未満
【0036】
[破泡感(パチパチ感)]
(1)数値化の基準(評価点)
5:比較例1よりもかなり強い。
4:比較例1よりもやや強い。
3:比較例1と同程度。
2:比較例1よりもやや弱い。
1:比較例1よりもかなり弱い。
(2)評価
◎:平均点3.5以上
〇:平均点2.5以上3.5未満
×:平均点2.5未満
【0037】
[泡立ち]
5:比較例1よりもかなり泡立ちのきめが細かく泡立ちが良い。
4:比較例1よりもやや泡立ちのきめが細かく泡立ちが良い。
3:比較例1と同程度の泡立ち。
2:比較例1よりもやや泡立ちのきめが粗く泡立ちが悪い。
1:比較例1よりもかなり泡立ちのきめが粗く泡立ちが悪い。
(2)評価
◎:平均点3.5以上
〇:平均点2.5以上3.5未満
×:平均点2.5未満
【0038】
[べたつき]
5:比較例1よりも明らかにべたつかず使用感が良い。
4:比較例1よりもややべたつかず使用感が良い。
3:比較例1と同程度のべたつき。
2:比較例1よりもややべたつきがあり使用感が悪い。
1:比較例1よりもかなりべたつきがあり使用感が悪い。
(2)評価
◎:平均点3.5以上
〇:平均点2.5以上3.5未満
×:平均点2.5未満
【0039】
[乳化の容易性]
45℃条件下で一晩静置したクラッキング製剤を振とう
して、乳化するまでに要した振とう回数を測定した。3名の専門家が評価した振とう回数の平均を用いて、下記の基準に基づいて、クラッキング製剤の乳化の容易性を評価した。
◎:10回以下
〇:11回〜20回
×:21回以上
【0040】
[実施例1
〜7および比較例1
〜7]
噴射剤としてイソブタンを用い、原液1と噴射剤とを30:70の割合で充填して実施例1のクラッキング製剤を作製した。
原液1の代わりに原液2
〜14を用いて、実施例2〜
7および比較例1〜7のクラッキング製剤を作製した
。
実施例1
〜7および比較例1
〜7のクラッキング製剤について、破泡音の継続時間、破泡音の大きさ、破泡感、泡立ちおよびべたつきを、上述した方法を用いて評価した。実施例1
〜7、比較例1
〜3については、乳化の容易性についても評価した。表2は各項目の評価結果を示している。
【0041】
【表2】
【0042】
消泡剤を含有する実施例1
〜7および比較例3〜7は、消泡剤以外の成分が同じ比較例2と比較して、破泡音の継続性、破泡感、泡立ちなどが向上した。
【0043】
エマルジョン型消泡剤を含有する実施例1
〜7および比較例3は、油型消泡剤を含有する
比較例4〜7および消泡剤を含有しない比較例1〜2と比較して、破泡音の継続時間が長くなった。特に、ヒドロキシエチルセルロース1%水溶液(20質量%)と併用した実施例1〜4は、明らかに破泡音の継続時間が長くなった。ただし、エマルジョン型消泡剤の配合量が多くなると、破泡音が小さくなり、破泡感が低下し、べたつきが増え、乳化の容易性が低下する傾向が認められた。このため、エマルジョン型消泡剤を配合する場合、これらに悪い影響を及ぼさない範囲の配合量とすることが好ましい。
【0044】
実施例および比較例の結果から、エマルジョン型消泡剤を配合することにより、破泡音の継続時間が長くなることが分かった。破泡音の継続時間を長くしつつ、破泡音の大きさおよび破泡感をも良好にするためには、原液100質量%中にエマルジョン型消泡剤として0.5〜1.5質量%(消泡成分のオクタメチルシクロテトラシロキサンとして0.18〜0.53質量%)含有することが好ましいといえる。
【0045】
エマルジョン型消泡剤とヒドロキシエチルセルロースを併用することにより、破泡音の継続時間が長くなった。ヒドロキシエチルセルロースの配合量を変化させた、実施例2、5
〜7および比較例3の結果から、破泡音の大きさ、破泡感、泡立ちを良好にし、また製剤一般に必要とされる、べたつかず良好な使用感とし、乳化を容易にするためには、原液100質量%中に、ヒドロキシエチルセルロース1%水溶液として10〜30質量%(ヒドロキシエチルセルロースとして0.1〜0.3質量%)含有することが好ましいといえる。