特許第6674330号(P6674330)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6674330
(24)【登録日】2020年3月10日
(45)【発行日】2020年4月1日
(54)【発明の名称】遊技場用システム及び遊技情報表示装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20200323BHJP
【FI】
   A63F7/02 328
   A63F7/02 350Z
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-114350(P2016-114350)
(22)【出願日】2016年6月8日
(65)【公開番号】特開2017-217234(P2017-217234A)
(43)【公開日】2017年12月14日
【審査請求日】2019年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】代田 喜之
(72)【発明者】
【氏名】青山 悟
【審査官】 柴田 和雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−100723(JP,A)
【文献】 特開2008−006157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機が設置される遊技機島において、各遊技機の上方に当該遊技機に対応して設置される遊技情報表示装置を含む遊技場用システムにおいて、
遊技機側から出力される遊技情報を特定可能な遊技信号を入力する入力手段と、
入力された遊技信号により遊技情報を特定する遊技情報特定手段と、
前記遊技情報表示装置に対応する遊技機の遊技者である第1遊技者の有無を検知する遊技者検知手段と、
前記遊技情報表示装置をグループ分けするグループ手段と、
前記遊技情報特定手段によって特定される遊技情報により成立の有無を特定可能な演出条件が成立したか否かを判定する判定手段と、
前記遊技情報表示装置を見上げて視認する前記第1遊技者の視認角度に対応した第1表示と、前記第1遊技者以外の遊技者である第2遊技者の視認角度であって、前記第1遊技者の視認角度よりも水平に近い視認角度に対応した第2表示とを同一画面上に表示するデュアル表示処理、及び当該デュアル表示処理を作動させないシングル表示処理とを可能とし、当該デュアル表示処理、及びシングル表示処理のそれぞれの表示対象として前記遊技情報特定手段により特定された遊技情報を少なくとも含み、前記演出条件が成立した旨の判定結果を得た場合に、当該判定結果を得た遊技情報に対応する遊技機の上方に設置される前記遊技情報表示装置である成立装置、及び当該成立装置と同一グループに属する前記遊技情報表示装置である他装置にて連動した演出情報を表示する表示手段と、
前記第1遊技者が検知されていない状態では前記表示手段における表示処理を前記シングル表示処理とする一方、前記第1遊技者が検知された状態では、前記表示手段による表示処理を前記デュアル表示処理とするが、前記演出情報が表示される場合に、前記成立装置、及び前記他装置のいずれであっても表示処理を前記シングル表示処理とする表示切替手段と、
を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
複数の遊技機が設置される遊技機島において、各遊技機の上方に当該遊技機に対応して設置される遊技情報表示装置を含む遊技場用システムにおいて、
遊技機側から出力される遊技情報を特定可能な遊技信号を入力する入力手段と、
入力された遊技信号により遊技情報を特定する遊技情報特定手段と、
前記遊技情報表示装置に対応する遊技機の遊技者である第1遊技者の有無を検知する遊技者検知手段と、
前記遊技情報表示装置をグループ分けするグループ手段と、
前記遊技情報特定手段によって特定される遊技情報により成立の有無を特定可能な演出条件が成立したか否かを特定する判定手段と、
前記遊技情報表示装置を見上げて視認する前記第1遊技者の視認角度に対応した第1表示と、前記第1遊技者以外の遊技者である第2遊技者の視認角度であって、前記第1遊技者の視認角度よりも水平に近い視認角度に対応した第2表示とを同一画面上に表示するデュアル表示処理、及び当該デュアル表示処理を作動させないシングル表示処理とを可能とし、当該デュアル表示処理、及びシングル表示処理のそれぞれの表示対象として前記遊技情報特定手段により特定された遊技情報を少なくとも含み、前記演出条件が成立した旨の判定結果を得た場合に、当該判定結果を得た遊技情報に対応する遊技機の上方に設置される前記遊技情報表示装置である成立装置、及び当該成立装置と同一グループに属する前記遊技情報表示装置である他装置にて連動した演出情報を表示する表示手段と、
前記第1遊技者が検知されていない状態では前記表示手段における表示処理を前記シングル表示処理とする一方、前記第1遊技者が検知された状態では、前記表示手段による表示処理を前記デュアル表示処理とする表示切替手段と、を備え、
前記演出情報は、前記他装置の内、前記第1遊技者が検知されておらず前記シングル表示処理が行われている第1他装置を対象とした演出画像と、前記第1遊技者が検知されており前記デュアル表示処理が行われている第2他装置における前記第2表示を対象とした演出画像とにより連動した画像とする一方、当該第2他装置における前記第1表示を対象とした演出画像を、当該第2表示を対象とした演出画像とは異なる画像とすることを特徴とする遊技場用システム。
【請求項3】
前記表示手段により表示される遊技情報を切替えるための切替操作を受付ける操作手段と、
前記切替操作が受付けられた場合に操作受付状態であることを特定する状態特定手段と、を備え、
前記表示切替手段は、前記演出情報が表示される場合であっても、操作受付状態である旨が特定されている前記他装置の表示処理は前記デュアル表示処理とし、
当該演出情報が表示される場合のデュアル表示処理は、前記第1表示の表示対象を当該操作受付状態に対応した切替操作に応じた遊技情報とする一方、前記第2表示の表示対象を前記演出情報とすることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技場用システム。
【請求項4】
前記遊技情報特定手段は、遊技者が遊技を開始する場合に成立し得る条件である開始条件が成立した場合に、当該成立時点から特定された遊技情報である開始後情報を特定可能であり、
当該開始後情報は、前記デュアル表示処理が行われている場合において、前記第1表示の表示対象には含まれるが、前記第2表示の表示対象には含まれないことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記シングル表示処理における表示態様は、前記デュアル表示処理における第2表示の表示態様と共通しているが、当該デュアル表示処理における第1表示の表示態様とは異なることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の遊技場用システム。
【請求項6】
前記表示手段により表示される遊技情報を切替えるための切替操作を受付ける操作手段を備え、
前記表示手段は、前記切替操作が受付けられた場合に、当該切替操作に応じて切替対象となる遊技情報を、前記シングル表示処理が行われている場合は、当該シングル表示処理の対象となる遊技情報とする一方、前記デュアル表示処理が行われている場合は、前記第2表示の対象となる遊技情報とせず、前記第1表示の対象となる遊技情報とすることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の遊技場用システム。
【請求項7】
前記表示手段は、前記デュアル表示処理と前記シングル表示処理との切替対象となる表示領域と、当該切替対象とならない表示領域とを区分けしており、そのいずれの表示領域における表示対象も前記遊技情報特定手段により特定された遊技情報を少なくとも含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の遊技場用システム。
【請求項8】
複数の遊技機が設置される遊技機島において、各遊技機の上方に当該遊技機に対応して設置される遊技情報表示装置において、
遊技機側から出力される遊技情報を特定可能な遊技信号を入力する入力手段と、
入力された遊技信号により特定可能な遊技情報を特定する遊技情報特定手段と、
前記遊技情報表示装置に対応する遊技機の遊技者である第1遊技者の有無を検知する遊技者検知手段と、
前記遊技情報表示装置をグループ分けするグループ手段と、
前記遊技情報特定手段によって特定される遊技情報により成立の有無を特定可能な演出条件が成立したか否かを判定する判定手段と、
前記遊技情報表示装置を見上げて視認する前記第1遊技者の視認角度に対応した第1表示と、前記第1遊技者の視認角度に対応した第1表示と、前記第1遊技者以外の遊技者である第2遊技者の視認角度であって、前記第1遊技者の視認角度よりも水平に近い視認角度に対応した第2表示とを同一画面上に表示するデュアル表示処理、及び当該デュアル表示処理を作動させないシングル表示処理とを可能とし、当該デュアル表示処理、及びシングル表示処理のそれぞれの表示対象として前記遊技情報特定手段により特定された遊技情報を少なくとも含み、前記演出条件が成立した旨の判定結果を得た場合に、当該判定結果を得た遊技情報に対応する遊技機の上方に設置される前記遊技情報表示装置である成立装置、及び当該成立装置と同一グループに属する前記遊技情報表示装置である他装置にて連動した演出情報を表示する表示手段と、
前記第1遊技者が検知されていない状態では前記表示手段における表示処理を前記シングル表示処理とする一方、前記第1遊技者が検知された状態では、前記表示手段による表示処理を前記デュアル表示処理とするが、前記演出情報が表示される場合に、前記成立装置、及び前記他装置のいずれであっても表示処理を前記シングル表示処理とする表示切替手段と、
を備えたことを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項9】
複数の遊技機が設置される遊技機島において、各遊技機の上方に当該遊技機に対応して設置される遊技情報表示装置において、
遊技機側から出力される遊技情報を特定可能な遊技信号を入力する入力手段と、
入力された遊技信号により特定可能な遊技情報を特定する遊技情報特定手段と、
前記遊技情報表示装置に対応する遊技機の遊技者である第1遊技者の有無を検知する遊技者検知手段と、
前記遊技情報表示装置をグループ分けするグループ手段と、
前記遊技情報特定手段によって特定される遊技情報により成立の有無を特定可能な演出条件が成立したか否かを特定する判定手段と、
前記遊技情報表示装置を見上げて視認する前記第1遊技者の視認角度に対応した第1表示と、前記第1遊技者の視認角度に対応した第1表示と、前記第1遊技者以外の遊技者である第2遊技者の視認角度であって、前記第1遊技者の視認角度よりも水平に近い視認角度に対応した第2表示とを同一画面上に表示するデュアル表示処理、及び当該デュアル表示処理を作動させないシングル表示処理とを可能とし、当該デュアル表示処理、及びシングル表示処理のそれぞれの表示対象として前記遊技情報特定手段により特定された遊技情報を少なくとも含み、前記演出条件が成立した旨の判定結果を得た場合に、当該判定結果を得た遊技情報に対応する遊技機の上方に設置される前記遊技情報表示装置である成立装置、及び当該成立装置と同一グループに属する前記遊技情報表示装置である他装置にて連動した演出情報を表示する表示手段と、
前記第1遊技者が検知されていない状態では前記表示手段における表示処理を前記シングル表示処理とする一方、前記第1遊技者が検知された状態では、前記表示手段による表示処理を前記デュアル表示処理とする表示切替手段と、を備え、
前記演出情報は、前記他装置の内、前記第1遊技者が検知されておらず前記シングル表示処理が行われている第1他装置を対象とした演出画像と、前記第1遊技者が検知されており前記デュアル表示処理が行われている第2他装置における前記第2表示を対象とした演出画像とにより連動した画像とする一方、当該第2他装置における前記第1表示を対象とした演出画像を、当該第2表示を対象とした演出画像とは異なる画像とすることを特徴とする遊技情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技場用システム及び遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では遊技者へのサービスとして遊技情報を提供しているが、例えば特許文献1では、遊技中の遊技者に対する遊技情報の提供だけでなく非稼動中にはアピール表示を行って遊技を促すというような、非稼動中表示を行うことが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−166046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような構成とした場合、稼動中にはその遊技者向けの稼動中表示を行いつつも、非稼動中には非稼動表示を行うことで状況に応じた表示が可能となり非常に有意だが、稼動状態となった場合に非稼動表示を終了してしまうことから、他の遊技者への遊技の促しが中断されたり、その遊技機が非稼動になった場合に備え、他の遊技者が稼動中の遊技機の遊技情報等を確認したりする様なことが難しくなる虞があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、稼動中であっても遊技中の遊技者だけでなく他の遊技者に対しても遊技情報等を提供可能とする一方、非稼動中には遊技情報等を視認容易に提供可能な遊技場用システム及び遊技情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明によれば、稼動中等の第1遊技者を検知されている状態ではデュアル表示処理の第1表示にて第1遊技者に遊技情報を提供しつつも、遊技機島の次の遊技者となるべく待機しているような第2遊技者に対しては第2表示にて遊技情報を提供可能となる一方、非稼動中等の第1遊技者を検知していない状態では第2遊技者に対してシングル表示処理にて遊技情報を提供することで、視認角度に応じて異なる画像を提供するが故にデュアル表示処理に見難い傾向があっても、視認容易に遊技情報等を提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態における遊技場用システムの全体構成を示す図
図2】遊技情報表示装置の正面図
図3】切替表示対象となる遊技情報等を示す図(その1)
図4】切替表示対象となる遊技情報等を示す図(その2)
図5】切替表示対象となる遊技情報等を示す図(その3)
図6】切替表示対象となる遊技情報等を示す図(その4)
図7】切替表示対象となる遊技情報等を示す図(その5)
図8】切替表示対象となる遊技情報等を示す図(その6)
図9】切替表示対象となる遊技情報等を示す図(その7)
図10】遊技情報表示装置を示す斜視図
図11】遊技者Aと遊技者Bとの遊技情報表示装置に対する視認角度を示す図
図12】デュアルビュー機能を示す液晶表示部の断面図
図13】遊技情報表示装置による処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示している。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して遊技装置2及び遊技情報表示装置3(入力手段、遊技情報特定手段、表示手段、表示切替手段、グループ手段、判定手段、状態特定手段)が設置されている。これら遊技機1、遊技装置2及び遊技情報表示装置3は2台ずつ中継装置4と接続されており、中継装置4はLAN5を介して管理装置6と接続されている。遊技場にはPOSや残高精算機(何れも図示せず)も設置されており、これらPOSや残高精算機もLAN5を介して管理装置6と接続されている。尚、図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。
【0009】
管理装置6は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード7、モニタ8、プリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置6は、遊技機側(遊技機1、遊技装置2等)から出力される遊技信号を入力することで、遊技機1毎の遊技データ、会員登録された会員毎の個人データ、遊技機1や遊技装置2等の稼動状態等を管理する。
【0010】
遊技機1は、CR(カードリーダ)パチンコ遊技機であり、盤面9に玉(遊技媒体)を発射する発射装置を構成する操作ハンドル10、玉を貯留可能な上皿11、下皿12を有すると共に、盤面9に、液晶表示部13、普図入賞口14、第1始動口15、第2始動口16、大入賞口17を有する。
【0011】
遊技機1は以下に示すように動作する。
(1)第1始動口15は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口16は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口15,16への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を液晶表示部13にて行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
【0012】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0013】
(3)大当り抽選の当選確率(大当り確率)は1/300であり、大当りがその後確変状態(確変)となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率は(通常状態、確変状態共に)66.6%である。大当りが発生すると15ラウンド(R)分だけ大入賞口17を開放する。尚、1Rの上限入賞数は10個、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数または上限開放時間のいずれかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0014】
(4)確変中は大当り確率が1/30に向上すると共に、各始動口15,16への入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。尚、確変は次回大当りまで継続するので、大当り後に大当りでも確変でもない状態である通常遊技状態(通常状態)となる大当り(通常大当り)が発生するまで継続し、その後は所定数(例えば100回)の図柄変動を行うまで時短状態となり、その後に通常状態となる。
【0015】
(5)第2始動口16は普図入賞口14への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動時間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。又、開放時間は通常状態では0.3秒であり時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることで第2始動口16の入賞率が高くなる。尚、上記は単なる例示であり、例示した数値等のスペックは機種に応じて異なる数値等が採用される。
【0016】
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口15,16への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を出力する。
アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)である。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から出力される信号でも良い。
【0017】
セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号である。払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
【0018】
始動信号=遊技機1から出力される始動入賞(特定の入賞)により変動(作動)する液晶表示部13(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)を特定可能な信号である。図柄変動確定時に出力されるので、始動信号の入力に応じてスタート処理を特定し、「始動信号×1」をスタート回数(スタート処理数)として特定する。尚、第1始動口15又は第2始動口16への入賞を示す信号でも良い。
【0019】
大当り信号=遊技機1から出力される大当り期間を特定可能な信号である。大当り中にレベル出力される状態信号であるので、大当り信号の入力中を大当り中として特定する。
特別状態信号=遊技機1から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号である。第2始動口16の入賞率が向上する特別状態中(時短中)にレベル出力される状態信号であるので、特別状態信号の入力中を特別状態中として特定する。勿論、確変中に出力される信号であっても良い。また、大当り信号と特別状態信号のいずれも入力していない期間を通常状態として特定する。
【0020】
遊技装置2は、所謂各台計数機能付の貸出機であり、遊技機1の遊技状態を示す状態表示灯18、貨幣(遊技者の貨幣価値、有価価値)が投入される貨幣投入口19、遊技者からの操作入力を受付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当り確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部20、持玉(遊技者が遊技により獲得した遊技価値である獲得価値、有価価値、会員であれば貯玉も含む)を払出すための払出釦21、払出された玉が通過する払出ノズル22、一般カード(持玉券、記録媒体)や会員カード(記録媒体)が挿入されるカード挿入口23、遊技機1の下皿12の下方に位置する着脱可能な計数受皿24等を有する。
【0021】
遊技装置2は、以下に示すように動作する。
(1)貨幣を受付けると(貨幣受付処理)、遊技機1と遊技装置2との双方に入金額を残高に加算して表示し、残高がある状態で遊技機1の貸出釦(図示せず)が押下されると(貸出操作)、貸出1単位(例えば500円)分の貸出玉(対価付与価値)を遊技機1から払出し(対価付与処理)、レートに応じた対価分を残高から引落とす(減算する)。尚、貨幣は複数回の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0022】
(2)遊技機1の下皿12から落下した玉を計数受皿24により受けると、その受けた玉を計数して持玉として特定し、その持玉を対価とした払出しも可能とする。払出釦21が押下されると(持玉の再プレイ操作、付与操作)、対価額単位(例えば500円)分の持玉を払出ノズル22から払出し(持玉の再プレイ処理、獲得価値を対価として遊技者へと遊技価値を付与する付与処理)、その対価分(払出した玉数と同数)を持玉から引落とす(減算する)。払出ノズル22から払出された玉は上皿11に貯まる。
【0023】
(3)残高や持玉が残存する状態で遊技機1の返却釦(図示せず)が押下されると(発行操作)、ストックしている残高や持玉を特定可能な一般カードを発行する(獲得価値を対応付けた記録媒体を発行する発行処理)。尚、残高のみや持玉の一部を発行対象とする分割発行は説明の簡略化のため不可としたが、可能としても良い。又、一般カードを受付けた場合は、その残高や持玉を引継ぐ。
【0024】
(4)遊技場の会員となった遊技者に配布される会員カードも受付可能であり、会員カードに対して一般カードと同様に持玉や残高を対応付け可能である。但し、残高は一般カードと同様に会員カードに残高情報が書込まれるが、持玉は会員カードに持玉情報が書込まれずに管理装置6にて会員カードのIDである会員IDと対応付けて管理され、会員IDが対応付けられると貯玉として特定される。即ち、遊技者の獲得価値として会員IDに対応付けられた獲得価値が貯玉となり、未対応の獲得価値が持玉となる。貯玉は払戻しや景品交換等を当日も含めて翌日以降でも可能とするが、持玉は払戻しや景品交換等を当日限りのみで可能とする等、貯玉と持玉とでは有効期限が設けられる等の性質の違いがある。
【0025】
(5)中継装置4とのシリアル通信により管理装置6にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、払戻玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び一般カードの受付けや発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としても良い。尚、貸出処理上の通信については中継装置4を介さずに遊技機1と遊技装置2との間で直接行っても良い。
【0026】
遊技情報表示装置(以下、表示装置)3は、中継装置4を介して遊技機1や管理装置6等と接続されており、各種情報の送受信を行うことで遊技信号により特定される遊技情報を遊技者向けに表示する。
【0027】
図2は表示装置3の正面図である。表示装置3には、呼出表示時や大当り中等にイルミネーション演出を行うLEDからなるイルミネーション部25、各種遊技情報を表示する液晶ディスプレイからなる表示領域26、当該表示領域26の表示内容を変更する等の操作を受付ける各種操作釦からなる操作部27(操作手段)が設けられている。
【0028】
表示領域26は、通常は図2に示す様に、メイン表示部26a、第1サブ表示部26b、第2サブ表示部26c、第3サブ表示部26dに区分されており、それぞれ対応する情報表示を行っている。これらの各表示部26a〜26dが区分して設けられて情報表示を行うことについては従来と同様であり、例えば大当り演出を行う際や拡大して情報表示する際等、表示領域26全体で情報表示する場合にはその様な区分なく情報表示することが可能だが、通常は図2に示す様に表示領域26を区分して情報表示を行う。
【0029】
第1サブ表示部26bは、初当りとして発生した初当り(確変等の特別状態にて発生した大当りを除いた通常状態にて発生した大当り)数を該当期間(営業日)単位で、大当内訳として大当り(特別状態時に発生した大当りを含む)の内訳(出玉(セーフ−アウトまたはセーフ)が多い大当りを「超」、少ない大当りを「小」で表示している。
【0030】
第2サブ表示部26cではスタートとして初期化条件成立後(営業開始や大当り終了や特別状態の終了等により成立)からの図柄変動数(以下、Sと表記する場合もある)、過去最高玉数として、対応する機種が導入されてから等の所定の基準時からの営業日単位の最高の獲得玉数(売上玉−差玉)と、大当り単位のSをグラフ化した所謂スタート履歴グラフを表示しているが、操作部27の案内等を表示する場合もある。
【0031】
第3サブ表示部26dでは機種名を表示している。
メイン表示部26aでは図2に示すように営業日単位の大当り回数を示しているが、メイン表示部26aを含む各表示部26a〜26dの表示は切替表示可能である。
【0032】
図3〜9は対応する遊技機1の遊技情報等(第1表示の対象となる遊技情報)を示している。図3はスペック情報、図4は営業日単位の大当りの内訳、図5は大当りが発生したSを100回等の範囲によりグループ化した範囲単位での大当り回数、図6は所謂大当り履歴、図7図2のスタート履歴グラフの詳細(対応する遊技情報や説明)、図8は対応する遊技機1の遊技者等による開始操作が行われた(開始条件が成立した)時点からの遊技情報(所謂マイデータ、開始後情報)、図9は大当りが発生した際の演出画像(対応する機種の画像等)である。
【0033】
尚、図3〜6、及び図8はメイン表示部26a、図7はメイン表示部26a及び第1サブ表示部26b、図9はメイン表示部26a及び第1〜3表示部26b〜26dの全てを対象として切替表示される。
【0034】
表示装置3は、図10に示すように遊技機島28の上部に設置されており、その傾斜角度は調整可能となっている。
図11は遊技中の遊技者Aと遊技機島内を歩いて遊技機1を選定する様な遊技者Bとの視認角度を模式的に示している。遊技者が遊技する際には遊技機前方の椅子に座ることから遊技者Aは遊技機1の上方に配置される表示装置3を見上げるような視認角度Aにて表示装置3を視認する一方、歩いたり立ち止まったりして遊技機1を選定する遊技者Bは、視認角度Aよりも水平に近い視認角度Bにて表示装置3を視認する。以下、視認角度Aに対応した表示を自表示(第1表示)、視認角度Bに対応した表示を他表示(第2表示)とする。
【0035】
この様な自表示と他表示とを可能とするために、表示装置3は、例えば特開2006−151364号公報に示される様な視認角度に応じて、それぞれ個別の画像を同一画面上に表示可能な所謂デュアルビュー機能を備えており、対応する遊技機1が稼動中にはデュアルビュー機能を作動させた表示処理(デュアル表示処理)を行い、非稼動中にはデュアルビュー機能を作動させない表示処理(シングル表示処理)を行うようになっている。
【0036】
以下、デュアルビュー機能を作動させた表示をデュアル表示、作動させない表示をシングル表示として説明する。
デュアルビュー機能について簡単に説明する。図12は表示装置3の液晶表示部の断面を模式的に示している。画素群29の前面には画素から発せられた光の進行方向を制御するスリット30が設けられており、このスリット30は、透光部30aと遮光部30bとを組み合わせてなる。デュアル表示では遮光部30bが遮光状態となり、画素群29を画素群29a(図中に右斜線で示す)と画素群29b(図中に左斜線で示す)とに2分割した場合、画素群29aから発せられた光を遮光部30bにて遮光することにより矢印A方向へ進行するように制御する一方、画素群29bから発せられた光を同様に矢印B方向へ進行するように制御する。つまり、画素群29aと画素群29bとに応じて光の進行方向が矢印A方向と矢印B方向となるように制御されている。一方、シングル表示では遮光部30bが透光状態となり、通常の液晶表示と同様に、画素群29a,29bからの光は遮光部30bで遮光されることなく前方に発せられる。この様にシングル表示では、デュアル表示の場合に遮光部30bにより遮光されていた光が前方に発せられるようになるので、画素群29a,29bによる表示の視認性が高くなる。尚、デュアル表示からシングル表示に切り替える手段としては、遮光部30bの面積を縮小して透光部30aの面積を拡大したり、画素群29a,29bの前面に設けた機構的なスリットを画素群29a,29bの前面から機械的に移動させたり、扁平形状の遮光部30bをブラインドの様にチルトすることで透光部30aの面積を拡大するようにしても良い。
【0037】
本実施形態では、デュアル表示では自表示(画素群29aによる表示)と他表示(画素群29bによる表示)とで其々異なる遊技情報を表示対象とする一方、シングル表示では画素群29a,29b全体で一の遊技情報、例えば他表示と同様の遊技情報を表示対象とする。つまり、シングル表示処理における表示態様は、デュアル表示処理における他表示の画像と共通しているが、デュアル表示処理における自表示の表示態様とは異なる。この場合、デュアル表示の他表示やシングル表示では図2図3〜8の対象となる各種画像を時間経過により切替表示(以下、ローテーション表示)する一方、デュアル表示の自表示ではローテーション表示は行わず操作部27に対する釦操作により各種画像を切替(操作切替)表示する。
【0038】
即ち、表示装置3は、対応する遊技機1が非稼動中であればシングル表示にて自表示と同じ他表示を行う一方、稼動中であればデュアル表示にて自表示と異なる他表示を行う。この様に表示方法を切替えるのは、デュアルビュー機能は上述した様に液晶表示部の画素数を2分して異なる画像を表示可能な方法であるため、遊技者Aが存在しない非稼動中にはデュアル表示を行わずに一般的な同一の画像を表示するシングル表示にて自表示と同一の他表示を行い、遊技者Aが存在する稼動中には、デュアル表示にて遊技者A向けの自表示と一般的な他表示とを行うからである。つまり、非稼動ではシングル表示でのローテーション表示により遊技者Bにアピールする他表示を行い、遊技者Aの遊技により稼動となった場合、デュアル表示の他表示にて、シングル表示でのローテーション表示を継続する一方、自表示は図3〜8にて説明した通り、ローテーション表示を行わず操作部27に対する釦操作を待機する。この場合、稼動となった際にローテーションを継続することなく一旦初期化しても勿論良い。尚、図8のマイデータは他表示の対象とはせず自表示のみの対象とする。
【0039】
ここで、表示装置3の液晶表示部全体にスリット30を設けることでデュアルビュー機能を設定しても良いが、本実施形態では図3〜8に示す様にデュアル表示の切替対象はメイン表示部26a及び第1サブ表示26bであるので、メイン表示部26a及び第1サブ表示部26bにデュアルビュー機能を設定した。この場合、切替対象とはならず自表示と他表示との内容が共通する第2,3サブ表示部26c,26dはデュアルビュー機能を設定することなく従来の液晶表示部のハード構成のままとする等、デュアル表示の切替対象となる表示部と切替対象とならない表示部とを区分しても良い。勿論、図7のように表示内容に応じてメイン表示部26aに加えて第1サブ表示部26bが切替対象となる場合は第1サブ表示部26bもデュアルビュー機能の対象とするが、第1サブ表示部26bが切替対象とならない場合は、メイン表示部26aのみデュアルビュー機能を設定し、それ以外のサブ表示部は従来のハード構成とする等しても良い。
【0040】
さて、表示装置3は機種単位や遊技機島単位でグループ分けされており、そのグループに属する遊技機1にて大当りが発生する等の演出条件が成立した場合、演出条件が成立した表示装置3(成立装置)からグループ内の表示装置3(他装置)へと演出信号が送信され、グループ全体の表示装置3にて連動した全体演出を行う。
【0041】
具体的には、大当りする等、対応する遊技機1にてイベントが発生した場合には、他の遊技機1に対してその旨を通知(演出信号の送信)し、他の遊技機1も含めて図9のような対応する画像を表示する全体演出を行うが、全体演出する場合には稼動中の表示装置3も含めて全てシングル表示とする。この場合、表示装置3は、釦操作を受付けてから所定期間内(表示タイマ(例えば1分)作動中)等の遊技者が遊技情報を閲覧していることを特定可能な場合は、デュアル表示にて他表示は全体演出に対応する画像、自表示は遊技情報を継続して表示する。尚、稼動中であれば上記の通りとし、非稼動であれば自表示を遊技情報、他表示を対応する画像とする等、稼動状況に応じて表示対象となる画像を入れ替えても良い。
【0042】
全体演出はシングル表示にて行うため、稼動中であればデュアル表示からシングル表示へと切替えた上で全体演出を行うが、稼動中であっても、遊技情報を切替える釦操作から所定期間内であればデュアル表示のまま自表示を維持し、他表示にて全体演出の画像を表示する。
【0043】
また、遊技者A等が釦操作した場合、稼動中なら自表示は切替えるが、他表示は切替えない一方、非稼動中なら他表示に対応した遊技情報を切替える。即ち、遊技者A等が操作部27に対して釦操作した場合、非稼動中であれば他表示を切替対象として遊技情報を切り替えるが、稼動中であれば自表示を切替対象とし、他表示はローテーションさせたままとする等、他表示は切替えない。
【0044】
尚、図2図3〜9は単なる例示であり、どのような画像を表示対象としても良く、例えば、自表示と他表示とでローテーションか選択かの違いとして同様の遊技情報を表示対象としたが、異なる遊技情報を表示対象としたり、それぞれ表示対象となる遊技情報を選択可能としたりしても良い。
【0045】
また、各遊技情報を表示している際に釦操作により対象となる営業日や、同営業日中における1画面中に表示し切れない続きの遊技情報を表示可能としている。
図13は、表示装置3による処理を示すフローチャートである。表示装置3は、対応する遊技機1が非稼動時であり稼動フラグが0の場合(S1:NO)、表示切替時期となったか(S20:NO)、切替操作を受付けたか(S21:NO)、稼動開始したか(S23:NO)、大当り開始したか(S10:NO)、演出信号を受信したか(S11:NO)、全体演出を終了したか(S16:NO)の非稼動待機フローを実行している。
【0046】
表示装置3は、非稼動時はシングル表示を行っている。このシングル表示では、所定期間(例えば1分)が経過して表示切替時期となった場合(S20:YES)、画像表示を切替える(S22)。つまり、図2図3〜8に示す画像を所定期間毎に順に切替えて表示することでローテーション表示を実行する。
【0047】
遊技者B等による切替操作があった場合(S21:YES)、同様に画像表示を切替える(S22)。つまり、図2図3〜8に示す画像を遊技者B等による操作タイミングで順に切替える。ここで、操作について説明の都合上、遊技者Bと遊技者Aとを区別しているが、いずれの遊技者かを特定する必要はなく、稼動状況に応じて処理を変更すれば足りる。つまり、遊技者が着座しているにしても遊技していない非稼動の状態で操作された場合は、表示装置3から見ると遊技者Bとなり、稼動状態で操作された場合は遊技者Aとなる。
【0048】
遊技者Aが遊技を開始することでアウト信号を入力する等、稼動が開始した旨を特定すると(S23:YES)、稼動フラグを1として(S24)、シングル表示からデュアル表示に切替える(S25)。稼動フラグが1となった状態では(S1:YES)、表示切替時期となったか(S2:NO)、切替操作を受付けたか(S4:NO)、稼動終了したか(S7:NO)、大当り開始したか(S10:NO)、演出信号を受信したか(S11:NO)、全体演出が終了したか(S16:NO)の稼動待機フローを実行するようになる。
【0049】
稼動待機フローにて、非稼動時と同様に表示切替時期になると(S2:YES)、他表示の画像を切替えるが(S3)、自表示はそのままとする。つまり、稼動中は他表示に関してはローテーション表示を継続する一方、自表示に関してはローテーション表示を中止する。
【0050】
また、遊技者A等による切替操作があった場合(S4:YES)、他表示はそのままで、自表示の画像を切替え(S5)、表示タイマ(例えば1分)をスタートする(S6)。つまり、他表示に関してはローテーション表示を継続する一方、自表示に関しては遊技者が選択した図2図3〜8に示す遊技情報のいずれかを表示する。
【0051】
また、アウト信号の入力に応じて作動開始する稼動タイマ(例えば1分)がタイムアップする等して稼動が終了したと判定すると(S7:YES)、稼動フラグを0とし(S8)、デュアル表示からシングル表示に切替える(S9)。
【0052】
一方、対応する遊技機1にて大当りが発生した場合(S10:YES)、他の遊技機1に対応する表示装置3に対して演出信号を送信し(S26)、デュアル表示からシングル表示に切替えた上で(S14)、図9を表示する等の全体演出を開始する(S15)。
【0053】
また、他の遊技機1に対応する表示装置3から演出信号を受信した場合(S11:YES)、表示タイマが作動中なら(S12:YES)、他表示にて全体演出を開始する一方(S27)、自表示は操作に応じた切替表示のままとし、表示タイマが作動中でなく(S12:NO)、さらに稼動フラグが1なら(S13:YES)、デュアル表示からシングル表示に切替え(S14)、全体演出を開始する一方(S15)、稼動フラグが0なら(S13:NO)、シングル表示のまま全体演出を開始する(S15)。つまり、遊技機1にて大当たりが発生した場合は例えば遊技機島全体でシングル表示による全体演出が行われるが、遊技者A等による操作に応じた切替表示後の一定時間はその切替表示を優先する。
【0054】
全体演出が終了した場合(S16:YES)、稼動フラグが1なら(S17:YES)、シングル表示からデュアル表示に切替えてから(S18)、全体演出前の表示を再開する(S19)。
【0055】
尚、全体演出時に稼動中であればデュアル表示からシングル表示に切替えて全体演出画像としたが、稼動中であればデュアル表示のままとして、他表示は図9のような通常の画像(第1他装置を対象とした演出画像)を表示する一方、自表示はプレミアム要素のある画像(画像自体または対象となる遊技情報)等の他表示とは異なる画像(第2他装置における第2表示を対象とした演出画像)を表示対象としても良く、この場合、稼動させることによりプレミアム画像を見られる等の効果が見込められる。
【0056】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
稼働中にはデュアル表示の自表示にて遊技者Aに遊技情報を提供しつつも、遊技機島内の次の遊技者となる様な遊技者Bに対しては他表示にて遊技情報を提供可能となる一方、非稼動中には遊技者Bに対してシングル表示にて遊技情報を提供することで、デュアル表示が画素数を分割する等、見難い傾向があっても、シングル表示により視認容易に遊技情報等を提供可能となる。
【0057】
大当り発生時等の全体演出時に成立装置と他装置とをシングル表示とするため、成立台だけでなく他の遊技機1の遊技者A、及びその他の遊技者Bに対して全体演出を適切にアピール可能となる。
【0058】
全体演出時でも、釦操作した遊技者は遊技情報を注視している蓋然性が高く、それを中断して迄、演出画像を表示するとその遊技者の気分を害する虞があるが、釦操作時に操作に応じた画像を優先して表示することが可能となり、その様な虞を低減出来る。
【0059】
マイデータは遊技者A自身の遊技情報とも考えられ、他人に見られたくない遊技者も多いが、マイデータを他表示の対象とせず自表示の対象とすることで、その様なニーズに応えられる。
【0060】
稼働中の場合、全体演出時に自表示にて他表示とは異なる演出画像を表示するため、この画像をプレミア画像やプレミア情報として提供する等、遊技による特典を遊技者Aに与えることが可能となる。
【0061】
シングル表示とデュアル表示の他表示とを共通化しているため、遊技機島を歩く遊技者Bが複数の遊技情報を確認する場合に、対象となる遊技機1が稼動中であるか否かに関わらず共通の認識にて遊技情報を閲覧できるようになる。
【0062】
釦操作を受付けた場合、非稼動中であれば従来と同様にシングル表示の表示対象を更新する一方、稼動中であれば、自表示の表示対象を更新するので、遊技機選定中の遊技者Bが釦操作した場合には遊技者Bに対して、遊技中の遊技者Aが釦操作した場合には遊技者Aに対して、切替操作に応じた遊技情報を提供可能となる。
【0063】
遊技情報の中には大当りやスタート等、常時確認したい遊技情報と、遊技履歴等切替えた際に確認出来れば良い遊技情報とがあるが、前者は遊技者Aと遊技者Bの双方が確認したいと考えられる蓋然性が高く、デュアル表示の対象から外しても遊技者に大きく不満を持たれる虞が小さい。よって、そのような遊技情報はデュアル表示の対象とせずシングル表示の対象とすることで、デュアル表示による視認性の低下を抑えつつも、デュアル表示により遊技者Aと遊技者Bの双方に対して遊技情報を提供可能となる。
【0064】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
イベントとして大当りの発生を例示したが、遊技信号により特定可能な遊技情報により成立を特定可能な演出条件を成立可能な遊技上のイベントであれば、例えば、特定の大当り回数や獲得玉数や連荘回数やSに達した等のイベント等、どのようなイベントを対象としても良い。
【0065】
全体演出として同一の画像を各表示装置3にて表示する構成を例示したが、複数の表示装置3に跨るような画像をグループ全体で表示する等、グループ内の複数の表示装置3が連動して行う全体演出であればどのような演出を対象としても良い。
【0066】
また、イベントが発生した表示装置3から他の表示装置3に演出信号を送信することを例示したが、管理装置6にてイベントが発生した旨を特定し、対応するグループ内の表示装置3に対して演出信号を送信する等して、全体演出を行っても良い。
【0067】
グループとしては島単位や機種単位が例示出来、機種としては、同一の機種だけでなく、例えば同一のレートを採用したり、同一のメーカであったり、同一の版権が対応したりする等、遊技機の種類を示せばどの様な種類としても良い。
【0068】
稼動の特定としてアウト信号を入力してから所定期間内を稼動中と特定したが、アウト信号以外にセーフ信号や始動信号等の他の遊技信号を稼動信号としても良い。また,遊技者の有無を稼動状況により特定したが、例えばカメラによる撮像や椅子に着座センサを設けて遊技者の有無を特定する等しても勿論良い。尚、当然ではあるが稼動の特定により遊技者の有無を特定する場合に実際に遊技者がいても非稼動であれば遊技者がいないとの判断になる場合も生じ得る。
【0069】
シングル表示の表示対象として遊技者B向けの他表示を例示したが、遊技者A向けの自表示を表示対象としても良い。また、デュアル表示の他表示とシングル表示とのローテーションの切替をグループ内にて同期させても良い。
【0070】
マイデータについて開始条件を開始操作の受付により成立することを例示したが、例えば所謂会員カード等により示される遊技者IDを受付けた場合や、非稼動状態等の遊技者を検知しない状態から稼動状態等の遊技者を検知した状態となった場合に成立するような条件としても良い。
【0071】
対象となる遊技機は遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式等の例示したパチンコ遊技機以外のパチンコ遊技機やスロットマシン等も採用できる。尚、所謂封入式等を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する場合もある。
【0072】
遊技情報の単位期間として1営業日を例示したが、例えば1週間や1月間、或いは午前中等、どのような期間を採用しても良い。
例示した設定値は予め設定されれば、遊技場管理者が任意に設定しても、管理装置6の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)の管理サーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。
【0073】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用する等して間接的に特定しても良い。また、数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。
【0074】
超えない、達している等の表現は、基準値との比較において、超過だけなく以上とならないかを判定する構成も包含する。同様に達しない等は未満だけなく以下とならないかを判定する構成も包含する。
【0075】
例示した処理は表示装置3だけでなく、中継装置4や遊技装置2、或いは管理装置6等、どのような機器により行っても良い。また、変形例を含む例示した構成をどのように組合わせても良い。
【符号の説明】
【0076】
図面中、1は遊技機、3は遊技情報表示装置(入力手段、遊技情報特定手段、表示手段、表示切替手段、グループ手段、判定手段、状態特定手段)、27は操作部(操作手段)である。
図1
図2
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図8
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図10
図11
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図13