(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0011】
<1.照明装置の構成>
まず、本発明に係る照明装置の全体の構成について、照明装置1を例に、
図1および
図2を参照しつつ説明する。また、本発明に係る照明装置1の照明部10の詳細な構成については、後述する第1実施形態ないし第3実施形態において説明する。
【0012】
図1は、本発明の照明装置の一例である照明装置1の側面図である。
図2は、照明装置1の照明部10の断面図である。この照明装置1は、特定の方向に向かって光を照射する、いわゆるスポットライトである。この照明装置1は、一例として、天井に配されたダクトレールに取り付けて固定される。
【0013】
図1に示すように、照明装置1は、照明光を照射する照明部10と、照明部10の熱を発散するヒートシンク11と、天井に対して固定される固定部12と、固定部12に対して照明部10およびヒートシンク11を回動可能に支持するアーム部13とを有する。
【0014】
図1および
図2に示すように、照明部10は、光源21と、光学部材22と、反射板23と、バッフル24とを有する。本実施形態では、照明部10を構成する各部は、円環状の反射板23の中心軸9を中心として配置される。
【0015】
光源21は、COB(Chip on Board)タイプのLED光源である。ここで、光源21の光軸は、中心軸9に沿って配置される。以下では、中心軸9に沿う方向であって、光源21が光を出射する方向を「前方」または「前側」と称し、前方とは逆の方向を「後方」または「後側」と称する。また、中心軸9を中心とする円周に沿う方向を「周方向」と称し、中心軸9に直交する方向を「径方向」と称する。COBの発光領域は、例えば直径6mmから33mmの円形である。
【0016】
光源21の前面は、光源21の発光面となっている。光源21の発光面の裏面側、すなわち、光源21の後面側には、放熱部であるヒートシンク11が配置される。ヒートシンク11は、光源21の裏面に沿って配置される光源配置部111と、光源配置部111に対して略垂直に配置される複数の放熱フィン112を有する。光源配置部111の前面には、光源21が固定される。これにより、光源21において発生し、光源配置部111を介して伝わった熱が放熱フィン112を介して空気中に放散される。
【0017】
光学部材22は、少なくとも一部が光源21の前側に配置される、透光性部材である。また、光学部材22は、少なくとも一部が反射板23の径方向内側に配置される。光学部材22は、筒部221と、レンズ部222と、円環部223と、ベース部224とを有する。
【0018】
筒部221は、その外面が前側に向かうにつれて縮径する円錐面状あるいは円錐面よりやや裾広がりの形状である筒状の部位である。筒部221は、光源21の前側に配置される。レンズ部222は、筒部221の前側を覆う。円環部223は、光源21の前側において、中心軸9に対して略垂直に配置される板状かつ環状の板部である。円環部223の内縁部は、筒部221の後端部と繋がる。ベース部224は、光源の発光領域の径方向外側を覆う円筒状の部位である。ベース部224の前端部は、円環部223の外縁部と繋がる。
【0019】
反射板23は、中心軸9を中心とし、前端部が開口した円環状の部材である。ここで、反射板23の前側の開口を反射板開口230と称する。反射板23は、光源21の近傍に配置される後端部から前端部の反射板開口230へ向かうにつれて拡径するドーム状の内周面30を有する。内周面30は、前側へ向かうにつれて曲率が小さくなる基準曲面に沿って配置される。基準曲面は、中心軸9を中心とした曲線を回転した回転体の曲面上に配置される。
【0020】
内周面30のほぼ全体には、基準曲面を前後方向および周方向に分割した複数の小領域のそれぞれに、ファセットリフレクタ301が設けられている。ファセットリフレクタ301は、例えば、周方向において、6°ごとに60個設けられている。各ファセットリフレクタ301は平面状である。なお、内周面30は、ファセットリフレクタ301を有していなくてもよい。また、各ファセットリフレクタ301は、径方向内側へ突出する曲面状であってもよい。
【0021】
この照明装置1では、光源21が反射板23の後端部よりも後側に配置される。また、光学部材22の筒部221の大部分と、レンズ部222とは、反射板23の径方向内側に収容される。
【0022】
バッフル24は、反射板23の前側に配置されるほぼ円筒状の部材である。バッフル24の内周面には、内周面が光って見えないようにするため、前後方向に間隔を空けて配置される複数の段が設けられている。バッフル24の段が設けられた内周面の後端部は、反射板開口230と近接して配置される。ここで、バッフル24の前側の開口をバッフル開口240と称する。
【0023】
バッフル24を反射板23の前側に配置するため、バッフル24は、支持部材25を介してヒートシンク11に固定される。
図2の例では、支持部材25とヒートシンク11とは、ねじ止めにて固定される。また、支持部材25とバッフル24とは、互いの有するねじ溝を噛み合わせて固定される。なお、支持部材25およびヒートシンク11と、支持部材25およびバッフル24とは、その他の固定方法によって互いに固定されてもよい。
【0024】
光源21に、照明装置1外の別途の電源装置(図示せず)から駆動電流が供給されると、光源21から前側へ向かい、かつ、中心軸9を中心とする光が出射される。そして、光源21から出射された光は、光学部材22を通って、反射板23、バッフル24およびバッフル開口240へと向かう。光源21から出射された光の具体的な進行方向については、後述する各実施形態において詳述する。
【0025】
<2.第1実施形態>
次に、第1実施形態に係る照明装置の照明部10Aの構造について、説明する。
図3は、第1実施形態に係る照明装置の照明部10Aの断面図である。なお、
図3では、反射板23Aの内周面30Aに設けられたファセットリフレクタの図示が省略されている。
図3に示すように、照明部10Aは、光源21Aと、光学部材22Bと、反射板23Aと、バッフル24Aとを有する。照明部10Aの各部21A〜24Aの基本的な構成は、前述の照明部10の各部21〜24と同様である。ここでは、照明部10Aの特徴部分について、
図3を参照しつつ説明する。
【0026】
図3に示すように、中心軸9Aを含む断面において、光源21Aの発光領域の径方向一方側端部211Aおよび反射板開口230Aの径方向他方側232Aを結ぶ直線を第1直線L11A、光源21Aの発光領域の径方向他方側端部212Aおよび反射板開口230Aの径方向一方側端部231Aを結ぶ直線を第1直線L12Aと称する。また、光源21Aの径方向一方側端部211Aおよびバッフル開口240Aの径方向一方側端部241Aを結ぶ直線を第2直線L21A、光源21Aの径方向他方側端部212Aおよびバッフル開口240Aの径方向他方側端部242Aを結ぶ直線を第2直線L22Aと称する。また、第1直線L11Aおよび第2直線L22Aの交点を交点C1A、第1直線L12Aおよび第2直線L21Aの交点を交点C2Aと称する。
【0027】
光源21Aから出射され、筒部221Aを通った光は、反射板23Aおよびバッフル24Aへと向かう。光学部材22Aにおいて、筒部221Aの外周面とレンズ部222Aの前面との境界部である外側接続部41A(
図4参照)は、中心軸9Aを通る断面において、第1直線L11A,L12A上に配置される。これにより、光源21Aから出射され、筒部221Aを通った光のうち、反射板23Aへと向かう光の割合を向上できる。これにより、照明効率を向上できるとともに、所望の配光性能に近づけることができる。
【0028】
外側接続部41Aが第1直線L11A,L12Aの径方向内側に配置された場合、外側接続部41Aが第1直線L11A,L12A上に配置される場合と比べて、光源21Aから出射されて筒部221Aを通った光のうち、バッフル24Aへと向かう光の割合が増える。その場合、照明効率および配光性能が低下する。そこで、外側接続部41Aは、第1直線L11A,L12Aの近傍であって、第1直線L11A,L12Aの径方向外側に配置されてもよい。その場合、製造上の寸法誤差があった場合であっても、照明効率および配光性能が低下するのを抑制できる。
【0029】
また、外側接続部41Aは、中心軸9Aを通る断面において、交点C1A,C2A上に配置される。これにより、光源21Aから出射されて筒部221Aを通過した光が、反射板23Aおよびバッフル24Aの内周面のいずれかに当たり、バッフル開口240Aには向かわない。これにより、光源21Aから出射され、筒部221Aを通過した光が、直接照明装置外へと照射されるのが抑制される。すなわち、グレアレスな照明装置とできる。
【0030】
仮に外側接続部41Aが交点C1A,C2Aの径方向内側に配置された場合、光源21Aから出射されて筒部221Bを通過した光の一部が、反射板23Aおよびバッフル24Aに当たることなく、直接照明装置外へと照射される。そこで、外側接続部41Aは、交点C1A,C2Aの近傍であって、交点C1A,C2Aの径方向外側に配置されてもよい。その場合、製造上の寸法誤差があった場合であっても、光源21Aから出射され、筒部221Aを通過した光が、直接照明装置外へと照射されるのが抑制される。
【0031】
反射板23Aの設計配光角度は、25°以上50°以下である。
ただし配光角度はJIS C 8105−5に規定された「ビームの開き(50%)」である。このように、反射板23Aの配光角度が広角などの比較的大きい配光角度である場合、配光角度が狭角や中角の照明部と比べて、レンズ部222Aを光源21Aに近づけることが好ましい。この場合に、外側接続部41Aの位置を上述の様に配置することにより、照明効率および配光性能を低下するのを抑制しつつ、比較的大きい配光角度を実現できる。すなわち、反射板23Aの配光角度が広角などの比較的大きい配光角度である場合、外側接続部41Aの位置を上記のように設定することは、特に有用である。
【0032】
図4は、光学部材22Aの部分断面図である。
図4に示すように、光学部材22Aの筒部221Aの内周面である筒部内周面50Aは、第1内周面51Aと、第2内周面52Aとを有する。第1内周面51Aは、筒部221Aの中心軸、すなわち中心軸9に対する角度が第1角度θ1である。第2内周面52Aは、筒部内周面50Aとレンズ部222Aの後面との境界部である内側接続部42Aと、第1内周面51Aとの間に配置される。第2内周面52Aは、中心軸9Aに対する角度が、第1角度θ1よりも大きい第2角度θ2である。このように、筒部221Aの筒部内周面50Aは、テーパ部である第2内周面52Aを有する。なお、第1内周面51Aと第2内周面52Aの間、あるいは内側接続部42A周辺は、徐々に角度が変わるような曲面形状としてもよい。
【0033】
図5は、筒部221Cの内周面である筒部内周面50Cがテーパ部を有していない照明部10Cにおける光路の一例(光路LC)を示した図である。
図6は、筒部221Aの筒部内周面50Aがテーパ部である第2内周面52Aを有する第1実施形態の照明部10Aにおける光路の一例(光路LA1,LA2)を示した図である。
【0034】
図5に示すように、仮に筒部221Cの筒部内周面50Cがテーパ部を有していない場合、筒部221Cとレンズ部222Cとが接続する部分近傍において、光路LCのように、筒部221Cの内周面に入射するが筒部221Cの外周面でなくレンズ部222Cの表面から出射する光が生じ得る。このような光は、設計された配光制御がなされないので、照射面においてリング状輪郭といった意図しない光として現れてしまう。この場合、配光性能が低下するという問題が生じる。
【0035】
一方、
図6に示すように、照明部10Aは、筒部221Aの筒部内周面50Aがテーパ部である第2内周面52Aを有している。テーパ部における第2角度θ2は、筒部221Aとレンズ部222Aとが接続する部分近傍に入射する光を反射板23Aまたはレンズ部222Aのいずれかに導く角度に規定されている。このため、光源21Aから出射して筒部221Aとレンズ部222Aとが接続する部分近傍に入射する光は、レンズ部222Aまたは反射板23Aのいずれかにより配光制御されるので、照射面においてリング状輪郭のような意図しない光として現れない。
【0036】
図6に、上述のように制御された光の一例(光路LA1,LA2)を示している。光路LA1は、光源21Aから出射された光(光LA1a)が第2内周面52に入射して屈折し(光LA1b)、筒部221Aの表面から出射し(光LA1c)、反射板23Aで反射されて(光LA1d)、照射面に向かう光路を示している。また、光路LA2は、光源21Aから出射された光(光LA2a)が第2内周面52に入射して屈折し(光LA2b)、レンズ部222Aの表面から出射して(光LA2c)、照射面に向かう光路を示している。以上のように、照明部10Aでは、配光性能が低下するのを抑制できる。
【0037】
この光学部材22Aでは、第1角度は、18°であり、第2角度は15°である。第2角度は、10°以上20°以下であることが好ましい。この場合、特に、光源21Aから第2内周面52Aへ入射した光が十分に配光制御されるため、配光性能が低下するのを抑制できる。
【0038】
また、
図4に示すように、筒部221Aの筒部内周面50Aと円環部223Aの後面との境界部である後側接続部43Aは、中心軸9を通る断面において、曲線状である。
【0039】
図7は、後側接続部43Dの断面形状が曲線状でなく、角張った形状である照明部10Dにおける光路の一例(光路LD)を示した図である。
図8は、後側接続部43Aの断面形状が曲線状である第1実施形態の照明部10Aにおける光路の一例(光路LA3)を示した図である。
【0040】
図7に示すように、後側接続部43Dの断面形状が角張った形状である場合、光源21Dから後側接続部43D付近へと入射する光は、光路LDのように、後方へと反射しやすい。したがって、照明効率が低減する。
【0041】
一方、
図8に示すように、後側接続部43Aの断面形状が曲線状である場合、光路LA3のように、光源21Aから後側接続部43A付近へと入射する光のうち、反射せずに光学部材22A内で屈折し、反射板23Aへと向かう光の割合が増加する。したがって、照明効率が向上する。
【0042】
このとき、後側接続部43Aの曲率半径が小さ過ぎると、
図7の例のように反射が生じてしまう。一方、後側接続部43Aの曲率半径が大き過ぎると、後側接続部43A付近へと入射した光が、反射板23Aよりも前方へと向かってしまう。そこで、中心軸9を通る断面において、後側接続部43Aの曲率半径は、1.5mm以上2mm以下であることが好ましい。なお、後側接続部43Aの曲率半径は、例えば約1.8mmとすればよい。
【0043】
<3.第2実施形態>
続いて、第2実施形態に係る照明装置の照明部10Bの構造について、説明する。
図9は、第2実施形態に係る照明装置の照明部10Bの断面図である。なお、
図9では、反射板23Bの内周面30Bに設けられたファセットリフレクタの図示が省略されている。
図9に示すように、照明部10Bは、光源21Bと、光学部材22Bと、反射板23Bと、バッフル24Bとを有する。照明部10Bの各部21B〜24Bの基本的な構成は、前述の照明部10の各部21〜24と同様である。ここでは、照明部10Bの特徴部分について、
図9を参照しつつ説明する。
【0044】
図9に示すように、中心軸9Bを含む断面において、光源21Bの発光領域の径方向一方側端部211Bおよび反射板開口230Bの径方向他方側端部232Bを結ぶ直線を第1直線L11B、光源21Bの発光領域の径方向他方側端部212Bおよび反射板開口230Bの径方向一方側端部231Bを結ぶ直線を第1直線L12Bと称する。また、光源21Bの発光領域の径方向一方側端部211Bおよびバッフル開口240Bの径方向一方側端部241Bを結ぶ直線を第2直線L21B、光源21Bの発光領域の径方向他方側端部212Bおよびバッフル開口240Bの径方向他方側端部242Bを結ぶ直線を第2直線L22Bと称する。また、第1直線L11Bおよび第2直線L22Bの交点を交点C1B、第1直線L12Bおよび第2直線L21Bの交点を交点C2Bと称する。
【0045】
光学部材22Bにおいて、筒部221Bの内周面とレンズ部222Bの後面との境界部である内側接続部42Bは、中心軸9Bを通る断面において、第1直線L11B,L12B上に配置される。これにより、光源21Bから反射板23Bの内周面30Bへ向かって出射される光が、レンズ部222Bではなく、筒部221Bに当たる。すなわち、光源21Bから出射した光のうち、反射板23Bへ向かう光の割合を増加できる。レンズ部222Bと比べて、反射板23Bの方が光源21Bからの光を真芯に集光できるため、配光をより中心に集めることができる。すなわち、軸光度を向上できる。
【0046】
また、これにより、光源21Bから反射板23Bよりも前方のバッフル24Bの内周面やバッフル開口240Bへ向かって出射される光が、レンズ部222Bへ入射される。よって、バッフル24Bの内周面やバッフル開口240Bに向かう光を低減して、反射板23Bおよびレンズ部222Bへと向かう光の割合を増加できる。したがって、照明効率および配光性能が向上する。
【0047】
反射板23Bの設計配光角度は、6°以上18°以下である。このように、反射板23Bの配光角度が狭角や中角などの比較的小さい配光角度である場合、このように配光を中心に集めることは、特に有用である。
【0048】
仮に内側接続部42Bが第1直線L11B,L12Bの径方向内側に配置された場合、光源21Bからバッフル24Bの内周面へと向かう光の一部が、レンズ部222Bに入射せず、筒部221Bを介してバッフル24Bの内周面等へ向かう。その場合、照明効率および配光性能が低下する。そこで、内側接続部42Bは、第1直線L11B,L12Bの近傍であって、第1直線L11B,L12Bの径方向外側に配置されてもよい。その場合、製造上の寸法誤差があった場合であっても、光源21Bから出射された光を、できるだけ、レンズ部222Bおよび反射板23Bの内周面30Bへと向かわせることができる。
【0049】
また、内側接続部42Bは、中心軸9Bを通る断面において、交点C1B,C2B上に配置される。これにより、光源21Bから出射される光のうち、筒部221Bを通過した光が、反射板23Bの内周面30Bおよびバッフル24Bの内周面のいずれかに当たる。これにより、光源21Bから出射され、筒部221Bを通過した光が、直接照明装置外へと照射されない。すなわち、グレアレスな照明装置とできる。
【0050】
内側接続部42Bが交点C1B,C2Bの径方向内側に配置された場合、光源21Bから出射される光のうち、筒部221Bを通過した光の一部が、反射板23Bおよびバッフル24Bに当たることなく、直接照明装置外へと照射される。そこで、内側接続部42Bは、交点C1B,C2Bの近傍であって、交点C1B,C2Bの径方向外側に配置されてもよい。その場合、製造上の寸法誤差があった場合であっても、光源21Bから出射され、筒部221Bを通過した光が、直接照明装置外へと照射されるのが抑制される。
【0051】
<4.変形例>
以上、本発明の主たる実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0052】
上記の実施形態では、照明装置がレンズ部を備えた光学部材を有していたが、本発明はこれに限られない。光源から出射される光が、光学部材を介さずに反射板に入射されてもよい。
【0053】
また、上記の実施形態では、照明装置が天井に対して回動可能に固定されたが、本発明はこれに限られない。本発明の照明装置は、天井に対して回動不可能に固定されてもよいし、壁等の天井以外の構造物に対して固定されてもよい。また、本発明の照明装置は、本体部がスタンドに固定されるものであってもよい。
【0054】
また、上記の実施形態では、光源であるLED光源が反射板の後端部よりも後側に配置されているが、反射板で囲まれた空間の内部に配置してもよい。
【0055】
また、上記の実施形態では、光源としてCOB型のLED光源を用いているが、本発明はこれに限られず、例えば数ミリ角のSMD(Surface Mount Device)型のLEDを1個または数個用いてもよい。数個のSMD型LEDを用いる場合は、その最も外周側に設置されたLEDの中心軸から離れた発光領域の端部を「径方向一方側端部」「径方向他方側端部」とすればよい。
【0056】
また、上記の実施形態では、光学部材における筒部は、光軸を含む面による断面形状が、直線状或いは1種類のなだらかなカーブを有していたが、複数種類の異なる傾きのカーブを有することとしてもよい。光学部材における筒部を、光軸を含む面による断面形状が、直線状或いは1種類のなだらかなカーブとした場合、この筒部に入射する光が全反射して予期せぬ方向へ飛ぶ場合があり得る。筒部の断面形状を直線状或いは1種類のなだらかなカーブとすることで、筒部に入射する光を、予期せぬ方向へ全反射させずに、下方向へ反射するように制御することができる。
【0057】
また、上記の各実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、任意に組み合わせてもよい。
【0058】
<5.発明の抽出>
上記の実施形態および変形例から抽出される発明として、例えば、以下の発明を挙げることができる。
【0059】
第1発明は、光源と、前記光源の発光領域の近傍に配置される後端部から前端部の開口へ向かうにつれて拡径するドーム状の内周面を有する反射板と、少なくとも一部が前記光源の前側に配置され、かつ、少なくとも一部が前記反射板の内側に配置される光学部材と、を有し、前記光学部材は、前側へ向かうにつれて縮径する筒部と、前記筒部の前側を覆うレンズ部と、を有し、前記筒部の内周面と前記レンズ部の後面との境界部である内側接続部は、前記光源の光軸を通る断面において、前記光源の発光領域の径方向一方側端部および前記開口の径方向他方側端部を結ぶ第1直線上、または、前記第1直線の近傍であって前記第1直線よりも径方向外側に配置される、照明装置である。
【0060】
第2発明は、第1発明の照明装置であって、前記反射板の前側に配置される円筒状のバッフルをさらに有し、前記内側接続部は、前記光軸を通る断面において、前記光源の発光領域の径方向他方側端部および前記バッフルの前側かつ径方向他方側端部を結ぶ第2直線と前記第1直線との交点上、または、前記交点の近傍であって前記交点よりも径方向外側に配置される。
【0061】
第3発明は、第1発明または第2発明の照明装置であって、前記反射板の設計配光角度は、6°以上18°以下である。
【0062】
第4発明は、光源と、前記光源の近傍に配置される後端部から前端部の開口へ向かって拡径するドーム状の内周面を有する反射板と、前記反射板の前側に配置される円筒状のバッフルと、少なくとも一部が前記光源の前側に配置され、かつ、少なくとも一部が前記反射板の径方向内側に配置される光学部材と、前記光学部材は、前側へ向かうにつれて縮径する筒部と、前記筒部の前側を覆うレンズ部と、を有し、前記筒部の外周面と前記レンズ部の前面との境界部である外側接続部は、前記光源の光軸を通る断面において、前記光源の発光領域の径方向一方側端部および前記開口の径方向他方側端部を結ぶ第1直線と、前記光源の発光領域の径方向他方側端部および前記バッフルの前側かつ径方向他方側端部を結ぶ第2直線との交点上、または、前記交点の近傍であって前記交点よりも径方向外側に配置される、照明装置である。
【0063】
第5発明は、第4発明の照明装置であって、前記反射板の設計配光角度は、25°以上50°以下である。
【0064】
第6発明は、光源と、前記光源の近傍に配置される後端部から前端部の開口へ向かって拡径するドーム状の内周面を有する反射板と、前記反射板の前側に配置される円筒状のバッフルと、少なくとも一部が前記光源の前側に配置され、かつ、少なくとも一部が前記反射板の径方向内側に配置される光学部材と、前記光学部材は、前側へ向かうにつれて縮径する筒部と、前記筒部の前側を覆うレンズ部と、を有し、前記筒部の内周面は、前記筒部の中心軸に対する角度が第1角度である第1内周面と、前記筒部の内周面と前記レンズ部の後面との境界部である内側接続部と前記第1内周面との間に配置され、前記中心軸に対する角度が前記第1角度よりも大きい第2角度である第2内周面と、を含む、照明装置である。
【0065】
第7発明は、第6発明の照明装置であって、前記第2角度は、10°以上20°以下である。
【0066】
第8発明は、光源と、前記光源の近傍に配置される後端部から前端部の開口へ向かって拡径するドーム状の内周面を有する反射板と、少なくとも一部が前記光源の前側に配置され、かつ、少なくとも一部が前記反射板の径方向内側に配置される光学部材と、前記光学部材は、前側へ向かうにつれて縮径する筒部と、前記筒部の前側を覆うレンズ部と、内縁部が前記筒部の後端部と繋がり、前記光源の前側において前記光源の光軸に対して略垂直に配置される板状かつ環状の板部と、を有し、前記筒部の内周面と前記板部の後面との境界部である後側接続部は、前記光軸を通る断面において、曲線状である、照明装置である。
【0067】
第9発明は、第8発明の照明装置であって、前記後側接続部の前記光軸を通る断面における曲率半径は、1.5mm以上2mm以下である。
【0068】
第1発明〜第7発明によれば、所望の配光を得られる照明装置が得られる。
【0069】
特に、第1発明によれば、光源から出射した光のうち、反射板へ向かう光の割合を増加できる。これにより、配光をより中心に集めることができる。すなわち、軸光度を向上できる。また、光源から出射した光のうち、レンズ部および反射板へと向かう光の割合を増加できる。したがって、照明効率および配光性能が向上する。
【0070】
特に、第2発明によれば、筒部を通過した光が、直接照明装置外へと照射されない。すなわち、グレアレスな照明装置とできる。
【0071】
特に、第4発明によれば、光源から出射され、筒部を通った光のうち、反射板へと向かう光の割合を向上できる。これにより、照明効率および配光性能を向上できる。
【0072】
特に、第6発明によれば、筒部の内周面の前端部付近において光源から入射した光が反射するのが予期せぬ方向へと向かうのが抑制される。これにより、配光性能が低下するのを抑制できる。
【0073】
特に、第8発明によれば、光源から後側接続部付近へと入射した光が後方へ反射するのが抑制される。したがって、照明効率が向上する。