(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6674417
(24)【登録日】2020年3月10日
(45)【発行日】2020年4月1日
(54)【発明の名称】電気器具
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20200323BHJP
F21V 31/00 20060101ALI20200323BHJP
F21V 31/03 20060101ALI20200323BHJP
F21V 21/26 20060101ALI20200323BHJP
F21V 19/02 20060101ALI20200323BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20200323BHJP
【FI】
F21S2/00 381
F21V31/00 100
F21V31/03
F21V21/26 370
F21V21/26 300
F21V19/02 300
F21Y115:10
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-143230(P2017-143230)
(22)【出願日】2017年7月25日
(65)【公開番号】特開2019-23988(P2019-23988A)
(43)【公開日】2019年2月14日
【審査請求日】2018年12月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000140269
【氏名又は名称】株式会社遠藤照明
(72)【発明者】
【氏名】池永 遼
(72)【発明者】
【氏名】松下 昭
【審査官】
下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】
実開平02−005203(JP,U)
【文献】
特開2015−111535(JP,A)
【文献】
実開平03−071509(JP,U)
【文献】
特開2014−034935(JP,A)
【文献】
特開2000−011750(JP,A)
【文献】
実開昭59−119514(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 19/02
F21V 21/26
F21V 31/00
F21V 31/03
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体を備えた器具本体と、
前記器具本体を支える上アームと、
前記上アームと回転可能に接続された下アームと、
通気性及び防水性を有する呼吸器を備え、
前記呼吸器は、前記筐体近傍の前記上アーム外周を前記筐体に仮想的に投影した範囲内における前記筐体の外面に設けられた穴に設けられる
ことを特徴とする電気器具。
【請求項2】
前記上アームは、外部空間と接続される隙間を備え、
前記隙間は、前記下アームと前記上アームの回転軸方向である側面方向、または前記器具本体の背面方向より前記外部空間につながっている、請求項1の電気器具。
【請求項3】
被設置面に固定される取付部を備えた電気器具であって、
前記取付部は、取付穴を備えたフランジと、前記フランジ内部に位置し前記被設置面に固定される取付板と、取付ビスと、六角穴付ナットを備え、
前記取付ビスは、前記フランジ上面より突出しないように、前記取付穴を貫通して前記取付部近傍の前記フランジ外部に突出し、
前記六角穴付ナットは、前記フランジ上面より突出しないよう前記取付ビスに締結される
電気器具。
【請求項4】
さらに下アームを備えた電気器具であって、
前記下アームは前記取付部に回転可能に固定され、
前記下アームは、前記回転を固定するための六角穴付ネジを備え、
前記六角穴付ネジの六角穴は、前記六角穴付ナットと同じサイズである、請求項3に記載の電気器具。
【請求項5】
さらに下アーム及び上アームを備えた電気器具であって、
前記下アーム及び前記上アームは六角穴付ネジで接続され、
前記六角穴付ネジの六角穴は、前記六角穴付きナットと同じサイズである、請求項3に記載の電気器具。
【請求項6】
被設置面に固定するための取付部を備えた電気器具であって、
前記取付部は、上面と側面を備えたフランジと、前記フランジ内部に備えられ前記被設置面に固定される取付板と、パッキンを備え、
前記フランジ側面において下側は肉薄部、前記肉薄部の上側は肉厚部となっており、前記パッキンは前記肉厚部の下に入るが前記肉薄部の下には入らず、
前記取付板が前記フランジに締結されることにより、前記パッキンが前記フランジ側面の前記肉厚部に圧縮され、前記取付部が被設置面に固定される、
電気器具。
【請求項7】
前記パッキンは、周縁部に上側突起が設けられ、
前記取付板は、前記上側突起の内側に備えられ、
前記パッキンの上側突起が前記フランジ側面の肉厚部に圧縮され、前記取付部が被設置面に固定される、
請求項6に記載の電気器具。
【請求項8】
前記電気器具は、照明器具または監視カメラである、請求項1から7のいずれか1項に記載の電気器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に屋外の壁面・天井・床面あるいは設置台などに設置される照明器具・監視カメラ等の電気器具に関する。
【背景技術】
【0002】
屋外・水泳場・浴室など水がかかる可能性のある場所の壁面・天井などの被設置面に取り付けられる照明器具では、防水対策を施すことが必要である。特許文献1中の従来技術として、アームを支持するフランジ(取付台)を壁面に取り付ける場合に、フランジと壁面の間にゴム製パッキンを介在させて防水効果を持たせた例が記載されている。また、フランジを壁面に固定するため、フランジ内の取付板を壁面に固定し、取付板をフランジ外側より締付ナットで固定されるようにしている。
【0003】
この締付ナットはフランジ面の外部に突出しているが、締付ナットが突出しない構成が特許文献2に示されている。
【0004】
そして、一般的な防水性を持たせた場合であっても、器具内部の温度が一旦上昇後降下することにより負圧となるなどの理由により、完全に水の浸入を防ぐことが難しい。そのため、特許文献3に示すように、通気孔に雨水を流入させずに空気を流出入させることができる膜体を器具に備え付けた例がある。これにより器具内外の圧力差がなくなるため負圧による水の吸い込みを防ぐことができるとともに、器具内の湿気を器具外に放出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−11750号公報
【特許文献2】意匠登録1458761号公報
【特許文献3】特開平5−298904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
今日、屋外用LED照明器具やその取付機構を流用した屋外用監視カメラなどの電気器具において、防水という性能を満足することは当然のこととして、軽量化を図りつつ、デザイン的にも優れた照明器具等が求められている。
【0007】
そのため、第1の課題は、防水用通気孔とそこに装着する呼吸器が目立たないデザインとすることである。
【0008】
第2の課題は、取付フランジ部上面の突出部をなくし、すっきりした取付部を実現することである。特許文献2では、取付フランジ上面から突出しないビスで固定しているが、それに伴い取付板の形状を大きく変えている。取付板下のパッキンを用いた防水性の観点、軽量・小型化などの観点から、他の解決策が求められる。
【0009】
第3の課題は、取付フランジ部における防水機構であるパッキンが目立たない、デザイン性に優れた器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、筐体を備えた器具本体と、前記器具本体を支える上アームと、前記上アームと回転可能に接続された下アームと、通気性及び防水性を有する呼吸器を備え、前記呼吸器は
、前記筐体近傍の前記上アーム外周を前記筐体に仮想的に投影した範囲内における前記筐体の外面に設けられた穴に設けられることを特徴とする電気器具である。
【0011】
前記上アームは、外部空間と接続される隙間を備え、前記隙間は、
前記下アームと
前記上アームの回転軸方向である側面方向、または
前記器具本体の背面方向より前記外部空間につながっていることが好ましい。
【0012】
本発明は、被設置面に固定される取付部を備えた電気器具であって、前記取付部は、取付穴を備えたフランジと、前記フランジ内部に位置し前記被設置面に固定される取付板と
、取付ビスと、六角穴付ナットを備え、
前記取付ビスは、前記フランジ上面より突出しないように、前記取付穴を貫通して前記取付部近傍の前記フランジ外部に突出し、前記六角穴付ナットは、前記フランジ上面より突出しないよう前記取付ビスに締結される電気器具である。
【0013】
本発明は、さらに下アームを備え、前記下アームは前記取付部に回転可能に固定され、前記下アームは、前記回転を固定するための六角穴付ネジを備え、前記六角穴付ネジの六角穴は、前記六角穴付ナットと同じサイズであることが好ましい。
【0014】
本発明は、さらに下アーム及び上アームを備え、前記下アーム及び上アームは六角穴付ネジで接続され、前記六角穴付ネジの六角穴は、前記六角穴付ナットと同じサイズであることが好ましい。
【0015】
本発明は、被設置面に固定するための取付部を備えた電気器具であって、前記取付部は、上面と側面を備えたフランジと、フランジ内部に備えられ前記被設置面に固定される取付板と、パッキンを備え、前記フランジ側面において下側は肉薄部、前記肉薄部の上側は肉厚部となっており、前記パッキンは前記肉厚部の下に入るが前記肉薄部の下には入らず、前記取付板が前記フランジに締結されることにより、前記パッキンが前記フランジ側面の前記肉厚部に圧縮され、前記取付部が被設置面に固定される電気器具である。
【0016】
上記発明において、前記パッキンは、周縁部に上側突起が設けられ、前記取付板は、前記上側突起の内側に備えられ、前記パッキンの上側突起が前記フランジ側面の肉厚部に圧縮され、前記取付部が被設置面に固定されることが好ましい。
【0017】
上記発明に係る電気器具は、照明器具または監視カメラであることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る電気器具は、防水性を備えるとともにデザイン性に優れ、特に屋外用照明器具、監視カメラとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態1に係る照明器具の正面図、左側面図及び右側面図。
【
図2】実施形態1に係る照明器具の取付部の正面方向断面図及び側面方向断面図。
【
図3】実施形態1に用いる六角穴付ナットの斜視図及び断面図。
【
図4】実施形態1に係る照明器具のジョイント部近傍の正面断面図及び底面断面図。
【
図5】実施形態1に係る照明器具に用いる呼吸器の斜視図。
【
図6】実施形態1に係る照明器具のジョイント部を折り曲げた
右側面図。
【
図8】実施形態2に係る照明器具のジョイント部近傍の正面断面図。
【
図9】実施形態3に係る照明器具の取付部の断面図。
【
図10】実施形態4に係る照明器具の右側面図及び背面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお説明中の上下は被設置面を下とした場合の位置関係である。
【0021】
<1.実施形態1>
図1(a)、(b)、(c)は、それぞれ本発明の実施形態1に係る照明器具100の正面図、右側面図、左側面図である。照明器具100は、例えば屋外の壁面などに設置され、壁面・壁面に設置された看板や路面を照明するスポットライト(投光器ともいう)である。
【0022】
照明器具100は、取付部110、アーム部120、器具本体130から構成される。
【0023】
アーム部120は、下アーム121、六角穴付の回転用ビス122、六角穴付のジョイント部ビス124、上アーム125よりなる。部材ではないが、上アーム125と下アーム121のジョイント部126、上アーム125と下アーム121の隙間127Rがある。下アーム121と上アーム125とは、六角穴付ジョイント部ビス124で回転可能に接続され、器具本体130の可動範囲における任意の角度で固定できるようになっている。
【0024】
器具本体130は、筐体131、ウインドウ132及び内部構成部材であるLED133、反射板134、点灯装置137、呼吸器136などよりなる。円筒形の筐体131とウインドウ132は器具本体130の外面を構成しており、その内部を防水空間としている。点灯装置137にはコード140が接続され、供給された交流電力を、LED133を駆動する直流電力に変換す
る。
【0025】
図1(c)において、回転用ビス122、六角穴付ジョイント部ビス124と、六角穴付ナット112の六角穴を同一サイズとすることにより、一つの六角レンチで照明器具100の設置と向きの変更・固定を続けて行うことができ、設置作業の作業性が向上する。
【0026】
図2(a)は、取付部110の正面方向断面図、
図2(b)は側面方向断面図である。
【0027】
図2(a)を参照して、取付部110は、フランジ111、2本の六角穴付ナット112、パッキン113、取付板114、取付板114に溶接された2本の取付ビス115、回転支持部116を備える。フランジ111はフランジ上面111S及びフランジ側面111A、取付穴111Tを備える。パッキン113はフランジ側面111Aの内側に備えられ、外部からほぼ見えないようになっている。フランジ111の外径D1は120mm、高さH1は35mmである。また、
図2(a)を参照して、取付板114は設置ビス118で被設置面に固定されている。
【0028】
図3は六角穴付ナット112の斜視透視図である。六角穴付ナット112はナット部112Nを備えるナットではあるが、頭部に六角穴112Hを設けているため、あたかも六角穴付ビスであるかのように取り扱うことができる。しかも六角穴付ビスと異なり、フランジ側にナット部を必要としない。なお、六角穴付ナット112の外周面に縦縞を入れるなどの化粧加工を施すことが好ましい。
【0029】
図2(a)において、フランジ側面111Aの内部は、下側が肉薄部111Uとなっており、その上側に肉厚部111Vを備える。パッキン113の周縁部は肉厚部111Vの下に入るが、肉薄部111Uの下には入らない。そしてパッキン113の周縁部には上側突起113Aが設けられており、取付板114は上側突起113Aの内側にはまるようになっている。
【0030】
図2(b)を参照して、取付板114は、設置ビス118で被設置面に固定され、それにより取付部110全体が被設置面に固定されている。
【0031】
取付穴111Tを貫通しフランジ外部に突出した取付ビス115に六角穴付ナット112を取付け、締め付けることにより、取付板114とフランジ111が固定され、それにより取付部110が被設置面に締結されるが、その際フランジ側肉厚部111Vが上側突起113Aと接触し圧縮することにより、パッキン113とフランジ111間の防水性を確保することができる。フランジ側肉厚部111Vの下面とパッキンの下側突起113B・113Cの下端部との距離aは、パッキンの上側突起113Aのパッキン底面からの厚さbより2mmほど短くしているため、パッキンの上側突起113A・パッキンの下側突起113B・113Cが押しつぶされない状態ではフランジ111の下端部と被設置面との間に約2mmの隙間があるが、パッキンの上側突起113A、パッキンの下側突起113B・113Cを押しつぶすことによりこの隙間は1mm以下となるため、パッキン113はフランジ111の外部からほとんど見えない。なお、パッキンの下側突起113B・113Cは、パッキン113の周囲に配されて、上側突起113Aの圧縮と同時に圧縮されることにより、被設置面とパッキン113との間の防水性を高めている。
【0032】
回転支持部116は、ネジ117でフランジ111に固定されている。回転支持部116は、
図1(c)に図示された中空の下アーム121及びそれに取り付けられた回転用ビス122を受けるくぼみ116Rを有しており、回転用ビス122を緩めることによりフランジ111に対して下アーム121を回転させ、回転用ビス122を締めることにより固定することができる。
【0033】
コード140は、パッキン113の一部に設けられた穴を通ってフランジ111の内部に入り、回転支持部116内の空洞を通って下アーム121に入る。
なお、六角穴付ナット112は、パッキン113がない場合であってもフランジ111の取付けに用いることができ、防水を必要としない室内用照明器具等の設置にも適用可能である。
【0034】
図4(a)及び(b)は、筐体131内の圧力を外部と同様に保ち、水の浸入を防ぐとともに湿気を放出する呼吸器136の設置状況を説明するための、
図1(b)A−A断面における正面断面図及び
図1(a)B−B断面における底面断面図であり、
図5は呼吸器136の斜視図である。呼吸器136は本体側136Sと取付側136Tからなる。筐体131には、呼吸器136の取付側136Tを設置するための穴131Hが設けられている。
図4(b)を参照して、上アーム125は中央に仕切り125Dが設けられ、その右側には、呼吸器136の本体側136Sと外部空間をつなぐ隙間127Rがある。このような構成により、筐体131内の湿気は呼吸器136を通じて隙間127Rより外部空間に放出される。なお、ジョイント部ビス124の中心軸124AXを含み筐体131の方向に平行な断面とその奥を透視する
図4(b)を参照して、呼吸器136は少なくとも一部が下アーム121及び上アーム125(断面部を実線、筐体131との接続部を破線で表示)
を筐体131に投影した範囲内にある。そのため右側面図である
図1(b)において、点線で示す呼吸器136は外部から直接見える位置になく、呼吸器の存在を感じさせないデザインが実現できる
。
【0035】
呼吸器136の位置について、上記のようにジョイント部の中心軸を基準とする方法は、上アームが著しく長い場合やフレキシブルアームの場合は適当でないが、そのような場合も、筐体近傍のアーム外周を筐体に仮想的に投影した範囲内に、呼吸器の少なくとも一部が設置されていればよい。
【0036】
なお、呼吸器は
図5に示すように、ビスのように一方が広がり他方にネジを切った形状になっており、水を通さない防水性と気体である空気や水蒸気を通す通気性を有している。呼吸器の種類にもよるが、呼吸器136の本体側136Sを筐体131内部に設置してもよい場合がある。
【0037】
図6はジョイント部126のアーム取付角度を動かして器具本体130を90°傾けた右側面図である。六角穴付ナット112がフランジ上面111Sから突出していないため、器具本体130の後端部とフランジ上面111Sとの距離gをぎりぎりまで近づけて、下アーム121を図のRT方向に回転することができるため、照明器具100全体の小型化が可能になり、機能性・デザイン性が向上する。
【0038】
なお、照明器具100はこのように取付部と下アームとの回転と下アームと上アームの回転が可能であるため、位置関係が変わるが、本明細書ではそのような場合であっても、
図6のRTで示された回転によらず、器具本体130の右側面及び左側面が見える方向を側面方向とする。
【0039】
<2.実施形態2>
実施形態2に係る照明器具200の右側面図を
図7に示す。下アーム219がフランジ211と一体化された部材となっており、取付部210の一要素となっている。また、上アーム239が筐体231と一体化された部材となっており、器具本体230の一要素となっている。そのため器具全体として2つの構成部材からなっている。下アーム219と上アーム239はジョイント部ビス224(
図8参照)で角度可変に固定できるように取り付けられている。呼吸器236は隙間227Rにつながっている。
【0040】
図8は、呼吸器236の設置状況を説明するためのジョイント部近傍の正面断面図である。筐体231に呼吸器236を設置するための穴231Hが仕切り239Dより右側、筐体から突出する上アーム右部239Tの内側に設けられ、そこに呼吸器236が挿入されている。穴231Hの位置は、ジョイント部ビス224の位置における下アーム219・上アーム239の外周が筐体231に投影された範囲内でもある。呼吸器236は隙間227Rから外部空間につながっているが、上アーム右部239Tがあるため、呼吸器236が外部空間から直接見えない。筐体231から突出した仕切り239Dより左側の上アーム239内部には、コード240が下アーム219まで通っている。上アーム239と下アーム219はジョイント部ビス224で接続されている。このような構成により、呼吸器236を下アーム219の外周が筐体231に投影される範囲内に目立たないように設置することができる。なお、上アーム右部239Tがなくてもよく、その場合右側面から呼吸器236がわずかに見えるが、目立つものではない。特に器具の色と呼吸器236の色が同じであれば、呼吸器はより目立たない。
【0041】
<3.実施形態3>
実施形態3に係る照明器具300は、照明器具100の取付部110を薄型化したものである。
【0042】
取付部310の断面図である
図9を参照して、取付部310は、外径D3が120mmなのに対し取付部の厚さH3が23mmと薄くなっており、デザイン性が向上している。フランジ側面311Aの内部は、下側が肉薄部311U、上側が肉厚部311Vとなっている。パッキン313の周縁部は肉厚部311Vの下に入るが、肉薄部311Uの下には入らない。そしてパッキン313の周縁部には上側突起313Aが設けられており、取付板314はこの突起の内側にはまるようになっている。フランジ側肉厚部311Vはフランジ311の上面肉厚部と一体となっている。2本の取付ビス315は取付板314に溶接されている。
【0043】
取付穴311Tを貫通しフランジ外側に突出した取付ビス315に六角穴付ナット312を取り付け、締め付けることにより、フランジ側肉厚部311Vがパッキン上側突起313Aと接触し圧縮するとともに、パッキンの下側突起313B・313Cを圧縮し、パッキン313とフランジ311間及び被設置面とパッキン313間の防水性を確保することができる。
【0044】
図9中、回転支持部116、くぼみ116R、ネジ117、コード140は実施形態1と同じものを用いている。また取付部310以外は実施形態1と同じである。
【0045】
<4.実施形態4>
実施形態1において、呼吸器は側面の空間に繋がっていたのに対し、実施形態4では呼吸器が器具本体の背面空間にも繋がっている。
【0046】
図10(a)、(b)はそれぞれ実施形態4に係る照明器具400の右側面図及び背面図である。照明器具400は、取付部410、アーム部420、器具本体430から構成される。
【0047】
取付部410は、フランジ411及び六角穴付ナット412を備える。
【0048】
アーム部420は、下アーム421、上アーム425を備える。下アーム421はジョイント部分で2本に分かれ、その間に上アーム425が組み合わされている。上アーム425と筐体431の間の背面側に隙間427を設けてある。
【0049】
器具本体430は、筐体431、穴431H、呼吸器436などよりなる。呼吸器436は下アーム421の外周が筐体431に投影された範囲に設けられた穴431Hに設置され、背面側の隙間427より外部空間につながっている。このため、呼吸器436が見えないのはもとより、隙間427も正面から見えず、左側面・右側面からもほとんど見えない。そのため呼吸器436を設置してもデザインを損なうことがない。
【0050】
なお、呼吸器436は側面空間に繋がっていても良く、複数の隙間から外部空間に繋がることにより、空気の流通が促進され、仮に隙間に雨水がたまった場合でもすみやかに蒸発あるいは流出する。
【0051】
<5.変形例>
上述の実施形態は照明器具本体をアームとフランジで支持する構造としたが、照明器具本体を監視カメラ(静止画あるいは動画撮影用)、あるいはカメラと照明を一体化した器具に置き換えてもよい。また、本器具に人感センサをつけてもよく、そのような器具は、人が来た時だけ照明あるいは撮影することができ好適である。
【0052】
上述の実施形態において、照明器具は一般的な色である電球色、昼白色、昼光色などを発するが、これ以外の可視光であってもよく、さらに赤外線、紫外線といった特殊光を発しても良い。特に赤外線は、夜間の監視カメラ用照明として好適である。
【0053】
上述の実施形態において、アームは手動で回転・固定可能としたが、モーターで動かししてもよい。モーターの動力は各実施形態で記載されている電源コードから供給することができる。
【0054】
上述の実施形態において、照明器具本体の形状は円筒状としたが、四角柱状など別の形状であってもよい。
【0055】
上述の実施形態において、フランジの上面形状は円形としたが、四角形など別の形状であってもよい。フランジの固定は2カ所としたが、3カ所・4カ所などであってもよい。
【0056】
上述の実施形態において、フランジを被設置面に設置したが、ポール(柱)などに回転支持部を取付け、そこに下アームを取り付けることにより、フランジを用いずポールに本器具を取付けてもよい。
【0057】
以上、本発明の主たる実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0058】
100、200、300、400 照明器具
110、210、310、410 取付部
111、211、411 フランジ
111S フランジ上面
111A、311A フランジ側面
111U、311U 肉薄部
111V、311V 肉厚部
111T、311T 取付穴
112、312、412 六角穴付ナット
113 パッキン
113A、313A 上側突起
113B、113C、313B、313C 下側突起
114 取付板
115、315 取付ビス
116 回転支持部
116R くぼみ
117 ネジ
118 設置ビス
120、420 アーム部
121、219、421 下アーム
122 回転用ビス
124、224、324 ジョイント部ビス
125、239、425 上アーム
125D、239D 仕切り
126、226、426 ジョイント部
127R、227R、427 隙間
130、430 器具本体
131、231、331、431 筐体
131H、231H、431H 穴
125R、239T 上アーム右部
132 ウインドウ
133 LED
134 反射板
136、236、436 呼吸器
136S 本体側
136T 取付側
137 点灯装置
140、240 コード