【実施例】
【0020】
以下、具体例を挙げて実施例を示したが、本発明はその趣旨を逸脱しない限り実施例に限定されるものでは無い。
【0021】
実施例1
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム2.9重量部を純水30mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物329.4重量部を60℃に加温した純水715mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水97.1mlに硝酸(60重量%)23.3重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス91.6重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度530℃で4時間保持されるよう焼成を行って、本発明の平均粒径5.2mmの球状触媒1を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒1の原子比率はd/a=6.0、d/g=37.5、a/g=6.3、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.50:2.0:6.5:3.0:0.08
【0022】
実施例2
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム2.2重量部を純水30mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物259.3重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物263.5重量部を60℃に加温した純水655.7mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水135.9mlに硝酸(60重量%)32.6重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス128.2重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度540℃で4時間保持されるよう焼成を行って、本発明の平均粒径5.2mmの球状触媒2を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒2の原子比率はd/a=3.4、d/g=40、a/g=12、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.7:1.7:6.5:2.4:0.06
【0023】
実施例3
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム2.9重量部を純水30mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物289.8重量部、硝酸コバルト六水和物692.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物252.5重量部を60℃に加温した純水654.4mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水135.9mlに硝酸(60重量%)32.6重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス128.2重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度530℃で4時間保持されるよう焼成を行って、本発明の平均粒径5.2mmの球状触媒3を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒3の原子比率はd/a=3.3、d/g=29、a/g=9、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.7:1.9:6.3:2.3:0.08
【0024】
実施例4
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸ルビジウム1.1重量部を純水30mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物329.4重量部を60℃に加温した純水714.9mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水135.9mlに硝酸(60重量%)32.6重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス128.2重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、本発明の平均粒径5.2mmの球状触媒4を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒4の原子比率はd/a=4.3、d/g=75、a/g=18、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:Rb=12:0.70:2.0:6.5:3.0:0.04
【0025】
実施例5
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸セシウム2.9重量部を純水30mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物714.6重量部及び硝酸ニッケル六水和物329.4重量部を60℃に加温した純水714.9mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水135.9mlに硝酸(60重量%)32.6重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス128.2重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、本発明の平均粒径5.2mmの球状触媒5を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒5の原子比率はd/a=4.3、d/g=75、a/g=18、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.7:2.0:6.5:3.0:0.04
【0026】
実施例6
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム2.9重量部を純水30mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物329.4重量部を60℃に加温した純水714.9mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水135.9mlに硝酸(60重量%)32.6重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス128.2重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、本発明の平均粒径5.2mmの球状触媒6を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒6の原子比率はd/a=4.3、d/g=38、a/g=9、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.7:2.0:6.5:3.0:0.08
【0027】
実施例7
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム1.4重量部を純水30mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物324.9重量部を60℃に加温した純水714.9mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水135.9mlに硝酸(60重量%)32.6重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス128.2重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、本発明の平均粒径5.2mmの球状触媒7を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒7の原子比率はd/a=4.3、d/g=75、a/g=18、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.7:2.0:6.5:3.0:0.04
【0028】
実施例8
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム2.9重量部を純水30mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物259.3重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物263.5重量部を60℃に加温した純水655.7mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水135.9mlに硝酸(60重量%)32.6重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス128.2重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、本発明の平均粒径5.2mmの球状触媒8を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒8の原子比率はd/a=3.4、d/g=30、a/g=9、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.7:1.7:6.5:2.4:0.08
【0029】
実施例9
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム3.7重量部を純水30mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物350.8重量部、硝酸コバルト六水和物538.5重量部及び硝酸ニッケル六水和物263.5重量部を60℃に加温した純水611.0mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水135.9mlに硝酸(60重量%)32.6重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス128.2重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、本発明の平均粒径5.2mmの球状触媒9を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒9の原子比率はd/a=3.4、d/g=24、a/g=7、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.7:2.3:4.9:2.4:0.1
【0030】
実施例10
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム3.7重量部を純水42mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物259.3重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物324.9重量部を60℃に加温した純水690.6mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水135.9mlに硝酸(60重量%)32.6重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス128.2重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、本発明の平均粒径5.2mmの球状触媒10を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒10の原子比率はd/a=4.3、d/g=30、a/g=7、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.7:1.7:6.5:3.0:0.1
【0031】
実施例11
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム3.7重量部を純水42mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物350.8重量部、硝酸コバルト六水和物549.5重量部及び硝酸ニッケル六水和物263.5重量部を60℃に加温した純水616.8mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水135.9mlに硝酸(60重量%)32.6重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス128.2重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、本発明の平均粒径5.2mmの球状触媒11を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒11の原子比率はd/a=3.4、d/g=24、a/g=7、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.7:2.3:5.0:2.4:0.1
【0032】
比較例1
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム3.7重量部を純水42mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物274.6重量部、硝酸コバルト六水和物571.5重量部及び硝酸ニッケル六水和物307.4重量部を60℃に加温した純水611.4mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水330.1mlに硝酸(60重量%)79.3重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス311.4重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度550℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒12を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒12の原子比率はd/a=1.6、d/g=28、a/g=17、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:1.7:1.8:5.2:2.8:0.1
【0033】
比較例2
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸セシウム2.9重量部を純水30mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物329.4重量部を60℃に加温した純水714.9mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水174.7mlに硝酸(60重量%)42.0重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス164.8重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度540℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒13を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒13の原子比率はd/a=3.3、d/g=75、a/g=23、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.0:6.5:3.0:0.04
【0034】
比較例3
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム1.0重量部を純水30mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物259.3重量部、硝酸コバルト六水和物769.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物219.6重量部を60℃に加温した純水661.6mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水194.2mlに硝酸(60重量%)46.6重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス183.2重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度540℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒14を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒14の原子比率はd/a=2、d/g=67、a/g=33、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:1.0:1.7:7.0:2.0:0.03
【0035】
比較例4
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム19.0重量部を純水200mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物329.4重量部を60℃に加温した純水714.9mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水97.1mlに硝酸(60重量%)23.3重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス91.6重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒15を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒15の原子比率はd/a=6.0、d/g=6、a/g=1、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.5:2.0:6.5:3.0:0.5
【0036】
比較例5
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸セシウム1.5重量部を純水200mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物259.3重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物263.5重量部を60℃に加温した純水680.0mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水97.1mlに硝酸(60重量%)23.3重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス128.2重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒16を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒16の原子比率はd/a=3.4、d/g=120、a/g=35、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.7:1.7:6.5:2.4:0.02
【0037】
比較例6
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム7.5重量部を純水200mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物329.4重量部を60℃に加温した純水714.9mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水135.9mlに硝酸(60重量%)32.6重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス128.2重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒17を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒17の原子比率はd/a=4.3、d/g=15、a/g=4、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.7:2.0:6.5:3.0:0.2
【0038】
比較例7
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム2.9重量部を純水100mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物329.4重量部を60℃に加温した純水714.9mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水165.0mlに硝酸(60重量%)39.6重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス155.7重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒18を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒18の原子比率はd/a=3.3、d/g=38、a/g=11、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.9:2.0:6.5:3.0:0.08
【0039】
比較例8
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム2.9重量部を純水100mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物263.5重量部を60℃に加温した純水680.0mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水242.7mlに硝酸(60重量%)58.3重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス228.9重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒19を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒19の原子比率はd/a=1.8、d/g=30、a/g=16、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:1.3:2.0:6.5:2.4:0.08
【0040】
比較例9
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム1.8重量部を純水100mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物149.5重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物263.5重量部を60℃に加温した純水680.0mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水135.9mlに硝酸(60重量%)32.6重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス128.2重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒20を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒20の原子比率はd/a=3.4、d/g=48、a/g=14、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.7:0.9:6.5:2.4:0.05
【0041】
比較例10
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム1.4重量部を純水100mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物228.8重量部、硝酸コバルト六水和物769.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物131.8
重量部を60℃に加温した純水598.9mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水135.9mlに硝酸(60重量%)32.6重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス128.2重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒21を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒21の原子比率はd/a=1.7、d/g=30、a/g=18、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.7:1.5:7.0:1.2:0.04
【0042】
比較例11
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム重量1.4部を純水100mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物442.4重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物329.4
重量部を60℃に加温した純水787.7mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水135.9mlに硝酸(60重量%)32.6重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス128.2重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒22を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒22の原子比率はd/a=4.3、d/g=75、a/g=18、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.7:2.9:6.5:3.0:0.04
【0043】
比較例12
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム5.6重量部を純水65mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物329.4
重量部を60℃に加温した純水714.9mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水97.1mlに硝酸(60重量%)23.3重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス91.6重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒23を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒23の原子比率はd/a=6、d/g=20、a/g=3、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.5:2.0:6.5:3.0:0.15
【0044】
比較例13
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム7.5重量部を純水85mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物329.4
重量部を60℃に加温した純水714.9mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水97.1mlに硝酸(60重量%)23.3重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス91.6重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒24を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒24の原子比率はd/a=6、d/g=15、a/g=2.5、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.5:2.0:6.5:3.0:0.20
【0045】
比較例14
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム5.6重量部を純水65mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物329.4
重量部を60℃に加温した純水680.0mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水135.9mlに硝酸(60重量%)32.6重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス128.2重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒25を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒25の原子比率はd/a=4.3、d/g=20、a/g=5、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.7:2.0:6.5:3.0:0.15
【0046】
比較例15
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム2.9重量部を純水30mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物329.4
重量部を60℃に加温した純水714.9mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水58.2mlに硝酸(60重量%)14.0重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス54.9重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒26を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒26の原子比率はd/a=10、d/g=38、a/g=4、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.3:2.0:6.5:3.0:0.08
【0047】
比較例16
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム1.2重量部を純水100mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物439.2
重量部を60℃に加温した純水773.1mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水135.9mlに硝酸(60重量%)32.6重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス128.2重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒27を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒27の原子比率はd/a=5.7、d/g=114、a/g=20、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.7:2.0:6.5:4.0:0.035
【0048】
比較例17
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム2.9重量部を純水100mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物329.4
重量部を60℃に加温した純水714.9mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水135.9mlに硝酸(60重量%)32.6重量部を加えて硝酸濃度を9重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス91.6重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒28を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒
28の原子比率はd/a=6、d/g=38、a/g=6、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.5:2.0:6.5:3.0:0.08
触媒28は実施例1の硝酸濃度を変更することによって得たが、実施例1に比べて大幅に活性が低下してしまった。
【0049】
比較例18
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム2.9重量部を純水100mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物329.4
重量部を60℃に加温した純水714.9mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水63.1mlに硝酸(60重量%)15.8重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2倍の重量)に硝酸ビスマス91.6重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒29を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒29の原子比率はd/a=6、d/g=38、a/g=6、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.5:2.0:6.5:3.0:0.08
触媒
29は実施例1の硝酸溶液重量を変更することによって得たが、実施例1に比べて大幅に活性が低下してしまった。
【0050】
比較例19
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3912重量部(モリブデンの重量に対し9.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム2.9重量部を純水100mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物329.4
重量部を60℃に加温した純水680.0mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水97.1mlに硝酸(60重量%)23.3重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス91.6重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒30を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒30の原子比率はd/a=6、d/g=38、a/g=6、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.5:2.0:6.5:3.0:0.08
触媒
30は実施例1のモリブデン酸アンモニウムを溶解する水の量を増加させて得たが、実施例1に比べて大幅に活性が低下してしまった。
【0051】
比較例20
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム0.2重量部を純水100mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物714.4重量部及び硝酸ニッケル六水和物219.6
重量部を60℃に加温した純水680.0mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水77.7mlに硝酸(60重量%)18.7重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス73.3重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒31を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒31の原子比率はd/a=5、d/g=200、a/g=40、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.4:2.0:6.5:2.0:0.01
【0052】
比較例21
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム1.4重量部を純水100mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物901.2重量部及び硝酸ニッケル六水和物263.5
重量部を60℃に加温した純水779.0mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水174.7mlに硝酸(60重量%)42重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス164.8重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒32を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒32の原子比率はd/a=2.7、d/g=60、a/g=23、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.9:2.0:8.2:2.4:0.04
【0053】
比較例22
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム1.4重量部を純水30mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物439.6重量部及び硝酸ニッケル六水和物329.4
重量部を60℃に加温した純水569.3mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水135.9mlに硝酸(60重量%)32.6重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス128.2重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒33を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒33の原子比率はd/a=4.3、d/g=75、a/g=18、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.7:2.0:4.0:3.0:0.04
【0054】
比較例23
ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物800重量部を60℃に加温した純水3040重量部(モリブデンの重量に対し7.0倍の重量)に完全溶解させた。次に、硝酸カリウム1.4重量部を純水100mlに溶解させて、上記溶液に加えた。次に、硝酸第二鉄九水和物305.1重量部、硝酸コバルト六水和物879.3重量部及び硝酸ニッケル六水和物324.9
重量部を60℃に加温した純水802.3mlに溶解させた。これらの溶液を、撹拌しながら徐々に混合した。続いて純水135.9mlに硝酸(60重量%)32.6重量部を加えて硝酸濃度を12重量%とした硝酸水溶液(溶解させる硝酸ビスマス五水和物中のビスマスの重量に対し2.3倍以上の重量)に硝酸ビスマス128.2重量部を加え完全溶解させた溶液を上記溶液に加え、撹拌混合した。このスラリーをスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を最高温度440℃で4時間保持するよう予備焼成した。予備焼成粉体に対して5重量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして30重量%グリセリン溶液を用い、不活性の球状担体に、担持率が50重量%となるように球状に担持成型した。次に最高温度520℃で4時間保持されるよう焼成を行って、比較用の平均粒径5.2mmの球状触媒34を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比率を有する複合金属酸化物であった。
球状触媒34の原子比率はd/a=4.3、d/g=75、a/g=18、
Mo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.7:2.0:8.0:3.0:0.04
【0055】
これより、プロピレンの酸化反応の結果を示すが、ここでプロピレン転化率、アクロレイン収率、アクリル酸収率、有効収率の定義とは、次の通りである。
プロピレン転化率(モル%)
=(反応したプロピレンのモル数/供給したプロピレンのモル数)×100
アクロレイン収率(モル%)
=(生成したアクロレインのモル数/供給したプロピレンのモル数)×100
アクリル酸収率(モル%)
=(生成したアクリル酸のモル数/供給したプロピレンのモル数)×100
有効収率(モル%)
=アクロレイン収率+アクリル酸収率
【0056】
(反応条件)
上記のようにして調製した球状触媒1〜触媒34を使用して、プロピレンの酸化反応を実施し、プロピレン転化率、アクロレイン収率、アクリル酸収率、有効収率を求めた。触媒67.7mlを内径28.4mmのステンレス鋼製反応管に充填し、プロピレン8
体積%、空気67
体積%、水蒸気25
体積%の混合ガスを約860hr
−1の空間速度で導入し、プロピレンの酸化反応を実施して有効収率が最大となるときの反応浴温度およびプロピレン転化率を求め、表1に示した。
【0057】
【表1】
【0058】
触媒の活性は、転化率が上昇すれば有効収率も同時に上昇する為、転化率に応じた有効収率によって比較する。
図1に実施例と比較例の各触媒のプロピレン転化率に対する有効収率を示した。比較例の中で、プロピレン転化率に対して高い有効収率を示すプロットをつないだところ、性能が良好な実施例の触媒はいずれも、同じプロピレン転化率におけるこの曲線上の有効収率よりも高い有効収率を示し、比較例に対して優位な活性を有していることが確認された。
【0059】
また、比較例1にあたる球状触媒12と同じ原子比率の組成からなる触媒について、様々な焼成温度および反応浴温度にて評価を実施した。これらのプロピレン転化率に対する有効収率のプロットの線形近似曲線を
図2に実施例と共に示した。性能が良好な実施例の触媒はいずれも、同じプロピレン転化率におけるこの曲線上の有効収率よりも高い有効収率を示し、優位な活性を有していた。換言すると、本願触媒組成の範囲から外れる触媒は、焼成条件や反応浴温度条件を変化させても、本願触媒のようなプロピレン転化率に対する優れた有効収率を示さなかった。
【0060】
本発明を特定の態様を参照して詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を離れることなく様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。
なお、本願は、2015年2月27日付で出願された日本国特許出願(2015−037574)に基づいており、その全体が引用により援用される。また、ここに引用されるすべての参照は全体として取り込まれる。