(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
分離可能に磁気的に結合された締結状態の第1のファスナ部材および第2のファスナ部材を備える磁性ファスナアセンブリであって、前記第1のファスナ部材は第1の保持部、および、第1の結合面を定める強磁性の金属スラブを備え、前記第1の保持部は、前記第1の結合面から前記第1の結合面上に突出するとともに前記第1の結合面から軸方向に離れるように延びる保持突起を備え、前記第2のファスナ部材は第2の保持部、および、第2の結合面を備え、
前記保持突起は、円錐台形を有し、前記第1の結合面に向かって狭くなる全体的にテーパー状のヘッド部を備え、
前記第2の保持部は、リング状磁性体、および、前記リング状磁性体を包囲する強磁性の外部ケーシングを備え、前記外部ケーシングは、磁気的な前記第2の結合面、前記第2の結合面上の受容開口部、および、前記受容開口部を包囲するカラー部を画定し、前記外部ケーシングは、前記リング状磁性体と共同して保持区画を画定し、前記カラー部は、前記第2の結合面から離れるカラー端部、および、進入開口部を画定するように軸方向に内側に向かって延伸し、
前記第1および第2のファスナ部材は、結合軸に沿って整列したときに、整列した磁気的係合位置において磁気結合し、前記第1および第2のファスナ部材が前記整列した磁気的係合位置にあるときに、結合軸に沿った分離方向に、ファスナアセンブリの2つの反対を向くまたは遠位の軸方向端部に軸方向の分離力を付加することにより、前記第1および第2のファスナ部材が磁気的結合された締結状態から脱して互いに分離するように移動可能であり、
前記第1および第2のファスナ部材が、前記整列した磁気的係合位置から離れて、前記結合軸に整列しない場合の整列しない磁気的係合位置に相対移動されるとき、前記第1および第2の保持部は、前記整列しない磁気的係合位置にある、解除可能な保持サブアセンブリを協働的に画定し、アセンブリの2つの反対を向くまたは遠位の軸方向両端に分離方向に軸方向の分離力が付加されるとき、前記第1のファスナ部材の前記ヘッド部のテーパー面、および、前記第2のファスナ部材の前記カラー端部は軸方向の分離に対して抵抗するか、または軸方向の分離に抗って作用するように協働し、すなわち、前記第1のファスナ部材および前記第2のファスナ部材が整列しない磁気的係合位置にあるときに、アセンブリの2つの反対を向くまたは遠位の軸方向両端に分離方向に軸方向に沿った分離力を付加すると、前記第1のファスナ部材および前記第2のファスナ部材がラッチされ、互いにラッチ係合状態に保持されることを特徴とする磁性ファスナアセンブリ。
前記第1のファスナ部材は第1のハウジング部を備え、前記第1の保持部が前記第1のハウジング部の動きに従うように、前記第1の保持部が前記第1のハウジング部に取り付けられ、前記第2のファスナ部材は第2のハウジング部を備え、前記第2の保持部が前記第2のハウジング部の動きに従うように、前記第2の保持部が前記第2のハウジング部に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の磁性ファスナアセンブリ。
前記第1および第2のファスナ部材が整列しない磁気的係合位置にあるとともに前記ファスナアセンブリの2つの反対を向いたまたは遠位の軸方向両端に軸方向に沿った分離力が付加されるときに、前記ヘッド部が前記カラー端部にラッチすることを特徴とする請求項3または4に記載の磁性ファスナアセンブリ。
前記第2のファスナ部材は、位置合わせ突起を備え、前記位置合わせ突起は、基部から軸方向に突出するとともに前記受容開口部に向かって延び、前記整列した磁気的係合位置にあるときに、前記位置合わせ突起は、前記第1の保持部の前記ヘッド部と当接するとともに前記ヘッド部に磁気的に結合することを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の磁性ファスナアセンブリ。
前記カラー部は、前記第2の結合面および前記カラー端部の間に延びる周壁を含み、前記周壁は、前記結合面から前記カラー端部に移動するにつれて狭くなるようにテーパー状であり、前記カラー端部は、前記ヘッド部の軸方向の通過を許容することを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の磁性ファスナアセンブリ。
前記カラー端部は進入開口部を画定し、不意の分離を低減すべく、前記カラー部によって、前記ヘッド部が前記結合軸に沿って磁気的に結合された締結状態に実質的に案内されるように、前記ヘッド部の横方向の大きさが、前記進入開口部によって画定されるクリアランスよりもわずかに小さいことを特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載の磁性ファスナアセンブリ。
前記カラー部は、前記第1および第2のファスナ部材が磁気的に結合された係合状態にあるときに、前記ヘッド部の横方向の動きが前記カラー端部によって制限されるように形成されることを特徴とする請求項3から8のいずれか一項に記載の磁性ファスナアセンブリ。
前記カラー部は、所定の横方向への前記ヘッド部の動きの自由度を制限することで、当該部分がラッチ形態へと前記所定の横方向に移動可能であるが、磁気的に結合されるとともに分離可能な締結状態のときに、その反対方向に移動可能でないように形成および寸法設計されていることを特徴とする請求項3から9のいずれか一項に記載の磁性ファスナアセンブリ。
前記第1の結合面および前記第2の結合面は、前記第1のファスナ部材および前記第2のファスナ部材が磁気的係合位置にあるときに磁気的に結合されるとともに物理的に当接することを特徴とする請求項3から10のいずれか一項に記載の磁性ファスナアセンブリ。
前記第2のファスナ部材は磁性ハウジングを備え、前記磁性ハウジングは前記保持受容部を包囲するとともに前記第2の結合面を形成し、前記第2の結合面は磁束を有するまたは磁束を有さないことを特徴とする請求項3から12のいずれか一項に記載の磁性ファスナアセンブリ。
前記第1のファスナ部材は第1の磁性体を備え、前記第2のファスナ部材は第2の磁性体を備え、前記第1のファスナ部材および前記第2のファスナ部材は、前記第1および第2の磁性部材が分離されて磁気的に近接しているときに、前記第1および第2の磁性体の間の磁気引力により、前記整列した磁気的係合位置へ向けて前記結合軸に沿った結合方向に移動し、前記結合方向が前記分離方向とは反対であることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の磁性ファスナアセンブリ。
前記ファスナアセンブリは、前記第1および第2の磁性部材が分離されて磁性的に近接しているときに、前記整列した磁気的係合位置に向けて、前記第1および第2のファスナ部材の間の前記結合軸に沿った相対的移動を案内する位置合わせ構成を備え、前記第1および第2のファスナ部材は、前記第1および第2の磁性部材が横方向に変位する力を受けるときに、前記整列しない磁気的係合位置に向けて、前記結合軸から横方向に相対的に変位することを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の磁性ファスナアセンブリ。
前記位置合わせ構成は、前記第2のファスナ部材の基部から突出し、且つ、前記第2の結合面に向かって突出するが当該第2の結合面に到る前で終端する位置合わせ突起を備え、前記位置合わせ突起および第1の保持部の自由端は、前記整列した磁気的係合位置にあるときに、物理的に当接して前記結合軸に沿って磁気的に結合することを特徴とする請求項15に記載の磁性ファスナアセンブリ。
請求項1から17のいずれか一項に記載の磁性ファスナアセンブリを備える物品であって、前記物品は、結合方向、前記結合方向とは反対の非結合方向、および、前記結合方向に対して実質的に直角な負荷方向へと互いに相対移動可能な第1の物品部分および第2の物品部分を備え、前記第1および第2の物品部分は前記磁性ファスナアセンブリの磁気的結合動作によって1つに取着可能であり、前記第1の物品部分は前記第1のファスナ部材を備え、前記第2の物品部分は前記第2のファスナ部材を備え、前記第1の物品部分および前記第2の物品部分には、使用時に前記負荷方向の負荷力が付加されることを特徴とする物品。
取っ手部が前記第1の物品部分に形成され、前記第1の物品部分は、前記負荷方向または前記負荷方向と反対の方向の前記取っ手の動きに従い、前記第2の物品部分は、負荷キャリー装置の一部を形成し、前記第1および第2の物品部分が前記磁性ファスナアセンブリによって1つに取着されているときに、前記取っ手部は負荷重量を支え、前記負荷重量が前記第1の物品部分に対して前記負荷方向に前記第2の物品部分を相対移動させることにより、前記第1のファスナ部材および前記第2のファスナ部材が前記整列しない磁気的係合位置へと移動されることを特徴とする請求項18に記載の物品。
前記第1の物品部分がキャリーケースのフラップであり、前記第2の物品部分が前記キャリーケースの壁部であり、前記フラップは、前記壁部に対して負荷方向、結合方向および非結合方向に相対移動可能であり、前記負荷方向は前記結合方向および前記非結合方向に対して実質的に直角であることを特徴とする請求項18に記載の物品。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1に示された磁性ファスナアセンブリ100は、第1のファスナ部材120と第2のファスナ部材160を備える。第1のファスナ部材120および第2のファスナ部材160は、磁気的に結合された締結(係合)状態であり、結合軸A−A’に沿って(直線状に)整列している。
【0008】
第1のファスナ部材120は、
図1A1に描かれているように、第1のハウジング部140に取り付けられた第1の保持部を備える。
【0009】
第1のハウジング部140は、金属スラブ142及び取付け装置144を備える。金属スラブ142は前面142A、後面142B、並びに、前面142Aおよび後面142Bを相互結合し、包囲する周囲面142Cを備える。
【0010】
取付け装置144は、細長のブリッジ部144Aおよび取付けピン144B、144Cを備える。ブリッジ部144Aおよび取付けピン144B、144Cは、ブリッジ部144Aの対向する長手方向端部に形成された取付けピン144B、144Cによって、細長の金属スラブから一体的に形成されている。取付けピン144B、144Cはブリッジ部144Aに対して直角である。
【0011】
取付け装置144は、金属スラブ142から軸方向に離れて延伸する取付けピン144B、144Cと、金属スラブ142の後面142Bと当接したブリッジ部によって、第1のハウジング部140の下面に取り付けられている。
【0012】
第1の保持部はヘッド部132およびネック部134を備える。ネック部134は金属スラブ142の前面142A上に突出するように延伸するとともに、前面142Aから軸方向に離れて延伸する。
【0013】
ヘッド部132は、ネック部134から半径方向に、または横方向に延伸し、前面142A上に軸方向に上昇する突出部132Aを含む。突出部132Aは、ネック部から横方向に突出し、突き出した周囲部を形成する。突出部132Aおよびネック部134は一体的に形成され、第2のファスナ部材上の対応するラッチ部と協働するラッチ部を定めるように協働する。
【0014】
ヘッド部132およびネック部134を備える保持突起136は、例えばリベットで金属スラブ142に取り付けられている。迅速かつ強固なリベット留めを容易にするために、例示されている保持突起136は、ネック部134の下部に幅狭のステム部を含むリベットの上方部分となっている。第1のファスナ部材120を形成するとき、金属スラブ142上の対応するリベット開口部、およびブリッジ部144Aが整列される。次いで、幅狭のステム部が開口部を通って挿入され、金属スラブ142およびブリッジ部144Aが共に締結されると、リベット結合がなされる。ネック部134の下端部と前面142Aとの間の段差部が形成され、さらに強固に取り付けられた保持突起136を形成するのに役立つ。
【0015】
本例にあるように、ある実施形態では、前面142Aは、解除可能な締結において磁気結合面として、第2のファスナ部材の対応する磁気結合面に磁気的結合による係合をするように機能する。金属スラブは強磁性材料で形成される。
【0016】
本例にあるように、ある実施形態では、保持突起は第2のファスナ部材160上の整列形態と協働する。保持突起は磁性であり、且つ、強磁性材料で形成される。
【0017】
本明細書では、強磁性材料が対となる非活性(受動型)の強磁性体を引き付けるのに十分な磁束を有するように磁化される場合には、強磁性材料は磁気的に活性(能動型)である。強磁性材料は、強磁性材料が対となる非活性の強磁性体を引き付けるのに十分な磁束を有するように磁化されない場合には、磁気的に受動型または非活性である。それらが能動型−受動型の対、または反対の磁極の能動型−能動型の対である場合、当該磁気特性は補完的である。
【0018】
一例の第1のファスナ部材120の強磁性材料は、磁化されていないステンレス鋼であり、磁気的に不活性である。
【0019】
第1のファスナ部材120は、第1のファスナ部材120を貫通する軸方向に延びる軸Aを有する。ある実施形態では、軸Aは、金属スラブ142および保持突起136を備えるアセンブリを貫通する。取付け装置がブリッジ部を備える場合、軸Aはブリッジ部も貫通する。
【0020】
ある実施形態では、軸Aは、第1のファスナ部材120の左右対称または円対称の軸である。本例にあるように、ある実施形態では、金属スラブ142は円形前面142Aを有し、軸Aは円対称性である。ヘッド部132の前方を向いた前面が円形である場合、軸Aは、ヘッド部132の左右対称の軸、またはヘッド部132の円対称の軸である。
【0021】
第2のファスナ部材160は第2のハウジング部170を備え、その上には第2の保持部が形成されている。第2のハウジング部は強磁性材料の金属スラブ172、取付け装置174、磁性スラブ180、および、外部ケーシング182を備えている。
【0022】
金属スラブ172および取付け装置174は、第1のファスナ部材120の金属スラブ142および取付け装置144のリベット結合と同様のやり方で、リベットで取り付けられている。リング状磁性スラブ180は金属スラブ172の自由表面上に配置されている。金属スラブ172の自由表面は取付け装置174から遠位に存在するとともに、磁性スラブ180と強磁性金属スラブ172の間の磁力によって、強磁性金属スラブ172上の適切な位置に、強固に保持される。
【0023】
強磁性体でできた外部ケーシング182が、金属スラブ172および磁性スラブ180を含むサブアセンブリの周囲に形成される。外部ケーシング182は、磁性スラブ180から遠位に存在する金属スラブ172の後面に隣接する後部部分182A、金属スラブ172および磁性スラブ180の周壁に隣接する、または近接する周壁182B、および、金属スラブ180の前方磁性面に物理的に隣接する前方部分182Cを備える。前方部分182Cが磁性スラブ180に物理的に隣接しているため、前方部分182Cの前向きの自由面でもある外部ケーシング182の前向きの前面182Dは、磁気的に活性であり、磁性スラブ180の前面磁性面と同一の磁極性を有する。
【0024】
図1Cおよび1Dに描かれているように、外部ケーシング182は円形前方部分182C、前方部分182Cの外側円形縁部に沿って延在する周壁部分182B、および、周壁部分182Bから独立した複数の(この例では4つの)脚部を有している。この脚部は円形縁部の周囲に均等に配置され、金属スラブ172の後方でしっかりと固定するためにアセンブリ上に締め付け用爪を形成するように折り曲げられている。締め付け用爪は、組立時に後部部分182Aとなる。
【0025】
前方部分182C、リング状磁性スラブ180の中央開口部またはリング状開口部、および金属スラブ172は共同して保持区画184を画定する。
【0026】
外部ケーシング182の前方部分182Cは、周壁182Bから半径方向に内側に延伸し、受容開口部178と受容開口部を包囲するカラー部186を画定する。カラー部は金属スラブ172の方向に、軸方向に内側に向かって延伸し、進入開口部を画定する自由軸端でカラー端部186Aを有する。カラー部186は、金属スラブ172または保持区画184内部に向かって延びるにつれてテーパー状になっている。軸方向にテーパー状になっていることにより、カラー端部186Aは、軸方向の進入時に保持区画184に進入できるヘッド部132の横寸法を制限する。
【0027】
位置合わせ突起が保持区画184内部に形成されている。位置合わせ突起は、金属スラブ172から突出し、受容開口部に向かって軸方向に延伸するが、カラー端部186Aに到達する前に延伸を止める位置合わせヘッド188を備える。位置合わせヘッド188とカラー端部186Aとの間の軸方向のクリアランスは、第1のファスナ部材120のヘッド部132の軸方向の空間よりもわずかに大きく、それによってヘッド部132は自由に横方向に移動ができ、一方で保持区画184内部にあるときは、位置合わせヘッド188と物理的に隣接する。
【0028】
横方向の位置合わせヘッド188の形状および寸法は、第1の保持部130のヘッド部132の形状および寸法に相当し、その結果、ヘッド部132の周壁および位置合わせヘッド188は軸方向に整列されるか、実質的に位置合わせされる。
【0029】
本例の位置合わせ突起は、金属スラブ172と取付け装置174を強固に保持するリベットの一体的延伸部である。
【0030】
位置合わせ突起は磁気的に活性であり、位置合わせヘッド188は、外部ケーシング182の前向きの前面182D上の磁極性と反対の磁極性を有している。
【0031】
本例にあるように、ある実施形態では、位置合わせ突起の磁束または磁力が、磁性スラブ180の磁性面を介して磁性スラブ180から取得される。
【0032】
ある実施形態では、位置合わせ突起は磁気的に活性であり、位置合わせヘッド188の磁極は外部ケーシング182の前面182Dの磁極と同一または反対であってもよい。
【0033】
位置合わせヘッド188が磁気的に活性である場合、位置合わせヘッド188と、対応するヘッド部132との間の磁力は、対となるファスナ部材120、160の間の案内された磁気結合を促進させる働きをしうる。
【0034】
ある実施形態では、磁気的に活性である位置合わせヘッド188が、対となるヘッド部132と磁気結合し、対のファスナ部材120、160の間の磁気結合による係合を部分的に形成するのに十分な磁束または磁力を有している。
【0035】
ある実施形態では、位置合わせ突起は磁気的に不活性であり、磁石または磁気的に活性な対の片方と磁気結合するまでは、磁極性を有さない。
【0036】
本例にあるように、ある実施形態では、位置合わせ(アライメント)構成はカラー部および位置合わせ突起の組合せを含んでいる。カラー部および位置合わせ突起は、対のファスナ部材120、160の間の案内された磁気結合による係合を容易にして磁気結合による係合に導くように協働する。
【0037】
ある実施形態では、位置合わせ構成はカラー部または位置合わせヘッドを備えていてもよい。
【0038】
磁気結合の状態になる過程における、第1および第2のファスナ部材の間の案内された整列を容易にするための位置合わせ構成の別の形態が、一般性を失うことなく、代替物または組み合わせとして使用されてもよい。
【0039】
本例にあるように、ある実施形態では、前面182Dは、解除可能な締結の間、第1のファスナ部材の対応する磁気結合面と磁気結合の締結状態になるための磁気結合面として機能する。
【0040】
第2のファスナ部材160の前面182Dが、磁気結合を形成するために前面142Aと協働して、磁気結合面として機能する場合、第2のファスナ部材160の前面182Dは、最適な磁気結合を形成するための、相当する表面形状および寸法を有する。
【0041】
ある実施形態では、前面182Dおよび前面142Aは、磁気結合による係合時、物理的に隣接していない、または磁気結合していない。例えば、磁気結合は位置合わせヘッド188とヘッド部132の間で発生しうる。
【0042】
第2のファスナ部材160は軸方向に延伸し、第2のファスナ部材160を貫通する軸A’を有する。ある実施形態では、軸A’は金属スラブ172および位置合わせ突起176を備えたアセンブリを貫通する。取付け装置がブリッジ部を備える場合、軸A’はブリッジ部も貫通する。
【0043】
本例にあるように、ある実施形態では、軸A’は第2のファスナ部材160の左右対称または円対称の軸である。
【0044】
本例にあるように、ある実施形態では、外部ケーシング182の前方部分182Cは円形の前方結合面を画定する円形の外形を有し、軸A’は円対称の軸である。
【0045】
本例にあるように、ある実施形態では、カラー部186は円形の切断面を有し、軸A’は円対称の軸である。
【0046】
位置合わせ突起がある場合、軸A’は位置合わせ突起の左右対称または円対称の軸であってもよい。
【0047】
分離可能な物品の一体部分を形成するために、ファスナ部材上の取付けピンが物品の保持面に挿入され、保持キンクを形成するように折り曲げられる。一般的な使用の場合、第1および第2のファスナ部材が、ストラップ端部、物品の離脱した部品、または他の保持面に対して、取付けクリップ、縫製、縫合、溶接または接着などの取付け手段を用いて、一般性を失うことなく取り付けられる。ここで、取付けピンは取付け手段の便利な例として使用されている。
【0048】
第1のファスナ部材120および第2のファスナ部材160は、一対の解除可能な磁気ファスナ部材として協働するように構成されている。典型的な使用において、第1のファスナ部材120の前面142Aと第2のファスナ部材160の前面182Dとが対面した状態で、第1のファスナ部材120および第2のファスナ部材160が互いの方向に向かって移動される。第1のファスナ部材120および第2のファスナ部材160が磁気的に近接している場合、磁力が第1のファスナ部材120および第2のファスナ部材160を相対的に互いの方向に対して移動させ、整列して磁気結合された係合状態にさせる。一対のファスナ部材120および160が、整列した磁気結合による係合形態になった場合、軸AおよびA’が整列し、一対のファスナ部材120および160が結合軸A−A’に沿って整列して結合される。
図1に示されるように、整列した磁気結合による係合形態の場合、前面142Aおよび前面182Dは一対の磁気結合面として機能し、物理的に隣接している。
【0049】
第1のファスナ部材120および第2のファスナ部材160が磁気的に近接し、磁力によって互いに相対的に移動する場合、一対のファスナ部材120、160上の案内手段が、結合軸A−A’に沿って整列し、磁気結合された係合に一対のファスナ部材120、160を案内するように協働する。この例において、一対のファスナ部材120、160の間の磁力が、一対のファスナ部材120、160を互いに向かって移動するように案内する働きをする。次いで、第2のファスナ部材160のカラー部186および第1のファスナ部材120の突出するヘッド部132は、一対のファスナ部材120、160が結合軸A−A’に沿って、整列して、磁気結合された係合へと移動する働きをする。
【0050】
第1のファスナ部材120および第2のファスナ部材160が整列した磁気係合位置に移動した後、および、一対のファスナ部材120、160が結合軸A−A’に沿って整列した磁気結合による係合状態になったときに、磁性ファスナアセンブリ100の、互いに反対に位置する軸方向両端に軸方向に沿った分離力を付加することにより、第1のファスナ部材120及び第2のファスナ部材160を互いに引き離し、分離させるであろう。
【0051】
磁性ファスナアセンブリ100が整列した磁気嵌合の位置にあり、相対的な横方向の移動力、またはせん断力が一対のファスナ部材120、160に付加される場合、一対のファスナ部材120、160は、
図1の整列した磁気係合位置から、互いに横方向にずれる、または移動する。そして
図1Bおよび1B1に図示されるように、軸A’から横方向にずれた、または移動した軸Aによって、整列しない磁気嵌合位置へと移動する。
【0052】
磁性ファスナ部材アセンブリ100が整列しない磁気係合位置にある場合、第1のファスナ部材120、第2のファスナ部材160および関連する保持構成はラッチ(掛止、掛合)可能形態である。このラッチ可能形態において、ヘッド部132の突出部132Aが軸方向に、およびカラー端部186Aに対してまっすぐ突出する。
【0053】
このラッチ可能形態にある間、磁性ファスナアセンブリ100の各両側の軸方向端部で、結合軸A−A’に対して平行方向に軸方向の分離力を付加することにより、第1のファスナ部材120、第2のファスナ部材160、および関連する保持構成をラッチ形態へと導き、第1のファスナ部材120、第2のファスナ部材160は離脱しない。
【0054】
図5Aに図示されているフラップ式ブリーフケース10は、本発明の磁性ファスナアセンブリ100の適用の例を表している。フラップ式ブリーフケース10は主に革でできており、前方パネル12および前方パネル12から空間を隔てた後方パネルを備える容器部、頂部パネル16に取り付けられた持ち手部14、フラップ部18、および、一対のファスナ部材120、160を備えた磁性ファスナアセンブリ100を備える。容器部は、書類のような物品を受容するための、空洞の保管用区画を画定する働きをする周壁および底部パネルを備える。頂部パネル16は、ヒンジとしての後方パネルの頂部縁部周囲を移動可能であり、その結果、頂部パネルは保管用区域内部を見せるための開放形態と、頂部パネルが保管用区域の頂部に架かる場合の閉鎖形態の間で、頂部縁部周囲を枢動可能に移動できる。フラップ部18は、頂部パネルの前方縁部から離れるように持続して延在しており、
図5Aに図示されるように前方パネル12から突出する第1の枢動形態と、
図5Bに図示されるように前方パネル12と当接する第2の枢動形態との間で、前方縁部周囲を枢銅可能に移動することができる。
【0055】
一対のファスナ部材がフラップ部18および前方パネル12の対応する位置に別々に取り付けられている。
図5Aの例では、第1のファスナ部材120が移動可能なフラップ部18上に取り付けられ、第2のファスナ部材160が前方パネル12上に取り付けられている。
【0056】
フラップ部18が前方パネルから引き離された第1の枢動構成にある場合、取っ手部14の上方への持ち上げ動作が、頂部縁部周囲での頂部パネル16の時計回りの枢動動作、および、前方パネル12に対して相対的なフラップ部の動作をもたらす。
【0057】
フラップ部18が第1の枢動形態にあり、前方パネルから引き離されている場合、取っ手部が静止状態にあるときに、フラップ部18の前方パネル12に対する動作により、第1のファスナ部材120が第2のファスナ部材160に対して磁性的に近接される。この磁性的に近接した状態において、一対の磁性ファスナ120、160の間の磁力が、当該一対の磁性ファスナを
図1の整列した磁気的係合位置へと導き、フラップ部18を第2の枢動形態へと導く。
【0058】
フラップ部18が第2の枢動形態にあるとともに、一対のファスナ部材120、160の間の磁気的に結合された締結により前方パネルに付随しているときに、取っ手部14の上方への持ち上げ動作が、容器部の負荷により、前方パネル12に沿って、および前方パネル12に対してわずかに上方にフラップパネルを移動する。また、これは、磁性ファスナアセンブリ100を、
図1の整列した磁気的係合位置から、
図1Bおよび
図1B1のラッチ形態の保持構成による、整列しない磁気的係合位置にシフト(変位)させる。
【0059】
図5Aの例では、第1のファスナ部材120がフラップ部18に取り付けられているが、第1のファスナ部材120は、その代わりに、一般性を喪失することなく、前方パネル12に取り付けられてもよい。
【0060】
例示の適用では、実質的な横方向の負荷力が磁性ファスナアセンブリに付加(適用)されない場合、外部ケーシング182は厚さ0.2mmの鋼板で形成される。
【0061】
別の適用では、実質的な横方向負荷力が磁性ファスナアセンブリに付加される場合、外部ケーシング182は厚さ0.3mmまたは0.4mmの鋼板で形成される。
【0062】
別の適用の一例では、一対のファスナ部材が、磁性ファスナアセンブリによって結合された物品の分離可能な保持面上に取り付けられている。かかる適用においては、保持面に分離力または分離張力が付加される。当該分離力または分離張力は、一対のファスナ部材の磁気的結合方向に対して角度をなして(傾斜して)、または磁気的結合方向に対して横方向にかけられる。整列しない磁性係合位置にあって、結合軸に対して角度をなして(傾斜して)、または横方向に分離張力がかけられているときに、軸方向の分離に対する磁性ファスナアセンブリの抵抗は、不注意による離脱の危険性を低減するものであり、ユーザに安心感を与える。ブラジャー、ベルト、胸郭バンド、およびリュックサックのような、ストラップ(紐)を有する物品は、使用時に前述の張力特性を有する物品の例であり、したがって、本発明の磁性ファスナアセンブリを組み込むのに特に適している。
【0063】
使用の一例では、一対のファスナ部材が、ストラップ上に、またはストラップの長手方向の両端部に、またはストラップ長さに沿って空間を空けて、またはストラップの長手方向に、ストラップ本体から見て外方に向いた一対のファスナ部材の対の結合面により、結合方向がストラップの長さに対して直交して、または横方向に、または角度をなすように取り付けられる。ストラップの長さに沿って印加されるせん断張力が磁性ファスナアセンブリにかけられる場合、ストラップの長さが長手方向を画定する。
【0064】
使用の一例では、磁性ファスナアセンブリが、反復される閉動作を容易にする再封止可能な容器に取り付けられる。一例の再封止可能容器は、主保管区域を画定する本体、および、本体内部に手を入れられる解除位置すなわち開位置と、かかる接触を阻止する閉位置との間で可動な可動部材を備えてもよい。本体は不変の形状であってもよく、または柔軟性の、または半柔軟性の皮のキャリーバッグといった可変の形状であってもよい。可動部材は、長く伸びた縁部にヒンジ結合され、解除位置と閉位置との間でヒンジ軸として、長く伸びた縁部に対して実質的に直角な方向に可動なフラップタイプの封止フラップ部材であってもよい。閉位置にある場合、封止フラップ部材は容器本体の側壁に取り付けられている。開位置にある場合、封止フラップ部材は容器本体の側壁から引き離され、主保管区域の内部に手を入れることができる。
【0065】
ある実施形態では、封止フラップ部材は中間フラップ部材ヒンジに沿って容器本体とヒンジ結合されている中間フラップ部材の縁部である。中間フラップ部材ヒンジは封止フラップヒンジから遠位かつ平行な、容器本体の長く伸びた縁部のことである。中間フラップ部材が、長く延びた容器縁部に対して直角方向に、当該容器縁部周囲を枢動可能に移動できるため、封止フラップ部材は相対的に移動可能な2つの平行な、枢動軸となる縁部に対して移動可能である。一対のファスナ部材が、封止フラップ部材および側壁の対応する位置に、別々に取り付けられている。一対のファスナ部材の間の磁気的結合の方向は、封止フラップヒンジが延びる方向に対して直角である。ある実施形態では、取っ手部が、封止フラップヒンジと中間フラップ部材ヒンジの間の中間フラップ部材に備え付けられ、容器を容易に手で持ち運ぶことができる。容器が、容器の側壁に取り付けられたフラップ封止部材が付された取っ手部で、一対のファスナ部材の磁気的結合を介して手で持ち運ばれる場合、容器本体の重量が、一対のファスナ部材を相互の力学的ラッチ(掛止、掛合)へと導くために、磁気的結合方向に対して横方向に一対のファスナ部材の相対的なせん断運動または並進運動を引き起こす。
【0066】
図2に図示されている一例の磁性ファスナアセンブリ200は、
図2A1の第1のファスナ部材220、および、
図2A2の第2のファスナ部材260を備えている。第1のファスナ部材220および第2のファスナ部材260は、磁気的に結合された締結状態にあり、結合軸B−B’で整列している。この例では、金属スラブ272および外部ケーシング282の構造を除いて、第1のファスナ部材220がファスナ部材120と同一であり、且つ、第2のファスナ部材260がファスナ部材160と同一である。磁性ファスナアセンブリ100および一対のファスナ部材120、160に関連するここでの記載は、対応する付番に100を足し、軸AおよびA’はBおよびB’とそれぞれ変更すべきところは変更して、ここに組み込まれたものとする。
【0067】
図2A2、2Bおよび2B1を参照すると、金属スラブ272は、基部272Aおよび基部272Aの外周縁部から延在し、基部272Aを包囲する周辺部272Bを備える。基部272Aは、磁性スラブ280の外形をなぞるように円形または実質的に円形であり、周辺部272Bは。軸方向に(すなわち軸B’に平行に)、かつ取付け装置から離れて延在し、または第2の結合面の方向に延在する。複数の(この例では4つの)爪受容開口部が基部272Aの外周縁部に形成されている。本例にあるように、ある実施形態では、外部ケーシングの締め付け用爪を受容するために、円形縁部に等間隔で爪受容開口部が配置されている。
【0068】
外部ケーシング282は、強磁性体材料で形成され、且つ、前方部分272、前方部分272から直角に突出して前方部分272の外周縁部に沿って延在する周壁部分282B、および、周壁部分282Bおよび前方部分272から軸方向に離れて突出する複数の屈曲可能脚部を備える。前方部分282は、配置された爪受容開口部によって区切られた金属スラブ272の基部272Aの形状および寸法と同等の形状および寸法を有している。脚部は、爪受容開口部の配置に一致するように配置され、爪受容開口部を通って挿入して締め付け用爪を形成するような寸法となっている。
【0069】
第2のファスナ部材260を組み立てるために、磁性スラブ280が
図2B1の金属スラブ272のサブアセンブリの前面上に置かれた後で、外部ケーシング282の脚部が爪受容開口部を通って挿入される。挿入後、前方部分272が磁性スラブ280と強固に当接した状態になると、脚部は締め付け爪を形成するために曲げられる。締め付け爪が形成された後、磁性スラブ280が外部ケーシング282によって強固に保持され、外部ケーシングの前方部分272の前面282Dが第2の結合面となり、爪を持つ部分が外部ハウジング282の後方部分282Aとなり、金属スラブ272の基部272Aと強固に当接した状態になり、外部ハウジング282の周壁部分282Bが金属スラブ272の直立する周壁272Bによって包囲される。磁性スラブ280、金属スラブ272および外部ケーシング282の前方部分272が協働して保持区画284を画定する。対応する複数の爪受容開口部と協働する複数の締め付け用爪を備えた当該取付け構成は、金属スラブ272および外部ケーシング282の間の相対回転を低減させるまたは相対回転に逆らう働きをする。
【0070】
ある実施形態では、前方部分272は、軸B’に沿って、金属スラブ272の直立する周壁272Bの縁部よりも軸レベルで上方または同一平面にある。
【0071】
図3に示された例示の磁性ファスナアセンブリ300は、第1のファスナ部材320および第2のファスナ部材360を備える。第1のファスナ部材320および第2のファスナ部材360は、磁気的に結合された締結状態にあり、結合軸C−C’で整列している。この例では、カラー部386を除いて、第1のファスナ部材320がファスナ部材120と同一であり、第2のファスナ部材360がファスナ部材160と同一である。磁性ファスナアセンブリ100および一対のファスナ部材120、160に関連するここでの記載は、対応する付番に200を足し、軸AおよびA’はCおよびC’とそれぞれ変更すべきところは変更して、ここに組み込まれるものとした。第2のファスナ部材360のカラー部386は、軸C’の反対側に不均一な軸方向の深さを有する。
図3、3A2、3B、3B1および3Cに図示されているように、軸C’の片方の側のカラー部386の軸方向の深さはヘッド部332よりも低い。一方で、軸C’の反対の側のカラー部386の軸の深さは、一対のファスナ部材320、360が磁気的に結合された締結状態にあるとき、ヘッド部332の横方向の動きを阻止するのに十分である。軸C’の異なる軸レベルでの両端のカラー端部により、一対のファスナ部材320、360の間の相対的な横方向の動きの自由度は、選択された横方向に制限されうる。
【0072】
ある実施形態では、カラー部を除いて、第2のファスナ部材360がファスナ260と同一である。磁性ファスナアセンブリ200および一対のファスナ部材220、260に関連するここでの記載は、対応する付番に100を足し、軸BおよびB’はCおよびC’とそれぞれ変更すべきところは変更して、ここに組み込まれるものとした。
【0073】
図4に示される一例の磁性ファスナアセンブリ400は、第1のファスナ部材420および第2のファスナ部材460を備える。第1のファスナ部材420および第2のファスナ部材460は、磁気的に結合された締結状態にあり、結合軸D−D’で整列している。この例では、ヘッド部432を除いて、第1のファスナ部材420がファスナ部材120と同一であり、第2のファスナ部材460がファスナ部材160、260および360のいずれか1つと同一でありうる。
【0074】
磁性ファスナアセンブリ100、200および300、ならびに一対のファスナ部材120、160、260および360に関連するここでの記載は、必要に応じて、対応する付番に100、200または300を足し、左右対称軸はDおよびD’とそれぞれ変更すべきところは変更して、ここに組み込まれるものとした。
【0075】
この例では、ヘッド部432は円錐台形であり、金属スラブ442に向かってテーパー(先細)状に狭くなっている。ヘッド部の軸方向の高さはカラー端部186A、286Aの軸方向深さよりも高く(例えば、わずかに高く)、またはカラー端部が異なる軸方向の深さである場合には、下方のカラー端部386Aよりも高い。ネック部に対して明確に、または鋭利に突出したヘッド部を有していないことを除き、ヘッド部432のその他の様態は、ここに記載されている対応するヘッド部の様態と同様または同一である。
【0076】
本例にあるように、ある実施形態では、ヘッド部432は金属スラブ442の表面レベルに至るまで、ずっとテーパー状になっており、ヘッド部432およびネック部434の間の明確な描写(delineation)は存在しない。
【0077】
動作中、ヘッド部432の内側に傾斜したテーパー面は、整列せずに磁気的に結合された締結状態にあるときに、アセンブリの反対側の2つの端部、または遠位の軸方向端部に、分離方向に軸方向の分離力が付加される場合に、軸方向の分離に対して抵抗するか、または逆らって作用するために、カラー端部486Aと相互作用または協働する。ヘッド部432の傾斜したテーパー面は、整列した磁気的結合の締結、あるいは、分離または非係合位置への円滑な移行を容易にするものである。
【0078】
ある実施形態では、ヘッド部432のテーパー形状は、金属スラブ442の表面レベルよりも上の軸レベルで終端し、ヘッド部432およびネック部434の間に明確な描写(delineation)が存在する。かかる状況において、ヘッド部432のテーパー部分がネック部434から突出し、磁性ファスナアセンブリ400が整列しない磁気的結合による締結状態にある場合、第2のファスナ部材460のカラー端部486Aよりも軸方向に上部に位置する。
【0079】
全般に、磁性ファスナアセンブリ100、200、300および400が整列しない磁気的結合の締結状態にあるとき、ヘッド部132、232、332、432の突出した部分が突き出ているか、あるいは、第2のファスナ部材160、260、360および460のカラー端部186A、286A、386Aおよび486Aの上部に軸方向に、および/または近接して位置する。ヘッド部132、232、332および432は、この整列しない磁気的結合の締結状態にあるとき、カラー端部186A、286A、386Aおよび486Aと協働して、軸方向の分離力に抵抗して分離を阻止する。
【0080】
本例にあるように、ある実施形態では、この整列しない磁性結合の締結状態にあるとき、ヘッド部132、232、332および432はカラー端部186A、286A、386Aおよび486Aと協働して、軸方向の分離力に抵抗して分離を阻止するためのラッチ形態を形成する。
【0081】
請求項に記されている特徴は、(必要に応じて連帯して)本開示の一部を形成するものであり、参照によりここに組み込まれる。
【0082】
様々な例または実施形態がここに記されてきたが、当然のことながら、それらは例示を目的としており、特許請求の範囲を限定するものではない。例えば、磁性ファスナ100が適用の一例に使用されているが、磁性ファスナ100から400のような本発明に従ったその他の磁性ファスナが一般性を喪失することなく使用されてもよい。当然のことながら、様々な例示の実施形態の一部は、必要に応じて、一般性を喪失することなく、他の変化形を形成するように組み合わせるために引用されてもよい。