特許第6674484号(P6674484)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6674484
(24)【登録日】2020年3月10日
(45)【発行日】2020年4月1日
(54)【発明の名称】アシストグリップ用照明装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/02 20060101AFI20200323BHJP
   B60Q 3/20 20170101ALI20200323BHJP
   B60Q 3/70 20170101ALI20200323BHJP
【FI】
   B60N3/02 A
   B60Q3/20
   B60Q3/70
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-6197(P2018-6197)
(22)【出願日】2018年1月18日
(65)【公開番号】特開2019-123412(P2019-123412A)
(43)【公開日】2019年7月25日
【審査請求日】2019年3月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 和也
【審査官】 中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0271261(US,A1)
【文献】 特開2018−002027(JP,A)
【文献】 特開2007−186050(JP,A)
【文献】 特開2009−107521(JP,A)
【文献】 特開昭58−056932(JP,A)
【文献】 特開2008−132804(JP,A)
【文献】 特開2007−039982(JP,A)
【文献】 特開2001−171452(JP,A)
【文献】 特開2006−009352(JP,A)
【文献】 特開2004−211539(JP,A)
【文献】 特開2018−002118(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/073636(WO,A1)
【文献】 特開2008−299779(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0090317(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/02
B60Q 3/00− 3/88
B60R 21/00
E05B 49/00−49/04,
77/00−85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車室内に配置されたアシストグリップと、
前記アシストグリップに内蔵され、複数の発光形態で発光でき、前記車両外部から視認可能に配置された照明部と、
車両の所定距離内にキーを所持した者が接近したか否かを検知するキー検知部と、
前記キー検知部からのキー所持者の接近情報、ドアのロック・アンロック情報、前記ドアの開閉情報が入力され、これら入力情報に基づいて前記照明部の発光形態を制御する発光制御部とを備え、
前記発光制御部は、前記キー検知部がキー所持者の接近を検知した場合には、第1発光形態で前記照明部を発光させる処理を実行し、
前記ドアのアンロック情報が入力された場合には、第2発光形態で前記照明部を発光させる処理を実行し、
前記ドアの開情報が入力された場合には、第3発光形態で前記照明部を発光させる処理を実行することを特徴とするアシストグリップ用照明装置。
【請求項2】
請求項1記載のアシストグリップ用照明装置であって、
前記発光制御部には、手動運転と自動運転のいずれの運転モードであるか否かの情報が入力され、
前記発光制御部は、手動運転モードの情報が入力された場合には、第4発光形態で前記照明部を発光させる処理を実行し、自動運転モードの情報が入力された場合には、第5発光形態で前記照明部を発光させる処理を実行することを特徴とするアシストグリップ用照明装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のアシストグリップ用照明装置であって、
前記発光制御部には、後側方車両検知部からの車両検知情報が入力され、
前記発光制御部は、車両検知情報が入力された場合には、第6発光形態で前記照明部を発光させる処理を実行することを特徴とするアシストグリップ用照明装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のアシストグリップ用照明装置であって、
前記照明部の各発光形態は、発光色及び/又は点灯パターンが異なるものであることを特徴とするアシストグリップ用照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アシストグリップ用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、乗員の乗降等を補助するためにアシストグリップが設けられているものがある。このアシストグリップに照明部を内蔵したものが種々提案されている(特許文献1、2参照)。
【0003】
従来のアシストグリップの照明部は、アシストグリップの位置を示したり、車室内の雰囲気照明として用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−186050号公報
【特許文献2】特開2009−107521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、アシストグリップの照明部を上記したアシストグリップの位置情報、車室内の雰囲気照明以外に用いて多機能化できれば、より有効利用できる。
【0006】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、アシストグリップの位置情報の他に車両状態の情報表示等に用いたアシストグリップ用照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、車両の車室内に配置されたアシストグリップと、前記アシストグリップに内蔵され、複数の発光形態で発光できる照明部と、車両の所定距離内にキーを所持した者が接近したか否かを検知するキー検知部と、前記キー検知部からのキー所持者の接近情報、ドアのロック・アンロック情報、前記ドアの開閉情報が入力され、これら入力情報に基づいて前記照明部の発光形態を制御する発光制御部とを備え、前記発光制御部は、前記キー検知部がキー所有者の接近を検知した場合には、第1発光形態で前記照明部を発光させる処理を実行し、前記ドアのアンロック情報が入力された場合には、第2発光形態で前記照明部を発光させる処理を実行し、前記ドアの開情報が入力された場合には、第3発光形態で前記照明部を発光させる処理を実行することを特徴とするアシストグリップ用照明装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車両に近づいたキー所持者にアシストグリップの存在(位置)を知らせることができる他に、ドアのアンロック状態、ドア開状態という車両状態の情報表示等としても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態を示し、車両の概略側面図である。
図2】本発明の一実施形態を示し、(a)はアシストグリップの車室内側から見た一部破断側面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
図3】本発明の一実施形態を示し、制御ブロック図である。
図4】本発明の一実施形態を示し、アシストグリップ用照明装置の制御フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1図4は本発明の一実施形態を示す。
【0012】
アシストグリップ用照明装置1(図3に示す)は、アシストグリップ2と、アシストグリップ2に内蔵された照明部10と、キー検知部20と、後側方車両検知部21と、照明部10の発光形態を制御する発光制御部である電子制御ユニット(ECU)30とを備えている。
【0013】
アシストグリップ2は、図1及び図2に示すように、前席及び後席の左右の天井側部(例えばピラー)3にそれぞれ設けられている。アシストグリップ2は、天井側部3に固定された2つの支持部4と、この支持部4の間を連結する把持部5とを有する。把持部5は、天井側部3より下方位置に配置され、ドア22の上端より低い位置に位置している。把持部5は、ドアガラス6を通して車両外部より見える。
【0014】
照明部10は、図2に示すように、把持部に内蔵された第1照明部11と、一方の支持部4に内蔵された第2照明部12とを有する。第1照明部11は、把持部5の長手方向に沿って配置された細長い導光板11aと、導光板11aの両端に配置された第1LED光源11bとを有する。導光板11aは、天井側部3に向かって光を出射する。第1LED光源11bは、マルチカラーLED光源(RGB光源)であり、全ての発光色を出射可能である。
【0015】
第2照明部12は、第1LED光源11bより高輝度である第2LED光源12aを有する。第2LED光源12aは、車室の床面に向かって光を出射する。
【0016】
車両のキー(図示せず)は、車両のキー検知部20に無線送信できる機能を有する。キーは、少なくともドア22のロック・アンロック指令を送信できる。
【0017】
キー検知部20は、例えば車両のインストルメントパネルで、計器類(図示せず)の近傍に配置されている。キー検知部20は、キーが発する電波によって、車両の所定距離内にキーを所持した者が接近したか否かを検知する。キー検知部20は、キーを所持した者の接近情報、ドア22のロック・アンロック指令を検知(受信)すると、これらの情報を電子制御ユニット30に出力する。
【0018】
後側方車両検知部21は、ミリ波レーダー等によって、車両の後側方(後方及び側方)に位置する物体(車両)を検知する。
【0019】
電子制御ユニット30は、ドア22のロック・アンロック指令をドアロック機構(図示せず)に出力し、ドア22のロック・アンロックを実行させる。ドアロック機構には、ドア22のロック・アンロック状態を検知するドアロック・アンロック検知手段(図示せず)が設けられている。又、ドア22には、ドア22の開閉状態を検知するドア開閉検知手段(図示せず)が設けられている。
【0020】
電子制御ユニット30には、図3に示すように、キー検知部20及び後側方車両検知部21からの検出情報の他に、イグニッションキーのオン・オフ情報、ドア22のロック・アンロック情報、ドア22の開閉情報、手動運転・自動運転モード情報等が入力される。電子制御ユニット30は、これら入力情報に基づいて照明部10の発光形態を制御する。具体的な発光形態については、下記の動作説明の中で説明する。
【0021】
次に、アシストグリップ用照明装置1の動作を図4に基づき説明する。
【0022】
電子制御ユニット30は、イグニッションキーがオフか否かをチェックする(ステップS1)。イグニッションキーがオフであれば、キー検知部20からの検知情報をチェックする(ステップS2)。キー検知部20が所定距離以内にキーの存在を検知(キー所持者の接近を検知)すると、第1発光形態で照明部10を発光させる処理を行う(ステップS3)。具体的には、第1照明部11を青色で発光させる。これにより、ユーザにアシストグリップ2の存在(位置)を知らせる。
【0023】
次に、ドア22がアンロック状態にされたか否かをチェックする(ステップS4)。ドアロック・アンロック検知手段(図示せず)からドア22のアンロック情報が入力されると、第2発光形態で照明部10を発光させる処理を行う(ステップS5)。具体的には、第1照明部11を赤色で点滅発光させる。これにより、ユーザに、ドア22がアンロック状態とされたことを知らせる。
【0024】
次に、ドア22が開状態にされたか否かをチェックする(ステップS6)。ドア開閉検知手段(図示せず)からドア22の開情報が入力されると、第3発光形態で照明部10を発光させる処理を行う(ステップS7)。具体的には、第2照明部12を点灯させる。これにより、ユーザの足元が照らされ、乗車時の補助及びおもてなし演出がなされる。
【0025】
次に、ドア22が閉状態にされたか否かをチェックする(ステップS8)。ドア開閉検知手段(図示せず)からドア22の閉情報が入力されると、第2照明部12を消灯する(ステップS9)。
【0026】
次に、イグニッションキーがオンになると(ステップS1)、運転モードをチェックする(ステップS10,S11)。手動運転である場合には、第4発光形態で照明部10を発光させる処理を行う(ステップS12)。具体的には、第1照明部11を青色で発光させる。これにより、ユーザに現在の運転モードが手動運転であることを知らせる。
【0027】
自動運転であれば、第5発光形態で照明部10を発光させる処理を行う(ステップS13)。具体的には、第1照明部11を緑色で発光させる。これにより、ユーザに現在の運転モードが自動運転であることを知らせる。
【0028】
運転モードが手動運転から自動運転に切り替わると、第1照明部11の発光が青色から緑色に切り替わる(ステップS10〜S13)。運転モードが自動運転から手動運転に切り替わると、第1照明部11の発光が緑色から青色に切り替わる(ステップS13〜S13)。
【0029】
後側方車両検知部21が車両を検知すると(ステップS16)、車両検知した座席側の照明部10を第6発光形態で発光させる処理を行う(ステップS17)。具体的には、第1照明部11を短い間隔で点滅させる。これにより、ユーザに右及び/又は左の後側方に車両が位置することを知らせる。
【0030】
後側方車両検知部21が車両を検知しなくなった場合には、手動運転か自動運転を示す発光に切り替わる。
【0031】
イグニッションキーがオフになれば(ステップS14)、照明部を消灯する(ステップS15)。
【0032】
前記実施形態にあって、タッチセンサ等の入力手段40(図3に示す)を設けて調光機能を付加すれば、付加価値が向上する。又、アシストグリップ用照明装置1で知らせる車両状態としては、前記実施形態の他に種々のものが考えられる。例えば、半ドア状態を知らせる、エコ運転を知らせる等が考えられる。
【符号の説明】
【0033】
1 アシストグリップ用照明装置
2 アシストグリップ
10 照明部
20 キー検知部
21 後側方車両検知部
30 電子制御ユニット(発光制御部)
図1
図2
図3
図4