特許第6674498号(P6674498)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6674498
(24)【登録日】2020年3月10日
(45)【発行日】2020年4月1日
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、およびゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/53 20140101AFI20200323BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20200323BHJP
   A63F 13/54 20140101ALI20200323BHJP
   A63F 13/424 20140101ALI20200323BHJP
   G06T 13/20 20110101ALI20200323BHJP
【FI】
   A63F13/53
   A63F13/52
   A63F13/54
   A63F13/424
   G06T13/20 500
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-80110(P2018-80110)
(22)【出願日】2018年4月18日
(65)【公開番号】特開2019-187517(P2019-187517A)
(43)【公開日】2019年10月31日
【審査請求日】2018年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渥美 格之進
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 幸太
(72)【発明者】
【氏名】前馬 宏充
(72)【発明者】
【氏名】南 匡彦
(72)【発明者】
【氏名】小島 健二
(72)【発明者】
【氏名】大倉 麻衣
(72)【発明者】
【氏名】早川 大理
(72)【発明者】
【氏名】山本 赳之
【審査官】 奈良田 新一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−029647(JP,A)
【文献】 特開2001−232057(JP,A)
【文献】 特開2002−045567(JP,A)
【文献】 特開2011−245307(JP,A)
【文献】 特開2012−205684(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00−13/98
G06T 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
表示装置に表示する映像に動的なエフェクトを施す際に、ゲーム音声に基づいて前記エフェクトの動き方を変化させる表示処理手段と、
して機能させ
前記表示処理手段は、前記エフェクトを施す画面上の領域を複数に分割し、各領域と前記ゲーム音声の帯域とを対応づけるとともに、各領域のエフェクトの動き方を、対応させた帯域のゲーム音声に基づいて変化させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記表示処理手段は、波紋状の表示を付加する波紋エフェクト、および、前記表示装置の画面上の一部の映像を歪ませる歪みエフェクトの少なくとも一方を含むエフェクト表現を用いて、前記エフェクトを施すことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項3】
請求項2において、
前記表示処理手段は、前記波紋エフェクトを施す場合には、前記ゲーム音声の音量に応じて波紋の幅を変化させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れかにおいて、
前記表示処理手段は、前記ゲーム音声の音量パラメータ、およびテンポのうちの少なくとも何れか一方に応じて前記エフェクトを施すことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項5】
請求項1から請求項の何れかにおいて、
ユーザの操作を評価した結果に応じて前記ゲーム音声を変化させるオーディオ処理部として、前記コンピュータを機能させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項6】
請求項において
前記表示処理手段は、前記評価の結果を画面上に表示し、前記エフェクトを前記評価の結果の表示位置の近傍に施すことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項7】
請求項1から請求項の何れかのゲームプログラムを記憶した記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行するコンピュータと、
を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、およびゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、仮想ゲーム空間において、多種多様な画像表現が使用されている。例えば、ゲームのなかには、ユーザがプレイヤキャラクタを動作させて得られた成果を画面に表示するものがある(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−75299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記の特許文献の例では、ゲームのおもしろさを向上させることに成功しているが、更に改良の余地はある。ゲーム中に使えるエフェクト(後述)が多様であるほど、表現の選択肢が拡がり、ユーザの満足度の向上が期待できる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、多様なエフェクトを施すことができるゲームプログラムおよびゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、コンピュータを、表示装置に表示する映像に動的なエフェクト表現を行う際に、ゲーム音声に基づいて前記エフェクトの動き方を変化させる表示処理手段と、して機能させ、前記表示処理手段は、前記エフェクトを施す画面上の領域を複数に分割し、各領域と前記ゲーム音声の帯域とを対応づけるとともに、各領域のエフェクトの動き方を、対応させた帯域のゲーム音声に基づいて変化させることを特徴とするゲームプログラムである。
【0007】
また、第1発明において、前記表示処理手段は、波紋状の表示を付加する波紋エフェクト、および、前記表示装置の画面上の一部の映像を歪ませる歪みエフェクトの少なくとも一方を含むエフェクト表現を用いて、前記エフェクトを施すことができる。
【0008】
また、上記発明において、前記表示処理手段は、前記波紋エフェクトを施す場合には、前記ゲーム音声の音量に応じて波紋の幅を変化させてもよい。
【0009】
また、第1の発明において、前記表示処理手段は、前記ゲーム音声の音量パラメータ、およびテンポのうちの少なくとも何れか一方に応じて前記エフェクトを施すことができる。
【0010】
また、第1発明において、ユーザの操作を評価した結果に応じて前記ゲーム音声を変化させるオーディオ処理部として、前記コンピュータを機能させてもよい。
【0011】
また、上記発明において、前記表示処理手段は、前記評価の結果を画面上に表示し、前記エフェクトを前記評価の結果の表示位置の近傍に施すこともできる。
【0012】
また、第2の発明は、前記発明の何れかのゲームプログラムを記憶した記憶部と、前記ゲームプログラムを実行するコンピュータと、を備えたことを特徴とするゲーム装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、多様なエフェクトを施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態のゲーム装置の構成を示すブロック図である。
図2】オーディオ処理部の構成を示すブロック図である。
図3】ランクメッセージとしてディスプレイに「A」を表示した例を示す。
図4】波紋エフェクト表現が施された映像の生成の概念を示す。
図5】ディスプレイの画面から、歪みエフェクトが施された部分を抜き出したものである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施形態]
以下、本発明の実施形態にかかるゲーム装置、およびゲームプログラムについて、図面を参照して説明する。
【0016】
本実施形態で説明するゲームプログラムは、例えば、パーソナルコンピュータ、プレイステーション(登録商標)、XBox(登録商標)、PlayStation Vita(登録商標)などのゲーム装置において実行される。
【0017】
このゲームプログラムによるゲームでは、各ユーザの操作を受けて、プレイヤキャラクタを三次元の仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタ同士でグループを編成して様々なアクションを行わせたりする。
【0018】
そのプレイヤキャラクタの移動過程やアクション等において、所定のトリガ条件を満たすとBGMが流れる。所定のトリガ条件とは、例えば、プレイヤキャラクタの所定場所への移動、敵キャラクタの出現、敵キャラクタを倒したあと、などである。また、このゲームでは、例えば、ゲームを行ったことで得られた成果が種々のエフェクト(後述)を用いて画面に表示される。
【0019】
〈ゲーム装置の構成〉
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。図1は、本実施形態のゲーム装置5の構成を示すブロック図である。ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびコントローラ63が外部接続または内蔵される。ゲーム装置5では、例えば、インストールされたゲームプログラムおよびゲームデータに基づいてゲームが進行する。なお、ゲーム装置5同士も、通信ネットワーク(図示を省略)または近距離無線通信装置(図示せず)を用いて、互いにデータ通信を行うことができる。
【0020】
ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0021】
ネットワークインターフェース51は、例えばゲーム装置5や外部のサーバ装置(図示を省略)との間で各種データを送受信するために、前記通信ネットワークに通信可能に接続される。
【0022】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、プレイヤキャラクタおよびゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52はディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。グラフィック処理部52の詳細については、のちに詳述する。
【0023】
オーディオ処理部53は、制御部56の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。オーディオ処理部53はスピーカ62と接続されており、再生および合成されたゲーム音声は、スピーカ62から出力される。オーディオ処理部53の詳細についても、のちに詳述する。
【0024】
操作部54は、コントローラ63と接続され、操作入力に関するデータをコントローラ63との間で送受信する。例えば、ユーザは、コントローラ63に設けられたボタン等の操作子(図示略)を操作することにより、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
【0025】
記憶部55は、HDD、RAMおよびROM等で構成される。記憶部55は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶することができる。また、記憶部55には、他のゲーム装置5から受信した他アカウント情報なども記憶される。
【0026】
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置5の動作を制御する。例えば、制御部56は、前記ゲームプログラムを実行することにより、グラフィック処理部52およびオーディオ処理部53を動作させる。
【0027】
〈オーディオ処理部の詳細〉
オーディオ処理部53は、ゲーム音声の再生や合成の機能を発揮する、いわゆるミドルウエアを含んでいる。ここで、ゲーム音声とは、ゲーム中にスピーカ62から流れる音声であり、例えば、BGM(Back Ground Music)や、ユーザの操作に応じて流れる効果音などの種々の音声を含む。
【0028】
図2に、オーディオ処理部53の構成をブロック図で示す。図2に示すように、オーディオ処理部53は、BGM等のゲーム音声(デジタルデータ)生成するゲーム音声出力手段53aを備えている。ゲーム音声出力手段53aは、制御部56の制御に従って、ゲーム音声を生成し、それを4系統のバスに出力する。ゲーム音声出力手段53aが各バスに出力するゲーム音声は、何れも同一のデジタルデータである。
【0029】
本実施形態では、4系統のバスの内の3つ(以下、それぞれ第1バスB1、第2バスB2、第3バスB3という)では、途中でゲーム音声に処理が加えられている。具体的には、第1〜第3バスB1,B2,B3のそれぞれには、途中に、抽出手段53bが設けられ、各抽出手段53bが所定の周波数の音声データを抽出する。
【0030】
具体的に、第1バスB1の抽出手段53bは、ゲーム音声出力手段53aが出力したデータ(以下、元データという)から、高域の音(以下、高域音声データ)を抽出する。同様に、第2バスB2の抽出手段53bは、元データから中域の音(以下、中域音声データ)を抽出する。また、第3バスB3の抽出手段53bは、元データから低域の音(以下、低域音声データ)を抽出する。
【0031】
この実施形態では、中域は、500KHzから1000KHzの帯域である。また、低域は、中域よりも低い周波数帯域であり、高域は、中域よりも高い周波数帯域である。
【0032】
各抽出手段53bは、抽出した音声データに対して、いわゆるイコライザ処理を行う。このゲームソフトの下では、各抽出手段53bは、イコライザ処理を施した音声データを、グラフィック処理部52に出力する。グラフィック処理部52における、高域、中域、および低域の各音声データの利用については後述する。
【0033】
なお、ゲーム音声出力手段53aでは、残りの1つのバス(第4バスB4という)からは、元データがそのまま、ゲーム音声再生部53cに出力される。ゲーム音声再生部53cは、受け取った元データを、アナログ信号に変換したのちにスピーカ62に出力する。これにより、スピーカ62からは、ゲーム音声が出力(再生)される。
【0034】
〈グラフィック処理部の詳細〉
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報から、ディスプレイ61に表示するデータを生成する。このゲームプログラムの下では、プレイヤキャラクタや敵キャラクタ等に加え、ユーザがゲームを行ったことで得られた成果(この成果を「ランク」と命名する)が、ゲーム画像情報として制御部56で生成される。
【0035】
この実施形態では、ランクは、ユーザがゲーム中にプレイヤキャラクタをいかに動作させたかで決定される。例えば、プレイヤキャラクタが敵キャラクタを攻撃して倒していく対戦型のアクションゲームの場合には、ランクは、その攻撃動作や防御動作がどのくらい格好良く行われているかを評価したものである。どのような攻撃動作や防御動作に対して高い評価(乃至は低い評価)を与えるかは、ゲームプログラム開発者の任意である。
【0036】
この実施形態では、ディスプレイ61に表示されるランクは、格好良さが7つのランクのいずれのレベルにあるかを所定の文字で表記したメッセージが用いられる。この実施形態では、「D」、「C」、「B」、「A」、「S」、「SS」、「SSS」の順にランクが高くなる。各ランクに対してディスプレイ61に表示されるメッセージ(以下、ランクメッセージRという)は、「D」、「C」、「B」、「A」、「S」、「SS」、「SSS」である。図3に、ランクメッセージRとしてディスプレイ61に「A」を表示した例を示す。
【0037】
そして、グラフィック処理部52は、ディスプレイ61に表示する映像(動的な画像)に、エフェクトを付加する。ここでいう「エフェクト」は、映像に付加されるCG上の演出を意味する。なお、以下では、エフェクトを実施することを「エフェクト表現」と呼ぶ。すなわち、このゲームプログラムでは、「エフェクト表現」は、ゲーム装置5(詳しくはグラフィック処理部52)を動作させてエフェクトに関する映像を表示装置(ここではディスプレイ61)に表示させることが、これに相当する。
【0038】
本実施形態では、グラフィック処理部52によって付加されるエフェクトは、動的な画像で実現される。このゲームプログラムの下では、グラフィック処理部52は、2種類の動的なエフェクト表現を実施することができる。
【0039】
一つめのエフェクト表現は、動的な波紋状の飾り(閉曲線で表現された波紋状の映像)を付加するエフェクト(波紋エフェクトと命名する)を用いたエフェクト表現である。ここでは、このエフェクト表現を波紋エフェクト表現E1と命名する。図3に示すように、波紋エフェクト表現E1は、ランクメッセージRの周囲に施されている。
【0040】
また、2つめのエフェクト表現は、画面上の画像の一部を動的に歪ませるエフェクト(歪みエフェクトと命名する)を用いたエフェクト表現である。ここでは、このエフェクト表現を歪みエフェクト表現と命名する。この例では、歪みエフェクト表現も、ランクメッセージRの周囲に施される。なお、図3では、歪みエフェクトは、作図の都合で表現していない(別図に記載する)。
【0041】
これらのエフェクト表現E1,E2を、何れのタイミングで、画面上の何れの場所に適用するかは、制御部56からグラフィック処理部52への指示によって(すなわちゲームプログラムによって)定められる。グラフィック処理部52は、何れのエフェクト表現E1,E2を行う場合も、エフェクトに係る映像の動き方を、ゲーム音声に基づいて変化させる。具体的に、グラフィック処理部52は、波紋エフェクトや歪みエフェクトを次のようにして画面に適用する。
【0042】
−波紋エフェクト表現−
図4に、波紋エフェクトが施された映像の生成の概念を示す。図4は、ディスプレイ61の画面から波紋エフェクト表現E1が施された部分を抜き出したものである。図4に示すように、波紋エフェクト表現E1は、その表示領域を3つの領域H,M,Lに分割し、各領域H,M,Lの波紋がなめらかに繋がるように、領域毎に表示データ(波紋)が生成されている。なお、図4では、時間がt=t1,t2,t3と変化するにしたがって、波紋の形状が変化する様子が見て取れる。
【0043】
この例では、波紋エフェクト表現E1に係る3つの領域H,M,Lは、等分されている(すなわち120度間隔で分割されている)。図4における領域Hの波紋は、ゲーム音声に含まれる高域の音に基づいて生成される。すなわち、領域Hの波紋は、第1バスB1の抽出手段53bからグラフィック処理部52へ入力された高域音声データを用いて生成される。
【0044】
領域Hの波紋の生成を実現するため、グラフィック処理部52には、第1表示パラメータ生成手段52aが設けられている。第1表示パラメータ生成手段52aは、高域音声データのボリューム値(音量パラメータ)に基づいて波紋上の所定の一点Pの広がり度合い(図4に示す中心Oからの距離d)を定めるパラメータ(以下、表示パラメータ)を求める。
【0045】
更に、グラフィック処理部52には、第2表示パラメータ生成手段52b、および第3表示パラメータ生成手段52cが設けられている。第2表示パラメータ生成手段52bは、領域Mに表示する波紋用の表示パラメータを、中域音声データを利用して生成する。第3表示パラメータ生成手段52cは、領域Lに表示する波紋用の表示パラメータを、低域音声データを利用して生成する。
【0046】
そして、グラフィック処理部52では、各表示パラメータ生成手段52a,52b,52cで生成されたパラメータを用いて波紋上の所定の一点を定めるとともに、他の点を、ランダムデータを用いて生成する。なお、グラフィック処理部52がランダムに生成する点の数は、波紋がなめらかに見える程度の数とする。また、グラフィック処理部52は、各領域H,M,Lの波紋がなめらかに繋がるように、各領域H,M,Lの境界付近の波紋の広がり度合いを調整する。
【0047】
以上のようにグラフィック処理部52が機能すると、中心Oの回り1周分の波紋の表示データが生成される。このゲームプログラムの下では、グラフィック処理部52は、前記波紋を多重にして表示している。図3の例では、2重の波紋が表示されている。2つめ以降の波紋は、例えば、最初に生成した波紋の各点に、ランダムに生成したオフセットを設けることで生成できる。
【0048】
−歪みエフェクト表現−
歪みエフェクト表現E2も、グラフィック処理部52に入力されたゲーム音声のデータを利用して施される。図5は、ディスプレイ61の画面から、歪みエフェクトが施された部分を抜き出したものである。図5の例では、直交する複数のグリッド線が表示された部分に、歪みエフェクトが施されている。歪みエフェクトは、画面の一部が円環状に盛り上がって見えるように映像を加工するものである。
【0049】
この実施形態では、歪みエフェクト表現E2は、低域音声データのみを用いて実施される。より具体的には、低域音声データのボリューム値(ここでは第3表示パラメータ生成手段52cが生成したパラメータ)に基づいて、歪みを生ずる位置(すなわち、前記円環状の盛り上がり部分の直径)を定めている。ここでは、グラフィック処理部52は、低域音声データのボリューム値が大きいほど、円環の直径が大きくなるように表示データを生成している。
【0050】
このように、歪みエフェクト表現E2用の表示データは、低域音声データに基づいて生成されるので、ゲーム音声がBGMであれば、歪みエフェクト表現E2は、例えば、BGM中に含まれるドラムの音の影響を大きくうける。つまり、この歪みエフェクト表現E2は、BGMのリズムやテンポにリンクして変化することになる。
【0051】
このようにして、グラフィック処理部52では、波紋エフェクト表現E1、および歪みエフェクト表現E2にかかる表示データが生成される。そうすると、それらの表示データは、グラフィック処理部52によって、他の表示データ(例えばランクメッセージRやプレイヤキャラクタ)と合成されて、ディスプレイ61に表示される。
【0052】
以上のように、このゲームプログラムの下では、波紋エフェクト表現E1および歪みエフェクト表現E2は、BGM等のゲーム音声に基づいて実施される。そのため、これらのエフェクト表現E1,E2に係る映像は、ゲーム音声の変化に応じて動的に変化することになる。例えば、流れている曲のどの部分(小節)かによって、あるいは、何れの曲が流れるかによって、エフェクト表現E1,E2として表示されている映像(波紋や歪み)の動き方が変化する。すなわち、本実施形態では、ゲーム装置5において多様なエフェクト表現が実施されるのである。
【0053】
以上をまとめると、本件発明は、コンピュータ(ゲーム装置5)を、表示装置(ディスプレイ61)に表示する映像に動的なエフェクトを施す際に、ゲーム音声に基づいて前記エフェクトの動き方を変化させる表示処理手段(グラフィック処理部52)と、して機能させることを特徴とするゲームプログラムである。
【0054】
〈本実施形態の効果〉
以上のように、本実施形態によれば、多様なエフェクトを施すことが可能なゲームプログラムおよびゲーム装置を提供できる。
【0055】
[その他の実施形態]
なお、波紋エフェクト表現E1における領域H,M,Lは、同じ大きさである必要はないし、分割数も例示した3分割には限定されない。例えば、2分割の領域としてもよいし、4分割以上としてもよい。
【0056】
また、領域H,M,Lに対応するゲーム音声の音域は例示であり、前記実施形態の例には限定されない。例えば、波紋エフェクト表現E1の実施に際して、低域音声データを用いずに、高域音声データまたは中域音声データを更に区分して3つの領域とするなど、種々の組み合わせが可能である。勿論、音域を区分する境界として挙げた周波数も例示であり、他の周波数で区切ってもよい。
【0057】
また、波紋エフェクト表現E1では、波紋の幅(線の太さ)を動的に変化させてもよい。具体的には、例えば、ゲーム音声の音量やテンポに合わせて、波紋の幅を変化させることが考えられる。
【0058】
また、歪みエフェクト表現E2では、歪みの大きさを変化させてもよい。
【0059】
また、波紋エフェクト表現E1の表示データや歪みエフェクト表現E2の表示データの作成には、ボリューム値(音量)に代えて、ゲーム音声のテンポを用いてもよい。
【0060】
また、エフェクト表現における「エフェクトの動き方」には、色を動的に変化させるものも含まれる。すなわち、波紋エフェクト表現E1や歪みエフェクト表現E2では、音声データに応じてエフェクト表現に用いる色を変化させてもよい。
【0061】
また、ゲームプログラムには、波紋エフェクト表現E1および歪みエフェクト表現E2の何れか一方のみを実装してもよい。
【0062】
また、波紋エフェクト表現E1や歪みエフェクト表現E2を施す対象は、ランクメッセージRには限定されない。その他に、例えば、ゲームの終了時に表示されるエンドロールに前記エフェクト表現E1,E2を施してもよい。
【0063】
また、ゲームプログラムは、ゲームの状況に応じて、何れかのエフェクト表現E1,E2、あるいは両方のエフェクト表現E1,E2を休止させるように構成してもよい。このような状況としては、例えば、ランク、ゲーム音声の音量、テンポ、ゲームのストーリーの進捗状況等が挙げられる。
【0064】
また、ユーザの操作を評価した結果(ランク)に応じてゲーム音声を変化させるようにしてもよい。そうすることで、間接的にエフェクトを動的に変化させることができる。
【0065】
また、ゲームプログラムは、いわゆるオンラインゲーム用のゲームプログラムとして実装してもよい。ゲームプログラムがオンラインゲーム用である場合には、グラフィック処理部52やオーディオ処理部53における処理は、サーバ側で行ってもよいし、サーバ側とクライアント(ゲーム装置5)側とで分担してもよい。
【符号の説明】
【0066】
5 ゲーム装置
52 グラフィック処理部(表示処理手段)
53 オーディオ処理部
55 記憶部
61 ディスプレイ(表示装置)
図1
図2
図3
図4
図5