【実施例】
【0044】
パート1:重合性組成物の調製
実施例(表1)および比較例(表2)のそれぞれについて、500mlの五ツ口フラスコに、オーバーヘッド型機械式混合機、熱電対プローブ、および電動式シリンジ型ポンプのための入口を取り付けた。各例は、約250gの全反応混合物にスケール調整した。表1および表2に挙げた量は、各成分(具体的には、クロロホルメートおよびヒドロキシル)の反応当量に対するものである。
【0045】
冷却浴は、大きなプラスチック皿内で約1部の塩化ナトリウム、2部の水および4部の氷塊を混合して調製した。浴温を−15〜−17℃の間に維持するために、ドライアイスを一定期間ごとに添加した。
【0046】
ジエチレングリコール(ビス)クロロホルメート、および実施例6において、エチレングリコール(ビス)クロロホルメートを反応フラスコに添加した。以下の例について、合計0.835当量の反応性クロロホルメートを添加した。
【0047】
表1および表2に従って、各実施例および比較例について、指定された相対的ヒドロキシ当量のアリルアルコール、ポリオール(単数または複数)および/または環状ポリオールを、11.5g CR−39(登録商標)モノマー(PPG Industries,Inc.から入手可能)を含む反応フラスコに添加した。反応フラスコに添加する前に、どの固体ポリオールも、最初に、アリルアルコールに予め溶解させた。
【0048】
反応成分を、反応フラスコ中で一緒に十分に混合し、氷/塩水浴で約−2℃の初期温度まで冷却した。
【0049】
反応混合物の激しい混合を確立させ、クロロホルメートに対して30%過剰の50%水酸化ナトリウム水溶液を、反応温度を10〜15℃の間に保持する速度で、一般に25〜40分間にわたって、シリンジ型ポンプにより添加した。添加が完了した後、混合を10〜15℃で約5分間続行し、続いて、反応器の側部を少量の水で濯いだ。混合をさらに5分間続行し、その後、混合物を分離フラスコに移し、それに、100〜135mlの水を添加して塩副生成物を除去した。次いで、混合物を約3分間かき混ぜ、有機相と水相を分離させた。クロロホルメート試験紙(クロロホルメート試験紙、パート#1−200−250、DOD Technologies,Inc.から市販されている)を使用して、有機層のクロロホルメート試験を実施した。クロロホルメートの存在が示されたら、混合物をさらに3〜10分間撹拌した。相を分離させ、次いで水相を除去した。有機相をクロロホルメートについて再度試験し;存在した場合、追加的な少量の50%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、続いて3分間かき混ぜた。必要な場合、クロロホルメートが消費されるまでこの工程を繰り返した。
【0050】
次いで、有機生成物を約100ミリリットルの水で洗浄した。洗浄水のpHが8未満になるまで、水での洗浄工程を繰り返した。
【0051】
残留する水および他の揮発性物質を、1トールの圧力での真空蒸留により除去し、その間、温度は室温から約135℃へ徐々に上昇させた。蒸留を、135℃、1トールで25〜30分間維持した。
【0052】
得られた組成物を、パート2の手順に従って成形させた。
【表1】
【表2】
パート2:一般的成形手順
【0053】
各例について、20.0gのパート1において作製されたモノマー、および1.0gのTRIGONOX(登録商標)ADC−NS60ペルオキシド開始剤(ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)中のペルオキシジカーボネートの60%混合物、Akzo Nobel Polymer Chemicals LLCから入手可能)を小さいプラスチック瓶に入れ、マグネチックスタ−ラーで約15分間、十分に混合した。得られた溶液を、それぞれ、3.4mm厚さ、74mm直径のPVCガスケットによって分離され一緒に固定されている2つの平板ディスク状の強化ガラス製鋳型(直径約80mm)を有する鋳型アセンブリー中に充填した。この鋳型アセンブリーをプログラム制御可能なオーブンに入れ、それぞれの試料を、表3およびチャート1に記載した硬化サイクルを用いて重合させた。
【表3】
【化5】
【0054】
得られた平板ディスク状の硬化させたポリマー片を鋳型アセンブリーから取り出し、80℃で30分間アニーリングした。特性を、以下に記載の試験方法に従って測定した。
パート3.特性の決定
【0055】
以下の特性を測定した。表4に表にする。
3A.重合収縮
【0056】
重合収縮の量を、どちらも25℃で測定したモノマー密度とポリマー密度を使用して、以下に示す式1:
%収縮=[(ポリマー密度−モノマー密度)/ポリマー密度]×100% [式1]
に従って計算した。
3B.フィッシャー微小硬度(FMH)
【0057】
フィッシャー微小硬度を、FISCHERSCOPE(登録商標)H−100SMC(Fischer Technology,Inc.から入手可能)を使用して、ISO 14577−07に従った試験によって決定した。重合物のフィッシャー微小硬度(±3ニュートン/mm
2)を、15秒間での0〜300mNの荷重負荷に続く、300ミリニュートン(mN)の荷重で測定した。結果は、5回の測定値の算術平均である。より高いフィッシャー微小硬度は、一般に、切削、研削(grinding)および研磨操作の間などの光学レンズの改善された加工にとって望ましい。
DMA分析(E’)
【0058】
DMA分析を、Perkin Elmer Diamond DMAを使用して、ASTM D5023「プラスチックのための標準試験方法:動的機械特性:たわみ(In Flexure)(3点曲げ)(Standard Test Method for Plastics: Dynamic Mechanical Properties: In Flexure (Three-Point Bending))」に従って実施した。75℃で測定した貯蔵弾性率(storage modulus)を「75℃でのDMA E’」として報告した。一般に、より高い貯蔵弾性率(E’)は、高温での光学材料の加工の間の変形(distortion)に対する抵抗性の改善のために望ましい。
屈折率
【0059】
屈折率(n
e)を、Metriconモデル2010M Prism Coupler(Metricon Corp.から入手可能)を使用して、ASTM C1648−06に従って、20℃、546nm(水銀e線)で測定した。
【表4】
【0060】
上記結果は、非環式脂肪族ポリオールはわずかに低減した収縮率をもたらし得るが、これは、より柔らかいフィルムがそれに付随することが多く、いくつかの場合、ずっと低い貯蔵弾性率をもたらし得ることを実証している。環状ポリオールの使用は収縮を改善するだけでなく、これは、硬度または弾性率を損なうことなしに遂行される。
【0061】
本発明を、以下の番号付きの項(clause)でさらに特徴付けることができる:
【0062】
項1。
(a)ジエチレングリコールビスクロロホルメート;(b)アリルアルコール;(c)少なくとも1つの第二級ヒドロキシル基を有する脂環式ポリオール、第一級および/または第二級ヒドロキシル基を有する複素環式ポリオールならびにその混合物からなる群から選択される環状ポリオール;(d)任意選択の、エチレングリコールビスクロロホルメート;および(e)任意選択の、2〜6つのヒドロキシル基を有する少なくとも1つの直鎖状または分枝状脂肪族ポリオールの反応生成物を含む重合性組成物。
【0063】
項2。
脂肪族ポリオール(e)が存在し、かつ2〜6つのヒドロキシル基を有するC
2〜C
12ポリオールを含む、項1の重合性組成物。
【0064】
項3。
脂肪族ポリオール(e)が存在し、かつエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、エリトリトール、メソ−エリトリトール、キシリトール、ソルビトール、そのエトキシレート、そのプロポキシレート、および上記のいずれかの混合物からなる群から選択される、項1の重合性組成物。
【0065】
項4。
複素環式ポリオール(c)が、イソヘキシド、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートおよびその混合物からなる群から選択される、項1〜3のいずれかの重合性組成物。
【0066】
項5。
複素環式ポリオール(c)が、イソソルビド、イソイジドおよびイソマンニドからなる群から選択されるイソヘキシドである、項1〜4のいずれかの重合性組成物。
【0067】
項6。
ヒドロキシルの総当量とクロロホルメートの総当量の当量比が1〜1.5:1である、項1〜5のいずれかの重合性組成物。
【0068】
項7。
トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリス(アリルカーボネート)、トリメチロールプロパントリス(アリルカーボネート)、ペンタエリトリトールテトラ(アリルカーボネート)、グリセロールトリス(アリルカーボネート)、ジトリメチロールプロパンテトラ(アリルカーボネート)、ジアリルイタコネート、ジペンタエリトリトールヘキサ(アリルカーボネート)およびその混合物からなる群から選択される追加の成分をさらに含む、項1〜6のいずれかの重合性組成物。
【0069】
項8。
反応生成物が:
(a)式I
【化6】
(式中、Aは、少なくとも1つの環状ポリオールからの残基を表し、
m’は1または2に等しく、
qは、少なくとも1つの環状ポリオール上のヒドロキシル基の数に等しい);および
(b)式IIの少なくとも1つ
【化7】
(式中、tは0または1に等しい)
で表される少なくとも1つの化合物を含む、項1〜7のいずれかの重合性組成物。
【0070】
項9。
反応生成物が:
(a)式I’
【化8】
(式中、mおよびnはそれぞれ独立に1または2である);および
(b)式IIの少なくとも1つ
【化9】
(式中、tは0または1に等しい)
で表される少なくとも1つの化合物を含む、項1〜8のいずれかの重合性組成物。
【0071】
項10。
反応生成物が:
(a)式I
【化10】
(式中、Aは、少なくとも1つの環状ポリオールからの残基を表し、
m’は1または2に等しく、
qは、少なくとも1つの環状ポリオール上のヒドロキシル基の数に等しい);および
(b)式II’
【化11】
(式中、Bは、少なくとも1つの直鎖状または分枝状脂肪族ポリオールからの残基を表し、
m’は1または2に等しく、
sは、少なくとも1つの直鎖状または分枝状脂肪族ポリオール上のヒドロキシル基の数に等しい);および
(c)式IIの少なくとも1つ
【化12】
(式中、tは0または1に等しい)
で表される少なくとも1つの化合物を含む、項1〜7のいずれかの重合性組成物。
【0072】
項11。
反応生成物が:
(a)式I’
【化13】
(式中、mおよびnはそれぞれ独立に1または2である);および
(b)式II’
【化14】
(式中、Bは、少なくとも1つの直鎖状または分枝状脂肪族ポリオールの残基を表し、
m’は1または2に等しく、
sは、少なくとも1つの直鎖状または分枝状脂肪族ポリオール上のヒドロキシル基の数に等しい);および
(c)式IIの少なくとも1つ
【化15】
(式中、tは0または1に等しい)
で表される少なくとも1つの化合物を含む、項1〜7および10のいずれかの重合性組成物。
【0073】
項12。
(a)アリルアルコール;(b)少なくとも1つの第二級ヒドロキシル基を有する脂環式ポリオール、第一級および/または第二級ヒドロキシル基を有する複素環式ポリオールならびにその混合物からなる群から選択される環状ポリオール;(c)エチレングリコールビスクロロホルメート;および(d)任意選択の、2〜6つのヒドロキシル基を有する少なくとも1つの直鎖状または分枝状脂肪族ポリオールの反応生成物を含む重合性組成物。
【0074】
項13。
脂肪族ポリオール(d)が存在し、かつ2〜6つのヒドロキシル基を有するC
2〜C
12ポリオールを含む、項12の重合性組成物。
【0075】
項14。
脂肪族ポリオール(d)が存在し、かつエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、エリトリトール、メソ−エリトリトール、キシリトール、ソルビトール、そのエトキシレート、そのプロポキシレート、および上記のいずれかの混合物からなる群から選択される、項12の重合性組成物。
【0076】
項15。
複素環式ポリオール(b)が、イソヘキシド、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートおよびその混合物からなる群から選択される、項12〜14のいずれかの重合性組成物。
【0077】
項16。
複素環式ポリオール(b)が、イソソルビド、イソイジドおよびイソマンニドからなる群から選択されるイソヘキシドである、項15の重合性組成物。
【0078】
項17。
ヒドロキシルの総当量とクロロホルメートの総当量の当量比が1〜1.5:1である、項12〜16のいずれかの重合性組成物。
【0079】
項18。
トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリス(アリルカーボネート)、トリメチロールプロパントリス(アリルカーボネート)、ペンタエリトリトールテトラ(アリルカーボネート)、グリセロールトリス(アリルカーボネート)、ジトリメチロールプロパンテトラ(アリルカーボネート)、ジアリルイタコネート、ジペンタエリトリトールヘキサ(アリルカーボネート)およびその混合物からなる群から選択される追加の成分をさらに含む、項12〜17のいずれかの重合性組成物。
【0080】
項19。
反応生成物が:
(a)式I
【化16】
(式中、Aは、少なくとも1つの環状ポリオールからの残基を表し、
m’は1または2に等しく、
qは、少なくとも1つの環状ポリオール上のヒドロキシル基の数に等しい);および
(b)式IIの少なくとも1つ
【化17】
(式中、tは0または1に等しい)
で表される少なくとも1つの化合物を含む、項12および15〜18のいずれかの重合性組成物。
【0081】
項20。
反応生成物が:
(a)式I’
【化18】
(式中、mおよびnはそれぞれ独立に1または2である);および
(b)式IIの少なくとも1つ
【化19】
(式中、tは0または1に等しい)
で表される少なくとも1つの化合物を含む、項12および15〜19のいずれかの重合性組成物。
【0082】
項21。
反応生成物が:
(a)式I
【化20】
(式中、Aは、少なくとも1つの環状ポリオールからの残基を表し、
m’は1または2に等しく、
qは、少なくとも1つの環状ポリオール上のヒドロキシル基の数に等しい);および
(b)式II’
【化21】
(式中、Bは、少なくとも1つの直鎖状または分枝状脂肪族ポリオールからの残基を表し、
m’は1または2に等しく、
sは、少なくとも1つの直鎖状または分枝状脂肪族ポリオール上のヒドロキシル基の数に等しい);および
(c)式IIの少なくとも1つ
【化22】
(式中、tは0または1に等しい)
で表される少なくとも1つの化合物を含む、項12〜18のいずれかの重合性組成物。
【0083】
項22。
反応生成物が:
(a)式I’
【化23】
(式中、mおよびnはそれぞれ独立に1または2である);および
(b)式II’
【化24】
(式中、Bは、少なくとも1つの直鎖状または分枝状脂肪族ポリオールの残基を表し、
m’は1または2に等しく、
sは、少なくとも1つの直鎖状または分枝状脂肪族ポリオール上のヒドロキシル基の数に等しい);および
(c)式IIの少なくとも1つ
【化25】
(式中、tは0または1に等しい)
で表される少なくとも1つの化合物を含む、項12〜18および21のいずれかの重合性組成物。
【0084】
項23。
項1〜11のいずれかの重合性組成物を含む重合物。
【0085】
項24。
項12〜23のいずれかの重合性組成物を含む重合物。
【0086】
項25。
項1〜11のいずれかの重合性組成物を含む光学物品。
【0087】
項26。
項12〜23のいずれかの重合性組成物を含む光学物品。
【0088】
項27。
式I
【化26】
(式中、Aは少なくとも1つの環状ポリオールからの残基を表し、
m’は1または2に等しく、
qは、少なくとも1つの環状ポリオール上のヒドロキシル基の数に等しい)
で表されるラジカル重合性モノマーを含む重合性組成物。
【0089】
当業者は、上記説明において開示した概念から逸脱することなく、本発明に変更を加えることができることを容易に理解する。したがって、本明細書で詳細に説明した特定の実施形態は、例示に過ぎず、添付の特許請求の範囲およびありとあらゆるその均等物が与えられることになる本発明の範囲を限定するものではない。