特許第6674562号(P6674562)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6674562スクラップ金属、特にアルミニウムスクラップの合金に依存した分別のための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6674562
(24)【登録日】2020年3月10日
(45)【発行日】2020年4月1日
(54)【発明の名称】スクラップ金属、特にアルミニウムスクラップの合金に依存した分別のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/342 20060101AFI20200323BHJP
   G01N 23/223 20060101ALI20200323BHJP
   G01N 21/73 20060101ALI20200323BHJP
   G01J 3/443 20060101ALI20200323BHJP
【FI】
   B07C5/342
   G01N23/223
   G01N21/73
   G01J3/443
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-559263(P2018-559263)
(86)(22)【出願日】2017年5月10日
(65)【公表番号】特表2019-520968(P2019-520968A)
(43)【公表日】2019年7月25日
(86)【国際出願番号】EP2017061149
(87)【国際公開番号】WO2017194585
(87)【国際公開日】20171116
【審査請求日】2019年1月9日
(31)【優先権主張番号】102016108745.9
(32)【優先日】2016年5月11日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513100910
【氏名又は名称】ハイドロ アルミニウム ロールド プロダクツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Hydro Aluminium Rolled Products GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】ロナルト ギルナー
(72)【発明者】
【氏名】ニルス ロベルト バウアーシュラーグ
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0016353(US,A1)
【文献】 特開2010−172799(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 5/342
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクラップ金属、特にアルミニウムスクラップの合金に依存した分別のための方法であって、
− 組成分析がスクラップ片(6)上で行われ、前記スクラップ片(6)の表面領域における局所組成についての表面組成情報(50)が前記スクラップ片(6)上の測定によって決定され、
− バルク中の前記スクラップ片(6)の組成に関連するバルク組成情報(66)が、測定によって決定された前記表面組成情報(50)および所定の割り当てルール(64)に応じて前記スクラップ片(6)へ割り当てられる、
方法。
【請求項2】
− ある数量のスクラップ片(6)が提供され、
− 組成分析が前記数量のスクラップ片からの複数のスクラップ片(6)上でそれぞれ実行されて、前記それぞれのスクラップ片(6)の表面領域における局所組成についての表面組成情報(50)が前記それぞれのスクラップ片(6)上の測定を用いて決定され、
− 前記バルク中の前記それぞれのスクラップ片(6)の前記組成に関連するバルク組成情報(66)が、測定によって決定された前記表面組成情報(50)および所定の割り当てルール(64)に応じて前記それぞれのスクラップ片(6)へ割り当てられる、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スクラップ片(6)は、前記関連するバルク組成情報(66)に応じて分別されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
関連するバルク組成情報(66)が、測定によって決定された前記表面組成情報(50)および所定の割り当てルール(64)に応じて前記スクラップ片(6)へ割り当てられ、バルク組成情報(66)は、測定によって決定された前記表面組成情報(50)および前記所定の割り当てルール(64)に応じて複数の所定のバルク組成情報(70a〜b)から選択されることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
1つの所定の表面組成情報(68a〜b)が前記1つの所定のバルク組成情報(70a〜b)へそれぞれ割り当てられ、前記複数の所定のバルク組成情報(70a〜b)からの前記1つのバルク組成情報(66)の選択は、前記測定された表面組成情報(50)と前記所定の表面組成情報(68a〜b)との比較によって生じることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記組成分析において、前記スクラップ片(6)の表面領域における前記局所組成についての表面組成情報(50)が決定され、前記表面領域は、前記スクラップ片(6)の表面から既知の深さへ、特に2〜10μmの範囲内の深さへ延びることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記組成分析は、分光分析、特にレーザ誘起プラズマ分光法(LIBS)または蛍光X線分析(XRF)を備えることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
測定によって決定される前記表面組成情報(50)は、前記スクラップ片の少なくとも2つの合金成分の含有量の値を備えることを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記スクラップ片(6)は、組成分析が前記スクラップ片(6)上で行われる前に分離されることを特徴とする、請求項2〜8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
金属スクラップ、特にアルミニウムスクラップの分別のための装置(2)であって、好ましくは、請求項1〜9の何れか一項に記載の方法を、
− ある数量のスクラップ片を搬送するように構成されたコンベヤ(4)と、
− 前記コンベヤ(4)上で搬送されるスクラップ片(6)の組成分析を行うように構成された分析デバイス(8)であって、スクラップ片(6)の組成分析は、前記スクラップ片(6)の表面領域における局所組成についての表面組成情報(50)の測定を用いた決定を備える、前記分析デバイス(8)と、
− 制御デバイス(12)であって、バルク中の前記スクラップ片(6)の組成に関連するバルク組成情報(66)を、測定によって決定された前記表面組成情報(50)および所定の割り当てルール(64)に応じて、前記分析デバイス(8)によって分析された前記スクラップ片(6)へそれぞれ割り当てるように構成された、前記制御デバイス(12)と、
を用いて実行するための装置(2)。
【請求項11】
前記分析デバイス(8)は、分光分析器(10)、特に、レーザ誘起プラズマ分光法(LIBS)または蛍光X線分析(XRF)のための分析デバイスを備えることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
スクラップ片(6)をそれらが前記分析デバイス(8)へ供給される前に分離するように構成された分離デバイスをさらに備える、請求項10または11に記載の装置。
【請求項13】
前記制御デバイス(12)によってスクラップ片(6)へそれぞれ割り当てられた、前記バルク組成情報(66)に応じて前記スクラップ片(6)を分別するように構成された分別デバイス(20)をさらに備える、請求項10〜12の何れか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記コンベヤ(4)上で搬送されるスクラップ片(6)の位置を検出するように構成された検出デバイス(28)をさらに備え、前記制御デバイスは、前記分析デバイス(8)および/または前記分別デバイス(20)をスクラップ片(6)の検出位置に応じて制御するように構成された、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記制御デバイス(12)は、請求項1〜9の何れか一項に記載の方法の実施を制御するように構成されることを特徴とする、請求項10〜14の何れか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクラップ金属、特にアルミニウムスクラップの合金に依存した分別のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術においては、アルミニウムの分別またはリサイクルは、いくつかの方法ステップを通して生じる。これらは、通常、様々なアルミニウムスクラップの収集、スクラップの機械的処理およびスクラップのその後の冶金的利用を含む。
【0003】
資源効率的なリサイクルのためには、スクラップの機械的処理が、冶金的利用方法の質的要件を満たすアルミニウムスクラップ製品を生成すべきである。このために、先行技術では種々の処理ステップが実行されるが、しかし、これらのステップは、スクラップの等級または合金組成による限られた分別を許容するに過ぎない。
【0004】
機械的処理は、通常、スクラップの一段階または多段階の破砕、それに続く様々な分別ステップによって実行される。分別ステップは、例えば、磁気分離器、空気分離、渦電流分離、例えばX線透過または蛍光、誘導、レーザ誘起プラズマ分光法(LIBS)(独:laserinduzierte Plasmaspektroskopie,英:laser-induced breakdown spectroscopy)もしくは近赤外分析(NIR)によるセンサベースの分別を用いた、鉄および非鉄金属の分離をもたらす。これらの分別ステップの手順の組み合わせは、スクラップの異なるアルミニウム等級への、すなわち、特にそれらの合金組成に応じた分別を許容する。
【0005】
様々なアルミニウム合金を合金固有に分別するためには、個々のスクラップ片の1つ以上の合金元素が決定されなければならない。このために、通常はレーザ誘起プラズマ分光法(LIBS)または蛍光X線(XRF)のためのシステムが用いられる。これらのシステムを用いて生成された分析結果が所与の合金組成と比較されて、それぞれのスクラップ片が適切な合金組成へ割り当てられる。例えば、スクラップ片の分析の間に5%のMg含有量が決定されるならば、このスクラップ片がMg5合金へ割り当てられる。
【0006】
しかしながら、スクラップ片の分析にも係わらず、アルミニウムスクラップの程々に良好な合金固有の分別しか達成できないことがわかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような背景に対して、本発明の目的は、スクラップのより良好な分別を許容する、金属スクラップ、特にアルミニウムスクラップを分別するための方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、金属スクラップ、特にアルミニウムスクラップの合金に依存した分別のための方法であって、組成分析がスクラップ片上で行われて、スクラップ片の表面領域における局所組成についての表面組成情報がスクラップ片上の測定によって決定され、バルク中のスクラップ片の組成に関連するバルク組成情報が測定によって決定された表面組成情報および所定の割り当てルールに応じてスクラップ片へ割り当てられる方法によって、少なくとも部分的に、達成される。
【0009】
本方法においては、組成分析がスクラップ片上で行われ、スクラップ片の表面領域の局所組成についての表面組成情報がスクラップ片上の測定によって決定される。
【0010】
表面組成情報は、特に、合金元素、例えば、Mg、Mn、SiまたはFeの群のうちの1つ以上の合金元素の含有量に関する値および/または値の範囲を含む。
【0011】
表面組成情報は、スクラップ片の表面領域における局所組成についての情報を備える。本ケースでは、スクラップ片の表面領域は、スクラップ片の表面近くの体積であると理解される。表面に敏感な測定方法、例えば、LIBSまたはXRFは、限られた分析深さを有し、それゆえに、スクラップ片の表面と分析深さとの間の表面近くの体積においてのみ材料の組成を分析する。表面組成情報は、このように、かかる表面に敏感な測定方法を用いて測定されてよい組成情報にのみ対応する。
【0012】
先行技術においては、スクラップ片を所定の合金組成と比較してこれらの合金組成のうちの1つと関連付けるために、かかる分析方法によって、例えば、LIBSまたはXRFによって決定された組成情報が用いられる。
【0013】
しかしながら、本発明の範囲内で認識されたのは、用いられる分析方法がスクラップ片の実際の全体組成からずれるかもしれない分析結果を提供するので、この手順は、誤解につながりかねないということである。
【0014】
実際に、スクラップ片の材料中における偏析および拡散効果に起因して、表面近くの組成は、いくつかのケースではバルク中のスクラップ片全体の実際の組成とは部分的に著しく異なりかねない。特に、偏析および拡散効果は、スクラップ片の表面上での個々の合金元素の元素固有の濃縮につながる。さらに悪いことには、偏析および拡散効果は、個々の元素に対して著しく異なる。
【0015】
例えば、Mg含有量がバルク中で0.5重量%である低合金化アルミニウム合金では、表面近くのMg濃縮が発生し、従って、表面におけるMg含有量は、バルク中における実際のMg含有量より10倍高い。
【0016】
スクラップ片の表面近くの組成分析は、その場合にはスクラップ片の実際の組成に一致しない結果を提供し、結果として誤解につながる。例えば、表面において測定された高いMg含有量のために、低合金化Mg0.5合金が誤って高合金化Mg5合金に割り当てられ、それに応じて不正確に分別されるであろう。
【0017】
原理的に、侵入深さは、レーザ支援による方法ではレーザ出力を増加させることによって増加しうる。しかしながら、ある侵入深さからは、LIBS分析のために十分な光が、レーザビームによって生成されたクレータからスクラップ片表面にもはや透過せず、従って、分析深さが依然として制限される。そのうえ、レーザビームによって作り出されるクレータは、深い所よりスクラップ片表面における方が通常は広い。例えば、クレータは、円錐形であってよい。結果として、材料の大部分がこの領域から蒸発するので、LIBS分析は、表面近くの信号によって支配される。
【0018】
この知識に基づいて、本明細書に記載される方法のケースでは、バルク中のスクラップ片の組成に関連するバルク組成情報が、測定を用いて決定された表面組成情報および所定の割り当てルールに応じて、分析されたスクラップ片へ割り当てられる。スクラップ片を、先行技術において先述の誤解につながる組成分析の測定結果に専ら基づいて合金へ割り当てる代わりに、測定によって決定された表面組成情報が、バルク中のスクラップ片の実際の組成を特徴づける、割り当てルールによって割り当てられたバルク組成情報に基づいてスクラップ片へ割り当てられる。
【0019】
特に、表面組成情報とこの表面組成情報に関連するバルク組成情報とは互いに少なくとも部分的に異なる。
【0020】
例えば、5%のMg含有量を示す表面組成情報が0.5%のMg含有量を有するバルク組成情報へ割り当てられてもよい。結果として、表面近くのMg含有量の増加につながる、スクラップ成分における偏析および拡散効果がこの割り当てでは考慮され、従って、スクラップ片がさらに適切に利用され、特に分別されてよい。
【0021】
このような仕方で、金属スクラップ、特にアルミニウムスクラップの分別における信頼性および効率が改善されうる。特に、元素固有の偏析および拡散効果を考慮に入れた分析結果がスクラップ片に関して達成される。
【0022】
投入されるスクラップの組成および測定される合金元素の数に依存して、個々のスクラップ片の合金固有の評価または割り当てがこのように実行されてよい。これが、次に、例えば、異なる合金のスクラップ片を互いに分離するための分別基準として用いられてよい。そのうえ、例えば、特に高いまたは特に低い含有量の特定の合金元素を有するスクラップ片を分離するために、個々の元素に対する分別基準として分析結果を用いることが可能である。
【0023】
特に、バルク組成情報は、合金元素、例えば、合金Mg、Mn、SiまたはFeの群の1つ以上の含有量の値および/または値の範囲を含む。
【0024】
上記の目的は、金属スクラップ、特にアルミニウムスクラップの分別のための装置であって、好ましくは、上記の方法を、ある数量のスクラップ片を搬送するように構成されたコンベヤと、コンベヤ上で搬送されるスクラップ片の組成分析を行うように構成された分析デバイスであって、スクラップ片の組成分析は、スクラップ片の表面領域における局所組成についての表面組成情報の測定を用いた決定を備える分析デバイスと、制御デバイスであって、バルク中のスクラップ片の組成に関連するバルク組成情報を、測定によって決定された表面組成情報および所定の割り当てルールに応じて、分析デバイスによって分析されたスクラップ片へそれぞれ割り当てるように構成された制御デバイスとを用いて実行するための装置によって、本発明に従って少なくともさらに部分的に達成される。
【0025】
装置は、ある数量のスクラップ片を搬送するように設計されたコンベヤを備える。コンベヤは、例えば、コンベヤベルトであってよい。コンベヤを用いて、スクラップ片がデバイスを通して、特に材料入口から分析デバイスへ、搬送されてよく、従って、材料入口においてコンベヤ上へ投入されたスクラップ片が分析デバイスへ搬送されて、そこで分析されてよい。
【0026】
装置は、コンベヤ上で搬送されるスクラップ片の組成分析を実行するように構成された分析デバイスをさらに備える。コンベヤデバイスが、例えば、コンベヤベルトであれば、分析デバイスは、特に、コンベヤベルト上で搬送されるスクラップ片を検査するためにコンベヤベルトの上方に配置された分析器を備えてよい。
【0027】
分析デバイスによってスクラップ片上で行うことができる組成分析方法は、スクラップ片の表面領域における局所組成についての表面組成情報を測定によって決定するステップを備える。従って、スクラップ片の全組成は、分析デバイスによって検出されないが、その表面上のスクラップ片の組成が検出される。言い換えれば、スクラップ成分の表面組成分析は、分析デバイスを用いて、好ましくは所定の分析深さで行われる。
【0028】
装置は、制御デバイスをさらに備える。特に、制御デバイスは、マイクロプロセッサおよびそれと関連するメモリを備えてよく、メモリは、マイクロプロセッサによるその実行がデータの処理および/または装置の制御につながる命令を備える。
【0029】
制御デバイスは、バルク中のスクラップ片の組成に関連するバルク組成情報を、測定によって決定された表面組成情報および所定の割り当てルールに応じて、分析デバイスによって分析されたスクラップ片へそれぞれ割り当てるように構成される。例えば、ある関数が制御デバイスのメモリに記憶されてよく、その関数は、定義されたアルゴリズムを用いることによって、表面組成情報からの合金成分の含有量の値から、バルク組成情報に対する合金組成の含有量の値を算出する。アルゴリズムは、特に、偏析および拡散効果から生じる表面区域における合金元素の増加または減少を補償するように定義される。例えば、アルゴリズムは、拡散および偏析効果に起因して表面におけるMg含有量がバルクに比例して増加する係数による、表面組成情報からのMg含有量の除算を備えてよく、それによって割り当てられることになるバルク組成情報のMg含有量を決定する。
【0030】
個々の実施形態が装置および方法の両方にそれぞれ用いられてよい、装置および方法の様々な実施形態が以下に記載される。そのうえ、個々の実施形態は、所望通りに互いに組み合わされてもよい。
【0031】
方法の第1の実施形態では、ある数量のスクラップ片が提供され、組成分析がその数量のスクラップ片からの複数のスクラップ片上でそれぞれ実行されて、それぞれのスクラップ片の表面領域における局所組成についての表面組成情報がそれぞれのスクラップ片上の測定を用いて決定され、バルク中のそれぞれのスクラップ片の組成に関連するバルク組成情報が、測定によって決定された表面組成情報および所定の割り当てルールに応じてそれぞれのスクラップ片へ割り当てられる。このような仕方で、ある数量のスクラップ片がスクラップ片の精度(すなわち、単一粒の精度)分解能で迅速かつ信頼性高く分析されてよい。特に、ある数量のスクラップがこのように信頼性高く特徴づけられてよい。例えば、その数量のスクラップの正確な組成が決定されてよい。このような仕方で決定された組成は、次に、例えば、炉装入プログラムのため、またはスクラップ送出を制御するために用いられてよい。そのうえ、割り当てられたバルク組成情報に基づいてスクラップ片が分別されてよい。
【0032】
例えば、スクラップ片がそれを経由して組成分析を行うための位置へ搬送されるコンベヤベルトを経由して、その数量のスクラップ片が提供されてもよい。好ましくは、スクラップ片は、例えば、コンベヤベルト上で逐次的に搬送されることによって個々のスクラップ片が互いに空間的に分離されるように、組成分析を行う前に分離される。これは、個々のスクラップ片の分析および個々のスクラップ片へのそれぞれのバルク組成情報の割り当てを容易にする。従って、装置は、好ましくは、スクラップ片の分析前にそれらを分離するように構成された分離デバイスを有する。
【0033】
方法のさらなる実施形態において、スクラップ片は、割り当てられたバルク組成情報に応じて分別される。ある数量のスクラップ片が提供されたときに、その数量のスクラップ片からのスクラップ片がそれぞれ割り当てられたバルク組成情報に応じて適宜に分別される。対応するデバイスの実施形態では、これは、制御デバイスによってスクラップ片へそれぞれ割り当てられた、バルク組成情報に応じてスクラップ片を分別するように構成された分別デバイスを備える。
【0034】
本方法において決定されるスクラップ片のバルク組成情報は、測定された表面組成情報よりかなり信頼性高くスクラップ片の実際のバルク組成を特徴付け、従って、スクラップ片を合金固有に分別するためにそのバルク情報が直接に用いられてよい。特に、いくつかの合金をもつスクラップ片を含んだある数量のスクラップ片がこのような仕方で分別されてよい。
【0035】
分別デバイスは、特に、スクラップ片がそれを経由して分別デバイスへ搬送される材料供給装置と、材料供給部を経由して供給されたスクラップ片をスクラップ片にそれぞれ関連するバルク組成情報に応じて割り当てる分別機と、分別されたスクラップ片がその材料排出装置を用いて分別デバイスから排出される少なくとも2つの材料排出装置のうちの1つとを有してよい。
【0036】
方法のさらなる実施形態においては、関連するバルク組成情報が、測定によって決定された表面組成情報および所定の割り当てルールに応じてスクラップ片へ割り当てられ、バルク組成情報は、測定を用いて決定された表面組成情報および所定の割り当てルールに応じて複数の所定のバルク組成情報から選択される。
【0037】
例えば、割り当てルールは、制御デバイスのメモリに記憶されてよく、その割り当てルールは、各ケースにおいて表面組成情報に対する合金領域を表面組成情報に対する複数の所定の合金領域へ関連付ける。具体的には、表面組成情報に対する合金領域と、バルク組成情報に対する合金領域との間の関連付けは、バルク組成情報に対する合金領域における合金のスクラップ片が、分析装置を用いて分析されたときに、表面組成情報にそれぞれ割り当てられた合金領域における表面組成情報を示すようにそれぞれ選択される。測定によって決定された表面組成情報に対して、次に、バルク組成情報に対する特定の所定の合金領域が選択されてよく、この合金領域が、測定によって決定された表面組成情報がその一部になる、表面組成情報に対する所定の合金領域へ割り当てられる。
【0038】
このために、測定によって決定された表面組成情報が、特に、表面組成情報に対する個々の合金領域と比較される。従って、方法の別の実施形態では、1つの所定の表面組成情報がその1つの所定のバルク組成情報へそれぞれ割り当てられ、複数の所定のバルク組成情報からのその1つのバルク組成情報の選択は、測定された表面組成情報とその1つの所定の表面組成情報との比較によって生じる。
【0039】
バルク組成情報に対して選択された合金領域が、次に、対応するスクラップ片へバルク組成情報として割り当てられてよい。
【0040】
割り当てルールまたは表面組成情報に対する合金領域、バルク組成情報に対する合金領域、および相互へのそれぞれの割り当ては、本明細書に記載される方法を行う前に、例えば、典型的なスクラップ片の層状組成分析を用いて、例としてグロー放電発光分光法(GDOES)を用いて適用されてよい。
【0041】
GDOES分析は、スクラップ片の深さに依存した組成を提供し、この組成は、偏析および拡散効果に起因してどのバルク組成がどの表面組成に現れるかの決定を許容する。この分析の結果は、関連するバルク組成情報が、測定された表面組成情報へ割り当てられることを許容する。特に、この分析の結果は、割り当てルールまたは表面組成情報に対する合金領域、およびバルク組成情報に対する合金領域、ならびに相互へのそれぞれの割り当てを定義するために用いられてよい。
【0042】
このような仕方で、むしろ綿密なGDOES分析の結果は、特にLIBSまたはXRFを用いた、本明細書に記載される方法でのスクラップ片のより迅速な分析の結果を解釈するために用いられてよい。特に、アルミニウム合金の偏析および拡散効果がGDOESによって十分な精度で決定されてよい。種々の表面深さにおける元素含有量を表す分析結果が、次に、対応する割り当てルールの定義を通じて、例えば、LIBSシステムの測定結果の評価のためのデータベースを構成してよく、そのLIBSシステムが次にその後の分別のために用いられる。
【0043】
LIBSシステムの(分別のための)表面測定結果をこのような仕方で達成されたGDOES分析の結果へ割り当てることによって、正確な合金の分別を可能にする、個々のスクラップ片の著しくより正確な元素分析を達成できる。
【0044】
割り当てルールは、測定によって決定された表面組成情報を関連するバルク組成情報へ割り当てるために、個々の合金元素とそれら固有の偏析および拡散効果との間の相関関係も考慮してよい。特に、割り当てルールは、2つの合金元素の含有量の比、例えば、アルミニウム合金のMg含有量のMn含有量に対する比に応じて割り当てを行ってもよい。このような仕方で、特定の合金の表面組成情報、特にGDOES測定からの分析値を得るため、従って、バルク中のスクラップ片の組成についてのバルク組成情報を割り当てるために、例えば、LIBSシステムのレーザを通じて決定された分析深さにおいてLIBSシステムによって決定された含有量の比が指紋として実用的に用いられてよい。
【0045】
方法の別の実施形態では、組成分析において、スクラップ片の表面領域における局所組成についての表面組成情報が決定され、表面領域は、スクラップ片の表面から既知または所定の深さ(分析の深さ)へ、例えば、1〜100μm、特に1〜10μmの範囲内の深さへ延びる。LIBSを用いるときには、深さは、例えば、レーザ出力および/または特定のレーザのタイプの選択によって調整されてよい。レーザのタイプおよび/またはレーザ出力を設定することによって、分析の深さが固定され、それゆえに既知であってよい。従って、割り当てルールは、好ましくは、予め知られているかまたは所定の分析深さに応じて選択されてよい。
【0046】
レーザのタイプを選ぶことによって、レーザ出力および/またはレーザのために用いられる光学系、レーザビームのフットプリント、すなわち、スクラップ片表面上のレーザビームのスポットサイズ、および/またはレーザビームによってスクラップ片表面に作り出されるクレータの形状が予め決定されてよい。従って、割り当てルールは、好ましくは、予め知られているかもしくは所定のフットプリントおよび/または予め知られているかもしくは所定のクレータ形状に応じて選択される。例えば、レーザビームは、スクラップ片表面に円筒形、円錘形または球形のクレータを作り出すことが考えられる。円筒形のクレータのケースでは、異なる深さからの信号がLIBS測定の全体的な結果にほぼ等しく寄与する。深さ方向に先細になる円錐形のクレータについては、クレータの表面近くの区域がLIBS測定の全体的な結果を支配する。クレータ形状を考慮に入れることによって、それゆえに、バルク組成情報のより良好な割り当てを達成できる。
【0047】
分析深さが予め知られているので、バルク組成情報の、測定によって決定された表面組成情報への信頼性のより高い割り当てが生じうる。例えば、上記のように、スクラップ片の深さに依存した組成を提供する、割り当てルールを定義するためにGDOES分析が実行されるならば、深さに依存した組成を表面から予め知られている分析深さまで平均または積分することによって、LIBS測定において決定される表面組成情報が決定されてよい。加重平均または積分によって、クレータ形状が考慮に入れられてよい。このような仕方で、既知の組成のスクラップ片に関するLIBS測定の測定結果が予測され、従って、適切な割り当てルールを定義できる。
【0048】
方法のさらなる実施形態において、組成分析は、分光分析、特にレーザ誘起プラズマ分光法(LIBS)または蛍光X線分析(XRF)を備える。対応するデバイスの実施形態において、分析デバイスは、分光分析デバイス、特に、レーザ誘起プラズマ分光法(LIBS)または蛍光X線分析(XRF)のための分析デバイスを備える。スクラップ元素の表面組成情報は、分光分析を通じて迅速に測定されてよい。レーザ誘起プラズマ分光法および蛍光X線分析は、表面組成情報を迅速に信頼性高く測定するのに特に適した方法であることがわかっている。両方の方法が表面に敏感であり、すなわち、スクラップ片の表面領域においてのみ組成を決定しうるので、LIBSまたはXRF測定に応じた即座の分別には問題がある。本明細書に記載される方法または本明細書に記載されるデバイスを用いれば、スクラップ片の信頼性の高い合金割り当てのために今やLIBSおよびXRF測定が用いられてよい。
【0049】
方法のさらなる実施形態において、測定によって決定される表面組成情報は、スクラップ片の少なくとも2つの合金成分の含有量の値を備える。例えば、表面組成情報は、合金元素Mg、Mn、SiまたはFeのうちの2つ以上の含有量の値を含んでよい。バルク組成情報の表面組成情報への割り当ては、スクラップ片の1つより多い合金成分を分析するときに信頼性が高くなることがわかった。他方、表面組成情報を信頼性高く割り当てるには最大で4つの合金成分数で通常は十分であり、従って、表面組成情報は、好ましくは、スクラップ片の最大で4つの合金成分の含有量の値を含む。結果として、分析デバイスを用いて決定された測定値の評価が簡略化され、より短時間で実行されうる。
【0050】
方法の別の実施形態では、あの数量からの個々のスクラップ片に対して組成分析および分別を行うことによって、その数量のスクラップ片が合金に依存して分別される。従って、ある数量のうちの複数のスクラップ片が、それぞれ決定された組成分析に応じて合金に依存して分別される。
【0051】
別の実施形態では、スクラップ片は、組成分析がスクラップ片上で行われる前に分離される。対応する装置の実施形態では、この装置は、スクラップ片をそれらが分析デバイスへ供給される前に分離するように構成された分離デバイスを備える。分離を通じて、スクラップ片は、所定の順序を有し、その順序でスクラップ片が装置を通して搬送される。選択されたバルク組成情報のそれぞれのスクラップ片への割り当ては、それゆえにスクラップ片の順序に対応する順序をバルク組成情報へ単に割り当てることによって行われてよい。スクラップ片を分別するために、制御デバイスは、次に、分別デバイスをバルク組成情報に応じた所定の順序で制御してよい。スクラップ片の順序は、デバイスを通して輸送される間にできるだけ変化しないままなので、このように各スクラップ片は、このスクラップ片にそれぞれ割り当てられたバルク組成情報に従って分別されてよい。
【0052】
さらなる実施形態において、装置は、コンベヤ上で搬送されるスクラップ片の位置を検出するように設計された検出デバイスを備え、制御デバイスは、分析デバイスおよび/または分別デバイスをスクラップ片の検出位置に応じて制御するように構成される。検出デバイスは、例えば、コンベヤ上のスクラップ片の位置を検出するためにカメラまたはレーザスキャナを備えてよい。
【0053】
検出されたスクラップ片の位置に応じて分析デバイスを制御することによって、正確な組成分析が行われうる。例えば、このような仕方で、分析のために用いられるレーザビームが精密にスクラップ片に向けられてよい。
【0054】
分別デバイスは、検出されたスクラップ片の位置に応じて制御されるので、正確な分別が行われうる。例えば、風力分別では、標的とするスクラップ片に特定の部分的な流れを与えるために、エアブラストがそれに向けられてよい。
【0055】
特に、スクラップ片が装置を通して搬送される順序も検出デバイスを用いて検出されてよい。上記のように、これは、バルク組成情報の割り当ておよびスクラップ片の分別を容易にする。
【0056】
装置のさらなる実施形態において、制御デバイスは、前述の方法またはその実施形態の実施を制御するように構成される。好ましくは、制御デバイスは、プロセッサと命令を含んだ関連するメモリとを備え、プロセッサ上での命令の実行が上記のような方法またはその実施形態を実施する。このような仕方で、装置へ供給されたスクラップ片が合金固有に分別される、実質的に自動的なデバイスの動作が可能である。
【0057】
方法および装置のさらなる利点および特徴は、添付図面が参照される実施形態の以下の記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1】本発明による装置の実施形態を示す。
図2図1の装置の分析デバイスを示す。
図3】バルク組成情報の割り当てを示す。
図4】測定された深さに依存した組成情報の例を示す。
図5】本発明による方法の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1は、金属スクラップ、特にアルミニウムスクラップの分別のための本発明による装置の実施形態を略図で示す。装置2は、分離デバイス3とコンベヤベルトの形態のコンベヤ4とを備え、分離デバイス3によって分離されたスクラップ片6は、コンベヤベルトで装置2を通して搬送されてよい。装置2を通してのスクラップ片6の搬送は、図1では矢印で示された材料の流れ7によって表される。
【0060】
そのうえ、装置2は、コンベヤ4上で搬送されるスクラップ片6上で組成分析を実行するように構成された分析デバイス8を有する。このために、分析デバイス8は、例えば、レーザ誘起プラズマ分光法のための分析器であってよい分光分析器10を備える。
【0061】
分析器10を用いて、分析されるスクラップ片6の表面領域における局所組成についての表面組成情報が測定によって決定されてよい。かかる分析が図2と関連して以下にさらに詳細に説明される。
【0062】
そのうえ、装置2は、装置2を制御するように構成された制御デバイス12を有する。このために、制御デバイス12は、特に、マイクロプロセッサ14とそれに接続されたメモリ16とを備え、メモリ16は、プロセッサにおけるその実行が装置2の制御をもたらす命令を含む。
【0063】
分析器10は、分析器10によって決定されたスクラップ片6の表面組成情報を制御デバイス12へ送信するために、データ接続部18を経由して制御デバイス12へ接続される。
【0064】
そのうえ、制御デバイス12は、表面組成情報と関連するバルク組成情報を、データ接続部18を経由して受信された表面組成情報およびメモリ16に記憶された所定の割り当てルールに応じて選択し、そのバルク組成情報を分析器10によって分析されたスクラップ片へ割り当てるように設計される。バルク組成情報の選択が図4と関連して以下にさらに詳細に説明される。バルク組成情報の、それぞれ関連するスクラップ片6への割り当ては、例えば、スクラップ片6の順序に対応する順序をバルク組成情報へ割り当てることによってもたらされてよい。スクラップ片6は、分離デバイス3によって分離され、それゆえに装置2によって特定の順序で逐次的に搬送されるので、曖昧さのない割り当てをこのように達成できる。
【0065】
装置2は、スクラップ片6をそれぞれ割り当てられたバルク組成情報に応じて分別するように構成された分別デバイス20も有する。スクラップ片6の分別は、図1では材料の流れ7の2つの部分的な流れ22および流れ24への分割によって概略的に示される。材料の流れ7が、例えば、最大0.5重量%のMg含有量および/またはMn含有量をもつ低合金化アルミニウム合金、ならびに例えば、2重量%超のMg含有量および/またはMn含有量をもつ高合金化アルミニウム合金のスクラップ片を含むならば、その場合には、材料の流れ7からのスクラップ片6の分別が分別デバイス20によってもたらされてよく、その関連するバルク組成情報が低いMg含有量およびMn含有量を示すスクラップ片は、第1の部分的な流れ22へ割り当てられ、残りの高合金化スクラップ片は、第2の部分的な流れ24へ割り当てられる。
【0066】
スクラップ片6を部分的な流れ22、24のうちの1つへ割り当てるために、図1に示される分別デバイス20は、閉じた位置(実線)と開いた位置(破線)との間で動かされてよい制御可能なフラップ26を有する。フラップ26が閉じた位置にあるときに、コンベヤベルト4上で搬送されるスクラップ片6は、部分的な流れ22へ割り当てられる。しかしながら、フラップ26が開いた位置にあるときには、スクラップ片6は、第2の部分的な流れ24へ進む。制御可能なフラップ26は、材料の流れ7を部分的な流れ22、24へ選択的に分割するための仕方の簡単な一例に過ぎない。スクラップ片6を分別するための他の手段が代わりに提供されてもよい。例えば、個々のスクラップ片が、短くて強い空気バーストでそれぞれの部分的な流れへ搬送されることによって、2つの部分的な流れ22、24のうちの1つへ風力で割り当てられてもよい。
【0067】
そのうえ、装置2は、コンベヤ4上のスクラップ片6の位置を検出できるカメラの形態の検出デバイス28も有する。例えば、カメラの代わりにレーザスキャナが用いられてもよい。
【0068】
次に装置2の動作が記載される。
【0069】
ある数量のスクラップ片6が分離デバイス3中へ導入されて、そこで分離され、従って、スクラップ片6は、一定の順序で逐次的にコンベヤ4上に乗り、装置を通してこの順序で輸送される。
【0070】
分離されたスクラップ片6が検出デバイス28により逐次的に検出されて、それによってスクラップ片6の順序が検出される。
【0071】
個々のスクラップ片が次に分析デバイス8中で分析されて、制御デバイス12は、分析の間に決定された表面組成情報と所定の割り当てルールとに基づいて関連するバルク組成情報を選択し、これらをそれぞれのスクラップ片6へ割り当てる。バルク組成情報の割り当ては、本ケースでは、検出されたスクラップ片6のシーケンスをバルク組成情報へ割り当てることによって実行される。
【0072】
分別デバイス20では、スクラップ片6がそれぞれ割り当てられたバルク組成情報に応じて次に2つの部分的な流れ22、24のうちの1つへ各々供給される。このような目的で、検出デバイス28を用いて検出されたスクラップ片6のシーケンスに基づいて、フラップ26へどのスクラップ片6が近づくかが決定され、スクラップ片が正しい部分的な流れ22、24へ供給されるように、フラップ26がこのスクラップ片6に割り当てられたバルク組成情報に応じて制御される。
【0073】
このような仕方で、材料の流れ7からの種々のアルミニウム合金の効果的な分離が可能である。スクラップ片へ割り当てられたそれぞれのバルク組成情報に基づく分離は、誤解を回避し、結果として、個々のスクラップ片の純粋な分別を許容する。
【0074】
図1では、2つの部分的な流れ22、24が例示される。もちろん、材料の流れ7は、2つより多い部分的な流れに分割されてもよい。
【0075】
分別デバイス20は、図1では分析デバイス8から空間的に分離したユニットとして示される。しかしながら、分別デバイス20および分析デバイス8が空間的に重なってもよい。例えば、スクラップ片8の分別が分析の直後に生じてもよい。
【0076】
図2は、図1からの装置2の分析デバイス8の概略図を示す。この実施形態における分析器10は、レーザ誘起プラズマ分光法のための分析器である。分析器10は、そのパルスレーザビーム32がコンベヤベルト4上で搬送されるスクラップ片6に作用を及ぼしうる、レーザ源30を備える。入射レーザビーム32は、スクラップ片6の表面上の小さい体積34を蒸発させて、それをプラズマ36へイオン化する。これは、スクラップ片表面に対応するクレータを作り出す。プラズマ36のブレークダウンの際には、体積34に含まれた合金元素に特徴的な光38が放出される。この例示的な実施形態では、体積34またはその体積に対応するクレータが円錐形状を有する。クレータまたは体積34の断面は、従って、深さに伴って減少し、その結果、光38は、主として体積34の最上層によって支配される。
【0077】
分析器10は、光38を取り込み、それを光ガイド42を経由して分光計44へ送るための光学系40を有し、光38のスペクトル分布は、分光計44を用いて分析されてよい。分光計へ接続された評価デバイス46は、次に、測定されたスペクトル分布から体積34の組成を算出する。レーザビーム32は、調整されたレーザ出力に応じて、典型的に1〜10μmの範囲内の、一定の侵入深さ48を有するに過ぎないので、評価デバイス46は、表面組成情報50、すなわち、スクラップ片材料の表面近くの体積についての組成情報を送出する。表面組成情報50は、図2では「表面」に対して「O」とラベル付けされ、様々な合金元素(Mg、Mn、Cuなど)の重量%単位の含有量を含む。装置2では、この表面組成情報50がさらなる処理のためにデータ接続部18を経由して制御デバイス12へ送られる。
【0078】
図3は、制御デバイス12が、関連するバルク組成情報を分析デバイス8によって測定された表面組成情報50へどのように割り当てるかを概略的に示す。
【0079】
まず初めに、制御デバイス12は、第1のステップ60において、分析デバイス8によって測定された表面組成情報50を受信する。
【0080】
第2のステップ62において、制御デバイス12は、関連するバルク組成情報66を表面組成情報50およびメモリ16に記憶された割り当てルール64に応じて選択する。このために、本例における割り当てルール64は、表を備え、同表では表面組成情報に対する複数の合金領域68a、68bなどへ、バルク組成情報に対する関連する合金領域70a、70bが各ケースにおいて割り当てられる。図中に数値で示される合金領域は、例示的である。
【0081】
制御デバイス12は、表面組成情報50を表面組成情報に対する合金領域68a、68bと比較して、その比較から表面組成情報に対する適切な合金領域、本例では合金領域68aを選択する。この合金領域と関連するバルク組成情報に対する合金領域70aが、その場合には、表面組成情報50へ割り当てられたバルク組成情報66を表し、分別デバイス20は、このバルク組成情報66によって制御される。
【0082】
関連するバルク組成情報66を表面組成情報50に対して選択し、分別デバイス20を表面組成情報50の代わりにバルク組成情報66に応じて制御することによって、分析デバイス8によりスクラップ片6の表面上で決定された組成が、偏析および拡散効果に起因して、スクラップ片6の実際のバルク組成からずれることが考慮される。これは、体積組成に基づくスクラップ片の信頼性のより高い合金固有の分別を許容する。
【0083】
例えば、分別されることになるスクラップ片に対する割り当てルールを決定するために、好ましくは、スクラップ片のどのバルク組成がどの表面組成に反映されるかが調べられる。例えば、装置2へ供給される前に、ある数量のスクラップ片、例えば、分別されることになるスクラップの数量から、個々の試料片が採取されてよく、それらの個々の試料片に対して、一方では表面組成、および他方では体積組成が分析される。次に、この分析において表面組成とバルク組成との間で決定された関係から割り当てルール64が定義されてよい。
【0084】
試料片の分析は、例えば、グロー放電発光分光法(GDOES)によって調べられてよい。この方法では、試料片がDCプラズマ中の陰極として用いられる。
【0085】
陰極スパッタリングを通じて、試料片の表面から材料が層ごとに逐次的に除去され、除去された原子が、プラズマ中で分光学的に調べることができる、特徴的な光を放出する。このような仕方で、試料の組成が深さに応じて分析されてよい。
【0086】
図4は、2つのスクラップ片上のGDOES分析の測定結果を含む図を示す。同図は、合金化元素Mgの例を用いたスクラップ片の深さに依存した組成を示す。横座標は、μm単位の深さ、すなわち、スクラップ片の表面からスクラップ片の体積への距離を示す。縦座標は、対応する深さにおける重量%単位の局所的なMg含有量を示す。
【0087】
第1の分析スクラップ片は、AA5XXXタイプのアルミニウム合金からなった。水平線(a)は、発光分光法(OES)によって決定された、スクラップ片の平均Mg含有量を示す。OESでは、スパークが材料中へより深く侵入し、従って、平均組成に対応する値を提供する。典型的に、OESによってバルク組成の非常に正確な値を測定できる。測定曲線(b)は、GDOESによって決定されたスクラップ片の深さに依存したMg含有量を示す。
【0088】
第2の分析スクラップ片は、AA6XXXタイプのアルミニウム合金からなった。水平線(c)は、順次、発光分光法(OES)によって決定されたスクラップ片の平均Mg含有量を示す。曲線(d)は、GDOESによって決定されたスクラップ片の深さに依存したMg含有量を示す。
【0089】
スクラップ片のまさに表面における(0μm〜およそ0.5μmにおける)Mg含有量は、偏析および拡散効果によって大幅に増加し、それぞれの平均Mg含有量を明確に上回ることが図からわかるであろう。より深い所では、Mgがここから表面へ拡散したために、Mg含有量が急に低下し、調べられたおよそ0.5μm〜5μmの深さの範囲で平均Mg含有量を下回りさえする。
【0090】
図4に示される測定結果は、例えば、スクラップ送出を分別するための対応する割り当てルール64を、例えば、定義するために用いられてよい。特に、あるスクラップ片に対してバルク中のどのMg含有量が表面組成情報の特定のMg含有量に対応するかがこの図から推測されてよい。
【0091】
曲線(b)または曲線(d)からの深さに依存したMg含有量を、0μmからレーザビーム32の侵入深さ48の深さの範囲内で積分または平均することによって、Mg含有量が決定されてよく、そのMg含有量が図2に示される分析デバイス8を用いた測定から線(a)または線(c)に沿った体積含有量をもたらす。レーザビーム32の侵入深さ48は、本質的にレーザ出力に依存し、従って、一定のレーザ出力では既知である。例えば、レーザ出力を調整することによって侵入深さ48が5μmに設定されるならば、特に、GDOES分析から含有量を0μmおよび5μmの間で平均することによって表面組成情報のMg値が算出されてよい。好ましくは、平均または積分は、レーザビームのフットプリントおよび/またはスクラップ片表面においてレーザビームにより作り出されるクレータの形状を考慮に入れることを可能にするために、重み付きで実行される。例えば、図2に示される円錐形のクレータでは、好ましくは、表面近くの含有量が相応にさらに大きく重みを付けられる。
【0092】
これらおよび対応する分析をさらなる合金元素に用いて、割り当てルール64の表面組成情報に対する合金領域68a、68bなど、およびバルク組成情報に対する関連する合金領域70a、70bなどがこのように決定されてよい。
【0093】
図4における図は、分別デバイス20を制御するために分析デバイス8によって測定されたMg含有量を、割り当てルール64を考慮に入れないで、直接に用いることがスクラップ片の組成に関するかなりの誤解につながるであろうということも示す。
【0094】
図5は、図1に示される装置2を用いた本発明による方法の例示的な実施形態を示す。
【0095】
方法の第1のステップ80では、スクラップ片6がコンベヤ4によって分析デバイス8へ供給されて、そこで組成分析を受ける。このために、個々のスクラップ片が分析器10によってパルスレーザビーム32に供され、結果として生じた発光からそれぞれの表面組成情報50が決定される。
【0096】
方法の第2のステップ82では、制御デバイス12が割り当てルール64を用いて表面組成情報50ごとに関連するバルク組成情報66を選択し、これをそれぞれのスクラップ片6へ割り当てる。
【0097】
第3のステップ84では、それぞれのスクラップ片6がバルク組成情報66に応じて分別されるように制御デバイス12が分別デバイス20を制御し、すなわち、本例では、それぞれのスクラップ片6が2つの部分的な流れ22または流れ24のうちの1つへ割り当てられる。
【0098】
上記の例示的な実施形態からわかるように、記載された装置および記載された方法を用いて改善されたスクラップ片の合金固有の分別を達成できる。
図1
図2
図3
図4
図5