(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも一つの前記支持部材が、アルミニウム発泡体、セラミック、セラミックファイバー及びプラスチックのうちの一つから形成される、請求項1に記載のリチウムイオンバッテリ。
前記電気コネクタが、第1のバスバーと第2のバスバーを備え、前記第1のバスバーが、前記容器の外部にある前記端子の正極端子部材に、前記コア部材の前記アノードを相互接続させ、前記第2のバスバーが、前記容器の外部にある前記端子の負極端子部材に、前記コア部材の前記カソードを相互接続させる、請求項5に記載のリチウムイオンバッテリ。
前記第1のバスバーにそれぞれのアノードを電気的に接続させるためのタブと、前記第2のバスバーにそれぞれのカソードを電気的に接続させるためのタブとをさらに含み、それぞれのタブが、既定電流を超過するときそれぞれのタブを通る電流の流れを中断するための手段を含む、請求項6に記載のリチウムイオンバッテリ。
力が壁に衝撃を与えることに因り圧縮されるときリチウムイオンバッテリの電気短絡回路を作り出す圧縮性要素を有する壁を、前記密封容器が含む、請求項1に記載のリチウムイオンバッテリ。
前記少なくとも一つの支持部材中の前記キャビティ及び対応するそれらのコア部材が、円筒形状、楕円形状及び角柱形状のうちの一つである、請求項1に記載のリチウムイオンバッテリ。
前記キャビティ及び対応するそのコア部材のうちの少なくとも一つが、前記他のキャビティ及び対応するそれらのコア部材と異なる形状を有する、請求項10に記載のリチウムイオンバッテリ。
【背景技術】
【0003】
リチウムイオンバッテリなどの電気化学動力電池の需要は、電動車両及びグリッド蓄電システムなどの用途、並びに電動自転車、無停電電力バッテリシステム及び鉛蓄電池交換用バッテリなど他の多セルバッテリ用途の成長に因り、ますます増大している。これらの用途にとって、エネルギー密度及び電力密度が高いことが要件であるが、同様に、もしかするとそれ以上に重要なことは、広範な商業利用を可能にするための低コスト製造及び安全性の強化という要件である。これらのバッテリのエネルギー対出力比を、前述の用途のものに合わせる必要がある。
【0004】
大型フォーマット用途であるグリッド蓄電及び電動車両の場合、直列及び並列アレイで接続された多セルが必要とされる。セルの供給者は、単一セルにつき10Ahより大きいと本明細書で定義する大型セルにも、10Ah(アンペア時)より小さいと本明細書で定義する小型セルにも注目している。角柱形セル又はポリマーセルなどの、積層型又はラミネート型の電極を含む大型セルは、LG化学、AESC、ATL及び他のベンダーによって作製されている。18650若しくは26650円筒形セル、又は183765若しくは103450セルなどの角柱形セルなどの小型のセル、及び他の類似のサイズが、三洋電機、パナソニック、EoneMoli、ボストンパワー(Boston-Power)、ジョンソンコントロールズ、サフト、BYD、ゴールドピーク他によって作製されている。これらの小型セルは、楕円形状又は円筒形状のゼリーロール構造を利用することが多い。いくつかの小型セルは、大型セルと類似し、ただしより小さい容量の積層型電極をもつポリマーセルである。
【0005】
既存の小型セルバッテリ及び大型セルバッテリは、いくつかの有意な欠点を有する。18650セルなどの小型セルに関しては、典型的に容器又は「缶」によって制約される不利点を有し、これにより、一部分機械的応力又は電解質枯渇に因り、サイクル寿命及びカレンダ寿命が制限されることになる。リチウムイオンバッテリが充電されるとき、電極は膨張する。缶なので電極のゼリーロール構造が制約され、ゼリーロール構造中で機械的応力が生じ、これによりその寿命サイクルが制限される。より多くの蓄電容量がますます要望されるとともに、所与の容積の缶に、より活性化したアノード及びカソードの材料が挿入されており、これにより電極への機械的応力がさらに生じることになる。
【0006】
さらに小型セル中で電解質の量を増大させる能力が制限され、リチウムをインターカレーション及びデインターカレーションするとき、電極の移動によりゼリーロールから電解質が押し出される。これにより、電極の電解質が枯渇することになって、電力排出中のリチウムイオンの濃度勾配並びに電極のドライアウトが生じ、副反応を引き起こし、イオンパスをブロックする乾燥領域がバッテリ寿命を低下させる。これらの問題、特に長寿命バッテリの問題を克服するために、ユーザが、充電状態の低下、電池の利用可能容量の制限、又は充電率の低下という性能についての妥協をしなければならない。
【0007】
機械的な面では、小型セルは、組み立てて大型アレイにするのが困難でありコストがかかる。溶接不全の可能性を最小限にするためには、複雑な溶接型が作られなければならない。溶接不全により、容量の低下、及び溶接接続の不全部分での潜在的な発熱が生じることになる。アレイ中のセルが多くなるにつれて、失敗のリスクは高くなり、製造歩留りが低下する。これは、製造コスト及びワランティコストがより高くなることを意味する。溶接不全の問題及び内部短絡に関連する潜在的な安全性の問題だけではなく、小型セルのパッケージングに関連する問題もある。一つのセルの障害の結果として熱暴走がカスケード的に起こることを回避するために、小型セルの適切なパッケージングが必要となる。こうしたパッケージングによりコストが増大することになる。
【0008】
大型セルの場合、不利点は、主に周囲の安全性、体積容量及び重量容量の低下、高コストの製造法である。大面積電極を有する大型セルは、より小型のセルと比較して製造歩留りが低いことに苦慮する。大型セル電極に欠陥がある場合は、より多くの材料が無駄になり、小型セルの製造に比較して全体的に歩留りが低い。例として、5Ahセルに比較して50Ahセルを挙げる。生産した50Ahのセルごとに、両方の生産方法に対して一欠陥のみが生じるとしても、50Ahセルの欠陥は、5Ahセルに比較して10倍の材料損失となる。
【0009】
大型セルの別の問題は、安全性である。熱暴走に進むセルの解放されたエネルギーは、熱暴走シナリオ中のセル内に存在する利用可能な電解質の量に比例する。セルがより大型になると、より多くの自由空間が、電極構造を完全に飽和させるために電解質用に利用可能である。大型セルの場合の1Wh(ワット時)につき電解質の量は、典型的に小型セルより多く、大型セルバッテリは、通常熱暴走中により強力になるシステムでありしたがって安全性が低い。当然、いずれかの熱暴走は、特定のシナリオによって決まるが、通常破壊的事象の事例では、燃料(電解質)がより多くなるにつれて、より激しい火炎が生じる。加えて、大型セルが、一旦熱暴走モードになれば、セルによって生じた熱が、近接したセルの熱暴走反応を誘発して、パック及び周囲の機器への大規模な破壊を伴うパック全体を発火させるカスケード効果を引き起こして、ユーザが危険な状態となる。
【0010】
小型セル及び大型セルの性能パラメータを互いに比較すると、小型セルは、通常、大型セルと比較して重量容量(Wh/kg)及び体積容量(Wh/L)が大きいことが理解されうる。容量及びインピーダンスに対するビンニング技術を使用して複数の小型セルをグループ化し、それによってより効率的な方式でプロダクションランの全体的配分を調和させることは、大型セルと比較してより容易である。これにより、バッテリパックの大量生産中の製造歩留りがより高くなる。加えて、例えば(安全性の問題では現場で最も一般的問題の一つである)一つのセル中の内部短絡によって発火したバッテリパックのカスケード的熱暴走反応を制限する、容積効率のよいアレイで小型セルを配列することはより容易である。さらに、生産方法が生産者によって高い歩留りで確立され、故障率が低い小型セルを使用することにコスト的有利点がある。機械類が容易に利用可能であり、コストが製造システムから押し出される。
【0011】
他方で、大型セルの有利点は、使用し易い共通の電気機械コネクタ用の空間を有することの多い、より強固な大型フォーマットの構造となりうる、バッテリパックOEMの組立てが容易であること、また、セルが著しく少ないことにより、複数の問題及び小型セルのアレイを組み立てるために必要なノウハウに対処しなければならないということなく、有効なパックが製造可能になることである。
【0012】
小型セルを使用することの利点を利用して、より大型サイズ及びより高い出力/エネルギー能力のバッテリで、ただし大型セルに比較してより安全で製造コストがより低いというバッテリを作るために、マルチコア(MC)セル構造の小型セル組立体が開発されてきた。
【0013】
BYDカンパニーリミテッド(BYD Company Ltd.)によって開発された一つのこうしたMCセル構造は、金属(アルミニウム、銅合金又はニッケルクロム)から作製された一つのコンテナ中に統合されたMCのアレイを使用する。このアレイについては、次の文献、欧州特許出願公開第1952475 AO号、国際公開第2007/053990号、米国特許出願公開第2009/0142658 Al号、中国特許出願公開第1964126 A号で説明されている。BYD構造は、MCに囲まれた金属材料のみを有し、したがって、機械的衝撃により鋭利な物体がコアを貫通し局所的な短絡が起こるときに不利点を有する。全てのコアが、電解質がコア間で共用される共通のコンテナ(個々の缶ではなく)中にあるので、製造上の欠陥又は外部からの酷使によるいずれかの個々の障害の他のコアへの伝播、及びMC構造の破壊が起こり得る。こうしたセルは、安全ではない。
【0014】
複数の電気化学セルの組立体中の熱暴走を防止するための方法が、米国特許出願公開第2012/0003508 Al号で説明されている。この特許出願で説明されているMC構造では、個々のセルが並列又は直列に接続されており、それぞれのセルが、それ自体の缶内に含まれるゼリーロール構造を有する。次いでこれらの個々のセルは、硬質発泡体で満たされた、難燃添加物を含むコンテナに挿入される。これらの安全性の手段は、一部分緩和材の超過コストに因りエネルギー密度を生産及び制限するのにコストがかかる。
【0015】
別のMC構造が、米国特許出願公開第2010/0190081 Al号及び国際公開第2007/145441 Al号で説明されており、この出願は、単一のバッテリによって二つ以上の電圧を供給する、複数のセルをもつ二つ以上の積層タイプの二次バッテリの使用を開示している。この配列では、個別のセルが、容器内で直列にセパレータを使用して接続される。この一連の素子は、より高い電圧のセルを作るだけであり、定型的な積層タイプ単一電圧セルと比較すると安全性又はコストの問題を解決しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
これらのMCタイプバッテリは、大型セルバッテリに勝る一定の有利点を提供する。ただし、これらは、安全性とコストの一定の欠点をなお有する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、より大型サイズのバッテリのアレイの組立てが容易であること、及び出力対エネルギー比を合わせることができることなどの、こうしたバッテリの利点を提供しながら製造コストを低減し安全性を改善する、新規タイプのMCリチウムイオンバッテリ構造を提供する。
【0018】
密封容器内に配置された支持部材をもつ密封容器を有する、マルチコアリチウムイオンバッテリについて説明する。支持部材が、複数のキャビティと、複数のキャビティのうちの対応する一つに配置された複数のリチウムイオンコア部材とを含む。リチウムイオンコア部材のうちの対応する一つとキャビティのうちの対応する一つの表面との間にそれぞれが位置する、複数のキャビティライナーがある。支持部材が、運動エネルギー吸収材料を含み、運動エネルギー吸収材料が、アルミニウム発泡体、セラミック及びプラスチックのうちの一つから形成される。プラスチック材料から形成されるキャビティライナーがあり、複数のキャビティライナーが、モノリシックライナー部材の一部として形成される。コアのそれぞれに含まれる電解質がさらに含まれ、電解質が、難燃剤、ガス発生剤及び酸化還元シャトルのうちの少なくとも一つを含む。それぞれのリチウムイオンコア部材が、アノードと、カソードと、それぞれのアノードとカソードとの間に配置されたセパレータとを含む。密封容器の外部にある電気端子に、コア部材を電気的に接続させる、容器内の電気コネクタがさらに含まれる。電気コネクタが、二つのバスバーを備え、第1のバスバーが、容器の外部にある端子の正極端子部材に、コア部材のアノードを相互接続させ、第2のバスバーが、容器の外部にある端子の負極端子部材に、コア部材のカソードを相互接続させる。
【0019】
本発明の別の態様では、コア部材が並列に接続され、又はコア部材が直列に接続される。代替的に、コア部材の第1のセットが並列に接続され、コア部材の第2のセットが並列に接続され、コア部材の第1のセットがコア部材の第2のセットと直列に接続される。支持部材が、ハニカム構造の形状である。運動エネルギー吸収材料が、圧縮性媒体を含む。力が壁に衝撃を与えることに因り圧縮されるときリチウムイオンバッテリの電気短絡回路を作り出す圧縮性要素を有する壁を、容器が含む。支持部材中のキャビティ及び対応するそれらのコア部材が、円筒形状、楕円形状及び角柱形状のうちの一つである。キャビティ及び対応するそのコア部材のうちの少なくとも一つが、他のキャビティ及び対応するそれらのコア部材と異なる形状を有する。
【0020】
本発明の別の態様では、コア部材のうちの少なくとも一つが、高出力特性を有し、コア部材のうちの少なくとも一つが、高エネルギー特性を有する。コア部材のアノードが、同一の材料から形成され、コア部材のカソードが、同一の材料から形成される。それぞれのセパレータ部材が、セラミックコーティングを含み、それぞれのアノード及びそれぞれのカソードが、セラミックコーティングを含む。コア部材のうちの少なくとも一つが、他のコア部材のアノードとカソードの厚さと異なる厚さのアノードとカソードのうちの一つを含む。少なくとも一つのカソードが、材料の化合物AからMまでのグループから少なくとも二つを含む。それぞれのカソードが、表面改質剤を含む。それぞれのアノードが、Li金属又はカーボン若しくはグラファイトのうちの一つを含む。それぞれのアノードが、Siを含む。それぞれのコア部材が、ロール型構造のアノード、カソード及びセパレータを含み、それぞれのコア部材が、積層型構造のアノード、カソード及びセパレータを含む。
【0021】
本発明の別の態様では、コア部材が、実質上同一の電気容量を有する。コア部材のうちの少なくとも一つが、他のコア部材と異なる電気容量を有する。コア部材のうちの少なくとも一つが、電力貯蔵のために最適化され、コア部材のうちの少なくとも一つが、エネルギー貯蔵のために最適化される。第1のバスバーにそれぞれのアノードを電気的に接続させるためのタブと、第2のバスバーにそれぞれのカソードを電気的に接続させるためのタブがさらに含まれ、それぞれのタブが、既定電流を超過するときそれぞれのタブを通る電流の流れを中断するための手段を含む。既定電流を超過するときヒューズ素子を通る電流の流れを中断するために、第1のバスバーが、アノード間の相互接続の第1のバスバーに近接したそれぞれのポイントにヒューズ素子を含み、第2のバスバーが、カソード間の相互接続の第2のバスバーに近接したそれぞれのポイントにヒューズ素子を含む。コア部材のそれぞれを囲む保護スリーブがさらに含まれ、それぞれの保護スリーブが、対応するそのコア部材を含むキャビティの外部に配置される。
【0022】
さらに本発明の別の態様では、コア部材の電気的監視及び電気的平衡を可能にするように構成された、コア部材に電気的に相互接続された検知ワイヤをさらに含む。密封容器が、難燃部材を含み、難燃部材が、容器の外部に取り付けられた難燃メッシュ材料を含む。
【0023】
別の実施形態では、密封容器を備えるマルチコアリチウムイオンバッテリについて説明する。支持部材が、密封容器内に配置され、支持部材が複数のキャビティを含み、支持部材が、運動エネルギー吸収材料を備える。複数のキャビティのうちの対応する一つに配置された複数のリチウムイオンコア部材がある。リチウムイオンコア部材のうちの対応する一つとキャビティのうちの対応する一つの表面との間にそれぞれが位置する、複数のキャビティライナーがさらに含まれる。キャビティライナーが、プラスチック材料から形成され、複数のキャビティライナーが、モノリシックライナー部材の一部として形成される。運動エネルギー吸収材料が、アルミニウム発泡体、セラミック及びプラスチックのうちの一つから形成される。
【0024】
本発明の別の態様では、コアのそれぞれに含まれる電解質があり、電解質が、難燃剤、ガス発生剤及び酸化還元シャトルのうちの少なくとも一つを含む。それぞれのリチウムイオンコア部材が、アノードと、カソードと、それぞれのアノードとカソードとの間に配置されたセパレータとを含む。密封容器の外部にある電気端子に、コア部材を電気的に接続させる、容器内の電気コネクタがさらに含まれる。電気コネクタが、二つのバスバーを備え、第1のバスバーが、容器の外部にある端子の正極端子部材に、コア部材のアノードを相互接続させ、第2のバスバーが、容器の外部にある端子の負極端子部材に、コア部材のカソードを相互接続させる。コア部材が並列に接続される。コア部材が直列に接続される。コア部材の第1のセットが並列に接続され、コア部材の第2のセットが並列に接続され、コア部材の第1のセットがコア部材の第2のセットと直列に接続される、請求項51に記載のリチウムイオンバッテリ。
【0025】
別の態様では、支持部材が、ハニカム構造の形状である。運動エネルギー吸収材料が、圧縮性媒体を含む。力が壁に衝撃を与えることに因り圧縮されるときリチウムイオンバッテリの電気短絡回路を作り出す圧縮性要素を有する壁を、リチウム容器が含む。支持部材中のキャビティ及び対応するそれらのコア部材が、円筒形状、楕円形状及び角柱形状のうちの一つである。キャビティ及び対応するそのコア部材のうちの少なくとも一つが、他のキャビティ及び対応するそれらのコア部材と異なる形状を有する。コア部材のうちの少なくとも一つが、高出力特性を有し、コア部材のうちの少なくとも一つが、高エネルギー特性を有する。コア部材のアノードが、同一の材料から形成され、コア部材のカソードが、同一の材料から形成される。それぞれのセパレータ部材が、セラミックコーティングを含む。それぞれのアノード及びそれぞれのカソードが、セラミックコーティングを含む。コア部材のうちの少なくとも一つが、他のコア部材のアノードとカソードの厚さと異なる厚さのアノードとカソードのうちの一つを含む。
【0026】
さらに別の態様では、少なくとも一つのカソードが、材料の化合物AからMまでのグループから少なくとも二つを含む。それぞれのカソードが、表面改質剤を含む。それぞれのアノードが、Li金属、カーボン、グラファイト又はSiを含む。それぞれのコア部材が、ロール型構造のアノード、カソード及びセパレータを含む。それぞれのコア部材が、積層型構造のアノード、カソード及びセパレータを含む。コア部材が、実質上同一の電気容量を有する。コア部材のうちの少なくとも一つが、他のコア部材と異なる電気容量を有する。コア部材のうちの少なくとも一つが、電力貯蔵のために最適化され、コア部材のうちの少なくとも一つが、エネルギー貯蔵のために最適化される。
【0027】
本発明の別の態様では、第1のバスバーにそれぞれのアノードを電気的に接続させるためのタブと、第2のバスバーにそれぞれのカソードを電気的に接続させるためのタブがさらに含まれ、それぞれのタブが、既定電流を超過するときそれぞれのタブを通る電流の流れを中断するための手段を含む。既定電流を超過するときヒューズ素子を通る電流の流れを中断するために、第1のバスバーが、アノード間の相互接続の第1のバスバーに近接したそれぞれのポイントにヒューズ素子と、カソード間の相互接続の第2のバスバーに近接したそれぞれのポイントにヒューズ素子とを含む。コア部材のそれぞれを囲む保護スリーブがさらに含まれ、それぞれの保護スリーブが、対応するそのコア部材を含むキャビティの外部に配置される。
【0028】
本発明の別の実施形態では、コア部材の電気的監視及び電気的平衡を可能にするように構成された、コア部材に電気的に相互接続された検知ワイヤがある。密封容器が、難燃部材を含み、難燃部材が、容器の外部に取り付けられた難燃メッシュ材料を含む。
【0029】
別の実施形態では、密封容器の内部にリチウムイオンセル領域及び共用の空気領域をもつ密封容器を含むマルチコアリチウムイオンバッテリについて説明する。密封容器のリチウムイオンセル領域内に配置された支持部材があり、支持部材が、共用の空気領域に対して開放された端部をそれぞれのキャビティが有する複数のキャビティを含む。アノード及びカソードをそれぞれが有し、複数のキャビティのうちの対応する一つ内に配置された複数のリチウムイオンコア部材があり、アノード及びカソードが、キャビティの開放された端部経由で共用の空気領域に露出し、アノード及びカソードが、その長手方向に沿ってキャビティによって実質上囲まれる。支持部材が、運動エネルギー吸収材料を含む。運動エネルギー吸収材料が、アルミニウム発泡体、セラミック及びプラスチックのうちの一つから形成される。
【0030】
別の態様では、リチウムイオンコア部材のうちの対応する一つとキャビティのうちの対応する一つの表面との間にそれぞれが位置する、複数のキャビティライナーがあり、キャビティライナーが、プラスチック材料から形成される。複数のキャビティライナーが、モノリシックライナー部材の一部として形成される。コアのそれぞれに含まれる電解質があり、電解質が、難燃剤、ガス発生剤及び酸化還元シャトルのうちの少なくとも一つを含む。それぞれのリチウムイオンコア部材が、アノードと、カソードと、それぞれのアノードとカソードとの間に配置されたセパレータとを含む。密封容器の外部にある電気端子に、コア部材を電気的に接続させる容器内に電気コネクタがある。電気コネクタが、二つのバスバーを備え、第1のバスバーが、容器の外部にある端子の正極端子部材に、コア部材のアノードを相互接続させ、第2のバスバーが、容器の外部にある端子の負極端子部材に、コア部材のカソードを相互接続させる。
【0031】
さらに別の態様では、コア部材が並列に接続され、又はコア部材が直列に接続される。代替的に、コア部材の第1のセットが並列に接続され、コア部材の第2のセットが並列に接続され、コア部材の第1のセットがコア部材の第2のセットと直列に接続される。
【0032】
別の実施形態では、密封容器と、密封容器内に配置された少なくとも一つのリチウムイオンコア部材とを含む、リチウムイオンバッテリについて説明する。リチウムイオンコア部材が、アノード及びカソードを有し、カソードが、化合物AからMまでのグループから選択された少なくとも二つの化合物を含む。リチウムイオンコア部材が一つだけある。密封容器が、ポリマーバッグであり、又は密封容器が、金属キャニスタである。それぞれのカソードが、化合物B、C、D、E、F、G、L及びMのグループから選択された少なくとも二つの化合物を含み、表面改質剤をさらに含む。それぞれのカソードが、化合物B、D、F、G及びLのグループから選択された少なくとも二つの化合物を含む。バッテリが、4.2Vより高い電圧に充電される。それぞれのアノードが、カーボン及びグラファイトのうちの一つを含む。それぞれのアノードが、Siを含む。
【0033】
さらに別の実施形態では、密封容器と、密封容器内に配置された少なくとも一つのリチウムイオンコア部材とを有する、リチウムイオンバッテリについて説明する。リチウムイオンコア部材が、アノード及びカソードを有する。密封容器の外部にある電気端子に、少なくとも一つのコア部材を電気的に接続させる容器内の電気コネクタがあり、電気コネクタが、既定電流を超過するとき電気コネクタを通る電流の流れを中断するための手段を含む。電気コネクタが、二つのバスバーを備え、第1のバスバーが、容器の外部にある端子の正極端子部材に、コア部材のアノードを相互接続させ、第2のバスバーが、容器の外部にある端子の負極端子部材に、コア部材のカソードを相互接続させる。電気コネクタが、第1のバスバーにそれぞれのアノードを電気的に接続させるためのタブと、第2のバスバーにそれぞれのカソードを電気的に接続させるためのタブとをさらに含み、それぞれのタブが、既定電流を超過するときそれぞれのタブを通る電流の流れを中断するための手段を含む。既定電流を超過するときヒューズ素子を通る電流の流れを中断するために、第1のバスバーが、アノード間の相互接続の第1のバスバーに近接したそれぞれのポイントにヒューズ素子を含み、第2のバスバーが、カソード間の相互接続の第2のバスバーに近接したそれぞれのポイントにヒューズ素子を含む。
【0034】
本発明は、単に限定しない例として与えられた以下の説明を、図を参照して読むことでより深く理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1A及び
図1Bに、ゼリーロールコア構造及び円筒形状である、リチウムイオンコア部材102a〜jのマルチコア(MC)アレイを示す。様々な形状及びサイズのイオンコア部材が、本発明に関して使用されてよく、一定の形状及びサイズについて以下で説明する。コア部材102a〜jのそれぞれのカソードに接続された導電性タブ104のセット、及びコア部材102a〜jのそれぞれのアノードに接続された導電性タブ106のセットがある。タブ104が、カソードバスバー108にも接続され、タブ106は、アノードバスバー110に接続される。カソードタブ104及びアノードタブ106は、スポット溶接又はレーザ溶接技術を使用してバスバー108、110に溶接される。バスバー108、110は、それぞれMC容器116の外部の負極端子112及び正極端子114に相互接続される。この構成では、イオンコア部材102a〜jの全てが、並列に接続されるが、これらは、直列に接続されてもよく、又は当業者にとって明らかな他の構成で接続されてもよい。
【0037】
図1BのMC容器116は、密閉封止される。容器116の一部又は隔離部分となりうる支持構造120は、イオンコア部材が十分に隔離されて収容されうるように構築され、その結果、充電及び放電反応中に拡張が制限されて、それによって個々のイオンコア部材の機械的相互作用を防止する。容器116は、好ましくはプラスチック又はセラミック材料から作製され、ただし金属からも作製されうる。金属が使用される場合は、鋼鉄の露出は好ましくなく、任意の鋼鉄コンテナは、ニッケルなどの不活性金属を用いてコーティングすることが必要となる。好ましい金属はアルミニウム、ニッケル又は使用する化学物質に対して不活性な他の金属である。多くのタイプのプラスチック及びセラミックは、それらが化学的及び電気化学的環境に対して不活性である限り。プラスチック及びセラミックの例は、ポリプロピレン、ポリエチレン、アルミナ、ジルコニアである。容器116は、火炎が容器の内部に達することを防止する目的のために、容器の外部に取り付けられた難燃性メッシュを含むことができる。
【0038】
容器116内で、リチウムイオンコア領域118中に、セラミック、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのプラスチック、又はアルミニウム発泡体などの他の材料から作製されうる電気的に絶縁された支持部材120がある。支持部材120は、衝撃が発生したときに損傷からコア部材を保護するために、十分に変形可能/圧縮可能でなければならない。加えて、バッテリの充電及び放電中に熱を分散させて均一な温度分布を作り出すことによって、また、内部短絡により起こる一つのコア部材の熱暴走などの破壊的障害中に熱を発散することによって、熱伝導性が、用途に合わせられることが望ましい。適切な熱分散特性により、コア間のカスケード的な暴走の機会が制限されるはずである。支持部材中で制約されうる、コア部材を酷使する間排出されるであろう電解質に対して、支持部材が吸収性をもつこともできる。
【0039】
変形可能な運動エネルギー吸収支持部材120が、より広い範囲に及ぶ衝撃負荷を分配して、それぞれのコア部材102a〜jでの局所的変形の量を減少させ、それによって電気短絡回路となる見込みを減らすので、特に望ましい。運動エネルギー吸収材料の例は、アルミニウム発泡体、プラスチック発泡体などの発泡体、多孔性セラミック構造、ハニカム構造又は他の開放構造、線維充填樹脂及びフェノール材料である。プラスチック及び樹脂材料のための線維充填材の一例は、グラスファイバー又はカーボンファイバーとすることができる。エネルギー吸収体を含むアルミニウムの例が、開気孔又は閉気孔を有するアルミニウム発泡体、アルミニウムハニカム構造、並びにAltucore(商標)及びCrashLite(商標)材料などの設計された材料である。支持部材が、衝撃、衝突又は他の機械的酷使中に崩壊するとき、内部で短絡が機械的に誘発されることを回避するために、コアが、可能な限り貫通から保護されることが重要である。これにより、より安全な構造が作り出される。
【0040】
エネルギー吸収材は、大きな距離への比較的一定の応力で圧縮又はゆがむことによって、かつ反発しないことによって、運動機械的エネルギーをほぼ吸収する分類の材料である。ばねが、いくらか類似の機能を果たすが、これらは反発し、したがってこれらはエネルギー貯蔵装置であり、エネルギー吸収材ではない。
図1Cの150を参照すると、加わる応力が、運動エネルギー吸収材料の「クラッシュプラトー」を超過すると、エネルギー吸収材が、材料のひずみの約50〜70%までほとんど一定の応力で圧縮し始める。この応力/ひずみ曲線の拡張セクションは、理想のエネルギー吸収材の挙動を規定する。このゾーンでは、曲線下の範囲が、応力×ひずみの積、すなわち「仕事量」を示す。支持部材120などの、有限サイズのエネルギー吸収材料の実際のブロックでは、これが、次のように示されることになる。
力×変位
力(ポンド)×変位(フィート)=仕事量(フィート・ポンド)
及び
仕事量(フィート・ポンド)=運動エネルギー(フィート・ポンド)
と理解されたい。
【0041】
支持部材120を圧縮するために働く仕事量は、支持部材120に衝撃を与えうる質量の運動エネルギーに等しい。当業者にとって明らかなように、適切な厚さ及び圧縮強度を用いて設計されるとき、支持部材120は、例えば電動車両の衝突時の、バッテリへの衝撃の運動エネルギーの全てを吸収することができる運動エネルギー吸収材料から作製されうる。最も重要なのは、支持部材120中の積み荷、すなわちリチウムイオンコア部材102a〜jが、材料の破砕強度(以下に定義する)より強い力に決して遭遇しないことである。したがって、制御された距離にかかる一定の力をもつ衝撃の質量のエネルギーを吸収することによって、保護された構造すなわちリチウムイオンコア部材102a〜jは、潜在的な破壊的結果を伴う、質量が構造に直接衝撃を与える場合に起こるはずの、集中的な高エネルギー/高強度の力の衝撃に耐える必要がないということになる。
【0042】
エネルギー吸収材料から作製される構造に、負荷が加えられると、このエネルギー吸収材料は、まず弾性的にヤング率の式に従って降伏する。ただし、
図1Cの152のAl発泡体のこの特定の例では、約4〜6%のひずみで、構造サイズに応じて、比較的一定の応力で連続的に座屈し、崩壊し始める。材料の最初の相対密度に応じて、この一定の崩壊が、
図1Cの154のように、このAl発泡材料の場合ひずみの約50〜70%まで進む。そのポイントで、エネルギー吸収材料が「高密度化」の段階に入るとき、応力/ひずみ曲線の上昇が始まる。弾性から塑性変形段階へ材料が遷移する、応力/ひずみ曲線中のそのポイントが、材料の「破砕強度」を規定する。
【0043】
4〜6%の遷移から50〜70%のひずみまで (材料のあり得るひずみ値の約45〜65%をカバーする)の間の、比較的長い平らな曲線のセクションが、いわゆる「クラッシュプラトー」である。この運動エネルギー吸収材料の一意な特性が、運ばれる積み荷を保護しながら衝撃質量の運動エネルギーを吸収するのに非常に役立つ。
【0044】
コア部材をさらに保護するために、金属、セラミック又はプラスチックから作製された円筒形材料が、
図1Aのスリーブ121として、コア構造の周囲に追加されうる。このスリーブは、ライナー材料の外側で個々のコアを直接囲むように追加されるか、支持部材中のキャビティ構造の内部に適用されうる。これにより、鋭利な物体がコアを貫通することが防止される。一つのスリーブのみを図に示すが、スリーブがコア部材ごとに含まれることが容易に理解されよう。
【0045】
支持部材120が、
図1Dに示すように、代替的に、充填材料162を含む開放領域160を用いて設計されうる。充填材料の例は、中空又は高密度とすることができる不規則又は規則的な形状の媒体である。中空の媒体の例は、様々な押圧力で圧縮されうる衝突保護用のエネルギー吸収材として機能する目的をもつ、金属、セラミック及びプラスチックの球体とすることができる。具体的な例はアルミニウム中空球体、アルミナ又はジルコニアのセラミック研削媒体、及びポリマー中空球体である。
【0046】
支持部材120は、支持部材全体を通して急速に熱を伝達させ、またバッテリ全体に均等に熱を分配させ、又は酷使中の熱暴走を一つのコアが受けるべきコア間の熱暴露を制限するように最適化もされる。安全性の強化以外では、これは、最大動作温度を制限することによって、バッテリ寿命を増大させ、バッテリが熱管理を全く行わない又は積極的に行わなくてもよいようにすることができる。最も重要なのは、支持部材120の熱特性は、最適化した材料の熱伝達特性、及び火炎伝播を分断する能力に因り、障害のあるコア部材から他のコア部材への障害の伝播防止をするための助けとなる。材料は吸収性もあるので、これは、破壊的障害の重大性を低減する助けとなることができる、材料中に漏出する電解質を吸収することができる。
【0047】
支持部材120は、a)イオンコア部材102a〜jの分配が安全性と高エネルギー密度の両方のためにMCバッテリを最適化することを可能にすること、b)同時に冷却を可能にしながら、イオンコア部材102a〜jの急速な熱伝播を阻止すること、c)イオンコア部材102a〜j及び反応性化学物質のための衝突の保護及び衝撃吸収構造を提供すること、d)広く認知された火炎阻止による火炎耐火性材料の使用、によってMCバッテリの安全性を総合的に増大させる。
【0048】
円筒形キャビティ122が、一つのキャビティにつき一つのコアで、リチウムイオンコア部材102a〜iを受けるように支持部材120中で形成される。この構成では、円筒形キャビティ122が、リチウムイオンコア部材102の直径よりわずかに大きい直径をもつ開口126を有する。開口126は、容器116内の共有の空気領域128に面し、露出している。個々のより小さい(活性コア部材間の密閉した封止を提供する缶又はポリマーバッグなどの)容器を有することなしに、コア部材のアノード/カソードも、共有の
空気領域128に対して直接露出している。缶状のコア部材の削除が製造コストを低減するだけではなく、これは安全性も強化する。コア部材の障害及び結果として起こる火災の事象では、排出された気体が、共有の
空気領域128を占めることができ、この領域は、典型的な個々の「缶状」のコア部材で利用可能な容積より有意に大きい容積をもたらす。缶状のコア部材の圧力上昇に伴う爆発は、本発明に伴う爆発より起こり易く、本発明は、占める気体に対してより大きい容積を提供し、したがって圧力の上昇を低減する。加えて、缶は、典型的に本発明の構造より非常に高い圧力で破裂し、本発明の障害の形態の方がより穏やかということになる。
【0049】
それぞれのキャビティ122内に、薄いキャビティライナー124が置かれており、このキャビティライナーは支持部材120とリチウムイオンコア部材102a〜iとの間に位置する。典型的には、全てのキャビティライナー(この場合キャビティの数に対応する10個)が、モノリシックキャビティライナー部材124'の一部として形成される。ライナーは、好ましくはポリプロピレン、ポリエチレン又は電解質に対して化学的不活性な他のプラスチックのいずれかから製作される。ライナーは、セラミック又は金属材料からも製作されうるが、これらはコストが高く好ましくない。ただし、支持部材が導電性である事例では、ライナーは、コア部材を支持部材から電気的に隔離するように電気的に絶縁していなければならない。キャビティライナーは、複数の理由で重要である。第1に、キャビティライナーは、湿潤性があり電解質不浸透性である。第2に、キャビティライナーは、消火することができる難燃加工剤を含むことができ、第3に、キャビティライナーにより、容易に封止可能なプラスチック材料が密閉封止内に電解質を含むことができるようになる。
【0050】
製造中に、キャビティ122が、同時に電解質で充填され、次いで、継続的な製造プロセス中に同時に形成され、容量のグレーディングが行われる。形成プロセスはセルを一定電圧、典型的には4.2Vに充電することからなり、次いで12〜48時間この電位にセルを留めておく。容量グレーディングが、充電/放電プロセス中に行われ、セルは、2.5Vなどの低電圧まで十分に放電され、次いで典型的に4.2〜4.5Vの範囲で最高電圧まで充電され、その後再度放電され、容量が記録される。充電/放電プロセスでの非効率性に因り、正確な容量グレーディングを得るために、複数サイクルの充電/放電が必要とされうる。
【0051】
キャビティライナーは、コアと滑合するため、精密な一貫した電解質の量をそれぞれのコア部材に導入することを可能にする。充填を完遂する一つの方式は、容器116中の通し孔を用いて、そのときその通し孔が、電解質がキャビティに導入され処理された後に充填され密封されるものである。約3Ah容量を有するゼリーロールタイプコア部材は、密度及び囲む多孔性材料に応じて、約4〜8gの電解質を必要とする。ゼリーロール全体が、乾燥エリアが全くない状態で、ロール全体を均等に湿潤するように、電解質の充填が行われる。それぞれのコア部材は、変動量が0.5g以内、さらに好ましくは0.1g以内、さらに好ましくは0.05g以内のコアからコアまでの均等な量の電解質を有することが好ましい。変動量は、電解質総量に伴って調整され、典型的には、一コアにつき電解質総量の5%未満又はさらに好ましくは、1%未満である。真空中に組立体を置くことは、この充填プロセスの助けとなり、電極が完全かつ均等に湿潤するために極めて重大なことである。
【0052】
支持部材120中のキャビティ122のサイズ、間隔、形状及び個数は、コア部材102間の障害の伝播を軽減するなどの上記で説明した安全性の特徴をいまだ達成している間に、バッテリの望ましい動作特性を達成するように調整され最適化されうる。
【0053】
図2に示すように、支持部材220a〜hが、別個のキャビティの個数を有することができ、好ましくは7個から11個までの範囲で、別個の構成であり、支持部材220d及び220hの事例のように別個のサイズのキャビティを有する支持部材を含む。キャビティの個数は、常に、2個より多く、支持部材の幾何学的形状及びゼリーロールサイズによる制限以外には特に上限はない。キャビティの実際的な個数は、典型的に2個から30個である。支持部材220fのようにキャビティが均一に分配され、又は支持部材220gの事例のように互い違いにすることができる。図示の支持部材220a〜hごとにキャビティに挿入されうるキャビティ直径及びコア部材の直径も
図2に示す。加えて、構成ごとの容量をアンペア時(Ah)で示す。
【0054】
同じく、別個の形状のキャビティ及びコア部材が使用されうる。
図3に示すように、支持部材320が、同様の形状のコア部材302を受けるために楕円形状であるキャビティ322を含む。
図4では、支持部材420が、同様の形状のコア部材(図示せず)を受けるために楕円形キャビティ422と円筒形キャビティ402を混成したキャビティを有する。
【0055】
図5に、本発明に適したコア部材502aの別の形状を示す。これは、ゼリーロール構造であるが、先に説明したような円筒形又は楕円形ではなく角柱形状をもつ。コア部材は、アノード530aと、カソード532aと、電気絶縁セパレータ534aとを含む。先の図面では図示しなかったが、それぞれのコア部材は、アノードとカソードとの間にセパレータを含む。コア部材502bは、角柱形状でもありただし積層型構築が使用され、アノード530bと、カソード532bと、電気絶縁セパレータ534bとを含む。
【0056】
ここまでは、コア部材が、並列に電気接続されており、ただしこれらが、直列、又は並列と直列接続の組合せで接続されてもよい。
図6に示すように、挿入されたゼリーロールコア部材602と共に支持部材(アルミニウム発泡体又はポリマー発泡体から製作される)620がある。明瞭化のために、バスバーに接続するコア部材のタブを図示しないが存在する。バッテリ負極端子コネクタ640は、より低電圧のバスバー642に電気接続される。バッテリ正極端子コネクタ644は、高電圧のバスバー646に電気接続される。近接のブロックバスバー648及び650が、それらの列のそれぞれのコア部材をそれぞれ並列に接続させる。それぞれのバスバー642、644、648及び650は、コア部材の逆側に相補的バスバーを有するが図示しない。全ての並列なバスバーは、三つの接続バー652を通して個々に直列に接続されて、直列電気経路を可能にする。検知ケーブル654a〜654eは、それぞれの電気的に一意なポイントに位置して、直列システム中の並列に連接されたゼリーロール電圧ポイントのそれぞれをまたぐ電圧レベルの検出を可能にする。これらのワイヤは、充電及び放電中に、コア部材を充電の同一の状態に保つように、平衡電流を供給するためにも使用されてよく、接点656を通して供給部に接続される。セル平衡システムの当業者には、直列接続されたコアを有する本発明のユニット内のこうした接続の目的が理解されよう。
【0057】
図6Bに、支持部材320を収容する容器616を示す。容器616は、超音波溶接により密閉封止されたプラスチックの蓋658及びボックス660からなる。蓋658の側面の反対側の容器616の端部に、検知用接点656を通る供給部がある。バッテリ負極端子コネクタ640及びバッテリ正極端子コネクタ644が、蓋658から延在する。コネクタ検知用接点の位置に関する様々な配列が、当業者によって達成されてよく、異なる直列又は並列配列のセルが本発明の目的のために使用されてよいことも理解されうる。
【0058】
金属の蓋の事例では、これはレーザ溶接などの溶接方法を用いて閉じられ、プラスチックの事例では、接着剤(グルー)が使用されてよく、或いは、熱溶接法若しくは超音波溶接法又はそのいずれかの組合せが使用されてもよい。これにより、適切に封止されたMCバッテリが提供される。ゼリーロールは、容器内部で並列又は直列に接続される。
【0059】
全てのフィードスルー、検知、電力、圧力等は、密閉封止される必要がある。この密閉封止は、約1気圧及び真空も超える又は等しい、好ましくは1.2気圧より高い、内部圧力に耐えるべきである。通気孔もコンテナに収容され、封止可能な圧力より低い内部圧力に設定されうる。
【0060】
平衡及び検知能力を提供する別の方式は、個々のコア部材の正極及び負極の端子のそれぞれからの外部リードを提供して、コンテナの外部のコネクタを個々のコア部材のそれぞれに接続可能にするような、個々のコネクタを有することである。平衡回路は、電圧の不均衡又は一連のセルの充電の状態を検出し、当業者には周知の活性平衡の受動の手段を提供するはずである。接続用リードは、バッテリから電力を供給する目的のためにセルから電流を導く手段を提供する端子から隔離され、典型的には、セルが一つのコンテナ内で直列に接続されるときのみ使用される。任意選択で、検知用リードが、検知回路を通して、個々のゼリーロールを通る出力電流が流れることを回避するために、コンテナの外側で溶解されうる。
【0061】
容器116、616は、容器への機械的衝撃と同時に、容器の外部でMCバッテリが短絡されうるように、
図7Aの鶏卵箱形状壁700を用いて構成されうる。アルミニウムから作製された壁700の鶏卵箱形状部702が、(衝撃以前に)ポリエチレンプラスチックから作製された非導電材料のプレート704に接する。アルミニウム又は他の導電性材料から作製された第2のプレート706は、プラスチックプレート704より下に位置づけされる。鶏卵箱形状材料702は、MCバッテリの負極か正極のどちらかに接続され、他の導電性プレート706が反対の極に接続される。衝突時などの、衝撃、釘刺し又は壁への異常圧力と同時に、鶏卵箱形状部702が圧縮し、その結果、プラスチックプレート704が、貫通され、
図7Bのように、導電性プレート706に外部接点708a〜dで接触して、MCバッテリ中に外部電気短絡回路を作り出す。
【0062】
個々のコア部材は、上記で説明したように、典型的に内部バスバーによって接続される。ときにはバスバー共通コネクタが、ワイヤ又はプラスチックコーティングワイヤとすることができる。銅、アルミニウム又はニッケルなどの固体金属とすることもできる。このバスバーは、複数のコア部材を直列又は並列に接続し、マルチコア部材構造の電流をコネクタに伝達する能力を有し、マルチコアアレイへの外部接続を可能にする。外部バスバーの事例では、それぞれのゼリーロールから容器を通るコネクタを介した個々の供給が必要となるはずである。
【0063】
使用されるバスバーが内部か外部かにかかわらず、これらはコア部材間のヒューズを提供するために構築されうる。これは、種々の方式で達成され、一定の電流を伝送するだけのために、又はコア部材をバスバーに接続するタブサイズを制限することによって、バスバーの横断面が制限される区域を作り出すことを含むことができる。バスバー又はタブが、一つの打抜き部品若しくは他の金属形成技術で、又はヒューズ配列を用いてバスバーの区分に接続する第2の部分を使用することによって構築されうる。例えば、銅のバスバーの二つの長方形横断面区域が使用される場合、10個のコア部材のうちアノード及びカソードタブが、バスバーによってそれぞれに接続され、それぞれのバスバーが、10mm
2の横断面表面区域を有し、バスバーの少なくとも一区域が、バスバーの残り部分に比較して狭い表面区域を有するように製作されうる。これにより、溶解が起こり電流を伝送する能力が制限される場所が与えられる。このヒューズ区域は、バスバーの一つ以上のポイント、好ましくはそれぞれのコア部材の間とすることができるが、多くのセルの事例で最も効率的なのは中間ポイントである。外部短絡が起こった場合は、このヒューズは、コア部材の熱を制限し、潜在的に熱暴走を回避するはずである。さらにコア部材中の内部短絡の事例では、製造欠陥も、釘刺しなどの、コア部材を貫通してセルへの内部短絡を引き起こす、酷使する事象中の外部の貫通のどちらの原因でも、このヒューズ配列が、他の並列コアに対して機能障害のコアを遮断することによって、内部短絡に伝送される電流の量を制限することができる。
【0064】
容器の内側の空間は、発泡体、又はコア部材に対する衝撃を低減することが可能な他の構造などの衝撃吸収材料を用いて充填され、それによって内部短絡のリスクをさらに低減することができる。このラジディゼーションは、内部の内容物の自動振動周波数を容器に対してシフトさせる手段を提供して、衝撃、震動及び機械的寿命に対する耐性を増大させることもできる。充填材料は、好ましくは、セルの熱暴走中に上昇又は同じ熱暴走中に溶融しうるいずれかの火炎の消火を可能にすることになる難燃性材料を含み、それによって、過剰な熱に対処しセルの熱を制限するものである。これにより、破壊的事象の事例で安全性が強化される。難燃性の例は、ハンサーガードナー出版社(Hanser Gardner Publications)により刊行されたポリウレタン樹脂ハンドブックなどの公開された工学文献及びハンドブック、又は記載の通り米国特許第5,198,473号で見つけることができる。ポリウレタン発泡体の他にも、エポキシ発泡体、又はグラスファイバーウール及び同様の非化学的若しくは電気化学的活性材料が、容器内側の空間中の充填材料として使用されうる。特に、中空若しくは高密度の球体、又はプラスチック、金属若しくはセラミックから製作された不規則形状の微粒子が、低コスト充填材として使用されうる。中空の球体の事例では、これらが、マルチコアセルの衝突のシナリオ中にエネルギー吸収用の追加の手段を提供することになる。特殊な事例では、支持部材がアルミニウム発泡体である。別の特殊な事例では、支持部材が、アルミニウム密度10%から25%の高密度アルミニウム発泡体である。さらに別の特殊な事例では、アルミニウム発泡体の気孔が、1mmより小さい平均直径を有する。
【0065】
MCバッテリが、並列に配列されたコア部材のみを有する事例の場合、コア部材が、出力に対して最適化された一つ以上のコア部材と、エネルギーに対して最適化された一つ以上のコア部材とを含むことができる。別の特殊な事例では、MCバッテリが、一定の材料を使用したアノード又はカソードをもついくつかのコア部材と、別個の材料を使用したアノード及びカソードを利用する他のコア部材とを有することができる。さらに別の特殊な事例では、アノード又はカソードが、別個の厚さの電極を有することができる。電極の厚さ、カソード若しくはアノード活性材料、又は電極の配合を変化させた任意の組合せは、バッテリのエネルギー対出力比を合わせる目的で、平行な列で組み合わされうる。いくつかのコア部材は、急な出力パルスに耐えるように構成されうるが、他のコア部材は、高エネルギー内容物を有しながら、高エネルギー貯蔵用に最適化され、したがって高出力パルスに対処することができるバッテリを提供することができる。ただし、コア部材が、選択された化学的性質のために電圧ウィンドウ中で化学的安定性をもたらすように、電気化学的に適合する化学的性質を有することは重要である。
【0066】
例えば、4.2Vの上位電位が使用され、約2Vから2.5Vの下位電位である限り、LiCoO
2カソードは、LiNi
0.8Co
0.15Al
0.05O
2カソードと適合することができるが、電位が4.2Vを超える例えば4.3Vになるとき、例えば、マグネシウムドープのLiCoO
2材料は、NCA材料がより高い電圧でディグレードするので、NCA材料と適合しないであろう。ただし、後者の例では、二つの材料が、上位電位が4.2Vに制限される限りは混合されうる。正確な電圧範囲で混合のカソード材料を使用することが本発明の目的であり、本発明者は、特に高エネルギー又は高出力に有用な一定の組合せを見出し、以降本明細書で詳述する。
【0067】
出力及びエネルギーの最適化は、導電性を増大させるためにより高度な導電性添加物を使用するなど、どちらも電極の配合を調整することによって、又は別個の厚さの電極を使用することによって、行われる。加えて、エネルギーコアが、活性材料の1セット(カソード及びアノード)及び出力コアの別のタイプの材料を有することができる。この方法を使用するとき、変質を防止するために、材料が、2.5V〜4.2V、又は高電圧の組合せの事例では2.5V〜4.5Vなどの電圧範囲に適合したものが好ましい。高位電圧は、4.2Vを超えることを特徴とし、典型的にはLiイオンマルチコアバッテリの絶縁したコア部材ごとに5Vより低い。
【0068】
以下で、本発明に関する使用されるアノード、カソード、セパレータ及び電解質について説明する。
【0069】
アノード
これらのコア部材のアノードは、グラファイト、ドープカーボン、ハードカーボン、アモルファスカーボン、シリコン(カーボンを含むシリコンナノ粒子又はSiピラー又は分散シリコンなど)、スズ、スズ合金、Cu
6Sn
5、Li、金属箔基板上に溶着したLi、Liを含むSi、グラファイト中のLi金属粉末の混合物、リチウムチタン酸塩、及びこれらの任意の混合物などの、Liイオン又はLiポリマーバッテリで通常見られるものであり、文献で説明されている。アノードの供給者には、例えば、モーガンカーボン(Morgan Carbon)、日立化成、日本カーボン、BTRエナジー(BTR Energy)、JFEケミカル、シャンシャン(Shanshan)、タイワンスチール(Taiwan Steel)、大阪ガス、コノコ(Conoco)、FMCリチウム、三菱化学株式会社などが含まれる。本発明は、いずれかの特定のアノード化合物に限定されない。
【0070】
カソード
ゼリーロール用に使用するカソードは、この業界では標準であるもの、また、以下により詳細に説明するいくつかの新たな高電圧混合物もある。これらの新たなカソードが、MC構造で又は単一のセルバッテリで使用されてよく、アノード/カソード構造が、密封金属キャニスタ又は密封ポリマーバッグ中に含まれる。この業界では利用可能なカソード材料が豊富なので、本明細書ではそれぞれの材料グループに関して材料の部類を「化合物(Compounds)」と呼び、それぞれの化合物は、成分の範囲を有することができ、結晶構造、化学組成、電圧範囲の適合性、又は材料成分及び傾斜の変化の類似性に因り、グループ化される。適した個々の材料の例は、Li
xCoO
2(化合物Aと呼ぶ)と、Li
xM
zCo
wO
2(化合物B、式中MがMg、Ti及びAlから選択され、結晶格子中でCo又はLiを部分的に置換し、範囲Z=0〜5%で加えられ、4.2Vより高い充電に適して、典型的にWが1に近い)と、Li
xNi
aMn
bCo
cO
2(特に約a=l/3、b=l/3、c=l/3の組合せ(化合物C)及びa=0.5、b=0.3、c=0.2(化合物D)、そのMg置換化合物(両方の化合物Eにグループ化される))である。
【0071】
別の例は、Li
xNi
dCo
eAl
fO
2(化合物F)及びそのMg置換誘導体Li
xMg
yNi
dCo
eAl
fO
2(化合物G)であり、式中、特殊な事例では、d=0.8、e=0.15、f=0.05、ただしd、e、及びfは、数パーセント変化することができ、yは、0から0.05までの範囲である。さらに個々のカソード材料の別の例は、Li
xFePO
4(化合物H)、Li
xCoPO
4(化合物I)、Li
xMnPO
4(化合物J)、及びLi
xMn
2O
4(化合物K)である。これらの全ての化合物では、典型的に過剰なリチウムが見られる(x>l)が、Xは約0.9から1.1まで変化させることができる。4.2Vを超えて充電されるとき、高容量を有する高電圧に特に適した材料の分類は、例えば、サッカレー(Thackeray)他による米国特許第7,358,009号で説明されている、いわゆるレイヤードレイヤード材料(化合物L)であり、BASF及び戸田工業株式会社から購入可能である。
【0072】
サッカレー(Thackeray)により最初に説明された化合物は、4.2Vを超える電圧で安定して作製されうる。これらのカソードのいくつかは、4.2Vを超える高電圧(アノードにグラファイトを使用した標準的な最高電圧)で安定し、好ましくはこれらの材料が混合されうる。上記の材料のうちの一つが本発明で使用されうるが、B、C、D、E、F、G、I、J及びLから選択された材料化合物のうち二つ以上を混合することが好ましい。特に、化合物B、D、F、G及びLの二つ以上の成分の混合が好ましい。非常に高いエネルギー密度構成の場合、(BとL)又は(BとG)又は(GとL)の混合が、最も有益であり、これらが薄膜電極として作製されるとき、高出力も達成されうる。薄膜(出力)及び厚膜(エネルギー)電極は、同一の適した電圧範囲及び化学的性質を有しながら、エネルギー対出力比を合わせるためにコア部材に入れることができる。
【0073】
特定の新たなカソード、いわゆるコアシェル傾斜(CSG)材料(化合物Mと呼ぶ)は、そのシェルと比較してそのコアに異なる成分を有する。例えば、エコプロ(Ecopro(ウェブサイトwww.ecopro.co.kr又は(http://ecopro.co.kr/xe/?mid=emenu31、2010年10月1日現在)又は特許出願及び登録PCT/KR2007/001729(PCT)(2007)は、これらの製品文献のこうした化合物M材料についてxLi[Ni
0.8Co
0.1Mn
0.1]O
2(l-x)Li[Ni
0.46Co
0.23Mn
0.31]O
2の「CSG材料」(コアシェル傾斜)を説明し、また、別のMタイプ化合物も、ElectrochimicaActaの55巻28号の8621〜8627頁でY-Kサン(Y-K Sun)によって説明され、Mタイプ化合物の第3の説明については、ネイチャーマテリアルズ8(2009)の320〜324頁(YKサン他による記事)で見ることができ、これは、類似の成分のCSG材料を説明しているが、化学式はバルク=Li(Ni
0.8Co
0.1Mn
0.1O
2、傾斜濃度=Li(Ni
0.8-xCo
0.1+yMn
0.1+z、式中0≦x≦0.34、0≦y≦0.13及び0≦z≦0.21、及び表層=Li(Ni
0.46Co
0.23Mn
0.31)O
2、である。第4の説明は、特許、国際公開2012/011785A2号(「785A2」特許)で見つけることができ、Li
x1[Ni
1-y1-z1-w1Co
y1Mn
z1M
w1]O
2(この化学式では、式中0.9≦xl≦1.3、0.1≦yl≦0.3、0.0≦zl≦0.3、0≦wl≦0.1、及びMが、Mg、Zn、Ca、Sr、Cu、Zr、P、Fe、Al、Ga、In、Cr、Ge及びSnから選択された少なくとも一つの金属である)と説明される化合物Mの変異体の製造、及び、化合物Li
x2[Ni
1-y2-z2-w2Co
y2Mn
z2M
w2]O
2(外部分の化学式は、式中0.9≦x2≦l+z2、0≦y2≦0.33、0≦z2≦0.5、0≦w2≦0.1、及びMが、Mg、Zn、Ca、Sr、Cu、Zr、P、Fe、Al、Ga、In、Cr、Ge及びSnから選択された少なくとも一つの金属である)を含む外部分について説明している。化合物Mの変異体の四つ全ての範囲は、本発明の様々な態様で使用される化合物Mの参照により、本明細書に組み込まれる。
【0074】
M化合物が、約1だが数パーセント以内変化しうるLi内容物をさらに有することができ、Li又はNi/Mn/Co化合物が、最適化によってMg、Al及び第1列遷移金属に置換されることが好ましく、また、Liイオンバッテリ中で使用するために、上記で説明した一つ以上のこれらのM化合物に化合物B、C、D、E、F、G、Lを混合することが好ましい。コア化合物M材料が、90%までのニッケル、最低5%のコバルト及び40%までのMnを含むことができ、次いで、傾斜が、最低10%のNi、90%のコバルト及び50%のMnに対するこれらの境界の成分のうちの一つからなることが見込まれる。
【0075】
一般に、高出力は、アノード及びカソード用に、本発明の範囲で説明される化合物又は混合物の薄膜電極を使用することによって達成されうる。厚膜電極は、アルミニウム箔からの電極コーティング層の厚さを測定するとき、典型的には厚さ60μmより厚く約200μmまでと考えられているが、より薄い電極(すなわち、60μm未満)が、高出力Liイオンバッテリ構成にとってはより良い。高出力の場合、典型的に、電極の導電性をより強くするために、より多くのカーボンブラックの添加物が、その電極の配合で使用される。カソード化合物は、ユミコア(Umicore)、BASF、戸田工業株式会社、エコプロ、日亜化学工業株式会社、MGL、シャンシャン(Shanshan)及び三菱化学株式会社などのいくつかの材料供給者から購入されうる。化合物Mは、エコプロから入手可能であり、(xLi[Ni
0.8Co
0.1Mn
0.1]O
2(l-x)Li[Ni
0.46Co
0.23Mn
0.31]O
2]などのCSG材料としてこれらの製品説明書で説明され、及び別のMタイプの化合物も、ElectrochimicaActaの第55巻28号の8621〜8627頁で、Y-Kサン(Y-K Sun)により説明され、これらの全ては、好ましくは上記で説明した化合物を用いて混合される。
【0076】
二つ以上の化合物を混合して高電圧のカソードになるような化合物A〜Mが、好ましくは表面改質剤でコーティングされうる。表面改質剤が使用されるとき、必須ではないが、それぞれの化合物が同一の表面改質剤を用いてコーティングされることが好ましい。表面改質剤は、カソード混合物の第1のサイクル効率及びレート特性を増大させる助けとなる。さらに、有用な寿命が、表面改質材料を添加することで改善される。表面改質剤の例は、Al2O3、Nb2O5、ZrO2、ZnO、MgO、TiO2、AlF3などの金属フッ化物、金属リン酸塩AlPO4及びCoPO4である。こうした表面改質化合物は、先の文献[J.リュー(Liu)他、ジャーナルオブマテリアルズケミストリ20(2010)3961〜3967;S.T.ミャン(Myung)他、ケミストリオブマテリアルズ17(2005)3695〜3704;S.T.ミャン(Myung)他、ジャーナルオブフィジカルケミストリC111(2007)4061〜4067;S.T.ミャン(Myung)他、ジャーナルオブフィジカルケミストリC1154(2010)4710〜4718;BCパーク(Park)他、ジャーナルオブパワーソース178(2008)826〜831;J.チョウ(Cho)他、ジャーナルオブエレクトロケミカルソサイエティ151(2004)A1707〜A1711]で説明されているが、今まで4.2Vを超える電圧で混合されたカソードと併せて報告されたことはない。特に、4.2Vを超える動作のために表面改質化合物B、C、D、E、F、G、L及びMを混合することは、有益である。
【0077】
カソード材料は、結合剤及びケッチェンブラックなどのカーボンブラック、又は他の導電性添加物と共に混合される。NMPは、典型的に結合剤を溶解するために使用され、PVDFは、Liイオン用の好ましい結合剤であるが、Liポリマータイプは、他の結合剤を有することができる。カソードスラリーは、混合されて安定した粘度になるが、当業者にはよく知られている。上記で説明した化合物A〜M及びその混合物は、本明細書ではときにまとめて「カソード活性材料」と呼ぶ。同様にアノード化合物は、アノード活性材料と呼ぶ。
【0078】
カソード電極は、例えば、約94%カソード活性材料と、約2%カーボンブラックと、3%PVDF結合剤とで、上記の化合物A〜Mの混合物又は個々の化合物などのカソード化合物を混合することによって製作されうる。カーボンブラックは、ケッチェンブラック、スーパーP、アセチレンブラック、及び、アクゾノーベル、ティムカル及びキャボットなどの複数の供給者から入手可能な他の導電性添加物とすることができる。スラリーは、NMP溶剤を用いてこれらの成分を混合させることによって作り出され、次いでスラリーは、約20μm厚さのアルミニウム箔の両側にコーティングされ、望ましい厚さ及び面積重量で約100〜130℃で乾燥される。次いで、この電極は、ロールによって望ましい厚さ及び密度にカレンダ加工される。
【0079】
アノードは、同様に準備されるが、ただし、グラファイトの事例では約94〜96%アノード活性材料が典型的に使用され、一方PVDF結合剤は4%である。ときには、SBR結合剤がCMCと混合されたカソード用に使用され、このため、典型的に、約98%のアノード活性材料の相対的に高い量の結合剤のタイプが使用されうる。ときには、レート特性を増大させるために、アノード用にカーボンブラックが使用されうる。アノードは、約10μmの銅箔上にコーティングされる。
【0080】
当業者は、上記で説明した機能的電極用の成分を混合することが容易にできるはずである。
【0081】
充電及び放電中の電極の膨張を制限するために、任意選択で、PE、PP及びカーボンのファイバー材料が、電極配合に追加されうる。他の膨張の技術は、電極配合のSiO
2、TiO
2、ZrO
2又はAl
2O
3などの不活性セラミック粒子を使用する。一般に、カソードの密度は、3g/cm
3から4g/cm
3、好ましくは3.6g/cm
3から3.8g/cm
3であり、グラファイトアノードは1.4g/cm
3から1.9g/cm
3、好ましくは1.6g/cm
3から1.8g/cm
3であり、これは押圧によって達成される。
【0082】
セパレータ
セパレータは、アノード電極とカソード電極との間に挿入された電気絶縁膜である必要があり、Liイオンの高透過性、並びに高い引張り強度、横断方向強度及び貫通強度を有するべきである。典型的には、細孔サイズが0.01μmから1μmであり、厚さが5μmから50μmである。典型的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)又はPP/PE/PP構造などの不織布ポリオレフィンのシートが、使用される。典型的にAl2O3からなるセラミックが、熱による収縮を改善し、内部短絡の保護を改善するために膜上に塗布されうる。さらにカソード又はアノードが、同様にセラミックを用いてコーティングされうる。セパレータは、セルガード(Celgard)、SK、宇部興産、旭化成、東燃/エクソン及びダブルスコープを含む業界の複数の供給者から入手されうる。
【0083】
電解質
電解質は、典型的に溶剤及び塩類を包含する業界で見つけられる。溶剤は、典型的に、DEC(炭酸ジエチル)、EC(エチレンカーボネート)、EMC(エチルメチルカーボネート)、PC(プロピレンカーボネート)、DMC(ジメチルカーボネート)、1,3ジオキソラン、EA(エチルアセテート)、テトラヒドロフラン(THF)から選択される。塩類は、LiPF
6、LiClO
4、LiAsF
6、LiBF
4、またLiCFS03、LiN(CF3SO2)2、LiN(CF3CF2SO2)2を含む電解質で使用される化合物を含む硫黄若しくはイミド、又はEC/EMC/DMC(比1:1:1)及び1M LiPF6などの予混合電解質を介してSO
2を発泡することによるプレーンなスルホン化物から選択される。他の塩類は、LiBOB(リチウムビスオキサレートボラート)、TEATFB(テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボラート)、TEMABF4(トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボラート)である。有効なSEI形成、気体生成、難燃特性又は酸化還元シャトリング能力のための添加物も使用され、これにはBP(ビフェニル)、FEC、ピリジン、亜リン酸トリエチル、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、六リン酸トリアミド、硫黄、PS(プロピレンサルファイト)、ES(エチレンサルファイト)、TPP(リン酸トリフェニル)、アンモニウム塩、四塩化炭素又は三フッ化エチレンなどの溶剤を含むハロゲン、また付加的には高温保存特性を改善するためにCO2気体が含まれうる。固体/ゲル又はポリマー電解質の場合、PVDF、PVDF-HFP、EMITFSI、LiTFSI、PEO、PAN、PMMA、PVC、これらポリマーの混合物いずれかが、ゲル電解質を提供するために他の電解質成分と共に使用されうる。電解質の供給者には、チェイル(Cheil)、宇部興産、三菱化学株式会社、BASF、株式会社富山、Guotsa-Huasong及びノボライトが含まれる。
【0084】
スーパーキャパシタ(電気化学二重層を有するもの)と標準のLiイオンバッテリとの両方用に働く電解質がある。これらの電解質の場合、一つ以上のスーパーキャパシタコアが、容器中の一つ以上の定型的なLiイオンコア部材と混合されて、その結果スーパーキャパシタ構成要素が、出力作用物質として、Liイオンコア部材がエナジーハーベスティング作用物質として働く。
【0085】
例
この例では、
図1に示すMCバッテリ構成のように、ただし多くのコア部材の半分のみを用いて、円筒形状の五つのゼリーロールタイプのコア部材のセットが、二つの共通のバスバー(正極及び負極)に並列に接続される。負極のコネクタは、ゼリーロールのアノード箔(銅)から延在するタブに接続され、コーティングされたグラファイト電極を有し、また、ゼリーロールのカソード箔(アルミニウム)への正極のコネクタは、化合物M及び化合物Fの混合酸化電極構造を有する。ニッケルから作製されたアノードタブ及びアルミニウムから作製されたカソードタブは、スポット溶接又はレーザ溶接技術を使用してバスバーに溶接される。容器及び支持部材は、プラスチック材料(ポリエチレン)から作製される。この例の場合、直径18mmの円筒形キャビティ及びわずかに短い直径(17.9mm)のゼリーロールコア部材が、使用された。容器及び蓋は、共に超音波溶接されたプラスチック材料から作製され、それによって密閉封止を作り出す。
【0086】
当業者は、上記で説明したコア部材の特性を選択及び変更し、高エネルギー又は高出力のコアを達成することができる。以下に示す表に、三つの例の概略を示し、ここでは、上記で説明した五つのコア部材の例のコア成分を変化させ、MCバッテリの別個の特性が達成されうる。
【0088】
本発明は、趣旨又はその基本的な特性から逸脱することなく、他の特定の形状で実施されうる。したがって、本実施形態は、例証として考慮されるものであり限定するものではない。