特許第6674573号(P6674573)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 有限会社亜細亜建設の特許一覧

<>
  • 特許6674573-融雪装置 図000002
  • 特許6674573-融雪装置 図000003
  • 特許6674573-融雪装置 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6674573
(24)【登録日】2020年3月10日
(45)【発行日】2020年4月1日
(54)【発明の名称】融雪装置
(51)【国際特許分類】
   E01H 5/10 20060101AFI20200323BHJP
【FI】
   E01H5/10 C
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-42018(P2019-42018)
(22)【出願日】2019年3月7日
【審査請求日】2019年4月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513238833
【氏名又は名称】有限会社亜細亜建設
(74)【代理人】
【識別番号】100130823
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 誠一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀夫
【審査官】 湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−104427(JP,U)
【文献】 特開平9−316843(JP,A)
【文献】 特開2001−303528(JP,A)
【文献】 特開2004−278042(JP,A)
【文献】 特開2008−75291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01H 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雪を投入する投入口を地表に設け、タンク本体を地中に埋め込む温水貯蔵タンクと、温水貯蔵タンク内に、温水貯蔵タンクの排水口に連結して設けられ、雪の投入により貯水の水位が上昇した場合に貯水を排水する高さが異なる2つの排水管を備え、雪の投入前のタンク本体は、低い位置にある排水管まで貯水されているものであり、雪の投入により低い位置にある排水管に流れ込む排水の水量を制限することにより、雪の投入により上昇するタンク本体の水位が低い位置にある排水管から高い位置にある排水管まで上昇するまで温水の排水を制限することを特徴とする融雪装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷地内に盛られる雪を融雪するための融雪装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
豪雪地帯では、冬季間の交通安全を確保するため除排雪作業(雪処理対策)を実施している。例えば、住宅敷地内の雪を道路に放置する行為は、除排雪作業を遅延させ、また交通安全上危険な行為である。したがって、敷地内の雪は指定された雪捨場へ搬入する必要がある。
しかし、雪捨場へ雪を搬入するには、労力を要し、また運搬費用等の経費がかかるという問題があった。
【0003】
そこで、従来、コストを抑えることができる融雪処理装置が提供されていた(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平1−299908号公報
【0005】
特許文献1の融雪処理装置は、地表部に雪投入槽を地熱を吸収できる状態に埋設し、雪投入槽の上部に開閉蓋付の雪投入口を設け、側壁上部に排水溝に通じる排水管を設け、雪投入槽の上部に散水装置を設け、散水装置より雪投入槽内の融雪水を散水する循環ポンプを雪投入槽内に設け、雪投入槽の底部にエアー噴出管を設けたものである。これにより、水源が不要となり、ボイラー電熱ヒーティング等の熱源利用の融雪装置に比べ、イニシャルコスト、ランニングコストが著しく安価にできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の融雪処理装置は、雪投入槽内の融雪水を用いて融雪するものであり、雪投入槽に投入した雪に融雪水を散水して融雪するものである。
しかし、散水において騒音が発生し、住宅地における融雪処理装置の使用は近隣の住民に迷惑がかかるおそれがあった。また、融雪水を用いた融雪であることから、融雪作業に時間を要していた。
【0007】
本発明は、融雪時に音が発生せず、時間がかからない融雪ができる融雪装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の融雪装置は、雪を投入する投入口を地表に設け、タンク本体を地中に埋め込む温水貯蔵タンクと、温水貯蔵タンク内に、温水貯蔵タンクの排水口に連結して設けられ、雪の投入により貯水の水位が上昇した場合に貯水を排水する高さが異なる2つの排水管を備え、雪の投入前のタンク本体は、低い位置にある排水管まで貯水されているものであり、雪の投入により低い位置にある排水管に流れ込む排水の水量を制限することにより、雪の投入により上昇するタンク本体の水位が低い位置にある排水管から高い位置にある排水管まで上昇するまで温水の排水を制限するようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の融雪装置を用いて融雪作業を行う場合、温水貯蔵タンクの温水で融雪することから、融雪時に音が発生することはない。また、融雪作業開始時のタンク内の水位から高い位置にある排水管まで水位が上昇する時間は、タンク内の温水は排水されないため、融雪に時間がかからない。
また、本発明の融雪装置により、住宅敷地内等の雪を道路に放置する必要もなく、また雪捨場に搬入する必要もなくなることから、雪捨場へ搬入する労力及び運搬費用等の経費を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の融雪装置の構造を表わす図である。
図2図1の融雪装置の比較例を表わす図である。
図3】本発明の融雪装置の他の実施形態を表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、敷地内の雪かき作業を容易にすることを実現するものである。
【実施例】
【0012】
本発明の融雪装置を図に基づいて説明する。図1は、本発明の融雪装置の構造を表わす図である。図2は、図1の融雪装置の比較例を表わす図である。
本発明の融雪装置は、雪を投入する温水貯蔵タンクと、温水貯蔵タンク内に高さが異なる2つの排水管を備え、低い位置にある排水管に流れ込む水量を制限するものである。
図1の融雪装置10は、雪12を投入する温水貯蔵タンク14と、温水貯蔵タンク14の側面に高さが異なる2つの排水口16,18とを備え、各排水口16,18に温水貯蔵タンク14内に向けて排水管20,22が連結されている。排水口16,18に連結する排水管20,22は、高さが異なるように設けられている。図1において、高い位置にある排水口16に連結する排水管20は、低い位置にある排水口18に連結する排水管22より高い位置に設けられている。
なお、排水される温水貯蔵タンク14内の貯水14aは、排水管20,22を通じて外部(排水溝24)に排出される。また、温水貯蔵タンク14内の排水管20,22の先端開口部20a,22aは、排水口16,18より低い位置に配置されている。
【0013】
温水貯蔵タンク14は、地表26に雪12の投入口である開閉可能な蓋14bが設けられ、タンク本体14cは地中28に埋め込まれている。温水貯蔵タンク14内の底には、ヒートポンプ30の配管30aが敷設されており、温水貯蔵タンク14内の貯水14aを温水にできるようになっている。また、温水貯蔵タンク14の蓋14bの裏面及びタンク本体14cの内壁は断熱材で覆われているものとする(図示せず)。
ヒートポンプ30の稼働時間は深夜電力の利用時間帯とする。これにより、ランニングコストを軽減することができる。なお、温水貯蔵タンク14の貯水14aは、深夜電力を使用し、40℃程度の温水にすることができる。また、稼働時のヒートポンプ30から発する音は40dB〜45dB程度であり、騒音トラブルになることはない。
本発明において、融雪作業中(深夜電力を利用できない時間帯)は、貯水14aを温水化できないものとする。
【0014】
温水貯蔵タンク14内には、高さが異なる2つの排水管20,22が備えられている。また、低い位置にある排水管22に流れ込む水量は制限されている。図1では、低い位置にある排水管22の先端開口部22aは小さい穴を複数設けた蓋32で閉じられており。排水管22の先端開口部22aに流れ込む水量を制限している。したがって、雪12の投入に伴い温水貯蔵タンク14内の水位が増しても、低い位置にある排水管22から排水されない、もしくは。排水されてもその水量は少量となるようになっている。
なお、雪12の投入前の温水貯蔵タンク14内の温水14aは、低い位置にある排水管22を連結する排水口18の位置まで貯水されている。
【0015】
図2の融雪装置34は、温水貯蔵タンク14内に1つの排水管34aを備えるものである。雪12の投入前の温水貯蔵タンク14内の温水14aは、排水管34aを連結する排水口34bの位置まで貯水されている。図2の融雪装置34では、雪12を投入すると温水貯蔵タンク14内の水位が上がり、同時に温水貯蔵タンク14内の温水14aは排水管34aを通じて外部(排水溝24)に排水される。したがって、投入される雪12が温水貯蔵タンク14内で融ける前に、温水貯蔵タンク14内の温水14aが排水されるため、雪12を投入する前の融雪装置34の融雪能力は十分発揮できない。なお、図1と同じ参照番号の構成部は、図1の構成部と同じであるため、詳細な説明は省略する。
これに対し、図1の融雪装置10では、雪12の投入時に温水貯蔵タンク14内の水位が上がっても、高い位置にある排水管20が連結する排水口16の位置まで水位が上昇する時間Tは、温水貯蔵タンク14内の温水14aは低い位置にある排水管22を通じて外部(排水溝24)に排水されない、また排出されてもその水量は少量となる。すなわち、雪12の投入と排水にタイムラグT(時間差)が発生する。したがって、高い位置にある排水管20まで水位が上昇するまでの時間Tは、温水貯蔵タンク14内の温水14aを無駄にすることなく、融雪に利用することができる。このように、雪12の投入と排水にタイムラグT(時間差)を発生させることにより、融雪装置10の融雪能力低下を防止でき、時間をかけることなく投入する雪を融雪することができる。
また、融雪作業時は、ヒートポンプ30は稼働していないことから、作業中の騒音は発生しない。
【0016】
図3は、本発明の融雪装置の他の実施形態を表わす図である。図3の融雪装置36は、図1の融雪装置10の排水口16,18を一つにした排水口38に連結する排水管を温水貯蔵タンク14内で分岐したものである。温水貯蔵タンク14内において分岐された2つの排水管40,42は高さが異なるように設けられている。また、低い位置にある排水管42に流れ込む水量は制限されている。図1の融雪装置10と同様、低い位置にある排水管42の先端開口部42aは小さい穴を複数設けた蓋32で閉じられており。排水管42の先端開口部42aに流れ込む水量を制限している。したがって、雪12の投入に伴い温水貯蔵タンク14内の水位が増しても、低い位置にある排水管42から排水されない、もしくは。排水されてもその水量は少量となるようになっている。これにより、雪12の投入と排水にタイムラグTを発生させることができ、融雪装置36の融雪能力低下を防止でき、時間をかけることなく投入する雪を融雪することができる。
なお、雪12の投入前の温水貯蔵タンク14内の温水14aは、低い位置にある排水管42を連結する排水口38の位置まで貯水されている。また、排水される温水貯蔵タンク14内の貯水14aは、排水管40,42を通じて外部(排水溝24)に排出される。温水貯蔵タンク14内の排水管40,42の先端開口部40a,42aは、排水口38より低い位置に配置されている。
上記以外は、図1の融雪装置10と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0017】
本発明の融雪装置は、住宅などの敷地内に設置するのに適したものである。一度に多くの雪を解かすというよりは、こまめに例えば毎日少しずつ融雪を行う事で、雪捨場への搬入、敷地内の雪の山積みを解消し、雪国の日常生活を安全に苦労なく生活できるようにすることが本発明により可能になる。
【符号の説明】
【0018】
10、36 融雪装置
12 雪
14 温水貯蔵タンク
16、40 排水管
18、42 排水管

【要約】      (修正有)
【課題】融雪時に音が発生せず、時間がかからない融雪ができる融雪装置を提供する。
【解決手段】融雪装置10は、雪12を投入する温水貯蔵タンク14と、温水貯蔵タンク14内に高さが異なる2つの排水管20,22を備え、低い位置にある排水管22に流れ込む水量を制限するものである。融雪装置10では、雪12の投入時に温水貯蔵タンク14内の水位が上がっても、高い位置にある排水管20が連結する排水口16の位置まで水位が上昇する時間Tは、温水貯蔵タンク14内の温水14aは低い位置にある排水管22を通じて排水溝24に排水されない、また排出されてもその水量は少量となる。雪12の投入と排水にタイムラグTを発生させることにより、融雪装置10の融雪能力低下を防止でき、時間をかけることなく投入する雪を融雪することができる。また、融雪作業時は、ヒートポンプ30は稼働していないことから、作業中の騒音は発生しない。
【選択図】図1
図1
図2
図3