(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記デブリ除去ウィングが、前記本体部の前記第1の側部に配設されている少なくとも1つのエアキャスターをさらに備えており、少なくとも1つの前記エアキャスターが、前記第2の空気出口部からの前記加圧空気の前記第2の部分の少なくとも一部分を受容し、前記目標ソーラーモジュールの前記動作表面に向けて方向付けるように構成されており、これにより、前記目標ソーラーモジュールの前記動作表面に近接した状態で前記デブリ除去ウィングを少なくとも部分的に浮揚させる、請求項1に記載のシステム。
前記デブリ除去ウィングは、前記本体部の前記先端部から前記前縁方向に延在する少なくとも1つの延在部材をさらに含み、少なくとも1つの前記延在部材は、前記ソーラーモジュールの前記動作表面から離れるように湾曲した遠位端部を有している、請求項1又は2に記載のシステム。
前記デブリ除去ウィングは、前記本体部に取り付けられているフラップをさらに含み、前記フラップは、遮断位置と後退位置との間に調節可能になっており、前記遮断位置は、前記本体部の前記先端部を越えて延在し、前記ソーラーモジュールアレイの前記作業部分のソーラーモジュールの動作表面からのデブリの吹き戻しを遮断し、前記後退位置は、前記デブリ除去ウィングの前記本体部に沿って延在している、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシステム。
前記デブリ除去ウィングは、エアプレナムをさらに含み、前記エアプレナムは、前記空気入口部、前記第1の空気出口部、及び前記第2の空気出口部に流体連通している、請求項1〜12のいずれか一項に記載のシステム。
前記加圧空気の前記第1の部分の前記吹き出し方向は、前記ソーラーモジュールアレイの前記作業部分のソーラーモジュールの動作表面に対して垂直の第2のベクトル成分を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載のシステム。
前記本体部の前記第1の側部に配設されている少なくとも1つのエアキャスターをさらに含み、少なくとも1つの前記エアキャスターは、前記第2の空気出口部からの前記加圧空気の前記第2の部分の少なくとも一部分を受容し、前記目標ソーラーモジュールの前記動作表面に向けて方向付け、前記目標ソーラーモジュールの前記動作表面に近接して前記デブリ除去ウィングを少なくとも部分的に浮揚させるように構成されている、請求項16に記載のデブリ除去ウィング。
前記本体部の前記先端部から前縁方向に延在する少なくとも1つの延在部材をさらに含み、少なくとも1つの前記延在部材は、前記ソーラーモジュールの前記動作表面から離れるように湾曲した遠位端部を有している、請求項16又は17のいずれか一項に記載のデブリ除去ウィング。
前記本体部に取り付けられているフラップをさらに含み、前記フラップは、遮断位置と後退位置との間に調節可能になっており、前記遮断位置は、前記本体部の前記先端部を越えて延在し、前記ソーラーモジュールアレイの前記作業部分のソーラーモジュールの動作表面からのデブリの吹き戻しを遮断し、前記後退位置は、前記デブリ除去ウィングの前記本体部に沿って延在している、請求項16〜21のいずれか一項に記載のデブリ除去ウィング。
前記デブリ除去ウィングは、エアプレナムをさらに含み、前記エアプレナムは、前記空気入口部、前記第1の空気出口部、及び前記第2の空気出口部に流体連通している、請求項16〜24のいずれか一項に記載のデブリ除去ウィング。
前記加圧空気の前記第1の部分の前記吹き出し方向は、前記ソーラーモジュールアレイの前記作業部分のソーラーモジュールの動作表面に対して垂直の第2のベクトル成分を含む、請求項16〜25のいずれか一項に記載のデブリ除去ウィング。
前記ソーラーモジュールアレイの前記ソーラーモジュールの動作表面との前記デブリ除去ウィングのアライメントを制御するために、前記デブリ除去ウィングを関節運動させる
ステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
前記デブリ除去ウィングの先端部から延在する少なくとも1つの延在部材を使用して、ソーラーモジュール間のギャップを横切って前記デブリ除去ウィングを横断させるステップをさらに含む、請求項28〜30のいずれか一項に記載の方法。
前記デブリ除去ウィングを前進させる前記ステップは、前記ソーラーモジュールからの前記デブリの少なくとも一部分を前記デブリ除去ウィングの上に方向付けるように構成されており、重力が前記デブリ除去ウィングから前記デブリを滑り落とさせることを可能にする、請求項28〜31のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本開示は、表面からのデブリの除去のためのシステムに関し、とりわけ、ソーラーモジュールアレイのソーラーモジュールからデブリを除去するためのシステムに関する。
【0033】
本開示によれば、システムは、デブリ除去ウィングと、目標ソーラーモジュールに近接してデブリ除去ウィングを支持する支持アームと、支持アームを車両に固定するように構成されている支持ベースと、デブリ除去ウィングに加圧空気を提供する空気供給部とを含む。デブリ除去ウィングは、ソーラーモジュールアレイの作業部分を横切って加圧空気を方向付け、作業部分のソーラーモジュールからデブリを除去する。車両は、ソーラーモジュールのアレイに沿って駆動され、連続的なソーラーモジュールを横切ってデブリ除去ウィングを前進させ、車両が前進するにつれてソーラーモジュールからデブリを除去することが可能である。
【0034】
デブリ除去ウィングは、デブリ除去ウィングの下側側部を通して加圧空気を方向付け、ソーラーモジュールに近接してデブリ除去ウィングを浮揚させ、デブリ除去ウィングの下側側部とソーラーモジュールの動作表面との間の接触を最小化及び/又は回避することが可能である。
【0035】
デブリ除去ウィングは、デブリ除去ウィングの先端部から延在する延在部材を含むことが可能であり、それは、デブリ除去ウィングがソーラーモジュールアレイのソーラーモジュール間のギャップを横断することを可能にする。
【0036】
デブリ除去ウィングは、調節可能なフラップを含むことが可能であり、調節可能なフラップは、ソーラーモジュールから除去されるデブリの吹き戻しを遮断するように構成され得、又は、デブリ除去ウィングの本体部を横切って後退させられ、デブリ除去ウィングを横切って低摩擦表面を提供するように構成され得る。
【0037】
支持アームは、制御アームを含むことが可能であり、制御アームは、動作の間のデブリ除去ウィングとソーラーモジュールアレイとのアライメントを維持するために、ピッチ方向、ヨー方向、及びロール方向のうち1つ以上の方向においてデブリ除去ウィングの調節を可能にする。支持ベースは、支持アームが車両のいずれかの側に位置決めされることを可能にするように回転可能とすることができる。
【0038】
システム及びデブリ除去ウィングの他の特徴及び利点は、より完全に下記に説明されており、下記では、システム及びデブリ除去ウィングの非限定的な実施形式が、以下の図を参照して説明されている。便宜上、参照番号は、同様のコンポーネント又は特徴を示すために(オフセットありで、又は、オフセットなしで)繰り返され得る。
【0039】
図1は、非限定的な実施形式による、ソーラーモジュールアレイのソーラーモジュールからデブリを除去するためのシステム100の斜視図である。システムは、デブリ除去ウィング200、支持アーム150、支持ベース160、及び空気供給部170を含む。
【0040】
また、ソーラーモジュールアレイ110が示されており、ソーラーモジュールアレイ110は、幾つかのソーラーモジュール112を含み、ソーラーモジュール112は、動作表面112Aを有しており、動作表面112Aは、ソーラーエネルギーからパワーを発生させるための傾斜部の上に配向されている。ソーラーモジュール112は、典型的に、水平線から20度〜35度傾けられているが、デブリ除去ウィング200は、さまざまな傾斜のソーラーモジュールアレイ110の上で使用され得るということが企図される。
【0041】
便宜上、ソーラーモジュールアレイ110の幅は、ソーラーモジュール112が配置されている平面におけるソーラーモジュールアレイ110の短い方の寸法を表しており、ソーラーモジュールアレイ110の長さは、長い方の寸法を表している。換言すれば、長さは、
図1に示されているように、前縁方向50に沿ったソーラーモジュールアレイ110の寸法であり、幅は、長さに対して垂直のソーラーモジュールアレイ110の寸法である。逆に、デブリ除去ウィング200の幅は、ソーラーモジュールアレイ110の幅の方向において広がる、デブリ除去ウィング200の寸法を表している。
【0042】
さらに、デブリ除去ウィング200の上部側又は上向き側は、
図1に示されているように、動作時に動作表面112Aから離れる方に面するデブリ除去ウィング200の側を表している。デブリ除去ウィング200の底部側、下向き側、又は下側は、動作時に動作表面112Aに面するように構成されているデブリ除去ウィング200の側を表している。デブリ除去ウィング200の前部端部又は前方端部は、前縁方向50に配向されており、及び/又は、前縁方向50に関して前置している、デブリ除去ウィング200の側を表している。デブリ除去ウィング200の後方端部又は後方向端部は、前縁方向50の反対側に配向されており、及び/又は、前縁方向50に関して後置している、デブリ除去ウィング200の側を表している。
【0043】
システム100は、デブリ、例えば、雪、砂、ダスト、又は他のデブリなどを、ソーラーモジュール112の動作表面112Aから除去するために使用される。動作表面は、太陽光に露出されるように構成されているそれらの表面である。システム100のデブリ除去ウィング200は、動作表面112Aに近接して位置決めされており、ソーラーモジュールアレイ110の作業部分に亘って広がっているということが示されている。
【0044】
本開示では、デブリ除去ウィング200が動作表面112Aに近接しているということは、デブリ除去ウィング200が、ソーラーモジュール112の動作表面112Aの十分に近くにあり、動作表面112Aに沿って加圧空気を使用して、動作表面112Aからデブリを除去することができるが、動作の間に動作表面112Aに連続的に又は実質的に連続的に接触するデブリ除去ウィング200の本体部202(
図3において下記に定義される)を含むほど近くにあるということはないということを意味するように理解されるべきである。より詳細に下記に説明されることになるように、デブリ除去ウィング200は、加圧空気の薄い層又はクッションの上に浮遊することによって、少なくとも部分的に動作表面112Aに近接して維持され得る。幾つかの実施形式では、デブリ除去ウィング200は、動作表面112Aと接触した状態の非摩耗性ブラシの上に乗ることによって、少なくとも部分的に動作表面112Aに近接して維持され得、ここで、非摩耗性は、ソーラーモジュールの性能及び/又は生産性を劣化させることになる程度にその動作表面112Aを引っ掻くか又はその他の方法で損傷させることなく、ソーラーモジュール112の表面に接触するのに適切であるということを意味している。幾つかの実施形式では、デブリ除去ウィング200の本体部202は、動作表面112Aに対して、約20CM、15CM、10CM、5CM、3CM、又は、それよりも近くに、さまざまに維持され得る。
【0045】
本開示では、作業部分という用語は、ソーラーモジュール112を含有するソーラーモジュールアレイ110の部分を表すということが理解されるべきであり、デブリ除去ウィング200は、デブリを除去する際に、ソーラーモジュール112と係合される。より具体的には、作業部分は、デブリ除去ウィング200から送達される加圧空気の範囲にソーラーモジュール112を含む。例えば、本実施形式では、デブリ除去ウィング200は、おおよそソーラーモジュールアレイ110の幅に亘って広がる幅を有し、同様におおよそソーラーモジュールアレイ110の幅に亘って広がる作業部分を提供し、加圧空気の効果的な範囲に従ってソーラーモジュールアレイ110の長さに沿って延在するものとして示されている。しかし、他の実施形式では、デブリ除去ウィング200は、ソーラーモジュールアレイ110の幅よりも小さく広がっていてもよく、ソーラーモジュールアレイ110の幅の断片に対応する、より小さい作業部分を結果として生じさせるということが企図される。幾つかの実施形式では、デブリ除去ウィング200は、ソーラーモジュールアレイ110の幅よりも大きく広がり、ソーラーモジュールアレイ110の幅を完全にカバーすることを維持することが可能であり、ここで、デブリ除去ウィング200の横方向の移動が存在する。幾つかの実施形式では、例えば、デブリ除去ウィング200からの加圧空気が、デブリ除去ウィング200を離れた後に、少なくとも部分的にソーラーモジュールアレイ110の幅を横切って横方向において広がる場合、又は、デブリ除去ウィング200が加圧空気を少なくとも部分的にデブリ除去ウィング200から横方向に方向付けするように構造化されており、加圧空気を少なくとも部分的にソーラーモジュールアレイ110の幅を横方向に横切って方向付けする場合などに、作業部分は、デブリ除去ウィング200の幅よりも幅広くなっている。
【0046】
本開示では、加圧空気という用語は、ソーラーモジュール112からデブリを変位させることができる、十分な圧力、体積フロー、及び速度を有する空気を表すということが理解されるべきである。デブリが雪を含むケースでは、幾つかの実施形式では、デブリ除去ウィング200は、約1500実立方フィート毎分(ACFM)から約2500実立方フィート毎分(ACFM)のレートにおいて、約1.0PSI(ゲージ)から約1.7PSI(ゲージ)の圧力で加圧空気を受容することができる。幾つかの実施形式では、そのような圧力及び流量は、約20馬力から約30馬力を有するモーターによって動力を与えられるブロワー又はそれに類するものによって実現され得る。従って、デブリに向けて方向付けられる加圧空気は、それがデブリ除去ウィング200を離れるときに、約1.0PSI(ゲージ)になっていることが可能である。より高い体積及びより高い圧力の空気が適用されることになる他の実施形式では、デブリ除去ウィング200は、約60馬力から約70馬力又はそれ以上の馬力を有するモーターによって動力を与えられるブロワー又はそれに類するものを使用して、約4000CFM以上のレートにおいて、約3.0PSI(ゲージ)以上の圧力で加圧空気を受容することができる。そのうえ、幾つかの実施形式では、デブリ除去ウィング200を離れる加圧空気は、層流又は実質的に層流に維持される。幾つかの実施形式では、デブリ除去ウィング200によって受容される加圧空気の体積及び圧力は、例えば、ブロワー172のパワー出力を設定することによって、車両60のオペレーターによって調節可能であり得る。
【0047】
デブリ除去ウィング200は、支持アーム150によって、及び、より詳細に下記に議論されている追加的な特徴によって、少なくとも部分的に動作表面112Aに近接して維持されている。デブリ除去ウィング200は、空気供給部170から加圧空気を提供される。加圧空気の一部分は、デブリ除去ウィング200から吹き出し方向51(
図8、
図17)に方向付けられる。幾つかの実施形式では、吹き出し方向51は、動作表面112Aと平行の第1のベクトル成分と、動作表面112Aに対して垂直の第2のベクトル成分とを含む。従って、幾つかの実施形式では、吹き出し方向51は、部分的に動作表面112Aに沿っており、及び部分的に動作表面112Aに向かっていることが可能であり、従って、下記に
図17を参照してより詳細に議論されているように、所定の角度で動作表面112Aに当たっている。幾つかの実施形式では、吹き出し方向51は、動作表面112Aに対して平行以外の方向に第1のベクトル成分を有し、動作表面112Aに対して垂直以外の方向に第2のベクトル成分を有することが可能であり、ここで、吹き出し方向51は、動作表面112Aからデブリを取り除くのに適切な任意の方向である。幾つかの実施形式では、吹き出し方向51は、動作表面112Aに対して平行の第1のベクトル成分を有していないことも可能であり、そのケースでは、吹き出し方向51は、直接的に動作表面112Aに向かうか又は別の方向になることが可能である。
【0048】
支持アーム150は、支持ベース160によって車両60に固定されるように構成されており、また、ソーラーモジュールアレイ110の上方にデブリ除去ウィング200を支持するように構成されており、それによって、前縁方向50への車両60の前進によって、ソーラーモジュールアレイ110に沿って前縁方向50へ前進させられるように、デブリ除去ウィング200を押すか又は引く。幾つかの実施形式では、吹き出し方向51の第1のベクトル成分は、おおよそ前縁方向50と平行になっている。幾つかの実施形式では、吹き出し方向51の第2のベクトル成分は、おおよそ前縁方向50に対して垂直になっている。
【0049】
車両60は、ユーティリティー車両を含むことが可能であり、除雪のケースなどでは、例えば、KUBOTA(商標)RTV X1100C、TOOLCAT(商標)5600、又は、冬の天候及び地形条件において動作するのに適切な別の車両を含むことが可能である。動作の間に、車両60は、ソーラー発電プラントにおいて時々存在するように、起伏の多い地形を横断することが可能であり得る。
【0050】
図2は、前縁方向50の後方からのシステム100の斜視図であり、非限定的な実施形式による、デブリ除去ウィング200、空気供給部170、支持アーム150、及び支持ベース160を示している。
【0051】
支持アーム150は、ソーラーモジュールアレイ110の上方にデブリ除去ウィング200を支持している。本実施形式では、支持アーム150は、十分な長さの構造的な金属、例えば、アルミニウム、ファイバーグラス、又はスチールなどのビームを含み、車両60が、ソーラーモジュールアレイ110と車両60との間にスペースを伴って、デブリ除去ウィング200を支持することができるようになっている。任意の適切な寸法を有し、任意の構造及び/又は材料を含むことが可能な、さまざまなサポートが企図される。本実施形式では、支持アーム150は、より詳細に下記に議論されているように、車両60から遠位に配設されている(及び/又は、車両60から遠位になるように構成されている)支持アーム150の端部において、液圧的な及び/又は電気的なパワーをアクチュエーターに供給するための液圧的な接続部及び/又は電気的な接続部を含む。
【0052】
幾つかの実施形式では、支持アーム150は、その長さに沿って伸縮式になっていることが可能であり、支持アーム150がさまざまな距離まで延在し、ソーラーモジュールアレイ110の上方にデブリ除去ウィング200を位置決めすることを可能にする。
【0053】
支持アーム150は、その遠位端部に制御アーム152を含み、制御アーム152は、
図6Aを参照して下記に議論されているように、デブリ除去ウィング200の調節、制御、及び関節運動を提供する。
【0054】
デブリ除去ウィング200は、支持ベース160から支持アーム150を除去することによって、及び、支持アーム150からデブリ除去ウィング200を除去することによって、部分的に分解され得、それによって、効率的な輸送を可能にする。さらに、支持アーム150は、支持アーム150に沿って少なくとも1つのピボット又はヒンジ(図示せず)を含むことが可能であり、支持アーム150が折り畳まれることを可能にし、車両60との保管のために、又は、車両60との輸送のために、車両60に概して隣接した位置に、又は、車両60の前に、デブリ除去ウィング200を持って行く。
【0055】
支持ベース160は、支点162を含み、支持アーム150は、支点162に固定されている。支点162は、回転可能なベース164に装着されており、回転可能なベース164は、装着ベース168の上に装着されている。回転可能なベース164は、車両60の垂直方向軸線の周りに回転可能であり、車両60の垂直方向軸線は、車両60のホイールによって画定される平面に対して垂直の軸線を表している。回転可能なベース164は、車両60の垂直方向軸線の周りの回転を支点162に提供し、それによって、支持アーム150及びデブリ除去ウィング200を車両60の周りにスイングさせ、車両60のいずれかの側にデブリ除去ウィング200を位置決めすることが可能である。カウンターウェイト166が、支持アーム150に接続され得、接続は、支点162によって支持されており、従って、支持アーム150にカウンターウェイト力を提供する。幾つかの実施形式では、カウンターウェイト力は、液圧アキュムレーターシステムを介して支持アーム150に印加され得る。
【0056】
本実施形式では、回転可能なベース164は、LAZY SUZAN軸受及びキングピンを含む。LAZY SUZAN軸受及びキングピンは、支持ベース160が回転すること、及び、その後に支持アーム150が回転することを可能にし、車両60のいずれかの側にデブリ除去ウィング200を位置決めすることを含む、デブリ除去ウィングの位置決めを可能にする。他の実施形式では、回転可能なベース164は、支持のためのホイールキャスターを有するターンテーブルを含むことが可能である。回転可能なベース164の回転は、回転可能なベース164と装着ベース168との間に取り付けられたロータリーアクチュエーター又はリニアアクチュエーターによって制御され得る。さまざまな回転メカニズムが企図される。幾つかの実施形式では、支持ベース160は、ロータリーモーター、又は、ロータリーモーターによって動力を与えられる旋回リングを含むことが可能である。
【0057】
支持ベース160は、支点162の周りで支持アーム150を垂直方向に昇降させるための、ロータリーアクチュエーター又はリニアアクチュエーターをさらに含むことが可能である。支持アーム150は、ピローブロック又は他のハウジング付き軸受ユニット(HOUSED BEARING UNIT)によって、支点162に取り付けられ得、他のハウジング付き軸受ユニットは、支持アーム150が上下の配向に自由に枢動することを可能にする。従って、システム100の動作時に、デブリ除去ウィング200は、車両60の運動の乱れにかかわらず、ソーラーモジュール112の動作表面112Aに近接したままであることが可能である。リニアアクチュエーター及びピローブロックが説明されているが、デブリ除去ウィング200の垂直方向の支持及び制御を提供するさまざまな機械的な実施形式が企図される。支持アーム150を持ち上げる及び回転させる機能は、さまざまな方式で実現され得、それは、装着ベース168がリフトを提供する方式、又は、回転可能なベース164から独立して、支点162が回転を提供する方式、及び、他の変形例を含むということが企図される。
【0058】
空気供給部170は、ブロワー172及び供給ホース174を含む。ブロワー172は、加圧空気を発生させ、加圧空気は、デブリ除去ウィング200による受容及び使用のために、供給ホース174によって給送されることになる。供給ホース174は、支持アーム150の長さに沿って、さまざまなポイントにおいて支持アーム150と連結され得る。支持アーム150が十分な幅を含む幾つかの実施形式では、供給ホース174は、少なくとも部分的に支持アーム150の内部に配設され得る。さまざまなブロワー及び供給ラインが企図される。
【0059】
ブロワー172は、高圧遠心ブロワーもしくは再生式ブロワーを含むことが可能であり、又は、ディーゼルモーター、ガスモーター、もしくは電気モーターによって動力を与えられる同様のものを含むことが可能であり、又は、車両60の液圧システムによって駆動される液圧モーターによって動力を与えられるブロワーを含むことが可能である。幾つかの実施形式では、ブロワー172は、約3600の平均動作毎分回転数(RPM)を有することが可能である。
【0060】
幾つかの実施形式では、ブロワー172は、回転可能なベース164の上に装着され得る。しかし、他の実施形式では、ブロワー172は、装着ベース168の上に装着され得るか、支持ベース160の上の他の場所に装着され得るか、又は、車両60の上の他の場所に装着され得る。
【0061】
幾つかの実施形式では(図示せず)、支持アーム150は、その長さに沿ってよじられ、より好ましい構造的強度をそれに付与することが可能である。よじることは、支持アーム150と車両60との間のクリアランス、又は、支持アーム150と供給ホース174との間のクリアランスを提供することが可能である。
【0062】
図3及び
図4は、非限定的な実施形式によるデブリ除去ウィング200の斜視図を示している。デブリ除去ウィング200は、本体部202を含み、本体部202は、軽量の構造材料の骨組構造体を含むことが可能である。
【0063】
本体部202は、上部パネル204及び底部パネル206(
図5)、ならびに、本体部202を形成するサイドパネルを含む。上部パネル204及び底部パネル206は、それらの雪との低い表面摩擦のために、限定されるものではないが、ファイバーグラスもしくは炭素繊維複合材、超高分子量ポリエチレン(UHMW)、又は高密度ポリエチレン(HDPE)を含む、材料から形成され得る。しかし、シートメタル、アルミニウム、もしくは処理済み木材シート、又は、そのようなものの組み合わせを含む、低い表面摩擦を有する他の軽量の構造材料も企図される。幾つかの実施形式では、サイドパネル及び底部パネル206は、デブリ除去ウィング200がソーラーモジュールアレイ110と適正に整合させられていない場合に、デブリ除去ウィング200とぶつかることからソーラーモジュール112を保護するために、軟質の詰め物材料(図示せず)又は非摩耗性ブラシ(図示せず)の中に被覆され得る。
【0064】
幾つかの実施形式では、本体部202は、ファイバーグラスモールド又は他の複合材料モールドを含む、マルチパーツモールドから形成され得る。
【0065】
デブリ除去ウィング200は、上部パネル204に固定されたマウント210を含み、マウント210は、装着プレート212を有しており、装着プレート212は、支持アーム150と接続するために、マウント210に溶接されているか又はその他の方法で締結されている。マウント210は、アルミニウムによって形成され得るが、他の軽量で強力な滑らかな材料も企図される。
【0066】
デブリ除去ウィング200の本体部202は、先端部242を含み、先端部242は、前縁方向50に下に傾くようにテーパーが付けられている。先端部242は、アルミニウム又はシートメタルから形成され得るが、低い表面摩擦を有する他の軽量の構造材料、例えば、上部パネル204及び底部パネル206に関連して上記に説明されているものなども企図される。テーパーは、デブリ除去ウィング200が前縁方向50に前進させられる間に、雪などのような凍結した堆積物の形態のデブリを削り取るように配向されている。
【0067】
幾つかの実施形式では、デブリ除去ウィング200は、デブリ除去ウィング200の先端部242を越えて前縁方向50に吊られた複数の張設されたワイヤー262を含むことが可能である。張設されたワイヤー262は、先端部242から延在することが可能であり、延在部材260同士の間に吊られており、結び付け、結び目、フック、スクリュー、又は他の締結具によって、延在部材260に固定され得る。張設されたワイヤー262は、ソーラーモジュール112の上のデブリのさらなる破砕を提供することが可能である。デブリが雪を含むケースでは、張設されたワイヤー262は、より小さいピースへと雪を分離することが可能であり、より小さいピースは、加圧空気によってより容易に変位させられる。張設されたワイヤー262は、金属ワイヤー、コード、チェーン、ストリング、又は他の可撓性の材料を含むことが可能である。他の実施形式では、非摩耗性ブラシ、スクイージー、耕運用ホイール(TILLING WHEEL)、又は他の適切な用具を含む、ソーラーモジュール112の上のデブリを機械的に破壊又は破砕するためのさまざまな用具が使用され得るということが企図される。
【0068】
デブリ除去ウィング200は、前方空気出口部220を含み、前方空気出口部220は、動作時に、加圧空気の一部分をデブリ除去ウィング200の先端部242から外方へ吹き出し方向51(
図8、
図17)に方向付け、ソーラーモジュール112からデブリを除去するように構成されている。本実施形式では、先端部242は、上部前縁パネル242−1及び底部前縁パネル242−2を含み、上部前縁パネル242−1及び底部前縁パネル242−2は、前方末端部242−3に向けてテーパーを付けられている。前方空気出口部220は、前方末端部242−3に沿って位置しており、デブリ除去ウィング200の幅のすべて、実質的にすべて、又は一部分に亘って広がっている。前方空気出口部220は、前方末端部242−3に沿って位置している複数のアパーチャー又はスロット(図示せず)を含む。上部前縁パネル242−1及び底部前縁パネル242−2は、スクリューなどのような締結具(図示せず)によって接合され得、締結具は、前方空気出口部220のアパーチャーのサイズを増加又は減少させるように調節され得る。加圧空気は、空気供給部170から前方空気出口部220及び下側空気出口部234(
図12)へ提供される。前方空気出口部220のアパーチャーは、排出される空気の速度が雪などのようなデブリをソーラーモジュール112から持ち上げるのに効果的となるようにサイズ決めされている。幾つかの実施形式では、前方空気出口部220のアパーチャーを形成する上部前縁パネル242−1と底部前縁パネル242−2との間の距離は、約0.05インチから約0.07インチであることが可能であり、前方末端部242−3に沿って約3インチから6インチごとに間隔を置いて配置された締結具によって調節可能であり得る。そのようなアパーチャーサイズにおいて、及び、約1500ACFMから約2500ACFMにおいて約1.0PSI(ゲージ)から1.7PSI(ゲージ)の圧力でデブリ除去ウィング200によって受容される加圧空気を有することにより、及び、前方空気出口部220を通して方向付けられるデブリ除去ウィング200によって受容される加圧空気の約85パーセントから約93パーセントを有することにより、前方空気出口部220を離れる加圧空気の速さは、約20,000FT/MINから30,000FT/MINにあることが可能であり、それは、ほとんどの種類の雪のデブリを変位させるのに適切である。しかし、除去されているデブリに応じて、さまざまなアパーチャーサイズ、加圧空気の体積、及び速度が企図されるということが強調されるべきである。
【0069】
デブリ除去ウィング200は、本体部202の先端部242から前縁方向50に延在する延在部材260を含む。延在部材260は、十分な長さに作製されており、
図9を参照してより詳細に説明されているように、デブリ除去ウィング200が前縁方向50に前進させられるときに、ソーラーモジュールアレイ110のギャップ52がデブリ除去ウィング200によって横断され得るようになっている。
【0070】
幾つかの実施形式では、延在部材260は、延在部材260を支持するために上部パネル204から延在するサポート付属物266を含む。延在部材260は、底部パネル206によってデブリ除去ウィング200の本体部202の先端部242に接合されている。延在部材260は、ファイバーグラス、アルミニウム、スプリングスチール、HDPE、UHMW、木材、それらの組み合わせ、又は、任意の他の適切な軽量の構造材料から形成され得る。延在部材260の底部表面は、ソーラーモジュール112の動作表面112Aを損傷させることなく、ソーラーモジュール112の表面に接触するのに適切な非摩耗性ブラシの中に被覆されており、又は、幾つかの実施形式では、表面を損傷させることなく、ソーラーモジュール112の動作表面112Aと接触するのに適切な非摩耗性フェルト又は他の耐引き裂き性及び耐摩耗性の材料の中に被覆されている。幾つかの実施形式では、延在部材260は、その下側の可撓性の部分にホッチキス留めされた非摩耗性ブラシを含むことが可能であり、下側の可撓性の部分は、UHMW又はHDPEなどのような可撓性の材料を含み、延在部材260及び実質的に剛性の上側部分に弾性を提供し、下側の可撓性の部分は、実質的に剛性の上側部分に締結されており、実質的に剛性の上側部分は、アルミニウム、ファイバーグラス、又はスプリングスチールなどのような、実質的に剛性材料を含み、実質的な剛性を延在部材260に提供する。延在部材260は、ソーラーモジュール112を損傷させることなく、ギャップ52を横断するデブリ除去ウィング200によって引き起こされるソーラーモジュール112への任意の衝撃を支える(BRACE)のに十分に弾性的であるように設計され得、それによって、ソーラーモジュールアレイ110のギャップ52の上方のデブリ除去ウィング200のより滑らかな横断を提供する。延在部材260は、底部パネル206の主平面から離れるように上向きに湾曲した遠位端部264をさらに含み、ギャップ52を横切って横断するデブリ除去ウィング200によって引き起こされるソーラーモジュール112への任意の衝撃を支えることをさらに促進させる。
【0071】
デブリ除去ウィング200は、調節可能なフラップ250をさらに含み、調節可能なフラップ250は、遮断位置(
図4)と後退位置(
図3)との間で調節可能である。フラップ250は、ピボット208において本体部202に接合されており、ピボット208は、遮断位置と後退位置との間のピボットポイントを提供している。フラップ250は、例えば、面ファスナー(例えば、VELCRO(登録商標))などのような締結具によって、ピボット208において接合され得るが、ボタン、スクリュー、及びテープのような他の締結具、又は、それらの組み合わせも企図される。幾つかの実施形式では、ピボット208は、ヒンジ、ロック及びピンメカニズム、又は、他の適切な枢動調節メカニズムを含むことが可能である。
【0072】
フラップ250は、低表面摩擦材料から形成されている。幾つかの実施形式では、フラップ250は、剛性フラップを含み、剛性フラップは、フラップ250に剛性を提供する、ファイバーグラスもしくは炭素繊維複合材、アルミニウム、又はそれに類するものなどのような、軽量の材料を含む。他の実施形式では、フラップ250は、NORTHSAILS 3DI(商標)可撓性の複合材料、DACRON(商標)ポリエステルファイバー、ポリウレタンタープ、EDPM又は他の可撓性の、軽量の、低伸縮性の、低い表面摩擦の、及び防水の材料などのような、軽量のシート材料の緩んだフラップを含み、その前部縁部に一体化された細長い支持部材を有しており、遮断位置又は後退位置において緩んだフラップを支持するために、緩んだフラップの支持部材をデブリ除去ウィング200に締結するサポートコード又はワイヤーランヤードを有している。幾つかの実施形式では、細長い支持部材は、剛性チューブを含むことが可能である。他の実施形式では、フラップ250は、剛性フラップと、剛性フラップに締結された緩んだフラップとの組み合わせを含む。幾つかの実施形式では、フラップ250は、剛性材料に締結された緩んだシート材料を含み、緩んだシート材料に十分な張力及び運動の自由を提供し、緩んだフラップへの雪の付着を防ぐ。
【0073】
その後退位置にあるときに、フラップ250は、デブリ除去ウィング200から離れるように凹形になった湾曲を形成することが可能である。この湾曲は、重力によるデブリ除去ウィング200からのデブリの除去を支援し、ここでは、フラップ250の開いた配向は、テーパー付きの先端部242によって持ち上げられたデブリを、集まるように及びフラップ250から落下するように方向付けることになる。
【0074】
その遮断位置にあるときに、フラップ250は、概して外向きの及び下向きの配向で係合されており、それは、ソーラーモジュール112から除去されているデブリからの吹き戻しを遮断及び制限し、その吹き戻しは、加圧空気と接触した後に上向きの軌跡を有する可能性がある。そのような吹き戻しは、デブリが軽い雪、ダスト、又は砂などを含む場合に、とりわけ、よく見られる。フラップ250が剛性フラップを含む場合、フラップ250は、ピボット208に回転を提供する、デブリ除去ウィング200の中に配設されたロータリーアクチュエーターによって、その遮断位置と後退位置との間で係合され得る。さまざまな作動メカニズムが企図される。
【0075】
図5は、非限定的な実施形式による、その下側側部203から見たときのデブリ除去ウィング200を示している。側部203は、底部パネル206及び下側空気出口部234(
図12)を含み、下側空気出口部234は、動作時に、加圧空気の一部分を側部203から外方へ方向付け、ソーラーモジュール112の上方にデブリ除去ウィング200を少なくとも部分的に浮揚させるように構成されている。下側空気出口部234は、バルブを含むことが可能であり、バルブは、それを通る加圧空気の流れを調整するように構成可能である。
【0076】
示されている本実施形式では、下側空気出口部234は、側部203にわたって配設されているエアキャスター232を通して加圧空気を提供する。エアキャスター232は、可撓性の膨張可能なダイヤフラム232−1を有する空気圧式のデバイスであり、ダイヤフラム232−1は、エアホール232−2を含み、エアホール232−2は、加圧空気がそれを通って移動することを可能にする。
【0077】
エアキャスター232のダイヤフラム232−1は、下側空気出口部234を通して提供される加圧空気によって膨張させられる。膨張させられるときに、エアホール232−2は、下側空気出口部234からの加圧空気を、側部203から離れるように、ソーラーモジュール112に向けて下向き方向に排出し、デブリ除去ウィング200とソーラーモジュール112との間に、加圧空気の薄いフィルム又はクッションを生成させる。このフィルム又はクッションは、ソーラーモジュール112の動作表面112Aに近接して所定の距離にデブリ除去ウィング200を維持し、デブリ除去ウィング200とソーラーモジュール112との間の接触を最小化及び/又は回避する。フィルム又はクッションは、ソーラーモジュール112の上方でのデブリ除去ウィング200の低摩擦移動をさらに促進させる。
【0078】
エアキャスター232は、さまざまな配置で側部203の上に配設され得る。
図5では、エアキャスター232は、延在部材260とほぼ一列になって、対向するセットで配設されている。エアキャスター232は、長さ方向及び幅方向に、対称的に配置され得る。エアキャスター232の数及び位置決めは、デブリ除去ウィング200のサイズ及び形状に応じて変化することが可能である。デブリ除去ウィング200は、ソーラーモジュールアレイ110のソーラーモジュール112の変化する幅、長さ、及び量を収容するように異なってサイズ決めされ得る。
【0079】
幾つかの実施形式では、エアキャスター232は、
図5に示されているように、デブリ除去ウィング200の幅に沿って均一に間隔を置いて配設されており、近隣のエアキャスター232同士の間に十分な横方向のギャップを備えており、クランプなどのような突出部、又は、ソーラーモジュール112からの他の突出部のために、クリアランスを提供し、そのような突出部がエアキャスター232に接触し、場合によってはエアキャスター232を損傷させることを回避する。
【0080】
エアキャスター232は、コーティングされたバリスティックナイロン、例えば、CORDURA(登録商標)ファブリック又はそれに類するものなどから形成され得る。ウレタンなどのような、他の可撓性の、軽量の、低伸縮性の、ならびに、耐引き裂き性及び耐摩耗性の材料も企図される。
【0081】
デブリ除去ウィング200は、空気入口部230を含み、空気入口部230は、前方空気出口部220及び下側空気出口部234に加圧空気を提供するための供給ホース174との接続部を提供する。
【0082】
前方空気出口部220及び下側空気出口部234は、ソーラーモジュール112の上方でのデブリ除去ウィング200の十分な浮揚、及び、ソーラーモジュール112からのデブリの十分な変位を提供する様式で、加圧空気を分割するように構成されている。加圧空気の一部分は、出口部220、234の相対的なサイズを固定することを含む、さまざまな方式で、前方空気出口部220と下側空気出口部234との間で分割され得る。幾つかの実施形式では、出口部220の相対的なサイズは、上部前縁パネル242−1と底部前縁パネル242−2との間の締結具を調節し、それらの間の開口部を調節することによって、及び/又は、下側空気出口部234の中に位置するバルブを調節することによって、調節可能であり得る。幾つかの実施形式では、前方空気出口部220及び下側空気出口部234は、バルブを介して空気入口部230と連通した状態になっていることが可能であり、バルブは、それへの加圧空気の流れを調整するように構成可能である。
【0083】
幾つかの実施形式では、前方空気出口部220を通して方向付けられる加圧空気の第1の部分は、合計加圧空気流れの約85体積パーセントから約93体積パーセントを含み、残部は、下側空気出口部234を通して方向付けられる。幾つかの実施形式では、約88体積パーセントから約93体積パーセントが、前方空気出口部220を通して方向付けられる。幾つかの実施形式では、約90体積パーセントから約93体積パーセントが、前方空気出口部220を通して方向付けられる。幾つかの実施形式では、約90体積パーセントから約92体積パーセントが、前方空気出口部220を通して方向付けられる。それぞれのケースでは、残部は、下側空気出口部234を通して方向付けられる。
【0084】
図6Aは、非限定的な実施形式による、支持アーム150の制御アーム152の斜視図である。制御アーム152は、2つの制御ポイントを含み、2つの制御ポイントは、液圧アクチュエーター(ヨーアクチュエーター154及びロールアクチュエーター156として示されている)によって動力を与えられ、デブリ除去ウィング200をソーラーモジュールアレイ110のソーラーモジュール112と整合させるために、ヨー運動及びロール運動を提供する。
【0085】
制御アーム152は、フィンガージョイント153を含み、フィンガージョイント153は、ヨー移動がヨーアクチュエーター154によって制御されることを可能にする。
【0086】
ロールアクチュエーター156は、ロッド155を回転させるために、制御アーム152の前部の近くに取り付けられており、ロッド155は、装着プレート212の上のスロット213を通って突出するものとして示されている。ロッド155が回転するときに、ロッド155は、スロット213の一部分に接触して付勢し、デブリ除去ウィング200のロールを引き起こす。動作時に、デブリ除去ウィング200がソーラーモジュール112に近接して位置決めされているときに、ロッド155は、スロット213の中に中央に位置しており、それは、支持アーム150を通して伝達される車両60の運動の任意の乱れから独立して自由に、デブリ除去ウィング200がロール及びピッチすることを可能にする。ロール方向及びピッチ方向への移動の自由は、示されているように互いに対して直角に位置している2つのピローブロック157、158のセット、又は、他のハウジング付き軸受ユニットによって実現される。第1のピローブロック157は、制御アーム152に取り付けられており、第2のピローブロック158は、装着プレート212に接続されている。ピローブロック157、158のセットの中に位置しているロッドは、ブロック159と一体になっており、従って、ロール軸線及びピッチ軸線の周りの同時の回転を可能にするユニバーサルジョイントとしての役割を果たしている。
【0087】
幾つかの実施形式では、制御アーム152によって実現されるヨー運動及びロール運動、ならびに、支持ベース160によって実現されるリフト運動及びスイング運動は、プログラムされたロジックによって決定される所定の様式で、工業用ジョイスティックコントローラー、プッシュボタン、タッチスクリーン、コンピューター、又は他の入力デバイスを介して、車両60のオペレーターによって制御可能とされ、プログラムされたロジックは、マイクロコントローラー、ステートマシン、特定用途向け集積回路(AISC)、システム−オン−チップ(SOC)、ARDUINO(商標)、RASPBERRY PI(商標)、ALLEN−BRADLEY(商標)コントローラー、又はそれに類するものを含む、プロセッサーを含む制御システムプラットフォームの上で走り、プロセッサーは、アクチュエーター又は他の制御コンポーネントを駆動するために制御ロジックを実行するように構成されている。
【0088】
幾つかの実施形式では、制御システムを通した制御アーム152の制御は、距離センサー及び位置センサー、近接センサーを含む配向センサー及び運動センサー、加速度計及びジャイロスコープ、又は他のセンサーを含む、センサーによって知らされる。デブリ除去ウィング200は、それによって、プログラミングロジックを含み、ソーラーモジュールアレイ110の平面を自己調節するか、又は、それらの上方に吊られているときに、ソーラーモジュールアレイ110の上方に一定の高さを維持するように自己調節することが可能であり、従って、オペレーター介入を最小化し、動作の安全手段を提供する。
【0089】
上記に説明されているアクチュエーターは、液圧リニアアクチュエーターを含むことが可能である。しかし、他の実施形式も企図され、そこでは、液圧ロータリーアクチュエーター、電気的なリニアアクチュエーターもしくはロータリーアクチュエーター、液圧シリンダー及びマニホールド、空気圧式のシリンダー及びマニホールド、ギヤモーター、ステッパーモーター又はサーボモーター、チェーン及びスプロケット又はギヤアッセンブリを含む、他の運動制御デバイスが使用される。
【0090】
他の実施形式では、制御アーム152の周りのデブリ除去ウィング200の配向は、デブリ除去ウィング200の限られた多方向の運動の自由を提供する、フローティングアクチュエーター、スイーベル、又はジンバルを含む、他のメカニズムによって実現される。
【0091】
図6Bは、非限定的な実施形式による、支持アーム150Bのジンバル制御アーム152Bの斜視図である。ジンバル制御アーム152Bは、デブリ除去ウィング200にヨーを提供するためのヨーアッセンブリ152B−10と、デブリ除去ウィング200にロールを提供するためのロールアッセンブリ152B−20とを含む。ヨーアッセンブリ152B−10は、シャフトハブ152B−12と、シャフトハブ152B−12に回転を提供するためのヨーアクチュエーター152B−14、例えば、示されている液圧ロータリーアクチュエーターなどとを含む。同様に、ロールアッセンブリ152B−20は、シャフトハブ152B−22と、シャフトハブ152B−22に回転を提供するためのロールアクチュエーター152B−24、例えば、示されている液圧ロータリーアクチュエーターなどとを含む。シャフトハブ152B−12、152B−22は、平歯車のセット(図示せず)を通して回され得る。
【0092】
ヨーアッセンブリ152B−10は、支持アーム150Bの遠位端部150B−1に取り付けられている。ロールアッセンブリ152B−20は、エクステンション152B−30への固定によって、ヨーアッセンブリ152B−10に連通しており、エクステンション152B−30は、ヨーアッセンブリ152B−10からデブリ除去ウィング200の方向に向けて延在している。
【0093】
エクステンション152B−32は、シャフトハブ152B−12から延在しているエクステンション152B−30に対して垂直に、シャフトハブ152B−22から延在しており、エクステンション152B−32を通って延在するピッチシャフト152B−34を支持している。ピッチシャフト152B−34は、装着プレート212(
図6Aを参照)の上のピローブロック158(
図6Aを参照)を通って、又は、他のハウジング付き軸受ユニットを通って延在し、デブリ除去ウィング200を支持している。
【0094】
ピッチシャフト152B−34は、ピローブロック158を通ってフリーフローティング式になっており、従って、ピッチ配向への自由可動域をデブリ除去ウィング200に提供する。ヨーアクチュエーター152B−14及びロールアクチュエーター152B−24は、デブリ除去ウィング200のヨー及びロールをそれぞれ調節するために作動させられ得る。動作時に、ヨーアクチュエーター152B−14は、デブリ除去ウィング200のヨーを固定された状態に保持し、ヨー配向への移動を防止することが可能であり、一方、ロールアクチュエーター152B−24は、ロール方向への自由運動をデブリ除去ウィング200に提供するために、浮遊することを許容され得る。ヨーアクチュエーター152B−14及びロールアクチュエーター152B−24の固定及び浮遊は、
図6Aを参照して上記に説明されているような制御システムによって制御され得る。それによって、ジンバル制御アーム152Bは、車両60によって横断されている地形の凹凸などのような動作の乱れ、ソーラーモジュール112の傾斜の変化、又は他の乱れを補償しながら、デブリ除去ウィング200がソーラーモジュール112の動作表面112Aに対して平面的な状態に維持されることを可能にすることができる。
【0095】
図7及び
図8は、非限定的な実施形式による、ソーラーモジュールアレイ110のソーラーモジュール112から雪を除去する動作時のシステム100の斜視図を示している。
【0096】
動作の前に、デブリ除去ウィング200は、目標ソーラーモジュール112の動作表面112Aに近接して位置している。従って、デブリ除去ウィング200は、除去されることになる雪を有するソーラーモジュール112の作業部分に亘って広がる幅を有している。デブリ除去ウィング200を位置決めすることは、上記に説明されているように支持アーム150を持ち上げること及びスイングさせることによって、ならびに、上記に説明されているように制御アーム152によるヨー及びロールの関節運動によって実現される。
【0097】
動作の間に、エアキャスター232のダイヤフラム232−1は、加圧空気によって充填され、エアホール232−2は、デブリ除去ウィング200とソーラーモジュール112の動作表面112Aとの間に、空気のフィルム又はクッションを提供する。このフィルム又はクッションは、ソーラーモジュール112の動作表面112Aに近接して所定の距離にデブリ除去ウィング200を維持し、デブリ除去ウィング200とソーラーモジュール112との間の接触を最小化及び/又は回避する。フィルム又はクッションは、ソーラーモジュール112の上方でのデブリ除去ウィング200の低摩擦移動をさらに促進させる。底部パネル206は、低摩擦表面をさらに含むことが可能であり、ソーラーモジュール112を横切るデブリ除去ウィング200の低摩擦移動をさらに促進させる。
【0098】
動作の間に、車両60は、ソーラーモジュールアレイ110に沿って前縁方向50に前進し、デブリ除去ウィング200がソーラーモジュール112の動作表面112Aに沿って前縁方向50に前進することを引き起こす。
【0099】
デブリ除去ウィング200の前方空気出口部220は、高い体積の加圧空気を吹き出し方向51に方向付け、ソーラーモジュール112の上の雪のデブリを変位又は分解させる。
図7に示されているように、雪が主に高密度で高湿分の雪を含むケースでは、デブリ除去ウィング200は、ソーラーモジュール112から雪をかく。場合によっては、先端部242のテーパー付きのプロファイルに起因して、及び、前方空気出口部220からの加圧空気による雪の変位から、雪の一部分は、示されているような後退位置にあるフラップ250の上部に移ることになる。ソーラーモジュール112の傾斜を所与として、重力が、次いで、雪に作用し、雪がフラップ250の低摩擦表面を滑り落ちることを引き起こし、それによって、雪がソーラーモジュール112から除去される。
図8に示されているように、雪が主に低密度で低湿分の雪を含むケースでは、デブリ除去ウィング200(前方空気出口部220からの加圧空気)は、ソーラーモジュール112から雪を直接的に変位させることが可能である。
【0100】
ソーラーモジュール112の上の雪の深さが約10CM以下となる条件では、雪は、デブリ除去ウィング200の上へ雪が移ることなしに、単に、前方空気出口部220から噴出される高速空気によって前方へ変位させられ得る。幾つかの実施形式では、前方空気出口部220は、デブリ除去ウィング200からの加圧空気を、底部パネル206から約45度の角度で方向付けるように構成されている。従って、加圧空気は、動作の間にソーラーモジュール112の動作表面112Aに約45度で方向付けられ、デブリ除去ウィング200がソーラーモジュール112の動作表面112Aの上方に約3CMに維持されているときに、前方空気出口部220から約3CMの接点を結果として生じさせる。
【0101】
図9は、非限定的な実施形式による、ソーラーモジュールアレイ110のギャップ52を横断しているデブリ除去ウィング200を示している。ソーラーモジュール112は、典型的に、幅が約40インチ、及び、長さが約80インチであり、ソーラーモジュール112は、典型的に、約3インチから約12インチの距離の範囲にある、それらの間のギャップ52を伴って、隣接するテーブルの中に配置されている。そのようなギャップ52は、隣接するテーブル間に、高さの差をさらに含むことが可能である。上記に説明されている延在部材260は、そのようなギャップ52を越えてデブリ除去ウィング200を横断させることを支援する。非摩耗性ブラシ、弾性、及び、湾曲した遠位端部264は、ギャップ52を横切る滑らかな横断を促進させることに貢献する。
【0102】
図10は、非限定的な実施形式による、ソーラーモジュールアレイ110のソーラーモジュール112からデブリを除去するための方法300のフローチャートである。方法300は、本明細書で議論されているシステム100及びデブリ除去ウィング200によって実施されるものとして説明されているが、これは限定するものではなく、方法300は、代替的に、その変形例である他のシステム又は装置によって実施され得る。
【0103】
ブロック310において、デブリ除去ウィング200は、ソーラーモジュールアレイ110のソーラーモジュール112に近接して維持される。「近接して」という用語は、上記に定義されているように理解されるべきである。幾つかの実施形式では、デブリ除去ウィング200は、支持アーム150の支持によって維持され、また、そのアクチュエーターによる任意の持ち上げによって、及び、支持アーム150を適切な位置へとスイングさせるための支持ベース160の適正な回転によって維持される。幾つかの実施形式では、また、維持することは、ロール軸線及びピッチ軸線の周りの自由回転を可能にする制御アーム152又はジンバル制御アーム152Bによって実現されており、ヨーは、固定されている。幾つかの実施形式では、デブリ除去ウィング200は、ヨーアクチュエーター154又はロールアクチュエーター156の任意の関節運動によって関節運動させられ得る。さらに、幾つかの実施形式では、維持することは、下側空気出口部234及び/又はエアキャスター232からの高圧空気のフィルム又はクッションによって引き起こされる浮揚によって実現され得る。幾つかの実施形式では、維持することは、少なくともヨー方向又はロール方向へのデブリ除去ウィング200のアクティブ関節運動を必要とする可能性があり、ソーラーモジュール112又は車両60が移動する地形の傾斜の変化を補償する。
【0104】
ブロック320において、加圧空気は、前方空気出口部220から外方へ方向付けられ、ソーラーモジュール112の上のデブリを変位させる。上記に議論されているように、場合によっては、前方空気出口部220からの加圧空気は、ソーラーモジュール112から雪を直接的に変位させることが可能である。他の場合には、デブリの一部分は、デブリ除去ウィング200の上に移ることが可能である。
【0105】
ブロック330において、デブリ除去ウィング200は、前縁方向50に前進させられる。場合によっては、先端部242のテーパー付きのプロファイルに起因して、及び、前方空気出口部220からの加圧空気による雪の変位から、重力が、デブリに作用し、デブリがデブリ除去ウィング200から滑り落ちることを引き起こすことが可能であり、それによって、デブリがソーラーモジュール112から除去される。デブリ除去ウィング200を前進させることは、延在部材260を使用してギャップ52を横断することを必要とする可能性がある。延在部材260は、ギャップ52よりも大きい長さだけ、前縁方向50に延在しており、従って、ギャップ52に橋を架けており、ギャップ52の上方にデブリ除去ウィング200を支持する。ギャップ52の第1の側にある第1のソーラーモジュール112と、ギャップ52の第2の側にある第2のソーラーモジュール112との間で、ギャップ52がエレベーションの増加を含む場合、延在部材260の遠位端部264の上向きの湾曲が、第2の近隣のソーラーモジュール112と接触し、デブリ除去ウィング200を上向きに偏向させ、ソーラーモジュール間の任意のエレベーションの変化に適応する。延在部材260は、延在部材260が接触する第2のソーラーモジュール112を損傷させることなく、デブリ除去ウィング200の任意のそのような衝撃を支えるのに十分に弾性的であるように設計され得る。
【0106】
方法300は、遮断位置(
図4)に係合されているフラップ250を使用して、ソーラーモジュール112からのデブリの吹き戻しを遮断することをさらに含むことが可能である。
【0107】
図11は、非限定的な実施形式による、デブリ除去ウィングの別の実施形式の斜視図であり、それは、デブリ除去ウィング200Aとして示されている。デブリ除去ウィング200Aでは、フラップ250Aは、ピボット208Aにおいて取り付けられており、ピボット208Aは、デブリ除去ウィング200Aの本体部202Aの後方の近くに位置している。
【0108】
フラップ250Aは、張設されたケーブル252Aによって支持されて保持されており、張設されたケーブル252Aは、マウント210Aからおおよそフラップ250Aの後方へ延在している。
【0109】
デブリ除去ウィング200Aは、支持アーム150への取り付けのための装着カラム210Aを含み、装着カラム210Aは、デブリ除去ウィング200Aの先端部の近くに位置している。従って、幾つかの実施形式では、支持アーム150と接続するためのマウント210Aの位置は変化することが可能であるということが分かる。
【0110】
図12は、非限定的な実施形式による、デブリ除去ウィング200Aの内部を見ることを可能にするために上部パネル204が省略された状態のデブリ除去ウィング200Aの斜視図である。デブリ除去ウィング200Aは、空気入口部230、前方空気出口部220、及び下側空気出口部234と連通している、デブリ除去ウィング200Aの本体部202の内側に配設されているエアプレナム236を含む。本実施形式では、エアプレナム236は、デブリ除去ウィング200の内側のスペースを含む。従って、エアプレナム236は、上部パネル204と底部パネル206との間に画定されており、前方空気出口部220及び下側空気出口部234への送達の前に加圧空気を貯蔵及び構築するように構成されたスペースを提供する。幾つかの実施形式では、約1500実立方フィート毎分(ACFM)の容積の加圧空気が空気入口部230からエアプレナム236に受容され、約1.0PSIの圧力が維持される。
【0111】
空気入口部230から前方空気出口部220及び下側空気出口部234へ加圧空気を提供するためのさまざまな構成が企図される。幾つかの実施形式では、デブリ除去ウィング200は、別々のコンパートメントとして、及び/又は、前方空気出口部220及び下側空気出口部234と流体連通している入口部及び出口部を有するデブリ除去ウィング200の内側に配設されたコンポーネントとして、エアプレナム236を含むことが可能である。幾つかの実施形式では、エアプレナム236は、省略され得、また、空気入口部230から前方空気出口部220及び下側空気出口部234へ加圧空気を連通させるパイピング又はチュービングによって交換され得る。幾つかの実施形式では、前方空気出口部220及び下側空気出口部234は、バルブを介して空気入口部230と連通した状態になっていることが可能であり、バルブは、それへの加圧空気の流れを調整するように構成可能である。
【0112】
本体部202の骨組構造体は、アルミニウムチューブ、又は他の構造的サポート材料を含む、サポート237によって構造的に支持され得る。
【0113】
図13は、別の非限定的な実施形式によるデブリ除去ウィング200Bを示しており、その下側側部203を示している。デブリ除去ウィング200Bは、4つの延在部材260を含み、側部203の上に配設されているエアキャスター232の配置は、延在部材260とほぼ整合させられている。幾つかの実施形式では、エアキャスター232は、延在部材260と整合させられた様式で配設され得、デブリ除去ウィング200がギャップ52を横切るときに(
図9)、延在部材260によって支持されている状態から、エアキャスター232からの加圧空気によって支持されている状態へ、滑らかな移行を提供するように構成される様式で延在部材260と整合するように配置されている。しかし、さらに他の実施形式では、十分な被覆率が存在しており、デブリ除去ウィング200Bが動作の間に十分にバランスされるようになっているという条件で、エアキャスター232は、さまざまな配置で側部203の周りに配設され得る。従って、延在部材260及びエアキャスター232のさまざまな配置及び量が企図されるということが分かる。エアキャスター232は、さまざまな直径、高さ、形状、又は任意の他の寸法のものであることが可能であるということがさらに企図される。
【0114】
図14は、別の非限定的な実施形式によるデブリ除去ウィング200Cの斜視図である。デブリ除去ウィング200Cは、底部パネル206によってデブリ除去ウィング200Cの本体部202の先端部242に接合された延在部材260Cを含む。延在部材260Cは、デブリ除去ウィング200の延在部材260の中に含まれるサポート付属物266を省略し、デブリのための追加的なクリアランスを提供している(
図3)。
【0115】
図15は、別の非限定的な実施形式によるデブリ除去ウィング200Dの斜視図である。デブリ除去ウィング200Dは、空気入口部230Dを含む。デブリ除去ウィング200Dは、2パーツの成形された本体部202Dを含み、本体部202Dは、ファイバーグラスから形成された上部パネル204D及び底部パネル206Dを有しており、本体部202Dは、その長さに沿ってくさびのような様式で、テーパー付きの及び傾斜付きのプロファイル201Dを含み、本体部202Dは、先端部242Dの前方末端部における前方空気出口部220Dにおいて終端している。傾斜付きのプロファイル201D、先端部242D、及び前方空気出口部220Dは、より詳細に下記に説明されている。
【0116】
図16は、非限定的な実施形式によるデブリ除去ウィング200Dの正面図であり、断面G−Gの線を示し、エアキャスター232Dを示している。
図17は、非限定的な実施形式による、断面G−Gに対応する断面図である。従って、底部パネル206Dは平坦なものとして示されているが、一方、上部パネル204Dは、前方空気出口部220Dから空気入口部230Dへ、傾斜付きのプロファイル201Dとして示されているさまざまな傾斜を特徴としているということが分かる。先端部242Dにより近い上部パネル204Dの前方部分204D−1は、急な傾斜が付けられ、エアプレナム236Dに向けて概して凹形になっており、一方、上部パネル204Dの中央部分204D−2は、急でない傾斜が付けられ、外向きに概して凹形になっている。
【0117】
そのうえ、先端部242Dは、上部パネル204Dの前方部分204D−1と底部パネル206Dとの間に取り付けられており、前方空気出口部220Dを提供している。前方空気出口部220Dは、デブリ除去ウィング200Dからの加圧空気を、底部パネル206Dから約45度の角度に方向付けるように構成されており、それは、吹き出し方向51として示されている。
【0118】
加圧空気が、底部パネル206Dから約45度の角度で、ソーラーモジュール112の動作表面112Aに方向付けられる場合に、加圧空気は、前方空気出口部220Dから約3CMの接点において、動作表面112Aに衝突する。次いで、加圧空気は、所定の距離にわたって、動作表面112Aに沿ってより遠くへ移動することが可能である。デブリ除去ウィング200が動作表面112Aに近接しているときに、デブリ除去ウィング200からのソーラーモジュール112からデブリを取り除く加圧空気の効果的な範囲は、デブリが雪を含むケースでは、ソーラーモジュール112の上の雪の密度、湿分含有量、及び深さによって少なくとも部分的に決定される。幾つかの実施形式では、雪が主に低密度で低湿分の粉末状の雪を含む場合に、加圧空気の効果的な範囲は、浅い雪において約3CMから約5Mに延在することが可能であり、中間の深さの雪において、約3CMから約2Mに延在することが可能であり、深い雪において、約3CMから約50CMに延在することが可能である。幾つかの実施形式では、雪が主に高密度で高湿分の雪を含む場合に、加圧空気の効果的な範囲は、浅い雪において、約3CMから約50CMに延在することが可能であり、中間の深さの雪において、約3CMから約30CMに延在することが可能であり、深い雪において、約3CMから約15CMに延在することが可能である。幾つかの実施形式では、雪が高密度で高湿分の雪を含む場合に、デブリ除去ウィング200が効果的に雪をかく、加圧空気の効果的な範囲は、さらに限定され得る。加圧空気の効果的な範囲は、ソーラーモジュール112の上の加圧空気の衝突の角度によって少なくとも部分的に決定され得る。
【0119】
幾つかの実施形式では、前方空気出口部220Dは、底部パネル206Dから約30度から約60度に加圧空気を方向付けるように構成され得る。幾つかの実施形式では、前方空気出口部220Dは、底部パネル206Dから約75度に加圧空気を方向付けるように構成され得る。さらに他の実施形式では、前方空気出口部220Dは、動作表面112Aに向けて直接的に又は実質的に直接的に、底部パネル206Dから90度又は約90度に加圧空気を方向付けるように構成され得る。
【0120】
それによって、プロファイル201Dは、上部パネル204の上方のデブリ(特に、雪)が移ることを促進させることが可能であり、デブリ除去ウィング200Dからのデブリの重力除去を促進させることが可能である。
【0121】
従って、ソーラーモジュールの上方に近接して維持されているデブリ除去ウィングから加圧空気を送達することは、雪、砂、ダスト、及び他のデブリを含む、デブリを、ソーラーモジュールアレイのソーラーモジュールから除去することが可能であるということが分かる。
【0122】
また、デブリは、従来ではディーゼルエンジン、ガスエンジン、又は電気エンジンによって動力を与えられる、リーフブロワー又は市販のデブリブロワーなどのようなブロワーからの加圧空気を直接的に使用して、ソーラーモジュールから除去され得る。しかし、ブロワーの直接的な使用は、吹き出される空気の力が、クリーニングされているソーラーモジュールからの範囲の増加とともに、著しく減少するという点において限定されている。従って、ブロワーは、一般的に、ソーラーモジュールから所定の距離において使用されることとなり、限られた幅の円錐状に空気を吹き出し、ブロワーは、効率的な様式で幾つかのモジュールの幅でソーラーモジュールアレイを被覆することを実行できない。
【0123】
ソーラーモジュールに近接して維持されているデブリ除去ウィングから送達される加圧空気は、デブリに対して至近距離で加圧空気を提供し、従って、従来のブロワーの使用において経験される範囲の課題を克服する。さらに、デブリ除去ウィングは、ソーラーモジュールアレイの作業部分に亘って広がっており、従って、従来のブロワーの限られた円錐形の影響範囲の限定を克服する。そのうえ、デブリ除去ウィングは、低摩擦本体部を提供し、デブリがデブリ除去ウィングの上に移される場合に、デブリが低摩擦本体部を滑り落ちることが可能であり、それは、デブリが水気の多い雪を含む場合に、特に有用である可能性がある。
【0124】
デブリが雪を含むケースでは、デブリは、また、ロータリーブラシを使用してソーラーモジュールから除去され得る。ロータリーブラシは、モジュールと物理的な接触をし、少なくとも3つの主な欠点を引き起こす。第1に、ブラシの摩耗は、大きいプラントにおいて使用されるときに、著しくなる可能性がある。第2に、モジュールの上方にロータリーブラシの均一な高さを維持することは、注意深いオペレーター制御を必要とし、それは、モジュールアレイの表面の中に変化を有する多くのプラントにおいて懸念事項である。第3に、ロータリーブラシとソーラーモジュールとの間の激しい物理的な接触は、幾つかのソーラーモジュール製造業者の保証を無効にするのに十分に影響力がある可能性がある。デブリ除去ウィングは、加圧空気の薄いフィルム又はクッションの上で、ソーラーモジュールの上方に浮揚し、従って、ブラシの重大な摩耗を最小化し/回避し、ソーラーモジュールに対して均一の高さを維持し、ソーラーモジュールに対する接触及び潜在的な損傷を最小化し/回避する。
【0125】
また、雪は、軟質表面のレーキを使用して、ソーラーモジュールから除去され得る。しかし、軟質表面のレーキの使用は、手動であり、大きな労働力を要する。雪は、降雪後に24時間〜48時間以内にソーラーモジュールから除去されるべきであるので、手動の軟質表面のレーキの使用は、コストがかかる可能性があり、また、品質制御問題につながる可能性があり、さらに、作業が凍結温度の間に滑りやすい表面の上で行われることが多いので、人身傷害又はモジュールの損傷のリスクの増加につながる可能性がある。デブリ除去ウィングは、1人のオペレーターによって、又は、自動化された車両によって使用され、タイムリーにソーラーモジュールアレイの大部分を一掃することが可能である。
【0126】
また、雪は、ソーラーモジュールを加熱するために、化学薬品又はソーラーモジュールに組み込まれた電気的なシステムを使用して、雪を融解させることによって、ソーラーモジュールから除去され得る。化学薬品は、特に、大きいソーラー発電プラントにおいて必要であり得るように大量に使用されるときに、環境及びユーザーに対して有害である可能性がある。そのうえ、化学的な融解剤は、残留物を残すか、又は、ソーラーモジュールの表面に激しく影響し、結果的に、ソーラーモジュール性能に影響を与える可能性がある。電気的なシステムは、すでに多くの資本を要し複雑なソーラープラントに、資本コスト及び複雑性を追加し、ソーラーモジュールからの全体的なエネルギー出力を低減させ、全体的なソーラーモジュール発電効率を減少させる。デブリ除去ウィングは、化学物質の使用を必要とせず、ソーラーモジュールから電気エネルギーを引き出さない。
【0127】
上記に説明されているデブリ除去ウィングの実施形式は、ソーラーモジュールからの雪の除去を参照し得るが、限定されるものではないが、あられ、みぞれ、雨、及び砂、ダスト、ほこり、葉っぱ、鳥の糞、及びコケなどを含む、他のデブリも、上記に説明されているものと同様の様式で、ソーラーモジュールから除去され得るということが企図される。そのうえ、上記に説明されている実施形式は、新しい雪、固まった雪、水気の多い雪、半解けの雪、粉雪、及び、他のタイプの雪を含む、さまざまなタイプの雪を除去するために適用され得るということが企図される。そのうえ、本明細書で説明されているシステム又はデブリ除去ウィングは、ソーラーモジュール以外の表面からデブリを除去するために使用され得るということが企図される。
【0128】
さらに、上記に説明されているデブリ除去ウィングの実施形式は、加圧空気が吹き出し方向に方向付けられており、加圧空気の少なくとも一部分が概してデブリ除去ウィングの移動方向にソーラーモジュールに沿って移動することを引き起こすということを示しているが、また、デブリ除去ウィングは、側方空気出口部、又は、デブリ除去ウィングの側部に対して部分的に角度の付けられた前方空気出口部を含み、デブリ除去ウィングの側部から加圧空気を提供し、デブリ除去ウィングの幅よりも大きい幅から、ソーラーモジュールからデブリをさらに除去することが可能であるということが企図される。さらに、デブリ除去ウィングは、ベベルを含むことが可能であるか、又は、その側部においてテーパーを付けられ得、デブリ除去をさらに促進させる。さらに、デブリ除去ウィングは、デブリ除去ウィングの側部の周りからデブリを除去するための追加的な付属物を含むことが可能である。さらに、デブリ除去ウィングは、前方空気アパーチャーの追加的なセット、空気ノズル、空気キャノン、又は、ソーラーモジュールからデブリを除去するためにソーラーモジュールに沿って追加的な加圧空気を方向付けるための他のデバイスを含むことが可能である。
【0129】
さらに、デブリ除去ウィングの実施形式は、砂、ほこり、ダスト、葉っぱ、鳥の糞、コケ、又は、他のそのようなデブリの除去のために、任意の組み合わせで、加圧空気とともに、又は、別々のチャネルを介して投射される、水スプレー、投射される蒸気、又は投射されるドライアイスを含むことが可能である。
【0130】
さらに、デブリ除去ウィングの下側側部は、ロータリーブラシを含む、追加的な非摩耗性ブラシを含み、デブリの追加的な除去を提供することが可能である。
【0131】
本明細書で議論されている実施形式は、システムの特定の実施形式に関係しているが、実施形式の組み合わせ、サブセット、及び変形例も、本開示の範囲内にあるということが理解されることになる。
【0132】
特許請求の範囲は、上記の例において記載されている実施形式によって限定されるべきではなく、全体として本説明に一貫する最も広い解釈を与えられるべきである。