【文献】
Matt Control Oil-Free Foundation,ID3146053,Mintel GNPD[online],2015年5月,[検索日2019.12.13],URL,https://www.portal.mintel.com
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(A)金属酸化物と、(B)ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオールと、(C)界面活性剤を含み、(C)界面活性剤がビス−(グリセリル/ラウリル)グリセリルラウリルジメチコンである油中水型乳化化粧料。
【背景技術】
【0002】
近年、日焼け止め化粧料は、高いSPF(Sun Protection Factor)効果を得るため紫外線散乱剤や紫外線吸収剤を多く配合する傾向にある。それらを配合した日焼け止め化粧料の技術が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
紫外線散乱剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどの金属酸化物が好んで用いられている。これらの紫外線散乱剤は、UVBだけでなくUVAも遮蔽し、皮膚に刺激を与えない点で優れている。このため、皮膚刺激の恐れがある紫外線吸収剤を配合せずに、紫外線散乱剤だけで高いSPF効果を実現させた日焼け止め化粧料も市販されている。
皮膚刺激の低い日焼け止め化粧料において、紫外線吸収剤の配合を減らし、金属酸化物をできるだけ多く配合したいという設計要求がある。しかしながら、金属酸化物は、配合量を多くすると皮膚に塗布した時に伸びが重くなる、肌の上で白さが残る(透明性が低くなる)などの問題が発生する恐れがある。さらに、水で濡れた時に白くなることが問題視されてきた。
このような中、様々な技術提案がなされている。例えば、塗布後の白さ(透明性の低さ)を改良するために、金属酸化物を微粒子化して可視光線の透過性を向上させる技術(特許文献3)、微粒子化した金属酸化物を表面処理して分散性を向上させる技術(特許文献4)が知られている。
微粒子化した金属酸化物を疎水化処理すると、肌の上で白さが目立たず水で濡れた時に白くなりにくいが、洗顔しても十分に落としきれず肌に残るという問題が発生する。肌残りを解消するために肌を強く擦ることは皮膚に負担をかける。したがって、近年は、製品設計において、化粧料の落としやすさも重要視される。これを解決する技術提案がなされている。例えば、N−ラウロイルLグルタミン酸ジ(フィトステリル、2−オクチルドデシル)を配合することで、紫外線散乱剤粉末の多量配合に基づく使用感の悪さと、紫外線散乱剤粉末配合による洗浄性の悪さを改善した油中水型乳化日焼け止め化粧料が提案されている(特許文献5)。しかしながら、この技術を用いても十分ではない。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の構成成分について説明する。
<(A)金属酸化物>
本発明で用いる金属酸化物は、紫外線を散乱または遮蔽する目的で配合する。微粒子化したものを用いることが好ましく、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等を例示できる。脂肪酸やシリコーンなどで表面処理(被覆処理)しているものを用いても良く、特にシリコーンで表面処理(被覆処理)しているものを用いることが好ましい。
これらの金属酸化物は、単体を入手して用いても良いが、金属酸化物が揮発性シリコーン基材中に安定的に低次粒子化されたペースト状の市販品を用いても良い。ペースト状の市販品としては、大日本化成(株)製のコスメサーブWP−40TSF、テイカ(株)製の、LZ−021、LZ−F02などを入手して用いることができる。コスメサーブWP−40TSFは、酸化チタン、シリカ、水酸化Al、(ジメチコン/メチコン)コポリマー、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、シクロペンタシロキサンから成る。テイカ(株)製のLZ−021は、酸化亜鉛、ハイドロゲンジメチコン、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、シクロペンタシロキサン、トコフェロールから成る。テイカ(株)製のLZ−F02は、酸化亜鉛、シクロペンタシロキサン、PEG−9ジメチコン、ジメチコン、トコフェロールから成る。金属酸化物の配合量は目的に応じて適宜決定されるが、高いSPFを得るためには18〜30質量%、より好ましくは20〜30質量%配合することが好ましい。おおよそSPF50+、PA++++の日焼け止め化粧料を得る為には、金属酸化物を20〜30質量%配合することが好ましい。
【0009】
<(B)ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオール>
本発明で用いるジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオールは、1,3−プロパンジオールと、カプリル酸及びカプリン酸とからなる混合脂肪酸とのジエステルである。これは無色から淡黄色のエステル油である。市販品としては、日清オイリオ(株)製のサラコスPR−85などを入手して用いることができる。本発明では、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオールを1〜15質量%、より好ましくは4〜8質量%配合することが好ましい。
【0010】
<(C)界面活性剤>
本発明の化粧料は、油中水型乳化化粧料である。本発明では、本発明の効果(水で濡れた時に白くならず、しかも洗浄しやすいという効果)を得るために、乳化に必要な界面活性剤とは別に(B)ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオールと共に、ビス−(グリセリル/ラウリル)グリセリルラウリルジメチコン及び/又はポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを含有することが必須である。
(ビス−(グリセリル/ラウリル)グリセリルラウリルジメチコン)
シリコーン系乳化剤である。市販品としては、EVONIK社製の(商品名:ABIL EM120)が挙げられる。
(ポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン)
シリコーン分岐型ポリグリセリン変性シリコーンである。市販品としては、信越化学工業(株)製のポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(商品名:KF−6104)が挙げられる。
ビス−(グリセリル/ラウリル)グリセリルラウリルジメチコン及び/又はポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン以外にも、油中水型乳化型のエマルジョンを調製するために通常用いられる界面活性剤を配合することを制限するものではない。このような目的の界面活性剤としては、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG−9ジメチコン、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等が例示できる。
【0011】
本発明の油中水型乳化化粧料には、(C)成分であるビス−(グリセリル/ラウリル)グリセリルラウリルジメチコン及び/又はポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコンが必須であるが、両成分を合計量で1〜6質量%含有することが好ましい。
さらに、任意の界面活性剤を配合する場合は、(C)成分と任意の界面活性剤の合計量として5〜8質量%含有することが好ましい。
【0012】
本発明の油中水型乳化化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の界面活性剤、粉体、油剤、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン系増粘剤、多価アルコール類、糖類、糖アルコール類、水溶性高分子、その他増粘剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤、ヒアルロン酸のような保湿剤、香料、pH調整剤等を含有させることができる。また、ビタミン類や、皮膚賦活剤、血行促進剤、常在菌コントロール剤、活性酸素消去剤、抗炎症剤、美白剤、殺菌剤等の他の薬効成分、生理活性成分を含有させることができる。
【0013】
その他の界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を配合することができる。
【0014】
粉体としては、酸化鉄、グンジョウ、酸化クロム、ヒドロキシアパタイト、シリカ、タルク、カオリン、窒化ホウ素、マイカ、結晶セルロース粉体、シルク粉体、ポリアクリル酸アルキル粉体、ナイロン粉体、ポリエチレン粉体、ポリスチレン粉体等を例示できる。また、シリコーン処理やフッ素処理等を施した表面処理粉体を用いてもよい。また、複数種の不溶性粉体からなる複合粉体を用いてもよい。不溶性粉体はあらかじめシリコーン油などに分散処理した市販されている分散体を用いてもよい。
【0015】
油剤としては、例えば、シリコーン油、エステル油、油脂、炭化水素類が好ましい。シリコーン油としては、ジメチコン、メチルトリメチコン、カプリリルメチコン、フェニルトリメチコン、ハイドロゲンジメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、シクロヘキサシロキサン、シクロペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が例示できる。
エステル油としては、例えば、2−エチルヘキサン酸セチル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、ジイソノナン酸1,3−ブチレングリコール、ジ2−エチルヘキサン酸1,3−ブチレングリコール、ジイソノナン酸ジプロピレングリコール、ジ2−エチルヘキサン酸ジプロピレングリコール、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコー、ネオペンタン酸イソステアリル、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル等が例示できる。
油脂としては、例えば、ツバキ油、月見草油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、トウモロコシ油、ゴマ油、ホホバ油、胚芽油、小麦胚芽油等の液体油脂を例示できる。
炭化水素類としては、例えば、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス等が例示できる。
【0016】
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等を例示できる。
【0017】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール等の分岐鎖アルコール等を例示できる。
【0018】
シリコーン系増粘剤としては、部分架橋型オルガノポリシロキサン、アルキル変性部分架橋型オルガノポリシロキサン、シリコーン分岐型アルキル変性部分架橋型オルガノポリシロキサンを例示できる。部分架橋型オルガノポリシロキサンと、シクロペンタシロキサンやジメチコンといった油剤とをあらかじめ混合したゲル混合物を用いてもよい。
【0019】
水溶性高分子としては、例えば、アラビアゴム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシードエキス、デキストラン、プルラン、カルボキシメチルデンプン、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン、メチルセルロース、メチルハイドロキシプロピルセルロース、ハイドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー等を例示できる。
【0020】
その他の増粘剤としては、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル、ステアリン酸デキストリン、イソステアリン酸デキストリン等を例示できる。
【0021】
防腐剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン等を例示できる。
【0022】
金属イオン封鎖剤としては、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エデト酸、エデ
酸ナトリウム塩等のエデト酸塩を例示できる。
【0023】
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸、サリチル酸フェニル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、2,4−ジハイドロキシベンゾフェノン等を例示できる。
【0024】
ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール等のビタミンA類、リボフラビン等のビタミンB6類、ピリドキシン塩酸塩等のB6類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸モノパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−グルコシド等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム等のパントテン酸類、ビタミンD6、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール等のビタミンE類を例示できる。
【0025】
本発明の油中水型乳化化粧料は、適する商材としてサンスクリーンクリーム、サンスクリーン乳液、サンケアスプレー、サンスクリーンムース等の日焼け止め化粧料が挙げられる。また、UV防止効果が高いので、UVカット機能付きの化粧下地やファンデーションクリーム・乳液としてもよい。
【実施例】
【0026】
以下に実施例(表1)、比較例(表2)の組成物を用いた使用試験の結果を示し、本発明をさらに詳しく説明する。なお、実施例、比較例の組成物は次のような特徴を有している。
実施例および比較例の組成には、共通して(A)金属酸化物である酸化チタンと酸化亜鉛が合計量で24質量%配合されている。界面活性剤は、必須の界面活性剤(C)と任意のその他の界面活性剤の両方あるいは片方のみが配合されている。
実施例1は、必須の界面活性剤(C)と、任意のその他の界面活性剤との合計量で6質量%を含んでいる。
実施例2、3は、必須の界面活性剤(C)と任意のその他の界面活性剤との合計量で5.5質量%を含んでいる。
実施例4は、任意の界面活性剤を含まず、必須の界面活性剤(C)のみを含む処方構成であり、界面活性剤(C)は、5.5質量%配合されている。
そして、実施例1〜4のいずれにも(B)ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオールが6質量%配合されている。
【0027】
【表1】
【0028】
一方、比較例1〜14は、油剤(B)と界面活性剤(C)のいずれか一方を欠くか、あるいは両方を含まない組成である。
比較例1〜4は、必須の界面活性剤(C)を含まず任意の界面活性剤のみを含み、その配合量は、比較例1が6質量%、比較例2〜4が5.5質量%である。
比較例5〜9は、必須の界面活性剤(C)と任意のその他界面活性剤の両方を含み、その合計量は、いずれも5.5質量%である。また、油剤(B)のジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオールは配合されていない。
比較例10〜14は、油剤(B)と界面活性剤(C)の両方を含まない組成である。そして任意の界面活性剤のみを夫々6質量%含む。
比較例5〜14には、共通して油剤(B)の代わりに、その他油剤である、イソノナン酸イソトリデシル、スクワラン、エチルヘキサン酸セチル、ネオペンタン酸イソステアリル、ジメチコンのいずれかを6質量%配合している。
【0029】
【表2】
【0030】
1.試験品の調製
表1(実施例1〜4)、表2(比較例1〜14)の組成の油中水型乳化化粧料を以下の調製方法により調製した。
【0031】
2.調製方法
油性成分を室温で混合し、ホモミキサー(3000rpm)で10分間混合した。混合物に水溶性成分を投入しながら、ホモミキサー(3000rpm)で混合し、1〜2分間乳化した。ホモミキサー(4500rpm)で10分間混合を継続し、調製を終了した。
【0032】
3.評価(白浮き1、白浮き2、洗浄性)
専門の官能評価員により表1、2の油中水型乳化化粧料を、下記試験法により評価した。また使用感について特記事項がある場合報告させた。
結果を表1、2の下段に示した。
【0033】
<白浮き1(塗布した時の透明性)>
得られた油中水型乳化化粧料を上腕内側部に0.02gとり、1cm
2あたり2μgを塗り伸ばした。その後、白浮きの有無を下記基準により目視評価した。
(評価基準)
〇:白浮きしていない
×:白浮きしている
【0034】
<白浮き2(水に濡れた時の透明性)>
ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)製プレートに得られた油中水型乳化化粧料30mgを5cm×5cmの範囲に塗り伸ばし、乾燥させた。その後浸水させた。5分後に取り出し、黒色の背景下に置き、白浮きの程度を下記基準により目視評価した。
(評価基準)
◎:白浮きがない
〇:白浮きが若干あるがほとんど気にならない
×:白浮きがある
【0035】
<洗浄性(洗い落としやすさ)>
得られた油中水型乳化化粧料を0.02g量りとり、上腕内側部の2cm×2cmの範囲に塗り伸ばし、30分間乾燥させた。引き続いて、塗布部分に、市販の洗顔料((株)ファンケル化粧品製 モイストボディウォッシュ)を1プッシュ置いて20回指で擦り洗浄し、流水で洗い流す。この洗浄を3回繰り返した後、軽くティッシュで押さえて水分を除去し、目視観察し評価した。
評価基準は、下記基準によった。
(評価基準)
○:落としやすいと感じた
×:落としにくいと感じた
【0036】
4.評価結果及び考察
本発明の構成をとる実施例1〜4の油中水型乳化粧料は、金属酸化物を24質量%と高配合しているにも関わらず、肌に塗布した時に白浮きがなく、かつ水に濡れても白くならず、しかも洗浄しやすいことが確認出来た。また全ての実施例が塗布に際して、伸びが良いとの評価を得た。
中でも(C)界面活性剤としてビス−(グリセリル/ラウリル)グリセリルラウリルジメチコンを配合した実施例1は、水で濡れた時の透明性(白浮きの無さ)が特に優れており、目視による官能評価結果は「◎:白浮きがない」であり、洗浄性も「○:落としやすい」と評価された。また、肌に塗布するときに、特に伸びが良いとの特記があった。
さらに、実施例1〜4の化粧料はUVカット効果に優れていることが確認された。
一方、比較例1〜4は、肌に塗布した時に白浮きがなく透明性はあったが、水に濡れた時に白浮きしてしまい透明性が悪くなってしまった。比較例1〜4は、洗浄性については「○:落としやすい」と評価されたが、前述したとおり水に濡れた時に白浮きが発生するため好ましくないとの官能評価員の総合評価であった。
比較例5〜9は、肌に塗布した時に白浮きがなく透明性があり、水に濡れた時も白浮きせずに透明性も良いとの評価であった。しかし、洗浄性が悪く「×:落としにくい」と評価された。比較例5〜9も、好ましくないとの官能評価員の総合評価であった。
比較例10〜14は、任意の界面活性剤の配合量が6質量%と高いにも係らず洗浄性の評価が低かった。このため好ましくないとの官能評価員の総合評価であった。
【0037】
以上のとおり官能評価結果から、本発明の構成をとる油中水型乳化粧料は、金属酸化物を高配合しているにも関わらず伸びが良く、肌に塗布した時に白浮きがなく、水に濡れても白くならず、しかも洗浄しやすいことが明らかとなった。
本発明の油中水型乳化化粧料は、前記特性を有しているので、金属酸化物を高配合した日焼け止め化粧料や化粧下地、ファンデーションなどの油中水型乳化化粧料として好ましいものである。
【0038】
処方例1(日焼け止め乳液)
成分 質量%
1.微粒子酸化チタン 5
2.微粒子酸化亜鉛 15
3.ビス−(グリセリル/ラウリル)グリセリルラウリルジメチコン 1.5
4.ポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 1.5
5.PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 2.5
6.ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 2.5
7.ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオール 8
8.シクロペンタシロキサン 残余
9.ジメチコン 5
10.ポリヒドロキシステアリン酸 0.05
11.水 20
12.塩化ナトリウム 1
13.防腐剤 適量
(調製方法)
成分1.〜10.を室温で混合し、ホモミキサー(3000rpm)で10分間混合した。混合物に成分11.〜13.を投入しながら、ホモミキサー(3000rpm)で混合し、乳化した(1〜2分間)。ホモミキサー(4500rpm)で10分間混合を継続し、調製を終了した。
処方例1の日焼け止め乳液は、伸びがよく、肌に塗布した時に全く白浮きしなかった。水に濡れても白浮きせず、透明性に優れていた。また、油性クレンジング料で落とさなくても洗顔料で簡単に落とすことが出来た。