(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6674829
(24)【登録日】2020年3月11日
(45)【発行日】2020年4月1日
(54)【発明の名称】膜式ガスメーター及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G01F 3/22 20060101AFI20200323BHJP
【FI】
G01F3/22 A
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-81739(P2016-81739)
(22)【出願日】2016年4月15日
(65)【公開番号】特開2017-191061(P2017-191061A)
(43)【公開日】2017年10月19日
【審査請求日】2019年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116633
【氏名又は名称】愛知時計電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000150109
【氏名又は名称】株式会社竹中製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000156813
【氏名又は名称】関西ガスメータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】花木 克久
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 孝紘
(72)【発明者】
【氏名】能登 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 和也
(72)【発明者】
【氏名】山本 泰広
【審査官】
公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−206656(JP,A)
【文献】
特開2004−343931(JP,A)
【文献】
実開昭55−034294(JP,U)
【文献】
欧州特許出願公開第02063234(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜式ガスメーターの膜に接続されたレバーが連結されている連結シャフト部を上端部に有しかつ、メーターケースに回転可能に支持されている支持シャフト部を下端部に有するクランクシャフトを備えた膜式ガスメーターにおいて、
前記連結シャフト部の上端部に取り付けられて、磁石を支持シャフト部の回転軸上に配置するマグネットホルダと、
前記メーターケースのうち前記クランクシャフトに上方から対向する天井壁の上側に固定されて前記支持シャフト部の回転軸上に配置され、前記磁石による磁気の変化に基づいて前記クランクシャフトの回転量を検出するための磁気センサーと、
前記磁気センサーにて検出した前記クランクシャフトの回転量に基づいてガスの流量を演算する演算部と、
前記支持シャフト部の中心軸と直交する2次元平面内で、前記マグネットホルダを前記クランクシャフトに対して2次元的に位置決めするホルダ位置決部と、を備え、
前記クランクシャフトのうち前記連結シャフト部の下端部を支持する旋回支持部には、角部を挟んで隣り合いかつ前記支持シャフト部の回転中心と平行な平面である第1側面と第2側面とが備えられ、
前記ホルダ位置決部は、前記連結シャフト部の上端部と、前記マグネットホルダに形成され、前記連結シャフト部の上端部が嵌合している嵌合孔と、前記第1側面及び前記第2側面と、前記マグネットホルダに形成され、前記第1側面及び前記第2側面に当接する2面当接部とを備えてなる膜式ガスメーター。
【請求項2】
膜式ガスメーターの膜に接続されたレバーが連結されている連結シャフト部を上端部に有しかつ、メーターケースに回転可能に支持されている支持シャフト部を下端部に有するクランクシャフトを備えた膜式ガスメーターにおいて、
前記連結シャフト部の上端部に取り付けられて、磁石を支持シャフト部の回転軸上に配置するマグネットホルダと、
前記メーターケースのうち前記クランクシャフトに上方から対向する天井壁の上側に固定されて前記支持シャフト部の回転軸上に配置され、前記磁石による磁気の変化に基づいて前記クランクシャフトの回転量を検出するための磁気センサーと、
前記磁気センサーにて検出した前記クランクシャフトの回転量に基づいてガスの流量を演算する演算部と、
前記支持シャフト部の中心軸と直交する2次元平面内で、前記マグネットホルダを前記クランクシャフトに対して2次元的に位置決めするホルダ位置決部と、を備え、
前記ホルダ位置決部は、前記クランクシャフトのうち前記連結シャフト部の下端部を支持する旋回支持部に備えた2つの位置決孔と、前記マグネットホルダに設けられて、前記2つの位置決孔に嵌合する2つの位置決ピンとを備えてなる膜式ガスメーター。
【請求項3】
膜式ガスメーターの膜に接続されたレバーが連結されている連結シャフト部を上端部に有しかつ、メーターケースに回転可能に支持されている支持シャフト部を下端部に有するクランクシャフトを備えた膜式ガスメーターにおいて、
前記連結シャフト部の上端部に取り付けられて、磁石を支持シャフト部の回転軸上に配置するマグネットホルダと、
前記メーターケースのうち前記クランクシャフトに上方から対向する天井壁の上側に固定されて前記支持シャフト部の回転軸上に配置され、前記磁石による磁気の変化に基づいて前記クランクシャフトの回転量を検出するための磁気センサーと、
前記磁気センサーにて検出した前記クランクシャフトの回転量に基づいてガスの流量を演算する演算部と、
前記支持シャフト部の中心軸と直交する2次元平面内で、前記マグネットホルダを前記クランクシャフトに対して2次元的に位置決めするホルダ位置決部と、を備え、
前記マグネットホルダは、前記レバーに形成された連結孔に受容される調整カラーと一体に設けられている膜式ガスメーター。
【請求項4】
膜式ガスメーターの膜に接続されたレバーが連結されている連結シャフト部を上端部に有しかつ、メーターケースに回転可能に支持されている支持シャフト部を下端部に有するクランクシャフトを備えた膜式ガスメーターにおいて、
前記連結シャフト部の上端部に取り付けられて、磁石を支持シャフト部の回転軸上に配置するマグネットホルダと、
前記メーターケースのうち前記クランクシャフトに上方から対向する天井壁の上側に固定されて前記支持シャフト部の回転軸上に配置され、前記磁石による磁気の変化に基づいて前記クランクシャフトの回転量を検出するための磁気センサーと、
前記磁気センサーにて検出した前記クランクシャフトの回転量に基づいてガスの流量を演算する演算部と、
前記支持シャフト部の中心軸と直交する2次元平面内で、前記マグネットホルダを前記クランクシャフトに対して2次元的に位置決めするホルダ位置決部と、を備え、
前記連結シャフト部には、前記マグネットホルダと、前記レバーに形成された連結孔に受容される調整カラーと、が別個に取り付けられている膜式ガスメーター。
【請求項5】
前記調整カラーにおける側面にネジ穴が設けられ、
このネジ穴に、前記マグネットホルダを前記連結シャフト部に対して固定するための固定ネジが装着されている請求項3に記載の膜式ガスメーター。
【請求項6】
膜式ガスメーターの膜に接続されたレバーが連結されている連結シャフト部を上端部に有しかつ、メーターケースに回転可能に支持されている支持シャフト部を下端部に有するクランクシャフトを備えた膜式ガスメーターにおいて、
前記連結シャフト部の上端部に取り付けられて、磁石を支持シャフト部の回転軸上に配置するマグネットホルダと、
前記メーターケースのうち前記クランクシャフトに上方から対向する天井壁の上側に固定されて前記支持シャフト部の回転軸上に配置され、前記磁石による磁気の変化に基づいて前記クランクシャフトの回転量を検出するための磁気センサーと、
前記磁気センサーにて検出した前記クランクシャフトの回転量に基づいてガスの流量を演算する演算部と、
前記支持シャフト部の中心軸と直交する2次元平面内で、前記マグネットホルダを前記クランクシャフトに対して2次元的に位置決めするホルダ位置決部と、を備え、
前記マグネットホルダは、前記磁石の底面が当接する主板と、前記主板から突出して前記磁石の側面に当接する当接壁と、前記当接壁に貫通形成された調整ネジ穴に調整ネジを挿通して前記磁石の位置を調整可能な調整機構と、を備える膜式ガスメーター。
【請求項7】
膜式ガスメーターの膜に接続されたレバーが連結されている連結シャフト部を上端部に有しかつ、メーターケースに回転可能に支持されている支持シャフト部を下端部に有するクランクシャフトを備えた既存の膜式ガスメーターにおける前記連結シャフトに、マグネットホルダを2次元的に位置決めされた状態に取り付けて、前記支持シャフト部の回転軸上に磁石を配置し、前記支持シャフト部の回転軸上に配置された磁気センサーが磁気の変化に基づいて検出した前記クランクシャフトの回転量からガスの流量を計測する膜式ガスメーターを製造する膜式ガスメーターの製造方法において、
前記連結シャフト部に嵌合し、かつ、前記レバーに形成された連結孔に受容される調整カラーと、前記マグネットホルダとを一体に形成し、
既存の調整カラーを、前記マグネットホルダ付きの調整カラーに交換する膜式ガスメーターの製造方法。
【請求項8】
膜式ガスメーターの膜に接続されたレバーが連結されている連結シャフト部を上端部に有しかつ、メーターケースに回転可能に支持されている支持シャフト部を下端部に有するクランクシャフトを備えた既存の膜式ガスメーターにおける前記連結シャフトに、マグネットホルダを2次元的に位置決めされた状態に取り付けて、前記支持シャフト部の回転軸上に磁石を配置し、前記支持シャフト部の回転軸上に配置された磁気センサーが磁気の変化に基づいて検出した前記クランクシャフトの回転量からガスの流量を計測する膜式ガスメーターを製造する膜式ガスメーターの製造方法において、
前記マグネットホルダを、前記連結シャフト部に嵌合され、かつ、前記レバーに形成された連結孔に受容された既存の調整カラーの上に取り付ける膜式ガスメーターの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜とクランクシャフトとがレバーにより連結されている膜式ガスメーター及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の膜式ガスメーターとして、レバーとしての小ひじ金に磁石が取り付けられると共に、その磁石の移動範囲内に磁気センサーが設けられ、小ひじ金の回動数に基づいてガスの流量を検出するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−267518号公報(段落[0015],
図2等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、上述した回動検出式の膜式ガスメーターに代えて、回転検出式の膜式ガスメーターが求められている。
【0005】
本発明の目的は、回転検出式であり、かつ、製造が容易な膜式ガスメーター及びその製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、膜式ガスメーターの膜に接続されたレバーが連結されている連結シャフト部を上端部に有しかつ、メーターケースに回転可能に支持されている支持シャフト部を下端部に有するクランクシャフトを備えた膜式ガスメーターにおいて、前記連結シャフト部の上端部に取り付けられて、磁石を支持シャフト部の回転軸上に配置するマグネットホルダと、前記メーターケースのうち前記クランクシャフトに上方から対向する天井壁の上側に固定されて前記支持シャフト部の回転軸上に配置され、前記磁石による磁気の変化に基づいて前記クランクシャフトの回転量を検出するための磁気センサーと、前記磁気センサーにて検出した前記クランクシャフトの回転量に基づいてガスの流量を演算する演算部と、前記支持シャフト部の中心軸と直交する2次元平面内で、前記マグネットホルダを前記クランクシャフトに対して2次元的に位置決めするホルダ位置決部と
、を備え、前記クランクシャフトのうち前記連結シャフト部の下端部を支持する旋回支持部には、角部を挟んで隣り合いかつ前記支持シャフト部の回転中心と平行な平面である第1側面と第2側面とが備えられ、前記ホルダ位置決部は、前記連結シャフト部の上端部と、前記マグネットホルダに形成され、前記連結シャフト部の上端部が嵌合している嵌合孔と、前記第1側面及び前記第2側面と、前記マグネットホルダに形成され、前記第1側面及び前記第2側面に当接する2面当接部とを備えてなる膜式ガスメーターである。
【0009】
請求項
2の発明は、
膜式ガスメーターの膜に接続されたレバーが連結されている連結シャフト部を上端部に有しかつ、メーターケースに回転可能に支持されている支持シャフト部を下端部に有するクランクシャフトを備えた膜式ガスメーターにおいて、前記連結シャフト部の上端部に取り付けられて、磁石を支持シャフト部の回転軸上に配置するマグネットホルダと、前記メーターケースのうち前記クランクシャフトに上方から対向する天井壁の上側に固定されて前記支持シャフト部の回転軸上に配置され、前記磁石による磁気の変化に基づいて前記クランクシャフトの回転量を検出するための磁気センサーと、前記磁気センサーにて検出した前記クランクシャフトの回転量に基づいてガスの流量を演算する演算部と、前記支持シャフト部の中心軸と直交する2次元平面内で、前記マグネットホルダを前記クランクシャフトに対して2次元的に位置決めするホルダ位置決部と、を備え、前記ホルダ位置決部は、前記クランクシャフトのうち前記連結シャフト部の下端部を支持する旋回支持部に備えた2つの位置決孔と、前記マグネットホルダに設けられて、前記2つの位置決孔に嵌合する2つの位置決ピンとを備えてな
る膜式ガスメーターである。
【0010】
請求項
3の発明は、
膜式ガスメーターの膜に接続されたレバーが連結されている連結シャフト部を上端部に有しかつ、メーターケースに回転可能に支持されている支持シャフト部を下端部に有するクランクシャフトを備えた膜式ガスメーターにおいて、前記連結シャフト部の上端部に取り付けられて、磁石を支持シャフト部の回転軸上に配置するマグネットホルダと、前記メーターケースのうち前記クランクシャフトに上方から対向する天井壁の上側に固定されて前記支持シャフト部の回転軸上に配置され、前記磁石による磁気の変化に基づいて前記クランクシャフトの回転量を検出するための磁気センサーと、前記磁気センサーにて検出した前記クランクシャフトの回転量に基づいてガスの流量を演算する演算部と、前記支持シャフト部の中心軸と直交する2次元平面内で、前記マグネットホルダを前記クランクシャフトに対して2次元的に位置決めするホルダ位置決部と、を備え、前記マグネットホルダは、前記レバーに形成された連結孔に受容される調整カラーと一体に設けられてい
る膜式ガスメーターである。
【0011】
請求項
4の発明は、
膜式ガスメーターの膜に接続されたレバーが連結されている連結シャフト部を上端部に有しかつ、メーターケースに回転可能に支持されている支持シャフト部を下端部に有するクランクシャフトを備えた膜式ガスメーターにおいて、前記連結シャフト部の上端部に取り付けられて、磁石を支持シャフト部の回転軸上に配置するマグネットホルダと、前記メーターケースのうち前記クランクシャフトに上方から対向する天井壁の上側に固定されて前記支持シャフト部の回転軸上に配置され、前記磁石による磁気の変化に基づいて前記クランクシャフトの回転量を検出するための磁気センサーと、前記磁気センサーにて検出した前記クランクシャフトの回転量に基づいてガスの流量を演算する演算部と、前記支持シャフト部の中心軸と直交する2次元平面内で、前記マグネットホルダを前記クランクシャフトに対して2次元的に位置決めするホルダ位置決部と、を備え、前記連結シャフト部には、前記マグネットホルダと、前記レバーに形成された連結孔に受容される調整カラーと、が別個に取り付けられてい
る膜式ガスメーターである。
【0014】
請求項
5の発明は、前記調整カラーにおける側面にネジ穴が設けられ、このネジ穴に、前記マグネットホルダを前記連結シャフト部に対して固定するための固定ネジが装着されている請求項
3に記載の膜式ガスメーターである。
【0015】
請求項
6の発明は、
膜式ガスメーターの膜に接続されたレバーが連結されている連結シャフト部を上端部に有しかつ、メーターケースに回転可能に支持されている支持シャフト部を下端部に有するクランクシャフトを備えた膜式ガスメーターにおいて、前記連結シャフト部の上端部に取り付けられて、磁石を支持シャフト部の回転軸上に配置するマグネットホルダと、前記メーターケースのうち前記クランクシャフトに上方から対向する天井壁の上側に固定されて前記支持シャフト部の回転軸上に配置され、前記磁石による磁気の変化に基づいて前記クランクシャフトの回転量を検出するための磁気センサーと、前記磁気センサーにて検出した前記クランクシャフトの回転量に基づいてガスの流量を演算する演算部と、前記支持シャフト部の中心軸と直交する2次元平面内で、前記マグネットホルダを前記クランクシャフトに対して2次元的に位置決めするホルダ位置決部と、を備え、前記マグネットホルダは、前記磁石の底面が当接する主板と、前記主板から突出して前記磁石の側面に当接する当接壁と、前記当接壁に貫通形成された調整ネジ穴に調整ネジを挿通して前記磁石の位置を調整可能な調整機構と、を備え
る膜式ガスメーターである。
【0016】
請求項
7の発明は、膜式ガスメーターの膜に接続されたレバーが連結されている連結シャフト部を上端部に有しかつ、メーターケースに回転可能に支持されている支持シャフト部を下端部に有するクランクシャフトを備えた既存の膜式ガスメーターにおける前記連結シャフトに、マグネットホルダを2次元的に位置決めされた状態に取り付けて、前記支持シャフト部の回転軸上に磁石を配置し、前記支持シャフト部の回転軸上に配置された磁気センサーが磁気の変化に基づいて検出した前記クランクシャフトの回転量からガスの流量を計測する膜式ガスメーターを製造する膜式ガスメーターの製造方法
において、前記連結シャフト部に嵌合し、かつ、前記レバーに形成された連結孔に受容される調整カラーと、前記マグネットホルダとを一体に形成し、既存の調整カラーを、前記マグネットホルダ付きの調整カラーに交換する膜式ガスメーターの製造方法である。
【0018】
請求項
8の発明は、
膜式ガスメーターの膜に接続されたレバーが連結されている連結シャフト部を上端部に有しかつ、メーターケースに回転可能に支持されている支持シャフト部を下端部に有するクランクシャフトを備えた既存の膜式ガスメーターにおける前記連結シャフトに、マグネットホルダを2次元的に位置決めされた状態に取り付けて、前記支持シャフト部の回転軸上に磁石を配置し、前記支持シャフト部の回転軸上に配置された磁気センサーが磁気の変化に基づいて検出した前記クランクシャフトの回転量からガスの流量を計測する膜式ガスメーターを製造する膜式ガスメーターの製造方法において、前記マグネットホルダを、前記連結シャフト部に嵌合され、かつ、前記レバーに形成された連結孔に受容された既存の調整カラーの上に取り付け
る膜式ガスメーターの製造方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、既存の膜式ガスメーターの部品、特にクランクシャフトを流用することが可能となるので、回転検出型の膜式ガスメーターを容易に製造することができる。特に、都市ガスの需要家で使用されているガスメーターの場合、10年ごとにその更新を行うことが法令上義務化されており、このような更新作業において引き上げて来た回動検出型の膜式ガスメーターから回転検出型の膜式ガスメーターを手間及び費用をかけずに製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る膜式ガスメーターの斜視図
【
図3】マグネットホルダが組み付けられたクランクシャフトの斜視図
【
図4】(A)マグネットホルダが組み付けられたクランクシャフトの側面図、(B)マグネットホルダが組み付けられたクランクシャフトの側面図
【
図7】既存の膜式ガスメーターに係るケース本体の斜視図
【
図8】第2実施形態に係るマグネットホルダ周辺の分解斜視図
【
図9】第2実施形態に係るマグネットホルダ周辺の分解斜視図
【
図10】第3実施形態に係るマグネットホルダ周辺の分解斜視図
【
図11】第3実施形態に係るマグネットホルダ周辺の分解斜視図
【
図12】変形例に係るマグネットホルダ周辺の分解斜視図
【
図13】変形例に係るマグネットホルダ周辺の斜視図
【
図14】変形例に係るマグネットホルダ周辺の斜視図
【
図15】変形例に係るマグネットホルダ周辺の斜視図
【
図16】変形例に係るマグネットホルダ周辺の斜視図
【
図17】変形例に係るマグネットホルダ周辺の分解断面図
【
図18】変形例に係るマグネットホルダ周辺の斜視図
【
図19】変形例に係るマグネットホルダ周辺の斜視図
【
図20】変形例に係るマグネットホルダ周辺の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を
図1〜
図7に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態の膜式ガスメーター10は、例えばアルミ鋳物のメーターケース11を有している。メーターケース11は、略直方体状をなしたケース本体20と、その上部に組み付けられた上ケース12とから構成されている。
【0022】
ケース本体20の上部には本体天井壁22が設けられていて、
図2に示すように、ケース本体20のうち本体天井壁22の下方には、仕切壁23によって仕切られた2つの計量室21,21が形成されている。各計量室21,21内は、計量膜24,24(本発明の「膜」に相当する)によりそれぞれ二分されている。
【0023】
また、メーターケース11内のうち、ケース本体20の本体天井壁22の上方には、機構室25が設けられている。機構室25には、本体天井壁22に形成され、計量室21,21と機構室25とを連通する連通孔22A,22Aを開閉するバルブ30,30等が配されている。
【0024】
計量膜24,24とバルブ30,30とは、本発明のクランクシャフト40を含む、機構室25に配された複数のリンク部材を介して連結されている。詳細には、
図1に示すように、クランクシャフト40が、本体天井壁22に固定されたクランク台26に回転可能に支持されていて、このクランクシャフト40に対し、計量膜24,24が、計量膜24,24の往復運動に伴って回動する回動シャフト27,27、大ひじ金28,28、小ひじ金29,29(本発明の「レバー」に相当する)を介して連結され、バルブ30,30が、バルブレバー31,31を介して連結されている。
【0025】
これにより、膜式ガスメーター10では、ガスの流れに応じた計量膜24,24の動きに伴って、クランクシャフト40が回転すると共に、バルブ30,30が往復運動する。
【0026】
次に、クランクシャフト40について説明する。本実施形態のクランクシャフト40は、従来の膜式ガスメーターのクランクシャフトと同一構造をなしている。即ち、クランクシャフト40は、
図3に示すように、クランク台26(
図1参照)に回転可能に支持される支持シャフト部41と、支持シャフト部41の上端部から側方に張り出した第1旋回部42と、第1旋回部42のうち支持シャフト部41からずれた位置から上方に起立しかつ上述したバルブレバー31,31(
図1参照)が連結されている第1連結シャフト部43と、第1連結シャフト部43の上端部から側方に張り出した第2旋回部44と、第2旋回部44のうち支持シャフト部41からずれた位置から上方に起立しかつ小ひじ金29,29(
図1参照)が連結されている第2連結シャフト部45(本発明の「連結シャフト部」に相当する)とを有している。
【0027】
第1旋回部42は略長方形状の金属板からなり、その両端部に支持シャフト部41と第1連結シャフト部43とが接続されていて、第2旋回部44は略正方形状の金属板からなりかつ第1旋回部42と平行に延び、1の対角線上の両端部に第1連結シャフト部43と第2連結シャフト部45とが接続されている。
【0028】
第2連結シャフト部45は、金属製のピンからなり、その断面形状は、「D」字形状(つまり、非円形状)をなしている。また、第2連結シャフト部45の上端部には、溝45Mが形成されている。
【0029】
さて、本実施形態の膜式ガスメーター10では、
図3及び
図4に示すように、クランクシャフト40の上端部である第2連結シャフト部45に、磁石55を備えたマグネットホルダ50が組み付けられている。マグネットホルダ50は、第1旋回部42や第2旋回部44と平行に延びた略長方形状の樹脂性の主板部50Sを有し、その一端部に、第2連結シャフト部45に嵌合される嵌合孔51が配される一方、他端部に、磁石55を保持する磁石保持部52が配されている。また、マグネットホルダ50は、第2連結シャフト部45の中心軸から支持シャフト部41の回転軸へ向かう方向に延びていて、磁石55を支持シャフト部41の回転軸上に保持している。なお、磁石55は多極構造をなしている。
【0030】
なお、磁石保持部52は、マグネットホルダ50の主板部50Sから上方に突出して磁石55の側面に当接する複数の位置決突起52Sを有している。複数の位置決突起52Sの一部には、磁石55を保持するための爪部52Tが形成されている。
【0031】
マグネットホルダ50には、調整カラー47が一体に形成されている。調整カラー47は、マグネットホルダ50の主板部50Sの前記一端部から下方へ延びた円柱体であり、小ひじ金29,29に形成された円形の連結孔29A,29A(
図7参照)に受容される。嵌合孔51は、この調整カラー47と主板部50Sとを合わせて貫通している。
【0032】
ここで、
図5及び
図6に示すように、マグネットホルダ50の嵌合孔51は、第2連結シャフト部45の断面形状に対応した「D」字形状をなしている。これによりマグネットホルダ50がクランクシャフト40に対して位置決めされ、磁石55が支持シャフト部41の回転軸上に保持される。なお、マグネットホルダ50は、第2連結シャフト部45の溝に取り付けられた図示しないEリングにより抜け止めされている。なお、第2連結シャフト部45が本発明の「非円形軸部」に相当し、嵌合孔51が本発明の「非円形孔」に相当し、第2連結シャフト部45と嵌合孔51とが本発明の「ホルダ位置決部」に相当する。
【0033】
図1に示すように、上ケース12には機構室25の天井壁となる支持壁13が形成されていて、この支持壁13に本発明の磁気センサー60が備えられている。磁気センサー60は、クランクシャフト40における支持シャフト部41の回転軸上、つまり、磁石55と対向する位置に配され、磁石55の回転(即ち、クランクシャフト40の回転)による磁気の変化を検出し、パルス信号を出力する。そして、図示しない演算部が、このパルス信号に基づいてガスの流量を演算する。
【0034】
本実施形態の膜式ガスメーター10は以下のようにして製造される。
【0035】
まず、既存の膜式ガスメーター10Xを用意して、上ケースを外す。
図7に示すように、既存の膜式ガスメーター10Xには、クランクシャフト40の第2連結シャフト部45に、小ひじ金29,29の連結孔29A,29Aに受容される調整カラー47Xが装着されている。
【0036】
この既存の調整カラー47Xを取り外して、調整カラー47付きのマグネットホルダ50を、第2連結シャフト部45の断面形状と嵌合孔51の形状とを合わせて装着する。そして、磁気センサー60が磁石55と対向する位置に配された上ケース12を装着する。これにより、本実施形態の膜式ガスメーター10が製造される。
【0037】
本実施形態の構成は以上である。本実施形態によれば、既存の膜式ガスメーター10Xの構造を流用して、クランクシャフト40に装着された既存の調整カラー47Xを調整カラー47付きのマグネットホルダ50に差し替えることで、回転検出型の膜式ガスメーター10を容易に製造することができる。特に、組み付けに手間を要するクランクシャフト40を流用しているため、変更にかかる手間及び費用をより減らすことができる。また、マグネットホルダ50の嵌合孔51は、第2連結シャフト部45の非円形な断面形状に対応した非円形状となっているので、磁石55がクランクシャフト40に対して位置決めされる。
【0038】
[第2実施形態]
本実施形態の膜式ガスメーター10は、マグネットホルダ50の構造が上記第1実施形態と異なっている。即ち、本実施形態のマグネットホルダ50には、
図8及び
図9に示すように、調整カラー47の下端部に位置決め部53が設けられている。位置決め部53は、第2旋回部44(本発明の「旋回当接部」に相当する)の上面に当接される主板部53Sと、主板部53Sから下方へ突出し、第2旋回部44の側面のうち1つの角部を挟んで隣り合う2面に当接する2面当接部53Tとを有している。この2面当接部53Tが第2旋回部44の2面(本発明の「第1側面」及び「第2側面」に相当する)に当接することにより、マグネットホルダ50がクランクシャフト40に対して位置決めされる。なお、本実施形態の構成とした場合、嵌合孔51は、D字形状であってもよいし、
図8及び
図9に示すように円形であってもよい。
【0039】
[第3実施形態]
本実施形態の膜式ガスメーター10は、マグネットホルダ50を位置決めする構成が上記第1実施形態と異なっている。以下に、上記第1実施形態との相違点を
図10及び
図11に基づいて説明する。
【0040】
本実施形態の膜式ガスメーター10では、第2旋回部44に、2つの位置決孔44A,44Aが形成されている。この位置決孔44A,44Aは、例えば、支持シャフト部41を受容する治具にクランクシャフト40を固定した状態で、第2旋回部44の特定位置に孔を開けることで形成される。これにより、位置決孔44A,44Aが、支持シャフト部41の回転軸に対して位置決めされる。
【0041】
そして、マグネットホルダ50には、調整カラー47の下端部に位置決め部53が設けられている。位置決め部53は、第2旋回部44の上面に載置される主板部53Sと、主板部53Sから下方へ突出し、上述した位置決孔44A,44Aに嵌合される2つの位置決ピン53P,53Pと、を有している。これら位置決ピン53P,53Pが位置決孔44A,44Aに嵌合されることにより、マグネットホルダ50がクランクシャフト40に対して位置決めされる。
【0042】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0043】
(1)上記実施形態では、マグネットホルダ50が樹脂製であったが、金属製であってもよい。
【0044】
(2)上記実施形態では、調整カラーがマグネットホルダ50に一体形成されていたが、
図12に示すように、調整カラーとマグネットホルダ50とを別個に設けた構成としてもよい。この場合、既存の調整カラー47Xを流用することができる。
【0045】
調整カラーとマグネットホルダ50とを別個にする場合、マグネットホルダ50の素材を調整カラーの素材と同じにしてもよいし、異ならせてもよい。例えば、調整カラーを金属製として、マグネットホルダ50を樹脂製としてもよい。この場合、
図13に示すように、マグネットホルダ50における嵌合孔51の近傍部を金属製の環状部材50Kから構成し、その環状部材50Kを樹脂性の主板部50Sにインサート成形等により一体に取り付けておくことが好ましい。
【0046】
(3)上記実施形態では、マグネットホルダ50の主板部50Sと位置決突起52Sとが樹脂により一体形成されていたが、例えば、樹脂製の位置決突起52Sが金属製の主板部50Sに一体に取り付けられた構成であってもよい。
【0047】
(4)上記実施形態では、磁石55が主板部50Sから上方に突出した位置決突起52Sにより固定される構成となっていたが、例えば、
図14に示すように、マグネットホルダ50の主板部50Sに接着等により固定される構成であってもよいし、
図15に示すように、マグネットホルダ50の主板部50Sに対して上方から取り付けられて磁石55を保持するカバー部材50Lを取り付ける構成であってもよい。
【0048】
(5)上記実施形態では、磁石保持部52がマグネットホルダ50の主板部50Sに一体に形成される構成であったが、例えば、
図16に示すように、磁石保持部52を主板部50Sと別体とし、スナップフィット等により固定される構成としてもよい。
【0049】
(6)上記実施形態では、マグネットホルダ50が第2連結シャフト部45の溝45Mに装着されたEリング(図示せず)によって抜け止めされていたが、
図17に示すように、マグネットホルダ50の嵌合孔51の内面に、第2連結シャフト部45の溝45M(本発明の「係合溝」に相当する)に係合する係合突条50Tを設ける構成であってもよい。
【0050】
(7)また、
図18に示すように、調整カラー47の側面にネジ穴47Nを設け、固定ネジ(図示せず)によって固定する構成であってもよい。
【0051】
(8)また、
図19に示すように、第2連結シャフト部45にネジ穴を形成し、そのネジ穴に、マグネットホルダ50の上からワッシャー56と共に固定ネジ57を装着する構成であってもよい。
【0052】
(9)
図20に示すように、位置決突起52S(本発明の「当接壁」に相当する)の一部に調整ネジ穴52Nを設け、磁石55の位置を調整ネジ58によって微調整可能に構成してもよい。これら調整ネジ穴52Nと調整ネジ58とが本発明の「調整機構」に相当する。
【符号の説明】
【0053】
10 膜式ガスメーター
11 メーターケース
24 計量膜(膜)
25 機構室
29 小ひじ金(レバー)
40 クランクシャフト
41 支持シャフト部
44 第2旋回部(旋回支持部)
45 第2連結シャフト部(連結シャフト部)
47 調整カラー
50 マグネットホルダ
51 嵌合孔(非円形孔)
55 磁石
60 磁気センサー