(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エラストマーマトリックスが第2のエラストマーであるエラストマーBを含み、エラトマーBが架橋系に対して反応性であるモノマー単位を含む、請求項6に記載のゴム組成物。
エラストマーA中に存在する第1のメタクリル酸エステルのモノマー単位が、エラストマーAの100mol%のモノマー単位を表す、請求項7又は8に記載のゴム組成物。
【発明を実施するための形態】
【0005】
I.本発明の詳細な説明:
「aとbの間」なる表現によって示される値の間隔は、いずれも、aよりも大きくからbよりも小さいまでに至る値の範囲を示し(即ち、限界値aとbを除く)、一方、「a〜b」なる表現によって示される値の間隔は、いずれも、aからbまでに至る値の範囲を意味する(即ち、厳格な限定値a及びbを含む)。
「ベースとする」組成物なる表現は、使用する各種構成成分の混合物及び/又は反応生成物を含む組成物を意味するものと理解すべきであり、これらベース構成成分の一部は、組成物の種々の製造段階において、特に、その架橋又は加硫中に、少なくとも部分的に互いに反応し得るか或いは反応することを意図する。
すべてのパーセントは、特に明記しない限り質量パーセントである。
省略形「phr」は、エラストマーマトリックス中に存在するエラストマーの100部当たりの質量部を意味する。
「エラストマーマトリックス」は、ゴム組成物中に存在するすべてのエラストマーを意味するものと理解される。
エラストマーマトリックスの全部又は一部を形成するエラストマーAは、エラストマーAの少なくとも20mol%のモノマー単位、好ましくはエラストマーAの少なくとも30mol%のモノマー単位、より好ましくはエラストマーAの少なくとも50mol%のモノマー単位を表す(1種以上の)第1のメタクリル酸エステルのモノマー単位を含む本質的な特徴を有する。これらの好ましい範囲は、本発明の実施態様のいずれの一つにも適用し得る。
【0006】
本発明の1つの実施態様によれば、第1のメタクリル酸エステルは脂肪族化合物である。
本発明の特定の実施態様によれば、第1のメタクリル酸エステルは、1つ以上のエポキシド官能を含むメタクリル酸エステルと異なる。この特定の実施態様は、エラストマーAが1つ以上のエポキシド官能を含むメタクリル酸エステルのモノマー単位を含有することができることを意味するが、それは他のメタクリル酸エステル、この特定の場合には第1のメタクリル酸エステルのモノマー単位を本発明に従うモル含量で含有する。
本発明の1つの好ましい実施態様によれば、第1のメタクリル酸エステルは、式(I)(式中、Zは、1個以上のヘテロ原子によって置換されてよく、中断されてもよい、少なくとも2個の炭素原子を含む炭素ベース鎖である)に対応する。炭素ベース鎖Zが少なくとも2個の炭素原子を含む場合、ウェットグリップのゲイン(gain)がより良好になる。より好ましくは、炭素ベース鎖Zは、炭素原子2〜20個を含む。更により好ましくは、炭素ベース鎖Zは炭化水素ベース鎖である。即ち炭素原子及び水素原子だけからなる。
CH
2=C(CH
3)-COO-Z (I)
【0007】
非常に有利には、Zはアルキル基である。
更に良いのは、第1のメタクリル酸エステルは、式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び(Id)からなる群から選ばれる式に対応する:
CH
2=C(CH
3)-COO-Z(a) (Ia)
CH
2=C(CH
3)-COO-Z(b) (Ib)
CH
2=C(CH
3)-COO-Z(c) (Ic)
CH
2=C(CH
3)-COO-Z(d) (Id)
ここで:
Z(a)は、2-エチルヘキシル基であり、
Z(b)は、n-オクチル基であり、
Z(c)は、イソデシル基であり、
Z(d)は、n-トリデシル基である。
式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び(Id)の第1のメタクリル酸エステルは、本発明の実施態様のいずれの一つにも適用し得る。
【0008】
エラストマーAが数種のモノマーのポリマーである場合、エラストマーAはランダムコポリマーである。例えば、エラストマーAがn-オクチルメタクリレートと2-エチルヘキシルメタクリレートのモノマー単位を含む場合、モノマー単位はポリマー鎖においてランダムに分配される。
本発明の1つの実施態様によれば、エラストマーAは、ラジカル重合によって、特にバルクで、溶液で又は分散媒体で、特にエマルジョン、分散液又は懸濁液で得られたエラストマーである。ラジカル重合は、特にバルクで、溶液で又は分散媒体で、ポリマー合成の当業者に周知の方法である。これらの3つの方法の1つ又は他の選択は、例えば、重合されるモノマーの反応性、重合速度論又は重合反応の発熱状態によって誘導され得る。重合法の選択には、例えば、下記の文献: Macromolecules, 1998, 31, 2822-2827; Macromolecules, 2006, 39, 923-930); J. Am. Chem. Soc. 1951, 73, 5736を参照してもよい。この実施態様は、本発明の実施態様のいずれの一つにも適用し得る。
エラストマーマトリックスは、架橋系に対して反応性である。この本質的な特徴は、エラストマーマトリックスが架橋系に対して反応性である部位を有することを意味する。言い換えれば、エラストマーマトリックスは、架橋系に対して反応性である部位を有する少なくとも1種のエラストマーを含む。
【0009】
本発明の実施態様によれば、架橋系に対して反応性であるエラストマーマトリックスの部位は、共有結合を形成することによって架橋系と反応することができる。この実施態様は、本発明の実施態様のいずれの一つにも適用し得る。
本発明の1つの実施態様によれば、エラストマーマトリックスは、架橋系に対して反応性であるモノマー単位を含む。言い換えれば、エラストマーマトリックスの反応部位は、エラストマーマトリックスのモノマー単位である。この実施態様によれば、エラストマーマトリックスは、エラストマーマトリックスのエラストマーの少なくとも1種に存在し且つ架橋系に対して反応性であるモノマー単位によって架橋系と反応する。モノマー単位が架橋系に対して反応性であるエラストマーは、エラストマーAであり得る。エラストマーAが架橋系に対して反応性であるモノマー単位を有しない場合には、エラストマーマトリックスは架橋系に対して反応性であるモノマー単位を有する第2のエラストマーBを含む。
本発明の1つの実施態様によれば、エラストマーマトリックス中のエラストマーAの含量は、少なくとも20phr、好ましくは少なくとも40phr、より好ましくは少なくとも50phrである。この実施態様がその好ましい形であってもなくても、本発明の実施態様のいずれの一つにも適用し得る。
本発明の第1の変形によれば、エラストマーマトリックスは(1種以上の)第2のエラストマー、エラストマーBを含み、それは架橋系に対して反応性であるモノマー単位を含んでいる。
好ましくは、エラストマーBは、ジエンエラストマーである。
【0010】
「ジエン」エラストマー(又はゴム)は、知られている通り、少なくとも一部分(即ち、ホモポリマー又はコポリマー)は、ジエンモノマー単位(2つの共役又は非共役炭素-炭素二重結合を担持するモノマー)からなる1種(又は数種)のエラストマーとして理解されなければならない。
これらのジエンエラストマーは、2つのカテゴリー:「本質的に不飽和」又は「本質的に飽和」に分類され得る。一般に、「本質的に不飽和」は、少なくとも一部分の含量が15%(mol%)を超えるジエン由来の単位(共役ジエン)を有する共役ジエンモノマーから誘導されるジエンエラストマーを意味するものと理解される;従って、ジエンエラストマー、例えばブチルゴム又はEPDMタイプのジエンとα-オレフィンのコポリマーは、上記の定義に該当せず、特に「本質的に飽和である」ジエンエラストマー(低含量又は非常に低い含量、常に15%未満のジエン由来の単位)として記載されることになる。「本質的に不飽和である」ジエンエラストマーのカテゴリーにおいて、「高度に不飽和である」ジエンエラストマーは、特に、50%を超える含量のジエン由来の単位(共役ジエン)を有するジエンエラストマーを意味するものである。
【0011】
これらの定義を考えれば、「本発明に従う組成物に使用することのできるジエンエラストマー」は、更に特に、以下を意味するものである:
(a)−共役ジエンモノマーの任意のホモポリマー、特に炭素原子4〜12個を有する共役ジエンモノマーの重合によって得られる任意のホモポリマー;
(b)−1種以上の共役ジエンと互いに又は炭素原子8〜20個を有する1種以上のビニル芳香族化合物との共重合によって得られる任意のコポリマー;
(c)−エチレンと炭素原子3〜6個を有するα-オレフィンと炭素原子6〜12個を有する非共役ジエンモノマーとの共重合によって得られた三元共重合体、例えば、エチレン及びプロピレンと上述のタイプの非共役ジエンモノマー、例えば、特に、1,4-ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン又はジシクロペンタジエンから得られたエラストマー;
(d)−不飽和のオレフィンコポリマー、それの鎖は少なくともオレフィンモノマー単位、即ち少なくとも1個のα-オレフィン又はエチレンの挿入から誘導される単位、及び少なくとも1個の共役ジエンから誘導されるジエンモノマー単位を含んでいる;
(e)イソブテンとイソプレンのコポリマー(ブチルゴム)、更にはハロゲン化された変形、特に、このタイプのコポリマーの塩素化された又は臭素化された変形。
【0012】
それがいずれのタイプのジエンエラストマーにもあてはまるにもかかわらず、タイヤの当業者は、本発明が本質的に不飽和であるジエンエラストマー、特に上記のタイプ(a)又は(b)のものと使われることが好ましいことを理解するであろう。
タイプ(b)のコポリマーの場合、後者は、20〜99質量%のジエン単位及び1〜80質量%のビニル芳香族単位を含有する。
共役ジエンとして、次のものが特に適切である:1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジ(C1-C5アルキル)-1,3-ブタジエン、例えば2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジエチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-エチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-イソプロピル-1,3-ブタジエン、アリール-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、2,4-ヘキサジエン。
ビニル芳香族化合物として、例えば、次のものが適切である:スチレン、オルト-、メタ-又はパラ-メチルスチレン、「ビニルトルエン」市販の混合物、パラ(tert-ブチル)スチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン又はビニルナフタレン。
より好ましくは、エラストマーBは、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマー及びこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれる本質的に不飽和であるジエンエラストマーである。ジエンエラストマーとして、次のものが非常に特に適切である:ポリブタジエン(BR)、1,3-ブタジエンとスチレン(SBR)のコポリマー、天然ゴム(NR)又はシス-1,4-結合のモル含量が好ましくは90%より多い合成ポリイソプレン(IR)。
【0013】
本発明の第1の変形の1つの実施態様によれば、エラストマーマトリックスは、エラストマーA及びエラストマーBからなる。
本発明の第1の変形の1つの実施態様によれば、エラストマーAに存在する第1のメタクリル酸エステルのモノマー単位は、エラストマーAの100mol%のモノマー単位を表す。第1のメタクリル酸エステルがメタクリル酸エステルの混合物である場合には、エラストマーAはこれらのメタクリル酸エステルのコポリマーである。第1のメタクリル酸エステルが単一のメタクリル酸エステルからなる場合には、エラストマーAは第1のメタクリル酸エステルのホモポリマーである。有利には、エラストマーAは、2-エチルヘキシルメタクリレートホモポリマー、n-オクチルメタクリレートホモポリマー、イソデシルメタクリレートホモポリマー又はn-トリデシルメタクリレートホモポリマーである。この実施態様は、本発明のこの第1の変形の実施態様のいずれの一つにも適用することができる。
本発明の第1の変形の1つの特定の実施態様によれば、エラストマーAは、第1のメタクリル酸エステルのモノマー単位に加えて、ビニル芳香族単位、特にスチレンモノマー単位を含むことができる。
本発明の第2の変形によれば、エラストマーAは、架橋系に対して反応性であるモノマー単位を含む。
好ましくは、エラストマーAは(1種以上の)第2のモノマーのモノマー単位を含み、そのモノマー単位は架橋系に対して反応性である。エラストマーAにおける第2のモノマーのモノマー単位の割合は、架橋系に対する第2のモノマーのモノマー単位の反応性、更に、ゴム組成物の標的架橋度の関数として当業者によって調整される。
【0014】
第2のモノマーのモノマー単位は、架橋系の反応性の関数として当業者によって適切に選択される。架橋系が少なくとも2個の求核基を有する化合物を含む場合、第2のモノマーのモノマー単位は求電子性である。即ち第2のモノマーのモノマー単位は求電子性基を担持する;逆もまた同じであり、架橋系が少なくとも2個の求電子性基を有する化合物を含む場合、第2のモノマーのモノマー単位は好ましくは求核性である。即ち第2のモノマーのモノマー単位は求核基を担持する。求電子性基として、例えば、イミド基、エポキシ基又はカーボネート基が適切である;求核基として、NH
2基又はOH基、特にアルコール又はカルボン酸のものを挙げることができる。架橋系が硫黄、ペルオキシド又はビスマレイミドをベースとする場合、第2のモノマーのモノマー単位は、特に架橋系とラジカル経路によって反応する少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含有することができる。従って、第2のモノマーのモノマー単位は、例えば少なくとも1個のNH
2基、OH基、イミド基、カーボネート基若しくはエポキシ基又は炭素-炭素二重結合を含有する。
より好ましくは、エラストマーAは、第1のメタクリル酸エステルと第2のモノマーのコポリマーであることが好ましい。言い換えれば、エラストマーAを構成するモノマー単位は、第1のメタクリル酸エステルのモノマー単位及び第2のモノマーのモノマー単位からなる。
【0015】
少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含有するモノマー単位を有する第2のモノマーとして、1,3-ジエン、特に1,3-ブタジエン及びイソプレンを挙げることができる。典型的には、エラストマーAにおける1,3-ジエンモノマー単位の割合は、エラストマーAの100モルのモノマー単位当たり少なくとも2モルであり、例えば、それはエラストマーAの100モルのモノマー単位当たり2〜80モルに及ぶ範囲内で変動する。
第2のモノマーとしては、メタクリル酸エステルも挙げることができ、そのエステルはそのモノマー単位の中の架橋系に対して反応性である部位を担持する。少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を有するもの、例えばジシクロペンタジエニルオキシエチルメタクリレートも挙げることができる。イミド基、カーボネート基又はエポキシ基を担持するエステル、例えばN-ヒドロキシスクシンイミドメタクリレート、グリセロールカーボネートメタクリレート、メタクリル酸グリシジルを挙げることができる。典型的には、架橋系に対して反応性である部位を担持するこれらのメタクリル酸エステルのモノマー単位の割合は、100モルのモノマー単位当たり少なくとも0.2モル、より好ましくはエラストマーAの100モルのモノマー単位当たり0.2と10モルの間である。この含量は、架橋系に対する第2のモノマーのモノマー単位の反応性、更に、標的架橋度の関数として当業者によって調整される。
【0016】
本発明の第2の変形の1つの特定の実施態様によれば、エラストマーAは、第2のモノマーのモノマー単位に加えて、ビニル芳香族単位、特にスチレンモノマー単位を含んでもよい。
架橋系に対して反応性であるエラストマーAに加えて、エラストマーマトリックスは、1種(1種以上)の他のエラストマーCを含んでもよい。エラストマーCは、本発明の第1の変形において定義したエラストマーBでもよい。
本発明の第2の変形の実施態様のいずれの一つによっても、エラストマーAの含量は、好ましくは50phrを超え、より好ましくは80phrを超える。
本発明に従うゴム組成物の本質的な特徴は、それが架橋系を含むことである。
架橋系の選択は、上記のように、エラストマーマトリックスが担持する反応部位の化学構造の関数として行われる。ゴム組成物に導入される架橋系を構成する化合物(1種以上)の含量は、ゴム組成物の標的架橋度及び架橋系の化学的性質の関数として当業者によって調整される。この架橋含量は架橋状態でのゴム組成物の望ましい剛性に従って定義され、この剛性はゴム組成物の想定された適用に応じて変動する。
【0017】
例えば、架橋系が硫黄をベースとする系であり、硫黄が硫黄供与体によって与えられることが可能である場合、架橋系は、好ましくは加硫系、即ち硫黄(又は硫黄供与剤)及び一次加硫促進剤をベースとする系である。既知の種々の第2の加硫促進剤又は加硫活性剤、例えば酸化亜鉛、ステアリン酸若しくは等価化合物、又はグアニジン誘導体(特にジフェニルグアニジン)、或いは他に既知の加硫遅延剤は、引き続いて記載されているように、第1の非生産段階の間及び/又は生産段階の間に組み込まれるこの基本的な加硫系に添加される。(一次又は二次)加硫促進剤として、硫黄の存在下にジエンエラストマーの加硫のための促進剤、特にチアゾールタイプの促進剤、更にはこれらの誘導体、並びにスルフェンアミド、チウラム、ジチオカルバメート、ジチオホスフェート、チオ尿素及びキサンテートタイプの促進剤として作用することのできる任意の化合物を挙げることができる。硫黄は、好ましくは0.5と12phrの間、特に1と10phrの間の含量で使用される。一次加硫促進剤は、ゴム組成物中に好ましくは0.5と10phr、より好ましくは0.5と5.0phrの間の含量で使用される。
【0018】
架橋系が上で定義したように少なくとも2個の求核性又は求電子性の反応性基を有する化合物を含む場合、ゴム組成物に導入される架橋系の量はエラストマーマトリックスの反応部位の数に対してこの化合物の反応性基のモル数に関連する。ゴム組成物に導入されるこの化合物の量は、エラストマーマトリックスの1モルの反応部位当たりこの化合物の好ましくは0.05〜5、より好ましくは0.05〜2モル当量の求核性又は求電子性の反応性基に変動する。これらの好ましい範囲は、本発明の第2の変形の実施態様のいずれの一つにも適用し得る。
エラストマーAの反応性に応じて少なくとも2個の求核性又は求電子性の反応性基を有する架橋系に属する化合物の選択において、Reactive Polymers, 12 (1990) 133-153におけるJ. C. Soutif & J. C. Brosseによる論文「Chemical modification of polymers Part II. Attachment of carboxylic acid containing molecules to polymers」、更にIndustrial & Engineering Chemistry Research 2003 42, 4, 663-674におけるJohn H. Clementsによる論文「Reactive Applications of Cyclic Alkylene Carbonates」を挙げることができる。第1の論文はエポキシ基と反応性である官能を示し、第2はカーボネート、特に酸、アルコール及びアミンと反応性である官能を示している。
【0019】
エラストマーAに対して反応性である少なくとも2個の基を有する架橋系に属する化合物としては、ポリ酸、特に二酸、又はその脱水された形、即ち無水物、及びポリアミン、特にジアミンを挙げることができる。例えば、市販の本発明の要求に有効であるポリ酸としては、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、トリメシン酸及び3,4-ビス(カルボキシメチル)シクロペンタンカルボン酸を挙げることができる。ポリアミンとしては、例えば、1,6-ジアミノヘキサン、1,8-ジアミノオクタン及びHuntsmanからの「Jeffamines」ファミリーを挙げることができ、それの中で架橋ゴム組成物の予想される特性に対して最も適切なポリアミンをどのように選択するかを当業者は知っている。
本発明に従うトレッドのゴム組成物は、タイヤの製造に使用し得るゴム組成物を補強するその能力が知られている、補強用と呼ばれる任意のタイプの充填剤、例えば補強用有機充填剤、例えばカーボンブラック、補強用無機充填剤、例えばシリカ、或いはこれらの2つのタイプの充填剤の混合物を含む。
そのような補強用充填剤は、典型的にはナノ粒子からなり、それの(質量)平均サイズは、1マイクロメートル未満、一般的には500nm未満、通常は20と200nmの間、特により好ましくは20と150nmの間である。
すべてのカーボンブラック、特にタイヤトレッドに慣用的に使用されるブラックはカーボンブラックとして適切である。更に特に、後者の中で、100、200又は300シリーズ(ASTMグレード)、例えば、N115、N134、N234、N326、N330、N339、N347又はN375ブラックの補強用カーボンブラックを挙げることができる。これらのカーボンブラックは、単離された状態で、商業的に利用できる様に、又は他の任意の形で、例えば使用されるゴム添加剤の一部のための支持体として使用し得る。
【0020】
用語「補強用無機充填剤」は、ここでは、カーボンブラックに対比して「白色充填剤」、「透明充填剤」又は「非黒色充填剤」としてさえも知られており、それ自体単独で、中間カップリング剤以外の手段によることなく、空気タイヤの製造を意図するゴム組成物を補強し得る、言い換えれば、通常のタイヤ級カーボンブラックとその補強機能において置き換わることのできる任意の無機又は鉱質(その色合及びその起原(天然又は合成)にかかわらない)を意味するものとして理解すべきである;そのような充填剤は、一般に、知られている通り、その表面でのヒドロキシル(−OH)基の存在に特徴を有する。
シリカ質タイプの鉱質充填剤、特にシリカ(SiO
2)は補強用無機充填剤として特に適している。使用するシリカは、当業者にとって既知の任意の補強用シリカ、特に、共に450m
2/g未満のBET表面積とCTAB比表面積を有する任意の沈降又は焼成シリカであり得る。
補強用無機充填剤としては、例えば、US 6 610 261号及びUS 6 747 087号に記載されている、アルミナ質タイプの鉱質充填剤、特にアルミナ(Al
2O
3)又は(酸化)水酸化アルミニウム、或いは補強用酸化チタンも挙げることができる。
補強用無機充填剤を供給する物理的状態は、粉末、マイクロビーズ、顆粒或いはまたビーズのいずれの形状であるかは重要でない。当然、補強用無機充填剤は、異なる補強用無機充填剤、特に、以下に説明するような高分散性シリカ質の混合物を意味することも理解される。
【0021】
当業者であれば、もう1つの性質、特に、有機性を有する補強用充填剤を、この補強用充填剤がシリカのような無機層で被覆されているか、或いは、その表面上に、充填剤とエラストマー間の結合を確立させるためにカップリング剤の使用を必要とする官能部位、特に、ヒドロキシル部位を含むかを条件として、この項において説明した補強用無機充填剤と等価の充填剤として使用し得ることを理解されたい。一例として、例えば、特許文献WO 96/37547号及びWO 99/28380号に記載されているような、例えば、タイヤ用のカーボンブラックを挙げることができる。
好ましくは、補強用充填剤の含量は、40phrと200phrの間である。40phrより下では、ゴム組成物の補強は、ゴム組成物の凝集又は耐摩耗性の充分なレベルを与えるには不充分である。より好ましくは、補強用充填剤の含量は少なくとも50phrである。200phrより上では、ヒステリシス、従ってタイヤの転がり抵抗を増加させるリスクがある。このために、補強用無機充填剤の含量は、有利には50〜200phrに及ぶ範囲であり、50〜160phrがなおより良い。補強用充填剤の含量のこれらの好ましい範囲は、本発明の実施態様のいずれの一つにも適用し得る。
本発明の1つの実施態様によれば、補強用充填剤はカーボンブラックを含む。
本発明の他の実施態様によれば、補強用充填剤は補強用無機充填剤、好ましくはシリカを含む。
【0022】
本発明の1つの好ましい実施態様によれば、補強用充填剤は、主に質量が補強用無機充填剤からなり、それは補強用無機充填剤が本発明に従うトレッドのゴム組成物の50質量%を超える補強用充填剤を構成することを意味する。この補強用無機充填剤は、好ましくはシリカである。シリカがゴム組成物の50質量%を超える補強用充填剤を構成するこの実施態様は、本発明の実施態様のいずれの一つにも適用し得る。
シリカのような補強用無機充填剤が50質量%を超える補強用充填剤を表す1つの特定な実施態様によれば、カーボンブラックは、好ましくは20phr未満、より好ましくは10phr未満(例えば0.5phrと20phrの間、特に2phrと10phrの間)の含量で用いられ、5phr未満がなおより好ましい。指示される間隔の範囲内で、カーボンブラックの発色性(黒色着色剤)及びUV-安定化特性が、更に、補強性無機充填剤が貢献した典型的な性能特性に不利に影響を及ぼすことなく有益である。
ゴム組成物のエラストマーマトリックスを構成するエラストマーの少なくとも1種に補強性無機充填剤をカップリングするために、特に無機充填剤がゴム組成物の50質量%を超える補強用充填剤を構成する場合には、一般に、周知のようにして、カップリング剤(又は結合剤)が使用される。「カップリング剤」なる表現は、より詳しくは、エラストマーマトリックスの中のこの充填剤の分散を容易にしつつ、当該充填剤とエラストマーの間に化学的及び/又は物理的性質の充分な結合を確立させることができる物質を意味するように理解される。
【0023】
この少なくとも二官能性物質は、無機充填剤(その粒子の表面)とエラストマーの間に化学的及び/又は物理的性質の充分な結合を確実にすることを意図する。特に、例えば硫黄原子によって、無機充填剤に物理的に及び/又は化学的に結合することのできる官能及びエラストマーに物理的に及び/又は化学的に結合することのできる官能を担持するオルガノシラン、特にアルコキシシラン多硫化物又はメルカプトシラン、或いはポリオルガノシロキサンが使用される。シリカ/エラストマー結合剤は、特に、多数の文献に記載されており、最もよく知られているものはアルコキシシラン多硫化物のような二官能性アルコキシシランである。特に、例えば、出願WO 03/002648号(又はUS 2005/016651号)及びWO 03/002649号(又はUS 2005/016650号)に記載されているような、これらの特定の構造に応じて特に「対称形」又は「非対称形」と呼ばれるシラン多硫化物が使用される。
特に、アルコキシシランポリスルフィド以外のカップリング剤としては、特許出願WO 02/30939号(又はUS 6 774 255号)及びWO 02/31041号(又はUS 2004/051210号)に記載されているような、二官能性POS(ポリオルガノシロキサン)、或いはヒドロキシシランポリスルフィド、或いは、例えば、特許出願WO 2006/125532号、WO 2006/125533号及びWO 2006/125534号に記載されているような、アゾジカルボニル官能基を担持するシラン又はPOSが挙げられる。
【0024】
カップリング剤の含量は、それが単一化合物にしても化合物の混合物であるにせよ、有利には20phr未満であり、一般に、できるだけ少なく使用することが望ましいことが理解される。典型的には、カップリング剤の含量は、無機充填剤量に対して0.5%〜15質量%を表す。その含量は、好ましくは0.5phrと12phrの間であり、より好ましくは3〜10phrに及ぶ範囲内である。この含量は、組成物に使用される無機充填剤の含量に応じて当業者によって容易に調整される。
本発明に従うゴム組成物は、また、カップリング活性剤、無機充填剤を被覆するための物質又は更に一般的には、既知の方法で、ゴムマトリックス中の充填剤の改善及びゴム組成物の粘度の低下によって、未硬化状態におけるその処理の容易さを改善することができる処理助剤を含有してもよく、これらの物質は、例えば、加水分解性シラン、例えばアルキルアルコキシシラン、ポリオール、ポリエーテル、第一級、第二級又は第三級アミン、又はヒドロキシル化された又は加水分解性ポリオルガノシロキサンである。
本発明に従うゴム組成物は、同様に、タイヤの製造を意図するゴム組成物に慣例上使用される通常の添加剤の全部又は一部、例えば、可塑剤、顔料、保護剤、例えば抗オゾンワックス、化学オゾン劣化防止剤、酸化防止剤、抗疲労物質及びこのような化合物の混合物も含み得る。
【0025】
本発明に従うゴム組成物は、適切なミキサー内で、一般的には、当業者にとって周知の2つの連続する調製段階、110℃と190℃の間、好ましくは120℃と180℃の間の最高温度までの高温で熱機械的に加工又は混練する第1の段階(「非生産」段階)、及びその後の、典型的には110℃よりも低い、例えば、40℃と100℃の間の低めの温度で機械加工する第2の段階(「生産」段階)を用いて製造することができ、その仕上げ段階において、化学架橋系を混入する。
本発明に従うゴム組成物は、下記の段階:
− エラストマーマトリックス、補強用充填剤、適切な場合にはカップリング剤、適切な場合には可塑化系、及び架橋系を除いたゴム組成物のその他の添加剤を、110℃と190℃の間の最高温度に達するまで、熱機械的に混練する段階;
− 混ぜ合わせた混合物を100℃未満の温度に冷却する段階;
− 引き続いて架橋系を混入する段階;
− ゴム化合物を得るために、すべてを110℃未満の最高温度まで混練する段階
を含むプロセスに従って調製し得る。
【0026】
ゴム組成物のすべての成分を混入した後に、このようにして得られた最終組成物は、次に、例えば、ゴム様成分として、特にタイヤの製造のために使用されるゴム異形エレメントを形成するために、例えばシート又は厚板の形に、特に実験室特性決定のためにカレンダー加工されるか、或いは押出される。本発明に従うゴム組成物は、タイヤにおいてカレンダー加工の形で使用され得る。ゴム組成物から形成されるカレンダー加工品又は押出品は、特にタイヤの、半製品を完全に又は部分的に形成する。
従って、本発明の1つの特定な実施態様によれば、(架橋又は加硫前の)未硬化状態か、又は(架橋又は加硫後の)硬化状態のいずれかでもよい本発明に従うゴム組成物は、タイヤ、例えばタイヤトレッドである。
架橋(又は硬化)、適切な場合には加硫は、既知の方法で、一般的には130℃と200℃の間の温度で、特に硬化温度、選ばれる架橋系及び当該組成物の架橋速度論によっては、例えば、5分と120分の間で異なってよい充分な時間実施される。
【0027】
タイヤトレッド、本発明のもう1つの主題は、本発明に従うゴム組成物から完全に又は部分的に形成される本質的な特徴を有する。トレッドは、ゴム組成物をカレンダー加工する又は押出する追加の工程を含む上記のプロセスに従って製造され得る。
本発明は、また、未硬化状態(即ち、硬化前)と硬化状態(即ち、架橋又は加硫後)の両方での上記のトレッドに関する。
本発明は、また、本発明に従う半製品を含むタイヤに関し、それのタイヤは未硬化状態と硬化状態の両方であり、半製品は好ましくはトレッドである。
本発明に従うタイヤは、下記の段階を含むプロセス:
− エラストマーマトリックス、補強用充填剤、適切な場合にはカップリング剤、適切な場合には可塑化系、及び架橋系を除いたゴム組成物の他の添加剤を、110℃と190℃間の最高温度に達するまで熱機械的に混練する工程;
− 混ぜ合わせた混合物を100℃未満の温度に冷却する工程;
− 引き続いて架橋系を混入する工程;
− ゴム組成物を得るために、すべてを110℃未満の最高温度まで混練する工程、
− ゴム組成物をカレンダー加工又は押出する工程
によって調製し得る。
【0028】
II.本発明の例示的実施態様
II.1−使用する測定及び試験:
II.1-1 エラストマーのガラス転移温度の定量:
ポリマーのガラス転移温度Tgは、ASTM D3418-08規格に従って示差熱量計(示差走査熱量計)によって測定する。
II.1-2 NMR分析によるエラストマーのミクロ構造の定量:
メタクリレート単位の含量の定量を
1H NMR分析によって実施する。可溶性試料のためのBBFO z-グラード5mmの「ブロードバンド」クリオプローブ及び不溶性架橋試料のためのHRMAS 4mm
1H/
13Cプローブを備えたBRUKER Avance 500MHz分光計によりスペクトルを得る。
定量的
1H NMR実験は、30°単一パルスシークエンス及び各取得の間の5秒の繰返し時間を使用する。試料を重水素化クロロホルムに溶解する。
編集したHSQC
1J
1H/
13C 2D NMR相関スペクトルは、炭素原子及びプロトンの化学シフトのためにメタクリレート単位の構造を検証することを可能にする。HMBC
3J
1H/
13C長期相関スペクトルは、この情報を強固にすることを可能にする。1D
13C NMRスペクトルは、単位(二連鎖及び三連鎖)の連鎖を検証するとともにコポリマーの立体規則性を得ることを可能にする。
テトラメチルシラン、TMS(0ppmでのδppm
1H及びδppm
13C)に関してクロロホルムのプロトン化不純物に対して化学シフトを調整する。
【0029】
II.1-2a)定量化のために使用する1H NMRシグナルの帰属:
ブタジエン/2-エチルヘキシルメタクリレート及びブタジエン/n-オクチルメタクリレートコポリマーの実施例:定量化のために使用する
1H NMRシグナルの帰属:
【0031】
ブタジエン/グリシジルメタクリレートコポリマーの実施例:定量化のために使用する
1H NMRシグナルの帰属:
【0033】
II.1-3 SEC分析によるエラストマーのマクロ構造の定量:
SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)技術を使用し、それは多孔質ゲルで充填したカラムによってそのサイズに従って溶液中の高分子を分離することを可能にする。高分子はその流体力学的容積に従って分離し、最も嵩だかの分子が最初に溶出する。
SEC(PSキャリブレーション):SECは屈折計に連結されている;この場合、それは相対的な情報を伝える。商業的な規格品から開始して、ポリマーのモル質量の分布を特徴づける種々の数平均モル質量(M
n)及び質量平均モル質量(M
w)が定量され、多分子性指数(PI =M
w/M
n)がムーア(Moore)キャリブレーションによって算出され得る。分析前にポリマー試料の特定の処理はない。後者を溶出溶媒に約1g/lの濃度で単純に溶解する。次にこの溶液を0.45μmの多孔性を有するフィルターによって濾過した後に注入する。
使用する装置は、Waters Allianceクロマトグラフィーラインである。溶出溶媒はテトラヒドロフラン又はテトラヒドロフラン+1容積%のジイソプロピルアミン+1容積%のトリエチルアミンのいずれかであり、流量は0.7ml/分であり、システムの温度は35℃であり、分析時間は90分である。一組が4本のWATERSカラム(1本のStyragel HMW7カラム+1本のStyragel HMW6Eカラム+2本のStyragel HT6Eカラム)を使用する。注入される溶液ポリマー試料の容積は100μlである。検出器はWaters 2414示差屈折率計であり、クロマトグラフィーデータを使用するためのソフトウェアはWaters Empowerシステムである。
算出した平均モル質量は、ポリスチレン商業規格PSS READY CAL-KITから得られた較正曲線に相対する。
【0034】
二重検出SEC(ユニバーサルキャリブレーション):SECは、それが屈折計及び粘度計から構成される二重検出を有する場合には絶対法である。この場合、種々の数平均モル質量(M
n)と質量平均モル質量(M
w)がユニバーサルキャリブレーションによって定量される。分析前にポリマー試料の特定の処理はない。後者を溶出溶媒に約1g/lの濃度で単純に溶解する。次にこの溶液を0.45μmの多孔性を有するフィルターによって濾過した後に注入する。
使用する装置は、Waters Allianceクロマトグラフィーラインである。溶出溶媒はテトラヒドロフラン又はテトラヒドロフラン+1容積%のジイソプロピルアミン+1容積%のトリエチルアミンのいずれかであり、流量は0.7ml/分であり、システムの温度は35℃であり、分析時間は90分である。一組が4本のWATERSカラム(1本のStyragel HMW7カラム+1本のStyragel HMW6Eカラム+2本のStyragel HT6Eカラム)を使用する。注入される溶液ポリマー試料の容積は100μlである。検出器は、VISCOTEKからのTDA 302機器であり、示差屈折率計及び粘度計から構成される。データをOMNISECソフトウェアで処理する。
【0035】
II.1-4 摩擦係数及びグリップ係数の定量:
摩擦係数を試験片について測定し、グリップ係数をトレーラーに装着したタイヤについて測定した。実施例の表において、摩擦係数及びグリップ係数をそれぞれ呼称「μ実験室」及び「μトレーラー」として記載する。
【0036】
摩擦係数(μ実験室)を測定する方法:
動的摩擦係数の測定を、L. Busse, A. Le Gal, and M. Kueppel (Modelling of Dry and Wet Friction of Silica Filled Elastomers on Self-Affine Road Surfaces, Elastomere Friction, 2010, 51, p. 8)によって記載されているものと同一の方法に従って実施した。6mmの厚さを有する正方形のゴム状支持体(50mm×50mm)を成形し、次に架橋させることによって試験片を生成した。金型を閉じた後、後者を16バールの圧力で、温度(典型的には150℃)の加熱プラテンを有するプレスに、物質を架橋させるのに必要な時間(典型的には数十分間)配置する。これらの測定を実施するために使用する表面は、BBTMタイプ(標準NF P 98-137)の歴青コンクリートでできている実路表面から取り出されるコアである。ディウェッティング現象及び地面と物質間の第2のグリップ力の出現を防止するために、地面+試験片系を界面活性剤(Sinnozon − CASナンバー: 25155-30-0)の5%水溶液に浸漬する。恒温槽を用いて水溶液の温度を調節する。試験片を地面の平面と平行な移動で滑り運動に供する。滑り速度SVを0.03m/秒に設定する。加えた垂直応力σ
nは、100kPaである。これらの状態を「濡れた地面の条件」によって下記で記載する。地面の上の試験片の運動に対抗する接線応力σ
tを連続して測定する。接線応力σ
tの垂直応力σ
nに対する比は、動的摩擦係数μを示す。実施例に示す値は、接線応力σ
tの値の安定化後の定常状態で得られる、20℃と40℃の水溶液温度に対して測定された動的摩擦係数値である。100に任意に設定された参照より上の値は、改良された結果を示す。
【0037】
グリップ係数(μトレーラー)を測定する方法:
トレーラー試験は、グリップ係数(又は最大縦滑り抵抗係数)μトレーラーを定量するために用いられるグリップ試験であり、それは、ホイールロックの前に、濡れた地面で(65km/時間のダイナモメーターハブに取り付けられた)タイヤ/リムアセンブリの滑りから開始して、実時間における動的縦滑り抵抗係数の最も高い値である。
この試験は、(EU)規則No.228/2011に記載されているC1クラスのタイヤのためのウェットグリップ試験法の条件下で実施される。それは、参照タイヤの選択によって異なる:候補タイヤを、本特許出願の実施例において対照として選ばれたPrimacy HPタイヤと比較し、(EU)規則No.228/2011に記載されている参照タイヤ及びASTM F 2493-08規格16インチ(SRTT16″)に示されている特性と比較しない。
実施例に示す値は、特に同じ条件下で、特に23℃の同じ温度で測定された、参照として選ばれたPrimacy HPタイヤのμトレーラーグリップ係数に相対する候補に対して測定されたμトレーラーグリップ係数である。100に任意に設定された参照より上の値は、改良された結果を示す。
【0038】
II.1-5 タイヤの転がり抵抗:
ISO87-67(1992)法に従って、転がり抵抗をフライホイールで測定する。100に任意に設定された参照より大きい値は、改良された結果、即ちより小さい転がり抵抗を示す。
【0039】
II.1-6 タイヤのウェットグリップ:
タイヤを、ABSブレーキングシステムを備えたルノーメイク及びメガーヌ1.6 RTEモデルに装着し、80km/時間から10km/時間になるのに必要な距離を噴霧した地面(アスファルトコンクリート)上で急ブレーキ中に測定する。噴霧された地面上の水の温度である所定の温度に対する結果を示す。100に任意に設定された参照より上の値は、改良された結果、即ちより短い制動距離を示す。
【0040】
II.1-7 タイヤのドライグリップ:
タイヤを、ABSブレーキングシステムを備えたルノーメイク及びメガーヌ1.6 RTEモデルに装着し、100km/時間から0km/時間になるのに必要な距離を乾いた地面(アスファルトコンクリート)上で急ブレーキ中に測定する。噴霧された地面上の水の温度である所定の温度に対する結果を示す。100に任意に設定された参照より上の値は、改良された結果、即ちより短い制動距離を示す。
【0041】
II.2−エラストマーの調製:
II.2−1 エラストマーE1の合成:1,3-ブタジエン/2-エチルヘキシルメタクリレートコポリマー:
反応は、100リットルの反応器内で行う。0.7kg(5phr)のステアリン酸ナトリウムを27リットルの脱イオン水に溶解する。6.29gのtert-ドデシルメルカプタン(過硫酸カリウムに対して0.05当量の移動剤)、3.01kgのブタジエン及び11kgの2-エチルヘキシルメタクリレートを反応媒体に添加する。反応器を80rpmの撹拌速度で50℃に加熱した後、0.168kg(1.2phr)の過硫酸カリウムを導入する。95分間の重合反応後、モノマーのコポリマーへの61%転化率を達成する。次に0.42kg(3phr)のレゾルシノールを添加して反応を停止する。次に、溶融状態で調製し、水と界面活性剤(ステアリン酸ナトリウム)、(0.5phr)で希釈した4,4'-メチレンビス(2,6-tert-ブチルフェノール)及びN-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン(20質量%/80質量%)の酸化防止剤の混合物をコポリマーラテックスに添加する。次に抗酸化ラテックスをストリッピングカラムに移し、ストリッピングの間、エマルジョンの発泡を防止するために0.2phrのFoamaster消泡剤を添加する。ストリッピング工程を100℃で実施する。ストリッピングされたポリマー溶液を、100rpmで撹拌しつつ、水中硫酸アルミニウム(ポリマーに対して14phrの脱安定化剤)の溶液に徐々に添加する。撹拌を停止させるとすぐに表面に生じるポリマー粒子が形成する。pHが7の値に達するまでこれらの粒子を洗浄する。ポリマー粒子を回収し、100℃より高い温度でスクリューにより乾燥する。ブタジエン及び2-エチルヘキシルメタクリレートをベースとする8.4kgのコポリマーを0.5%未満の揮発分で回収する。
得られたコポリマーは、下記の特性を有する:
Tg = -53℃
Mn = 254 100g/mol(PSキャリブレーション)及びPI= 3.4
モル%(2-エチルヘキシルメタクリレートモノマー単位) = 45.5
モル%(ブタジエンモノマー単位) = 54.5
【0042】
II.2-2 エラストマーE2の合成:1,3-ブタジエン/スチレンコポリマー:
アニオン重合を中程度に撹拌しながら不活性窒素雰囲気下で蓋の閉まった瓶で実施する。重合を開始する前に、メチルシクロヘキサンを瓶に導入する。瓶の蓋を閉め、窒素によるスパージを10分間実施する。次にブタジエン、スチレン及び極性添加剤(THF)を瓶に注入する。直接モノマー、溶媒及び任意の極性物質の混合物へ計量したn-BuLiの添加によって不純物を中和する。溶媒、ブタジエン及びスチレンのこの中和された混合物に開始剤溶液(n-BuLi)を添加する。反応媒体の温度は、50℃である。重合終了後、メタノールの溶液をメチルシクロヘキサンに溶解したものでリビング鎖をプロトン化するためにリビングポリマーに添加する。ポリマー溶液をエラストマー100部当たりの0.2部(phr)の4,4'-メチレンビス(2,6-tert-p-t-ブチルフェノール)及びエラストマー100部当たりの0.2部(phr)のN-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミンの添加によって酸化防止剤処理に供し、次にポリマーを60℃で1日間ストービングによって乾燥する。
得られたコポリマーは、下記の特性を有する:
Tg = -24℃
Mn = 125 000g/mol(PSキャリブレーション)及びPI = 1.1
質量%(スチレンモノマー単位) = 26
質量%(1,2-ブタジエンモノマー単位) = 58
【0043】
II.2-3 エラストマーE3の合成:スチレン/1,3-ブタジエン/グリシジルメタクリレートターポリマー:
反応は、30リットルの反応器内で行う。0.1kg(5phr)のステアリン酸ナトリウムを17リットルの脱イオン水に溶解する。0.9gのtert-ドデシルメルカプタン(過硫酸カリウムに対して0.05当量の移動剤)、0.270kgのスチレン、1.50kgのブタジエン及び0.230kgのグリシジルメタクリレートを反応媒体に添加する。反応器を190rpmの撹拌速度で40℃に加熱した後、0.024kg(1.2phr)の過硫酸カリウムを1.2リットルの水に溶解して導入する。380分間の重合反応後、モノマーのコポリマーへの61%転化率を達成する。次に0.02kg(1phr)のレゾルシノールを添加して反応を停止させる。次に、ラテックスをストリッピングカラムに移し、ストリッピングの間、エマルジョンの発泡を防止するために0.2phrのFoamaster消泡剤を添加する。ストリッピング工程を100℃で実施する。ストリッピングされたポリマー溶液を、100rpmで撹拌しつつ、水中硫酸アルミニウム(ポリマーに対して14phrの脱安定化剤)の溶液に徐々に添加する。撹拌を停止させるとすぐに表面に生じるポリマー粒子が形成する。pHが7の値に達するまでこれらの粒子を洗浄する。ポリマー粒子を回収し、60℃で減圧下に乾燥する。ブタジエン及び2-エチルヘキシルメタクリレートをベースとする0.94kgのコポリマーを0.5%未満の揮発分で回収する。
得られたコポリマーは、下記の特性を有する:
Tg = -59℃
モル%(スチレンモノマー単位) = 9%
モル%(1,2-ブタジエンモノマー単位) = 86
モル%(グリシジルメタクリレートモノマー単位) = 5
【0044】
II.2-4 エラストマーE4の合成:グリシジルメタクリレート/n-オクチルメタクリレートコポリマー:
モノマー(n-オクチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート(GlyMA))、開始剤(ペルオキシピバル酸tert-ブチル(TBPPI))及び溶媒(メチルエーテルケトン(MEK))を、下表に示す割合に従ってコンデンサーを備えた丸底フラスコに導入する。3真空/アルゴンサイクルを実施し、次に反応媒体を65℃に加熱し、重合を0.05%の開始剤含量と共に70%の固形分を有するメチルエーテルケトン(MEK)中で実施する。
【0046】
媒体があまりにも粘稠になったときに反応を停止させる。転化率は61%である。ポリマーをアセトンに溶解し、次にエタノールで沈殿させる(モノマーの排除)。
得られたコポリマーは、下記の特性を有する:
Tg非常な広がり-120℃〜0℃、-53℃で測定した、
Mn = 97 000g/mol(PSキャリブレーション)及びP I= 2.4
モル%(n-オクチルメタクリレートモノマー単位) = 95
モル%(グリシジルメタクリレートモノマー単位) = 5
【0047】
II.2-5 エラストマーE5及びE6の調製:それぞれポリ(2-エチルヘキシルメタクリレート)及びポリ(n-オクチルメタクリレート):
エラストマーE5及びE6、それぞれポリ(2-エチルヘキシルメタクリレート)及びポリ(n-オクチルメタクリレート)は、トルエン中の溶液でScientific Polymer Products社によって供給される。これらのポリマーを減圧下炉内で窒素下に60℃で一晩乾燥した。これらのポリマーのマクロ構造の特性決定は、二重検出SEC(ユニバーサルキャリブレーションによる絶対法)によって実施した。
ポリ(2-エチルヘキシルメタクリレート)(E5)は下記の特性を有する:Tg非常な広がり-110℃〜0℃、約-50℃で測定した
Mn = 71 500g/mol(ユニバーサルキャリブレーション)
Mw = 192 100g/mol(ユニバーサルキャリブレーション)
PI = 2.69
ポリ(n-オクチルメタクリレート)(E6)は、下記の特性を有する:Tg非常な広がり-110℃〜-20℃、約-59℃で測定した
Mn = 65 300g/mol(ユニバーサルキャリブレーション)
Mw = 183 100g/mol(ユニバーサルキャリブレーション)
PI = 2.8
【0048】
II.3−ゴム組成物の調製:
組成物C0〜C4の配合物(phr)を表I、III及びVに記載する。
組成物C1、C4、C5及びC6は、本発明に従う;組成物C0、C2、C3及びCrは、本発明に従わない組成物である。組成物Crは、濡れた地面及び乾いた地面での制動に関して参照とされる「Primacy HP」タイヤのトレッドの加硫された組成物Trに対応する。
組成物C1、C4、C5及びC6は、すべて、メタクリル酸エステルの少なくとも20mol%のモノマー単位を含むエラストマーを含有する。組成物C1及びC4のそれぞれのエラストマーマトリックスは、単一のエラストマー、それぞれE1及びE4からなる。組成物C5及びC6のそれぞれのエラストマーマトリックスは、SBR E2とそれぞれのエラストマーE5及びE6の混合物からなる。
架橋系に対して反応性であるエラストマーマトリックスの部位は、
− 組成物C1中のエラストマーE1の1,3-ブタジエンモノマー単位;
− 組成物C4中のエラストマーE4のグリシジルメタクリレートモノマー単位;
− 組成物C5及びC6中のSBRの1,3-ブタジエンモノマー単位
によって担持される。
【0049】
組成物C1、C5及びC6のための架橋系は加硫系であり、C4は二酸である。
これらの組成物を下記の方法で製造する:エラストマー、シリカ、カップリング剤、適切な場合には可塑剤、更には他の種々の成分を、架橋系を除いて、密閉ミキサーに連続して導入し(最終の充填の程度:約70容積%)、それの最初の容器温度は約60℃である。組成物C0、C1、C2、C5及びC6のための架橋系は硫黄及びスルフェンアミドからなる;組成物C4及びC3には二酸である。次に熱機械的加工(非生産段階)を一工程で実施し、それを最高「落下」温度が165℃に達するまで全体で5分間続ける。
このようにして得られた混合物を回収し、冷却し、次に架橋系を23℃でミキサー(ホモフィニッシャー)により混入し、すべてを適切な時間(例えば5分と12分の間)混合する(生産段階)。
このようにして得られた組成物を、次に、その物理的又は機械的性質の測定のために、ゴムの厚板(2〜3mmの範囲の厚さを有する)若しくは薄板の形に、又は望ましい寸法に対する切断及び/又は組立てた後、例えばタイヤの半製品として、特にトレッドに直接使用し得る異形エレメントの形のいずれかにカレンダー加工する。
【0050】
II.4−ゴム組成物及びタイヤの特性:
組成物C0〜C7の特性を、表II、IV及びVIにおいてCrに対するベース100に相対して示す。
【0051】
II.4-1 架橋系に対して反応性であるエラストマーマトリックスの部位がエラストマーA(この場合E1)によって担持されている実施例:(表I及びII)
組成物C0及びC1をラジアルカーカス乗用車タイヤ用のトレッドとして用い、それぞれT0(本発明に従わないタイヤ)及びT1(本発明に従うタイヤ)によって示され、205/55R16の寸法は、慣例的に製造され、そのトレッドを形成するゴム組成物を除いて、「Primacy HP」タイヤとすべての点で同一である。「Primacy HP」タイヤは、ウェット制動及びドライ制動に関しての参照タイヤである。T1の性能をベース100に相対する「Primacy HP」参照タイヤTrと比較し、結果を表IIに記録する。
タイヤT1は25℃で129のウェット性能指数を有し、それはタイヤTrと比較して著しく短縮した制動距離に対応する。ウェット制動性能のこの大きな改善は、ドライ制動性能を犠牲にして達成されない。実際に、T1の性能指数は、Trに対してさえわずかに改善される。更にまた、驚くべきことに、わずか5%である転がり抵抗の増大が見られ、制動性能の改善とみなされる。
【0052】
組成物C1からなり20℃で測定した試験片の摩擦係数は、組成物Crに相対して29%だけ増加する。23℃においてタイヤにより実施されるグリップ係数の測定は、匹敵する結果、即ち28%の改善を示す。これらの摩擦係数とグリップ係数の結果は、ウェット制動において測定されたほぼ30%の増加と非常に良好に一致している。
試験片で生成されたゴム組成物のμ実験室摩擦係数を測定する方法が、ここでは、トレッドがこのゴム組成物から製造されるタイヤのウェットグリップ性能を表すことが留意される。それがトレッド材料のウェット制動性能の良好なデスクリプターを得ることを可能にする。
その一方で、本発明に従わない実施例に関して(それぞれ組成物C0及びタイヤT0)、参照(それぞれCr及びTr)に対する摩擦係数の改善もグリップ係数も改善も見られない:係数の値は、参照より低いままである。
これらの結果は、予想外に、ジエンエラストマーへの少なくとも20mol%の2-エチルヘキシルメタクリレートモノマー単位の組み込みが、ドライグリップと転がり抵抗の間の良好な性能妥協を保持しつつ、トレッドがこのエラストマーを含有するタイヤのウェットグリップ性能を非常に大幅に向上させることを可能にすることを証明している。
【0053】
II.4-2 架橋系に対して反応性であるエラストマーマトリックスの部位がエラストマーA(この場合E3及びE4)によって担持されている実施例:(表III及びIV)
組成物C4は、それが架橋系に対して反応性であるモノマー単位、少なくとも20mol%のn-オクチルメタクリレートモノマー単位、更には5mol%のグリシジルメタクリレートモノマー単位を含むエラストマーE4を含有するので、本発明に従っている。その一方で、組成物C2及びC3は、C2及びC3に使用するエラストマーE3がスチレン/ブタジエン/グリシジルメタクリレートターポリマーであり、グリシジルメタクリレートモノマー単位のモル含量が5%であるので、本発明に従っていない。
組成物C2、C3及びC4を、摩擦係数を測定する試験片を形成するために使用する。
本発明に従わない組成物C2及びC3の摩擦係数は、非常に似ており、参照Crより低いままである。
組成物C4の摩擦係数だけが、参照より非常に高く、20℃で40%以上であり、参照タイヤTrと比較して、トレッドが組成物C4から形成されるタイヤとして非常に高いウェットグリップ性能がもたらされる。
【0054】
II.4-3 架橋系に対して反応性であるエラストマーマトリックスの部位がエラストマーB(この場合SBR)によって担持されている実施例:(表V及びVI)
組成物C5及びC6は、両方とも本発明に従っている。エラストマーAは、それぞれ、組成物C5においてはエラストマーE5、即ちポリ(2-エチルヘキシルメタクリレート)及び組成物C6においてはエラストマーE6、即ちポリ(n-オクチルメタクリレート)である。架橋系に対して反応性であるモノマー単位は、エラストマーE2、SBR中に存在するものである。組成物C5は、可塑剤を含有するという点で組成物C6と異なる。組成物C5のシリカ含量は、結果として、C6と同一の補強用充填剤の容積割合、即ち25%を達成するために調整されている。組成物の各々に対して、シラン含量及びジフェニルグアニジン含量は、ゴム組成物中に存在するシリカ含量の関数として調整されている。
要するに、組成物C5及びC6は、エラストマーAの種類及び可塑剤の存在によってのみ異なる。
組成物C5及びC6のそれぞれの摩擦係数は、参照より非常に高く、トレッドが参照タイヤTrと比較して組成物C5及びC6からそれぞれ形成されるタイヤとして非常に高いウェットグリップ性能がもたらされる。
要するに、実施例は、トレッド組成物にエラストマーE1、E4、E5及びE6を導入すると、「Primacy HP」タイヤ、ウェットグリップに関しての参照タイヤと比較してウェットグリップ性能が大幅に向上することを可能にすることを示している。
【0055】
表I
(1) SBR 1500、Tg -50℃
(2) 1,3-ブタジエン/2-エチルヘキシルメタクリレートコポリマー(II.2-1項を参照のこと)
(3)シリカ:RhodiaからのZeosil 1165 MP(HDSタイプ)
(4)トリス(2-エチルヘキシル)ホスフェート
(5) N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、Flexsysから
(6) TESPT(DegussaからのSi69)
(7)ポリリモネン樹脂、DRTからのDercolyte L120
(8)ジフェニルグアニジン(FlexsysからのPerkacit DPG)
(9) N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(FlexsysからのSantocure CBS)
【0057】
表III
(1)スチレン/1,3-ブタジエン/グリシジルメタクリレートターポリマー(II.2-3項を参照のこと)
(2)グリシジルメタクリレート/n-オクチルメタクリレートコポリマー(II.2-4項を参照のこと)
(3)シリカ:RhodiaからのZeosil 1165 MP(HDSタイプ)
(4)トリス(2-エチルヘキシル)ホスフェート
(5) TESPT(DegussaからのSi69)
(6) DegussaからのDynasylan Octeo
(7) N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(FlexsysからのSantocure CBS)
(8) Sigma-Aldrichからのドデカン二酸
【0059】
表V
(1) 26%のスチレン単位及び58%の1,2-単位のブタジエン部分を有するSBR、Tg -25℃(II.2-2項を参照のこと)
(2)ポリ(2-エチルヘキシルメタクリレート)、SP2から溶液で販売されている(II.2-5項を参照のこと)
(3)ポリ(n-オクチルメタクリレート)、SP2から溶液で販売されている(II.2-5項を参照のこと)
(4)シリカ:RhodiaからのZeosil 1165 MP(HDSタイプ)
(5)トリス(2-エチルヘキシル)ホスフェート
(6) N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、Flexsysから
(7) TESPT(DegussaからのSi69)
(8)ジフェニルグアニジン(FlexsysからのPerkacit DPG)
(9) N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(FlexsysからのSantocure CBS)