(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6674953
(24)【登録日】2020年3月11日
(45)【発行日】2020年4月1日
(54)【発明の名称】負荷(荷重)状態における経路(パス:軌跡)を測定するための方法およびその装置
(51)【国際特許分類】
G01B 21/00 20060101AFI20200323BHJP
G01B 5/00 20060101ALI20200323BHJP
【FI】
G01B21/00 E
G01B5/00 A
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-530191(P2017-530191)
(86)(22)【出願日】2015年12月7日
(65)【公表番号】特表2018-505389(P2018-505389A)
(43)【公表日】2018年2月22日
(86)【国際出願番号】EP2015078893
(87)【国際公開番号】WO2016087681
(87)【国際公開日】20160609
【審査請求日】2018年7月11日
(31)【優先権主張番号】1461954
(32)【優先日】2014年12月5日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】317014275
【氏名又は名称】ユニベルシテ ドゥ ナント
(73)【特許権者】
【識別番号】317014507
【氏名又は名称】サントル ナショナール ド ラ ルシェルシュ シアンティフィク
(74)【代理人】
【識別番号】100074169
【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 文彦
(72)【発明者】
【氏名】ガルニエ セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】フューレ ブノワ
【審査官】
國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−209857(JP,A)
【文献】
特開平08−132372(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0205099(US,A1)
【文献】
米国特許第5111590(US,A)
【文献】
特開平05−256602(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第102006009422(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 21/00
G01B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第二部材(160、360)との関係で動作する、工作機械またはロボットの第一部材(150、350)が沿う(追随する)プログラムされた経路(パス:軌跡)(200)の負荷状態における偏差を測定する測定装置が、
a. 以下の構成からなる可動性を有する伸縮バー(110)(active telescopic bar)と:
ai. 前記バーの長さを測定する手段(141);
aii. 前記バーの各々の端部における回転自由である各々2段階(two degrees)からなる連結のための結合手段(120、130、530、620);
aiii.前記バーの縦(長手:longitudinal)軸に沿って力を供給するように構成される駆動装置、および、縦(長手:longitudinal)軸(111)に沿ったバーに適用される力を測定する手段(142);
b. バーの各端部を各々第一および第二部材に連結する連結手段(135、535、125、625)とからなり、
第一部材が動作する間に、前記バーの駆動装置によって前記連結手段に適用される力の空間成分を決定するための手段を備える、
事を特徴とする測定装置。
【請求項2】
前記連結手段が、少なくともバーの一端における連結球体(120、130)からなることを特徴とする請求項1記載の測定装置。
【請求項3】
前記結合手段が、少なくともバーの一端においてユニバーサルジョイントリンク(530、620)(universal joint link)からなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の測定装置。
【請求項4】
前記測定装置が、各連結手段(135、125)に適用される力の空間成分を測定する手段とからなることを特徴とする請求項1記載の測定装置。
【請求項5】
前記測定装置が、伸縮バー(110)の駆動装置により適用される力の強さを調整するための手段とからなることを特徴とする請求項1記載の測定装置。
【請求項6】
前記伸縮バーの駆動装置は、該バーの長さに比例する(proportional to)力を適用する弾性体(spring means)からなることを特徴とする請求項1記載の測定装置。
【請求項7】
前記伸縮バーの駆動装置は、バーの長さに関係なく一定の力を適用するように構成されることを特徴とする請求項1記載の測定装置。
【請求項8】
請求項1に係る測定装置を用いた、他の部材(160、360)との関係で移動(動作:moving)する部材(150、350)の負荷(荷重)状態における経路(パス:軌跡)(200)を測定する方法が:
i 伸縮バーの各端部を第一および第二部材に結合する工程(410)と;
ii 伸縮バー(110)の縦(長手:longitudinal)軸(111)に沿った2つの部材間の距離が前記経路(パス:軌跡)(200)の間で一定とするため、経路(パス:軌跡)開始動作(path entry movement)(210)と経路(パス:軌跡)終了動作(path exit movement)(220)とからなる、第二部材(160、360)との関係における第一部材(150、350)の相対経路(パス:軌跡)(relative path)をプログラミング(programming)する工程(420)と;
iii 駆動装置により、連結手段(connecting means)に、伸縮バーの縦(長手:longitudinal)軸に沿って定義された強さからなる力(force)を適用する(applying)工程(430)と;
iv 前記経路(パス:軌跡)の間において以下の測定を行う事により、工程(ii)で定義された経路(パス:軌跡)を実行(carrying out)する工程(440)が:
− 伸縮バーの長さの変化;
− 伸縮バーの縦(長手:longitudinal)軸に適用される力の変化;
− 一の結合手段(coupling means)(135、125)に適用される力の成分の変化、
の工程からなる事を特徴とする方法。
【請求項9】
前記方法は、請求項6に記載の測定装置を使用し、工程(iii)で適用された力の強さが経路(パス:軌跡)開始動作(path entry movement)(210)によって定義されることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、工程(iv)の縦(長手:longitudinal)の力の測定が、伸縮バーの長さを測定することによって得られることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、第一部材(160)が固定されており、経路(パス:軌跡)が第二部材(150)によって実行されることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、工程(ii)でプログラミングされ、工程(iv)で実行される経路(パス:軌跡)(200)が円弧からなる(円弧を描く)ことを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、伸張バーの縦(長手:longitudinal)軸が、工程(iv)で巡回する弧(200)の面と平行でないことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、請求項3に記載の測定装置を使用し、経路(パス:軌跡)の実行(400)の間、方位角(azimuth)またはバーの上昇(仰角)の測定を行う工程とからなることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項15】
方向が定められた構成における部材(150)の振動応答を測定(決定)するための方法が、バー(110)の二つの端部におけるユニバーサルジョイントリンクからなる請求項3に記載の測定装置を使用すること、更に次の工程とからなることを特徴とする方法:
− バーの二端部に対する周期的な強調の適用;
− バーの長さの変化による周期的な強調に対する応答の測定。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷(荷重)状態にける経路(パス:軌跡)の測定方法およびその装置に関するものである。特に本発明は、ロボット技術または工作機械の領域に関するものであるが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
文献US5259120/EP0526056またはUS5813128/EP0786644には、「ボールバー」デバイスとして一般的に知られている装置、および、経路(パス:軌跡)を追随する工作機械の精度の解析法が開示されている。該先行技術に係る装置は、一方の固定点(fixed point)と他方の可動点(mobile point)の間の端点をボールで接続した伸縮バーからなり、一般的に前記機械の軸(スピンドル:spindle)(前記固定点との関係で動作するように構成される)である工作機械の一部により物理的に支持(carry)される。また、該方法は、可動点が固定点を軸とした円形経路(パス:軌跡)に沿って移動し、経路(パス:軌跡)中の伸縮バーの長さの変化を測定することから構成される。
【0003】
これらの長さの変化は、不良(欠陥)に続く(追随する following)経路(パス:軌跡)に相当し、検査される工作機械の動的精度を評価することを可能とする。工作機械の場合、該装置は、使用中に受ける力(force)の観点から高精度であり、そのため、そのような動的特性は装置の精度を表すことになる。ロボットの場合、運動の連鎖(キネマティック チェーン kinematic chain)は工作機械のそれよりもはるかに低精度であり、そのため、そのような特性は、前記ロボットの可能性(能力)を表したものではなく、経路(パス:軌跡)を追随する前記ロボットの精度と能力は、それに作用する荷重によって影響を受ける。従来技術では、ロボットは、それ故、運動の連鎖(キネマティック チェーン)の剛性について、動作がブロックされている間は、回転力(force screw)を、負荷装置を通して、エフェクター(作動 effector)を受領するように形成された一般的な手関節(wrist)部材に適用することにより、または、回転効果の下で、手関節の位置のずれを測定することにより、静的に対向した状態(vis-a-vis)で特徴付けられる。
【特許文献1】US5259120号公報
【特許文献2】EP0526056号公報
【特許文献3】US5813128号公報
【特許文献4】EP0786644号公報
【特許文献5】US66622616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの測定は、運動の連鎖(キネマティック チェーン)の剛性を特徴付け、負荷(荷重)状態における動作およびヒステリシスの位置調整(positioning hysteresis)を明らかにし(引き出し:bring out)、そのデータは、特に、正確な位置決めを取得するために、運用中のそのような不良(欠陥)を、少なくとも部分的に補償(相殺)することを可能にする制御補正テーブル(control correction tables)に導入される。先行技術のこのメソッドは、「ピックアンドプレース」(pick and place)として知られる操作運用、または、固定穴の穴あけやタック溶接のような一般的に一定である位置決め操作を実行するには充分である。しかしながら、ロボットは、ますます、トリミング、バリ取り、軌道掘削、ビード溶接、摩擦攪拌接合、あるいは添加剤製造のような(この一覧を全てとすることなく:without this list being exhaustive)経路(パス:軌跡)を追随することを必要とする操作に使用されている;前記経路(パス:軌跡)は、完全に制御されたスピードで追随されなければならない。先行技術の方法の特性は、前記経路(パス:軌跡)の追随の特質の促進および力(force)の複合的な効果を理解し、そして訂正することを可能にしない。
【0005】
文献US66622616では、自由な6度(段階)の間において、それぞれが一平面に配置された3つの球体の2つの部品間において拡張する伸縮測定バーを使用し、一方が固定され、他方が装置またはロボットの可動部品に配置された、ロボットまたは工作機械の動きを較正するための装置が開示されている。該装置の特定の実施例では、6つの測定バーが能動的であり、可動部品に接続された3つの球体により定義される平面上の回転力(force screw)を適用することを可能にする。しかしながら、構造、その実装、およびそれから得られた結果の解釈という観点から、装置は複雑である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、先行技術の欠点を改善することを目的しており、それ故に、第二部材との関係で動作する第一部材の負荷(荷重)状態における経路(パス:軌跡)を測定する以下の構成からなる装置に関する。
a. 以下の構成からなる
可動性を有する伸縮バー(active telescopic bar)と:
ai. 前記バーの長さを測定する手段;
aii. 前記バーの各々の端部における回転自由である2段階(two degrees)からなる連結のための結合手段;
aiii.
前記バーの縦(長手:longitudinal)軸に沿って力を供給するように構成される駆動装置、および、縦(長手:longitudinal)軸に沿ったバーに適用される力を測定する手段;
b. バーの各端部を各々第一および第二部材に連結
する連結手段(135、535、125、625)とからなり、
第一部材が動作する間に、前記バーの駆動装置によって前記連結手段
に適用される力の空間成分を
決定するための手
段。
【0007】
縦(長手:longitudinal)軸に沿ったバーによって適用される力およびバーの向きの空間成分の情報(知識)は、直接的な測定によってまたは力要素(force components)からに拘わらず、経路(パス:軌跡)の完了(completed)に伴う運動の連鎖(キネマティックチェーン kinematic chain)の負荷(荷重)状態における応答について調査(観察)することを可能にする。本明細書において(文献を通じて)、
可動性を有する伸縮バー(active telescopic bar)の用語は、その力を引き起こすために用いられる技術にかかわらず、
伸縮バーまたはその縦(長手:longitudinal)軸に沿って力を供給するように構成され
る駆動装置(アクチュエータ)を表示(参照)する(refer to)。
【0008】
本発明は、有利には、以下に開示される個別に検討される実施態様、または技術的な操作(運用)との組み合わせにより実施される。
【0009】
本発明に係る装置の実施例の1つとして、連結手段は、少なくともバーの一端における連結球体からなる。連結球体は、優れた動作の自由度を可能としており、それゆえ、非常に多様な経路(パス:軌跡)に沿ったロボットを特徴付けるために、本発明の装置を使用することを可能としている。また、トルクの力(force torques)を伝達しないという利益を提供し、それは、測定および解析(特徴付け:characterization)の条件において有利である。
【0010】
本発明に係る
測定装置の他の実施例として、前述のものと互換性があるが、結合手段は、少なくともバーの一端においてユニバーサルジョイントリンク(universal joint link)からなる。ユニバーサルジョイントリンクは、特に、伸張力(tensile forces)を適用する(加える:apply)ことを容易にする。加えて、ユニバーサルジョイントの2つの軸の回転角度の直接の測定を可能とする。
【0011】
有利には、本発明に係る
測定装置は、各連結手段に適用される力の空間成分を測定する手段からなる。従って、各連結手段に適用される力の空間成分の知識(情報:knowledge)は、特に複雑な経路(パス:軌跡)を遂行する間、他との関係における部材(part)の方向(direction of a part in relation to the other)を知る事を可能にする。
【0012】
有利には、本発明に係る
測定装置は、伸縮バー
の駆動装置により適用される力の強さを調整するための手段からなる。従って、該装置は、いくつかの力の強度の下での単一の経路(パス:軌跡)を較正することを可能にする。
【0013】
一つの実施例では、
可動性を有するバー(active bar)
の駆動装置は、前記バーの長さに比例する力を適用する弾性体(spring means)からなる。この実施例は、特に構成し実装するのが簡易であり、特に、経路(パス:軌跡)による負荷の強さの調整を可能とする。
【0014】
別の実施例では、
可動性を有するバー(active bar)
の駆動装置は、バーの長さに関係なく一定の力を適用する
ように構成される。この実施例より、より柔軟な使用が可能となる。
【0015】
また、本発明はそのいくつかの実施例における発明に係る
測定装置を用いた、他の部材との関係で移動(動作:moving)する部材の負荷(荷重)状態における経路(パス:軌跡)を測定する方法であって、以下の工程からなる方法に関する。
i 伸縮バーの各端部を第一および第二部材に結合する工程と;
ii バーの縦(長手:longitudinal)軸に沿った2つの部材間の距離が前記経路(パス:軌跡)の間で一定とするため、経路(パス:軌跡)開始動作(path entry movement)と経路(パス:軌跡)終了動作(path exit movement)とからなる、第二部材との関係における第一部材の相対経路(パス:軌跡)(relative path)をプログラミング(programming)する工程と;
iii
駆動装置により、連結手段(connecting means)に、伸縮バーの縦(長手:longitudinal)軸に沿って定義された強さからなる力(force)を適用する(applying)工程と;
iv 前記経路(パス:軌跡)の間において以下の測定を行う事により、工程(ii)で定義された経路(パス:軌跡)を実行(carrying out)する工程:
− 伸縮バーの長さの変化;
−
伸縮バーの縦(長手:longitudinal)軸に適用される力の変化;
− 一の結合手段(coupling means)に適用される力の成分の変化。
【0016】
すなわち、本発明に係る方法により、部材が、定義された方向と強さからなる力(force)を受けたときの偏差に沿った(追従した)経路(パス:軌跡)を測定する事が可能となる。
【0017】
本発明に係る方法のある特定の実施例は、弾性体によって力が適用される伸縮バーを使用し、工程(iii)で適用された力の強さが経路(パス:軌跡)開始動作(path entry movement)によって定義される構成である。この実施例により、特に、実装が容易となり、較正する部材の動作範囲を迅速にカバーすることが可能となる。
【0018】
同様の特定の実施例は、工程(iv)の縦(長手:longitudinal)の力の測定が、伸縮バーの長さを測定することによって得られる構成からなる。
【0019】
本発明にかかる方法の一つの実装例では、第一部材が固定され、経路(パス:軌跡)は、第二部材によって実施される構成である。この実施例は、先行技術であるボールバー装置によって実施される較正検査と類似しているが、荷重の影響を検査に加えているので、従って、これは、先行技術の方法で得た荷重なしの検査と直接対比することが出来る。
【0020】
この実施例は、工程(ii)でプログラミングされ、工程(iv)で実行される経路(パス:軌跡)が円の中で弧となる(円弧を描く)構成である。
【0021】
有利な他の実施例では、伸張バーの縦(長手:longitudinal)軸が、工程(iv)で巡回する弧の面と平行でない構成である。力の空間成分を測定するための該方法は、いつでも、力と、その結果として経路(パス:軌跡)(200)の間のバーの方向を測定することを可能にする。従って、本発明に係る該装置および方法により、先行技術に係る方法によっては取り出すことが困難である、誤り(不良、欠陥)に沿った(を追従した)3次元経路(パス:軌跡)を取り出すことが可能となる。
【0022】
その一つの端部がユニバーサルジョイントリンクからなる装置を使用する本発明に係る方法の一実施例では、該方法は、経路(パス:軌跡)の実行の間、方位角(azimuth)またはバーの上昇(仰角)の測定を行う工程とからなる構成である。
【0023】
本発明は、方向が定められた形態における(in a defined configuration of direction)部材(150)の振動応答を測定(決定)するための方法が、バーの二つの端部にユニバーサルジョイントリンクからなる本発明の装置を使用したもので、更に次の工程からなることを特徴とする方法に関連する:
− バーの二つの端部に対する周期的な強調の適用;
− バーの長さの変化による周期的な強調に対する応答の測定。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明は、その好ましい実施例として(それらは、何等限定するものではない)、そして
図1から6を参照することにより、以下のように説明される。
【
図1】
図1は、本発明に係る装置の代表的な実施例の正面概略図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す装置の制御または較正経路(パス:軌跡)の実行に係る概略を例示する実施例の平面図である。
【
図3】
図3は、2つの移動部材間における本発明の装置の代表的な使用を示す正面図である。
【
図4】
図4は、本発明に係る方法の代表的な実施例を示す論理図である。
【
図5】
図5は、バーの連結リンク(coupling link)としてユニバーサルジョイントを用いた本発明に係る装置の代表的な実施例を示す正面概略図である。
【
図6】
図6は、バーの2つの連結リンクとしてユニバーサルジョイントを用いた本発明に係る装置の代表的な実施例を示す正面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に係る
測定装置の代表的な実施例を示す
図1では、該装置は、固定された基準(fixed reference)(160)との関係で、工作機械またはロボットの移動部材(150)の経路(パス:軌跡)を測定することに用いられる。前記装置は、スリーブ(113)内を滑動するスライド(112)からなる
可動性を有する伸縮バー(active telescopic bar)(110)からなり、2つの端部間において力を生み出すように構成される。前記端部は、この代表的な実装では、連結手段(linking means)(125、135)と連結する結合手段(coupling means)(120、130)からなり、一の連結手段(125)は、移動部材(150)に固定されており、他の連結手段(135)は、固定された基準(fixed reference)(160)に固定される。この実施例では、トルクを伝達しないように、前記連結は、ボールリンク(ball links)からなる。
【0026】
伸縮バー(110)は
可動性を有し、縦(長手:longitudinal)軸(111)に沿った力を生成する手段からなる。非限定的でかつ非包括的な例として、力を生成する前記手段は、スリーブ(113)とスライド(112)の間で作動する手段からなり、弾性ワッシャー、空気圧または油圧手段、電気的手段のような伸張または圧縮弾性体、例えば線形マイクロモータ、圧電モータや電磁デバイスの形からなる。前記伸縮バー(110)もまた、スリーブ(130)との関係でのスライド(112)の相対変位を測定するための、例えば、バー(110)の長さの変化を測定することを可能とする光学的ルール(定規 optical rule)の形式からなる手段(140)により構成される。スリーブ(113)に配置される力センサー(force sensor)(142)は、バーが縦(長手:longitudinal)軸(111)に沿って受ける力を測定することを可能にする。または、弾性体の中に力を生成するための手段が構成されている場合は、縦方向の力は、移動を測定する手段(140)によって測定される。
【0027】
本発明に係る
測定装置の代表的な実施例では、固定された基準(fixed reference)(160)に連結される手段(135)は、前記手段(135)に連結された基準における、x、yおよびz軸に沿った該手段に適用される力の成分を測定するための手段(図示せず)を装備している。他の実施例では、移動部材(150)に固定される連結手段(linking means)(120)もまた、それ自身の基準(reference)に適用される力の成分を測定するための手段を装備している。従って、伸縮バー(110)に適用される力の強さは、バーのセンサー(142)手段によって取得され、これらのセンサーによって決定される力の成分により、前記連結手段(125、135)に対する伸縮バーの方向を決定することが可能となる。
【0028】
本発明に係る
測定装置の実装は、伸縮バーが2つの連結手段(125、135)間で力を適用する際に、および経路(パス:軌跡)の間で、伸縮バーの長さの変化や、バー(110)の縦(長手:longitudinal)軸(111)に沿って適用される力の値や、そのようなセンサーが装着された連結手段に適用される力成分を取得する際に、固定された基準(reference)(160)との関連で、移動部材(150)の定義された経路(パス:軌跡)を創出することにより構成される。代表的な実施例では、これらのデータは、無線または有線の手段によって、収集盤(ボード)に装備されるコントロールユニット(制御装置)(190)に送信される。
【0029】
代表的な実施例を示す
図2では、伸縮バー(110)は、2つの連結手段の間に設けられ、経路(パス:軌跡)は、移動部材によって形成される。この代表的な実施例では、前記経路(パス:軌跡)は、x軸と平行な線形変位(displacement)とここで一致する開始位置(entry portion)(210)から構成される。この変位(displacement)は、有意に、伸縮バー(110)を短縮し、前記バーの長さを測定する手段からの信号より容易に検出される。これにより、検査の開始を検出することが可能となる。この代表的な実施例では、測定された経路(パス:軌跡)(200)は、例えは、バーを固定された基準(reference)を伴う連結手段に繋げる連結球体(130)のような伸縮バーの一端部を中心とする円弧経路と一致(対応)する。すなわち、理論上は、伸縮バーの長さは、経路(パス:軌跡)の間は一定である。解析されるロボットや装置のタイプや、その関節の配置に応じて、該方法の実行に用いられる経路(パス:軌跡)は、あらゆる経路(パス:軌跡)となり、好ましくは、経路(パス:軌跡)は球面を含むが、前記経路(パス:軌跡)が追随される間は伸縮バーの理論長は必ずしも一定である必要はない。全てのケースにおいて、実際に追随される経路(パス:軌跡)(200’)は、理論上の経路(パス:軌跡)(200)からの偏差を示す。
【0030】
実際には、これらの偏差は、プログラムされた理論上の経路(パス:軌跡)(200)の半径(radius)に関して程度において派生的(secondary in degree)である。すなわち、移動部材、ロボットまたは工作機械の特質(nature)に応じて、理論上の経路(パス:軌跡)(200)と実際の経路(パス:軌跡)(200’)間の偏差は、もしそれが円形であれば、前記経路(パス:軌跡)の半径の1000分の1から10000分の1であり、また、もし、前記経路(パス:軌跡)が他の経路(パス:軌跡)であれば、伸縮バーの理論上の長さ変化である。従って、たとえ、力が伸縮バーのスリーブとスライド間の弾力動作のようなシンプルな手段によって適用されるとしても、これらの経路(パス:軌跡)変位がもたらす力の変化は無視できるものであり、必要に応じて、より優れた正確性が要求される場合には、伸縮バーの力センサーやそのバーの長さの変化によって決定され得る。経路(パス:軌跡)終了位置(exit portion)(220)は、伸縮バーの長さを有意に修正する線形運動(linear movement)と一致する。すなわち、その動作により、測定経路(パス:軌跡)からの出口(終了)を検出することが可能となる。
【0031】
伸縮バーのセンサーで測定された力と、連結手段(linking means)の測定手段上のその力の成分の対比により、常に、前記連結手段に連結される基準(reference)における伸縮バーの方向を取得することが可能となる。その測定の原理により、ロボットや機械の軸との関係で、連結または結合手段の力成分の測定軸の方向を決定する事も可能となる。従って、最初の較正サイクルは、伸縮バーと異なる方向における(in different directions of the telescopic bar)開始および終了位置(210、220)に対応する変位に類似する線形変位(displacement)の実行で構成される。例えば、プログラムされた経路(パス:軌跡)が専らx、y平面に広がる場合におけるz軸に沿った可動部材の寄生動作(parasite movements)のように、伸縮バーが経路(パス:軌跡)(200)の面(plane)に含まれない方向に回転する場合には、本発明に係る装置は、3次元の不良(欠陥)を検出することを可能とする。
【0032】
例えば、伸縮バーにより課された力が弾性体によって生じるケースに対応する特定の実施例では、伸縮バーの長さと弾性体の圧縮を定める開始位置(210)に対応する経路(パス:軌跡)の長さにより、伸縮バーによって適用される力を連結手段に課すことも可能となる。有利には、この実施例では、前記伸縮バーは、すなわち適用される力を定義するため、前記弾性体に予め圧力を与えることを可能にする手段(図示せず)からなる構成である。
【0033】
図3に示す本発明に係る
測定装置の他の使用例では、該装置は、相互に相対的に、ただし協調的な動作として、移動するように構成される2つの移動部材(360、350)の間に設置される。例えば、この種の状況は、可動部材(mobile parts)のうちの1つがリベット金型を運び、他方がリベット金型でリベット打ちするケースと一致する。較正や制御の目的とした本発明に係る装置を実行するために構成される他の応用例が、文献EP1689558に開示されている。このケースでは、2つの連結手段(135、125)は、力の成分を測定するための手段からなる。従って、負荷(荷重)状態における機械の挙動を測定するための能力に加え、成分の測定により、経路(パス:軌跡)に沿った2つの可動部材の相対位置と方向の不良(欠陥)を決定する事が可能となる。
【0034】
図4の本発明に係る方法の代表的な実施例では、インストール工程(410)におけるリンク手段の間に、伸縮バーがインストールされている。必要に応じて、特に、バーに負荷をかけるための手段が弾性体の場合、較正工程(405)は、それをに較正ベンチに載せて、バーの実際の剛性が調べられるようにしている。有利なことに、その較正ベンチは低熱膨張係数を持つ材料で作られており、同時に、伸縮バーの実際の長さ、ならびに、同じ較正工程(405)の中での長さの変化の測定手段を正確に調整することができるようにしている。プログラミング工程(420)の中で、インストレーション工程の後、必然的ではないがここにランダムに配置し、応用されるケース(事案)に応じて、テスト中に追随する経路(パス:軌跡)がモバイル(可動)部材に関して又は各モバイル(可動)部材にプログラムされる。
【0035】
必要に応じて、そのプログラミング工程(420)では、可動部材を参照とするリンク手段の一方または両方の配置を目的とした、位置決め工程(425)が事前に又は事後に行われる。結果の分析を簡素化するために、プログラミング工程(420)中にプログラムされた測定経路(パス:軌跡)は、プログラムの理論的な経路(パス:軌跡)にもよるが、バーの長さが一定となるようにしている。負荷手順(430)の中で、伸縮バーには圧縮/伸長が適用されることにより負荷がかかる。負荷方法は、力を生み出す手段によって異なる(依存する)。これらの(負荷)手段が弾性体の手段である場合、負荷は、例えば、経路(パス:軌跡)の入口部分に対応する経路(パス:軌跡)の途中においてかけることもできる。もし、これらの(負荷)手段が空気圧、水圧または電気圧であった場合に、長大幅の伸縮バーでプログラミングすることができる。
【0036】
測定工程(440)の間、測定経路(パス:軌跡)は追従されると同時に、信号を別のセンサーから取得する:
− 伸縮バーの長さセンサ;
− 伸縮バーの力センサ;
− 連結手段の力の成分に対応する信号。
【0037】
特定の実施例では、この測定手順は、移動部材の作動のより正確な診断を得るために、可動部の軸モータの制御電流またはこれらと同じ軸の変位エンコーダー信号などのオプション信号を包含(から構成)している。このようにして取得されたデータは、作動分析を取得する処理工程(450)に蓄積される。そのサイクル(手順)は、測定される経路(パス:軌跡)の別の経路(パス:軌跡)、または別の加えられた力、若しくは別の移動速度によって再開される。
【0038】
図5の他の実施例では、一つの結合手段(535)は、たとえば固定基準(160)に結合されたユニバーサルジョイント(530)であり、バー(110)のもう一方の端部の連結手段(125)は、ボールリンクである結合手段(120)からなる。この実施例では、結合手段(535)が固定されている平面での方位角と、バー(110)とユニバーサルジョイントリンクが装備されている結合手段(535)の固定されている平面とによって形成されるところの仰角、とを直接的に測定することを可能としており、この実施における固定された基準(160)となる。これらの直接測定は有利なことに、本発明の方法の測定工程の中で装備(実装)される。
【0039】
図6に示すまた別の実施例では、バー(110)の両端の2つの軸受(625,535)は、ユニバーサルジョイント(539,620)からなる。この実施例は、例えば、これらのリンクに
可動性を有する伸張バー(110)を介して特に周期的な低振幅の2方向の力である伸長と圧縮を加えることを可能にしている。したがって、この実施例によれば、ロボット振動モードを研究、または、もっと一般に特徴付けられるシステムの異なる方位角と異なる仰角を研究することが可能となる。周期的な力は、たとえば、バーに、空気圧、油圧または電動圧による駆動装置が装備されている場合はバー(110)という手段により、または、バーの端部の一つの変位により、いずれによっても直接に加えられる。バーの長さ(110)の変化の測定は、検討対象システムに対する負荷(力)の振動による応答の決定と、特に最初の基本的なモードの周波数を識別と、を可能にしている。この実施例によれば、3次元の追随する経路(パス:軌跡)の中で、簡単に該経路(パス:軌跡)に沿った方向の偏差を、測定することが可能となる。
【0040】
以上の説明と、代表的な実施例は、本発明が解決すべき課題を達成したことを示すものであり、特に、本発明による
測定装置によれば、駆動手段と軸力測定手段とを組み合わせたボールバーデバイスのような(に類似する)装置であって、一定の負荷の下での工作機械およびロボットの動作の解析が可能となり、また、経路(パス:軌跡)測定における力とその変更に関する情報を使用することにより、該マシンについての伸縮バーの方向情報を伴った純粋な次元情報が供給されることになる。