(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6674983
(24)【登録日】2020年3月11日
(45)【発行日】2020年4月1日
(54)【発明の名称】無線周波数(RF)伝導媒体
(51)【国際特許分類】
H01P 3/18 20060101AFI20200323BHJP
H01P 7/06 20060101ALI20200323BHJP
H01P 3/06 20060101ALI20200323BHJP
【FI】
H01P3/18
H01P7/06
H01P3/06
【請求項の数】44
【外国語出願】
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-152874(P2018-152874)
(22)【出願日】2018年8月15日
(62)【分割の表示】特願2017-156490(P2017-156490)の分割
【原出願日】2013年4月29日
(65)【公開番号】特開2018-174591(P2018-174591A)
(43)【公開日】2018年11月8日
【審査請求日】2018年8月15日
(31)【優先権主張番号】61/640,784
(32)【優先日】2012年5月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/782,629
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514279002
【氏名又は名称】ナノトン, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジョン アルドリッチ ドーリー
【審査官】
岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−093005(JP,A)
【文献】
国際公開第95/006336(WO,A1)
【文献】
特開2011−060751(JP,A)
【文献】
特開2001−196817(JP,A)
【文献】
特開2012−054192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造に対する適用のための無線周波数(RF)伝導媒体であって、
誘電体材料と、
前記誘電体材料内に配置され、かつ、第1の方向に延びている複数の伝導経路であって、前記複数の伝導経路は、前記構造の挿入損失を低減させ、前記複数の伝導経路のうちの各伝導経路は、構造化されておらず、かつ、前記複数の伝導経路のうちの他の伝導経路に対してメッシュ配列を有し、前記複数の伝導経路のうちの少なくとも1つの伝導経路は、
前記誘電体材料によって少なくとも部分的に包囲された第1の部分と、
前記第1の部分に連続的に接続された第2の部分であって、前記第2の部分は、接合部において前記複数の伝導経路のうちの少なくとも1つの他の伝導経路と電気的に結合されている、第2の部分と
を含む、複数の伝導経路と
を備える、RF伝導媒体。
【請求項2】
前記少なくとも1つの伝導経路の前記第1の部分を少なくとも部分的に包囲している前記誘電体材料は、前記少なくとも1つの伝導経路が前記第1の方向に対して略垂直な少なくとも1つの方向にRFエネルギーを伝搬することを遮断する、請求項1に記載のRF伝導媒体。
【請求項3】
前記複数の伝導経路は、炭素、銀、銅、アルミニウム、または、金のうちの少なくとも1つから成るナノ材料を含む、請求項1に記載のRF伝導媒体。
【請求項4】
前記複数の伝導経路のうちの各伝導経路は、ワイヤ、リボン、チューブ、または、薄片のうちの少なくとも1つである構造を含む、請求項1に記載のRF伝導媒体。
【請求項5】
前記複数の伝導経路のうちの各伝導経路は、所望の動作周波数において前記RF伝導媒体の表皮深度「δ」以下の厚さを有する、請求項1に記載のRF伝導媒体。
【請求項6】
前記表皮深度「δ」は、
【数1】
によって計算され、
式中、μ
0は、真空の透磁率であり、μ
rは、前記複数の伝導経路を形成するナノ材料の比透磁率であり、ρは、前記ナノ材料の抵抗率であり、fは、前記所望の動作周波数である、請求項
5に記載のRF伝導媒体。
【請求項7】
前記所望の動作周波数は、空洞フィルタの共振周波数、アンテナの共振周波数、導波管のカットオフ周波数、同軸ケーブルの動作周波数、または、空洞フィルタおよびアンテナを含む統合された構造の組み合わせられた動作周波数範囲のうちの少なくとも1つである、請求項5に記載のRF伝導媒体。
【請求項8】
前記複数の伝導経路のうちの各伝導経路は、約50nm未満〜約4000nm未満の厚さを有する、請求項1に記載のRF伝導媒体。
【請求項9】
前記複数の伝導経路のうちの各伝導経路は、約1000nm未満〜約3000nm未満の厚さを有する、請求項1に記載のRF伝導媒体。
【請求項10】
前記複数の伝導経路のうちの各伝導経路は、約1500nm未満〜約2500nm未満の厚さを有する、請求項1に記載のRF伝導媒体。
【請求項11】
前記複数の伝導経路を被覆する保護層をさらに含む、請求項1に記載のRF伝導媒体。
【請求項12】
前記保護層は、所望の動作周波数において、RFエネルギーに対して遮断性かつ実質的に透明である材料を含む、請求項11に記載のRF伝導媒体。
【請求項13】
前記材料は、ポリマーコーティングおよび繊維ガラスコーティングのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載のRF伝導媒体。
【請求項14】
前記誘電体材料は、前記複数の伝導経路を機械的に支持するように構成されている、請求項1に記載のRF伝導媒体。
【請求項15】
前記複数の伝導経路のうちの各伝導経路は、前記第1の方向に沿って伝導性であり、かつ、前記第1の方向に対して略垂直な少なくとも1つの方向に沿って非伝導性である、請求項1に記載のRF伝導媒体。
【請求項16】
前記誘電体材料は、空気を含む、請求項15に記載のRF伝導媒体。
【請求項17】
前記複数の連続伝導経路のうちの各連続伝導経路は、単層炭素ナノチューブ(SWCNT)、多層ナノチューブ(MWCNT)、および、黒鉛のうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載のRF伝導媒体。
【請求項18】
無線周波数(RF)デバイスであって、
内側表面を有する空洞を形成する誘電体構造と、
前記内側表面の少なくとも一部分上に配置されたRF伝導媒体であって、前記RF伝導媒体は、
誘電体材料と、
前記誘電体材料内で第1の方向に延びている複数の伝導経路であって、前記複数の伝導経路は、前記第1の方向に対して垂直な少なくとも1つの方向にRFエネルギーが伝搬することを防止し、前記複数の伝導経路のうちの各伝導経路は、構造化されておらず、かつ、前記複数の伝導経路のうちの他の伝導経路に対してメッシュ配列を有し、前記複数の伝導経路は、前記RFデバイスの挿入損失を低減させる、複数の伝導経路と
を含む、RF伝導媒体と
を備える、RFデバイス。
【請求項19】
前記誘電体材料は、前記複数の連続伝導経路の各々に対して機械的支持を提供するようにさらに構成されている、請求項18に記載のRFデバイス。
【請求項20】
前記複数の連続伝導経路のうちの各連続伝導経路は、炭素、銀、銅、アルミニウム、または、金のうちの少なくとも1つから成るナノ材料を含む、請求項18に記載のRFデバイス。
【請求項21】
前記複数の連続伝導経路のうちの各連続伝導経路は、ワイヤ、リボン、チューブ、または、薄片のうちの少なくとも1つである構造を含む、請求項18に記載のRFデバイス。
【請求項22】
前記複数の連続伝導経路の各々は、所望の動作周波数において前記RF伝導媒体の表皮深度「δ」以下の厚さを有する、請求項18に記載のRFデバイス。
【請求項23】
前記表皮深度「δ」は、
【数2】
によって計算され、
式中、μ
0は、真空の透磁率であり、μ
rは、前記複数の連続伝導経路を形成するナノ材料の比透磁率であり、ρは、前記ナノ材料の抵抗率であり、fは、前記所望の動作周波数である、請求項
22に記載のRFデバイス。
【請求項24】
前記所望の動作周波数は、前記空洞の所望の共振周波数である、請求項22に記載のRFデバイス。
【請求項25】
前記複数の連続伝導経路の各々は、約50nm未満〜約4000nm未満の厚さを有する、請求項18に記載のRFデバイス。
【請求項26】
前記複数の連続伝導経路の各々は、約1000nm未満〜約3000nm未満の厚さを有する、請求項18に記載のRFデバイス。
【請求項27】
前記複数の連続伝導経路の各々は、約1500nm未満〜約2500nm未満の厚さを有する、請求項18に記載のRFデバイス。
【請求項28】
前記複数の連続伝導経路を被覆する保護層をさらに備え、前記保護層は、所望の動作周波数において、RFエネルギーに対して遮断性かつ低吸収性である材料を含む、請求項18に記載のRFデバイス。
【請求項29】
前記材料は、ポリマーコーティングおよび繊維ガラスコーティングのうちの少なくとも1つを含む、請求項28に記載のRFデバイス。
【請求項30】
無線周波数(RF)伝導媒体であって、
複数の連続伝導経路であって、前記複数の連続伝導経路のうちの各連続伝導経路は、第1の方向において伝導性であり、かつ、前記第1の方向に対して垂直な少なくとも1つの方向において非伝導性であり、前記複数の伝導経路のうちの各伝導経路は、構造化されておらず、かつ、前記複数の伝導経路のうちの他の伝導経路に対してメッシュ配列を有する、複数の連続伝導経路と、
前記複数の連続伝導経路を包囲しているRF不活性材料の層と
を備え、
前記RF不活性材料は、所望の動作周波数において、RFエネルギーに対して遮断性かつ低吸収性であり、
前記RF不活性材料の前記層は、誘電体表面を有する構造上に前記複数の連続伝導経路を固定するようにさらに構成されており、
前記複数の伝導経路は、前記構造の挿入損失を低減させるように構成されている、RF伝導媒体。
【請求項31】
前記複数の連続伝導経路を前記誘電体表面上に結合するための結合剤をさらに備える、請求項30に記載のRF伝導媒体。
【請求項32】
前記複数の連続伝導経路のうちの各連続伝導経路は、炭素および黒鉛のうちの少なくとも1つであるナノ材料を含む、請求項30に記載のRF伝導媒体。
【請求項33】
前記複数の連続伝導経路のうちの各連続伝導経路は、単層炭素ナノチューブ(SWCNT)、多層ナノチューブ(MWCNT)、および、黒鉛のうちの少なくとも1つを含む、請求項30に記載のRF伝導媒体。
【請求項34】
前記複数の連続伝導経路のうちの各連続伝導経路は、所望の動作周波数において前記RF伝導媒体の表皮深度「δ」以下の厚さを有する、請求項30に記載のRF伝導媒体。
【請求項35】
前記表皮深度「δ」は、
【数3】
によって計算され、
式中、μ
0は、真空の透磁率であり、μ
rは、前記複数の連続伝導経路を形成するナノ材料の比透磁率であり、ρは、前記ナノ材料の抵抗率であり、fは、前記所望の動作周波数である、請求項
34に記載のRF伝導媒体。
【請求項36】
前記所望の動作周波数は、空洞フィルタの所望の共振周波数、アンテナの所望の共振周波数、導波管のカットオフ周波数、同軸ケーブルの所望の動作周波数範囲、および、空洞フィルタおよびアンテナを含む統合された構造の組み合わせられた動作周波数範囲のうちの少なくとも1つである、請求項34に記載のRF伝導媒体。
【請求項37】
前記複数の連続伝導経路の各々は、約50nm未満〜約4000nm未満の厚さを有する、請求項30に記載のRF伝導媒体。
【請求項38】
前記複数の連続伝導経路の各々は、約1000nm未満〜約3000nm未満の厚さを有する、請求項30に記載のRF伝導媒体。
【請求項39】
前記複数の連続伝導経路の各々は、約1500nm未満〜約2500nm未満の厚さを有する、請求項30に記載のRF伝導媒体。
【請求項40】
無線周波数(RF)伝導媒体であって、
誘電体材料と、
前記誘電体材料内に埋め込まれ、かつ、第1の方向に延びている複数の連続伝導経路であって、前記複数の伝導経路のうちの各伝導経路は、構造化されておらず、かつ、前記複数の伝導経路のうちの他の伝導経路に対してメッシュ配列を有し、前記複数の伝導経路のうちの少なくとも1つの伝導経路は、
接合部において少なくとも1つの他の伝導経路と電気接触している少なくとも1つの分離した電気伝導媒体と、
前記接合部に隣接する少なくとも1つの隙間と
を含む、複数の連続伝導経路と
を備え、
前記誘電体材料は、前記少なくとも1つの隙間の少なくとも一部分内に延びており、かつ、前記複数の伝導経路の各々が前記第1の方向に対して略垂直な少なくとも1つの方向にRFエネルギーを伝搬することを遮断し、
前記複数の伝導経路は、前記誘電体材料が適用される構造の挿入損失を低減させる、RF伝導媒体。
【請求項41】
無線周波数(RF)デバイスであって、
前記RFデバイスは、前記RFデバイスの一部分を形成する誘電体の表面上に配置されたRF伝導媒体を備え、
前記RF伝導媒体は、前記RFデバイスの挿入損失を低減させ、
前記RF伝導媒体は、第1の方向に延びている複数の連続伝導経路を含み、
前記複数の伝導経路のうちの各伝導経路は、構造化されておらず、かつ、前記複数の伝導経路のうちの他の伝導経路に対してメッシュ配列を有し、
前記複数の伝導経路のうちの少なくとも1つの伝導経路は、接合部において少なくとも1つの他の伝導経路と電気接触している少なくとも1つの分離した電気伝導媒体を含み、
前記少なくとも1つの分離した電気伝導媒体は、前記第1の方向において伝導性であり、かつ、前記第1の方向と垂直な少なくとも1つの軸に沿って非伝導性である材料を含む、RFデバイス。
【請求項42】
前記RFデバイスは、空洞フィルタであり、前記表面は、共振空洞の内側表面である、請求項41に記載のRFデバイス。
【請求項43】
前記RFデバイスは、同軸ケーブルであり、前記表面は、前記同軸ケーブルの中央部材によって画定されている、請求項41に記載のRFデバイス。
【請求項44】
前記RFデバイスは、アンテナであり、前記表面は、前記アンテナの誘電体構造形成部分によって画定されている、請求項41に記載のRFデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、米国仮出願第61/640,784号(2012年5月1日出願)および米国仮出願第61/782,629号(2013年3月14日出願)の利益を主張する。上記出願の全教示は、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
電磁波または電磁放射(EMR)は、電場成分および磁場成分の両方を有する、エネルギーの形態である。電磁波は、多くの異なる周波数を有することができる。
【0003】
現代の電気通信システムは、無線通信を電気通信システムの加入者に提供するために、電磁スペクトル内の電磁波を操作する。特に、現代の電気通信システムは、無線周波数(RF)波としてそれらを分類する周波数を有するそれらの波を操作する。RF波を利用するために、電気通信システムは、フィルタ、ミキサ、増幅器、およびアンテナ等のある不可欠なハードウェア構成要素を利用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書に説明される技術は、RFデバイスの伝導効率を改善するための無線周波数(RF)伝導媒体に関する。RF伝導媒体は、着目無線周波数において、表皮効果の影響を誘発する損失がない、1つ以上の伝導経路を横方向電磁軸に含むことによって、RFデバイスの伝導効率を改善する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態は、横方向電磁軸に複数の連続伝導経路を形成する多様な伝導媒体を含む、無線周波数(RF)伝導媒体である。RF伝導媒体はまた、横方向電磁軸における複数の連続伝導経路の各々を周期的に包囲するサスペンション誘電体を含む。サスペンション誘電体は、横方向電磁軸と垂直な軸において、複数の伝導経路の各々がRFエネルギーが伝搬することを周期的に遮断するように構成される。サスペンション誘電体はさらに、複数の連続伝導経路の各々のために機械的支持を提供するように構成される。
【0006】
ある実施形態では、複数の連続伝導経路の各々は、伝導経路の複数の伝導層内の伝導層であり得る。複数の伝導層の各々は、構造化され、複数の伝導層の他の層に対して均一位置または配列を有し得る。別の実施形態では、複数の伝導層の各々は、構造化されず、複数の伝導層の他の層に対して、メッシュ配列を有し得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、横方向電磁軸は、RF伝導媒体が適用される表面と平行な軸である。他の実施形態では、横方向電磁軸は、RF伝導媒体が適用される表面と同一平面にある軸である。
【0008】
RF伝導媒体はまた、誘電体表面上へのRF伝導媒体の適用の間、RF伝導媒体を粘性状態に維持するように構成されている、溶媒を含み得る。溶媒は、熱源による刺激に応答して蒸発するように構成される。
【0009】
多様な伝導媒体の各媒体は、銀、銅、アルミニウム、および金のうちの少なくとも1つである元素から成るナノ材料から作製され得る。また、多様な伝導媒体の各媒体は、ワイヤ、リボン、チューブ、および薄片のうちの少なくとも1つである構造を有し得る。
【0010】
加えて、複数の連続伝導経路の各々は、所望の動作周波数において、表皮深度を上回らない伝導断面積を有し得る。ある実施形態では、表皮深度「δ」は、以下によって計算され得、
【0011】
【数1】
【0012】
式中、μ
0は、真空の透磁率であり、μ
rは、伝導媒体のナノ材料の比透磁率であり、ρは、伝導媒体のナノ材料の抵抗率であり、fは、所望の動作周波数である。
【0013】
所望の動作周波数は、空洞フィルタの所望の共振周波数、アンテナの所望の共振周波数、導波管のカットオフ周波数、同軸ケーブルの所望の動作周波数範囲、ならびに空洞フィルタおよびアンテナを含む統合された構造の組み合わせられた動作周波数範囲のうちの少なくとも1つに対応し得る。
【0014】
複数の連続伝導経路の各々は、表皮深度50nm−4000nmを有する均一伝導断面積を有し得る。他の実施例では、複数の連続伝導経路の各々は、表皮深度1000nm−3000nmを有する均一伝導断面積を有し得る。さらに別の実施例では、複数の連続伝導経路の各々は、表皮深度1500nm−2500nmを有する均一伝導断面積を有し得る。
【0015】
RF伝導媒体はまた、連続伝導経路の複数の層を被覆する保護層を含み得、保護層は、所望の動作周波数において、RFエネルギーに対して非伝導性かつ低吸収性である材料を含む。材料は、ポリマーコーティングおよび繊維ガラスコーティングのうちの少なくとも1つであり得る。
【0016】
別の実施形態は、複数の連続伝導経路を形成する多様な伝導媒体を含む、無線周波数(RF)伝導媒体である。伝導媒体の各媒体は、横方向電磁軸において伝導性であり、横方向電磁軸と垂直な軸においてほとんど伝導しない材料から作製される。RF伝導媒体はまた、多様な伝導媒体を包囲するRF不活性材料の層を含む。
【0017】
RF不活性材料は、所望の動作周波数において、RFエネルギーに対して非伝導性かつ低吸収性である。また、RF不活性材料の層は、多様な伝導媒体を誘電体表面上に固定するように構成される。RF不活性材料は、ポリマーコーティングおよび繊維ガラスコーティングのうちの少なくとも1つであり得る。
【0018】
RF伝導媒体はまた、RF伝導媒体を表面に結合するための結合剤を含み得る。RF伝導媒体はさらに、誘電体表面上へのRF伝導媒体の適用の間、RF伝導媒体を粘性状態に維持するように構成されている、溶媒を含み得る。溶媒はさらに、熱源による刺激に応答して蒸発するように構成される。
【0019】
多様な伝導媒体の各媒体は、炭素および黒鉛のうちの少なくとも1つである元素から成るナノ材料から作製され得る。また、多様な伝導媒体内の各伝導媒体は、単層炭素ナノチューブ(SWCNT)、多層炭素ナノチューブ(MWCNT)、および黒鉛のうちの少なくとも1つであり得る。
【0020】
加えて、複数の連続伝導経路の各々は、所望の動作周波数において、表皮深度を上回らない伝導断面積を有し得る。ある実施形態では、表皮深度「δ」は、以下によって計算され得、
【0021】
【数2】
【0022】
式中、μ
0は、真空の透磁率であり、μ
rは、伝導媒体のナノ材料の比透磁率であり、ρは、伝導媒体のナノ材料の抵抗率であり、fは、所望の動作周波数である。
【0023】
所望の動作周波数は、空洞フィルタの所望の共振周波数、アンテナの所望の共振周波数、導波管のカットオフ周波数、同軸ケーブルの所望の動作周波数範囲、ならびに空洞フィルタおよびアンテナを含む統合された構造の組み合わせられた動作周波数範囲のうちの少なくとも1つに対応し得る。
【0024】
複数の連続伝導経路の各々は、表皮深度50nm−4000nmを有する均一伝導断面積を有し得る。他の実施例では、複数の連続伝導経路の各々は、表皮深度1000nm−3000nmを有する均一伝導断面積を有し得る。さらに別の実施例では、複数の連続伝導経路の各々は、表皮深度1500nm−2500nmを有する均一伝導断面積を有し得る。
【0025】
さらなる実施形態は、無線周波数(RF)伝導媒体である。RF伝導媒体は、分離した電気伝導ナノ構造の束を含む。加えて、RF伝導媒体は、分離した電気伝導ナノ構造の束が誘電体表面に適用されることを可能にする結合剤を含む。分離した電気伝導ナノ構造の束は、熱源による焼結に応答して、均一格子構造および均一伝導断面積を有する連続伝導層を形成する。熱源は、分離した電気伝導ナノ構造の束の各分離した伝導ナノ構造のナノ材料の原子構造および厚さに基づいて、熱の刺激を印加し得る。
【0026】
ナノ構造の各々は、炭素、銀、銅、アルミニウム、および金のうちの少なくとも1つである元素から成るナノ材料から作製され得る。また、分離した伝導ナノ構造の各々は、ワイヤ、リボン、チューブ、および薄片のうちの少なくとも1つである伝導構造であり得る。
【0027】
連続伝導層は、所望の動作周波数において、表皮深度を上回らない均一伝導断面積を有し得る。ある実施形態では、表皮深度「δ」は、以下によって計算され得、
【0028】
【数3】
【0029】
式中、μ
0は、真空の透磁率であり、μ
rは、伝導媒体のナノ材料の比透磁率であり、ρは、伝導媒体のナノ材料の抵抗率であり、fは、所望の動作周波数である。
【0030】
所望の動作周波数は、空洞フィルタの所望の共振周波数、アンテナの所望の共振周波数、導波管のカットオフ周波数、同軸ケーブルの所望の動作周波数範囲、ならびに空洞フィルタおよびアンテナを含む統合された構造の組み合わせられた動作周波数範囲のうちの少なくとも1つに対応し得る。
【0031】
連続伝導層は、表皮深度50nm−4000nmを有する均一伝導断面積を有し得る。他の実施例では、連続伝導層は、表皮深度1000nm−3000nmを有する均一伝導断面積を有し得る。さらに別の実施例では、連続伝導層は、表皮深度1500nm−2500nmを有する均一伝導断面積を有し得る。
【0032】
誘電体表面は、サイズにおいて表皮深度を上回る凸凹がない表面平滑度を有し得る。ある実施形態では、誘電体表面は、以下によって計算される深度「δ」を上回らない深度を有する凸凹を伴う表面平滑度を有し得、
【0033】
【数4】
【0034】
式中、μ
0は、真空の透磁率であり、μ
rは、伝導媒体のナノ材料の比透磁率であり、ρは、伝導媒体のナノ材料の抵抗率であり、fは、所望の動作周波数である。
【0035】
RF伝導媒体はまた、連続伝導層を被覆する保護層を含む。保護層は、所望の動作周波数において、RFエネルギーに対して非伝導性かつ低吸収性である材料を含む。材料は、ポリマーコーティングおよび繊維ガラスコーティングのうちの少なくとも1つであり得る。
【0036】
誘電体表面は、空洞の所望の周波数応答特性に対応する内部幾何学形状を有する空洞の内側表面であり得る。別の実施形態では、分離したナノ構造の束は、第1の誘電体表面の外側表面および第2の誘電体表面の同心内側表面に適用され得る。第1の誘電体表面は、内側導体であり、第2の誘電体表面は、同軸ケーブルの外側導体である。また、分離した電気伝導ナノ構造の束は、誘電体構造に適用され得、誘電体構造の幾何学形状および分離した電気伝導ナノ構造の束の伝導特性は、アンテナの共振周波数応答および放射パターンを定義する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
前述は、同様の参照文字が異なる図を通して同一の部品を指す、付随の図面に図示されるように、本開示の例示的実施形態の以下のより具体的説明から明白となるであろう。図面は、必ずしも、正確な縮尺ではなく、代わりに、本開示の実施形態を図示する際、強調が置かれる。
【
図1】
図1は、本開示の例示的実施形態による、長方形導波管空洞の概略図である。
【
図2】
図2は、本開示の例示的実施形態による、無線周波数(RF)伝導媒体を含む、空洞共振器の概略図である。
【
図3】
図3は、本開示の例示的実施形態による、連続伝導層を形成する分離した伝導ナノ構造の束から成る、RF伝導媒体の概略図である。
【
図4A】
図4A−Bは、本開示の例示的実施形態による、構造誘電体の表面上に適用されたRF伝導媒体の断面図である。
【
図4B】
図4A−Bは、本開示の例示的実施形態による、構造誘電体の表面上に適用されたRF伝導媒体の断面図である。
【
図5】
図5は、本開示の例示的実施形態による、構造誘電体の上に適用された高度に構造化されたRF伝導媒体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本開示の例示的実施形態の説明が続く。
【0039】
現代の電気通信システムは、無線周波数(RF)波としてそれらを分類する電磁スペクトル内の波長の範囲を有する電磁波を操作する。RF波を利用するために、電気通信システムは、フィルタ、ミキサ、増幅器、およびアンテナ等のある不可欠なRFハードウェア構成要素を採用する。
【0040】
RFハードウェア構成要素は、RF伝導要素を介して、RF波と相互作用する。RF伝導要素は、概して、アルミニウム、銅、銀、および金等のRF伝導媒体から成る。しかしながら、従来のRF伝導媒体の構造は、RFエネルギーの伝導を妨害する有効電気抵抗に悩まされ、有効電気抵抗は、全RFハードウェア構成要素への望ましくない挿入損失の導入、および共振空洞フィルタのような特定のRFハードウェア構成要素のQ係数の低下。
【0041】
RFハードウェア構成要素を通したRFエネルギーの伝導の望ましくない損失の主な物理的機構は、表皮効果である。表皮効果は、印加されたRFエネルギーによって誘発される伝導媒体中の交互する電子流の結果である、導体中の逆起電力によって生じる。その名称が示唆するように、表皮効果は、「表皮深度」として定義される領域である、導体の表面において、電子流の大部分を流動させる。表皮効果は、多くの場合、その物理的断面のわずかな割合まで、導体の有効断面積を縮小させる。導体の有効表皮深度は、周波数依存性質であり、これは、波長に反比例する。これは、周波数が高いほど、表皮深度をより浅くし、その延長線として、有効RF伝導損失が大きくなることを意味する。
【0042】
本明細書に説明される技術は、RFハードウェア構成要素のRF伝導損失を低減させるための無線周波数(RF)伝導媒体(以下、「技術」)に関する。本技術によって生成されるRF伝導媒体は、導体中の逆起電力の形成を妨げることによって、RFデバイスのRF伝導損失を低減させる。
【0043】
文脈上、限定ではないが、本明細書の技術は、RF空洞共振器に照らして説明される。しかしながら、本技術は、RF波と相互作用するように構成されるRF伝導媒体を要求する任意のRF構成要素に適用されることができることに留意されたい。例えば、RF構成要素は、アンテナ、導波管、同軸ケーブル、ならびに、空洞フィルタおよびアンテナを含む統合された構造であることができる。
【0044】
図1は、長方形無線周波数(RF)導波管空洞フィルタ101の概略図である。RF空洞フィルタ101は、ほとんどのRF空洞共振器のように、典型的には、無線周波数電磁場を壁110a−nによって画定される空洞100内に閉じ込める、「閉鎖金属構造」として定義される。空洞フィルタ101は、特定の周波数応答を伴う、低損失共振回路として作用し、分離した誘導(L)構成要素と容量(C)構成要素とから成る古典的共振回路に類似する。しかしながら、従来のLC回路と異なり、空洞フィルタ101は、フィルタの設計波長(すなわち、空洞フィルタ101の物理的内部幾何学形状)において、超低エネルギー損失を呈する。これは、空洞フィルタ101のQ係数が、LC「タンク」回路等の分離構成要素共振器のものを数百倍上回ることを意味する。
【0045】
任意の共振回路または構造(例えば、空洞フィルタ101)のQ係数は、共振回路または構造がそこに印加されるエネルギーを減衰させる程度を評価する。したがって、Q係数は、共振回路または構造内に貯蔵されたエネルギーと、振動サイクルあたりの共振回路または構造内で消散されるエネルギーの比率として表され得る。サイクルあたり消散されるエネルギーが少ないほど、Q係数は高くなる。例えば、Q係数「Q」は、以下によって定義されることができる。
【0047】
(式1)
式中、f
rは、回路または構造の共振周波数である。
【0048】
空洞フィルタ101のQ係数は、(a)空洞フィルタ101の誘電体媒体115中の
電力損失と、(b)空洞フィルタ101の壁110a−nでの電力損失の2つの要因によって影響を受ける。空洞フィルタ101等の空洞共振器ベースのフィルタの実践用途では、誘電体媒体115は、多くの場合、空気である。空気によって誘発される損失は、一般に、モバイルブロードバンド通信のために使用される、より低いマイクロ波スペクトル内の周波数では、微小であると見なされ得る。したがって、空洞フィルタ101の壁110a−nでの導体損失は、空洞フィルタ101のより低い有効Q係数およびより高い挿入損失に最も寄与する。
【0049】
例えば、空洞フィルタ101のQ係数「Q」は、以下によって定義されることができる。
【0051】
(式2)
式中、Q
cは、空洞壁のQ係数であり、Q
dは、誘電体媒体のQ係数である。
【0052】
前述のように、誘電体媒体(例えば、空気)115のRF伝導損失は、より低いマイクロ波スペクトルにおけるRFエネルギーが、空気および他の共通空洞誘電体とほとんど相互作用しないため、無視可能である。したがって、空洞フィルタ101の壁110a−nのRF伝導率「Q
c」は、空洞フィルタ101の品質係数(quality factor)「Q」に最も寄与する。壁110a−nのRF伝導率「Q
c」の品質係数寄与度は、以下によって定義されることができる。
【0054】
(式3)
式中、k=波数であり、n=誘電体インピーダンスであり、R
s=空洞壁110a−nの表面抵抗率であり、a/b/dは、空洞フィルタ101の物理的寸法である。したがって、空洞壁110a−nの表面抵抗率「R
s」の値の増加は、Q
cの値を低下させ、それによって、空洞フィルタ101のQ係数を低減させる。
【0055】
空洞フィルタ101および他のRFデバイスのQ係数を増加させるために、本発明の実施形態は、空洞フィルタ101等のRFデバイスのRF伝導要素の表面抵抗率「R
s」を低減させる、RF伝導媒体を提供する。
【0056】
図2は、無線周波数(RF)伝導媒体205を含む、無線周波数(RF)空洞共振器200の概略図である。空洞共振器200は、構造誘電体210を含む。構造誘電体210は、空洞216を画定する。空洞216は、空洞共振器200の所望の周波数応答特性に対応する内部幾何学形状を有する。特に、内部幾何学形状は、所望の無線周波数を増強させ、望ましくない無線周波数を減衰させる。
【0057】
構造誘電体210は、低比誘電率を伴う材料から成る。また、構造誘電体210の材料は、高共形性の潜在性を有する。例えば、構造誘電体210の材料は、構造誘電体210が複雑かつ平滑に遷移する幾何学形状に適合することを可能にする。構造誘電体210の材料はまた、熱応力下、高寸法安定性を有する。例えば、材料は、構造誘電体210が、空洞共振器が典型的動作環境において経験し得る熱応力下、変形することを防止する。別の実施形態では、構造誘電体210の材料は、機械応力下において高寸法安定性を有し、材料は、構造誘電体210が典型的動作用途において被る機械応力において、凹む、撓む、または別様に機械的に変形することを防止する。
【0058】
加えて、構造誘電体210は、高表面平滑度を伴う内部表面211を有する。特に、内部表面211は、実質的に、表面凸凹がない。ある実施形態では、誘電体表面211は、無線周波数(RF)空洞共振器200の所望の動作周波数において、深度「δ」を上回らない深度を有する凸凹を伴う表面平滑度であり得る。
【0059】
空洞共振器200はまた、RF入力ポート230aおよびRF出力ポート230bを含む。ある実施例では、RF入力ポート230aおよびRF出力ポート230bは、SubMiniatureバージョンA(SMA)コネクタであることができる。RF入力ポート230aおよびRF出力ポート230bは、銅、金、ニッケル、および銀等のRF伝導材料から作製されることができる。
【0060】
RF入力ポート230aは、連結ループ235aに電気的に連結される。RF入力ポート230aは、振動RF電磁信号を同軸ケーブル(図示せず)等のRF伝送媒体から受信する。振動RF電磁信号の受信に応答して、RF入力ポート230aは、連結ループ235aを介して、受信されたRF電磁信号に対応する振動電場および磁場(すなわち、RF電磁波)を放射する。
【0061】
本明細書に記載のように、空洞216は、空洞共振器200の所望の周波数応答特性に対応する内部幾何学形状を有する。特に、内部幾何学形状は、空洞共振器200の所望の周波数応答特性に対応する無線周波数の範囲を増強させ、望ましくない無線周波数を減衰させる。加えて、空洞共振器200はまた、共振器要素220を含む。共振器要素220は、本実施例では、構造誘電体210によって形成される。しかしながら、共振器要素220は、空洞共振器200内の別個かつ異なる構造であることができることに留意されたい。共振器要素220は、所望の無線周波数をさらに増強させ、望ましくない無線周波数を減衰させる共振寸法および全体的構造幾何学形状を有する。
【0062】
受信されたRF電磁信号に対応する電磁波は、空洞216内で共振モードまたは複数のモードを誘発する。そうすることによって、電磁波は、RF伝導媒体205と相互作用する。特に、電磁波は、RF伝導媒体205内で交流電流(AC)を誘発する。本明細書に説明されるように、本開示の実施形態は、RF伝導媒体205に、低有効表面伝導抵抗率「R
s」をもたらす構造および組成を有するRF伝導媒体205を提供する。低表面伝導抵抗率「R
s」は、RF伝導媒体205が、高効率レベルで空洞216内の共振モードを支持し、それによって、空洞共振器200の品質係数「Q」を増加させることを可能にする。
【0063】
増強された着目周波数は、連結ループ235b内にAC信号を誘発する。AC信号は、空洞共振器200から、RF出力230bを介して出力される。RF出力230bは、伝送媒体(図示せず)に電気的に連結され、AC信号をアンテナまたは受信機等のRFハードウェア構成要素に通す。
【0064】
RF伝導媒体205はまた、RF伝導媒体を被覆する保護層(例えば、
図4の層306)を含むことができる。保護層は、空洞共振器200の所望の動作周波数において、RFエネルギーに対して非伝導性かつ低吸収性である材料から成ることができる。材料は、ポリマーコーティングおよび繊維ガラスコーティングのうちの少なくとも1つであり得る。
【0065】
図3は、本開示の例示的実施形態による、連続伝導層340を形成する分離した伝導ナノ構造の束から成るRF伝導媒体305の概略図である。
【0066】
RF伝導媒体305は、分離した電気伝導ナノ構造の束を含む。ナノ構造の各々は、炭素、銀、銅、アルミニウム、および金のうちの少なくとも1つである元素から成るナノ材料から作製され得る。また、分離した伝導ナノ構造の各々は、ワイヤ、リボン、チューブ、および薄片のうちの少なくとも1つである伝導構造であり得る。ナノ材料は、マクロスケールにおける材料の溶融温度のわずかな割合の焼結温度を有し得る。例えば、銀(Ag)は、961℃で溶融する一方、ナノ銀(Ag)は、300℃をはるかに下回って焼結し得る。
【0067】
加えて、RF伝導媒体305は、分離した電気伝導ナノ構造の束が構造誘電体310の表面345に適用されることを可能にする結合剤(図示せず)を含む。分離した電気伝導ナノ構造の束は、熱源による焼結に応答して、連続伝導層340を形成する。分離した電気伝導ナノ構造の各々のサイズは、連続伝導層340が、空洞共振器200の所望の動作周波数において、表皮深度「δ」を上回らない均一伝導断面積を有するように選定され得る。連続伝導層340は、均一格子構造および均一伝導断面積を有する。熱源は、分離した電気伝導ナノ構造の束の各分離した伝導ナノ構造のナノ材料の原子構造および厚さに基づいて、熱の刺激を印加し得る。例えば、熱源によって印加される熱の温度および熱が印加される時間の長さは、分離した電気伝導ナノ構造の束の各分離した伝導ナノ構造のナノ材料の原子構造および厚さの関数である。当技術分野において公知または未だ公知ではない任意の熱源が、使用され得る。
【0068】
前述のように、RF電磁波は、RF伝導媒体305内に交流電流(AC)を誘発する。ACの場合、AC抵抗に及ぼす構造の断面積の影響は、直流電流(DC)抵抗に対するものと根本的に異なる。例えば、直流電流は、導体の体積全体を通して伝搬し得る。交流電流(RF電磁波によって産生されるもの等)は、伝導媒体の表面に非常に近い限られた面積内のみを伝搬する。導体の表面近傍を伝搬する交流電流のこの傾向は、「表皮効果」として知られる。空洞共振器200等のRFデバイスでは、表皮効果は、使用可能伝導断面積を空洞の内側構造の表面における非常に薄い層まで減少させる。したがって、表皮効果は、空洞のQ係数を低減させる、共振空洞内のRF伝導損失の少なくとも1つの有意な機構である。
【0069】
したがって、連続伝導層340は、空洞共振器(例えば、
図2の空洞共振器200)の所望の動作周波数において、表皮深度「δ」を上回らない均一伝導断面積を有し得る。ある実施形態では、表皮深度「δ」は、以下によって計算され得、
【0071】
(式4)
式中、μ
0は、真空の透磁率であり、μ
rは、ナノ構造のナノ材料の比透磁率であり、pは、ナノ構造のナノ材料の抵抗率であり、fは、所望の動作周波数である。以下の表1は、一組の無線周波数に対する式4の例示的適用を図示する。しかしながら、表皮深度「δ」を決定する任意の他の公知または未だ公知ではない方法も、式4の代わりに、使用されることができることに留意されたい。
【0073】
ある実施形態では、連続伝導層340は、表皮深度50nm−4000nmを有する均一伝導断面積を有し得る。別の実施形態では、連続伝導層340は、表皮深度1000nm−3000nmを有する均一伝導断面積を有し得る。さらに別の実施例では、連続伝導層340は、表皮深度1500nm−2500nmを有する均一伝導断面積を有し得る。
【0074】
図4Aは、構造誘電体410の表面445上に適用されたRF伝導媒体405の断面図である。特に、断面図は、軸475(すなわち、図を左右に走る)が、横方向電磁軸480(すなわち、図中に走る軸)と垂直な軸であるような配向にある。RF伝導媒体405は、多様な伝導媒体470を含む。多様な伝導媒体470は、横方向電磁軸480に複数の連続伝導経路(例えば、
図4Bの連続伝導経路490a−n)を形成する。
【0075】
多様なRF伝導媒体470の各媒体は、銀、銅、アルミニウム、炭素、および黒鉛のうちの少なくとも1つである元素から成るナノ材料から作製される。元素が、銀、銅、およびアルミニウムのうちの少なくとも1つである実施例では、多様な伝導媒体の各媒体470は、ワイヤ、リボン、チューブ、および薄片のうちの少なくとも1つである構造を有する。元素が、炭素および黒鉛のうちの少なくとも1つである実施例では、多様な伝導媒体470内の各伝導媒体は、単層炭素ナノチューブ(SWCNT)、多層ナノチューブ(MWCNT)、および黒鉛のうちの少なくとも1つである。
【0076】
また、複数の連続伝導経路490a−nの各々は、例えば、空洞共振器(例えば、
図2の空洞共振器200)の所望の動作周波数において、表皮深度を上回らない伝導断面積を有し得る。ある実施形態では、表皮深度「δ」は、式4に従って計算され得る。
【0077】
ある実施形態では、複数の連続伝導経路の各々は、表皮深度50nm−4000nmを有する均一伝導断面積を有し得る。他の実施例では、複数の連続伝導経路の各々は、表皮深度1000nm−3000nmを有する均一伝導断面積を有し得る。さらに別の実施例では、複数の連続伝導経路の各々は、表皮深度1500nm−2500nmを有する均一伝導断面積を有し得る。
【0078】
所望の動作周波数「f」はまた、アンテナの所望の共振周波数、導波管のカットオフ周波数、同軸ケーブルの所望の動作周波数範囲、ならびに空洞フィルタおよびアンテナを含む統合された構造の組み合わせられた動作周波数範囲のうちの少なくとも1つに対応し得ることに留意されたい。
【0079】
サスペンション誘電体(suspension dielectric)460は、横方向電磁軸における複数の伝導経路490a−nの各々を周期的に包囲する。特に、サスペンション誘電体460は、複数の伝導経路490a−nの各々が、軸475(すなわち、横方向電磁軸480と垂直な軸)においてRFエネルギーを伝搬することを周期的に遮断する。サスペンション誘電体460はまた、複数の伝導経路490a−nの各々に機械的支持を提供するように構成されることができる。
【0080】
多様なRF伝導媒体470の各媒体が、銀、銅、およびアルミニウムのうちの少なくとも1つである元素から成るナノ材料から作製される例示的実施形態では、サスペンション誘電体460は、所望の動作周波数において、RFエネルギーとほとんど相互作用しない、構造的に堅く、かつ熱的に安定な材料から成る。
【0081】
多様なRF伝導媒体470の各媒体が、炭素および黒鉛のうちの少なくとも1つである元素から成るナノ材料から作製される別の例示的実施形態では、サスペンション誘電体460は、空気である。そのような場合、サスペンション誘電体460は、例えば、単層炭素ナノチューブ(SWCNT)、多層ナノチューブ(MWCNT)、および黒鉛が、横方向電磁軸480において本質的に伝導性であり、軸475においてほとんど伝導しない材料であるため、空気から成ることができる。
【0082】
本実施例では、RF伝導媒体405は、RF透明保護層450を含む。RF透明保護層450は、複数の連続伝導経路490a−nを被覆する。保護層405は、例えば、空洞共振器(例えば、
図2の空洞共振器200)の所望の動作周波数において、RFエネルギーに対して非伝導性かつ低吸収性である材料を含む。例示的実施形態では、材料は、ポリマーコーティングおよび繊維ガラスコーティングのうちの少なくとも1つであることができる。本実施例では、RF伝導媒体405は、RF透明保護層450を含むが、RF伝導媒体405の他の例示的実施形態は、RF透明保護層450を含まないこともある。
【0083】
RF伝導媒体405はまた、結合剤(図示せず)を含み得る。結合剤は、RF伝導媒体405を構造誘電体410の表面445に結合するように構成される。加えて、RF伝導媒体405はまた、溶媒(図示せず)を含み得る。溶媒は、表面445上へのRF伝導媒体405の適用の間、RF伝導媒体405を粘性状態に維持するように構成される。溶媒はさらに、熱源による刺激に応答して蒸発するように構成される。熱源は、ある実施例では、RF伝導媒体405を包囲する空気の周囲温度であることができる。
【0084】
図4Bは、構造誘電体410の表面445上に適用されたRF伝導媒体405の断面図である。特に、断面図は、軸475(すなわち、図上を上下に走る)が、横方向電磁軸480(すなわち、図上を左右に走る軸)に垂直な軸であるような配向にある。図示されるように、複数の連続伝導経路490a−nは、RF電磁波が、経路490a−nの各々に沿って、主に、横方向電磁軸480にのみ進行する交流電流を誘発するように、横方向電磁軸480に配向される。
【0085】
交流電流が、経路490a−nの各々に沿って、主に、横方向電磁軸480にのみ進行するために、サスペンション誘電体460は、複数の伝導経路490a−nの各々を周期的に包囲する。特に、サスペンション誘電体は、軸475において、複数の伝導経路490a−nの各々がRFエネルギー(例えば、交流電流)を伝搬することを周期的に遮断する。ある点、例えば、点495において、サスペンション誘電体460は、RFエネルギーが、ある経路(例えば、経路409b)から別の経路(例えば、経路490n)に通過するための手段を提供する。
【0086】
連続伝導経路490a−nの各々が、前述のように、RFデバイス(例えば、
図2の空洞共振器200)の所望の動作周波数において、表皮深度「δ」を上回らない伝導断面積を有する実施形態では、サスペンション誘電体460によって提供される周期的RF遮断は、RF伝導媒体405が、RF伝導のための増加した断面積を有することを可能にし、その成分要素(例えば、経路490a−n)は、表皮効果損失を被らない。
【0087】
図5は、RFデバイス(例えば、
図2の空洞共振器200)の構造誘電体510の表面545に適用された、RF透明保護層550(例えば、
図4A−Bの保護層450)を含むRF伝導媒体505の断面図である。特に、断面図は、軸575(すなわち、図上を左右に走る)が、横方向電磁軸580(すなわち、図上を上下に走る軸)と垂直な軸であるような配向にある。RF伝導媒体505は、RF電磁波が、経路590a−nの各々に沿って、主に、横方向電磁軸580にのみ進行する交流電流を誘発するように、横方向電磁軸580に配向される複数の連続伝導経路590を含む。
【0088】
多様な伝導媒体は、構造化され、複数の連続伝導経路590の構造化された配列を形成するように周期的に配列される。複数の連続伝導経路の590の各々は、誘電体媒体560(例えば、
図4A−Bのサスペンション誘電体460)によって近隣連続伝導経路から周期的に遮断される。誘電体媒体560は、軸575において、複数の伝導経路590の各々がRFエネルギー(例えば、交流電流)を伝搬することを周期的に遮断する。ある点において、RF短絡595は、RFエネルギーが、ある経路から別の経路に通過するための手段を提供する。複数の連続伝導経路590の各々を横断する、単一RF短絡595が、図示されるが、他の実施形態は、複数の連続伝導経路のそれぞれ間に周期的に交互されたRF短絡を有することができることに留意されたい。
【0089】
連続伝導経路590がそれぞれ、前述のように、RFデバイス(例えば、
図2の空洞共振器200)の所望の動作周波数において、表皮深度「δ」を上回らない伝導断面積を有する実施形態では、誘電体媒体560によって提供される周期的RF遮断は、RF伝導媒体505が、RF伝導のための増加した断面積を有することを可能にし、その成分要素(例えば、経路590)は、表皮効果損失を被らない。
【0090】
本明細書に引用される全特許、公開出願、および参考文献の教示は、参照することによってその全体として組み込まれる。
【0091】
本開示は、特に、その例示的実施形態を参照して図示および説明されたが、添付の請求項によって包含される本開示の範囲から逸脱することなく、形態および詳細における種々の変更が行われてもよいことは、当業者によって理解されるであろう。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
無線周波数(RF)伝導媒体であって、前記媒体は、
横方向電磁軸に複数の連続伝導経路を形成する多様な伝導媒体と、
前記横方向電磁軸における前記複数の連続伝導経路の各々を周期的に包囲するサスペンション誘電体であって、前記サスペンション誘電体は、前記横方向電磁軸と垂直な軸において、前記複数の伝導経路の各々がRFエネルギーを伝搬することを周期的に遮断するように構成され、前記サスペンション誘電体は、前記複数の連続伝導経路の各々のために機械的支持を提供するようにさらに構成されている、サスペンション誘電体と
を備えている、媒体。
(項目2)
誘電体表面上への前記RF伝導媒体の適用の間、前記RF伝導媒体を粘性状態に維持するように構成されている溶媒をさらに備え、前記溶媒は、熱源による刺激に応答して、蒸発するようにさらに構成されている、項目1に記載のRF伝導媒体。
(項目3)
前記多様な伝導媒体の各媒体は、銀、銅、アルミニウム、および金のうちの少なくとも1つである元素から成るナノ材料から作製される、項目1に記載のRF伝導媒体。
(項目4)
前記多様な伝導媒体の各媒体は、ワイヤ、リボン、チューブ、および薄片のうちの少なくとも1つである構造を有する、項目1に記載のRF伝導媒体。
(項目5)
前記複数の連続伝導経路の各々は、所望の動作周波数において、表皮深度を上回らない伝導断面積を有する、項目1に記載のRF伝導媒体。
(項目6)
表皮深度「δ」は、以下によって計算され、
【数9】
式中、μ
0は、真空の透磁率であり、μ
rは、前記伝導媒体のナノ材料の比透磁率であり、ρは、前記伝導媒体のナノ材料の抵抗率であり、fは、前記所望の動作周波数である、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記所望の動作周波数は、空洞フィルタの所望の共振周波数、アンテナの所望の共振周波数、導波管のカットオフ周波数、同軸ケーブルの所望の動作周波数範囲、ならびに空洞フィルタおよびアンテナを含む統合された構造の組み合わせられた動作周波数範囲のうちの少なくとも1つに対応する、項目5に記載のRF伝導媒体。
(項目8)
前記複数の連続伝導経路の各々は、表皮深度50nm−4000nmを有する均一伝導断面積を有する、項目1に記載のRF伝導媒体。
(項目9)
前記複数の連続伝導経路の各々は、表皮深度1000nm−3000nmを有する均一伝導断面積を有する、項目1に記載のRF伝導媒体。
(項目10)
前記複数の連続伝導経路の各々は、表皮深度1500nm−2500nmを有する均一伝導断面積を有する、項目1に記載のRF伝導媒体。
(項目11)
前記複数の連続伝導経路を被覆する保護層をさらに備え、前記保護層は、所望の動作周波数において、RFエネルギーに対して非伝導性かつ低吸収性である材料を含む、項目1に記載のRF伝導媒体。
(項目12)
前記材料は、ポリマーコーティングおよび繊維ガラスコーティングのうちの少なくとも1つである、項目11に記載のRF伝導媒体。
(項目13)
無線周波数(RF)伝導媒体であって、前記媒体は、
複数の連続伝導経路を形成する多様な伝導媒体であって、前記伝導媒体の各媒体は、横方向電磁軸において伝導性であり、前記横方向電磁軸と垂直な軸においてほとんど伝導しない材料である、伝導媒体と、
前記多様な伝導媒体を包囲するRF不活性材料の層であって、前記RF不活性材料は、所望の動作周波数において、RFエネルギーに対して非伝導性かつ低吸収性であり、前記RF不活性材料の層は、前記多様な伝導媒体を誘電体表面上に固定するように構成されている、RF不活性材料の層と
を備えている、媒体。
(項目14)
前記RF伝導媒体を前記表面に結合するための結合剤をさらに備えている、項目13に記載のRF伝導媒体。
(項目15)
前記誘電体表面上への前記RF伝導媒体の適用の間、前記RF伝導媒体を粘性状態に維持するように構成されている溶媒をさらに備え、前記溶媒は、熱源による刺激に応答して蒸発するようにさらに構成されている、項目13に記載のRF伝導媒体。
(項目16)
前記多様な伝導媒体の各媒体は、炭素および黒鉛のうちの少なくとも1つであるナノ材料から作製される、項目13に記載のRF伝導媒体。
(項目17)
前記多様な伝導媒体内の各伝導媒体は、単層炭素ナノチューブ(SWCNT)、多層ナノチューブ(MWCNT)、および黒鉛のうちの少なくとも1つである、項目13に記載のRF伝導媒体。
(項目18)
前記複数の連続伝導経路の各々は、所望の動作周波数において、表皮深度を上回らない伝導断面積を有する、項目13に記載のRF伝導媒体。
(項目19)
表皮深度「δ」は、以下によって計算され、
【数10】
式中、μ
0は、真空の透磁率であり、μ
rは、前記伝導媒体のナノ材料の比透磁率であり、ρは、前記伝導媒体のナノ材料の抵抗率であり、fは、前記所望の動作周波数である、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記所望の動作周波数は、空洞フィルタの所望の共振周波数、アンテナの所望の共振周波数、導波管のカットオフ周波数、同軸ケーブルの所望の動作周波数範囲、ならびに空洞フィルタおよびアンテナを含む統合された構造の組み合わせられた動作周波数範囲のうちの少なくとも1つに対応する、項目18に記載のRF伝導媒体。
(項目21)
前記複数の連続伝導経路の各々は、表皮深度50nm−4000nmを有する均一伝導断面積を有する、項目1に記載のRF伝導媒体。
(項目22)
前記複数の連続伝導経路の各々は、表皮深度1000nm−3000nmを有する均一伝導断面積を有する、項目1に記載のRF伝導媒体。
(項目23)
前記複数の連続伝導経路の各々は、表皮深度1500nm−2500nmを有する均一伝導断面積を有する、項目1に記載のRF伝導媒体。
(項目24)
無線周波数(RF)伝導媒体であって、前記媒体は、
分離した電気伝導ナノ構造の束と、
前記分離した電気伝導ナノ構造の束が誘電体表面に適用されることを可能にする結合剤であって、前記分離した電気伝導ナノ構造の束は、熱源による焼結に応答して、均一格子構造および均一伝導断面積を有する連続伝導層を形成する、結合剤と
を備えている、媒体。
(項目25)
前記ナノ構造は、炭素、銀、銅、アルミニウム、および金のうちの少なくとも1つである元素から成るナノ材料から作製される、項目24に記載のRF伝導媒体。
(項目26)
前記分離した電気伝導ナノ構造の束は、ワイヤ、リボン、チューブ、および薄片のうちの少なくとも1つである伝導構造を含む、項目24に記載のRF伝導媒体。
(項目27)
前記連続伝導層は、所望の動作周波数において、表皮深度を上回らない均一伝導断面積を有する、項目24に記載のRF伝導媒体。
(項目28)
前記表皮深度は、以下の式によって計算され、
【数11】
式中、μ
0は、真空の透磁率であり、μ
rは、前記ナノ構造のナノ材料の比透磁率であり、ρは、前記ナノ構造のナノ材料の抵抗率であり、fは、所望の動作周波数である、項目27に記載のRF伝導媒体。
(項目29)
前記所望の動作周波数は、空洞フィルタの所望の共振周波数、アンテナの所望の共振周波数、導波管のカットオフ周波数、同軸ケーブルの所望の動作周波数範囲、ならびに空洞フィルタおよびアンテナを含む統合された構造の組み合わせられた動作周波数範囲のうちの少なくとも1つに対応する、項目27に記載のRF伝導媒体。
(項目30)
前記連続伝導層は、表皮深度50nm−4000nmを有する均一伝導断面積を有する、項目27に記載のRF伝導媒体。
(項目31)
前記連続伝導層は、表皮深度1000nm−3000nmを有する均一伝導断面積を有する、項目24に記載のRF伝導媒体。
(項目32)
前記連続伝導層は、表皮深度1500nm−2500nmを有する均一伝導断面積を有する、項目24に記載のRF伝導媒体。
(項目33)
前記誘電体表面は、サイズにおいて表皮深度を上回る凸凹がない表面平滑度を有する、項目24に記載のRF伝導媒体。
(項目34)
前記誘電体表面は、以下の式に基づく深度を上回らない深度を有する凸凹を伴う表面平滑度を有し、
【数12】
式中、μ
0は、真空の透磁率であり、μ
rは、前記ナノ構造のナノ材料の比透磁率であり、ρは、前記ナノ構造のナノ材料の抵抗率であり、fは、所望の動作周波数である、項目24に記載のRF伝導媒体。
(項目35)
前記熱源は、前記分離した伝導ナノ構造の束の各分離した伝導ナノ構造のナノ材料の原子構造および厚さに基づいて、熱の刺激を印加する、項目24に記載のRF伝導媒体。
(項目36)
前記連続伝導層を被覆する保護層をさらに備え、前記保護層は、所望の動作周波数において、RFエネルギーに対して非伝導性かつ低吸収性である材料を含む、項目24に記載のRF伝導媒体。
(項目37)
前記材料は、ポリマーコーティングおよび繊維ガラスコーティングのうちの少なくとも1つである、項目36に記載のRF伝導媒体。
(項目38)
前記誘電体表面は、前記空洞の所望の周波数応答特性に対応する内部幾何学形状を有する空洞の内側表面である、項目24に記載のRF伝導媒体。
(項目39)
前記分離したナノ構造の束は、第1の誘電体表面の外側表面および第2の誘電体表面の同心内側表面に適用され、前記第1の誘電体表面は、内側導体であり、前記第2の誘電体表面は、同軸ケーブルの外側導体である、項目24に記載のRF伝導媒体。
(項目40)
前記分離した電気伝導ナノ構造の束は、誘電体構造に適用され、前記誘電体構造の幾何学形状および前記分離した電気伝導ナノ構造の束の伝導特性は、アンテナの共振周波数応答および放射パターンを定義する、項目24に記載のRF伝導媒体。