特許第6674986号(P6674986)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャンハイ マイクロ エレクトロニクス イクイプメント カンパニー リミティドの特許一覧

特許6674986真空蒸着装置およびその蒸発ヘッド、真空蒸着方法
<>
  • 特許6674986-真空蒸着装置およびその蒸発ヘッド、真空蒸着方法 図000004
  • 特許6674986-真空蒸着装置およびその蒸発ヘッド、真空蒸着方法 図000005
  • 特許6674986-真空蒸着装置およびその蒸発ヘッド、真空蒸着方法 図000006
  • 特許6674986-真空蒸着装置およびその蒸発ヘッド、真空蒸着方法 図000007
  • 特許6674986-真空蒸着装置およびその蒸発ヘッド、真空蒸着方法 図000008
  • 特許6674986-真空蒸着装置およびその蒸発ヘッド、真空蒸着方法 図000009
  • 特許6674986-真空蒸着装置およびその蒸発ヘッド、真空蒸着方法 図000010
  • 特許6674986-真空蒸着装置およびその蒸発ヘッド、真空蒸着方法 図000011
  • 特許6674986-真空蒸着装置およびその蒸発ヘッド、真空蒸着方法 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6674986
(24)【登録日】2020年3月11日
(45)【発行日】2020年4月1日
(54)【発明の名称】真空蒸着装置およびその蒸発ヘッド、真空蒸着方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/24 20060101AFI20200323BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20200323BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20200323BHJP
【FI】
   C23C14/24 A
   C23C14/24 G
   H05B33/14 A
   H05B33/10
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-169404(P2018-169404)
(22)【出願日】2018年9月11日
(65)【公開番号】特開2019-99909(P2019-99909A)
(43)【公開日】2019年6月24日
【審査請求日】2018年9月11日
(31)【優先権主張番号】201711244921.2
(32)【優先日】2017年11月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】309012351
【氏名又は名称】シャンハイ マイクロ エレクトロニクス イクイプメント(グループ)カンパニー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】陳勇輝
(72)【発明者】
【氏名】▲ハオ▼征
(72)【発明者】
【氏名】李志丹
(72)【発明者】
【氏名】張俊
【審査官】 末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−005478(JP,A)
【文献】 特開2010−073743(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00−14/58
H01L 51/50−51/56
H01L 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸発ヘッドチャンバを有する蒸発ヘッドであって、
噴射方向が異なり、かつ噴射方向が互いに交差しない複数のノズルをさらに有し、
前記複数のノズルは、いずれも前記蒸発ヘッドチャンバに連通さ
前記蒸発ヘッドチャンバ内には、蒸着材料の噴射強度を強めるための増圧機構がさらに設けられる、
ことを特徴とする蒸発ヘッド。
【請求項2】
前記ノズルの数は、二つであり、
二つの前記ノズルの噴射方向は、逆である、ことを特徴とする請求項1に記載の蒸発ヘッド。
【請求項3】
前記蒸発ヘッドチャンバは、長方形、正方形、柱状構造、楕円状構造または球状構造であり、
前記ノズルは、複数の遮蔽板により囲まれた両端が開口した構造であり、
前記ノズルの一端は、前記蒸発ヘッドチャンバに固定され、
前記ノズルの他端は、前記蒸発ヘッドチャンバから離れる方向に向いており、前記蒸発ヘッドチャンバ上に設けられた貫通孔により前記複数のノズルをいずれも前記蒸発ヘッドチャンバに連通させる、ことを特徴とする請求項1に記載の蒸発ヘッド。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の蒸発ヘッドを有する、ことを特徴とする真空蒸着装置。
【請求項5】
固体蒸着材料を気体蒸着材料に変えるための蒸発源と、
気体蒸着材料を蒸着が必要な基板に蒸着する環境を提供するための蒸着室と、
前記蒸発源および前記蒸発ヘッドに接続され、前記蒸発ヘッドへ気体蒸着材料を搬送するための搬送管と、をさらに有する、ことを特徴とする請求項に記載の真空蒸着装置。
【請求項6】
蒸発ヘッドを固定するためのものであり、かつ前記蒸発ヘッドの移動を駆動できる蒸発ヘッド固定機構と、
マスクを固定するためのものであり、かつ前記マスクの移動を駆動できるマスク固定機構と、
蒸着が必要な基板を固定するためのものであり、かつ前記蒸着が必要な基板の移動を駆動できる基板固定機構と、をさらに有する、ことを特徴とする請求項に記載の真空蒸着装置。
【請求項7】
前記各ノズルの噴射方向にはマスク固定機構および基板固定機構が対応して設けられる、ことを特徴とする請求項に記載の真空蒸着装置。
【請求項8】
前記マスク、蒸着が必要な基板、蒸発ヘッドは、互いに平行に設けられる、ことを特徴とする請求項に記載の真空蒸着装置。
【請求項9】
前記マスクと蒸着が必要な基板は、いずれも水平面に垂直であり、または水平面に平行である、ことを特徴とする請求項に記載の真空蒸着装置。
【請求項10】
前記ノズルの噴射方向と対応し設けられたマスクとの間の挟角は45〜90度の間である、ことを特徴とする請求項に記載の真空蒸着装置。
【請求項11】
前記マスクおよび蒸着が必要な基板は、いずれも長方形であり、
前記マスクの長辺の辺長さは、蒸着が必要な基板の長辺の辺長さと同じであり、かつ前記マスクの短辺の辺長さは、蒸着が必要な基板の短辺の辺長さの1/nであり、または、前記マスクの長辺の辺長さは、蒸着が必要な基板の長辺の辺長さの1/nであり、かつ前記マスクの短辺の辺長さは、蒸着が必要な基板の短辺の辺長さと同じであり、
ここで、nは、1より大きい整数である、ことを特徴とする請求項6から10のいずれか1項に記載の真空蒸着装置。
【請求項12】
前記蒸発ヘッドから蒸着が必要な基板までの距離の数値と蒸着が必要な基板の面積の数値との比は、4〜6の間である、ことを特徴とする請求項6から10のいずれか1項に記載の真空蒸着装置。
【請求項13】
蒸着室は、真空状態に維持され、
蒸発源は、固体蒸着材料を気体蒸着材料に変え、
搬送管は、気体蒸着材料を請求項1からのいずれか1項に記載の蒸発ヘッドへ搬送し、かつ蒸発ヘッド上の複数のノズルを経由して複数の蒸着が必要な基板に蒸着材料を噴射することを含む、ことを特徴とする真空蒸着方法。
【請求項14】
蒸発ヘッド、マスクおよび蒸着が必要な基板の三者の間は、相対運動し、同時に、気体蒸着材料は、前記蒸発ヘッドへ搬送され、かつ前記蒸発ヘッドの複数のノズルを経由して複数のマスクへ噴射されて複数の蒸着が必要な基板にスキャン蒸着を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の真空蒸着方法。
【請求項15】
前記ノズルの噴射方向と対応して設けられたマスクとの間の挟角は45〜90度の間である、ことを特徴とする請求項1に記載の真空蒸着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空蒸着分野に関し、特に真空蒸着装置およびその蒸発ヘッド、真空蒸着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Display、以下OLEDという)に採用されるのは、有機薄膜による自己光源表示パネル技術であり、自発光、高刷新速度、低エネルギー消費、高コントラスト、良好な低温特性、および巻き付け応用などの優れた点を有し、非常に展望がある表示技術であり、「夢の表示装置」と呼ばれる。OLED業界の発展に伴い、大サイズ、高解像度、高安定性、長期寿命、および低コストなど、OLEDに対する要求もますます高くなっている。
【0003】
蒸着は、OLED製造工程の重要な構成部分であり、それは、メタルマスク(FMM、マスクともいう)の精密な開孔を介して、有機発光材料を基板(例えばガラス基板)へ蒸着させるものである。表示パネルの応用において、消費者は、解像度にますます注目している。特にバーチャルリアリティー技術(Virtual Reality、VRという)の登場により、解像度に対するより過酷な要求が増し、メタルマスクは、高解像度という難題を解決しなければならなくなった。
【0004】
また、発明者は、研究により、OLEDが大サイズに向けて発展するに伴い、既存の真空蒸着装置を採用すると、大サイズのマスクを適応させて配置しなければならず、さらに高い張設精度および蒸着アライメント性が必要になり、同時にマスクが大きすぎることによる変形という課題を避けなければならないことを発見した。
【0005】
また、発明者はさらに、既存の真空蒸着装置は、蒸着室内における一回の蒸着で、一枚の蒸着が必要な基板の蒸着だけが実現でき、生産能力が低いことも発見した。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、蒸着室において蒸着が必要な複数枚の基板の蒸着を同時に実現できることで生産能力を向上させる真空蒸着装置およびその蒸発ヘッド、真空蒸着方法を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、マスクの変形によりアライメント精度が低くなり、および製品解像度が低くなることを効果的に改善できる真空蒸着装置およびその蒸発ヘッド、真空蒸着方法を提供することである。
【0008】
本発明のさらなるひとつの目的は、蒸着後の薄膜の均一性を改善できる真空蒸着装置およびその蒸発ヘッド、真空蒸着方法を提供することである。
【0009】
上述の目的を実現するため、本発明は第1に、蒸着が必要な基板に蒸着材料を噴射するための真空蒸着装置の蒸発ヘッドを提供するものであり、蒸発ヘッドは蒸発ヘッドチャンバを有するものであり、さらに、噴射方向が異なり、かつ噴射方向が互いに交差しない複数のノズルを有し、前記複数のノズルは、いずれも前記蒸発ヘッドチャンバに連通されることを特徴とする。
【0010】
任意選択的に、前記ノズルの数は、二つであり、二つの前記ノズルの噴射方向は、逆である。
【0011】
任意選択的に、前記蒸発ヘッドチャンバは、長方形、正方形、柱状構造、楕円状構造、または球状構造であり、前記ノズルは、複数の遮蔽板により囲まれた両端が開口した構造であり、前記ノズルの一端は、前記蒸発ヘッドチャンバに固定され、前記ノズルの他端は、前記蒸発ヘッドチャンバから離れる方向へ向いており、前記蒸発ヘッドチャンバに設けられた貫通孔により前記複数のノズルをいずれも前記蒸発ヘッドチャンバに連通させる。
【0012】
任意選択可能的に、前記蒸発ヘッドチャンバ内に設けられた増圧機構をさらに有し、蒸着材料の噴射強度を強めるためのものである。
【0013】
本発明は第2に、真空蒸着装置を提供するものであり、前記真空蒸着装置は、上述のような蒸発ヘッドを有する。
【0014】
任意選択可能的に、前記真空蒸着装置は、固体蒸着材料を気体蒸着材料に変えるための蒸発源と、気体蒸着材料を蒸着が必要な基板に蒸着する環境を提供するための蒸着室と、前記蒸発源および前記蒸発ヘッドに接続され、前記蒸発ヘッドへ気体蒸着材料を搬送するための搬送管と、をさらに有する。
【0015】
任意選択可能的に、前記真空蒸着装置は、蒸発ヘッドを固定するためのものであり、前記蒸発ヘッドの移動を駆動できる蒸発ヘッド固定機構と、マスクを固定するためのものであり、かつ前記マスクの移動を駆動できるマスク固定機構と、蒸着が必要な基板を固定するためのものであり、かつ前記蒸着が必要な基板の移動を駆動できる基板固定機構と、をさらに有する。
【0016】
任意選択可能的に、前記各ノズルの噴射方向にはマスク固体機構および基板固定機構が対応して設けられる。
【0017】
任意選択可能的に、前記マスク、蒸着が必要な基板、蒸発ヘッドは、互いに平行に設けられる。
【0018】
任意選択可能的に、前記マスクと蒸着が必要な基板は、いずれも水平面に垂直、または水平面に平行である。
【0019】
任意選択可能的に、前記ノズルの噴射方向と対応して設けられたマスクとの間の挟角は45〜90度の間である。
【0020】
任意選択可能的に、前記マスクと蒸着が必要な基板は、いずれも長方形であり、
前記マスクの長辺の辺長さは、蒸着が必要な基板の長辺の辺長さと同じであり、かつ前記マスクの短辺の辺長さは、蒸着が必要な基板の短辺の辺長さの1/nであり、または、前記マスクの長辺の辺長さは、蒸着が必要な基板の長辺の辺長さの1/nであり、かつ前記マスクの短辺の辺長さは、蒸着が必要な基板の短辺の辺長さと同じであり、
ここで、nは、1よりも大きい整数である。
【0021】
任意選択可能的に、前記蒸発ヘッドから蒸着が必要な基板までの距離と蒸着が必要な基板の面積との比は、4〜6の間である。
【0022】
本発明は第3に、真空蒸着方法を提供するものであり、蒸着室は、真空状態に維持され、蒸発源は、固体蒸着材料を気体蒸着材料へ変え、搬送管は、蒸発ヘッドへ気体蒸着材料を搬送し、かつ上述の蒸発ヘッド上の複数のノズルを経由して複数の蒸着が必要な基板に蒸着材料を噴射することを含む。
【0023】
任意選択可能的に、蒸発ヘッド、マスクおよび蒸着が必要な基板の三者の間で相対運動を行い、同時に、前記蒸発ヘッドへ気体蒸着材料を搬送し、かつ前記蒸発ヘッドの複数のノズルを経由して複数のマスクに噴射することで複数の前記蒸着が必要な基板にスキャン蒸着を行う。
【0024】
任意選択可能的に、前記ノズルの噴射方向と対応して設けられたマスクとの間の挟角は45〜90度の間である。
【0025】
本発明は、既存の技術と比較して顕著な優れた点と有益な効果があり、具体的には以下のいくつかの点に表される。
1.本発明により提供される真空蒸着装置の蒸発ヘッドには噴射方向が異なり、かつ噴射方向が互いに交差しない複数のノズルが設けられ、蒸着が必要な複数枚の基板の蒸着を同時に実現することで生産能力を向上させることができる。
【0026】
2.本発明により提供される真空蒸着装置において採用されるマスクのサイズは、蒸着が必要な基板のサイズよりも小さく、即ち、既存の技術と比較してマスクのサイズを縮小し、マスクが大きすぎることによる変形という課題を減少させ、または回避できるとともに、縮小後のマスクを使用することは、アライメント精度および製品解像度を向上させることに有利となる。
【0027】
3.本発明により提供される真空蒸着方法において、蒸発ヘッドから蒸発が必要な基板の間の距離を調整すること、および蒸発ヘッド、マスクと蒸着が必要な基板の間の相対運動により、蒸着後の薄膜の均一性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施例1の真空蒸着装置の断面概略図である。
図2】本発明の実施例1の真空蒸着装置の使用状態の概略図である。
図3】本発明の実施例1の真空蒸着方法の移動概略図である。
図4】本発明の実施例1の真空蒸着方法において、蒸着が必要な基板が蒸発ヘッドに相対的に静止しているとき、蒸発源から基板までの距離が異なる際の膜厚分布シミュレーション図である。
図5】本発明の実施例1の蒸着が必要な基板が蒸発ヘッドに対して相対運動するときに、蒸発源から基板までの距離が異なる際の膜厚分布シミュレーション図である。
図6】本発明の実施例1の真空蒸着装置の作動フロー図である。
図7】本発明の実施例1の真空蒸発ヘッドの立体概略図である。
図8】本発明の実施例2の真空蒸着装置の断面概略図である。
図9】本発明の実施例2の真空蒸着装置の移動概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
真空蒸発成膜法は、真空蒸着ともいわれ、その原理は、薄膜を形成する原材料を加熱し、その原子または分子を材料表面から気化させて、蒸気流を形成し、基板(サブストレートまたはチップ)表面に入射させ、固体薄膜に凝結して形成するものである。蒸着工程は、電子デバイスの成膜生産過程において広く応用されている。
【0030】
背景技術において記載したように、発明者は、研究により、既存の真空蒸着装置は、蒸着が必要な基板が大きいので、同様に大きなマスクが必要となり、マスクが変形しやすく、かつ生産製品の解像度が低く、張設精度が低く、および蒸着過程で多くの時間を消費するという課題を発見した。それとともに、真空蒸着過程において、蒸着が必要な基板に均一な薄膜を得ることは、成膜のキーポイントになるだけでなく、デバイスを製造する要でもあるが、既存の真空蒸着装置により形成された薄膜の均一性はやはり理想的ではない。
【0031】
上述の研究に基づいて、本発明は、噴射方向が異なり、かつ噴射方向が互いに交差しない複数のノズルを蒸発ヘッドに設けることにより、蒸着が必要な複数枚の基板を同時に蒸着することを実現することで、生産能力を向上させることができる。また、マスクのサイズが、蒸着が必要な基板のサイズよりも小さいという技術的解決手段を採用することで、解像度および張設精度を向上させることに有利になる。このほか、蒸発ヘッドから蒸着が必要な基板の間の距離を調整することにより、および蒸発ヘッド、マスクと蒸着が必要な基板の間の相対運動により、蒸着後の薄膜の均一性を向上させることができる。
【0032】
以下に図面および具体的な実施例を踏まえて本発明の蒸発ヘッド、真空蒸着装置および真空蒸着方法をさらに詳細に説明する。以下の明細および特許請求の範囲に基づいて、本発明の優れた点および特徴はさらに明確になる。図面は、本発明の実施例を簡単に、明確に補助的に説明するという目的のため、いずれも非常に簡略化された方法を採用しており、かついずれも正確でない比率を使用していることに注意が必要である。
【0033】
実施例1
図1は、本実施例の真空蒸着装置の断面概略図である。図1に示すように、本実施例は、真空蒸着装置を開示し、前記真空蒸着装置は、蒸着室1を有する。蒸着室1は、内部の排気システムにより真空状態に維持されることができ、蒸着材料を基板に蒸着する環境を提供するためのものである。
【0034】
前記真空蒸着装置は、蒸発源7をさらに有する。蒸発源7は、蒸着室1の外に設けることができ、固体蒸着材料を加熱して気体蒸着材料へ変えるためのものである。蒸発源7の数は、一つでもよく、複数でもよい。本実施例において、真空蒸着装置は、一つの蒸発源7を有する。
【0035】
前記真空蒸着装置は、搬送管8をさらに有する。搬送管8は、蒸発源7および前記蒸発ヘッド2に接続され、前記蒸発ヘッド2へ気体蒸着材料を搬送するためのものである。一つの搬送管8に一つの蒸発源7を接続してもよく、複数の搬送管8に共通で一つの蒸発源7を接続してもよく、さらに複数の搬送管8に複数の蒸発源7を接続してもよく、ここで、搬送管の数は、蒸発源の数以上である。本実施例において、一つの搬送管8に一つの蒸発源7を接続する。
【0036】
図7は、本実施例の真空蒸発ヘッドの立体概略図である。図7に示すように、前記真空蒸着装置は、蒸発ヘッド2をさらに有する。前記蒸発ヘッド2は、蒸発ヘッドチャンバ21を有し、噴射方向が異なり、かつ噴射方向が互いに交差しない複数のノズル91、92をさらに有する。前記複数のノズル91、92は、前記蒸発ヘッドチャンバ21に連通される。前記蒸発ヘッドチャンバ21は、例えば、長方形、正方形、柱状構造、楕円状構造、または球状構造である。対向して設けられた前記蒸発ヘッドチャンバ21の二つの面には複数の貫通孔21aが設けられ、前記蒸発ヘッドチャンバ21は、前記貫通孔21aにより前記ノズルに連通される。本実施例において、図1に示すように、前記蒸発ヘッド2には噴射方向が逆で、かつ互いに平行な二つのノズル91および92が設けられ、前記蒸発ヘッド2は、ノズルにより気体蒸着材料を噴射し、蒸着が必要な複数枚の基板の蒸着を同時に実現する。前記ノズル91、92は、いずれも複数の遮蔽板、例えば、四つの遮蔽板により囲まれた両端が開口した構造であり、前記ノズル91、92の一端は、前記蒸発ヘッドチャンバ21に固定され、蒸発ヘッドチャンバ21内の蒸着材料は、貫通孔21aおよびノズル91、92を経由して噴出される。任意選択可能的に、前記蒸発ヘッド2内部には増圧機構(図示せず)がさらに設けられ、これは蒸着材料の噴射強度を強めるためのものである。
【0037】
前記各ノズルの噴射方向にはマスク固定機構および基板固定機構が対応して設けられる。前記マスク固定機構は、マスクを固定するためのものであり、かつ前記マスクの移動を駆動できる。前記基板固定機構は、蒸着が必要な基板を固定するためのものであり、かつ前記蒸着が必要な基板の移動を駆動できる。本実施例において、ノズル91に対応する片側にはマスク固定機構31および基板固定機構41が設けられる。ノズル92に対応する片側にはマスク固定機構32および基板固定機構42が設けられる。マスク固定機構31は、マスク51を固定するためのものであり、かつ前記マスク51の移動を駆動できる。マスク固定機構32は、マスク52を固定するためのものであり、かつ前記マスク52の移動を駆動できる。基板固定機構41は、蒸着が必要な基板61を固定するためのものであり、かつ前記蒸着が必要な基板61の移動を駆動できる。基板固定機構42は、蒸着が必要な基板62を固定するためのものであり、かつ前記蒸着が必要な基板62の移動を駆動できる。ここで、マスク51およびマスク52の形状およびサイズは完全に同じであってよく、蒸着が必要な基板61および蒸着が必要な基板62の形状およびサイズは完全に同じであってよい。当然のことながら、マスク51およびマスク52の形状およびサイズは異なってもよく、蒸着が必要な基板61および蒸着が必要な基板62の形状およびサイズは異なってもよい。これにより、本実施例は、二つの蒸着が必要な基板を同時に蒸着でき、生産能力を向上させることができることがわかる。
【0038】
図2は、本実施例の真空蒸着装置の使用状態の概略図である。図2に示すように、前記真空蒸着装置は、蒸発ヘッド固定機構10をさらに有し、蒸発ヘッドを固定するためのものであり、かつ前記蒸発ヘッドの移動を駆動できる。本実施例において、蒸発ヘッド2は、蒸発ヘッド固定機構10に固定され、蒸発ヘッド固定機構10は地面に垂直に取り付けられ、即ち、蒸発ヘッド固定機構10はZ方向に沿って取り付けられ、かつXY方向に限定された水平面に垂直であり、当然のことながら、蒸発ヘッド2は垂直方向に沿って上下に伸縮移動(Z方向移動)でき、蒸発ヘッド2はさらに、水平方向に沿って移動(X方向またはY方向移動)でき、蒸発ヘッド2はさらに、ひねりまたは揺動できる。
【0039】
前記蒸発ヘッド2、マスク51と蒸着が必要な基板61は、互いに平行に設けられ、かつ相対運動でき、同様に、前記蒸発ヘッド2、マスク52と蒸着が必要な基板62は、互いに平行に設けられ、かつ相対運動できる。本実施例において、図1に示すように、前記マスクおよび蒸着が必要な基板は、水平方向に沿って配列される(いずれも水平面に垂直である)。前記ノズルの噴射方向と対応して設けられたマスクとの間の挟角は例えば、45〜90度の間である。マスク固定機構31および基板固定機構41の位置および角度を調整することで、マスク51および蒸着が必要な基板61を水平に配列させ、かつ水平面に垂直に設けることができ、同時に、ノズル91の噴射方向とマスク51は、互いに垂直であり、即ち、ノズルの噴射方向と対応して設けられたマスクとの間の挟角は90°である。マスク固定機構32および基板固定機構42の位置および角度を調整することで、マスク52および蒸着が必要な基板62を水平に配列させ、かつ水平面に垂直に設けることができ、同時に、ノズル92の噴射方向とマスク52は、互いに垂直であり、即ち、ノズル92の噴射方向と対応して設けられたマスク52との間の挟角は90°である。ここで、マスク51および蒸着が必要な基板61の位置関係は、マスク52と蒸着が必要な基板62の位置関係に完全に同じである。
【0040】
図3は、本実施例の真空蒸着方法の移動方法の概略図である。図3に示すように、本実施例において、蒸着が必要な基板61は、静止し、蒸発ヘッド2、マスク51と蒸着が必要な基板61は、互いに平行に設けられ、マスク51および蒸発ヘッド2は、上下に移動する(例えば、下から上へ等速運動する)。蒸着が必要な基板62は、静止し、蒸発ヘッド2、マスク52と蒸着が必要な基板62は、互いに平行に設けられ、マスク52および蒸発ヘッド2は、上下に移動する(例えば、下から上へ等速運動する)。
【0041】
前記マスクおよび蒸着が必要な基板は、いずれも長方形である。前記マスクの長辺の辺長さは、蒸着が必要な基板の長辺の辺長さと同じであり、かつ前記マスクの短辺の辺長さは、蒸着が必要な基板の短辺の辺長さの1/nであり、または、前記マスクの長辺の辺長さは、蒸着が必要な基板の長辺の辺長さの1/nであり、かつ前記マスクの短辺の辺長さは、蒸着が必要な基板の短辺の辺長さと同じである。ここで、nは、1より大きい整数である。本実施例において、図2に示すように、マスク51の長辺の辺長さa1は、蒸着が必要な基板61の長辺の辺長さb1と同じであり、マスク51の短辺の辺長さa1‘は、蒸着が必要な基板の短辺の辺長さb1’の1/2である。マスク52の長辺の辺長さa2は、蒸着が必要な基板62の長辺の辺長さb2と同じであり、マスク52の短辺の辺長さa2’は、蒸着が必要な基板の短辺の辺長さb2‘の1/2である。同時に、マスク51およびマスク52の形状は同じであり、蒸着が必要な基板61および蒸着が必要な基板62のサイズ形状は同じである。従って、マスク51およびマスク52のサイズ形状は完全と同じであり、蒸着が必要な基板61および蒸着が必要な基板62のサイズ形状は完全に同じである。図2に示す状況について、蒸着が必要な基板61、62を固定し、Y方向に沿って蒸発ヘッド2およびマスク51、52を移動させることで蒸着を実現できる。
【0042】
本実施例の真空蒸着装置は、マスクサイズが既存の技術と比較して明らかに縮小されていることがわかり(従来のマスクの形状およびサイズは通常、蒸着が必要な基板の形状およびサイズと完全に同じである)、このようにマスクの変形という課題を効果的に改善できる。しかも、蒸着工程過程においてマスクサイズが明らかに縮小されたため、張設精度、アライメント精度、および製品解像度がいずれも改善される。
【0043】
引き続き図4を参照し、図4は、蒸着が必要な基板が蒸発ヘッドに相対的に静止しているとき、蒸発源から基板までの距離が異なる際の膜厚分布シミュレーション図であり、図に示すように、
まず、膜厚均一性は、Max−Min(%)であり、それは以下の関係式を満たし、

ここで、MaxおよびMinは、それぞれ蒸着が必要な基板範囲内の膜厚の最大値および最小値を表す。
【0044】
本実施例において蒸発ヘッド2から蒸着が必要な基板61までの距離はh1、蒸発ヘッド2から蒸着が必要な基板62までの距離はh2であり、h1=h2である。蒸着が必要な基板61の面積はs1、蒸着が必要な基板62の面積はs2であり、s1=s2である。蒸着が必要な基板が静止しているとき、無次元数Hの変化は、関係式
を満たし、かつ値はそれぞれ0.5、1、2および5であり、気体分子が直線に沿って飛行するとすれば、分子間には衝突が生じず、気体分子は、蒸着が必要な基板に沈積すると即時に凝結し、再生成現象は生じない。モンテカルロ法で薄膜の生成をシミュレーションして図4を得ると、図4から、膜厚の厚み均一性の関係式を利用して、無次元数Hの値が異なる4つの状況での膜厚の均一性の劣る方から優れた方までの順序(H=0.5)<(H=1)<(H=2)<(H=5)がわかる。経験により、前記蒸発ヘッドから蒸着が必要な基板までの距離と蒸着が必要な基板の面積との比は、4〜6の間で効果が優れており、特に、H=5のときに、蒸着した後の膜厚均一性は非常に理想的であることがわかる。
【0045】
引き続き図5を参照し、図5は、蒸着が必要な基板が蒸発ヘッドに対して相対運動するときに、蒸発源から基板までの距離が異なる際の膜厚分布シミュレーション図であり、蒸着が必要な基板が蒸発ヘッドに相対的に静止しているときの膜厚均一性の関係式は同様に、蒸着が必要な基板が蒸発ヘッドに対して相対運動するときの膜厚均一性に適用される。蒸着が必要な基板が運動するとき、無次元数Hは変化し、かつ値はそれぞれ0.5、1、2および5であり、気体分子が直線に沿って飛行するとすれば、分子間には衝突が生じず、気体分子が、蒸着が必要な基板に沈積すると即時に凝結し、再生成現象は生じない。モンテカルロ法で薄膜の生成をシミュレーションして図5を得ると、図5から、膜厚の厚み均一性の関係式を利用し、無次元数Hの値が異なる4つの状況での膜厚の均一性の劣る方から優れた方までの順序(H=0.5)<(H=1)<(H=2)<(H=5)がわかる。同様に、前記蒸発ヘッドから蒸着が必要な基板までの距離と蒸着が必要な基板の面積との比は、4〜6の間で効果が優れており、特に、H=5のときに、蒸着した後の膜厚均一性は非常に理想的である。
【0046】
図4および図5から、蒸着が必要な基板が蒸発ヘッドに対して相対運動するときの膜厚均一性は、蒸着が必要な基板が蒸発ヘッドに相対的に静止するときの膜厚均一性よりも好ましいことがわかり、特に、蒸着が必要な基板が蒸発ヘッドに対して相対運動し、かつH=5のとき、蒸着後の膜厚均一性は好ましい。上述から、本実施例の蒸発源、マスクと蒸着が必要な基板の距離の設定、およびそれらの相対運動により、蒸着後の膜厚均一性が高められることがわかる。
【0047】
本実施例において蒸発源が垂直方向(Z方向)に沿って下から上へ移動することを採用したが、蒸発源が垂直方向(Z方向)に上から下へ移動することを採用してもよい。または、蒸発源が水平方向(X方向またはY方向)に沿って移動することを採用してもよく、例えば、右から左、左から右、前から後、後から前に移動する。
【0048】
本実施例においてノズルの噴射方向と対応して設けられたマスクとの間の挟角は90°に対して相対運動することを採用したが、実際には挟角は挟角が45〜90°の間にあることを満たせば、効果はいずれも比較的理想的である。当然のことながら、本発明は、ノズルの噴射方向と対応して設けられたマスクとの間の挟角を制限せず、45°よりも小さくてもよい。
【0049】
本実施例において蒸発源は二つのノズルを有することを採用し、二枚の蒸着が必要な基板を同時に蒸着することを例としているが、当業者は、複数のノズルを採用して蒸着が必要な複数枚の基板を同時に蒸着することを実現できることは容易に理解できる。本実施例において二つのノズルは互いに平行であるが、当業者は、蒸発源は、噴射方向が異なり、かつ噴射方向が互いに交差しない複数のノズルを有し、蒸着が必要な複数枚の基板の同時蒸着を実現することは容易に理解できる。
【0050】
本実施例において二組の同じマスクおよび蒸着が必要な基板を採用しているが、実際には、マスクおよび蒸着が必要な基板の数は、上述の説明に限定されるわけではなく、三組、四組またはさらに多くの組のマスクおよび蒸着が必要な基板を設けてもよい。例えば、蒸発ヘッドチャンバ21の一つの面には一組のノズルのみ設けてもよく、蒸発ヘッドチャンバ21の一つの面に向きが異なる二つのノズルを設け、この面に対応して二組のマスクおよび蒸着が必要な基板を設けてもよい。当然のことながら、さらに多くの変更方法があってもよく、ここでは一つ一つ列挙しない。
【0051】
しかも複数組のマスクの間のサイズは、同じでもよく、違ってもよい。同じ理由で、複数組の蒸着が必要な基板のサイズは同じでもよく、違ってもよい。
【0052】
本実施例において蒸着が必要な基板は静止し、蒸発ヘッドとマスクが運動する方法を採用しているが、当業者は、蒸発ヘッド、マスクと蒸着が必要な基板が相対運動することを満たす方法にはさらに、蒸発ヘッドおよびマスクが静止し、蒸着が必要な基板が運動する方法を採用でき、または、マスクが静止し、蒸発ヘッドと蒸着が必要な基板が相対運動する方法を採用でき、または蒸発ヘッドが静止し、マスクと蒸着が必要な基板が相対運動する方法などを採用できることは容易に理解できる。当然のことながら、さらに多くの変更方法があり、ここでは一つ一つ列挙しない。
【0053】
本実施例は、真空蒸着方法をさらに提供するものであり、以下のステップを含む。
蒸着室は、内部排気システムにより真空状態に維持され、蒸発源は、蒸着材料を固体状態から気体状態に変え、搬送管は、蒸発ヘッドへ気体の蒸着材料を搬送し、蒸発ヘッドの複数のノズルを経由して噴出する。該真空蒸着方法は、蒸着が必要な複数枚の基板を同時に蒸着でき、生産能力を向上させることができる。蒸発源が有するノズルと対応するマスクおよび蒸着が必要な基板が多くなればなるほど、同時に蒸着できる蒸着が必要な基板はさらに多くなり、生産能力がさらに高くなることは理解できる。
【0054】
図6は、本実施例の真空蒸着方法の作動フロー図である。以下に図6を踏まえて、本実施例の真空蒸着装置の作動方法を詳細に説明する。
【0055】
ステップ1:マスクを固定する、即ち、マスクをマスク固定機構に固定し、かつマスクをアライメントし、アライメントに成功の場合、次のステップに入り、アライメントに失敗の場合、前のステップに戻り、再度アライメントし、またはマスクを取り外してマスクを搭載しなおす。
【0056】
ここで、マスク51の長辺の辺長さa1は、蒸着が必要な基板61の長辺の辺長さb1と同じであり、マスク51の短辺の辺長さa1’は、蒸着が必要な基板の短辺の辺長さb1‘の1/2であり、マスク52の長辺の辺長さa2は、蒸着が必要な基板62の長辺の辺長さb2と同じであり、マスク52の短辺の辺長さa2’は、蒸着が必要な基板の短辺の辺長さb2’の1/2である。同時にマスク51およびマスク52の形状は同じであり、蒸着が必要な基板61と蒸着が必要な基板62の形状は同じである。即ち、マスク51およびマスク52のサイズ形状は完全と同じであり、蒸着が必要な基板61および蒸着が必要な基板62のサイズ形状は完全に同じである。
【0057】
ステップ2:蒸着が必要な基板を固定し、蒸着が必要な基板をマスクとアライメントし、アライメントに成功の場合、次のステップに入り、アライメントに失敗の場合、前のステップに戻り、再度アライメントし、または蒸着が必要な基板を取り外し、蒸着が必要な基板を搭載しなおす。前記蒸発ヘッドから蒸着が必要な基板までの距離と蒸着が必要な基板の面積との比が4〜6の間でれば、蒸着後の膜厚均一性は好ましく、本実施例において蒸発ヘッドから蒸着が必要な基板までの距離と蒸着が必要な基板の面積との比が5のとき、蒸着後の膜厚均一性は好ましい。
【0058】
ステップ3:蒸発源7を加熱する。蒸発源の数は、一つまたは複数でもよい。
【0059】
ステップ4:蒸発ヘッド、マスクおよび蒸着が必要な基板は、例えば互いに平行に設けられ、かつ蒸発ヘッド、マスクおよび蒸着が必要な基板の三者の間は、相対運動し、同時に、気体の蒸着材料は蒸発ヘッドへ搬送され、かつ蒸発ヘッドの複数のノズルを経由して、マスクに噴出されて蒸着が必要な基板にスキャン蒸着を行い、ここで、ノズルの噴射方向とマスクとの間の挟角は好ましくは45〜60度の間である。
【0060】
ステップ5:蒸着後の基板を取り外す。
【0061】
上述のように、蒸着が必要な複数枚の基板は、同時に以上のプロセスにより同一蒸着室内で蒸着できる。
【0062】
実施例二
図8は、本実施例の真空蒸着装置の断面概略図である。図8に示すように、本実施例と実施例1との相違点は、まず、前記真空蒸着装置における蒸発ヘッド2が地面(水平面)に平行に取り付けられ、蒸発ヘッド2は蒸発ヘッド固定機構10に固定され、蒸発ヘッド固定機構10は地面に平行であり、蒸発ヘッド固定機構10は、蒸発ヘッド2が水平方向(例えばX方向)に沿って移動するよう駆動でき、かつ蒸発ヘッド2は、回転または揺動できることである。また、マスク51および蒸着が必要な基板61は、互いに平行であり、かつ地面に平行に置かれ(即ち、垂直方向に沿って配列される)、同様に、マスク52および蒸着が必要な基板62は、互いに平行であり、かつ地面に平行に置かれる。
【0063】
引き続き図9を参照し、図9は、本実施例の真空蒸着装置の移動概略図であり、図9に示すように、本実施例と実施例1との相違点は、本実施例において蒸発ヘッド2、マスク51および蒸着が必要な基板61は、X方向に沿って互いに平行であることである。蒸発ヘッド2は静止し、マスク52および蒸着が必要な基板62は、逆方向に平行に等速運動し、即ち、マスク52は、X方向に沿って左から右へ等速運動し、蒸着が必要な基板62は、X方向に沿って右から左へ等速運動する。実施例1と比較して、蒸発ヘッド、マスク、蒸着が必要な基板の他の取り付け固定方法を提供する。また、実施例1における各部材のサイズ関係、位置関係および相対運動は、実施例2にも同様に適用され、ここでは重複して説明しない。
【0064】
以上を総合し、本発明の真空蒸着装置およびその蒸発ヘッド、真空蒸着方法を採用すると、蒸着が必要な複数枚の基板を同時に蒸着できるとともに、マスクが大きいことによる変形という課題を解決でき、製品解像度を向上させることで、製品がさらに良好な競争力を持つようになる。必要な応用および期待される効果に基づいて、実施例1および実施例2を任意に組み合わせることができ、いずれも本発明の保護範囲内である。
【0065】
上述の説明は、本発明の好適な実施例ついての説明のみであり、本発明の範囲に対するいかなる限定ともならず、当業者が上述の開示内容に基づいて、いずれかの変更、修飾をおこなうことは、いずれも特許請求の範囲の保護範囲にある。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9