特許第6675003号(P6675003)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6675003
(24)【登録日】2020年3月11日
(45)【発行日】2020年4月1日
(54)【発明の名称】ミリングボウル
(51)【国際特許分類】
   B02C 15/00 20060101AFI20200323BHJP
【FI】
   B02C15/00
【請求項の数】17
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-526163(P2018-526163)
(86)(22)【出願日】2015年11月19日
(65)【公表番号】特表2018-535824(P2018-535824A)
(43)【公表日】2018年12月6日
(86)【国際出願番号】EP2015077039
(87)【国際公開番号】WO2017084708
(87)【国際公開日】20170526
【審査請求日】2018年11月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】591031407
【氏名又は名称】ロエシェ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クロコウ アレキサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ハマン ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ハメスファール ハイデ
(72)【発明者】
【氏名】ジスク カール−ハインリッヒ
【審査官】 中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−063053(JP,A)
【文献】 特開2003−071306(JP,A)
【文献】 実開昭59−184946(JP,U)
【文献】 英国特許出願公告第00956967(GB,A)
【文献】 独国特許出願公開第10305915(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 15/00−16
B02C 19/10
B32B 15/08−098
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直ミルにおける使用のためのミリングボウル(1,2)であって、
下方のリング形ベースフランジ(5)と、
前記垂直ミルのグラインドベッドを受けるための上方のリング形ヘッドフランジ(4)と、
を有し、前記ミリングボウル(1,2)がリング形で且つその回転軸を取り囲むエリアでは中空であるように製造され、
前記ヘッドフランジ(4)と前記ベースフランジ(5)とを堅固に接続する中心部材(7)を特徴的に有しており、
前記中心部材(7)のケーシングシェル(8,9)と前記ヘッドフランジ(4)と前記ベースフランジ(5)との間に設けられた空洞(12)が硬化性注型化合物(16)で充填され、
前記注型化合物(16)が硬化された後に、前記中心部材(7)とともに前記ヘッドフランジ(4)と前記ベースフランジ(5)とが回転する堅固なミリングボウル(1,2)を形成するミリングボウルであって、
前記ヘッドフランジ(4)と前記ベースフランジ(5)との間に提供される前記中心部材(7)が、前記ヘッドフランジ(4)及び前記ベースフランジ(5)とは別個に製造され、且つ、2つの前記ケーシングシェル(8,9)を有する二重壁構造であって、
前記中心部材(7)の前記ケーシングシェル(8,9)が、硬化された前記注型化合物(16)に埋め込まれた補強アンカー(14,15)を特徴的に有する、
ことを特徴とする、ミリングボウル。
【請求項2】
前記ヘッドフランジ(4)が前記ベースフランジ(5)よりも大きな外径を有することを特徴とする、請求項1に記載のミリングボウル。
【請求項3】
2つの前記ケーシングシェル(8,9)が、垂直断面において、前記ベースフランジ(5)の方向に一緒に傾斜しているほぼ楔形の構造を作るように構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のミリングボウル。
【請求項4】
2つの前記ケーシングシェル(8,9)が、お互いから略一定の半径方向の距離を空けて置かれていることを特徴とする、請求項1または2に記載のミリングボウル。
【請求項5】
少なくとも前記ヘッドフランジ(4)が複数の部材であるように製造されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のミリングボウル。
【請求項6】
2つの前記ケーシングシェル(8,9)が複数の部材であるように製造されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のミリングボウル。
【請求項7】
前記ベースフランジ(5)が一つの部材であるように製造されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のミリングボウル。
【請求項8】
前記ミリングボウル(1,2)が、その垂直断面において、本質的に中空の円錐台の構造を有していることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のミリングボウル。
【請求項9】
化性の前記注型化合物(16)が、非収縮性の塊体であること、を特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のミリングボウル。
【請求項10】
請求項9に記載のミリングボウルであって、
硬化性の前記注型化合物(16)が、コンクリート、樹脂、高性能ポリマ、又はポリアミドに基づいたプラスチックであること
を特徴とするミリングボウル。
【請求項11】
前記注型化合物(16)が、ガラス繊維、炭素繊維、又は金属繊維で補強されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のミリングボウル。
【請求項12】
前記補強アンカー(14,15)が前記ケーシングシェル(8,9)の間に形成された前記空洞(12内部で様々な方向に配置されており、前記補強アンカーの端(13)が前記ケーシングシェル(8,9)の少なくとも一つ又は両方に固着されていることを特徴とする、請求項11のいずれか1項に記載のミリングボウル。
【請求項13】
前記ヘッドフランジ(4)と前記ベースフランジ(5)とが注型された部材として製造されていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載のミリングボウル。
【請求項14】
前記ヘッドフランジ(4)と前記ベースフランジ(5)とが鉄からできていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のミリングボウル。
【請求項15】
前記ケーシングシェル(8,9)が鉄鋼から製造されていて、且つ、前記ヘッドフランジ(4)と前記ベースフランジ(5)とに堅固に接続されていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載のミリングボウル。
【請求項16】
前記ヘッドフランジ(4)が注型開口(17)及び脱気開口(18)を有することを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載のミリングボウル。
【請求項17】
垂直断面においてほぼ円錐台の形状を有する中空の構造を有する、請求項1〜16のいずれか1項に記載のミリングボウルを製造する方法であって、
a)前記ミリングボウル(1,2)の前記ヘッドフランジ(4)が複数の部材として別個に製造され、前記ミリングボウル(1,2)の前記ベースフランジ(5)が一つの部材として別個に製造され、
b)前記ミリングボウル(1,2)の中心部材が、前記ヘッドフランジ(4)と前記ベースフランジ(5)との間に2つの別個に製造された前記ケーシングシェル(8,9)を特徴的に有しており、
c)補強アンカー(15)が前記ケーシングシェル(8,9)の向かい合った表面に取り付けられており、
d)前記ヘッドフランジ(4)、前記中心部材(7)の前記ケーシングシェル(8,9)、及び前記ベースフランジ(5)を含む構成要素が、お互いに堅固に接続されており、
e)硬化性の前記注型化合物(16)が、前記ケーシングシェル(8,9)の間に形成された前記空洞(12)に、前記ヘッドフランジ(4)における開口(17,18)を介して導入され、
f)前記注型化合物(16)が非収縮性の容積で硬化され、
g)前記硬化プロセスに引き続いて、ミリングボウルが、固い回転する堅固なユニットとして形成される、
ことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に請求項1の前提部に従った垂直ミルにおける使用のためのミリングボウル、ならびに、その垂直断面において、請求項15の前提部に従ったほぼ円錐台の形状の中空構造を有するリング形のミリングボウルを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
この種類のミリングボウルは、生セメント材料、クリンカー、スラグ、様々な鉱物、又は石炭の様な材料を粉砕するために使用される垂直ミルの主要な構成要素として利用される。
【0004】
この種類のミリングボウルに関して、例えば特許文献1又は特許文献2が参照される。
【0005】
従来技術に従った同様のミリングボウルが図4に示されている。典型的には、この種類のミリングボウル40は、従来は単一部材として且つ注型材料から製造されてきている。
【0006】
ミリングボウル40の下方エリアはベースフランジ42を特徴的に有しており、上方エリアはヘッドフランジ41を特徴的に有している。全体として、このミリングボウル40の構造はおおよそ円錐台のようで且つ底部構造に向かって傾斜が付いた形状を有し、それによって、円錐状の側壁43が底に向かって傾斜を有し、ヘッドフランジ41を下方のベースフランジ42に接続して、リング状のミリングボウルを形成している。
【0007】
典型的には、ミリングボウル40は、その回転軸21に関して対称に製造されて、底部開口23ならびに上方ボウル開口24を有し、これによってこれらの開口の間に内部空洞45を形成している。
【0008】
典型的には、チャネル6がヘッドフランジ41に設けられてグラインドプレートのセグメントを受けて、これが動作中に、材料の粉砕及びグラインドのための対応するグラインドベッドを形成する。
【0009】
その完全に組み立てられた状態では、この種類のミリングボウル40は、ベースフランジ42のエリアにおける対応するベアリングの上に置かれて、その場合、ミリングボウル40のための回転ドライブが底部開口23のエリアに設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許第2242583号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10305915明細書
【特許文献3】独国特許第1194685号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
垂直ミルの拡張されたスループット能力を有するサイズが増加した垂直ミル、ミリングボウルのサイズの関連した増加に対する継続的な要求の結果として、注型材料からなる増加したサイズのこれら一部材のミリングボウルの製造及び輸送に関連して、セメント製造の分野では、セメント製造のために使用される通常は離れた場所において、問題が生じている。
【0012】
例えば、ミリングボウルの上方エリアでほぼ8mの直径を有し且つ底側におけるミリングボウルのスロートで5mの直径を有する垂直ミルが使用されている。
【0013】
第1に、これらのミリングボウルを1つの部材として製造することの問題のある性質の結果として、この種類のミリングボウルを製造する数少ない製造会社に頼らなければならない。
【0014】
第2に、この種類の重量物を輸送するために適した道路及びインフラ設備がしばしば利用可能ではないことを考えると、いくらか離れた製造現場まで、例えば合計約90トンの重さで且つ直径8m又はそれ以上を有するこの種類のミリングボウルを輸送するための重量物車両の使用に伴う顕著な問題が存在する。特許文献3は、垂直ミルにおける使用のためのミリングボウルを開示しており、特に、複数のセクションからなるミリングリングを有するボールミル又は回転粉砕機ミルに関する。そこに与えられたミリングボウルは、実際のグラインドベッドを形成するために使用される上方のリング形ヘッドフランジを特徴的に有しており、それによって、ヘッドフランジが、堅固に接続する中間セクションを介して下方のベースフランジに固着される。製造の間にヘッドフランジとベースフランジとの間に形成される空洞は硬化性注型化合物で充填され、それによって、ヘッドフランジ、ベースフランジ、及びそれらの間に位置する注型化合物材料の間の距離を固定するための機械的締め付け手段が提供される。後者の構造に関して、ベースフランジ、ヘッドフランジ、及びそれらの間に形成される注型化合物のための空洞の間の垂直距離が比較的小さくなければならないという事実は不利益とみなされるべきであり、この構造は、全体としてミリングボウルの構造上の高さに関して最小限の柔軟性しか有さない。
【0015】
したがって、本発明の目的は、上述の不都合を克服して、直径がより大きくなり、且つこれによってより大きな重量を有する一方で、専門の製造会社への依存を減らし且つコスト構造が改善されるとともに、単純化された輸送プロセスを達成できることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的は、請求項1の特徴を使用している前述の種類のミリングボウルによって、且つ請求項15の特徴を使用しているこの種類のミリングボウルの製造方法によって、本発明に従って達成される。
【0017】
本発明の重要なコアの概念は、注型材料からなる一部材のミリングボウルの製造から離れて、より小さい複数の構成要素を有するミリングボウルを考案することを選択したことであって、これによってミリングボウルの構造内部に中空構造が選択的に製造される。これらの中空構造は、接着性の、特に非収縮性の注型化合物を使って製造されることができて、所期の動作現場の近くで堅固なミリングボウルユニットを製造する。
【0018】
本発明によれば、この重要なコアの概念は、垂直ミルのグラインドベッドを形成又は受けるために下方のリング形で且つ別個のベースフランジと上方のリング形で且つ別個のヘッドフランジというアイデアを利用する垂直ミルのためのミリングボウルによって、実現される。この場合、リング形のミリングボウルの回転軸の周囲のエリアは、中空であるように製造される。ヘッドフランジ及びベースフランジは、中心部材によって一緒に堅固に接続される。
【0019】
ヘッドフランジとベースフランジとの間に設けられる中心部材は二重壁設計であって、間隔を空けて離れ、且つ、ヘッドフランジ及びベースフランジとは別個に製造される2つのケーシングシェルを有している。
【0020】
中心部材のケーシングシェルと2つのフランジとの間にこのようにして形成された空洞は、硬化可能な、特に非収縮性の注型化合物によって充填されて、注型化合物の硬化プロセスに引き続いて、2つのフランジは中心部材とともに回転する堅固なミリングボウルを形成する。
【0021】
方法に関して、垂直断面において適切な円錐台形状の中空構造を有する本発明にしたがったリング形ミリングボウルの製造は、複数の部材として又は一つの部材として別個に製造されたミリングボウルのヘッドフランジ及びベースフランジを用いて行われる。以下で言及される輸送の問題を考慮して、より大きな直径を有するヘッドフランジは、この場合には、好ましくは複数の部材であるように設計及び製造され、寸法及び重量に関して典型的には直径がより小さいベースフランジは、一つの別個の部材として製造される。
【0022】
この方法によれば、2つのケーシングシェルを特徴的に有する中心部材は、ヘッドフランジ及びベースフランジとは別個に製造される。
【0023】
この中心部材はベースフランジとヘッドフランジとの間の接続のために設けられ、組み立ての間に上方のヘッドフランジを疑似的に支える。中心部材をヘッドフランジに接続してヘッドフランジを中心部材に固着する前に、補強アンカーが、ケーシングシェルの対向面に取り付けられる。
【0024】
その後に、ヘッドフランジ、中心部材のケーシングシェル、及びベースフランジを含む構成要素がお互いに堅固に接続され、それによって具体的に、ケーシングシェルの間にリング形の空洞を形成する。
【0025】
硬化性の注型化合物がそれから、ヘッドフランジの開口を介して、ケーシングシェルの間に形成された空洞に導入される。収縮しないでわずかに膨張する材料特性を有するこの注型化合物は、それから硬化する。空洞及びこれによって注型化合物の体積のわずかな膨張能力は、ヘッドフランジ、ケーシングシェル、及びベースフランジを含む構成要素に注型化合物が高濃度で供給されることを可能にし、注型化合物の硬化後に、堅く且つ回転する堅固なミリングボウルがユニットとして存在する。
【0026】
この文脈において、「高濃度で供給される」とは、注型化合物が非常に密に且つエアポケット無しに導入されて硬化され、これによって、関連するミリング及び回転力がケーシングシェルを介してだけではなく硬化された注型材料も本質的に介してベースフランジに伝達されるために、空洞を取り囲むケーシングシェルとフランジ表面との強い接続を達成することを意味すると理解される。
【発明の効果】
【0027】
本発明に従ったミリングボウル及び対応する製造方法の重要な効果は、特に、より小さく、より軽量で、且つ別個に製造された個別の注型された部材に対するより経済的な製造コストである。なぜなら、それらの部材は、完全に注型されたミリングボウルの様な大きな部材を専門とする会社に依存しなければならない代わりに、より多数の工場で製造されることができるからである。さらに、以前に一部材のミリングボウルのために使われたものの様な特殊な輸送操作がもはや必要とされないので、輸送コストが顕著に減らされることができる。
【0028】
加えて、必須のケーシングシェルの製造は、製造及び対応する垂直ミルの設置の現場の近くで行われるように契約されることができる。同様に、ミリングボウルの最終組み立て及び適切な注型化合物による充填は、対応する垂直ミルの設置現場から非常に近い範囲で、又はまさにその現場で、行われることができる。
【0029】
有益なことに、ミリングボウルの中心部材のケーシングシェルは、硬化された注型化合物に埋め込まれた補強アンカーを特徴的に有する。
【0030】
注型化合物の導入に先立って、補強アンカーがこの目的のために、例えば溶接によって、空洞に面しているケーシングシェルの内部表面に取り付けられることができ、ならびに、拡張アンカーの形態で設けられる。
【0031】
中心部材の堅さをさらに向上するために、補強アンカーの端は、両方のケーシングシェルの内部表面に溶接されるか、又は他の手段によって取り付けられることができる。
【0032】
これらの補強アンカーの方向及び配置は、ミリングボウルの半径方向だけではなく、ケーシングシェルに沿った可変の高さにおいてであってもよく、それによって、交差するか又はスポーク状の配置が他の補強アンカーに対して提供されることができる。
【0033】
したがって、補強アンカーは、ケーシングシェルによって形成される空洞内部において異なる方向で配置されて、それらの端は好ましくは、両方のケーシングシェルに固着される。
【0034】
関連する力及びトルクの伝達をさらに向上するために、補強アンカーは、動作中のミリングボウルの回転方向とは逆に向けられる。
【0035】
補強アンカーをこのような方法で導入することによって、空洞内で注型されるリング形コアの強度が向上され、ケーシングシェルとリング形コアとの間の結合が生成される。
【0036】
利用可能な補強アンカーの例は、例えばDIN529に従ったアンカーボルト、ならびにコンクリート材料で使用されるもののような補強鋼でできた自由形状補強アンカーである。それらの位置、サイズ、及び数に応じて、補強アンカーは様々な形状、特にU形、S形、又はL形で設けられることができる。補強アンカーとケーシングシェルとの間の接続は、ねじ留めならびに溶接接続であることができる。
【0037】
その効果のために、ヘッドフランジは、ベースフランジより大きな外径を特徴的に有する。なぜなら、これがグラインドベッドの幅、及びそれゆえに動作時の垂直ミルの最終的なスループット能力の両方を決定するからである。
【0038】
さらに、より小さな直径のベースフランジが、前記フランジを介してベアリングに作用する力を受け止め、ならびに付加的に回転ドライブを介してミリングボウルに作用する力を伝達できるようにするために、十分であることが示されている。
【0039】
その結果として、その好適な形態では、ミリングボウルは2つのケーシングシェルを特徴的に有し、これらは、その垂直断面において、ベースフランジの方向に一緒に角度が付いているほぼ楔形の構造を形成する様に配置され、この配置によって、ミリングボウルはほぼ、円錐台の形状の外側リング構造を有する中空ボディを形成する。
【0040】
前述した好適な構造の代替として、2つのケーシングシェルはまた、お互いからほぼ一定の半径方向の距離をおいて配置されることができて、この場合、垂直方向に存在するリング形の壁がまた、ミリングボウルの中心部材によって形成される。より大きな半径方向のサイズを有するヘッドフランジが、この場合にも同様に設けられることができる。
【0041】
コスト及び輸送に関する顕著な効果は、少なくともヘッドフランジを複数の部材として製造することによって、達成されることができる。
【0042】
したがって、ヘッドフランジは複数のセグメントからなることができて、これらは最初に、それらの意図された使用の場所で及び方法で、他の構成要素と一緒に完全なミリングボウルに組み立てられる。
【0043】
ヘッドフランジの外径のサイズを考慮に入れると、このフランジは、有益なことには2つ、3つ、4つ、又はその他の数のセグメントとして製造されることができる。
【0044】
ベースフランジは、より小さな外径を有し、特殊な輸送手段が必要にならない限りは、好ましくは一つの部材として製造されることができる。具体的には、この場合には、ミリングボウルに作用する力のベースフランジのベアリングへの伝達、及びミリングボウルに対する駆動トルクの印加の両方のための設計を単純化するという効果を有する。
【0045】
製造の単純化という観点では、2つのケーシングシェルは好ましくはまた、複数の部材であるように製造されることもできる。そうすることで、これらの構成要素及びセグメントの輸送を単純化し、また前記部材を製造現場の近傍で製造することが可能になる。
【0046】
硬化性注型化合物に関して、非収縮性特性を有していて可能な限り非圧縮性である塊体(mass)が選ばれて、これによってこの塊体は特に、コンクリート、樹脂、又はプラスチックであることができ、後者は特に、高性能ポリマ又はポリアミドに基づくものである。
【0047】
硬化性注型化合物は好ましくは、ガラス繊維、炭素繊維、又は金属繊維の様な繊維と混合されて補強される。これは硬化性注型化合物の機械的特性を特に改善し、特に、硬化された注型化合物におけるクラックの進展を最大限に防ぐことができる。注型化合物それ自身は、液体、半液体、又はペースト状の形態で導入されることができて、それから圧縮されて脱気される。注型化合物の導入は一つ又は複数の作業ステップにて行われることができて、その結果として、様々な層がケーシングシェルの間の空洞に作られて、これらの層の特性はお互いから異なることができる。
【0048】
適切な注型化合物は、およそ以下の特性を有し得る。30N/mm2の範囲の最小圧縮強度。約5N/mm2の最小引張強度。約5〜15×10-6/Kの熱膨張係数。約1%の最大膨張度。注型化合物に対する最小の収縮度が考慮に入れられる限りは、これは<0.5%であるべきである。少なくとも200℃までの耐熱性もまた、与えられるべきである。
【0049】
ヘッドフランジ及びベースフランジは、好ましくは注型された部材として製造されるか、又は鉄からできていて、その場合、後者は金属スラブであってもよい。
【0050】
フランジに対する降伏強さ、又はむしろ0.2%の耐力(プルーフ強度)は、>200N/mm2であるべきであり、>3%の破壊前伸長が達成されるべきである。
【0051】
2つのフランジに堅く接続されたケーシングシェルが鉄鋼から製造されることが有益である。溶接に適している金属シートもまた、使用されることができる。
【0052】
>200N/mm2の0.2%の耐力(プルーフ強度)及び>15%の破壊前伸長が、ケーシングシェルの材料に対して与えられるべきである。
【0053】
ヘッドフランジは、ケーシングシェルの間のリング形の空洞への注型化合物の導入を可能にするために、注型開口及び脱気開口を特徴的に有する。多数の注型開口がこの目的のために設けられて、リング形のヘッドフランジの周方向の長さに沿って分布される。僅かにより小さい脱気開口は、これらの注型開口から半径方向に外側のある距離のところに、これらに対して距離を有してオフセットしている。このアプローチは、一方では注型化合物が本質的に含有物無しに導入されることを可能にし、他方ではケーシングシェルの間の空洞がよく脱気されることを可能にする。
【0054】
しかし、もしそうすることが必要であれば、注型化合物はまた、適切な振動機によってさらに圧縮及び脱気されることもできる。したがって、注型開口はまた、振動機の使用のためにも設計される。
【0055】
ミリングボウルの開発のプロセスにおいて、注型化合物が、ミリングボウルの全体質量の約40%〜60%を占めることができることが示されている。それによる関連した効果は、製造されている鉄鋼及び注型された部材の重量の顕著な削減である。
【0056】
個別の部材がより軽量であることは、これらの部材の取り扱い及び輸送を単純化することを可能にするので、コストの掛かる重量輸送及び特殊輸送は、もはや必要ではない。一つの部材のミリングボウルに基づいて、輸送される全体重量が、このようにして約40%まで低減されることができる。結果として、個別の部材の組み立ては、所期の動作現場で最初に行われることができて、この場合には、硬化される注型化合物がまた、最初にこの場所で、ケーシングシェルの間のリング形の空洞に導入される。
【0057】
したがって、前記の方法で組み立てられたミリングボウルを使用する本発明にしたがったこの概念は、注型材料から製造される一部材のミリングボウルと比較して、顕著なコスト節約を導く。
【0058】
それによって明らかになる付加的な効果は、本発明に基づいて、より大きなサイズのミリングボウルでさえも、比較的に経済的な方法で実現されることができる点である。
【0059】
本発明によれば、垂直断面において適切な円錐台形状の中空構造を備えるリング形のミリングボウルを製造する方法は、ミリングボウルのヘッドフランジ及びベースフランジが最初に複数の部材として別個に製造され、あるいは、ベースフランジの場合には一つの部材として製造される。2つのケーシングシェルを特徴的に有してヘッドフランジとベースフランジとを接続する中心部材は、同様に別個に製造される。
【0060】
補強アンカーが、ケーシングシェルの間に形成される空洞において、ケーシングシェルの対向している表面に、様々な向きで取り付けられる。
【0061】
ヘッドフランジ、中心部材のケーシングシェル、及びベースフランジを含む構成要素はそれから、お互いに堅固に接続され、引き続いて比較的冷たい硬化性注型化合物が、ヘッドフランジの開口を介して、ケーシングシェルの間に形成された空洞に導入される。注型化合物は、その容積が非収縮特性を有しており、硬化されるか又は自己硬化して、硬化プロセスに続いて、ミリングボウルが堅く回転する堅固なユニットとして存在する。
【0062】
このようにして、仕上げられたミリングボウルが、前記の個別の部材及び構成要素を備える非分割性ユニットとして出現する。加えて、特にケーシングシェルの間の、またヘッドフランジとベースフランジとの間のフォームフィット及びプレスフィット接続が、補強アンカーの導入によって改良されることができて、この補強アンカーは、硬化された注型化合物に埋め込まれる。
【0063】
ハニカム構造もまた、補強アンカーの代わりに又はそれとの組み合わせで、使用されることができる。
【0064】
これより、本発明に従ったミリングボウルの概念は、ミリングボウルの全体重量が一部材のミリングボウルの全体重量に等しいか又はより大きくなることを可能にし、以前は注型によって造られた一部材のミリングボウルによって達成されていたミリングボウルの所望の「アンビル効果」が、注型材料の使用にもかかわらず、本発明に従ったハイブリッドミリングボウルを使用しても達成されることができる。
【0065】
したがって、グラインドベッド及びミリングボウルに垂直に作用する力の吸収及びクッションを意味すると理解されるべき「アンビル効果」がまた、本発明に従ったハイブリッドミリングボウルを使用しても達成されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1】特に補強アンカーに関する第1の例で特定される本発明に従ったミリングボウルの垂直断面図である。
図2】特に図1とは異なる補強アンカーを有する本発明に従ったミリングボウルの第2の例の匹敵する垂直断面図である。
図3図2に従ったミリングボウルの上面図であって、L-L線の左側の半分は、ヘッドフランジが取り付けられたミリングボウルを示しており且つ対応する開口もまた示されていて、破線が棒状の堅固アンカー及びその方向を表しており、図3のL-L線の右側の半分は、ヘッドフランジが取り除かれた上面図を示しており、実線は注型化合物に埋め込まれた棒状の補強アンカーを示す。
図4】従来技術に従って注型材料から一部材として製造されたミリングボウル、ならびにその顕著な要素の垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
本発明に従ったミリングボウルが、2つの例に対する模式的な図面の助けを借りて、より詳細に説明される。
【0068】
このミリングボウルを製造する会社が、寸法、送達時間、輸送コスト、及び最終的には所期の動作現場での組み立てを含む総製造コストに関して、より大きな柔軟性を達成するために、図1に垂直断面で示されるミリングボウル1はリング形に製造されて、複数の構成要素からできている。
【0069】
ミリングボウル1の下方の構成要素はリング形のベースフランジ5を特徴的に有しており、これは、その外径を考慮すると、好ましくは注型材料又は鉄鋼材料から一つの部材として製造される。リング形のヘッドフランジ4はベースフランジ5よりも大きな外径を有し、ミリングボウル1の上側に設けられる。
【0070】
ヘッドフランジ4は注型材料から製造され、好ましくは複数のリングセグメントを有しており、例えば3つ又は4つのリングセグメントからなり得る。ヘッドフランジ4には円形のボウル開口24が設けられており、これは回転軸21の中心にあって且つ回転軸21に関して対称である。円形の注型開口17及び脱気開口18が、さらにヘッドフランジに存在する。
【0071】
ヘッドフランジ4及びそのリングセグメントは、好ましくは注型材料から、又は例えば金属スラブから製造される。
【0072】
ミリングボウル1はさらにリング形の中心部材7を特徴的に有しており、これは内側ケーシングシェル8及び外側ケーシングシェル9によって形成される。
【0073】
内側ケーシングシェル8が、それがベースフランジ5と一緒に締め付けられている下方の締め付けエリア33からほぼ垂直に上方に延在している一方で、外側ケーシングシェル9は、ベースフランジの上方に開口角度を有する円錐のように、リング形のベースフランジ5の外側エリアで締め付けられている。
【0074】
有益なことには、両方のケーシングシェル8、9は、複数の部材として、特に2つのセグメントの各々として製造されることができて、これらは好ましくは、一緒に溶接されて内側注型リングと、外側エリアにおいて円錐形の外側注型リングとを生成する。両方のケーシングシェル8、9は好ましくは、鉄を含む材料から製造される。
【0075】
ミリングボウル1が組み立てられるとき、これらのケーシングシェル8、9は、それらの間にほぼ楔形の空洞12を形成し、これは底に向かって傾斜している。頂部では、外側ケーシングシェル9の上端に水平突出フランジとして平坦な鉄リング19が設けられていて、これは、一方では例えば外側ケーシングシェル9の上端に溶接されており、他方では例えばヘッドフランジ4の外側エリアの下面にねじ留めアタッチメント25によって堅固に取り付けられている。
【0076】
ケーシングシェル8、9、又はむしろそれらのセグメントの製造に続いて、この例では棒形であってV形の端が設けられている補強アンカー14が、特にケーシングシェル8、9の内壁に堅固に溶接される。ねじ留めアタッチメントもまた可能である。示されている例では、これらの補強アンカーは、それらの取り付けゾーンから空洞12内に、ほぼ垂直な方向に突出している。図1に従って示された例では、これらの補強アンカー14は長さが短く、対応するケーシングシェルの向かい合った内側表面までは延在していない。これらの補強アンカーがヘッドフランジ4の下側に取り付けられることもまた、可能である。
【0077】
それらの上端区間で、ケーシングシェル8、9は一方で、アタッチメント32及び25によってヘッドフランジ4にしっかりと取り付けられている。下方区間でも同じであって、締め付け33が内側ケーシングシェル8に設けられ、例えば締め付けアンカー27及びねじ留めボルト28による締め付けがまた、外側ケーシングシェル9をベースフランジ5に堅く取り付けるために設けられている。ケーシングシェル8、9をフランジ4及び5に固定するためのこれらの手段はまた、フォームフィット及びプレスフィットとして設けられることもできる。
【0078】
この例では、補強アンカー26は、鉄リング、特にケーシングシェル9の上端からその中央に延在している上方の水平に突出している平坦な鉄リング19をさらに補強するために、例えば外側ケーシングシェル9の外側表面に溶接される。前記補強の鉄は、例えば溶接されて、これによって中心部材7とヘッドフランジ4との間に、より大きな全体的な堅固さを達成する。
【0079】
図1に従ったミリングボウル1の個別の構成要素の先述した製造及び組み立てに引き続いて、追加の重要なステップが、所望のミリングボウル1の最終完成のために行われる。
【0080】
この時点で、ケーシングシェル8及び9の間に形成された空洞12を完全に且つ密に、特にエアポケット無しに充填する様に、注型化合物16が注型開口17を介して導入される。
【0081】
この目的のために選ばれるのは塊体であって、これは硬化の間に収縮せず、且つ有益なことには、硬化フェーズの間にわずかな膨張特性を示す。
【0082】
ヘッドフランジにおける脱気開口18は、注型開口17からある距離のところに且つ基本的には半径方向の外側に、わずかにオフセットされている。これらの脱気開口18は、注型化合物16が導入されているフェーズの間に空洞12内に存在している気体が容易に脱出することを可能にし、これによりまた、注型化合物と金属又は注型表面との間の界面に気密シールを達成する。
【0083】
好ましい注型化合物は、例えばコンクリート混合物であって、これは空洞12に取り付けられた補強アンカーと相互作用して、前述の例では、高い圧縮及び引張強度と比較的低い熱膨張係数とを有する補強コンクリートからできたリング形のコアを製造する。
【0084】
樹脂又はプラスチックに基づき、且つこの場合には特に高性能ポリマ又はポリイミドに基づく他の注型化合物を使用することもまた可能である。
【0085】
図1に従ったミリングボウル1は、ベースフランジ5に、ステップ状でリング形のベース開口23を有している。
【0086】
これより、ベースフランジ5の下面29はベアリング配列の上に配置され、これは、垂直ミルの一つの構成要素である完成したミリングボウル1の回転を可能にする。あるいは、ミリングボウルの回転ドライブのために使用されたギアボックスフランジが、ベース開口23のエリアに設けられる。
【0087】
模式的に描かれたミリングボウルを製造するための本発明に従った概念は、一つの部材として製造された注型されたミリングボウルと比較して、顕著なコスト削減を達成するだけではない。
【0088】
実際のところ、この方法で製造されたミリングボウルの全体重量は、例えば約100トンであって、これは、重さ約901トンであることができるほぼ同じ寸法の一部材の注型されたミリングボウルに比べて、より大きくなるようにさえ設計されることができる。
【0089】
これはまた、ケーシングシェル8、9の間の空洞12の容積が、注型されたミリングボウルの中心部材43の体積のほぼ4倍の大きさであるという事実によっても、達成されることができる。
【0090】
例えば、補強コンクリートからできた注型化合物を仮定すると、ミリングボウルの全体重量に対する注型化合物の重量はほぼ60%であることができる一方で、他の構成要素における注型及び金属部材はミリングボウルの全体重量のわずかに約40%しか占めない。
【0091】
加えて、引き続く図2及び図3に関して、このアプリケーションでは、同じ参照符号が同じ構成要素及び物体を指すことに留意されたい。
【0092】
さらなる例として図2に示されるミリングボウル2は、その垂直断面において、図1に関して先述されたものと本質的に同じ構造を有する。
【0093】
図1に従ったミリングボウル1に比べて、キーとなる相違点は、内側ケーシングシェル8と外側の円錐状のケーシングシェル9との間に形成された空洞12の内部における補強アンカー15の配置にある。
【0094】
図2に従った例では、内側ケーシングシェル8と円錐状に傾斜が付いた外側ケーシングシェル9との間に形成され、注型材料が注がれる空洞の内部における補強アンカー15は、補強アンカーの端13が各々の場合にケーシングシェル8、9の両方の内側表面に溶接されるように配置されている。
【0095】
この文脈において、補強アンカーが半径方向に配置され且つ方向付けられていることに加えて、補強アンカー15はまた、対応するケーシングシェル8、9の様々な高さに溶接されることができる。
【0096】
図3を考慮すると、例えば内側のケーシングシェル8の表面から延在している補強アンカー15が、仮想的に全ての角度の方向でランダムに外側を向いていることが明らかである。言い換えると、設けられた補強アンカー15は、その直近のエリアでは、水平面内においてだけではなく、むしろ(垂直方向を基準として使用して)3次元的にもオーバーラップし、交差し、且つ横切っている。
【0097】
補強アンカーはまた、一緒に結び付けられることもできる。
【0098】
補強アンカー15の配置はまた、ミリングボウル2の回転方向とは逆向きのリング状の構成要素も有することができ、その結果として、注型化合物ならびにこれよりそれに堅固に接続された構成要素に作用する力及びトルクの伝達が改良される。
【0099】
図3に従った模式的な描写におけるL−L線の左側のエリアは、先にそうであったように、ヘッドフランジ4が上に置かれた図2に従ったミリングボウル2の上面図を示している。
【0100】
ヘッドフランジ4の上側表面に形成されたチャネル6は注型開口17を特徴的に有しており、これらは、この例では半径方向に内向きに置かれており、円形の脱気開口18は、この例では半径方向に外向きに置かれている。
【0101】
外側ケーシングシェル9の円錐状の方向によって容易にされて、注型化合物が注型開口17を通って内部空洞12に注がれている間に空洞12内に存在する気体は、脱気開口18を介して容易に脱出することができる。
【0102】
注がれた注型化合物の圧縮を強化するために、例えば、注型開口17に置かれた振動機によって圧縮されることができる。
【0103】
有益なことに、開口17、18は注型化合物又はその他の材料によってシールされる。
【0104】
グラインドベッドそれ自身を生成するために、典型的には固くされた鉄を含む材料からできている適切なセグメントがチャネル6に挿入されて、硬化される。
【0105】
図3に描かれた上面図のL−L線の右半分は、先にそうであったように、図2に従ったミリングボウル2の右側部分を示しており、ヘッドフランジ4は取り除かれている。外側の半円19は、この文脈では、平坦な鉄リングを表しており、これは、図2によれば、ねじ留めアタッチメント25によって下方からヘッドフランジ4を支える。
【0106】
示された図は模式的な描写であって、描写においては単純化が存在している。
【0107】
例えば、平坦な鉄リング19の外端は、ヘッドフランジ4の外端11よりもわずかに小さい直径を有する。
【0108】
図3に見られる右側の部分は、実線として表された補強アンカー15を示している。これらは注型化合物16に埋め込まれており、この場合には補強アンカー15がお互いに交差し且つオーバーラップしていることが明らかである。
【0109】
それゆえ、ミリングボウルを製造するための本発明に従った複数部材の概念は、ミリングボウルの材料及び寸法的な設計に関して高い度合いの柔軟性を生成し、且つまた、ミリングボウルの定量的な要件のコストを顕著に減らすこともできる。
図1
図2
図3
図4