【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、本発明によれば、独立請求項1の特徴を有する血液ポンプによって達成される。本発明の好ましい実施形態およびさらなる発展は、独立請求項1に従属する請求項に明記される。
【0006】
本発明によれば、好ましくは血管内血液ポンプでありまた軸流血液ポンプ、遠心血液ポンプ、および混合型血液ポンプのうちの1個であり得る血液ポンプが、羽根車を回転させるための駆動ユニットを備える。駆動ユニットは、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、または好ましくは6個の支柱などの、回転軸の周りに配置される複数の支柱を含む。8個、10個、または12個などの、より多数の支柱も可能とされ得る。支柱の数は、釣り合いの取れた羽根車の制御のために、偶数であることが好ましいが、3個または5個などの奇数であってもよい。支柱のそれぞれは、軸部分および頭部分を含み、頭部分は、羽根車の方を向く。回転磁界を生成するために、支柱のそれぞれの軸部分の周りにコイル巻線が配置され、コイル巻線は、回転磁界を生成するように連続的に制御可能とされる。羽根車は、少なくとも1個の磁石を含み、この磁石は、羽根車を駆動ユニットに磁気的に結合するように、すなわち、回転磁界と相互作用して羽根車の回転を生じさせるように、配置される。
【0007】
回転電磁界を生成する駆動ユニットが、一般的な電気モータと比較して可動部品の数を減らすことにより、血液ポンプの機構の単純化を可能にする。このことはまた、電気モータのための接触軸受を必要としないので、摩耗を減少させる。駆動ユニットと羽根車との間の磁気結合は、羽根車の回転を生じさせるだけでなく、羽根車の正確な位置合わせを可能にする。具体的には、磁気結合は、軸方向だけでなく径方向の軸受を提供し得る。
【0008】
駆動ユニットと羽根車の磁石との間の磁気結合の密度を上げるには、いくつかの支柱を同時に活性化することが有利であり得、ここで、「活性化する」とは、それぞれの磁極を生成するためにそれぞれのコイル巻線に電力を供給することを意味する。例えば、支柱の数および羽根車の磁石の数に応じて、6個の支柱のうちの4個などの、支柱の半数以上が同時に活性化され得る。活性化される支柱および不活性化される支柱の配置は、回転対称であることが好ましく、また、支柱は、対で制御されることが好ましい。
【0009】
駆動ユニットは、複数の支柱の頭部分とは反対側の軸部分の端部に係合する背板をさらに含む。1つの実施形態では、背板は、軸部分の前記端部を受容するために、好ましくは一定の角距離で、回転軸の周りに配置された複数の開口を含み得る。しかし、支柱は、恒久的にでも解放可能にでも、他の手段により背板に取り付けられるか接続されるかまたは固定されてもよいことが、理解されるであろう。背板は、具体的には、磁束の生成を促進および強化するため、ならびに結合性能を向上させるために、磁束回路を閉じる働きをする。背板により磁束が強化されるので、血液ポンプの全径を小さくすることができ、このことは、血管内血液ポンプにとって特に有利である。背板とともに支柱を含む構成は、血液ポンプの高周波数をさらに可能にし、すなわち、血液ポンプは、高速度で動作することができる。さらに、背板は、支柱に係合するので、支柱組立体に構造安定性を提供する。
【0010】
背板は、磁性鋼、または磁束回路を閉じるのに適した他の材料、好ましくはコバルト鋼で作られ得る。背板の直径は、5mmまたは6mmから7mmのように、約3mmから9mmとされ得る。背板の厚さは、1.5mmのように、約0.5mmから約2.5mmとされ得る。血液ポンプの外径は、約4mmから約10mm、好ましくは約6mmとされ得る。複数の支柱の構成の外径、具体的には支柱の頭部分において測定される複数の支柱の構成の最大外径は、4mmから6mm、好ましくは5mmのように、約3mmから8mmとされ得る。
【0011】
支柱の寸法、具体的には長さおよび断面積は、異なってもよく、また、様々な要因に依存し得る。血液ポンプの用途に依存する血液ポンプの寸法、例えば外径とは違い、支柱の寸法は、駆動ユニットの所望の性能を得るように調整される電磁的性質によって決定される。要因のうちの1つは、支柱の最小断面積によって得られる磁束密度である。断面積が小さくなるほど、所望の磁束を得るために必要な電流が大きくなる。しかし、より大きい電流は、電気抵抗に起因して、コイルのワイヤにより多くの熱を生じさせる。つまり、全体的な大きさを小さくするには「細い」支柱が好ましいが、これは、大電流を必要とすることになり、したがって、望ましくない熱がもたらされる。ワイヤに生じる熱はまた、コイル巻線に使用されるワイヤの長さおよび直径に依存する。巻線損失(銅線が使用される場合には「銅損」または「銅電力損失(copper power loss)」と呼ばれ、銅線が使用されることが通例である)を最小限に抑えるためには、短いワイヤ長および大きいワイヤ径が好ましい。言い換えれば、ワイヤ径が小さい場合には、より太いワイヤと比較して、同じ電流でもより多くの熱が生じ、好ましいワイヤ径は、例えば0.05mmから0.2mmであり、0.1mmなどである。支柱の寸法および駆動ユニットの性能に影響を及ぼすさらなる要因は、コイルの巻き数、および巻き外径、すなわち巻きを含む支柱の外径である。多数の巻きが各支柱の周りで2つ以上の層に配置されてもよく、例として、2つまたは3つの層が設けられてもよい。しかし、層の数が多くなるほど、より大きい巻き径を有する外側の層内のワイヤの長さが増大することに起因して、より多くの熱が生じることになる。ワイヤの長さが増大することは、短いワイヤと比較すると、長いワイヤのより大きい抵抗に起因して、より多くの熱を生じさせる可能性がある。したがって、小さい巻き径を持つ単層の巻きが、好ましいはずである。
【0012】
支柱の長さに依存する、典型的な巻き数は、約50から約150、例えば56または132とされ得る。
【0013】
1つの実施形態では、羽根車はまた、ヨークまたは背板を含むことができ、このヨークまたは背板は、例えば羽根車の磁石と羽根との間で、好ましくは駆動ユニットと反対の側を向いた羽根車の側において、羽根車の少なくとも1個の磁石に取り付けられる。支柱の軸の端部に取り付けられる背板と同様に、羽根車のヨークまたは背板は、磁束の生成を強化するため、および、結合性能を高めるために、磁束回路を閉じる働きをする。羽根車のヨークまたは背板は、磁性鋼、好ましくはコバルト鋼で作られ得る。
【0014】
支柱もまた、磁性鋼で作られ得る。支柱および背板を含む駆動ユニットは、コバルト鋼で作られることが好ましい。コバルト鋼の使用は、ポンプの大きさ、特に直径を小さくすることに寄与する。あらゆる磁性鋼の中でも、コバルト鋼は、最高の透磁率、および最高の飽和磁束密度により、同量の材料が使用された場合に、最も多くの磁束を生成する。
【0015】
支柱が互いに磁気的に絶縁されると、駆動ユニットの効率および性能にとってさらに有利であり得る。したがって、支柱を互いに分離しかつそれぞれの磁界をそれぞれの支柱の範囲内に保持するように、隣接した支柱の頭部分間に、磁気を絶縁する材料が配置され得る。磁気を絶縁する材料は、その磁界がコイル巻線によって生じる電磁界をそれぞれの支柱の範囲内に保持する磁性材料とされ得る。支柱間の短絡を回避するために、少なくとも、空隙または他の絶縁材料、すなわち電気的に不伝導の材料が、支柱の頭部分間に設けられ得る。
【0016】
1つの実施形態では、支柱のうちの少なくとも1個の支柱の頭部分、好ましくはそれぞれの支柱の頭部分は、回転軸に垂直な平面に対してある角度で傾斜した上面を有する。回転軸と前記傾斜面の径方向における中心との間の距離は、回転軸とそれぞれの支柱の軸部分の断面領域の径方向における中心との間の距離以下であり得る。表面または領域の径方向における中心とは、その表面または領域の径方向の最も内側の点と径方向の最も外側の点との間の中心である。言い換えれば、羽根車に面する表面である、頭部分の傾斜した上面は、斜めに延在すること、または回転軸に対してある角度で傾斜することができ、また、傾斜面の半分以上は、軸部分の中心に対して径方向内方に配置され得る。これは、駆動ユニットの外径、したがって血液ポンプの外径が、駆動ユニットを羽根車に磁気的に結合するのに必要とされる最小値に維持されることを可能にする。この直径が減少した設計は、ポンプが動作している間患者の血管内に配置されまたカテーテルによって配置され得る血管内血液ポンプにとって特に有利である。さらに、傾斜した結合面は、羽根車の径方向の心出しを実現する。前述の角度は、回転軸に垂直な平面に対して、好ましくは45°であるが、約0°から約90°の間、好ましくは約30°から約60°の間、より好ましくは約40°から約50°の間とされ得る。支柱の傾斜面は、径方向外方を向くこと、すなわち、それらが凸形状を形成することが好ましい。あるいは、傾斜面は、径方向内方を向いて凹形状を形成してもよい。
【0017】
駆動ユニットが回転軸に対して対称であるように、支柱の全てが同一であることが好ましい。しかし、支柱は、本発明による駆動ユニットを形成することに適合するのであれば、厳密に同一でなくてもよいことが、理解されるであろう。しかし、軸部分が同じ長さを有すること、および、頭部分の傾斜面が同じ傾斜角度を有することが、好ましい。駆動ユニットを形成するために、異なる支柱が、交互に並んだ形などによって、不規則にまたは規則的に配置されてもよい。
【0018】
前記少なくとも1個の支柱の頭部分の傾斜面、好ましくは頭部分のそれぞれの傾斜面は、それぞれの支柱のコイル巻線の径方向の最も外側の表面と径方向に位置合わせされるか、またはその表面に対して径方向内方もしくは外方に配置され得る。傾斜面は、磁気軸受の表面積を最大化する一方で駆動ユニットの外径を最小限に抑えるために、それぞれの軸部分を越えて回転軸に向かって径方向内方に延在することが好ましい。例として、軸方向投影図では、すなわち、軸方向における上面図に見られるように、頭部分の傾斜面は、コイル巻線の範囲内に配置され得るか、または、軸方向において軸またはコイル巻線と少なくとも位置合わせされ得る。別の実施形態では、頭部分は、径方向および/または円周方向においてコイル巻線の外周を越えて延在し得る。頭部分は、回転軸に垂直な平面においてそれぞれの軸部分よりも大きい断面寸法を有することができ、それぞれのコイル巻線は、好ましくは、少なくとも径方向においては頭部分を越えて延在しない。言い換えれば、頭部分は、コイル巻線のための軸方向の止め具としてだけではなく径方向の限界としても作用し得る肩を形成することができる。
【0019】
頭部分のうちの少なくとも1個、好ましくは全ての頭部分が、回転軸を含む平面に沿った断面において実質的に三角形または台形であり得る。組み立てられた状態では、頭部分の斜めのまたは傾斜した表面は、円錐面、または実質的に円錐形の表面、例えば小平面を有するが円錐面をおおよそ形成する表面を、一緒に形成し得る。一般に、形成される表面の形状は、凸状であり得る。説明的に言うと、頭部分は、円錐形の上面を有する円形の構成を形成するために、パイ片(pie slice)のようにまとめられ得る。羽根車の少なくとも1個の磁石は、支柱の頭部分によって形成される円錐面と大きさおよび形状が実質的に一致する円錐形または実質的に円錐形の凹部を有し得るかまたは形成し得る。一般に、磁石は、磁気結合を向上させるために、支柱によって形成される凸面に面する凹面を形成し得る。別の実施形態では、凹面と凸面の配置は反対とされる場合があり、すなわち、支柱の頭部分が円錐形の凹部を形成する一方で、磁石が凸状の円錐面を形成する場合がある。
【0020】
駆動ユニットおよび羽根車のそれぞれの凸面および凹面は、表面間の距離が一定であるように、それぞれ間隙を形成し得る。しかし、間隙の間隔は、一定ではないが円周方向に見たときに間隙の断面積が径方向において一定であるように選択されることが好ましい。後者の場合、表面間の距離は、回転軸に向かって増大する。組み合わせも想定され得る。羽根車と駆動ユニットとの間の間隙の形状および寸法は、流体力学軸受の性能に寄与し得る。
【0021】
羽根車の磁石は、上述のように間隔が変化する間隙を含む支柱の頭部分の形状と一致する円錐形または実質的に円錐形の凹部を有する単体として形成され得る。しかし、回転軸の周りで羽根車に配置されて円錐形の凹部を形成する、2個以上の磁石、例えば4個、好ましくは6個の磁石、さらには8個、10個、または12個の磁石などの、複数の磁石が設けられ得ることが理解されるであろう。好ましくは偶数、より好ましくは支柱の数と一致する数の複数の磁石を設けることは、磁石が死角を伴わずに磁界の北/南の配向を交互にして配置され得るので有利である。磁石が単体として設けられる場合、配向の異なる磁界間の移行部において死角が生成され得る。
【0022】
羽根車が複数の磁石を含む場合、磁石は、磁性材料の量を増大させるために、個々の磁石間に実質的に間隙を伴わずに配置され得る。しかし、間隙、特に径方向に延在する間隙により磁石が分離されている場合には、磁気結合の効率は低下しないことが分かっている。これは、磁界の特性、および駆動ユニットと羽根車との間の間隙の特性によるものである。羽根車内の磁石が互いに接近している場合、1個の磁石(北)から隣接する磁石(南)へアーチ状に延びる最も内側の磁力線は、駆動ユニットと羽根車との間の間隙を越えて延在せず、したがって、駆動ユニットに到達しない。すなわち、最も内側の磁力線は、羽根車の駆動に寄与しない。したがって、羽根車内の磁石間に間隙が設けられていれば、効率の損失はない。駆動効率の損失を伴わずに設けられ得る羽根車内の磁石間の間隙の大きさは、当業者であれば計算することができるように、羽根車と駆動ユニットとの間の間隙の大きさに依存する。羽根車の磁石間の間隙は、例えば洗い出しチャネル(wash out channel)として使用され得る。
【0023】
一般的に言えば、また、頭部分が円錐面を形成するかどうかにかかわらず、羽根車の磁石は、支柱の頭部分に面する表面を有することができ、かつ、頭部分の傾斜面の角度と実質的に一致する角度で傾斜し得る。例として、構成は、前述の構成の反対であってもよく、つまり、支柱の頭部分が円錐形の凹部などの凹面を形成し、羽根車の磁石が円錐面などの凸面を形成してもよい。
【0024】
それぞれの表面の傾斜にかかわらず、羽根車の1個または複数個の磁石は、支柱の頭部分と径方向に位置合わせされ得る。しかし、いくつかの実施形態では、1個または複数個の羽根車の磁石は、支柱の頭部分に対して径方向に、例えば径方向内方にまたは径方向外方に、オフセットされ得る。磁石が支柱の頭部分と径方向に位置合わせされた場合には磁力が実質的に軸方向に向けられるだけであるのに反して、この径方向のオフセットでは、羽根車と駆動ユニットとの間の磁力が径方向の成分を有するので、羽根車の安定化および径方向の心出しが向上され得る。
【0025】
1つの実施形態では、羽根車は、駆動ユニット、具体的には支柱の頭部分の周りに、少なくとも部分的に延在し得る。言い換えれば、羽根車は、円周方向において駆動ユニットと重なり合う延長部を有し得る。これは、磁気結合が、支柱の頭部分の傾斜面の領域内だけではなく、その径方向外側の側面でも発生することを意味する。羽根車は、支柱の頭部分の領域の周りに延在することができるように、増大した直径、具体的には駆動ユニットよりも大きい直径を有し得る。したがって、羽根車は、上記のような円錐形の部分を有する凹部と、円筒形の部分とを有し得る。磁力線が径方向に延在する箇所で羽根車および駆動ユニットが径方向でも結合されるので、この羽根車の設計により、磁気結合が向上され得る。この領域では、最大直径に起因して、高トルクが生成されて羽根車を駆動し得る。
【0026】
1つの実施形態では、血管内血液ポンプは、駆動ユニットを包囲するハウジングをさらに備えることができ、ハウジングは、好ましくは、大きさおよび形状が、複数の支柱の外側輪郭と一致する。具体的には、ハウジングは、支柱の頭部分の傾斜面によって形成される表面の形状と一致する、円錐形の軸方向端部表面を有し得る。反対側の端部は、開口していてもよく、また、ハウジングを閉じるための背板に係合し得る。ハウジングは、支柱組立体のための保護具として、特に血液接触に対する保護具として機能し、これは、コイル巻線にとって特に有用である。ハウジングは、ポンプケーシングの内側に配置されることが好ましい。そのようなハウジングの存在にかかわらず、駆動ユニットは、ポンプケーシングの内側に配置されることが好ましい。ハウジングは、非磁性かつ不伝導の(すなわち、電気的に絶縁される)材料で作られ、かつ、良好な熱伝達を提供することが、好ましい。ハウジングの材料は、例えばアルミニウムとされ得る。
【0027】
コイル巻線は、電気的に不伝導の(すなわち、電気的に絶縁される)熱伝導性母材に埋め込まれ得る。母材は、コイル巻線を保護し、かつ、コイル巻線によって生成される熱を伝達する。熱伝導性母材の材料は、熱伝導特性を高めるために、添加剤を含むプラスチック材料とすることができる。例として、母材は、アルミニウム添加剤を有するエポキシ樹脂を含むことができる。母材は、コイル巻線の周りおよびコイル巻線間で材料に形を与え、続いて材料を硬化させることによって、形成され得る。
【0028】
駆動ユニットは、回転軸に沿って延在する中央開口部を有することが好ましい。中央開口部は、支柱の頭部分によって形成されてもよく、また、細長いピンを受容するように構成されてもよく、ピンの軸方向端部表面は、羽根車のための軸受面を形成する大きさおよび寸法とされる。この構成によれば、支柱間の空間がピンのために使用されるので、血液ポンプのコンパクトな設計が可能になる。ピンの他方の端部は、ポンプケーシングによって支持され得る。中央開口部はまた、案内ワイヤなどの挿入のために設けられてもよく、または、流体経路を形成してもよい。
【0029】
羽根車と駆動ユニットとの間の間隙を通る洗い出し流れを強化するために、2次的な羽根のセットが、羽根車に設けられ得る。具体的には、2次的な羽根は、駆動ユニットに面する1個または複数個の磁石の側に、すなわち、羽根車と駆動ユニットとの間の間隙内に、設けられ得る。洗い出し流れは、さらに、または別法として、駆動ユニットに面する磁石の表面に凹設されたチャネルによって増大され得る。チャネルは、例えば径方向にまたは螺旋状に延在し得る。
【0030】
1つの実施形態では、1個以上の流体力学軸受が、羽根車を支持するために設けられ得る。例として、前述の2次的な羽根およびチャネルは、流体力学軸受を形成するか、または、少なくとも、羽根車と駆動ユニットとの間の間隙の大きさおよび形状に関して上述されたような流体力学軸受性能を支援することができる。反対に、羽根車に面する駆動ユニットの表面、すなわち、具体的には駆動ユニットを取り囲むハウジングの端部表面が、流体力学軸受を形成するように適合されてもよい。流体力学軸受は、軸方向もしくは径方向のもの、または軸方向および径方向両方のものであってもよい。具体的には、羽根車と駆動ユニットとの間の共通領域の円錐形状により、径方向および軸方向の両方における流体力学軸受が形成され得る。径方向の流体力学軸受もまた、羽根車の外側表面とポンプケーシングの内側表面との間に形成され得る。具体的には、羽根車とポンプケーシングとの間に間隙が形成されてもよく、この場合、流体力学軸受に十分な量の血液が、間隙を流れ、追加的な血流出口を通ってポンプケーシングから出て行く。主たる血流は、血流出口を通ってポンプケーシングから出て行き、間隙を流れることはない。非接触式の軸受である流体力学軸受は、摩擦力を減少させることにより、駆動ユニットの機能を支援し得る。
【0031】
上記の概要、および好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読めばより良く理解されるであろう。本開示を説明するために、図面を参照する。しかし、本開示の範囲は、図面に開示された特定の実施形態に限定されるものではない。