特許第6675239号(P6675239)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6675239
(24)【登録日】2020年3月12日
(45)【発行日】2020年4月1日
(54)【発明の名称】フォークリフト
(51)【国際特許分類】
   F16D 48/02 20060101AFI20200323BHJP
   B66F 9/075 20060101ALI20200323BHJP
【FI】
   F16D48/02 640R
   B66F9/075 Z
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-54991(P2016-54991)
(22)【出願日】2016年3月18日
(65)【公開番号】特開2017-166663(P2017-166663A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2018年10月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】三菱ロジスネクスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084412
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 冬紀
(74)【代理人】
【識別番号】100169029
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 恵一
(74)【代理人】
【識別番号】100202854
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 卓行
(72)【発明者】
【氏名】二井 伸夫
【審査官】 倉田 和博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−249892(JP,A)
【文献】 特開2000−337489(JP,A)
【文献】 特開2001−116133(JP,A)
【文献】 米国特許第06647332(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0284719(US,A1)
【文献】 米国特許第05101943(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 48/00−48/12
F16H 61/00−61/70
B66F 9/075
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インチングペダルの操作量に基づきクラッチ油圧を出力する油圧出力部と、
前記クラッチ油圧に基づいて、原動機から車輪への動力伝達を接続状態、半接続状態、切断状態の間で制御するクラッチと、
前記インチングペダルの操作量に基づき前記油圧出力部を制御し、前記インチングペダルが非操作位置から最大操作位置に操作されるまでは第1特性、前記インチングペダルが最大操作位置から非操作位置に操作されるまでは第2特性で前記クラッチ油圧を調圧する油圧制御部とを備え、
前記第1特性は、前記インチングペダルが非操作位置から中間操作位置になるまでは前記接続状態、前記中間操作位置になると前記半接続状態、前記中間操作位置を越える第1領域では前記半接続状態から前記切断状態に向けて前記クラッチ油圧が第1変化率で漸減する範囲を少なくとも含む特性であり、
前記第2特性は、前記インチングペダルが前記最大操作位置から前記中間操作位置になるまでは前記切断状態から前記半接続状態に向けて前記クラッチ油圧を漸増させ、前記中間操作位置を下回る第2領域では前記半接続状態から前記接続状態に向けて前記クラッチ油圧が第2変化率で漸増する範囲を少なくとも含む特性であるフォークリフト。
【請求項2】
請求項1に記載のフォークリフトにおいて、
前記第1特性は、前記中間操作位置において、前記接続状態となる第1クラッチ油圧から前記半接続状態となる第2クラッチ油圧に急減する特性を含み、
前記第2特性は、前記最大操作位置から前記中間操作位置に変位して前記半接続状態となる前記第2クラッチ油圧になった後は、前記第1クラッチ油圧に向けて漸増する特性を含むフォークリフト。
【請求項3】
請求項2に記載のフォークリフトにおいて、
前記第2変化率は複数設けられており、
前記複数の第2変化率のうちいずれか一つの変化率を選択するインチング特性選択部をさらに備え、
前記油圧制御部は、前記インチング特性選択部で選択された前記いずれかの変化率を有する第2特性に基づき、前記第2領域のクラッチ油圧を調圧制御するフォークリフト。
【請求項4】
請求項2に記載のフォークリフトにおいて、
前記油圧制御部は、
前記インチングペダルが前記第1領域の操作量から前記第2領域の操作量まで減少し、その後、前記第2領域内で操作量が増加に転じるとき、前記インチングペダルが前記中間操作位置に達するまでは、前記操作量が減少から増加に転じた際の前記クラッチ油圧を維持するフォークリフト。
【請求項5】
請求項2に記載のフォークリフトにおいて、
前記油圧制御部は、
前記インチングペダルが前記第1領域の操作量から前記第2領域の操作量まで減少し、その後、第2領域内で操作量が増加に転じ、さらに減少に転じるとき、前記クラッチ油圧を前記第1クラッチ油圧とするフォークリフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォークリフトに関する。
【背景技術】
【0002】
作業機を備える産業車両は、内燃機関で発生された動力を車両の移動と作業機の駆動に利用する。車両を停止させた状態で作業機を駆動させる場合には車両の駆動系への動力伝達を遮断する必要があり、車両の移動と作業機の駆動が頻繁に行われる産業車両には踏み込みにより駆動系への動力伝達を遮断するインチングペダルが備えられる。
特許文献1には、クラッチが切断されるタイミングと車輪に制動力を与えるタイミングを略同時期に調整することにより、インチングペダル踏み込み時のインチング操作フィーリングを改善する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−283881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている発明では、インチングペダルの操作量を減少させた際に駆動力が急激に増加する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によると、フォークリフトは、インチングペダルの操作量に基づきクラッチ油圧を出力する油圧出力部と、前記クラッチ油圧に基づいて、原動機から車輪への動力伝達を接続状態、半接続状態、切断状態の間で制御するクラッチと、前記インチングペダルの操作量に基づき前記油圧出力部を制御し、前記インチングペダルが非操作位置から最大操作位置に操作されるまでは第1特性、前記インチングペダルが最大操作位置から非操作位置に操作されるまでは第2特性で前記クラッチ油圧を調圧する油圧制御部とを備え、前記第1特性は、前記インチングペダルが非操作位置から中間操作位置になるまでは前記接続状態、前記中間操作位置になると前記半接続状態、前記中間操作位置を越える第1領域では前記半接続状態から前記切断状態に向けて前記クラッチ油圧が第1変化率で漸減する範囲を少なくとも含む特性であり、前記第2特性は、前記インチングペダルが前記最大操作位置から前記中間操作位置になるまでは前記切断状態から前記半接続状態に向けて前記クラッチ油圧を漸増させ、前記中間操作位置を下回る第2領域では前記半接続状態から前記接続状態に向けて前記クラッチ油圧が第2変化率で漸増する範囲を少なくとも含む特性である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、インチングペダルの操作量を減少させた際に、クラッチへの印加圧が連続的に増加されるので、駆動力を緩やかに増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】フォークリフト1の側面図である。
図2】キャビン6の構成を示す図である。
図3】駆動系3の構成を示す図である。
図4】3つのインチング特性を示す図である。
図5】コントローラ20の動作を表すフローチャートである。
図6】第2の実施の形態において、インチング操作量が増加に転じた際のクラッチ油圧を示す図である。
図7】第2の実施の形態において、インチング操作量が増加に転じた後に再度インチング操作量が減少した際のクラッチ油圧を示す図である。
図8】第2の実施の形態において、コントローラ20の動作を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
以下、図1図5を参照して、本発明に係るフォークリフトの第1の実施の形態を説明する。
(構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態によるフォークリフト1の側面図である。フォークリフト1は、車体2の前部にマストフレーム22を備える。マストフレーム22には昇降可能なフォーク24が備えられる。車体2は、運転席25を含むキャビン6と、車体2を移動させる車輪27と、エンジン30やコントローラ20等が収められる格納部28とを備える。
【0009】
図2はキャビン6の構成を示す図である。キャビン6は、運転席25の他に、オペレータにより操作される複数の操作器、すなわち、操舵角指示に用いられるステアリングホイール61と、進行方向を指示する前後進レバー62と、フォーク24のチルト操作に用いられるチルト用レバー63と、フォーク24の昇降操作に用いられるリフト用レバー64と、エンジン出力の調整に用いられるアクセルペダル65と、フォークリフト1の制動力の調整に用いられるブレーキペダル66と、インチングペダル67と、後述するインチング特性選択スイッチ68とを備える。
【0010】
オペレータによるこれら操作器への入力は後述する検出器によりそれぞれ検出され、コントローラ20へ入力される。なお、インチングペダル67は、ブレーキペダル66と機械的に連結されており、インチングペダル67が所定の操作量以上踏み込まれると、インチングペダル67と連動して自動的にブレーキペダル66が踏み込まれる。
インチング特性選択スイッチ68は、オペレータがフォークリフトの動作特性を選択するスイッチであり、クイック特性、標準特性、マイルド特性の3つから選択可能である。
【0011】
図3は格納部28に格納される機器のうち、フォークリフト1の駆動に関連する機器、すなわち駆動系3の構成、および駆動系3への動作指令を出力する機器を示す図である。図3における2重線は駆動力の伝達を表しており、実線は油圧の伝達を表しており、破線は動作指令の伝達を表している。
駆動系3は、エンジン30と、トルクコンバータ31と、変速機32と、プロペラシャフト33と、差動装置34と、ドライブシャフト35とを備える。
エンジン30は、フォークリフト1の走行および荷役に必要な動力を発生する。エンジン30が発生する動力は、トルクコンバータ31および作動油を圧送するポンプ41に供給される。
【0012】
トルクコンバータ31は、エンジン30が発生した動力を流体を介して変速機32に伝達する。
変速機32は、ギアトレインをオペレータによって選択された速度段に切り替え、トルクコンバータ31を介して伝達されたエンジン30の動力を、選択された速度段に応じて増減させて出力してプロペラシャフトを回転駆動する。また変速機32は、オペレータによる前後進レバー62への操作入力に基づき、プロペラシャフト33の回転方向を決定する。
【0013】
変速機32は、湿式多板の前進クラッチ321、および湿式多板の後進クラッチ322を備える。前進クラッチ321および後進クラッチ322はそれぞれ、前進ソレノイドバルブ42および後進ソレノイドバルブ43により印加される油圧(以下「クラッチ油圧」と呼ぶ)で駆動される。前進クラッチ321および後進クラッチ322は、クラッチ油圧に応じて、締結状態、半クラッチ状態(スリップ状態)および解放状態の3つの状態に制御される。すなわち前進クラッチ321および後進クラッチ322は、印加されるクラッチ油圧に基づき、エンジン30から車輪27への動力伝達経路を接続したり、切り離す。動力伝達経路が接続されている状態を締結状態とよび、切り離されている状態を開放状態と呼ぶ。クラッチ油圧が急激に増加すると、クラッチが解放状態から締結状態に変化してフォークリフト1に衝撃が発生する。第1の実施の形態では、インチング特性選択スイッチ68によりクイック特性、標準特性、マイルド特性のいずれか一つの特性が選択可能とされ、標準特性またはマイルド特性が選択されると、クラッチ油圧の急激な増加が抑制される。特性の相違は後述する。
【0014】
前進ソレノイドバルブ42は、コントローラ20からの指令信号により、ポンプ41から供給された作動油の油圧を調節して前進クラッチ321に出力する。
後進ソレノイドバルブ43は、コントローラ20からの指令信号により、ポンプ41から供給された作動油の油圧を調節して後進クラッチ322に出力する。
プロペラシャフト33は、変速機32の出力軸と差動装置34の入力軸とを接続する。
差動装置34は、プロペラシャフト33の回転を左右のドライブシャフト35に伝達する。また、カーブ走行時など、左右のドライブシャフト35の回転速度に速度差を生じさせる必要があるときには、自動的に速度差を与えて円滑な走行ができるようにする。左右のドライブシャフト35の先端にはそれぞれ車輪27が取り付けられる。
【0015】
制動装置5は、ブレーキブースタ51と、マスタシリンダ52と、ドラムブレーキ53と、ブレーキ液圧センサ54と、を備える。
ブレーキブースタ51は、ブレーキペダル66に接続され、エンジン30の吸入負圧を利用してブレーキペダル66を操作するために必要な力を軽減する。
マスタシリンダ52は、ブレーキペダル66の踏み込み量に応じて、ドラムブレーキ53を作動させるための液圧(以下「ブレーキ液圧」と呼ぶ)を発生させる。ブレーキペダル66の踏み込み量が大きくなるほどブレーキ液圧は大きくなる。
ドラムブレーキ53は、車輪27と共に回転するドラムと、摩擦材が貼り付けられたブレーキシューとを有し、ブレーキ液圧に応じてブレーキシューがドラムに押し付けられることで制動力が発生する。マスタシリンダ52からドラムブレーキ53に印加されるブレーキ液圧が高くなるほど、ブレーキシューの押し付け力が大きくなるので、フォークリフト1の制動力は大きくなる。
【0016】
ブレーキ液圧センサ54は、マスタシリンダ52からドラムブレーキ53に印加されるブレーキ液圧を検出する。
アクセルペダル65には、アクセルペダル65の踏み込み量(以下「アクセル操作量」と呼ぶ)を検出するアクセルストロークセンサ65Aが設けられる。
インチングペダル67には、インチングペダル67の踏み込み量(以下「インチング操作量」と呼ぶ)を検出するインチングストロークセンサ67Aが設けられる。インチングペダル67の操作により、前進クラッチ321および後進クラッチ322のうち、締結中のクラッチ(以下「締結クラッチ」と呼ぶ)のクラッチ油圧が調整される。
【0017】
前後進レバー62には、前後進レバー62の位置を検出する前後進レバー位置検出センサ62Aが設けられる。
インチングペダル67が踏み込まれると、クラッチ油圧はインチング操作量に応じて制御される。上述したように、クラッチ油圧は、締結クラッチ(前進クラッチ321または後進クラッチ322)へ印加される油圧であり、締結クラッチが締結状態、半クラッチ状態および解放状態の3つの状態に制御される。さらに、インチング操作量に応じてブレーキ液圧が変化し、ブレーキ液圧に応じた制動力が発生する。なお、インチング操作量と締結クラッチのクラッチ油圧の関係は、インチング特性選択スイッチ68の操作により設定されるインチング特性によって異なる。
【0018】
コントローラ20は、CPU、ROM、およびRAMを備え、ROMに格納されたプログラムをRAMに展開して実行する。コントローラ20には、前述したブレーキ液圧センサ54、前後進レバー位置検出センサ62A、アクセルストロークセンサ65A、インチングストロークセンサ67A、およびインチング特性選択スイッチセンサ68Aから信号が入力される。
コントローラ20は、前後進レバー62が前進位置に切り替えられると、前進クラッチ321が締結状態、後進クラッチ322が解放状態となるように前進ソレノイドバルブ42および後進ソレノイドバルブ43を制御する。一方、前後進レバー62を後進位置に切り替えると、コントローラ20は、前進クラッチ321が解放状態、後進クラッチ322が締結状態となる。また、前後進レバー62を中立位置に切り替えると、前進クラッチ321および後進クラッチ322が解放状態となる。
【0019】
コントローラ20は、インチング特性選択スイッチセンサ68Aの出力に基づき、フォークリフト1のインチング特性を、クイック特性、標準特性、マイルド特性のいずれかに設定する。
コントローラ20は、インチング操作量、および設定されたインチング特性に応じて、前進ソレノイドバルブ42または後進ソレノイドバルブ43を制御し、締結クラッチへ印加するクラッチ油圧を制御する。
【0020】
コントローラ20のROMには、インチング操作量と目標とするクラッチ油圧との関係を示すインチング特性が格納される。本実施の形態では3つのインチング特性、すなわち、クイック特性Tq、標準特性Ts、およびマイルド特性Tmである。インチング特性は、ルックアップテーブルとして記憶されてもよいし、関数として記憶されてもよい。コントローラ20は、いずれのインチング特性を使用するか決定し、次にインチング操作量とインチング特性から一意に定まるクラッチ油圧を特定し、これを目標とするクラッチ油圧(以下「目標クラッチ油圧」と呼ぶ)として決定する。そしてコントローラ20は、クラッチ油圧が目標クラッチ油圧となるように前進ソレノイドバルブ42または後進ソレノイドバルブ43に動作指令を出力する。
【0021】
図4は、3つのインチング特性であるクイック特性Tq、標準特性Ts、マイルド特性Tmを示す図である。図4の横軸はインチング操作量、縦軸はクラッチ油圧を表す。図4の図示右側ほどインチング操作量が多い、すなわちインチングペダル67がより踏み込まれている状態である。また、クラッチ油圧Pmaxの状態では前後進レバー62により選択されているクラッチが締結状態となり、クラッチ油圧P0の状態では前進クラッチ321および後進クラッチ322が解放状態となる。
図4における白丸は特性の説明に用いるものであり、以下では「特性点」と呼ぶ。図4に示すそれぞれの特性点を(インチング操作量、クラッチ油圧)の形式で特定すると、特性点Aは(S4,Pmax)、特性点Bは(S4,P2)、特性点Cは(S5,P0)、特性点Dは(S1,Pmax)、特性点Zは(S0,Pmax)である。
【0022】
図4に実線で示すクイック特性Tqは、インチング操作量がS0〜S4の区間はクラッチ油圧はPmax一定であり、インチング操作量がS4に達するとクラッチ油圧がPmaxからP2へと不連続に減少、すなわち急激に減少する。このときの変化率をαとする。そして、インチング操作量がS4〜S5の区間ではクラッチ油圧がP2からP0に変化率Δで連続的に変化する。すなわち、クイック特性Tqを特性点を用いて表すと、「Z−A−B−C」である。
【0023】
図4に破線で示す標準特性Tsは、インチング操作量がS0〜S1の区間はクラッチ油圧はPmax一定であり、インチング操作量がS1〜S4の区間ではクラッチ油圧がPmaxからP2に変化率βで連続的に変化し、インチング操作量がS4〜S5の区間ではクラッチ油圧がP2からP0に変化率Δで連続的に変化する。すなわち、標準特性Tsを特性点を用いて表すと、「Z−D−B−C」である。ただし後述するように本実施の形態ではインチング操作量がS4に達するまでは常にクイック特性Tqを使用するので、標準特性Tsが選択されている場合にインチング操作量がS0→S5→S0と変化する際のインチング特性を特性点を用いて表すと、「Z−A−B−C−B−D−Z」である。
図4に一点鎖線で示すマイルド特性Tmは、インチング操作量がS0〜S4の区間はクラッチ油圧がPmaxからP2に変化率γで連続的に変化し、インチング操作量がS4〜S5の区間ではクラッチ油圧がP2からP0に変化率Δで連続的に変化する。すなわち、マイルド特性Tmを特性点を用いて表すと、「Z−B−C」である。ただし後述するように本実施の形態ではインチング操作量がS4に達するまでは常にクイック特性Tqを使用するので、マイルド特性Tmが選択されている場合にインチング操作量がS0→S5→S0と変化する際のインチング特性を特性点を用いて表すと、「Z−A−B−C−B−Z」である。
【0024】
クイック特性Tqにおいてインチング操作量がS4に達した際の、インチング操作量とクラッチ油圧は概念的にはマイナス無限大の相関である。このときの変化率は上述したとおりαである。標準特性Tsのインチング操作量がS1〜S4の区間において、インチング操作量とクラッチ油圧は負の相関がある。上述したように変化率はβである。マイルド特性Tmのインチング操作量がS0〜S4の区間において、インチング操作量とクラッチ油圧は負の相関がある。このときの変化率は上述したとおりγである。3つの特性に共通し、インチング操作量がS4〜S5の区間において、インチング操作量とクラッチ油圧は負の相関がある。このときの変化率は上述したとおりΔである。
このとき、これらの変化率を絶対値で評価すると、|Δ|<|γ|<|β|<<|α|の関係にある。
【0025】
コントローラ20は、インチング特性選択スイッチ68により選択されているインチング特性にしたがって、インチング操作量に対するクラッチ油圧を決定する。本実施の形態では、インチング操作量がS4に達するまでは常にクイック特性Tqを使用し、インチング操作量がS4を超えた後にインチング操作量が減少するとインチング特性選択スイッチ68により選択されているインチング特性を使用する。
【0026】
(フローチャート)
以上説明したコントローラ20の動作を実現するためのプログラムの動作を説明する。
図5は、コントローラ20が目標とするクラッチ油圧を決定するプログラムの動作を表すフローチャートである。以下に説明するこのプログラムの実行主体はコントローラ20のCPUである。以下に説明するフローチャートに登場する「フラグ」とは、インチング操作量がS4に達したか否かを管理するためのデータであり、インチング操作量がS4以上になるとオン(1)にセットされ、インチング操作量がS0になるとオフ(ゼロ)にセットされる。なお、図5では「インチング操作量」を「操作量」と記載している。
ステップS301では、インチング操作量がS0であるか否かを判断する。インチング操作量がS0であると判断するとステップS320に進みフラグをオフ(ゼロ)にセットし、ステップS310に進む。ステップS310では、図4で説明したクイック特性Tqをインチング特性として設定する。ステップS307に進む。クイック特性Tqが設定されると、ステップS307において、検出されたインチング操作量に応じてクラッチ油圧が決定される。インチング操作量が増加する過程および減少する過程のいずれの場合も、インチング操作量から決定されるクラッチ油圧は同じ値となる。また、第1の実施の形態では、インチング操作量がゼロから最大値S5までは、標準特性、マイルド特性のいずれが選択されていても、クイック特性Tqをインチング特性に設定してインチング操作量に対するクラッチ油圧が決定される。
【0027】
ステップS301においてインチング操作量がS0ではないと判断するとステップS302に進む。ステップS302では、インチング特性選択スイッチ68により選択されている特性を判断し、オペレータがクイック特性Tqを選択していると判断するとステップS310に進み、オペレータがクイック特性Tq以外を選択していると判断するとステップS303に進む。
ステップS303では、インチング操作量がS4以上であるか否かを判断する。インチング操作量がS4以上であると判断するとステップS309においてフラグをオン(1)にセットし、ステップS310に進む。インチング操作量がS4未満であると判断するとステップS304に進む。
ステップS304では、フラグがオン(1)であるか否かを判断し、オンであると判断する場合はステップS305に進み、オフであると判断するとステップS310に進む。
ステップS305では、インチング特性選択スイッチ68からの信号に基づいてオペレータが標準特性を選択しているかマイルド特性を選択しているかを判断する。オペレータが標準特性Tsを選択していると判断する場合はステップS306に進み、オペレータがマイルド特性Tmを選択していると判断する場合はステップS308に進む。
【0028】
ステップS306では、インチング特性として標準特性Tsを設定し、ステップS308では、インチング特性としてマイルド特性Tmを設定し、ステップS307に進む。
ステップS307では、設定されたインチング特性を参照して、インチング操作量に対応するクラッチ油圧を特定し、これを目標クラッチ油圧に決定する。以上で図5に示すフローチャートを終了する。
ステップS310はインチング特性としてクイック特性Tqを設定する処理であるが、以下の場合に実行される。
(1)オペレータがインチング特性選択スイッチ68によりクイック特性Tqを選択し、ステップS302においてクイック特性Tqが選択されていると判定されると実行される。
(2)インチング操作量がS4以上であり、ステップS303が肯定判定されるとステップS309においてフラグが1に設定された後に実行される。
(3)インチング操作量がS4未満でありフラグが1ではないとき、ステップS304が否定判定されると実行される。
(4)インチング操作量がゼロのときにステップS320でフラグを0にリセットした後で実行される。
【0029】
このような実施形態のフォークリフト1では、インチングペダル67の踏込量により次のようにスムーズな動作が可能となる。
たとえば、空荷のフォークリフト1が荷を積み込む際、アクセルペダル65を踏み込んで荷に向かって前進する。オペレータはフォークリフト1が荷に近づくとインチングペダル67を踏み込み、車輪27へのトルク伝達を低減する。さらにフォークリフト1が荷に近づくと、オペレータはインチングペダル67をさらに踏み込む。インチングペダル67が所定量以上踏み込まれると、連動してブレーキペダル66も踏込まれて制動力が発生する。フォークがパレットに正しく差し込まれると、インチングペダル67をフルに踏み込み(インチング操作量S5)、フォークリフト1を停止させる。このとき、アクセルペダルを踏み込み、フォーク操作レバーを上げ操作してフォーク、すなわち、荷を持ち上げる。そして、前後進レバーを後進に操作する。
【0030】
次いで、オペレータはインチングペダル67を解放して、エンジン30が出力するトルクを車輪27へ伝達する。このとき、オペレータによりインチング特性選択スイッチ68が標準特性Ts、またはマイルド特性Tmが選択されていれば、オペレータによるインチングペダル67の解放が急激であったとしても、図4の破線、または一点鎖線で示されるインチング特性をトレースするようにインチング操作量に対するクラッチ油圧がなめらかに増加する。すなわち、インチングペダル67を急減に解放操作されたとき、インチング操作量がS4以下になったときにクラッチ伝達トルクが急激に増加せず、停車から走行開始までの動作において衝撃が緩和される。換言すると、標準特性Ts、およびマイルド特性Tmでは、クイック特性Tqに比べてクラッチ油圧の変化率が小さいからである。
【0031】
上述した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)フォークリフト1は、インチングペダル67の操作量に基づきクラッチ油圧を出力する油圧出力部、すなわち前進ソレノイドバルブ42、および後進ソレノイドバルブ43と、クラッチ油圧に基づいて、原動機30から車輪27への動力伝達を接続状態、半接続状態、切断状態の間で制御する前進クラッチ321および後進クラッチ322と、インチングペダル67の操作量に基づき油圧出力部を制御し、インチングペダル67が非操作位置(S0)から最大操作位置(S5)に操作されるまでは第1特性、インチングペダルが最大操作位置(S5)から非操作位置(S0)に操作されるまでは第2特性でクラッチ油圧を調圧する油圧制御部、すなわちコントローラ20とを備える。第1特性は、インチングペダル67が非操作位置(S0)から中間操作位置(S4)になるまでは接続状態、中間操作位置(S4)になると半接続状態、中間操作位置(S4)を越える第1領域(インチング操作量がS4より大きい領域)では半接続状態から切断状態に向けてクラッチ油圧が第1変化率Δで漸減する範囲を少なくとも含む特性である。第2特性は、インチングペダル67が最大操作位置(S5)から中間操作位置(S4)になるまでは切断状態から半接続状態に向けてクラッチ油圧を漸増させ、中間操作位置(S4)を下回る第2領域(インチング操作量がS4より小さい領域)では半接続状態から接続状態に向けてクラッチ油圧が第2変化率で漸増する範囲を少なくとも含む特性である。
インチングペダル67が最大操作位置(S5)に操作された後に中間操作位置(S4)を下回るとクラッチ油圧が半接続状態から接続状態に向けて漸増するので、クラッチが急に接続されることによるフォークリフト1への衝撃発生を抑制することができる。フォークリフト1に衝撃が生じると、フォークリフト1の走行性の悪化や、フォークリフト1に搭乗しているオペレータへの肉体的・精神的な負担となるだけでなく、マストフレーム22およびフォーク24を経由してフォーク24に積載している積み荷にも衝撃を与えることとなる。その場合、積み荷の荷崩れや積み荷の破損が生じる可能性がある。しかし、本実施の形態において説明した係合装置10によればこのような問題を抑制することができる。
【0032】
(2)第1特性は、中間操作位置(S4)において、接続状態となる第1クラッチ油圧(Pmax)から半接続状態となる第2クラッチ油圧(P4)に急減する特性を含む。第2特性は、最大操作位置(S5)から中間操作位置(S4)に変位して半接続状態となる第2クラッチ油圧(P4)になった後は、第1クラッチ油圧(Pmax)に向けて漸増する特性を含む。
そのため、インチング操作量が増加される場合は不感帯を設けつつクラッチ油圧を急減させて半接続状態とすることができる。さらに、インチング操作量が減少される場合は半接続状態からクラッチ油圧を漸増させてスムーズに接続状態に遷移させ、フォークリフト1への衝撃発生を抑制することができる。
【0033】
(3)第2変化率はβとγの複数設けられており、複数の第2変化率のうちいずれか一つの変化率を選択するインチング特性選択スイッチ68Aをさらに備える。コントローラ20は、インチング特性選択スイッチ68Aで選択されたいずれかの変化率を有する第2特性に基づき、第2領域のクラッチ油圧を調圧制御する。
そのため、オペレータは作業内容や積み荷に応じて第2領域のインチング特性を選択することができる。
【0034】
(変形例)
上述した第1の実施の形態を以下のように変形してもよい。
(1)フォークリフト1がインチング特性選択スイッチ68を備えず、インチング操作量が増加する際はクイック特性と等価のインチング特性とし、インチング操作量がS4を下回ると、標準特性Tsまたはマイルド特性Tmのいずれかとなるように特性を設定してもよい。
(2)インチング特性選択スイッチ68により4以上の特性を選択可能に設定してもよい。
(3)コントローラ20は、インチング操作量がS5に達したか否かに基づきインチング特性を変更してもよい。この場合は、標準特性Tsおよびマイルド特性Tmのインチング操作量S4〜S5の特性をクイック特性Tqと同様に定義する。そして、コントローラ20は、インチング操作量がS5に達するまでは、インチング特性選択スイッチ68の設定に関わらずクイック特性を選択し、インチング操作量がS5に達した際にインチング特性選択スイッチ68の設定に基づきいずれかのインチング特性を選択する。その後、インチング操作量がS0になると再びクイック特性Tqを選択する。
【0035】
(第2の実施の形態)
図6図8を参照して、本発明に係る係合装置の第2の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、主に、インチングペダル67のインチング操作量が減少している際にインチング操作量が増加に転じた場合に、コントローラ20が決定するクラッチ油圧が第1の実施の形態と異なる。
(構成)
第2の実施の形態におけるフォークリフト1のハードウエア構成は、第1の実施の形態と同様である。コントローラ20のROMに保存されるプログラムの動作が第1の実施の形態と異なる。
【0036】
(コントローラ20の動作)
コントローラ20は、インチング特性選択スイッチ68により標準特性Ts、またはマイルド特性Tmが選択されており、インチング操作量がS4に達した後であって、インチング操作量がS0〜S4の区間にある場合に目標クラッチ油圧を以下のように決定する。すなわち、インチング操作量がS4から減少または維持されている場合は第1の実施の形態と同様に、選択されている特性におけるインチング操作量に対応するクラッチ油圧を、目標クラッチ油圧とする。しかし、インチング操作量が増加に転じても目標クラッチ油圧を減少させず、インチング操作量がS4に達するまではインチング操作量が増加に転じた際の目標クラッチ油圧を維持する。さらに、インチング操作量が増加に転じた後に再び減少すると、目標クラッチ油圧をPmaxとする。
【0037】
図6図7は、第2の実施の形態においてコントローラ20が決定する目標クラッチ油圧を示す図である。いずれの図も第1の実施の形態における図4を修正したものである。特性点A〜D、Zは第1の実施の形態と同一である。特性点E〜Jを(インチング操作量、クラッチ油圧)の形式で特定すると、特性点Eは(S2,P3)、特性点Fは(S4,P3)、特性点Gは(S2,P4)、特性点Hは(S4,P4)、特性点Iは(S3,P3)、特性点Jは(S3,Pmax)である。
【0038】
図6は、インチング操作量が増加に転じた際の目標クラッチ油圧を示す図である。インチング特性選択スイッチ68によりマイルド特性Tmが選択されている場合に、インチング操作量がS0−S4−S5−S4−S2−S4−S5と変化した場合に、コントローラ20が決定する目標クラッチ油圧を図6における特性点で表すと「Z−A−B−C−B−E−F−B−C」である。すなわち、特性点Eにおいてインチング操作量が増加しても、インチング操作量S4までは目標クラッチ油圧をP3一定とする。インチング特性選択スイッチ68により標準特性Tsが選択されている場合も同様であり、インチング操作量が同様に変化すると、特性点Gにおいてインチング操作量が増加した際に、インチング操作量S4までは目標クラッチ油圧はP4一定とする。
【0039】
図7は、インチング操作量が増加に転じた後に再度インチング操作量が減少した際の目標クラッチ油圧を示す図である。ただし図7ではマイルド特性Tmの場合のみを示している。インチング特性選択スイッチ68によりマイルド特性Tmが選択されている場合に、インチング操作量がS0−S4−S5−S4−S2−S9−S0と変化すると、コントローラ20が決定する目標クラッチ油圧を図7における特性点で表すと「Z−A−B−C−B−E−I−J−Z」である。すなわち、特性点Eにおいてインチング操作量が増加すると、増加が継続するインチング操作量S9までは目標クラッチ油圧をP3一定とし、インチング操作量が減少すると目標クラッチ油圧をPmaxとする。
【0040】
(フローチャート)
以上説明したコントローラ20の動作を実現するためのプログラムの動作を説明する。
図8は、第2の実施の形態においてコントローラ20が目標クラッチ油圧を決定するプログラムの動作を表すフローチャートである。第1の実施の形態と同様の処理には同一のステップ番号を付して説明を省略する。以下に説明するこのプログラムの実行主体はコントローラ20のCPUである。なお、図8では図5と同様に「インチング操作量」を「操作量」と記載している。
【0041】
ステップS306、S308、S310に至るまで、すなわち特性を決定するまでは第1の実施の形態と同様である。ステップS306、S308、S310の次にステップS330に進む。
ステップS330では、インチング操作量がS4より小さくかつフラグがオン(1)であるか否かを判断する。両方の条件を満たすと判断する場合はステップS331に進み、少なくとも片方の条件を満たさないと判断する場合はステップS307に進む。
ステップS331では、インチング操作量が直前のインチング操作量よりも増加しているか否かを判断する。インチング操作量が減少を続けている場合には、第1の実施の形態と同様にクラッチ油圧を決定するからである。増加していると判断する場合はステップS332に進み、増加していない、すなわち減少しているまたは変化がないと判断する場合はステップS307に進む。
【0042】
ステップS332では、直前に決定した目標クラッチ油圧(以下「油圧Pz」と呼ぶ)を記憶してステップS333に進む。
ステップS333では、記憶した油圧Pzを目標クラッチ油圧として決定し、ステップS334に進む。
ステップS334では、インチング操作量がS4以上であるか否かを判断する。インチング操作量がS4以上の場合には第1の実施の形態と同様に目標クラッチ油圧を決定するからである。S4以上であると判断する場合はステップS307に進み、S4未満であると判断する場合はステップS335に進む。
【0043】
ステップS335では増加していたインチング操作量が減少に転じたか否かを判断する。減少に転じたと判断する場合はステップS336に進み、増加を維持している、またはインチング操作量が変化していないと判断する場合はステップS333に戻る。
ステップS336では、最大のクラッチ油圧であるPmaxを目標クラッチ油圧として決定し、図8のフローチャートを終了する。
【0044】
上述した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の作用効果に加えてさらに次の作用効果が得られる。
(4)コントローラ20は、インチングペダル67が第1領域(インチング操作量がS4より大きい領域)の操作量から第2領域(インチング操作量がS4より小さい領域)の操作量まで減少し、その後、第2領域内でインチング操作量が増加に転じるとき、インチングペダル67が中間操作位置(S4)に達するまでは、インチング操作量が減少から増加に転じた際のクラッチ油圧を維持する。
そのため、インチング操作量がS4未満の第1領域ではインチングペダル67の踏み込みにより駆動力を保持することができ、安定した走行が可能となる。さらにインチング操作量がS4に達した際の駆動力の変化を抑制することができる。
【0045】
(5)コントローラ20は、インチングペダル67が第1領域の操作量から第2領域の操作量まで減少し、その後、第2領域内で操作量が増加に転じ、さらに減少に転じるとき、クラッチ油圧を第1クラッチ油圧(Pmax)とする。
そのため、標準特性Ts、およびマイルド特性Tmが選択されている場合でも、インチング操作量をゼロまで戻すことなく、最大のクラッチ油圧(Pmax)を得ることができる。また、インチング操作量がS4未満になると目標クラッチ油圧が連続的に増加されているので、駆動力の変化を抑制することができる。
【0046】
上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1 … フォークリフト
10 … 係合装置
20 … コントローラ
30 … エンジン
30A … 出力軸
67 … インチングペダル
68 … インチング特性選択スイッチ
321 … 前進クラッチ
322 … 後進クラッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8